JP3794182B2 - カラー画像信号処理装置およびカラー画像信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル複写機やプリンタなど、カラー画像を取り扱う各種の機器に関するものであり、特に、入力側と出力側のカラー画像信号の色再現可能領域が異なる場合にカラー画像信号に対して色変換処理を行うカラー画像信号処理装置およびカラー画像信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を出力する機器として、例えばCRTやカラーLCDなどの表示装置や、プリンタなどの印刷機器等がある。これらの出力装置では、それぞれの出力方式の違いなどによって、再現可能な色範囲が異なっている。図9は、出力装置における色再現可能領域の一例の説明図である。ここでは、ある色相における2つの出力装置の色再現可能領域を示している。図中の装置1は例えばCRTであり、装置2は例えばプリンタである。CRTでは、出力方式として蛍光体を光らせる方式であるため、明度の高い領域で鮮やかな色を表現できる。一方、プリンタでは色材を重ねて色を表現する方式であるため、1次色以外では高明度高彩度の色を表現することは難しく、全体的に低明度領域での色再現が可能である。
【0003】
このように、出力装置に応じて色再現可能領域が異なるため、例えばCRT上で作成した画像をプリンタで印刷する場合など、異なる出力装置で同じ画像データによる出力を行おうとすると、再現できない色が生じる可能性がある。例えば図9における色相において高明度高彩度の色については、CRT上では出力可能であるが、プリンタでは再現できない。逆に、低明度高彩度の色については、プリンタでは再現可能であるものの、CRTでは表示できない。そのため、少なくとも再現できない色については最も近いと考えられる色に置き換えて出力し、画像全体としてその出力装置においては最良の画質で再現できるようにしている。このとき、与えられるカラー画像信号を、出力装置の色再現可能領域内の色に置き換える色の写像(Color Mapping)が必要となる。
【0004】
色の写像を行う従来の技術として、例えば明度を保存したまま彩度を変化させる技術がある。しかし、例えばCRTに表示していた画像をプリンタで出力しようとする場合、図9に示すように、CRT上で高明度で鮮やかな色は、ほとんど色が抜けて白くなってしまう。また別の技術として、彩度を保存して明度を変化させる技術もあるが、この場合には鮮やかな色が極端に暗くなってしまい、やはりプリンタから出力された画像はCRT上で表示されていた画像と比べ、だいぶ異なったものとなってしまう。
【0005】
色の写像を行うさらに別の技術として、例えば特公平6−36548号公報に記載されている技術がある。この技術では、入力カラー画像信号の彩度及び明度の範囲が出力装置の彩度及び明度の再現範囲と比較して大きい場合、入力カラー画像信号の彩度及び明度の双方について、階調を保存するように出力装置の色再現可能領域内に圧縮写像を行っている。しかし、上述のように例えばCRTに表示していた画像をプリンタで出力しようとする場合、図9に示すように大きく異なる色再現可能領域の間で彩度および明度を圧縮する処理を行うと、CRT上で高明度高彩度であった色は明度、彩度ともに低下する。この場合、上述のように明度保存、彩度保存の場合に比べて再現された色の相違は小さくなる。しかし、見た目に同じ色を再現しようとする場合、あるいは生の入力色より望ましい色を再現しようとする場合、このように単純な変換処理だけでは満足できる色を再現することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、入力カラー画像信号が示す色を出力装置において見かけ上望ましい色となるように変換することができるカラー画像信号処理装置およびカラー画像信号処理方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、まず、入力カラー画像信号を入力側の色再現可能領域に基づいた中間の色再現可能領域内の中間カラー画像信号に変換する。このとき、中間の色再現可能領域として、入力側の色再現可能領域の明度方向の最大値および最小値が出力側の色再現可能領域の明度の最大値および最小値と一致するように前記入力側の色再現可能領域に対して明度方向に調整を施した色再現可能領域を設定することができる。さらに、明度方向の調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度と、出力側の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度との差の範囲内で、所定の関数によって前記明度方向に調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点を調整して中間の色再現可能領域を設定することができる。
【0008】
中間カラー画像信号に変換した後、中間カラー画像信号を出力側の色再現可能領域内の出力カラー画像信号へ変換する。このとき、出力側の色再現可能領域の形状に応じて、中間カラー画像信号の出力側の色再現可能領域への変換方向を変化させて変換処理を行う。例えば出力側の色再現可能領域において最大彩度を有する点の明度を持つ無彩色など、所定の明度を持つ無彩色を目標点とし、中間カラー画像信号の明度が目標点の明度より高い場合には明度を維持して彩度を前記出力側の色再現可能領域に応じて変換処理する。また、中間カラー画像信号の明度が目標点の明度より低い場合には中間カラー画像信号の色と目標点を結ぶ直線方向に前記出力側の色再現可能領域に応じて明度および彩度を変換処理する。
【0009】
このような変換処理を行うことによって、入力カラー画像信号の取りうる入力側の色再現可能領域と出力側の色再現可能領域とが大きく異なる場合であっても、出力側においては見た目に同じような、望ましい色を再現することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示すブロック図である。図中、1は入力色空間変換部、2は色相変換部、3は第1の色変換部、4は第2の色変換部、5は出力色空間変換部である。入力色空間変換部1は、入力カラー画像信号の色空間が後段で用いる色空間と異なる場合に、後段で用いる色空間への色空間変換処理を行う。ここでは色相変換部2から第2の色変換部4までの処理は、装置に依存しない色空間、例えばCIE−L* a* b* などの色空間を用いる。また、入力カラー画像信号として、ここではCRT等に表示させるためのRGB色空間におけるカラー画像信号であるとする。そのため、具体的にはこの例では入力色空間変換部1は、RGB色空間からL* a* b* 色空間への変換を行う。もちろん、入力カラー画像信号が内部で用いる装置に依存しない色空間の信号である場合には、この入力色空間変換部1における処理は必要ないし、この入力色空間変換部1を設けないで構成してもよい。
【0011】
色相変換部2は、装置に依存しない色空間に変換された入力カラー画像信号に対して、明度、彩度を保存したまま入力カラー画像信号の色に応じて色相を変更する処理を行う。色相を変更することは、色自体を変更することになるため、従来はあまり行われていない。しかし、以降の処理で色相を保持したまま明度および彩度を変更すると大きく変更しなければならないが、色相を多少変更すると明度および彩度の変更量が少なく、より自然に見える色変換を行える場合がある。このような場合に、この色相変換部2において色相を多少変更する処理を行う。このときの変更量は、入力カラー画像信号の色によって異なり、入力カラー画像信号の取りうる色、すなわち入力側の色再現可能領域と、出力すべきカラー画像信号の取りうる色の範囲、すなわち入力側の色再現可能領域との差異が大きいほど、色相の変更量を大きくすることができる。もちろん、上述のように色自体を変更する処理であるので、出力される画像がより自然に見える範囲内で変更量を設定しておくことが必要である。なお、この色相変換部2を設けずに構成してもよい。
【0012】
第1の色変換部3は、色相変換部2で色相が変更された入力カラー画像信号を、入力側の色再現可能領域(入力カラー画像信号が取りうる色の範囲)に基づいた中間の色再現可能領域内の中間カラー画像信号に変換する。中間の色再現可能領域としては、入力側の色再現可能領域の明度方向の最大値および最小値が、出力側の色再現可能領域(出力カラー画像信号が取りうることを許されている色の範囲)の明度の最大値および最小値と一致するように、入力側の色再現可能領域に対して明度方向に調整を施す。さらに、明度方向の調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度と、出力側の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度との差より所定の関数によって求められる明度のとき最大彩度が得られるように色再現可能領域を調整する。このようにして得られた色再現可能領域を中間の色再現可能領域として設定し、色相変換部2で色相が変更された入力カラー画像信号を中間の色再現可能領域内の色へ変換し、中間カラー画像信号として出力する。
【0013】
第2の色変換部4は、第1の色変換部3から出力された中間カラー画像信号を、出力側の色再現可能領域内の出力カラー画像信号へ変換する。このとき、出力側の色再現可能領域の形状に応じて、中間カラー画像信号を変換する際の変換方向を変化させる。例えば、所定の明度を持つ無彩色、例えば出力側の色再現可能領域において最大彩度を有する点の明度を持つ無彩色を目標点とし、中間カラー画像信号の明度が目標点の明度より高い場合には、明度を維持して彩度を出力側の色再現可能領域に応じて変換処理する。これによって、明るい色については明度をそれほど低下させずに変換処理することができる。また、中間カラー画像信号の明度が目標点の明度より低い場合には、中間カラー画像信号の色と目標点を結ぶ直線方向に、出力側の色再現可能領域に応じて明度および彩度を変換処理する。これによって、暗い色についてはバランスのとれた色への変換を行うことができる。
【0014】
出力色空間変換部5は、出力カラー画像信号の色空間がこの出力カラー画像信号を受け取る出力側装置で用いる色空間と異なる場合に、出力側装置で用いる色空間への色空間変換処理を行う。例えば出力側装置がプリンタなどの場合には、出力側装置ではYMC色空間あるいはYMCK色空間のカラー画像信号を受け取る場合が多い。このような場合に出力色空間変換部5は、内部で用いている装置に依存しない色空間、例えばCIE−L* a* b* などの色空間から、YMC色空間あるいはYMCK色空間への色空間変換処理を行う。もちろん、装置に依存しない色空間のまま出力してもよく、この場合にはこの出力色空間変換部5における処理は必要ないし、この出力色空間変換部5を設けないで構成してもよい。
【0015】
図2は、本発明の実施の一形態における動作の一例を示すフローチャートである。まずS11において、予め入力側の色再現可能領域および出力側の色再現可能領域を求めておく。このとき、装置に依存しない色空間、例えばCIE−L* a* b* 色空間において求めておくとよい。なお、以下の説明では内部の処理はCIE−L* a* b* 色空間において行うものとする。図3は、色再現可能領域の一例を示す概念図である。一般に色再現可能領域は一様ではなく、図3に示すように複雑な3次元形状を有している。図3に示す立体の内側が色再現が可能な領域であり、その外側は色を再現できない領域である。ここでは、色再現が可能な領域と色を再現できない領域との境界を示す面(外郭面)の情報を求めておく。上述のようにこの外郭面の形状は一様ではないので、例えば三角形などの多角形状に分割して表現しておくとよい。図3では、外郭面の一部のみ、三角形状に分割して図示しているが、このような分割を外郭面の全面について行うことになる。
【0016】
S12において、入力カラー画像信号が入力される。ここでは、入力カラー画像信号はRGB色空間における信号であるものとする。入力色空間変換部1は、RGB色空間の入力カラー画像信号をCIE−L* a* b* 色空間に変換する。
【0017】
次にS13において、色相変換部2は、CIE−L* a* b* 色空間に変換された入力カラー画像信号の色相を、その入力カラー画像信号の色に応じて変更する。図4は、色相変換部における色相の変更処理の概念図である。CIE−L* a* b* 色空間においては、色相の変更はL* 軸を中心として回転移動させる処理となる。例えば図4に示した点アの色は、色相変換部2によって回転されて点イの色に変更される。なお、このときの回転角や回転方向は、入力カラー画像信号の色に応じて決められる。例えばマゼンタ(M)は赤(R)に近づく方向に大きく移動させる。また、青(B)はシアン(C)に近づく方向に大きく移動させるとよい。逆にイエロー(Y)はほとんど色相を変更しなくてよい。
【0018】
次のS14〜S16では、第1の色変換部3において、色相を変更した後の入力カラー画像信号を中間カラー画像信号に変換する。図5は、第1の色変換部3における色変換処理の具体例の説明図である。図中、破線は入力側の色再現可能領域を示し、実線は出力側の色再現可能領域を示している。まずS14において、色相を変更した後の入力カラー画像信号の色相から、その色相を有し、かつ明度軸(L* )を通る平面で、入力側および出力側の色再現可能領域を切断し、その色相における色再現可能領域の断面を得る。このとき、例えば図5(A)に示すような入力側および出力側の色再現可能領域の断面が得られたものとする。なお、この断面における座標系は、縦軸が明度を示すL* 軸、横軸が彩度を示すC* 軸となる。
【0019】
次にS15において、入力側の色再現可能領域の明度レンジ、すなわち明度の最大値から明度の最小値までを、出力側の色再現可能領域の明度レンジに合わせる。これによって、入力側の色再現可能領域は図5(B)に破線で示したようになる。
【0020】
さらにS16において、S15で明度レンジの調整を施した後の入力側の色再現可能領域における最大彩度を有する点(CUSPi)の明度と、出力側の色再現可能領域の最大彩度を有する点(CUSPo)の明度との差の範囲内で、所定の関数によって点(CUSPi)を調整して中間の色再現可能領域を設定する。例えば図5(B)に破線で示している色再現可能領域から、最大彩度を有する点(CUSPi)の明度を調整し、図5(C)に破線で示している中間の色再現可能領域を設定する。そして、色相変更後の入力カラー画像信号の色が、設定した中間の色再現可能領域内の色となるように色変換を行う。色変換の過程は、中間の色再現可能領域の設定時の処理と同様であり、図5(B)に示すように明度方向の調整を行った後、最大彩度を有する点(CUSPi)の明度調整に従って変換処理を行えばよい。このような第1の色変換部3における処理により、色相変更後の入力カラー画像信号は図5(C)に破線で示す中間の色再現可能領域内の中間カラー画像信号となる。
【0021】
次のS17〜S19の処理では、第2の色変換部4において中間カラー画像信号から出力カラー画像信号への色変換が行われる。まずS17において、中間カラー画像信号の明度が、出力側の色再現可能領域において最大彩度を有する点(CUSPo)の明度よりも高いか低いかを判定する。
【0022】
中間カラー画像信号の明度のほうが、点(CUSPo)の明度よりも高い場合には、S18において、明度を保存したまま、彩度のみについて変換処理し、中間カラー画像信号を出力側の色再現可能領域内の出力カラー画像信号に変換する。明度を保存することによって、高明度の色についてなるべく明るい色で再現できるように色変換を行うことができる。この場合、第1の色変換部3で中間の色再現可能領域を設定して色変換処理を行っているので、もとの入力側の色再現可能領域から明度保存で色変換を行う場合に比べて、多少暗くはなるものの、白抜けすることなく色再現を行うことが可能となる。また、明度および彩度の両方を変化させる場合に比べ、高めの明度の色に変換することができる。これによって、中間カラー画像信号の明度のほうが、点(CUSPo)の明度よりも高い明度を有する中間カラー画像信号について、高めの明度の色に変換して見た目の色再現性を向上させることができる。
【0023】
図6は、中間カラー画像信号の明度が点(CUSPo)の明度よりも高い場合の色変換処理の一例の説明図、図7は、線形圧縮法の説明図である。ここでは、線形圧縮法を用いて彩度の変換を行う。中間カラー画像信号を示す点を通りL* 軸に直交する直線(この直線は明度を保存する)を考え、この直線と中間および出力側の色再現可能領域の境界との交点を求める。図6では三角形で示している。この直線と中間の色再現可能領域の境界との交点からL* 軸までの距離をLin、直線と出力側の色再現可能領域の境界との交点からL* 軸までの距離をLoutとする。また、図7に示すように中間カラー画像信号を示す点からL* 軸までの距離をL’in、変換後の出力カラー画像信号を示す点(白丸で図示)からL* 軸までの距離をL’outとするとき、L’outは、
L’out=(Lout/Lin)×L’in
によって求めることができる。求められたL’outは、色変換後の出力カラー画像信号における彩度を表している。もちろん、線形圧縮法以外の手法を用いて明度方向の変換を行ってもよい。
【0024】
図2に戻り、中間カラー画像信号の明度のほうが、点(CUSPo)の明度よりも低い場合には、S19において、所定の明度を持つ無彩色を目標点とし、中間カラー画像信号の色と目標点を結ぶ直線方向に明度および彩度を変換処理する。このような変換処理によって、低明度の色については見かけ上、類似した色に変換することができる。
【0025】
目標点としては、例えば点(CUSPo)の明度と同じ明度の無彩色(すなわちL* 軸上の)の点とすることができる。このような目標点を設定することにより、S18における点(CUSPo)の明度よりも高い中間カラー画像信号に対する色変換結果との間での色の連続性を保証することができる。
【0026】
図8は、中間カラー画像信号の明度が点(CUSPo)の明度よりも低い場合の色変換処理の一例の説明図である。この場合も、線形圧縮法を用いて明度および彩度の変換を行う。図8に示すように、中間カラー画像信号を示す点および目標点を通る直線を考え、この直線と中間および出力側の色再現可能領域の境界との交点を求める。図8では交点を三角形で示している。この直線と中間の色再現可能領域の境界との交点からL* 軸までの距離をLin、直線と出力側の色再現可能領域の境界との交点からL* 軸までの距離をLoutとする。また、上述の図7に示したように、中間カラー画像信号を示す点からL* 軸までの距離をL’in、変換後の出力カラー画像信号を示す点(白丸で図示)からL* 軸までの距離をL’outとするとき、L’outは、
L’out=(Lout/Lin)×L’in
によって求めることができる。この演算処理は、明度と彩度について別々に行ってもよい。このようにして、色変換後の出力カラー画像信号が得られる。もちろん、線形圧縮法以外の手法を用いて明度および彩度の変換を行ってもよい。
【0027】
図2に戻り、最後にS20において、出力カラー画像信号を出力側の装置が要求する色空間へ出力色空間変換部5で変換する。例えば出力側の装置がYMCK色空間のカラー画像信号を要求していれば、CIE−L* a* b* 色空間からYMCK色空間への色空間変換処理を行えばよい。もちろん、内部の処理で用いたCIE−L* a* b* 色空間のまま出力してよければ、このS20の処理は必要ない。以上により処理は終了する。
【0028】
なお、上述の説明では、入力カラー画像信号に対して、図1に示した各部において順次処理を進めて行くものとして説明したが、例えば入力側および出力側の色再現可能領域が固定されているような場合には、入力カラー画像信号に対して出力カラー画像信号を一意に決定できる。これを利用して、予め種々の入力カラー画像信号に対して第1の色変換部3および第2の色変換部4による変換結果である出力カラー画像信号を求めておき、入力カラー画像信号と出力カラー画像信号を対応づけたテーブルを用意しておく。そしてこのテーブルによって、第1の色変換部3および第2の色変換部4の色変換処理を代行させることが可能である。さらに、色相変換部2による色相の変更や、さらには出力色空間変換部5による色空間変換処理まで含めて、テーブル化することも可能である。
【0029】
このようにテーブルによって入力カラー画像信号から出力カラー画像信号を得る場合、テーブルにはすべての入力カラー画像信号に対応する出力カラー画像信号の値を保持させておく必要はない。ある程度の間隔で出力カラー画像信号の値を保持させておき、テーブルにない入力カラー画像信号に対しては補間処理によって出力カラー画像信号を計算するように構成することができる。
【0030】
本発明のカラーが送信号処理装置は、単独の装置として提供するほか、例えばプリンタや印刷装置などの出力装置に組み込んで構成することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、入力カラー画像信号が取りうる色再現可能領域と、出力側における色再現可能領域が大きく異なる場合においても、出力カラー画像信号により出力したときに画像の見た目が良好となるように、望ましい色再現を可能にすることができるという効果がある。特にCRTで表示していたビジネス文書などの画像をプリンタで再現する場合、プリンタの特徴を十分に生かせるため、より高品質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の一形態における動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】 色再現可能領域の一例を示す概念図である。
【図4】 色相変換部における色相の変更処理の概念図である。
【図5】 第1の色変換部3における色変換処理の具体例の説明図である。
【図6】 中間カラー画像信号の明度が点(CUSPo)の明度よりも高い場合の色変換処理の一例の説明図である。
【図7】 線形圧縮法の説明図である。
【図8】 中間カラー画像信号の明度が点(CUSPo)の明度よりも低い場合の色変換処理の一例の説明図である。
【図9】 出力装置における色再現可能領域の一例の説明図である。
【符号の説明】
1…入力色空間変換部、2…色相変換部、3…第1の色変換部、4…第2の色変換部、5…出力色空間変換部。
Claims (16)
- 入力側の色再現可能領域内の入力カラー画像信号を出力側の色再現可能領域内の出力カラー画像信号へ変換するカラー画像信号処理装置において、前記入力カラー画像信号を前記入力側の色再現可能領域に基づいた中間の色再現可能領域内の中間カラー画像信号に変換する第1の色変換手段と、前記中間カラー画像信号を前記出力側の色再現可能領域内の前記出力カラー画像信号へ変換する第2の色変換手段を有し、前記第2の色変換手段は、所定の明度を持つ無彩色を目標点とし、前記中間カラー画像信号の明度が前記目標点の明度より高い場合には明度を維持して彩度を前記出力側の色再現可能領域に応じて変換処理し、前記中間カラー画像信号の明度が前記目標点の明度より低い場合には前記中間カラー画像信号の色と前記目標点を結ぶ直線方向に前記出力側の色再現可能領域に応じて明度および彩度を変換処理することを特徴とするカラー画像信号処理装置。
- 前記第1の色変換手段および前記第2の色変換手段は、装置に依存しない色空間において色変換処理を行うものであり、さらに、装置に依存しない色空間から出力側装置に依存する色空間への色空間変換処理を行う出力色空間変換手段を有していることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像信号処理装置。
- 前記第1の色変換手段および前記第2の色変換手段は、装置に依存しない色空間において色変換処理を行うものであり、さらに、入力側装置に依存する色空間から装置に依存しない色空間への色空間変換処理を行う入力色空間変換手段を有し、該入力色空間変換手段で色空間変換処理を行った入力カラー画像信号を前記第1の色変換手段に入力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラー画像信号処理装置。
- 前記装置に依存しない色空間は、色の3属性を定義する色空間であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のカラー画像信号処理装置。
- さらに、入力カラー画像信号に対して該入力カラー画像信号に応じて色相を変化させる色相変換手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のカラー画像信号処理装置。
- 前記第1の色変換手段は、前記入力側の色再現可能領域の明度方向の最大値および最小値が前記出力側の色再現可能領域の明度の最大値および最小値と一致するように前記入力側の色再現可能領域に対して明度方向に調整を施した前記中間の色再現可能領域を設定し、該中間の色再現可能領域への色変換を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のカラー画像信号処理装置。
- 前記第1の色変換手段は、さらに、明度方向の調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度と、前記出力側の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度との差の範囲内で、所定の関数によって前記明度方向に調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点を調整して前記中間の色再現可能領域を設定し、該中間の色再現可能領域への色変換を行うことを特徴とする請求項6に記載のカラー画像信号処理装置。
- 前記目標点は、前記出力側の色再現可能領域において最大彩度を有する点の明度を持つ無彩色であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のカラー画像信号処理装置。
- 入力側の色再現可能領域内の入力カラー画像信号を出力側の色再現可能領域内の出力カラー画像信号へ変換するカラー画像信号処理方法において、第1の色変換手段により、前記入力カラー画像信号を前記入力側の色再現可能領域に基づいた中間の色再現可能領域内の中間カラー画像信号に変換し、第2の色変換手段により、所定の明度を持つ無彩色を目標点とし、前記中間カラー画像信号の明度が前記目標点の明度より高い場合には明度を維持して彩度を前記出力側の色再現可能領域に応じて変換処理し、前記中間カラー画像信号の明度が前記目標点の明度より低い場合には前記中間カラー画像信号の色と前記目標点を結ぶ直線方向に前記出力側の色再現可能領域に応じて明度および彩度を変換処理することを特徴とするカラー画像信号処理方法。
- 前記中間カラー画像信号への変換処理および前記出力カラー画像信号への変換処理は装置に依存しない色空間において行うものであり、さらに、前記出力カラー画像信号に対して装置に依存しない色空間から出力側装置に依存する色空間への色空間変換処理を行うことを特徴とする請求項9に記載のカラー画像信号処理方法。
- 前記中間カラー画像信号への変換処理および前記出力カラー画像信号への変換処理は装置に依存しない色空間において行うものであり、さらに、入力側装置に依存する色空間の前記入力カラー画像信号に対して装置に依存しない色空間への色空間変換処理を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のカラー画像信号処理方法。
- 前記装置に依存しない色空間は、色の3属性を定義する色空間であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のカラー画像信号処理方法。
- さらに、入力カラー画像信号に対して該入力カラー画像信号に応じて色相を変化させる色相変換を行うことを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載のカラー画像信号処理方法。
- 前記入力カラー画像信号から前記中間カラー画像信号への変換処理を行う際に、前記入力側の色再現可能領域の明度方向の最大値および最小値が前記出力側の色再現可能領域の明度の最大値および最小値と一致するように前記入力側の色再現可能領域に対して明度方向に調整を施した前記中間の色再現可能領域を設定し、前記入力カラー画像信号が該中間の色再現可能領域内の色となるように色変換を行うことを特徴とする請求項9ないし請求項15のいずれか1項に記載のカラー画像信号処理方法。
- 前記中間の色再現可能領域を設定する際に、さらに、明度方向の調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度と、前記出力側の色再現可能領域の最大彩度を有する点の明度との差の範囲内で、所定の関数によって前記明度方向に調整を施した後の色再現可能領域の最大彩度を有する点を調整して前記中間の色再現可能領域を設定することを特徴とする請求項14に記載のカラー画像信号処理方法。
- 前記目標点として、前記出力側の色再現可能領域において最大彩度を有する点の明度を持つ無彩色を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載のカラー画像信号処理方法。
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