JP3794128B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンロ部に備えた赤外線を放射するランプヒータにて直上の耐熱ガラスを介して被加熱物を加熱する調理器に関し、とくに加熱停止動作後に加熱していた被加熱物を耐熱ガラスの上より取り去ったかどうかの判別を温度センサにて行う加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1)温度センサに関する従来例
従来この種の加熱調理器としては特開平4−236016号公報がある。その構成について図6から図7を参照しながら説明する。
【0003】
従来は被加熱物1が載置されている耐熱ガラス2の下部にコンロ部3を備え、前記コンロ部3にはランプヒータ4と前記耐熱ガラス2の下部に当接した温度センサ5が内蔵されている。また、前記コンロ部3は上部を開口し側面と底面を備えた垂直断面が皿状とし前記耐熱ガラス2の直下にてスプリングバネにて6にて当接したもので、外壁7を金属材とし前記外壁7の内面に沿ってリング状の断熱材A8とドーナツ状の断熱材B9を備えるとともに前記外壁7の中央部に円筒状部10を備えている。さらに、前記円筒状部10の内側(ランプヒータ側)にリング状の断熱材C11を備えるとともに前記断熱材C11の上面に断熱材D12を備え前記耐熱ガラス2と断熱材C11にて隙間を無くしたものである。
【0004】
上記構成により加熱を開始するとコンロ部3内部のランプヒータ4が発熱し直上部の耐熱ガラス2を透過し鍋などの被加熱物1を伝導とふく射により加熱することになる。
【0005】
また、コンロ部3内部のランプヒータ4近傍に前記の温度センサ5とは別の線膨張式の温度センサ13を備え、設定温度に到達すると線膨張しマイクロスイッチ14を動作させ加熱手段としてのランプヒータ4のパワーをダウン(または、加熱停止)し、以下になるとフルパワーに戻す制御をすることにより耐熱ガラス2およびランプヒータ4の安全性(故障を少なくする、寿命を長くする)の向上を図ったものである。
【0006】
さらに、操作部15として加熱開始ボタン16と加熱停止ボタン17を備えている。
【0007】
(2)高温表示に関する従来例
従来この種の加熱調理器1としては実開平3−7290号公報がある。その構成について図8を参照しながら説明する。
【0008】
すなわち、耐熱ガラス5の高温表示に関し、手など触れないように注意を喚起するための配慮をしたものである。
【0009】
具体的に述べると、コンロ部3の構成が少々違うものの、図7の前記従来例とほぼ同様である。そして、前記耐熱ガラス5の直下においてランプケース18の内側に表示ランプ19を備え高温表示をするものである。
【0010】
そして、加熱後に耐熱ガラス2が高温ならば前記表示ランプ19が動作し高温であることを知らせるものである。
【0011】
さらに、表示ランプ19の制御としては耐熱ガラス2直下のコンロ部3の内部に耐熱ガラス2と平行に棒状の熱膨張式の温度センサ13を備え(耐熱ガラス2に接していない)、伸び縮みにてマイクロスイッチ14を動作させ耐熱ガラス2が所定温度以上であれば表示ランプ19を点滅表示し、耐熱ガラス2が所定温度以下になれば表示ランプ19を停止するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この種の加熱調理器においては、加熱直後は耐熱ガラスが高温である。従って、耐熱ガラスの上に被加熱物が載置したままの場合は耐熱ガラスに触れることがないが、被加熱物を耐熱ガラスの上より取り去った場合の注意が必要となる。
【0013】
(1)高温表示の仕方での課題
図7から図8で示した上記従来の加熱調理器は、耐熱ガラス2直下に備えた表示ランプ19にて高温を表示するもので注意が喚起できるものの、加熱後に加熱トップ面2より被加熱物1を取り去り別の場所(例えば、台所)に持ち運んだ際に、表示ランプ19が視野から消えて、ついうっかりして加熱調理器より離れたままになることがある。この間に幼児が高温の加熱調理器に近づいたとき、これを注意するのを忘れてしまうなどの問題があった。
【0014】
(2)高温を表示する手段としての課題
図7から図8で示した上記従来の加熱調理器は、表示ランプ19の制御としては耐熱ガラス2直下のコンロ部3の内部に耐熱ガラス2と平行に棒状の熱膨張式の温度センサ13を備え伸び縮みにてマイクロスイッチ14を動作させ耐熱ガラス2が所定温度以上であれば表示ランプ19を点滅表示し以下になれば表示ランプ19を停止するものである。しかし、耐熱ガラス2に対して間接的に温度を検出しているものであり(耐熱ガラスに接していない)応答性が良くない。また、前記温度センサ13では耐熱ガラス2上の被加熱物1有無の判別ができない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、耐熱ガラスの温度を直接温度センサにて検出し被加熱物内の温度を制御するとともに耐熱ガラスが所定の温度以上のときは音またはランプにて報知するものである。さらに、加熱停止動作後に前記温度センサの温度変化を検出し加熱していた被加熱物を耐熱ガラスの上より取り去ったかどうかの判別を行うものである。
【0016】
上記発明によれば、温度センサにて被加熱物を耐熱ガラスの上より取り去ったかどうかを判別し且つ、耐熱ガラスが所定の温度以上のときは音またはランプにて報知するものであり注意が喚起できるとともに、加熱調理器より離れていても耐熱ガラスが高温であることが警告音にて判るため、仮に分別のつかない幼児が加熱調理器に近づいたときには分別のある人(例えば、親など)が注意することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は上記課題を解決するために、被加熱物を載置する耐熱ガラスと、前記耐熱ガラスの下部に備えられ前記耐熱ガラスを介して前記被加熱物を加熱する加熱手段と制御手段とを有するもので、前記制御手段は加熱後に操作部の加熱停止動作をし且つ前記被加熱物を取り去った場合であって、前記耐熱ガラスが所定の温度を越え高温であるときは音またはランプにて報知する構成の加熱調理器において、温度計測手段にて耐熱ガラスの温度を計測するとともに被加熱物有無判定手段とした構成のもの。
【0018】
これにより、温度計測手段は耐熱ガラスの温度を直接計測するため精度が良い、また、被加熱物の中味を温度制御するとともに被加熱物有無判定手段を兼ねたものであり低コスト且つ簡単構成にて実現できる。
【0019】
また、制御手段は加熱後に操作部の加熱停止動作をし且つ被加熱物を載置したままのときの温度計測手段の温度立ち下がり勾配を予め制御手段に入力しておき、前記被加熱物を取り去ったときに前記温度計測手段にて温度立ち下がり勾配を検出し違いを演算することにより前記被加熱物を取り去ったか否かを判定することにより温度計測手段にて耐熱ガラスの温度を計測するとともに被加熱物有無判定手段とした構成のもの。
【0020】
そして、精度が良く使い勝手もよいまた、三つの機能を兼ね備えたものであり、価値が大きい。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の加熱調理器の外観図である。また図2は同加熱調理器の断面図である。また図3は同加熱調理器のコンロ部の外観図である。また図4は同加熱調理器の制御ブロック図である。
【0023】
被加熱物有無判定手段として、加熱停止動作後に温度計測手段としての温度センサ5の立ち下り勾配を検出し被加熱物1が耐熱ガラス2に載置されているか否かを判定するものである。
【0024】
図において、被加熱物1を載置し赤外線を透過する耐熱ガラス2は上面ケース20と接着剤21にて一体化するとともに、コンロ部3と冷却ファン22を内蔵した下面ケース23とはねじ24にて固定し結合したものである。
【0025】
コンロ部3は赤外線を透過する耐熱ガラス2の下部に備えたもので、外壁7は上部を開口し底面形状を2本の赤外線にて加熱するランプヒータ4を中心に放物線形状とするとともに赤外線に対して反射率の高いアルミ材料とし内部壁面にケイ酸ナトリウム25をコーテイングしている。さらに、コンロ部3は耐熱ガラス2の直下にてスプリングバネA6により当接するとともに中央部の底面を局所的に上げ底部26にし、この上げ底部26に開口部27を備えている。温度センサ5は上げ底部26の開口部27に臨ませるとともにスプリングバネB28にて耐熱ガラス2に当接するように附勢されている。また、上面ケース20の側面に加熱開始キー16と加熱停止キー17等からなる操作部15とを備えている。29はマイコンである。なお、本実施例では、耐熱ガラス2の直径はコンロ部3の直径より大きくしている。
【0026】
上記図1から図3の構成において動作を説明する。加熱調理器は加熱開始ボタン16を押し通電を開始すると、コンロ部3内部の複数本のランプヒータ4が発熱し直上部の耐熱ガラス2を加熱するとともに赤外線を透過し鍋などの被加熱物1を伝導と輻射により加熱する。このとき、耐熱ガラス2の温度は被加熱物1の底の形状および材質により異なるものの350℃〜450℃となる。加熱終了は加熱停止ボタン17を押すことによりコンロ部3内部の複数本のランプヒータ4がOFFするものの、温度センサ5の動作機能はONのままである。
【0027】
上記構成において、温度センサ5は次の2つの機能を有している。(1)耐熱ガラス2の温度を検出し被加熱物1内の温度を制御するもの(2)耐熱ガラス2の温度を検出し耐熱ガラスが所定の温度以上のときはブザー30による音およびランプ31にて報知し、以下になればいずれの報知も停止する制御をするものである。なお、コンロ部3の上げ底部26と耐熱ガラス2の間にランプヒータ4よりの熱を温度センサ5に適正に加わるように熱抑制体32を備えている。
【0028】
そして、本発明のものは、3つ目の機能を付加するものである。つまり、図5の(a)に示すように加熱後に操作部15の加熱停止ボタン17を押し且つ被加熱物1を載置したままのときの温度センサ5の温度立ち下り勾配を計測した結果を予めマイコン29に入力しておく。次に、図5の(b)に示すように被加熱物1を取り去ったときに温度センサ5にて温度立ち下り勾配を検出する。このとき、予めマイコン29に入力していたものと同一ならば耐熱ガラス2の上に被加熱物1があると判断し音による警告はしない。一方、予めマイコン29に入力していたものと違うならば耐熱ガラス2の上より被加熱物1を取り去ったものと判断し音にて警告するものである。
【0029】
さらに、加熱直後は被加熱物1を載置したままと取り去った場合にて温度立ち下り勾配にあまり差がないために、加熱後に操作部15の加熱停止ボタン17を押すとそのときより1分から1分30秒の間は音による警告をする。その後は上記の制御をするものである。これは、モニターテストなどの結果より、鍋物、焼き肉などの加熱後直ぐに被加熱物を取り去るケースが少なく、一息ついてからというデータに基ずくもので使い勝手としては普通である。
【0030】
つまり、加熱後に操作部15の加熱停止ボタン17を押し且つ被加熱物1を取り去ったとき所定温度以上であれば音にて警告することを発光、受光素子などによる検出ではなく温度計測手段としての温度センサ5にて実現したものである。
【0031】
そして、警告音30が発せられたままにて報知しておいた場合は耐熱ガラス5の温度が50℃前後に低下したことを温度センサ5が検知すると、制御回路のブザー30がOFFし警告を終了することになる。この温度は短時間手を触れても火傷に至らず熱いと感じるレベルである。
【0032】
また、ランプ31はブザー30と同一制御である。
以上のように、本実施例1によれば、(1)温度計測手段としての温度センサは耐熱ガラスの温度所定温度以上と以下を検出するとともに被加熱物有無判定手段を兼ねたものであり構成が極めて簡単である。(2)ひとつの温度センサにて3つの機能を有するものであり低コストにて実現できる。(3)加熱後に加熱停止動作をし被加熱物を取り去ると耐熱ガラスが高温であることを音にて警告する構成なので、注意が喚起できるとともに、加熱調理器から離れたとしても聞こえるためうっかり防止となる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加熱調理器によれば、次の効果が得られる。
【0034】
(1)加熱後に操作部の加熱停止動作をし且つ被加熱物を取り去った場合であって、耐熱ガラスが所定の温度を越えるときは音にて警告するようにした構成であり、使い勝手を良くし且つ加熱調理器を離れたときのうっかり防止ができる。さらに、分別のつかない幼児が加熱調理器に近づいたときも分別のある人(例えば、親など)が注意することができる。
【0035】
(2)温度計測手段の温度立ち下がり勾配を予め制御手段に入力しておき、前記被加熱物を取り去ったときに前記温度計測手段にて温度立ち下がり勾配を検出し被加熱物の有無を判別するものであり、簡単な構成にて実現でき、三つの機能を兼ね備えたものであり価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における加熱調理器の外観図
【図2】同加熱調理器の断面図
【図3】同加熱調理器のコンロ部の外観図
【図4】同加熱調理器の制御回路ブロック図
【図5】本発明の実施例1における加熱調理器の温度センサの特性図
【図6】従来の加熱調理器の外観図
【図7】同加熱調理器の断面図
【図8】他の従来の加熱調理器の断面図
【符号の説明】
1 被加熱物
2 耐熱ガラス
3 コンロ部(加熱手段)
5 温度センサ(温度計測手段)
29 マイコン(制御手段)
30 ブザー(警告音発生手段)
31 ランプ
Claims (1)
- 被加熱物を載置する耐熱ガラスと、前記耐熱ガラスの下部に備えられ前記耐熱ガラスを介して前記被加熱物を加熱する加熱手段と、前記耐熱ガラスの温度を計測する温度計測手段と、前記被加熱物の有無を判定する被加熱物有無判定手段と、制御手段とを有するもので、前記制御手段は加熱後に操作部の加熱停止動作をし且つ前記被加熱物を取り去った場合であって、前記耐熱ガラスが所定の温度を越えるときは警告音発生手段およびランプにて報知する構成の加熱調理器において、前記温度計測手段は、前記耐熱ガラスの温度に基づき、前記被加熱物内の温度制御、および前記警告音発生手段と前記ランプでの報知を制御するものであり、且つ、前記被加熱物を取り去ったときの温度立ち下がり勾配を検出し、予め前記制御手段に入力した被加熱物を取り去った場合の温度立下り勾配との差異を演算することにより前記被加熱物を取り去ったか否かの被加熱物の有無を判定する被加熱物有無判定手段を兼ねる加熱調理器。
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