JPH0771446A - ラジアル軸受装置 - Google Patents

ラジアル軸受装置

Info

Publication number
JPH0771446A
JPH0771446A JP5219856A JP21985693A JPH0771446A JP H0771446 A JPH0771446 A JP H0771446A JP 5219856 A JP5219856 A JP 5219856A JP 21985693 A JP21985693 A JP 21985693A JP H0771446 A JPH0771446 A JP H0771446A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing device
radial bearing
pads
pad
sliding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5219856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3219564B2 (ja
Inventor
Shuetsu Uno
修悦 宇野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP21985693A priority Critical patent/JP3219564B2/ja
Publication of JPH0771446A publication Critical patent/JPH0771446A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3219564B2 publication Critical patent/JP3219564B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率と信頼性が向上すると共に、作業性、安
全性及び経済性が優れ、効率と信頼性が向上したラジア
ル軸受装置を提供することを目的とする。 【構成】 ジャーナル軸1を摺動自在に支持するテイル
ティングパッドT1〜T6 の摺動面をグラスファイバー
充填PTFE板26で形成する。弾性変形、耐磨耗性、
低摩擦トルク等に優れるため、オイルリフター装置を不
要とする。また、パッドT1 〜T6 は、パッド台金23
に多孔質体25を低融点金属24と溶接で接合し、この
上にグラスファイバー充填PTFE板26を接合して構
成することにより、グラスファイバー充填PTFE板2
6が台金23に安定接合される。このパッドを軸受け
に、ジャーナル軸を支持すると共に、荷重分担が小さく
なるように複数個を装着することにより、軸受損傷を防
止し、安全性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機械の回転軸を回
転可能に支持する円筒形またはテイルティングパッド形
のラジアル軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転機器においては、動力また
は運動の伝達手段として回転体が設けられ、その回転体
の一部が軸受により支持されている。このような軸受に
支持される回転体部分(ジャーナル軸)と軸受との間に
は摩擦が生じるため、動力損失を伴うものである。ま
た、回転体が受ける荷重を軸受も受けることになる。こ
のため、軸受においては、減摩手段と共に十分な強度が
要求されている。減摩手段としては、軸受のジャーナル
軸との接面に潤滑のための流動性油膜を形成することに
より、摩擦を減少させるように構成されている。
【0003】しかし、この油膜は回転体の回転に伴い減
少していくものであり、その損失は、回転機器の損失中
で比率の大きいものでる。この油膜の損失は、回転機器
の効率と信頼性を低下させることになる。これに対し、
近年は、回転機器の効率と信頼性の向上が要求され、油
膜の損失の低減が求められている。このため、最近は、
軸受の摺動面を小さくし、単位面積あたりの荷重を大き
くした軸受、即ち小形高面圧軸受装置が提供されてい
る。
【0004】このような小形高面圧軸受装置の一例とし
て、テイルティングパッド形のラジアル軸受装置につい
て図12乃至図15に基づき説明する。図12はテイル
ティングパッド形のラジアル軸受装置を示す平面図、図
13は図12のA−A断面図、図14は各テイルティン
グパッド表面の油膜に加わる圧力の分布図,図15は起
動・停止時のジャーナル軸とテイルティングパッドの接
触範囲及びそれにかかる荷重を示す説明図である。
【0005】すなわち、この軸受は、ハウジング2にジ
ャーナル軸1が配置される円筒状の開口部2aが貫通し
て設けられ、この開口部2aにおいてジャーナル軸1を
支持するように構成されている。この開口部2aの内周
面には、ジャーナル軸1を回転自在に支持する支持部材
として、複数個(図示例では6枚)のテイルティングパ
ッドT1 〜T6 が設けられている。なお、テイルティン
グパッドT1 〜T6 は、ハウジング2内部において最上
部を第1パッドT1 とし、図中左回りに第2,第3,第
4,第5,第6パッドT2 〜T6 とする。したがって、
最下部のテイルティングパッドは第4パッドT4 とな
る。
【0006】この第1〜第6パッドT1 〜T6 は、ジャ
ーナル軸1を開口部2aと同心となるように配設した時
に、開口部2a内周面とジャーナル軸1との間の間隙で
ある軸受隙間Cが一定になるようにピボット3により調
整されている。
【0007】このような第1〜第6パッドT1 〜T6 の
ジャーナル軸1と摺動する表面には、軟金属材料である
ホワイトメタル4が溶融接合されている。また、最下部
位置の第4パッドT4 には、リフターポケット5と、高
圧油の導入孔6が設けられている。導入孔6には、高圧
油を外部から供給するための高圧ホース7が接続される
そして、前記ハウジング2には、上端部に強制給油の給
油管8が、また下端部にその排出管9が設けられてい
る。また、ハウジング2の軸方向の両端部には、ラビリ
ンスシール10が設けられている。
【0008】ところで、ラジアル軸受装置は、荷重が軸
心に対して垂直にかかるように構成されるものである。
したがって、図13に示すように、荷重16が矢印下方
となる場合、テイルティングパッド形のラジアル軸受装
置における軸受特性は、この荷重16の方向に対して第
1〜第6パッドT1 〜T6 を適宜配列することにより変
化させることができる。これは、一般には荷重16の作
用位置の異なる次の2つの構成が採用されている。すな
わち、荷重16を第4パッドT4 表面(摺動面)の中央
に作用させるロードオンテイルティングパッドラジアル
軸受装置と、荷重16を第3パッドT3 と第4パッドT
4 の間に作用させるロードビドウィーンパッドラジアル
軸受装置である。ロードオンテイルティングパッドラジ
アル軸受装置は、ロードビドウィーンパッドラジアル軸
受装置に比べ、負荷容量(最小油膜厚の確保)に関して
優れていることが実験と解析から立証されている。この
ため、一般には、小形高面圧軸受装置としては、ロード
オンテイルティングパッドラジアル軸受装置が採用され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、小形高
面圧軸受装置では、一定速度で回転する定格運転時に
は、最低部のパッドの荷重分担比が過大となることや、
起動・停止時における低回転数領域での耐磨耗性が低
く、また摩擦トルクが高くなり、油膜の形成が困難とな
る問題がある。この問題について、前述のロードオンテ
イルティングパッドラジアル軸受装置により説明する。
【0010】すなわち、軸受のジャーナル軸1との接面
に潤滑用の油膜を形成する中・高速回転数領域では、図
14に示すように、ジャーナル軸1が矢印12方向に回
転する。このとき、このジャーナル軸の中心Ojと、軸
受の中心Obは、第3〜第5パッドT3 〜T5 に発生す
る油膜の圧力分布と軸受荷重Wが釣り合うように、距離
eだけ偏心を生じる。また、油膜の圧力分布により、各
パッドT3 〜T5 はピボット3周囲のモーメントMが零
になるように任意に傾く。なお、各パッドT3〜T5 表
面とジャーナル軸1との間隙である軸受隙間Cが一定し
ている場合には、第1,2,6パッドT1 ,T2 ,T6
において油膜に圧力は発生しない。
【0011】さらに、各パッドT3 〜T5 のジャーナル
軸1と接する表面では、そこで発生する油膜の圧力分布
に伴う各ピボット3荷重Wm が、ピボット3部の油膜厚
hpmが小さいほど増大する。例えば、油膜形成の指標と
して求められる偏心率n(=e/C)は、通常0.8と
なるが、この値では、最下部の第4パッドT4 が受ける
荷重W4 は、第3または第5パッドT3 ,T5 の荷重W
3 ,W5 の3〜4倍となり、その荷重分担が極めて大き
いものとなり、損傷しやすくなる。
【0012】特に、ホワイトメタルならなる軸受では、
摩擦力の急増する条件の時、例えば回転体の振れ回りに
よる軸受作用力の変動やミスアライメントによる回転体
の倒れ、または異物混入等により、最小油膜厚が低減
し、中・高速回転時に軸受とジャーナル軸が接触する場
合は、摩擦力の急増に伴う発熱により軸受がジャーナル
軸に溶融凝着することも考えられ、これは大きな事故の
原因となってしまう。
【0013】一方、起動・停止時の極低回転数領域で
は、偏心率nはほぼ1となり、荷重分担比k=W4 /W
3 orW5 は、第3パッドT3 と第5パッドT5 の受け
る荷重W3 ,W5 がほぼ零となり、軸受荷重Wのほとん
どが第4パッドT4 の受ける荷重W4 となる。これによ
り、荷重分担比kは、極めて大きくなり、また、ジャー
ナル軸1による動的な油膜の発生機能は低くなる。特
に、図15に示すように、起動・停止時の低速回転領域
では、ジャーナル軸1と第4パッドT4 との接触範囲は
小さく、荷重がこの範囲に加わるため、その部分の油膜
の発生機能は特に低くなってしまう。
【0014】ここで、第4パッドT4 の表面を構成する
材料は軟金属材料であるホワイトメタルであり、これは
剛体に近いため、油膜の発生機能が低い時にはわずかに
弾性変形するが、ジャーナル軸1との接触面は狭い帯状
領域の高面圧接触となる。このような状態では、ジャー
ナル軸1と第4パッドT4 の表面は、境界潤滑状態(油
膜圧力が発生せず油膜を構成する潤滑油の分子を介して
接触する状態)、もしくはジャーナル軸1と摺動面とが
直接接触した固体接触状態となり、摩擦トルクが大き
く、且つ磨耗が進展する。この磨耗による摺動面の形状
変化や磨耗痕は、中・高速回転数による定格運転での油
膜の形成機能、すなわち軸受としての性能も低下させる
ことになる。
【0015】これを防止するために、小形高面圧軸受装
置においては、起動・停止時に流動性の油膜を形成させ
て、摩擦トルク及び磨耗を低減するための大容量のオイ
ルリフター装置が装備されている。しかし、この装置は
高価であると共に、複雑な配管系統により運転操作やメ
ンテナンスに習熟が必要となる。
【0016】本技術では、以上の問題を解決するため
に、運転操作やメンテナンス等の作業性、安全性及び経
済性の優れ、効率と信頼性の向上したラジアル軸受装置
を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1記載のラジアル軸受装置では、円筒形また
はテイルティングパッド形の軸受に支持部材を設け、前
記支持部材により回転体を回転可能に支持するラジアル
軸受装置において、前記支持部材は、回転体と接する摺
動部を備え、前記摺動部がグラスファイバー充填ポリテ
トラフルオロエチレン材料により構成されていることを
特徴とする。
【0018】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の支持部材は、摺動部と摺動部を支持する台金を備
え、摺動部と台金が接合材料を介して積層された積層体
として構成されていることを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
接合材料として多孔質体が設けられ、前記多孔質体は摺
動部と圧着により接合されていることを特徴とする。
【0020】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
積層体は、摺動部と接合材料とからなる接合体が低融点
接合金属を介して台金に積層されていることを特徴とす
る。
【0021】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
支持部材は、円筒状物を複数に分割してなる分割体が軸
受に装着されることにより設けられていることを特徴と
する。
【0022】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
支持部材には、荷重を均等化するための装着位置調整手
段が設けられていることを特徴とする。
【0023】
【作用】以上のように構成される本発明のラジアル軸受
装置では、回転体を支持する支持部材の摺動部が、グラ
スファイバー充填ポリテトラフルオロエチレン材料から
なるため、起動・停止における低速回転領域での耐磨耗
性が高く、さらに摩擦トルクが低くなり、摺動部に油膜
を容易に形成することができる。
【0024】また、グラスファイバー充填ポリテトラフ
ルオロエチレン材料に多孔質体が強固に接合されること
により、グラスファイバー充填ポリテトラフルオロエチ
レン材料の圧縮クリープ、剥離等を防止し、機械的特性
を向上させることができる。
【0025】さらに、支持部材が分割して設けられるこ
とにより、各分割体の荷重分担が均等化するように装着
することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明によるラジアル軸受装置の一実
施例を、図面に基づき説明する。
【0027】(1)実施例の構成 本実施例では、ラジアル軸受装置の一例として、前記図
12乃至図14に示したテイルティングパッドラジアル
軸受装置に、本発明を適用したものである。
【0028】本実施例において、図1はテイルティング
パッドラジアル軸受装置の断面図、図2は各種材料の摩
擦・磨耗特性評価表、図3は起動・停止時のジャーナル
軸とテイルティングパッドの接触範囲及びそれにかかる
荷重を示す説明図、図4〜図6はグラスファイバー充填
ポリテトラフルオロエチレン材と多孔質体との接合状態
を示す説明図、図7はグラスファイバー充填ポリテトラ
フルオロエチレン材と多孔質体との形状を示す説明図、
図8は分割可能な台金の形状を示す説明図、図9は図7
を図8に圧入し接合した状態を示す説明図、図10は分
割によるテイルティングパッド型を示す説明図、図11
はテイルティングパッドラジアル軸受装置の負荷容量特
性を示す図である。なお、本実施例において、従来技術
と同一機能を有する部材については、同一の符号を付し
説明は省略する。
【0029】図1に示すように、本実施例のラジアル軸
受装置では、ハウジング2の開口部2aにジャーナル軸
1を同心となるように配設した時に、ジャーナル軸と各
パッド表面の隙間が、第1,第2,第4,第6パッドT
1 ,T2 ,T4 ,T6 が軸受隙間Cに、第3及び第5パ
ッドT3 ,T5 が軸受隙間C´(<C)となるように調
整され、装着されている。これは、第3及び第5パッド
T3 ,T5 が第1,第2,第4,第6パッドT1 ,T2
,T4 ,T6 に比べ、軸中心方向に突出した状態とな
る。そして、ジャーナル軸1が矢印17方向に回転する
時、各パッドT1〜T6 の回転防止用に、各パッドT1
〜T6 のハウジング2側の回転方向端部近傍は、一端が
ハウジング2に固定された回り止めピン21により係止
されている。また、第3及び第5パッドT3 ,T5 は、
ハウジング2に設けられたピボット3によりその外周面
が支持されている。ピボット3はピボットナット22に
より、その支持位置が変更可能となっている。
【0030】上述の第1〜第6パッドT1 〜T6 は、台
金23、低融点金属24、接合材料である多孔質体2
5、そして回転体と接する摺動部であるグラスファイバ
ー充填ポリテトラフルオロエチレン板(以下、PTFE
板)26の積層体として構成されている。このような第
1〜第6パッドT1 〜T6 は次のようにして成型され
る。まず、グラスファイバー充填PTFE板26を多孔
質体25に高温・高圧下で接合し、接合体を形成する。
この時、高温にすることによりグラスファイバー充填P
TFE板26がゲル化し、この状態で高圧下で多孔質体
25に積層すると接合する。ここで、多孔質体25とし
て、ワイヤー積層多孔質25aや球体接合多孔質25b
等の多孔質からなる多孔質層、または多孔質板25cが
使用される。なお、ワイヤー積層多孔質25aと球体接
合多孔質25b及び多孔質板25cについて、グラスフ
ァイバー充填PTFE板26と接合した状態を図4〜図
6に示す。
【0031】次に、図7に示すように、前記の多孔質体
25とグラスファイバー充填PTFE板26からなる接
合体を、外周側を多孔質体25として、所定の外径φD
o に成形する。一方、図8に示すように、分割可能な台
金23を所定の内径φDi に成形する。この時、接合体
の外径φDo は台金の内径φDi より大きいものとす
る。さらに、台金23は、接合体よりも幅を広く形成
し、その内周面に接合体の外周部分が圧入される凹形の
係合溝23aを形成する。
【0032】そして、図9に示すように、接合体の多孔
質体25外周面に厚さが数十μm程度の箔状の低融点金
属30を巻きつけ、これを台金23の凹形溝23aに係
合させる。そして、所定の外径を有する回転治具27
を、接合体内側のグラスファイバー充填PTFE板26
内周面を押圧するように挿入する。ここで、台金23の
外周に沿って、電気ヒーターまたはガスバーナー等の加
温手段28を配設する。この状態で、回転治具27を低
回転数で回転させ、同時に台金23の外周を加温手段2
8により加熱する。これは、低融点金属24が溶融する
温度まで徐々に行う。この際、回転治具27の遠心力と
台金23の凹形溝23aにより、溶融した低融点金属2
4が台金23外部に飛散することはない。低融点金属2
4の溶融後は徐々に空冷し、固化するまで回転治具27
を低回転数で回転させる。回転治具27の停止後、接合
体と台金23との円筒状の積層体を、図10に示すよう
に、所定のテイルティングパッド形状に分割切断し、内
径をジャーナル軸径φDより若干大きめ(φ(D+0.
002D))に加工する。
【0033】(2)実施例の作用効果 以上のような構成を有する本実施例の作用効果は以下の
通りである。すなわち、図2の油中での低速回転領域に
おける各種摺動用材料の摩擦・磨耗特性評価結果(リン
クオンディスク式摩擦・磨耗試験機による)に示すよう
に、グラスファイバーを充填したPTFE材料は、従来
技術の軟金属材料であるホワイトメタルに比べ、摩擦係
数、磨耗量とも小さく、優れた値となっている。したが
って、上述の構成のパッドにより、本実施例のラジアル
軸受装置は、起動・停止における低速回転領域での耐磨
耗性が高く、さらに摩擦トルクが低くなる。これによ
り、従来技術のオイルリフター装置を設ける必要が無く
なり、経済性、操作性も優れたものとなる。
【0034】また、従来技術のホワイトメタルに比べ、
グラスファイバー充填PTFE板26は弾性体材料であ
る。したがって、これを表面(摺動面)に適用したパッ
ドは、図3に示すように、起動・停止時の低速回転領域
では、従来技術と比較し接触範囲が広がることになる。
このことから、本実施例では、パッドの接触荷重が平滑
され、摩擦量が低減されると共に、低速回転領域におい
てもパッドに油膜が形成されるようになる。
【0035】さらに、第3及び第5パッドT3 ,T5
は、他のパッドよりも軸心方向に突出して設けられ、さ
らに、その支持部材であるピボット3はピボットナット
を調整することにより、ハウジング2への装着位置を調
整することができる。これにより、回転数、軸受荷重、
潤滑油種等の使用条件を基にして、各パッドT1 〜T6
の荷重分担が均等になるように調整することができる。
これは、図11の調整前後の油膜圧力分布に示すよう
に、第3及び第5パッドT3 ,T5 の調整前は、最下部
の第4パッドT4 の発生油膜圧力が第3及び第5パッド
T3 ,T5 のそれに比べ極めて大きいが、調整後は、第
3〜第5パッドT3 〜T5 の発生油膜圧力はほぼ同じに
なる。したがって、最下部の第4パッドT4 の分担荷重
を小さくすることにより、油膜厚を大きくすることがで
きる。これにより、ジャーナル軸が円滑に回転できると
共に、最小油膜厚が低減することがなくなり、軸受とジ
ャーナル軸殿溶融凝着は発生しない。したがって、大事
故を防止することができ、安全性の優れたものとなる。
【0036】ところで、グラスファイバー充填PTFE
板26は、圧縮クリープによる変形が大きいことが知ら
れている。しかし、本実施例では、台金23との間に低
融点金属30により接合される多孔質体24を設けるこ
とにより、圧縮クリープによる変形が低減されること共
に、剥離等の機械的な強度が向上されている。
【0037】(3)他の実施例 なお、本実施例は上述の実施例に限定されるものではな
く、具体的な各部材の形状、或いは各々の取付位置また
は方法は適宜変更可能である。例えば、テイルティング
パッドは軸受の6箇所に設けることに限定されず、複数
箇所に適宜分割して設けることができる。この場合、実
施例中では第3,第5パッドT3 ,T5となる位置近傍
をピボットの調整により突出させる等として、最下部位
置の分担荷重を小さくするように構成する。また、テイ
ルティングパッドの装着位置調整手段はピボットに限定
されず、適宜変更可能である。
【0038】また、本発明では、テイルティングパッド
の形成方法は、適宜変更可能である。例えば、低融点金
属24は、多孔質体25とグラスファイバー充填PTF
E板26からなる接合体に巻き付ける以外に、台金23
に巻き付けることもできる。さらに、一体成型すること
もできる。また、表面をグラスファイバー充填PTFE
板26とし、他の構成部材して、台金23と多孔質体2
5、または台金23のみとすることも可能である。そし
て、一旦積層板状に形成した後、適宜軸受形状に適応す
る形状にして装着することもできる。
【0039】さらに、本発明では、テイルティングパッ
ドを用いたラジアル軸受装置けに限定されず、円筒形の
軸受の回転体との摺動面にも適応のすることができる。
この場合、それを挟む位置(上述の実施例で第3及び第
5パッドT3 ,T5 位置)を突出させる等の調整手段を
設けることにより、摺動面の最下部位置の荷重分担が小
さくなるように構成する。
【0040】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、円
筒形またはテイルティングパッド形のラジアル軸受装置
において、前記軸受支持部材を弾性変形、耐磨耗性、低
摩擦トルク等に優れたグラスファイバー充填ポリテトラ
フルオロエチレン材料で形成することにより、効率と信
頼性が向上すると共に、作業性・安全性及び経済性の優
れたラジアル軸受装置けを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラジアル軸受装置の一実施例として、
テイルティングパッドラジアル軸受装置を示す断面図。
【図2】本発明に係わる各種材料の摩擦・磨耗特性評価
【図3】起動・停止時のジャーナル軸とテイルティング
パッドの接触範囲及びそれにかかる圧力を示す説明図
【図4】多孔質体としてワイヤー積層多孔質によるPT
FE材との接合状態を示す説明図
【図5】多孔質体として球体接合多孔質によるPTFE
材との接合状態を示す説明図
【図6】多孔質体として多孔質板によるPTFE材との
接合状態を示す説明図
【図7】PTFE材と多孔質体からなる接合体の形状を
示す説明図
【図8】分割可能な台金の形状を示す説明図
【図9】接合体を台金に圧入し接合した状態を示す説明
【図10】分割によるテイルティングパッド成型を示す
説明図
【図11】テイルティングパッドラジアル軸受装置の負
荷容量特性を示す図
【図12】従来のテイルティングパッドラジアル軸受装
置を示す平面図
【図13】図12のA−A断面図
【図14】各テイルティングパッドの油膜圧力分布図
【図15】従来技術の起動・停止時のジャーナル軸とテ
イルティングパッドの接触範囲及びそれにかかる圧力を
示す説明図
【符号の説明】
T1 〜T6 … テイルティングパッド(第1〜第6パ
ッド) C,C´ … 軸受隙間 1 … ジャーナル軸 2 … ハウジング 3 … ピボット 4 … ホワイトメタル 5 … リフターポケット 6 … 導入孔 7 … 高圧ホース 8 … 給油管 9 … 排出管 10 … ラビリンスシール 11 … 荷重 12 … 回転方向 21 … 回り止めピン 22 … ピボットナット 23 … 台金 23a… 凹形溝 24 … 低融点金属 25 … 多孔質体 26 … グラスファイバー充填PTFE板 27 … 回転治具 28 … 加温手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形またはテイルティングパッド形の
    軸受に支持部材を設け、前記支持部材により回転体を回
    転可能に支持するラジアル軸受装置において、 前記支持部材は、回転体と接する摺動部を備え、前記摺
    動部がグラスファイバー充填ポリテトラフルオロエチレ
    ン材料により構成されていることを特徴とするラジアル
    軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、摺動部と摺動部を支持
    する台金を備え、摺動部と台金が接合材料を介して積層
    されていることを特徴とする請求項1記載のラジアル軸
    受装置。
  3. 【請求項3】 前記接合材料として多孔質体が設けら
    れ、前記多孔質体は摺動部と圧着により接合されている
    ことを特徴とする請求項2記載のラジアル軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記積層体は、摺動部と接合材料とから
    なる接合体が低融点接合金属を介して台金に積層されて
    いることを特徴とする請求項2記載のラジアル軸受装
    置。
  5. 【請求項5】 前記支持部材は、円筒状物を複数に分割
    してなる分割体が軸受に装着されることにより設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載のラジアル軸受装
    置。
  6. 【請求項6】 前記支持部材には、荷重を均等化するた
    めの装着位置調整手段が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のラジアル軸受装置。
JP21985693A 1993-09-03 1993-09-03 ラジアル軸受装置 Expired - Fee Related JP3219564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21985693A JP3219564B2 (ja) 1993-09-03 1993-09-03 ラジアル軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21985693A JP3219564B2 (ja) 1993-09-03 1993-09-03 ラジアル軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0771446A true JPH0771446A (ja) 1995-03-17
JP3219564B2 JP3219564B2 (ja) 2001-10-15

Family

ID=16742134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21985693A Expired - Fee Related JP3219564B2 (ja) 1993-09-03 1993-09-03 ラジアル軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3219564B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240962A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toshiba Corp ジャーナル軸受装置
JP2013019482A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Ihi Corp ティルティングパッドジャーナル軸受
CN105299031A (zh) * 2015-11-17 2016-02-03 哈尔滨电机厂有限责任公司 非均布弧面支撑5瓦可倾式径向轴承
DE102008017823B4 (de) * 2008-04-08 2016-09-29 Continental Automotive Gmbh Hochdruckpumpe mit einem Pumpenkolben, einem Stößel und einem Rollenschuh bestehend aus wenigstens zwei plattenförmigen Rollenschuhsegmenten
CN111503135A (zh) * 2019-01-28 2020-08-07 曼恩能源方案有限公司 带有增材式制造的结构的滑动轴承

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102582849B1 (ko) * 2021-10-07 2023-09-25 김주연 빛투과 석재 테이블

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008240962A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toshiba Corp ジャーナル軸受装置
WO2008126362A1 (ja) * 2007-03-28 2008-10-23 Kabushiki Kaisha Toshiba ジャーナル軸受装置
DE102008017823B4 (de) * 2008-04-08 2016-09-29 Continental Automotive Gmbh Hochdruckpumpe mit einem Pumpenkolben, einem Stößel und einem Rollenschuh bestehend aus wenigstens zwei plattenförmigen Rollenschuhsegmenten
JP2013019482A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Ihi Corp ティルティングパッドジャーナル軸受
CN105299031A (zh) * 2015-11-17 2016-02-03 哈尔滨电机厂有限责任公司 非均布弧面支撑5瓦可倾式径向轴承
CN111503135A (zh) * 2019-01-28 2020-08-07 曼恩能源方案有限公司 带有增材式制造的结构的滑动轴承
CN111503135B (zh) * 2019-01-28 2023-11-28 曼恩能源方案有限公司 带有增材式制造的结构的滑动轴承

Also Published As

Publication number Publication date
JP3219564B2 (ja) 2001-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7494282B2 (en) Radial foil bearing
US6664687B2 (en) Motor having single cone fluid dynamic bearing balanced with shaft end magnetic attraction
US8356938B2 (en) Fluid dynamic bearing apparatus
JP2010529390A (ja) シール機能を含むラジアルフォイル軸受
US20020067089A1 (en) Motor having single cone fluid dynamic bearing balanced with magnetic attraction
US20090297078A1 (en) Fluid bearing device
CN101868636A (zh) 流体动压轴承装置
US4886378A (en) Thrust bearing device
US20050084189A1 (en) Hydrodynamic bearing system
JP2004116667A (ja) 動圧軸受装置
JPH0771446A (ja) ラジアル軸受装置
US20070104400A1 (en) Dynamic bearing device
US20080037916A1 (en) Dynamic Bearing Device
US8197141B2 (en) Fluid dynamic bearing device
JP3962103B2 (ja) スラスト軸受
JP2003028146A (ja) ガイド軸受装置
JP2004132403A (ja) 流体軸受装置
JP4024007B2 (ja) 動圧型軸受ユニット
JP3536545B2 (ja) スラスト軸受
JP2004190786A (ja) 動圧軸受装置及びその製造方法
JPH07151139A (ja) 動圧軸受
JP2010249218A (ja) 流体軸受装置およびその製造方法
US6939048B2 (en) Hydrodynamic thrust bearing
JP3602325B2 (ja) 動圧型多孔質含油軸受
JPH10131951A (ja) ティルティングパッド軸受

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees