JP3794470B2 - 薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイス、特に薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜磁気ヘッドの読み出し素子としては、巨大磁気抵抗(giant magnetoresitive、以下GMRと称する)効果膜を用いたスピンバルブ膜構造体(以下SV素子と称する)、及び、トンネル磁気抵抗効果素子(以下TMR素子と称する)が主流になっている。スピンバルブ膜構造体において、能動領域は、軟磁性膜(フリー層)と、非磁性膜と、強磁性膜と、反強磁性膜とを含む多層膜構造となっている。能動領域の両側には多層膜構造の受動領域が備えられ、受動領域を通して、能動領域にセンス電流を流す。センス電流は、能動領域の膜面に対して平行となる方向に流れる。
【0003】
TMR素子において、能動領域は、強磁性層/非磁性層/強磁性層という多層構造の強磁性トンネル効果膜でなる。能動領域の上下方向に、多層膜構造の受動領域が備えられ、受動領域を通して、能動領域にセンス電流が供給される。センス電流は、能動領域の膜面に対して、垂直となる方向に流れる。
【0004】
SV素子及びTMR素子の何れにおいても、外部磁界に対する感度を高めるために、能動領域及び受動領域の多層膜端面を、スライダの媒体対向面に露出させる。そして、露出された膜端面の耐摩耗性、耐久性、耐食性及び電気絶縁性を確保し、信頼性を高める手段として、スライダの媒体対向面に、ダイヤモンド.ライク.カーボン(以下DLCと称する)等の被覆膜を付着させる。
【0005】
被覆膜の付着に当っては、スライダの媒体対向面を、物理的、化学的または物理化学的エッチングによってクリーニングし、その後に被覆膜を付着させる。これにより、付着力が高く、安定した被覆膜が形成される。
【0006】
ところが、SV素子及びTMR素子の何れにおいても、スライダの媒体対向面に露出する能動領域及び受動領域の端面は、材質の互いに異なる金属膜または合金膜を多層に積層した多層膜であり、イオン化傾向が膜毎に異なり、イオン化傾向の大小に応じて、異なったエッチングレートを示す。このため、クリーニング処理を施した場合、エッチングレートの大きい膜では深く削られ、エッチングレートの小さい膜では浅くなる。この結果、隣接膜間における凹凸が激しくなり、被覆膜のカバレッジが不完全で、膜端面に対する被覆膜の付着強度が不充分になってしまうという問題点を生じる。
【0007】
上述した問題点は、薄膜磁気ヘッドに限らず、多層膜構造を有し、その膜端面に被覆膜を付着させる各種の電子デバイスにおいても、等しく発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、多層膜端面に対する被覆膜の付着強度を向上させた電子デバイスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明は、電子デバイスについて、3つの態様を開示する。第1の態様に係る電子デバイスは、積層膜と、被覆膜とを含む。積層膜は、第1の層と、第2の層とを含んでいる。前記第1の層は、金属または合金の層である。前記第2の層は、前記第1の層とは異なる金属または合金の層であって、前記第1の層に隣接する。
【0010】
前記第1の層と前記第2の層との隣接領域に、前記第1の層に含まれる前記金属または合金と、前記第2の層に含まれる前記金属または合金とを含有する濃度勾配層を有している。前記被覆膜は、前記第1及び第2の層の端面を覆っている。
【0011】
第1の層及び第2の層は、基本的には、材質の互いに異なる金属または合金で構成されており、電子デバイスの要求特性を満たす材質から選択される。これらの第1の層及び第2の層を構成する金属または合金は、物理的、化学的または物理化学的エッチングに対するエッチングレートが異なる。
【0012】
本発明では、第1の層及び第2の層の隣接領域に、第1の層に含まれる金属または合金と、第2の層に含まれる金属または合金とを含有する濃度勾配層を形成させる。この構成によれば、第1の層及び第2の層の膜端面を含む面に、エッチングによるクリーニングを行った場合、濃度勾配層ではその濃度勾配に応じて、緩やかに削減される。
【0013】
従って、第1及び第2の層の端面に対する被覆膜のカバレッジが向上し、多層膜端面に対する被覆膜の付着強度が向上する。
【0014】
第2の態様に係る電子デバイスでは、積層膜は、第1の層と、第2の層と、第3の層とを含む。前記第1の層は、金属または合金の層であり、前記第3の層は、前記第1の層とは異なる金属または合金の層である。従って、第1の層及び第3の層は、エッチングによるクリーニングに対して、異なるエッチングレートを示す。
【0015】
前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配置され、前記第1の層に含まれる前記金属または合金と、前記第3の層に含まれる前記金属または合金との混合層である。前記被覆膜は、前記第1乃至第3の層の端面を覆っている。
【0016】
第2の態様に係る電子デバイスでは、第2の層のエッチングレートが、第1の層のエッチングレートと、第3の層のエッチングレートのほぼ中間の値に設定されるから、第1〜第3の層の端面に対する被覆膜のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜の付着強度が向上する。
【0017】
第3の態様に係る電子デバイスは、積層膜は、第1の層と、第2の層と、第3の層とを含む。前記第1の層は、金属または合金の層であり、前記第3の層は、前記第1の層とは異なる金属または合金の層である。従って、第1の層及び第3の層は、物理的、化学的または物理化学的エッチングによるクリーニングに対して、異なるエッチングレートを示す。
【0018】
前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配置され、前記第1の層の原子比40%以上かつ最大原子番号の金属元素と前記第3の層の原子比40%以上かつ最大原子番号の金属元素との間のエッチングレートを有する金属または合金の層である。前記被覆膜は、前記第1乃至第3の層の端面を覆っている。
【0019】
第3の態様によれば、第2の層のエッチングレートを、第1の層のエッチングレートと、第3の層のエッチングレートのほぼ中間の値に設定し得るから、第1〜第3の層の端面に対する被覆膜のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜の付着強度が向上する。
【0020】
本発明は、更に、上述した第1〜第3の態様の具体的適用例である薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドとヘッド支持装置とを組み合わせた磁気ヘッド装置、更に、この磁気ヘッド装置と磁気ディスク等の磁気記録媒体とを組み合わせた磁気記録再生装置についても開示する。
【0021】
本発明の他の構成及び効果は、限定を意味しない実施例である添付図面を参照して、更に詳しく説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の態様に係る電子デバイスの積層膜構造を概略的に示す図である。第1の態様に係る電子デバイスは、積層膜(A、B)と、被覆膜Cとを含む。積層膜(A、B)は、第1の層Aと、第2の層Bとを含んでおり、これらは、図示しない基板上に形成されている。第1の層Aは、金属または合金の層である。第2の層Bは、第1の層Aとは異なる金属または合金の層であって、第1の層Aに隣接する。
【0023】
第1の層Aと第2の層Bとの隣接領域に、第1の層Aに含まれる金属または合金と、第2の層Bに含まれる金属または合金とを含有する濃度勾配層ABを有している。
【0024】
被覆膜Cは、第1及び第2の層A、Bの端面を覆っている。被覆膜Cは有機系または無機系の何れであってもよい。
【0025】
第1の層A及び第2の層Bは、基本的には、材質の互いに異なる金属または合金で構成されており、電子デバイスの要求特性を満たす材質から、イオン化傾向を考慮して選択される。これらの第1の層A及び第2の層Bを構成する金属または合金は、物理的、化学的または物理化学的エッチングによるクリーニングに対するエッチングレートが異なる。
【0026】
本発明では、第1の層A及び第2の層Bの隣接領域に、第1の層Aに含まれる金属または合金と、第2の層Bに含まれる金属または合金とを含有する濃度勾配層ABを形成させる。この構成によれば、第1の層A及び第2の層Bの膜端面を含む面に、エッチングによるクリーニングを行った場合、濃度勾配層ABではその端面が濃度勾配に応じて、最大△h1まで、緩やかに削減される。
【0027】
従って、第1及び第2の層A、Bの端面に対する被覆膜Cのカバレッジが向上し、多層膜端面に対する被覆膜Cの付着強度が向上する。
【0028】
濃度勾配層ABは、第1の層A及び第2の層Bを構成する金属または合金のライン分析プロファイルにおいて、最大濃度値の20%における最大濃度値端部からの長さL20と、最大濃度値の80%における最大濃度値端部からの長さL80との比(L20/L80)が2.7よりも大きくなる範囲に設定する。これにより、逆スパッタによるクリーニングにより、濃度勾配層ABの端面を、エッチングレートの低い層から高い層に向かって、ほぼ直線的に削減し得る。
【0029】
図2は第1の層AをCoによって構成し、第2の層BをAuによって構成した場合のライン分析プロファイルである。このようなライン分析プロファイルはEDS、EPMA、AES等のライン分析法によって得ることができる。図2において、横軸に位置Lをとり、縦軸に第2の層Bを構成するAuの濃度(%)を採ってある。位置Lは、第1の層A又は第2の層Bの最大濃度値の端部O1を基準(0)にする。図2には、第2の層Bを構成するAuのライン分析プロファイルが実線で示されている。第1の層Aを構成するCoのライン分析プロファイルは、例えば、図2の点線で表示したようになる。
【0030】
図2に実線で示したAuのライン分析プロファイルにおいて、最大濃度値の20%における最大濃度値端部からの長さL20と、最大濃度値の80%における最大濃度値端部からの長さL80との比(L20/L80)が2.7よりも大きくなる範囲に設定する。Coでも同様である。第1の層AはCoで構成されており、Auで構成された第2の層Bよりもエッチングレートが低い(エッチングされにくい)。
【0031】
図2に示すようなライン分析プロファイルを有する積層膜の端面に、図3に示すように逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、図4に示すように、濃度勾配層ABの端面が、エッチングレートの低いCoでなる第1の層Aから、エッチングレートの高いAuでなる第2の層Bに向かって、ほぼ直線的に、最大△h1だけ削減される。クリーニング手法は、逆スパッタに限らず、他の物理的、化学的または物理化学的エッチングでもよいことは既に述べた通りである。
【0032】
図5は本発明の第2の態様に係る電子デバイスの積層膜構造を概略的に示す図である。第2の態様に係る電子デバイスにおいて、積層膜(A、B、D)は、第1の層Aと、第3の層Dと、第2の層Bとを含む。
【0033】
第1の層Aは、金属または合金の層であり、第3の層Dは、第1の層Aとは異なる金属または合金の層であり、これらは、物理的、化学的または物理化学的エッチングによるクリーニング対して、異なるエッチングレートを示す。具体的に言えば、イオン化傾向が第3の層D、第2の層B及び第1の層Aの順で大きくなる。第1の層A及び第3の層Dは得ようとする電子デバイスの要求特性を満たす材質から、イオン化傾向を考慮して定める。
【0034】
第2の層Bは、第1の層Aと第3の層Dとの間に配置され、第1の層Aに含まれる金属または合金と、第3の層Dに含まれる金属または合金との混合層である。従って、第2の層Bは、電子デバイスの要求特性を阻害せず、第1の層A及び第3の層Dの中間のイオン化傾向を持つことになる。
【0035】
被覆膜Cは、第1〜第3の層A、B、Dの端面を覆っている。被覆膜Cは有機系または無機系の何れであってもよい。
【0036】
第2の態様に係る電子デバイスでは、第2の層Bのエッチングレートが、第1の層Aのエッチングレートと、第3の層Dのエッチングレートのほぼ中間の値に設定されるから、図6に示すように膜端面に逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、図7に示すように、第2の層Bが第1の層Aよりも深さ△h21だけ深くエッチングされ、第3の層Dが第2の層Bよりも深さ△h22だけ深くエッチングされる。この段階的なエッチングにより、図5に示したように、膜端面に被覆膜Cを付着させた場合、第1〜第3の層A、B、Dの端面に対する被覆膜Cのカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜Cの付着強度が向上する。
【0037】
第3の態様に係る電子デバイスは、基本的には、図5に示した第2の態様の積層膜構造と同じである。第2の態様と異なる点は、第2の層Bは、第1の層Aと第3の層Dとの間に配置される第2の層Bが、第1の層Aの原子比40%以上かつ最大原子番号の金属元素と、第3の層Dの原子比40%以上かつ最大原子番号の金属元素との間のエッチングレートを有する金属または合金の層であることである。被覆膜Cは第1〜第3の層A、B、Dの端面を覆う。
【0038】
第3の態様によれば、第2の層Bのエッチングレートを、第1の層Aのエッチングレートと、第3の層Dのエッチングレートのほぼ中間の値に設定し得るから、第1〜第3の層A、B、Dの端面に対する被覆膜Cのカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜Cの付着強度が向上する。
【0039】
次に、上述した第1〜第3の態様の具体的適用例である薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドとヘッド支持装置とを組み合わせた磁気ヘッド装置、更に、この磁気ヘッド装置と磁気ディスク等の磁気記録媒体とを組み合わせた磁気記録再生装置について説明する。
【0040】
図8は薄膜磁気ヘッドの斜視図、図9は図8に示した薄膜磁気ヘッドの拡大断面図である。図示の薄膜磁気ヘッドは、スライダ1の上読み出し素子3及び誘導型磁気変換素子でなる書き込み素子2を有する。矢印A1は媒体走行方向を示す。
【0041】
スライダ1はセラミック構造体で構成され、Al2O3−TiC等でなる基体の上にAl2O3またはSiO2等でなる絶縁膜32が設けられている。スライダ1は磁気ディスクと対向する媒体対向面に被覆膜10を有する。この被覆膜10は、保護膜であって、ダイヤモンド.ライク.カーボン(以下DLCと称する)等でなる。被覆膜10の表面は空気ベアリング面(以下ABSと称する)13、14となる。図示はされていないが、ABS13、14には、浮上特性改善等の目的で、種々の幾何学的形状が付与される。また、実施例では、スライダ1は、磁気ディスクと対向する面側に2つの正圧発生用レール部11、12を有するが、負圧発生構造を有するものであってもよい。
【0042】
書き込み素子2は、下部磁性膜21、上部磁性膜22、コイル膜23、アルミナ等でなるギャップ膜24、絶縁膜25及び被覆膜10などを有する。下部磁性膜21及び上部磁性膜22の先端部は微小厚みのギャップ膜24を隔てて対向するポール部P1、P2となっており、ポール部P1、P2において書き込みを行なう。下部磁性膜21及び上部磁性膜22は、ポール部P1、P2とは反対側にあるバックギャップ部において、磁気回路を完成するように互いに結合されている。絶縁膜25には、ヨーク部の結合部のまわりを渦巻状にまわるように、コイル膜23を形成してある。図示は、面内記録再生用磁気ヘッドであるが、垂直磁気記録再生用磁気ヘッド等であってもよい。
【0043】
図10は読み出し素子の部分の拡大斜視図、図11は図10に示した読み出し素子の構造を示す図、図12は図11の12ー12線に沿った拡大断面図である。図は、第1の態様を適用した例を示している。
【0044】
読み出し素子3は絶縁膜32の内部に埋設されている。読み出し素子3は、磁気抵抗効果素子を含む。磁気抵抗効果素子は、能動領域300と、受動領域35、36とを含む。図示された能動領域300はスピンバルブ膜構造体であり、能動領域300の両側に受動領域35、36が接続されている。受動領域35、36は、磁区制御膜310、320とリード電極膜330、340とを含んでいる。リード電極膜330、340は能動領域300にセンス電流を供給し、磁区制御膜310、320は能動領域300の磁区を制御し、バルクハウゼンノイズを抑制する。
【0045】
磁区制御膜310、320は、リード電極膜330、340とは異なる金属または合金の層であって、リード電極膜330、340に隣接し、端面がスライダ1の媒体対向面上にある。
【0046】
リード電極膜330、340は、金属または合金の層であって、端面がスライダ1の媒体対向面上にある。
【0047】
磁区制御膜310、320とリード電極膜330、340との隣接領域には、磁区制御膜310、320に含まれる金属または合金と、リード電極膜330、340に含まれる金属または合金とを含有する濃度勾配層335、336を有している。
【0048】
能動領域300は、TMR素子であってもよい。この場合には、リード電極膜330、340は、能動領域300の上下に備えられる。
【0049】
被覆膜10は、スライダ1の媒体対向面に付着され、磁区制御膜310、320及びリード電極膜330、340の端面を覆っている。被覆膜10は、前述したように、保護膜であり、DLC膜等で構成される。
【0050】
この構成によれば、磁区制御膜310、320及びリード電極膜330、340の膜端面を含む面に、エッチングによるクリーニングを行った場合、濃度勾配層335、336の端面が、濃度勾配に応じて、最大△h1まで、緩やかに削減される(図12参照)。
【0051】
従って、磁区制御膜310、320及びリード電極膜330、340に対する被覆膜10のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜10の付着強度が向上する。
【0052】
濃度勾配層335、336は、図2に例示したように、ライン分析プロファイルにおいて、最大濃度値の20%における最大濃度値端部からの長さL20と、最大濃度値の80%における最大濃度値端部からの長さL80との比(L20/L80)が2.7よりも大きくなるように設定する。
【0053】
磁区制御膜310、320は、硬磁性膜(磁石膜)、または、反強磁性膜によって構成することができる。採用できる硬磁性膜の例として、CoPt、CoPtCr、SmCo、NbFeB等がある。磁区制御膜310、320を構成する反強磁性膜は、具体的には、例えば、IrMn膜、FeMn膜、NiMn膜、PtMn膜、RuMn膜、RhMn膜、RuRhMn膜、PtPdMn膜、NiO膜またはPtCr膜から選択された少なくとも一種を含むことができる。
【0054】
リード電極膜330、340は、上述した磁区制御膜310、320の材料組成に合わせて、図2に例示したような濃度勾配層335、336が得られる材料にする。典型例としては、磁区制御膜310、320をCoPtでなる硬磁性膜とし、リード電極膜330、340をAuとする例があり、この場合には、図2に示したライン分析プロファイルによる濃度勾配層335、336が得られる。
【0055】
図13は図10に示した読み出し素子の構造を示す図、図14は図13の14ー14線に沿った拡大断面図である。図は、第2の態様を適用した例を示している。図において、図10〜図12に現れた構成部分には同一の参照符号を付してある。
【0056】
図示実施例において、受動領域35は、磁区制御膜310とリード電極膜330とを含んでおり、磁区制御膜310及びリード電極膜330の隣接領域に、第1の層331、第2の層332、及び、第3の層333とを順次に積層した積層膜を有している。同様に、受動領域36も、磁区制御膜320とリード電極膜340とを含んでおり、磁区制御膜320及びリード電極膜340の隣接領域に、第1の層341と、第2の層342と、第3の層343とを順次に積層した積層膜を有している。受動領域35及び受動領域36は、上述したように、同様の構成になるので、以下、受動領域35を代表的に説明する。
【0057】
第1の層331は、金属または合金の層であり、第3の層333は、第1の層331とは異なる金属または合金の層である。第2の層332は、第1の層331と第3の層333との間に配置され、第1の層331に含まれる金属または合金と、第3の層333に含まれる金属または合金との混合層である。被覆膜10は、第1〜第3の層331〜333の端面を覆っている(図14参照)。
【0058】
次に、第1〜第3の層331〜333の具体例について説明する。磁区制御膜310がCoPtで構成され、リード電極膜330がAuで構成されている典型例では、第1の層331をCoPtTaで構成し、第3の層333をAuTaで構成し、第2の層332をTaで構成する例を挙げることができる。
【0059】
この場合には、第2の層332のエッチングレートが、第1の層331のエッチングレートと、第3の層333のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。このため、膜端面に逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、図14に示すように、第2の層332が第1の層331よりも深さ△h31だけ深くエッチングされ、第3の層333が第2の層332よりも深さ△h32だけ深くエッチングされる。この段階的なエッチングにより、第1〜第3の層331〜333の端面に対する被覆膜10のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜10の付着強度が向上する。
【0060】
しかも、実施例の場合、磁区制御膜310がCoPtでなり、この磁区制御膜310に、CoPtTaでなる第1の層331が隣接し、更に、第1の層331にTaでなる第2の層332が隣接しているので、CoPtTaでなる第1の層331のエッチングレートが、CoPtでなる磁区制御膜310のエッチングレートと、Taでなる第2の層332のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。このため、膜端面に逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、第1の層331が磁区制御膜310よりも深くエッチングされ、第3の層333が第2の層332よりも深くエッチングされる(図14の括弧内符号333、331、310参照)。この段階的なエッチングにより、磁区制御膜310、第1の層331及び第2の層332の端面に対する被覆膜10のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜10の付着強度が向上する。
【0061】
更に、リード電極膜330がAuでなり、このリード電極膜330に、AuTaでなる第3の層333が隣接し、第3の層333にTaでなる第2の層332が隣接しているので、AuTaでなる第3の層333のエッチングレートが、Auでなるリード電極膜330のエッチングレートと、Taでなる第2の層332のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。このため、膜端面に逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、第3の層333が第2の層332よりも深くエッチングされ、リード電極膜330が第2の層332よりも深くエッチングされる(図14の括弧内符号330、332、333参照)。
【0062】
この段階的なエッチングにより、磁区制御膜310、第1の層331及び第2の層332の各端面に対する被覆膜10のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜10の付着強度が向上する。
【0063】
従って、実施例の場合、受動領域35の全体において、多層膜間の段差が縮小され、被覆膜10のカバレッジが向上し、膜端面に対する被覆膜10の付着強度が向上する。受動領域36でも同様の効果が得られる。
【0064】
磁区制御膜310、320がCoPtCrでなり、リード電極膜330、340がAuでなる場合も、第1〜第3の層331〜333については、同一の材料組成のものを用いることができる。また、磁区制御膜310、320がCoPtまたはCoPtCrでなり、リード電極膜330、340がTaでなる場合において、第1の層331をCoPtCrTiWで構成し、第3の層333をTiWTaで構成し、第2の層332をTiWで構成する例を挙げることができる。
【0065】
次に、第3の態様として、前述した第1の層331(または341)、第2の層332(または342)及び第3の層333(または343)の積層構造において、第2の層332(または342)を、第1の層331(または341)の原子比40%以上かつ最大原子番号の金属元素と、第3の層333(または343)の原子比40%以上かつ最大原子番号の金属元素との間のエッチングレートを有する金属または合金の層で構成した場合も、同様の作用効果を得ることができる。
【0066】
図15は本発明に係る薄膜磁気ヘッドに含まれる読み出し素子の拡大断面図である。この実施例は、本発明に係る第2の態様を、磁区制御膜310、320に適用した例を示している。磁区制御膜310は、第1の層311、第2の層312、第3の層313、及び、第4の層314を順次に積層した積層膜を有している。
【0067】
同様に、受動領域36の磁区制御膜320も、第1の層321と、第2の層322と、第3の層323と、第4の層324とを順次に積層した積層膜を有している。受動領域35及び受動領域36は、上述したように、同様の構成になるので、以下受動領域35を代表的に説明する。
【0068】
第1の層311は、金属または合金の層であり、第3の層313は、第1の層311とは異なる金属または合金の層である。第2の層312は、第1の層311と第3の層313との間に配置され、第1の層311に含まれる金属または合金と、第3の層313に含まれる金属または合金との混合層である。
【0069】
次に、第4の層314は、第3の層313と磁区制御膜310との間に配置され、第3の層313に含まれる金属または合金と、磁区制御膜310に含まれる金属または合金との混合層である。次に、磁区制御膜310をCoPtまたはCoPtCrで構成した場合の具体例を示す。
【0070】
実施例1
第1の層311;Ta
第2の層312;CrTa
第3の層313;CrまたはCrを含む合金
第4の層314;CoPtCr
磁区制御膜310;CoPt
上述した実施例の場合、第2の層312のエッチングレートが、第1の層311のエッチングレートと、第3の層313のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。また、第4の層314のエッチングレートが、第3の層313のエッチングレートと、磁区制御膜310のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。このため、膜端面に逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、各層毎に、段差の小さい段階的なエッチングが行われ、膜端面に被覆膜10を付着させた場合、磁区制御膜310の全体に対する被覆膜10のカバレッジが向上し、被覆膜10の付着強度が向上する。
【0071】
実施例2
第1の層311;TiW
第2の層312;CoPt+TiW
第3の層313;なし
第4の層314;なし
磁区制御膜310;CoPtまたはCoPtCr+TiW
この実施例の場合は、第2の層312のエッチングレートが、第1の層311のエッチングレートと、磁区制御膜310のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。
【0072】
実施例3
第1の層311;NiCr
第2の層312;CoPt+NiCr
第3の層313;なし
第4の層314;なし
磁区制御膜310;CoPtまたはCoPtCr
この実施例の場合も、第2の層312のエッチングレートが、第1の層311のエッチングレートと、磁区制御膜310のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。
【0073】
説明は省略するが、磁区制御膜320においても、同様の構成になり、同様の作用効果を奏する。
【0074】
図16は本発明に係る薄膜磁気ヘッドに含まれる読み出し素子の拡大断面図である。この実施例は、本発明に係る第2の態様を、能動領域300に適用した例を示している。
【0075】
能動領域300はスピンバルブ膜構造体として構成されている。スピンバルブ膜構造体の一例として、この実施例では、Ta膜でなる下地膜301と、NiFe膜でなる軟磁性膜302と、CoFeでなる強磁性膜303と、Cu膜でなる非磁性膜304と、強磁性膜305と、第1の層306と、反強磁性膜307とを含む。
【0076】
反強磁性膜307は、従来より知られている組成系によって構成できる。代表的には、Mn含有合金もしくはMn含有化合物、酸化物系及びPtCr等を挙げることができる。Mn含有合金の例としては、PtMn、IrMn、FeMn、RhMn、NiMn膜、RuMn膜、RuRhMn膜またはPtPdMn膜等があり、酸化物系としてはNiO、CoO、Fe2O3等がある。
【0077】
強磁性膜305は、一面が反強磁性膜307の一面と積層されて交換結合し、交換結合により、一方向に磁化されている。この磁化方向M2は固定される。即ち、反強磁性膜307がピン止め層となり、強磁性膜305がピンド層となる。
【0078】
上記構成において、第1の層306は、強磁性膜305と反強磁性膜307との間に配置され、強磁性膜305に含まれる金属または合金と、反強磁性膜307に含まれる金属または合金との混合層である。具体的例を挙げると、次の通りである。
【0079】
実施例4
反強磁性膜307;PtMn
強磁性膜305;CoFe
第1の層306:PtMn+CoFe
この実施例の場合は、第1の層306のエッチングレートが、反強磁性膜307のエッチングレートと、強磁性膜305のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。
【0080】
実施例5
反強磁性膜307;PtMn
強磁性膜305;CoFe
第1の層306:TaまたはRu(23V〜77Irを含む合金)
この実施例の場合も、第1の層306のエッチングレートが、反強磁性膜307のエッチングレートと、強磁性膜305のエッチングレートのほぼ中間の値に設定される。
【0081】
従って、実施例4、5によれば、能動領域300の端面に逆スパッタ等によるクリーニングを実行した場合、反強磁性膜307、第1の層306及び強磁性膜305の膜端面において、段差の小さい段階的なエッチングが行われ、膜端面に被覆膜10を付着させた場合、能動領域300に対する被覆膜10のカバレッジが向上し、被覆膜10の付着強度が向上する。
【0082】
図17は本発明に係る薄膜磁気ヘッドに含まれる読み出し素子の拡大断面図である。この実施例は、図13〜図16の実施例を総合したものであって、能動領域300及び端部領域35、36において、本発明に係る第2の態様を適用した例を示している。
【0083】
説明及び図示は省略するが、本発明に係る第1の態様及び第3の態様も適用可能である。
【0084】
図18は本発明に係る磁気ヘッド装置の一部を示す正面図、図19は図18に示した磁気ヘッド装置の底面図である。磁気ヘッド装置は、薄膜磁気ヘッド4と、ヘッド支持装置5とを含んでいる。薄膜磁気ヘッド4は図8〜図15を参照して説明した本発明に係る薄膜磁気ヘッドである。
【0085】
ヘッド支持装置5は、金属薄板でなる支持体53の長手方向の一端にある自由端に、同じく金属薄板でなる可撓体51を取付け、この可撓体51の下面に薄膜磁気ヘッド4を取付けた構造となっている。
【0086】
可撓体51は、支持体53の長手方向軸線と略平行して伸びる2つの外側枠部55、56と、支持体53から離れた端において外側枠部55、56を連結する横枠54と、横枠54の略中央部から外側枠部55、56に略平行するように延びていて先端を自由端とした舌状片52とを有する。
【0087】
舌状片52のほぼ中央部には、支持体53から隆起した、例えば半球状の荷重用突起57が設けられている。この荷重用突起57により、支持体53の自由端から舌状片52へ荷重力が伝えられる。
【0088】
舌状片52の下面に薄膜磁気ヘッド4を接着等の手段によって取付けてある。薄膜磁気ヘッド4は、空気流出側端側が横枠54の方向になるように、舌状片52に取付けられている。本発明に適用可能なヘッド支持装置5は、上記実施例に限らない。
【0089】
図20は本発明に係る磁気ディスク装置の構成を模式的に示す図である。図示された磁気ディスク装置は、磁気ヘッド装置6と、磁気ディスク7とを含む。磁気ヘッド装置6は図17、18に図示したものである。磁気ヘッド装置6は、ヘッド支持装置5の一端が位置決め装置8によって支持され、かつ、駆動される。磁気ヘッド装置の薄膜磁気ヘッド4は、ヘッド支持装置5によって支持され、磁気ディスク7の磁気記録面と対向するように配置される。
【0090】
磁気ディスク7が、図示しない駆動装置により、矢印A1の方向に回転駆動されると、薄膜磁気ヘッド4が、微小浮上量で、磁気ディスク7の面から浮上する。図20に図示された磁気ディスク装置はロータリー.アクチュエータ方式と称される駆動方式であり、ヘッド支持装置5の先端部に取り付けられた薄膜磁気ヘッド4は、ヘッド支持装置5を回転駆動する位置決め装置8により、磁気ディスク7の径方向b1またはb2に駆動され、磁気ディスク7上の所定のトラック位置に位置決めされる。そして、所定のトラック上で、磁気記録、及び、読み取り動作が行われる。
【0091】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
【0092】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、多層膜端面に対する被覆膜の付着強度を向上させた電子デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る電子デバイスに含まれる積層膜構造を概略的に示す図である。
【図2】図1に示した電子デバイスにおいて第1の層AをCoによって構成し、第2の層BをAuによって構成した場合のライン分析プロファイルである。
【図3】図1に示した電子デバイスを得るに当って実施されるクリーニング工程を説明する図である。
【図4】図3に示したクリーニングを実行して得られた状態を示す図である。
【図5】本発明の第2の態様に係る電子デバイスの積層膜構造を概略的に示す図である。
【図6】図5に示した電子デバイスを得るに当って実施されるクリーニング工程を説明する図である。
【図7】図6に示したクリーニングを実行して得られた状態を示す図である。
【図8】薄膜磁気ヘッドの斜視図である。
【図9】図8に示した薄膜磁気ヘッドの拡大断面図である。
【図10】図8、9に示した薄膜磁気ヘッドに含まれる読み出し素子の部分の拡大斜視図である。
【図11】図10に示した読み出し素子の構造を示す図である。
【図12】図11の12ー12線に沿った拡大断面図である。
【図13】図10に示した読み出し素子の別の構造例を示す図である。
【図14】図13の14ー14線に沿った拡大断面図である。
【図15】図10に示した読み出し素子の更に別の構造例を示す図である。
【図16】図10に示した読み出し素子の更に別の構造例を示す図である。
【図17】図10に示した読み出し素子の更に別の構造例を示す図である。
【図18】本発明に係る磁気ヘッド装置の一部を示す正面図である。
【図19】図18に示した磁気ヘッド装置の底面図である。
【図20】本発明に係る磁気ディスク装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
A 第1の層
B 第2の層
AB 濃度勾配層
C 被覆層
D 第3の層
Claims (12)
- スライダと、磁気変換素子と、被覆膜とを含む薄膜磁気ヘッドであって、
前記スライダは、媒体対向面を有しており、
前記磁気変換素子は、磁気抵抗効果素子を含み、前記スライダに搭載され、端面が前記スライダの前記媒体対向面上にあり、
前記磁気抵抗効果素子は、能動領域と、受動領域とを含んでおり、
前記受動領域は、積層膜を含み、前記能動領域に接続されており、
前記積層膜は、第1の層と、第2の層とを含んでおり、
前記第1の層は、金属または合金の層であって、端面が前記スライダの前記媒体対向面上にあり、
前記第2の層は、前記第1の層とは異なる金属または合金の層であって、前記第1の層に隣接し、端面が前記スライダの前記媒体対向面上にあり、
前記第1の層と前記第2の層との隣接領域に、前記第1の層に含まれる前記金属または合金と、前記第2の層に含まれる前記金属または合金とを含有する濃度勾配層を有しており、
前記被覆膜は、前記スライダの前記媒体対向面に付着され、前記第1及び第2の層の端面を覆っている、
薄膜磁気ヘッド。 - 請求項1に記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記受動領域は、2つのリード電極膜を有し、前記リード電極膜は前記積層膜を含んでいる、薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1又は2に記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記濃度勾配層は、前記金属または合金のライン分析プロファイルにおいて、最大濃度値の20%における最大濃度値端部からの長さL20と、最大濃度値の80%における最大濃度値端部からの長さL80との比(L20/L80)が2.7よりも大きい薄膜磁気ヘッド。
- スライダと、磁気変換素子と、被覆膜とを含む薄膜磁気ヘッドであって、
前記スライダは、媒体対向面を有しており、
前記磁気変換素子は、磁気抵抗効果素子を含み、前記スライダに搭載され、端面が前記スライダの前記媒体対向面上にあり、
前記磁気抵抗効果素子は、能動領域と、受動領域とを含んでおり、
前記受動領域は、積層膜を含み、前記能動領域に接続されており、
前記積層膜は、第1の層と、第2の層と、第3の層とを含んでおり、
前記第1の層は、金属または合金の層であり、
前記第3の層は、前記第1の層とは異なる金属または合金の層であり、
前記第2の層は、前記第1の層と前記第3の層との間に配置され、前記第1の層に含まれる前記金属または合金と、前記第3の層に含まれる前記金属または合金との混合層であり、
前記被覆膜は、前記第1乃至第3の層の端面を覆っている、
薄膜磁気ヘッド。 - 請求項4に記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記受動領域は、2つのリード電極膜を有し、前記リード電極膜は前記積層膜を含んでいる、薄膜磁気ヘッド。
- 請求項4に記載された薄膜磁気ヘッドであって、
前記受動領域は磁区制御膜を有しており、
前記磁区制御膜は前記積層膜を含み、前記能動領域の磁区を制御する、
薄膜磁気ヘッド。 - 請求項1乃至6の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記能動領域はスピンバルブ膜構造体を構成する薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1乃至6の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記能動領域は強磁性トンネル接合を構成する薄膜磁気ヘッド。
- 請求項1乃至8の何れかに記載された薄膜磁気ヘッドであって、前記磁気抵抗効果素子は読み取り素子である薄膜磁気ヘッド。
- 請求項9に記載された薄膜磁気ヘッドであって、更に、少なくとも1つの書き込み素子を含む薄膜磁気ヘッド。
- 薄膜磁気ヘッドと、ヘッド支持装置とを含む磁気ヘッド装置であって、
前記薄膜磁気ヘッドは、請求項1乃至10の何れかに記載されたものでなり、
前記ヘッド支持装置は、前記薄膜磁気ヘッドを支持し、前記薄膜磁気ヘッドにピッチ運動及びロール運動を許容する、
磁気ヘッド装置。 - 磁気ヘッド装置と、磁気記録媒体とを含む磁気記録再生装置であって、
前記磁気ヘッド装置は、請求項11に記載されたものでなり、
前記磁気記録媒体は、前記磁気ヘッド装置との間で、磁気記録の書き込み及び読み出しを行う、
磁気記録再生装置。
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