JP3794308B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱装置に置ける、加熱室内に風を導くエアーガイドの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高周波加熱装置としては、加熱室内での結露や扉内面のくもりを防ぐ目的で、金属の板状材料や樹脂材料を略U字形状に形成し、加熱室内に風を導くエアーガイドを備えているようなものがあった。図7は、従来の高周波加熱装置の構成を示すものである。
【0003】
図7において、1は調理物を収納する加熱室、2は調理物を出し入れする扉、3は加熱室に高周波を供給するマグネトロン、4はマグネトロンに電源を供給する高圧トランス、5は電気部品を冷却する冷却ファン、6は加熱室に風を導くエアーガイドである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、エアーガイドが金属板又は樹脂材料にて略U字形状に成形されている為、風が流れる空間が邪魔をして部品を整然と積み上げることが出来ず、部品保管時に場所を取り搬送時の効率が悪いばかりでなく、雑然と部品が箱詰めされると、取りだし作業の時に部品が取り出しにくく、無理に取り出すと変形する場合が発生するという課題を有していた。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、安価で作業時に部品が取り出し易く、保管時に場所を取らない搬送効率のよいエアーガイドを備えた高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、金属板状材料で形成したエアーガイドに、スリット状で端面に切り込みのある複数の穴列を設けて、組立作業時に手作業でエアーガイドを折り曲げツメ部に勘合させて固定し、高周波加熱装置に組み付ける構成としたものである。
【0007】
これによって、エアーガイドが部品納入時に整然と箱詰めが可能になり、部品の取りだし作業を改善すると共に部品保管時に場所を取らず搬送効率を上げることが可能となる。
【0008】
また、折り曲げを手作業で行うので、曲げの金型の一部が不要になり、金型による曲げの工数を削減でき搬送の効率も上がるので、トータルとして部品を安価に仕上げることが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属の板状材料で形成されたエアーガイドに、スリット状の複数の穴列を設けることにより、組立作業時に手作業で略U字形状に加工し組み付けることが可能となり、曲げの金型や工数が不要になり部品を安価に仕上げると共に、部品納入時は一部の曲げを除きほぼ平板に近い状態になるので、整然として箱詰めができるため部品の取りだし作業が容易になり、箱に詰める部品の密度があがるので部品保管時に場所を取らず搬送効率も高めることができる。
【0010】
また本発明は、特に、エアーガイドのスリット状の穴を、両端にスリットに対し略垂直方向に切り込みを設け、切り込みのある面を他方の面より押し下げる構成とすることにより、エアーガイドを略U字形状に折り曲げ加工時に、段差を設けた切削面の先端部が他方の面の内壁に接触することとなり、曲げた時にスリット部に隙間ができず、エアーガイド内の熱気や光を外に漏らすことを防止することができる。
【0011】
また本発明は、特に、エアーガイドのスリット状穴の両横に形成する曲げ部の寸法を、エアーガイドの両端が中央部より短い寸法にすることにより、手曲げ作業時に力が分散され曲がりにくい両端部も、小さな力で折り曲げが可能になり、両端部の曲がりが不充分で変形したり、取りつけ面との間に隙間が開くのを防止することができる。
【0012】
また本発明は、特に、エアーガイド中央面のフランジ部に突起を備えたツメ部を形成し、折り曲げ時にエアーガイドの上面のフランジ部と下面のフランジ部に設けた保持孔と各々対応する突起とを勘合させる構成とすることにより、曲げ面である上面と下面の曲げ角度を決めると共に、略U字形状の曲げ位置を保持することになり、組立時の曲げ寸法を安定させ作業性を改善させると共に、組み立て後に曲げ角度が変わり隙間が発生して熱気がエアーガイドの外へ漏れることを防ぐことができる。
【0013】
また本発明は、特に、エアーガイドのツメ部を構成する面からスリットで分離し、略長方形の形状として弾性を持たせると共に、先端部に傾斜面を持たせる構成とすることにより、ツメ部を勘合させる時傾斜面がガイドになり挿入を容易とすると共に、弾性を持たせることで突起部が中央面に設けられた保持孔に押し込まれることになり、組立の作業性を改善させると共に、ツメの保持力を大きくし組立後の外れを防止することができる。
【0014】
また本発明は、特に、エアーガイドのツメ部先端が、エアーガイドをマグネトロンに固定する時、マグネトロン壁面に接触し弾性を有するツメ部を変形させることにより、ツメの勘合力を大きくするとともに、マグネトロン組み付け後はツメ先端部がマグネトロン壁面に押さえられることになり、ツメの突起部が保持孔から外れることを防止することができる。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドの折り曲げ後の外観を示すものである。
【0017】
図2は、本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドの折り曲げ前の展開図を示すものである。
【0018】
図1、2において、7aはエアーガイドの中央面、7bはエアーガイド上面、7cはエアーガイド下面であり、それぞれの境界部分にスリット状穴8が設けられ、上面7b、下面7cを折り曲げることで略U字形状のエアーガイドとして構成される。また、上面7bには加熱室内の調理物を照らすランプを固定するランプ用孔9を備えている。スリット状穴8の両横に形成される曲げ部10は、エアーガイドの端部に形成される10aが中央部の10bよりも小さい寸法で構成している。
【0019】
図3は、本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドのスリット穴の構成を示すものである。
【0020】
図4は、本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドの折り曲げ時のスリット穴の変化を示す断面図である。
【0021】
図3、4において、エアーガイドのスリット端面11の両端には略垂直方向に切り込み12が設けてあり、切り込み側を内側に押し込むことで押し下げ面13を構成している。
【0022】
図5は、本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドのツメ部の構成を示すものである。
【0023】
図6は、本発明の実施例1における高周波加熱装置のマグネトロン固定時に於けるツメ部を示す断面図である。
【0024】
図5、6において、エアーガイド中央面7aのフランジ部14には、エアーガイド上面7bおよび下面7cに対するツメ部16が設けられている。ツメ部16はフランジ部14に対し段差を持って形成し、保持孔20を有するエアーガイド上面7bのフランジ部15は、エアーガイドの折り曲げ時に中央フランジ部14と同一面に形成される押さえ面19とツメ部16の間に挿入される。ツメ部16には中央に保持孔20と勘合する突起17を備え、先端に傾斜部18を有している。
【0025】
以上のように構成された高周波加熱装置について、以下にその動作、作用を説明する。
【0026】
まず、エアーガイドは上面7bと下面7cを、スリット穴8が設けられている境界に沿って内側に折り曲げることで、略U字形状の風の流れる流路を構成する。また、スリット穴の両横に形成される曲げ部10は、エアーガイド端部10aが中央部10bより小さいことで、力が分散され易い端部でも容易に手作業で曲げることができる。
【0027】
また、スリット状穴8は折り曲げ時にスリット端面11が、エアーガイド中央面7aと一緒に上面7bに対し略垂直方向に移動し、押し下げ面13の端部と接触することで、単なるスリット穴の場合に生じる曲げ部の穴を防ぐことができる。
【0028】
また、エアーガイドの上面7bと下面7cの保持孔20を有するフランジ部15は、折り曲げた時エアーガイド中央面7aのフランジ部14に設けられた押さえ面19と、ツメ部16の間に挿入される。ツメ部16の先端の傾斜部18により、上面フランジ部15は容易に押さえ面19とツメ部16の間の空間に挿入可能となる。
【0029】
挿入された上面フランジ部15は、保持孔20がツメ部16の突起17と勘合し、押さえ面19に挟み込まれる様に固定される。マグネトロン21に固定する時、傾斜部18がマグネトロン壁面と接触し、ツメ部16を外側に押し込むことで突起17と保持孔20の勘合力を上げている。下面フランジ部についても、上記の上面フランジ部と同様の構成で固定される。
【0030】
以上のように、本実施例においてはエアーガイドにスリット状の複数の穴列を構成することにより、組立時に手作業で略U字形状に加工して組み付けることが可能となり、部品納入時に整然と箱詰めができるので、部品の取りだし作業を改善するとともに、部品の搬送効率を上げることができるほか、曲げの金型や工数の一部が不要になるので、搬送効率も含めて部品を安価に仕上げることができる。
【0031】
また、スリット状穴両横に形成する曲げ部の長さ寸法を、エアーガイドの端部と中央部で異なる寸法にすることにより、力が分散されて曲がりにくい両端部でも小さな力で折り曲げが可能となり、曲げの作業を容易にし、均一な曲げ形状のエアーガイドを構成することができる。
【0032】
なお、曲げの力の分散が片側に偏る場合は、一方のみを小さな寸法としてもよい。
【0033】
また、スリット状の穴の両端に、略垂直方向に切り込みを設けて押し下げ面を設ける構成とすることで、押し下げ面の端部がスリット端面と接触し、スリット部分に隙間を発生することなく、熱気や光の漏れを防ぐことができる。
【0034】
また、エアーガイドの中央面のフランジ部に突起を備えたツメ部を形成し、折り曲げ時にエアーガイドの上面と下面のフランジ部の保持孔に、前記ツメ部の突起を勘合させることで、曲げの角度を決めるとともに曲げ位置を保持することになり、組立時の曲げ寸法を安定させ、組立後の変形を防ぐことができる。
【0035】
また、ツメ部は弾性を有しフランジ部から段差を持って形成し、先端に傾斜部を備えることで保持孔を有するフランジ面を容易にツメ部に誘導し、押さえ面との間で挟み込まれるように勘合するので、ツメ部の勘合力を上げることができる。
【0036】
また、マグネトロン組立後は傾斜部がマグネトロン壁面に接することで、ツメ部の動作を押さえることになり、保持孔からツメ部の突起が外れない構成とすることができる。
【0037】
なお、突起の形状については、本実施例では丸形状を用いたが、三角など他の形状でも同様の効果は得ることができる。
【0038】
また、保持孔の形状についても、本実施例では長穴形状を用いたが、角穴など他の形状でも同様の効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、作業時に部品が取り出し易く、保管時に場所を取らず搬送効率のよい、安価なエアーガイドを備えた高周波加熱装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドの折り曲げ後の外観斜視図
【図2】 本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドの折り曲げ前の展開図
【図3】 本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドのスリット穴の構成を示す要部拡大図
【図4】 本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドの折り曲げ時のスリット穴の変化を示す要部断面図
【図5】 本発明の実施例1における高周波加熱装置のエアーガイドのツメ部の構成を示す要部拡大図
【図6】 本発明の実施例1における高周波加熱装置のマグネトロン固定時に於けるツメ部を示す要部断面図
【図7】 従来の高周波加熱装置の外観斜視図
【符号の説明】
8 スリット状穴(スリット状孔)
11 スリット端面
13 押し下げ面
16 ツメ部
17 突起
18 傾斜部
20 保持孔
Claims (3)
- 調理物を収納する加熱室と、調理物を出し入れするために加熱室開口部に開閉自在に取りつけられた扉と、前記加熱室へ高周波を発生する高周波発生装置と、前記高周波発生装置を構成するマグネトロンを含む電気部品を冷却する送風機と、前記マグネトロンから加熱室内へ送風機による風を導くエアーガイドを備え、前記エアーガイドは金属の板状材料からで形成され、スリット状の複数の孔列を設けて、手作業にて略U字形状に折り曲げる構成において、前記エアーガイドの中央面のフランジ部には突起を備えたツメ部を形成し、前記エアーガイドの上面のフランジ部と下面のフランジ部に設けた保持孔と各々対応する前記突起とを勘合する構成とした高周波加熱装置。
- エアーガイドのツメ部は弾性を有しエアーガイド中央面に対し段差を持って形成し、先端部に傾斜面を備える構成とした請求項1に記載の高周波加熱装置。
- エアーガイドのツメ部の傾斜面は、エアーガイドをマグネトロンに固定する時にマグネトロン壁面に接触し、弾性を有するツメ部を変形させる構成とした請求項1または2に記載の高周波加熱装置。
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