JP3794192B2 - スラスト軸受の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水車発電機や電動機のように、回転体の周りに放射状に配置された扇形のスラストパッド、またはセグメント形パッドを備えているスラスト及びジャーナル軸受装置の改良に係り、特に軸受パッドの摺動部材に樹脂系の摺動部材を用いるように成した軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近における水力発電設備は、発電所の立地的条件、また建設コストの面から揚水発電機に代表される大容量化、高速化の傾向にある。立軸形水車発電機に用いられるスラスト軸受は、水車及び発電機の回転体重量と共に、水車に加わる水スラストをも合わせて支持する。大容量機の場合には、スラスト軸受は3000〜4000トンもの荷重を支持することになり、またその周速は40〜50m/secにも達し、軸受損失はますます増大する傾向にある。
【0003】
一方、ジャーナル軸受は発電機側と水車側にそれぞれ用いられ、水圧変動やミスアライメントにより発生するアンバランス荷重を支持している。揚水発電機などでは、昼間発電に使用し下池に貯めた水を、夜間に上池にポンプで揚水するために必ず日常的に起動・停止が行われ、運転条件においても厳しいものとなっている。以上のことから、スラスト及びジャーナル軸受装置は、あらゆる運転条件に充分対応し、かつ長期間安定的に電力供給が行なえるような高い信頼性が要求される。
【0004】
ところで、この軸受の摺動材料としては、従来から長年錫をベースにしたホワイトメタルが用いられてきた。これに対し、最近になり低摩擦で高耐熱、高耐摩耗性のエンジニアリングプラスチック材が摺動材として注目され、特に大形回転機の軸受摺動部材として熱可塑性樹脂のポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと称す)、ポリエーテルエーテルケトン(以下PEEKと称す)を中心とし、これにガラス繊維、炭素繊維、グラファイトや二硫化モリブデン等を添加し機械的強度、摺動特性及び耐摩耗性等の改善を図った高分子複合樹脂材料が、水車発電機のスラスト及びジャーナル軸受に採用され始めている。
【0005】
大形回転機のスラスト及びジャーナル軸受にこのような樹脂系摺動材を採用する場合は、高荷重を負うため必ず高剛性のスチール製の裏金(強度部材)に樹脂材を一体的に結合して使用している。従って、両者の密着強度が不十分であると、運転時に樹脂摺動部が剥離して致命的な事故を引き起こす要因となるため、樹脂材料と強度部材との接合技術が必須の課題となっている。
【0006】
この樹脂材料を強度部材に結合する方法に関して、特開平7−279949号公報には、回転板を支持するスラスト軸受において、回転板と接触する摺動部材とこの摺動部材を台金に固定する摺動材固定層を、多数の鋼球を熱間静水圧プレスにより接合して構成する方法が開示されている。また、特開平8−84452号公報には、回転板を支持するスラスト軸受において、回転板と摺接する軸受すべり面をグラスファイバー、二硫化モリブデン等を充填したポリテトラフルオロエチレン材料で形成し、このポリテトラフルオロエチレン材料を多孔薄板のバックメタルに一体結合し、この部材を鉄系の台金にポリテトラフルオロエチレン材の溶融温度より低いハンダ材料で、一定条件の高温、高圧で接着しスラスト軸受静止板を構成する方法が開示されている。
【0007】
また、特開平7−71446号公報には、ジャーナル軸を支持するテイルテイングパッドの摺動面をグラスファイバー充填のポリテトラフルオロエチレン材料で形成し、このポリテトラフルオロエチレン材料を、多孔質体に圧着接合され、この接合体をリング状に形成し、同様の内径を有する台金に低融点の金属箔を巻き付けて圧入する。さらに、台金の外周部に加熱手段を設けて加熱するとともに、前記接合体内側に圧入して設けた回転治具により、接合体を回転させながら低融点の金属箔を溶かして一体結合し、その後この積層体を複数に分割加工してテイルテイングパッド軸受を構成する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術において、例えば特開平7―279949号公報においては、摺動部材を台金に固定する摺動材固定層を、無数の鋼球をHIP(熱間静水圧プレス)により結合して構成し、鋼球間に形成される気孔部に、摺動材を押し込むことにより密着強度の向上を図るものである。しかしながら、無数の鋼球を使用することと、大がかりな設備が必要なことから製造コストは必ずしも低減しない。
【0009】
また、特開平8−84452号公報においては、多孔薄板のバックメタルに一体結合したテトラフルオロエチレン材料を、鉄系の台金にテトラフルオロエチレン材の溶融温度より低いハンダ材料で、高温、高圧で接着して結合するため充分な接合強度を得られるが、テトラフルオロエチレン材は弾性体であり、高荷重を支持する場合には圧縮変形を生じる恐れがあり、この点を考慮して製造する必要がある。
【0010】
また、特開平7−71446号公報には、ジャーナル軸を支持するテイルテイングパッド軸受の成造法で、板状の多孔質体にポリテトラフルオロエチレン材料を圧着接合し、リング状にして円筒状台金の内周面に接合し、その後複数に分割加工してテイルテイングパッド軸受を構成する方法が開示されており安定的な接合が得られる。しかしながら、テトラフルオロエチレン材は弾性体であるため、板状からリング状に曲げるのは可能であるが、固い樹脂材を使用する場合は、板状からリング状に曲げるのは非常に難しく無理の曲げると、樹脂材が破損したり多孔質体から剥離する場合がある。
【0011】
本発明の目的は、大荷重を受け、かつ起動・停止の繰り返し運転が行われても、摺動面の損傷や樹脂摺動材の剥離を生じることなく樹脂材の有する潤滑特性を十分に発揮できると共に、信頼性の高いこの種の軸受装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、スラスト軸受パッドの裏金と該樹脂系摺動部材とを結合するに際し、裏金と樹脂系摺動部材との間に金属フィルターを介在させ、金属フィルターを裏金に固着し、裏金の上下及び周囲にヒータを内蔵した加熱治具を配置して加熱しながら、樹脂の融点以上の温度に昇温後、金属フィルターの表面に樹脂系摺動部材を積層して、境界部の溶融した樹脂系摺動部材が、金属フィルターの気孔部に含浸するまで加圧して結合するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1には本発明の軸受装置および軸受パッドの一実施例を示している。
【0019】
例えば、水車発電機などの回転軸1には、スラストカラ2と、ライナ3と、スラスト軸受パッド4、及びジャーナル軸受パッド8等からなる軸受装置で支持されている。
【0020】
軸受装置は、回転軸1に固定されたスラストカラ2、ランナ3などで構成される回転体の重量と、運転時に水車に加わる水スラストとの総重量を、オイルタンク14内の潤滑油16中に、放射状に配置された複数のスラスト軸受パッド4で支持する。
【0021】
スラスト軸受パッド4は、球面状のピボット17により揺動可能に支持され、回り止め18によって位置決めされている。一方、ジャーナル軸受パッド8は、オイルタンク14の内壁15よりオイルタンク内に突き出した支持板12と、支持板12に固定されたラジアルピボット13に揺動可能に支持され、回転によるアンバランス荷重等を支持する。オイルタンク14の最内周部にはオイルダム19が設けられており、潤滑油16を自蔵するとともに外部への油漏れを防止している。潤滑油16を冷却する冷却装置(図示せず)および給排油管(図示せず)などを介し循環して冷却するように構成されている。
【0022】
図1(b)は、摺動材料として熱可塑性の樹脂を適用したスラスト軸受パッド4の斜視図で、スラスト軸受パッド4は強度部材である裏金6と、金属フィルター7及び熱可塑性樹脂系の摺動部材5などで構成されている。
【0023】
裏金6と樹脂系摺動部材5との接合媒体となる金属フィルター7は、図2(b)に示す如く、略一定の粒径に調整された金属の球体粒子7aから成り、かつ均一に配列された気孔20を形成するように板状に成形されている。気孔20の大きさは、ガスの通過を容易にするために70〜400メッシュの範囲内に形成することが望ましい。また、球体粒子7aの材質は、裏金及び樹脂系摺動部材との相性、コストの面からブロンズ、銅、ステンレス等の金属材料が望ましい。尚、樹脂系摺動部材はPEEK,PTFE、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミド)に炭素繊維、グラファイト、ガラス繊維などを添加した熱可塑性の組成物である。
【0024】
図2にスラスト軸受パッドの構成を示す。
【0025】
本スラスト軸受パッドは、次のように作られる。先ず、金属フィルター7を裏金6に拡散接合法、あるいは金属フィルター7材質より低融点のインサート材を介し、加熱融着により接合固定する。次に、複数個の筒型ヒータ21を内蔵した加熱治具22a上に金属フィルター7と裏金6との接合体をのせ、接合体の周囲を枠23で囲むようにセットしてヒータ21により加熱する。樹脂系摺動部材5の融点以上に昇温後、樹脂系摺動部材5を金属フィルター7に積層して、その境界部を溶かし、溶融した樹脂系摺動部材5を、その上に配置した加圧体24を介し均等圧がかかるように加圧し、図2(b)に示す如く溶融樹脂5aの一部が、金属フィルター7の気孔部20に含浸され、さらに外部に排出されるまで加圧して接合する。
【0026】
尚、加熱の際加圧体24側を熱しても特に弊害はないが、樹脂系摺動部材5の融点を越えると、金属フィルター7の気孔部20に含浸が不可となるので、極力荷重たわみ温度以下にした方が無難である。
【0027】
接合時に、ボイドが発生すると強度低下や軸受の信頼性を損なう恐れがあるが、ボイド発生の要因となる内部残留空気や、加熱により樹脂5から発生するガス等は、加圧により金属フィルター7の気孔部20から溶融樹脂5aと共に、金属フィルター7の気孔部20外部から容易に排出されるので、ボイドは皆無となり接合強度を高めることができる。
【0028】
尚、金属フィルター7の気孔20の大きさ(目の粗さ)は、市販品のフィルターエレメントを用いて、70〜400メッシュのものを自在に選べる。しかし、気孔が大きすぎると機械的強度を低下させ、小さすぎると充分なガス抜きや含浸ができないため、樹脂の流動性等を考慮して選定する必要がある。また、加熱温度は、使用する樹脂材の融点以上の温度範囲に設定される。また、荷重及び加圧速度は、樹脂材と気孔サイズを選定することにより適正値が決まる。接合後、機械加工により所定のスラスト軸受パッド4に形成される。
【0029】
次に、図3は本発明の加熱方法の応用例を示すもので、大容量水車発電機の場合、当然スラスト軸受パッド4も大形化する。図2においては、金属フィルター7を裏金6に固着した後、一方向からの加熱だけで昇温させていたが、大形化した裏金6の場合は一方向からの加熱だけでは熱容量的に不足し長時間を要する。
【0030】
この問題を解消するために、裏金6の上下あるいは周囲に加熱治具22aを配置して熱容量を増加することにより、昇温速度を加速させ、作業時間の短縮を図るものである。
【0031】
このように、加熱、加圧条件によって金属フィルター7上の樹脂系摺動部材5は溶融し、金属フィルター7の気孔部20に含浸され融着結合される。従って、樹脂系摺動部材5は、接合媒体である金属フィルター7のアンカー効果で接合固定されるので、堅牢なスラスト軸受パッド4を構成することができる。
【0032】
図4及び図5は、本発明の他の実施例における裏金と接合媒体の接合状態を示す。本発明における接合媒体は、均一に調整された大粒の金属球体粒子25と、それより細かく低融点の金属粉末26を重量比で、金属球体粒子/低融点の金属粉末=0.9/0.1程度の割合になるように調合し、メカニカルアロイング法により、大粒の金属球体粒子25の周囲に細かい低融点の金属粉末26を被覆し(図4)合金化する。
【0033】
この金属粉末26の付着した粒子27を裏金6表面に分散させた後、加熱融着して裏金6に凹凸層を形成する。加熱の際、低融点の金属粉末が溶けて裏金6に融着するため、裏金6をメッキ処理する作業を省略できる。裏金6は加熱治具で加熱し、樹脂系摺動部材5の融点以上に昇温後、樹脂系摺動部材5を積層し、樹脂系摺動部材5を加圧し凹凸層に含浸して結合する。
【0034】
本接合方法では、凹凸層のアンカー効果で密着性を保持するため、金属球体粒子25は粒子径の大きなものほど接合強度を高められる。
【0035】
図6は、本発明の他の実施例における樹脂系摺動材料を接合したジャーナル軸受パッド8の斜視図で、スラスト軸受パッド4の構成と同様に強度部材である裏金10と、金属フィルター11及び樹脂系摺動部材9などで構成されている。
【0036】
図7にジャーナル軸受パッドの製造方法を示す。ジャーナル軸受パッド8の裏金10と樹脂系摺動部材9とを結合するに際し、裏金10と樹脂系摺動部材9との間に金属フィルター11を介在させると共に、裏金10、金属フィルター11、樹脂系摺動材9をそれぞれ円弧状に形成する。裏金10の外周面に合わせて加熱治具22b内周面が形成され、その内周面に沿って複数個のヒータ21が内蔵されている。
【0037】
金属フィルター11を固着した裏金10を加熱治具22bに固定して加熱し、樹脂系摺動材9の融点以上に昇温後、樹脂系摺動材9を積層し、その内周面に同等の曲率を有する加圧治具28を直接押し当てて均等に加圧し、溶融した樹脂系摺動材9を金属フィルター11気孔部に含浸し結合する。本加圧治具28で、均等に加圧できるジャーナル軸受パッド8の角度(α)はα≦120°の範囲内であるが、一般的にジャーナル軸受パッド8の角度は油膜圧力形成の面から90°以上で使用されることはなく、セグメント形パッドの製造方法として設備が簡単であり、コスト低減が可能である。
【0038】
図8は、本発明の他の実施例における製造方法を示す。ジャーナル軸受パッドの裏金と樹脂系摺動部材とを結合するに際し、加熱治具22cを、上記同様形状の加熱治具22bを2個組合わせネジ32で締結して構成する。裏金10、金属フィルター11、樹脂系摺動材9をそれぞれ半円状に形成する。金属フィルター11を固着した裏金10を加熱治具22cに固定して加熱し、樹脂系摺動材9の融点以上に昇温後、樹脂系摺動材9を挿入し、その内周面にテーパ部30を有する加圧ピン29を挿入貫通させ、テーパ30部で徐々に加圧して、溶融した樹脂を金属フィルター11気孔部に含浸して結合すると共に、平行部で摺動部材9の内径を所定の寸法に仕上げる。加熱治具22c下部には底板31が付設されており、加圧時の位置ずれを防止している。
【0039】
本発明では、2分割円筒状のジャーナル軸受の接合が可能であり、水車発電機用の軸受だけでなく、電動機やタービン発電機等の軸受の製造も可能である。
【0040】
図9は、本発明の他の実施例における製造方法を示す。加熱治具22bは図7の加熱治具と全く同様形状に形成されており、その内周面に金属フィルター11を固着した半割り状の裏金10をセットする。加熱治具22bで樹脂系摺動材9の融点以上に昇温後、半割り状樹脂系摺動材9積層すると共に、樹脂系摺動材9の内周面に複数個の円弧片36を当接する。
【0041】
円弧片36の中心部はコイルバネ34端部と接し、その一端部はバネガイド35に案内されて加圧片33の下端部に接している。また、コイルバネ34は、加圧の際、それぞれの円弧片36に荷重が均等にかかるようにバネ圧が調整されている。従って、加圧片33で加圧すると、各コイルバネ34及び円弧片36を介して、樹脂系摺動材9を均等な荷重で押圧するため、溶融した樹脂系摺動材9を金属フィルター11気孔部に十分に含浸して結合できる。尚、コイルバネ34の変わりに板バネ、皿バネ等を使用してもよい。
【0042】
このように本発明では、バネを応用した簡単な設備で、軸受の製造が容易になるため、セグメント形の軸受だけでなく電動機やタービン発電機用の2分割円筒軸受等、幅広い軸受形状の製造に活用できるものである。
【0043】
図10は、本発明の他の実施例における製造方法を示す。加熱治具22bは図7で説明した加熱治具と全く同様形状に形成されており、その内周面には金属フィルター11を固着した2分割状の裏金10が内包されている。加熱治具22bで樹脂系摺動材9の融点以上に昇温後、2分割状樹脂系摺動材9積層し樹脂系摺動材9の内周面に沿って、加圧ローラー37で加圧しながらローリングさせ、溶融した樹脂系摺動材9を金属フィルター11気孔部に十分に含浸して結合できる。尚、加圧ローラー37を樹脂系摺動材9の中央から左右にローリングさせることにより、側端部から溶融した樹脂の一部と共に空気などを放出することもできる。
【0044】
また、樹脂系摺動材9の板厚を一定にしないで、図11に示す如く中央部の板厚に対し、両端部の板厚を薄くすることにより、ローリング時に矢印に示す如く側端部からの空気などの放出がより容易となるため、ボイド防止に効果的である。なお、樹脂系摺動材9の板厚の替わりに金属フィルター11の板厚を変えても同様の効果を得られる。
【0045】
以上述べた各実施例においては、スラスト軸受パッド4の摺動面を形成する樹脂材料は、炭素繊維、グラファイト、青銅、ガラス繊維やふっ素化合物等が目的に応じて適宜添加された熱可塑性の組成物であり、ホワイトメタルに比べて耐摩耗性に優れ摩擦係数も小さいので、高面圧下でも安定的な流体潤滑作用が得られる。また、起動・停止時の運転状態における油膜厚さが極めて薄い場合でも、面荒れや摩耗を生じないで良好な潤滑状態を維持できる。このような、樹脂材料特有の自己潤滑性効果により、これまで起動・停止時に不可欠だった、高圧油ポンプによる摺動面への静圧油の供給(オイルリフタ装置)が不要となるため、発電設備の簡素化が図れるとともに保守・管理が容易になる。
【0046】
さらに、ホワイトメタルの融点が約240℃前後であるのに対し、樹脂系摺動材の場合は約100℃高く、高温疲労強度にも優れており、摺動面に油膜が十分に形成されない状態で長時間運転されても、摺動面に損傷を来すことはない。
【0047】
一方、スラスト軸受パッド4は端部がピボット17で支持されており、円周方向及び半径方向に傾動が可能であり、軸受パッド4が傾くことにより動圧を発生し、回転体を接触することなしに支持できる。ところが、回転中は潤滑油16のせん断摩擦作用により摺動面が発熱し、軸受パッド4の厚み方向に温度差を生じ、この温度差により軸受パッド4は凸形状の変形を発生させる。この変形は円周方向及び半径方向のいずれにも発生しするが、特に半径方向の変形量は油膜圧力の発生領域を減退させるため、耐荷重性を大幅に低下させてしまう。
【0048】
しかしながら、樹脂材料の熱伝導率はホワイトメタルに比べて、1/200以下と小さいため裏金6への断熱効果が大きく作用し、スラスト軸受パッド4の熱変形を最小限に止めることができる。従って、変形量を小さく抑制することができるため軸受パッド4の摺動面には、適正な油膜の圧力分布が形成されて耐荷重性を損なうことがなくなる。
【0049】
前述のように形成された軸受装置では、境界部の溶融した樹脂系摺動部材を金属フィルター気孔部に含浸するまで加圧して結合する。このため、加熱時に樹脂から発生するガスや内部残留空気などを、完全に外部に放出できるのでボイドの発生を防止することにより、樹脂系摺動部材を強度部材に一体結合し結合強度を高めて、摺動面の損傷と剥離を防止し、樹脂材の有する潤滑特性を充分に発揮できる信頼性の高い水車発電機用の軸受装置を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、大荷重を受け、かつ起動・停止の繰り返しの厳しい運転が行われても、裏金と樹脂系摺動部材との接合の際にボイドを未然に防止できるため接合強度を高めることができ、摺動面の損傷や樹脂摺動材の剥離を生ずることがなく、樹脂材の有する潤滑特性を十分に発揮でき、信頼性の高いこの種のスラスト軸受装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軸受装置の一実施例を示す縦断面図及びスラスト軸受パッドの斜視図である。
【図2】スラスト軸受パッドの接合の状態及び排出した溶融樹脂を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例によるスラスト軸受パッド加熱の状態を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例による金属粒子に低融点粉末を被覆した状態を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施例による裏金に金属粒子を融着た状態を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施例によるジャーナル軸受パッドの斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例による接合の状態を示す断面図である。
【図8】本発明の他の実施例による接合の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施例による接合の状態を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施例による接合の状態を示す断面図である。
【図11】本発明の他の実施例による加圧時における端部からの溶融樹脂及び空気の放出状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…回転軸、2…スラストカラ、3…スラストランナ、4…スラスト軸受パッド、5、9…樹脂系摺動部材、6、10…裏金、7、11…金属フィルター、8…ジャーナル軸受パッド、14…オイルタンク、16…潤滑油,20…気孔部、21…ヒータ、22…加熱治具、25…金属粒子、28…加圧治具、29…加圧ピン、30…テーパ部、34…コイルバネ、35…バネガイド、36…円弧片、37…加圧ローラー。

Claims (1)

  1. 回転軸に固定されたランナの端部に配置され、回転体を支承するスラスト軸受パッドの裏金の摺動側表面に、樹脂系の摺動部材が固着されているスラスト軸受の製造方法において、
    前記裏金と前記樹脂系摺動部材との間に金属フィルターを介在させ、前記金属フィルターを前記裏金に固着し、前記裏金の上下及び周囲にヒータを内蔵した加熱治具を配置して加熱し、前記樹脂の融点以上の温度に昇温後、前記金属フィルターの表面に前記樹脂系摺動部材を積層して、境界部の溶融した前記樹脂系摺動部材が、前記金属フィルターの気孔部に含浸するまで加圧して結合するようにしたことを特徴とするスラスト軸受の製造方法。
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