JP3792715B2 - オレフィンのカルボニル化 - Google Patents
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Description
カルボン酸及びそれらの無水物及びエステルは化学工業において種々の用途を有している。例えば、プロピオン酸及びその塩の或るものは、動物の餌料及び食料産業において防腐剤として使用されている。プロピオン酸及び酪酸の無水物は、プラスチック産業において数多くの用途を有するセルロースエステルの製造に使用されている。
酢酸、無水酢酸及び酢酸メチルのようなアセチル化合物は、所望の生成物に従って、水の存在下又は不存在下にメタノール及び/又は酢酸メチルのカルボニル化によって非常に効率的なプロセスで製造されている。炭素数8以上の脂肪族カルボン酸は天然の油脂のような天然物から容易に得られる。炭素数3〜9の脂肪族カルボン酸の効率的な直接製造プロセスに対するニーズが存在する。現在、これらのC3〜C9カルボン酸の多量部分は二つの方法のいずれかによって商業的に製造されている。第一の方法は、反応式(1)及び(2)に示すように、オレフィンの逐次的ヒドロホルミル化及び酸化から成る。
第二の商業的プロセスはブタン又は不飽和天然酸の酸化を含む。かかるカルボン酸の任意の誘導体は追加の化学プロセス工程を必要とする。例えば、プロピオン酸エステルは、種々の当業界で公知の触媒を用いて、プロピオン酸をアルコールでエステル化することによって製造でき、プロピオン酸無水物はプロピオン酸の無水酢酸との交換反応によって製造することができる。
下記反応式(3)に記載するヒドロカルボニル化(ヒドロカルボキシル化ともいう)はカルボン酸の直接(1工程)製造プロセスを示す。更に重要なことは、この反応は低級カルボン酸のエステル及び無水物のような誘導体の直接的製造における利点を提供する。式(4)及び(5)に例示するように、これらのプロセスはオレフィン及び一酸化炭素を用いる単一工程で前記カルボン酸誘導体を直接生成せしめ、多数プロセス工程の必要性を省く可能性を有する。
式(3)、(4)及び(5)に含まれる化学反応は、Pino, et al., Organic Syntheses via Metal Carbonyls, Eds. I. Wender及びP. Pino, 2巻、John Wiley & Sons, Inc., New York, NY., 233〜296頁(1977);Mullen, “New Syntheses With Carbon Monoxide”, Ed. J. Falbe, Springer-Verlag, Berlin, Germany, 275〜286頁(1980);Colquhoun, et al., “Carbonylation-Direct Synthesis of Carbonyl Compounds”, Plenum Press New York, NY., 102〜106頁、119〜130頁(1991);並びにForster, et al., Catalysis Rev.-Sci. Eng.,23, 89(1981)に記載されている。しかしながら、この化学反応は、唯一の製品として、プロピオン酸製造用の単一の高圧、高温ヒドロカルボニル化ユニットに商業的には使用されているに過ぎない。Samel, et al., “Propionic Acid nad Derivatives”, in Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th edit., A22巻、VCH Publishers, New York, NY, 223頁(1993)参照。このプロピオン酸プロセスは高度に毒性の(かつ非常に揮発性の)Ni(CO)4触媒及び特別の高圧機器を必要とする高圧(>186バール、2700psi)を用いる。更に、高温(>270℃)は過度の腐蝕を来し、従って高価な銀ライニング反応器の使用が必要となる。操作条件は、Bertleff, “Carbonylation”, in Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th edit., A5巻、VCH Publishers, New York, NY, 223頁(1986)に更に明瞭に定義されている。
式(3)、(4)及び(5)の化学反応において、穏和な圧力及び温度を用いるプロセスは、前述の文献Pino, et al., Mullen, Colquhoun, et al.,及びForster, et al.,米国特許第3,579,551号、同第3,579,552号、同第3,816,488号、同第3,816,489号、同第3,818,060号、同第3,821,265号及び同第3,852,346号並びにBittler, et al., Ang. Chem., Int. Ed. 7, 329(1968)及びTsuji, Organic Synthesis With Palladium Compounds, Springer-Verlag, Berlin, Germany, 81〜84頁(1980)に記載されている。これらのプロセスはロジウム、イリジウム又はパラジウム触媒のような高価な触媒を必要とし、いずれも商業的には使用されていない。ロジウム、イリジウム又はパラジウム系触媒の、特に生成物の分離中における、沈澱しやすいという性質はよく知られており、生成物の分離中のこれらの触媒の安定化についての技術の開発を促している。コバルト−ヨージド、又はニッケル−ヨージド触媒系を用いる穏和な圧力のプロセスは米国特許第3,944,604号、同第3,989,751号、同第3,946,055同及び同第3,980,683号に記載されている。
ロジウム−ヨージド−VIA族金属及びイリジウム−ヨージド−VIA族金属触媒系の存在下のオレフィンのカルボニル化は米国特許第3,821,265号に記載されている。クロム又はモリブデンは、このプロセスにおいて、蒸留の間のロジウム又はイリジウム触媒コンプレックスを安定化させるために含まれる。
カルボン酸、エステル及び無水物を、(1)ニッケル化合物、(2)第6族金属、即ち、クロム、モリブデン又はタングステン、(3)三価ホスフィン、三価アミン又はアルカリ金属及び(4)ハロゲン化物、例えば、沃素化合物から成る触媒系の存在下に、オレフィンをカルボニル化によって製造することは、米国特許第4,372,889号、同第4,407,726号、同第4,625,055号、同第4,537,871号、同第4,335,058号、同第4,483,803号、同第4,354,036号、同第4,540,811号に記載されている。系中で生成するおそれのあるNi(CO)4の毒性が依然として問題及び欠点を提起する。
本発明の発明者らは、第6族金属を唯一の金属成分として用いてオレフィンをカルボニル化する特許又は他の文献の存在を知らない。しかしながら、第6族金属は他の基質でのカルボニル化を誘発し、ギ酸エステル誘導体のオレフィンへの添加によってエステル及び酸の生成を誘発するのに使用されている。例えば、Imbeaux, et al., J. Chem. Soc., Chem. Comm., 1678〜1979(1992)は、化学量論量のMo(CO)6を用いて、沃化アルキル及び二沃化アルキルの、それぞれ、エステル及びラクトンへの転化を誘発するのに弗化物イオンを用いることを開示している。米国特許第3,790,607号は第6族金属のカルボニル化合物を含む一連の金属カルボニルを用いる、フルオロカーボンヨージドのエステルへの高圧カルボニル化プロセスを開示している。両方の場合の基質はヨージドでオレフィンではなく、化学量論量で使用するか、又は限定された触媒作用を例示している。
米国特許第4,558,153号は、第6族金属、ハロゲン化合物及び任意的な含リン促進剤を含む触媒を用いてギ酸エステルをオレフィンに添加することを記載している。この特許に記載のプロセスにおけるカルボニル単位源は別の製造操作で形成しなければならないギ酸又はギ酸エステルである。米国特許第4,558,153号は一酸化炭素をオレフィンに添加してカルボニル単位を生成せしめることは全く予期させていない。実際に、この特許のほとんどの実施例において一酸化炭素は使用されていない。
最後に、第6族金属酸化物、特に酸化タングステン(W2O5)をアルコールのカルボニル化用不均質触媒として使用することは米国特許第1,998,218号、同第1,998,219号及び同第1,998,220号に開示されている。しかしながら、この第6族金属酸化物の機能は強酸として作用することで反応は、非常に高圧及び高温、即ち、約193バール(2800psi)及び375℃で実施される。
本発明は脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸アルキル及びアリールエステル並びに脂肪族カルボン酸無水物から選ばれた脂肪族カルボニル化合物を製造する方法を提供する。本発明の方法は、一酸化炭素と、オレフィン並びに
(1)クロム、モリブデン及びタングステンから選ばれた少なくとも一種の第6族金属から選ばれた第一成分並びに
(2)(i)塩素、臭素又は沃素の化合物から選ばれたハロゲン化物
(ii)アルカリ金属化合物、
(iii)第15族元素の第四級有機化合物の塩、
(iv)第15族元素のトリ置換有機化合物及び
(v)トリ置換ホスフィン化合物の酸化物
の少なくとも一種の化合物から選ばれた第二成分
を含んでなる触媒系の混合物とを、(1)第8族、第9族及び第10族金属、即ち、Fe, Ru, Os, Co, Rh, Ir, Ni, Pd及びPt並びに(2)ギ酸及びギ酸エステルの不存在下に、カルボニル化温度及び圧力条件下に、接触させることを含んでなる。本発明によってもたらされる長所及び利点は、(1)ロジウムやイリジウムのような高価な貴金属の使用が除外され、(2)ニッケルの本質的な不存在によって、Ni(CO)4の有害性の潜在的な問題が除かれると同時に高反応速度が得られる、そして(3)生成物分離及び触媒リサイクルにおける問題が余り生じないことが期待されることである。本発明の別の利点はギ酸もギ酸エステルも本発明プロセスの操作には必要でないことである。本発明プロセスをギ酸又はギ酸エステルの実質的な不存在下に実施するという要件は、本発明プロセスから得られるカルボニル化合物のカルボニル単位のすべて、又は実質的にすべて、例えば少なくとも95モル%が、ギ酸ではなく、一酸化炭素から得られることである。
本発明によって提供される触媒系の第一のそして本質的な成分は任意の第6族金属(IUPAC分類)、即ち、クロム、モリブデン、タングステン又はその混合物とすることができる。しかしながら、モリブデンが最も活性な元素であり、従って好ましい。第6族金属は原則として任意の種々の第6族金属含有化合物として添加することができる。しかしながら、最も活性な金属、モリブデンは一般に種々の酸化物形で又はそのヘキサカルボニル誘導体として利用することがてき、後者が好ましい。
第6族金属の触媒有効量は広範囲で変動することができるが、その液体反応媒体中における金属濃度は典型的には0.0001〜1モル濃度、好ましくは0.005〜0.5モル濃度が好ましい。好ましいモリブデン系に対しては、これらのモル濃度範囲はMo 10〜96000ppm及び50〜48000ppmの重量濃度に相当する。
塩化物、臭化物又は沃化物成分は、如何なる任意の形、例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化水素、上記定義の触媒成分(2)(ii)及び(2)(iii)のハロゲン化物塩のような塩又はこれらの任意の組み合せで添加することができる。好ましいハロゲン化物成分は沃化物(ヨージド)である。ハロゲン化物成分が存在する場合には、第6族金属:X(但し、XはCl, Br又はI)の原子比は1:1〜1:1000、好ましくは1:1〜1:100である。
成分(2)(ii)のアルカリ金属化合物の例は、リチウム、カリウム、ルビジウム及び/又はセシウムのハロゲン化物、特に沃化物、及びアルキルカーボネートである。第15族元素(IUPAC分類)、即ち、窒素、リン及びヒ素の第四級有機化合物の塩並びに第15族元素のトリ置換有機化合物の例は以下の一般式の化合物である。
(式中、R2,R3,R4及びR5は炭素数20以下のヒドロカルビル基であり、QはN,P又はAsであり、Xはアニオンである。)その利用性の故に、窒素又はリンを含む化合物が一般に好ましい。ヒドロカルビル基の例は、ベンジルのようなアリール置換アルキルを含む炭素数20以下のアルキル、5〜7員炭素環のシクロアルキル、並びにフェニル及びトリルのような置換フェニルのようなアリールである。アニオンXの例はハロゲンがある。第15族元素の第四級有機化合物及び第15族元素のトリ置換有機化合物は、ピリジン、キノリン、イミダゾール、N−メチルピリジニウムハライド、N,N′−ジメチルイミダゾリウムハライドなどのような複素環窒素含有化合物又は1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンのようなビスホスフィン化合物とすることもできる。
トリ置換ホスフィン酸化物の例は、下記式の化合物である。
(式中、R2,R3及びR4は前に定義した通りである。)その低揮発性及び易利用可能性に基づき、特にトリオクチルホスフィン酸化物が好ましい。NMR分析の結果は、最も活性な系に式(II)のトリ置換ホスフィンの使用によってホスフィンがその場で第四級ホスホニウム又はホスフィンオキシド化合物に転化される。
成分(2)(i)、(2)(ii)、(2)(iii)、(2)(iv)及び(2)(v)は独立に又は組み合せて使用することができる。使用することができる成分(2)(ii)、(2)(iii)、(2)(iv)及び(2)(v)の合計量は、第VIA金属1gr原子当り1〜200、好ましくは1〜30gr原子(成分(2)(ii)の場合)又はモル(成分(2)(iii)、(2)(iv)及び(2)(v)の場合)である。
第二触媒成分の最適の組み合せはオレフィン反応体の性質、製造される生成物及び得られる設計的考察に大幅に依存する。しかしながら、好ましい触媒系は、(A)第6族金属、特にモリブデン、(B)少なくとも一つの沃化化合物及び(C)アルカリ金属塩、第四級ホスホニウム化合物塩、トリ置換ホスフィン又はトリ置換ホスフィン酸化物から選ばれた少なくとも一つの成分を含む。沃素化合物(B)は成分(C)を構成する任意の化合物の沃化物塩として提供することができる。しかしながら、沃素化合物(B)は更に典型的には沃化水素及び/又は沃化アルキル、例えば、炭素数8以下の沃化アルキルとして提供することができる。沃化アルキルを本発明プロセスに使用した場合は好ましくはオレフィン反応体に対応するもの、即ち、オレフィン反応体がエチレンの場合には沃化エチルが好ましい。即ち、プロピオン酸及び/又はプロピオン酸無水物を製造するエチレンのカルボニル化において、モリブデンヘキサカルボニルとしてのモリブデン、沃化エチルとしての沃素、沃化リチウムとしてのリチウム及びトリオクチルホスフィンオキシドから実質的になる触媒系が良好ないしは優れた活性及び安定性を有することを見出した。
最小操作可能圧力は、使用するオレフィンの性質(オレフィンの鎖長に依存した蒸気圧を生ずる)、温度、使用する特定の触媒系及び種々の触媒成分の濃度のような複数の因子に依存する。一般的には、本発明プロセスは8〜346バール(絶対圧)(約116〜5020psia)の全圧、好ましくは18〜104バール(絶対圧)(約261〜1509psia)の全圧で操作することができる。エチレンのカルボニル化に対しては、28.6〜83バールの全圧が特に好ましい。
本発明のカルボニル化プロセスは、一般的には75〜350℃の温度範囲、好ましくは150〜250℃、更に好ましくは150〜200℃の温度範囲で実施することができる。一酸化炭素は、商業的に入手することができる実質的に純粋な形で使用することができるが、二酸化炭素、窒素、メタンのような不活性希釈剤や貴ガス(希ガス)も所望なら共存していてもよい。不活性希釈剤の存在はカルボニル化反応には影響を及ばさないが、所望のCO分圧を維持するために、全圧の増加を必要とする。例えば、商業的な形態での反応体に存在するような少量の水の存在は全く受け入れ可能である。カルボニル化プロセスに供給するガスは好ましくは50容積%以下の水素を含む一酸化炭素である。水素の存在はカルボニル化反応速度に好影響を与えることを見出した。
オレフィンは、エチレン系不飽和化合物の多くのリストの中から、例えば、炭素数2〜20のオレフィンから、選ぶことができるが、オレフィンの選定には固有的な限界がある。例えば、ここに記載の触媒系を用いた高級オレフィンのヒドロキシカルボニル化は炭素鎖に沿った炭素の任意の一つにカルボキシル又はカルボキシレート基を導入する。例えば、1−ペンテンのヒドロキシカルボニル化によってヘキサン酸、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸の混合物が得られる。炭素数5以上のオレフィンの生成物分布を制御する手段は未だ見出されていない。従って、高級酸(C6又はそれ以上)の生成のための本発明のカルボニル化プロセスの利用は混合物が許容し得るか又は好ましい場合の系に限られる。本反応には内部オレフィンも有用であるが、再び混合物の生成物が得られることになる。このように、好ましいオレフィン反応体はC2〜C4α−オレフィン、即ち、エチレン、プロピレン及びブテン(高々、容易に分離できる少なくとも2種のみの可能な生成物が存在する場合)から成る。
本発明プロセスは、バッチ式、半連続式又は連続式で運転することができる。ヒドロキシカルボニル化反応は、非常に効率的な物質移動用として設計された製造系を用いることによって、特に軽質(C2〜C4)オレフィンを用いる場合に、劇的に高めることができる。
本プロセスは、有機溶媒又は希釈剤、例えば、カルボン酸及びそのエステル、炭化水素(例えば、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン及びテトラリン)又はクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素(例えばトリクロロベンゼン)、カルボン酸又はそのエステル(例えばセロソルブアセテート)などの存在下に実施される。或る場合には、一つの物質が溶媒及び反応体の両者として作用することができる。例えば、脂肪族カルボン酸無水物は実質的に無水の条件下でカルボン酸の存在下にオレフィンをカルボニル化することによって製造することができる。本発明プロセスのこの態様において、カルボン酸はプロセス溶媒及び反応体の両者として働く。溶媒混合物、例えば、プロピオン酸エチル及びプロピオン酸の混合物も使用することがきる。カルボン酸は、使用する場合には、製造しようとする酸又は酸無水物の酸部分に対応するのが好ましい。これは好ましい溶媒は系に合致したもの、例えば、エチレンのカルボニル化の場合にはプロピオン酸及び/又はプロピオン酸エチルが好ましい。反応体又はそれ自身生成物でない場合には、溶媒又は希釈剤は反応混合物中の所望の生成物から十分異なった沸点を有するものが、当業者に自明の如く、分離しやすいので好ましい。
本発明の反応は最少量の腐蝕性金属の存在下に実施する必要がある。添付の実施例に示すように、典型的な腐蝕性金属、特にニッケル及び鉄はカルボニル化反応速度を抑制又は妨害するので、前述の如く、本発明のカルボニル化プロセスは、一般的には第8族、第9族及び第10族の金属、特にニッケル及び鉄の、実質的不存在下に、例えば、300ppm未満の存在量の下に、実施する。ニッケルによって起される前記抑制又は妨害は、本発明のカルボニル化プロセスを、米国特許第4,372,889号、同第4,407,726号、同第4,625,055号、同第4,537,871号、同第4,335,058号、同第4,483,803号、同第4,354,036号、同第4,540,811号(これらに開示の触媒系の第一成分はニッケルである)に記載のプロセスから分化させる。
本発明のプロセスの第一の用途は、適当なオレフィンのカルボニル化による炭素数3〜9のカルボン酸、好ましくは炭素数3〜5のカルボン酸、更に好ましくはプロピオン酸の製造、及びそれらのカルボン酸の無水物の製造にある。カルボン酸の製造において、オレフィン、不活性な有機溶媒及び前述の触媒系を含むカルボニル化混合物には水が含まれる。典型的にはカルボニル化ゾーンに供給される水の量はオレフィン1モル当り少なくとも1モル、好ましくはオレフィン1モル当り1〜3モルの水である。カルボン酸無水物の製造は、当業界でよく知られているように、実質的に無水の条件で実施される。カルボン酸及びその無水物の混合物は、限定少量の水の存在下に本発明プロセスを実施することによって製造することができる。本発明のカルボニル化プロセスを以下の実施例によって更に説明する。
ベンテンのカルボニル化実験に対しては、分析は、ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)5890GC(75M(0.53mm内径、2.5μ膜)Quadrex 007 CMPSキャピラリーカラムを使用、内部標準はノナン)を用いたガスクロマトグラフィー(GC)によって実施した。サンプルの導入はスプリットインジェクションを用い、サンプル検知はTCD検知器で実施した。
エチレンのカルボニル化実験に対しては、分析はヒューレットパッカード5890GC(25M(0.25mm内径、0.25μ膜)Quadrex 007 FFAPキャピラリーカラムを用い、内部標準はp−キシレン)を用いたガスクロマトグラフィーによって実施した。サンプルの導入はスプリットインジェクションを用い、サンプル検出はTCD検知器で実施した。以下の圧力はバール(絶対圧)で示した全圧である。
実施例1
47%沃化水素水溶液(HI 0.0187モル)5.1g、水8gの溶液を溶媒としてプロピオン酸で、115gに希釈した。HI溶液を含めて存在する水の全量は0.6モルであった。この溶液を、モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)6)1.45g(0.0055モル、5.5mmol)及びトリフェニルホスフィン(Ph3P)6.55g(0.025モル、25mmol)を含む300mL機械撹拌式耐蝕性オートクレーブに添加した。このオートクレーブを次にシールし、そして窒素で完全に洗滌した。
次に、1−ペンテン(35g、0.5モル)を高圧液体添加ロートを通してオートクレーブに添加した。次にこの系を水素で2.7バール(39psia)に加圧し、次いで一酸化炭素で7.9バール(115psia)に加圧した。この混合物を175℃に加熱し、それによって圧力は典型的には21.7〜25.1バール(315〜350psi)に達し、更に一酸化炭素で圧力を35.5バール(515psi)に調節した。反応は175℃及び35.5バールに5時間保ち、圧力を保持するのに必要な一酸化炭素を添加した。次にオートクレーブを冷却し、ベントし、そしてサンプルを取り出し、1−ペンテン、トランス−2−ペンテン、シス−2−ペンテン、ヘキサン酸、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸に対して分析した。2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸は完全には分離できず、共に分枝C6酸として一緒に報告した。分析結果は表Iに示す。表Iに示した各成分の値は反応混合物中に存在する成分の重量%である。
実施例2
プロピオン酸104.3g中の水10.7g(0.6モル)の溶液を、モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)6)2.90g(0.011モル、11mmol)及び酢酸リチウム・二水和物(LiOAc・2H2O)1.02g(0.01モル)を含む300mL機械撹拌式耐蝕性オートクレーブに添加した。このオートクレーブを次にシールし、そして窒素で完全に洗滌した。
次に、1−ペンテン(35g、0.5モル)を高圧液体添加ロートを通してオートクレーブに添加した。次にこの系を水素で2.7バール(29psia)に加圧し、次いで一酸化炭素で7.9バール(115psia)に加圧した。この混合物を200℃に加熱し、更に一酸化炭素で圧力を35.5バール(515psia)に調節した。反応は200℃及び35.5バールに5時間保ち、圧力を保持するのに必要な一酸化炭素を添加した。次にオートクレーブを冷却し、ベントし、そしてサンプルを取り出し、1−ペンテン、トランス−2−ペンテン、シス−2−ペンテン、ヘキサン酸、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸に対して分析した。2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸は完全には分離できず、実施例1のように、共に分枝C6酸として一緒に報告した。分析結果は表Iに示す。この例は、触媒の助促進剤を正しく選定することにより、ハロゲン化物は任意的となるが、もっと触媒を使用し、より高い温度を使用した場合でも劣ったプロセスになることを示す。
実施例3
トリフェニルホスフィンを除いた以外は実施例1の手順を繰り返した。得られた分析データは表Iに示す。本例は第6族金属及び沃素化合物が触媒作用に十分であるが、追加の助促進剤を含む系に比較すると劣ることを示す。
比較例1
Mo(CO)6を除いた以外は実施例1を繰り返した。表Iに示した分析データから極く少量の異性化C6カルボン酸が検出できた。この例は第6族金属が必要なことを示す。
実施例4
トリフェニルホスフィンに代えてトリフェニルホスフィンオキシド(Ph3PO)6.95g(25mmol)を用いた以外は実施例1の手順を繰り返した。得られた分析データは表Iに示す。この例は第15族元素の酸化物の有用性を示す。
実施例5
Mo(CO)6の代わりにタングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)1.94g(0.0055mol)を用いた以外は実施例1の手順を繰り返した。得られた分析結果は表Iに示す。
実施例6
47%沃化水素水溶液(HI 0.0394モル)10.2g、水6.93gの溶液を溶媒としてプロピオン酸で115gに希釈した。HI溶液を含めて存在する水の全量は0.6モルであった。この溶液を、タングステンヘキサカルボニル(W(CO)6)3.87g(0.011モル、11mmol)及びトリフェニルホスフィンオキシド13.9g(0.05モル)を含む300mL機械撹拌式耐蝕性オートクレーブに添加した。このオートクレーブを次にシールし、そして窒素で完全に洗滌した。
次に、1−ペンテン(35g、0.5モル)を高圧液体添加ロートを通してオートクレーブに添加した。次にこの系を水素で2.7バール(29psia)に加圧し、次いで一酸化炭素で7.9バール(115psia)に加圧した。この混合物を200℃に加熱し、次に一酸化炭素で圧力を52.7バール(765psia)に調節した。オートクレーブは200℃及び52.7バールに5時間保ち、圧力を保持するのに必要な一酸化炭素を添加した。次にオートクレーブを冷却し、ベントし、そしてサンプルを取り出し、1−ペンテン、トランス−2−ペンテン、シス−2−ペンテン、ヘキサン酸、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸に対して分析した。実施例1におけるように、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸は共に分枝C6酸として一緒に報告した。分析結果は表Iに示す。
実施例7
Mo(CO)6の代りにクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)1.21g(0.0055mol)を用いた以外は実施例1に述べた手順を繰り返した。分析結果を表Iに示す。この例は触媒系の第VIA族金属成分としてクロムを用いた例を示す。
実施例8
W(CO)6の代りにクロムヘキサカルボニル(Cr(CO)6)2.42g(0.011mol)を用い、HIをLiI2.50g(0.037mol)で置き換えた以外は実施例6の手順を繰り返した。分析結果は表Iに示す。この例は第一触媒成分としてクロムの使用を、そして他の沃素源(LiI)の使用を示す働きをする。
実施例9
HIの代りにHCl(濃塩酸として添加)19mmolを用いた以外は実施例1の手順を繰り返した。分析結果を表Iに示し、塩素は、沃素には劣るが、触媒のハロゲン化物成分として有用であることを指摘している。
実施例10
既に存在するPh3Pに加えてPh3PO 6.95g(0.025mol)を添加した以外は実施例9の手順を繰り返した。分析結果は表Iに示し、更に塩化物は、劣るが、運転可能なハライド成分であることを示している。
実施例11
HIの代りに臭化水素(HBr、濃縮HBr水溶液として19mmol)を用いた以外は実施例4の手順を繰り返した。この例で得られた分析データは表Iに示し、臭化物は、劣るが、触媒系のハロゲン化物成分として有用であることを示している。
実施例12
HI成分の代りにLiI 2.50g(19mmol)を用いた以外は実施例4の手順を繰り返した。この例で得られた分析データは表Iに示し、LiIのハロゲン化物の成分源及び助促進剤としてのLiIの使用を確立した。
実施例13
沃化水素水溶液を分子状沃素2.37g(I2として9.4mmol)及び水1.43gで置き換えた以外は実施例1に記載の手順を繰り返した。分析結果は表Iに示し、この例は異なった沃素源を用いる例示である。
実施例14
沃化水素水溶液の量を47%、Hi水溶液1.5g(HI 0.0055mol)に低下させた以外は実施例1に記載の手順を繰り返した。分析結果は表Iに示す。この手順及び触媒系はn−異性体(n−ヘキサン酸)のより高い量を与えた。
実施例15
52.7バール(756psia)の圧力を5時間の反応期間にわたって用いた以外は実施例1の手順を繰り返した。分析結果は表Iに示す。
実施例16
69.9バール(1015psi)の圧力を5時間の反応期間にわたって用いた以外は実施例1の手順を繰り返した。分析結果は表Iに示す。
実施例17
反応を52.7バール(765psia)及び200℃で行なった以外は実施例12に記載の手順を繰り返した。本実験で得られた分析結果を表Iに示す。高温及び高圧の使用によって生成するカルボン酸の合計量が増加する。
実施例18
47%沃化水素水溶液10.2g(HI 0.0394モル)、水6.93gの溶液を溶媒としてプロピオン酸で150gに希釈した。HI水溶液を含めて存在する水の全量は0.6モルであった。この溶液を、モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO)6)2.90g(0.011モル、11mmol)及びトリオクチルホスフィン酸化物19.3g(0.05モル)を含む300mL機械撹拌式耐蝕性オートクレーブに添加した。このオートクレーブを次にシールし、そして窒素で完全に洗滌した。
次に、1−ペンテン(35g、0.5モル)を高圧液体添加ロートを通してオートクレーブに添加した。次にこの系を水素で2.7バール(29psia)に加圧し、次いで一酸化炭素で7.9バール(115psia)に加圧した。この混合物を200℃に加熱し、更に一酸化炭素で圧力を52.7バール(765psia)に調節した。反応は200℃及び52.7バールに5時間保ち、圧力を保持するのに必要な一酸化炭素を添加した。次にオートクレーブを冷却し、ベントし、そしてサンプルを取り出し、1−ペンテン、トランス−2−ペンテン、シス−2−ペンテン、ヘキサン酸、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸に対して分析した。実施例1におけるように、2−メチル吉草酸及び2−エチル酪酸は共に分枝C6酸として一緒に報告した。分析結果は表Iに示す。
実施例19
トリフェニルホスフィン酸化物の代りに、トリオクチルホスフィン酸化物19.3g(0.05mol)を用いて実施例8を繰り返した。この実施例から得られた分析データを表Iに示す。
実施例20
1−ペンテンの代りに2−ペンテン35g(0.5モル)を、そしてW(CO)6をMo(CO)6 2.90g(0.011mol)に置き換えた以外は実施例6の手順を繰り返した。得られた分析結果は表Iに示す。この例は内部オレフィンも本プロセスに有用であることを例証する。本プロセスにおいて観察されたオレフィンの異性化は重要でないことも例証する。これは異性体も所望のカルボン酸を生成するからである。
実施例21
水72g(4.0mol)、沃化エチレン(EtI)54.6g及び酢酸178g(2.97mol)の溶液を、Mo(CO)6 5.81g(0.022mol)及びテトラブチルホスホニウムヨージド(Bu4PI)38.6g(0.1mol)を含む1リットルの機械撹拌式耐蝕性オートクレーブに添加した。(酢酸は反応の溶媒及び内部標準として作用する。)
サンプリングのための浸漬管を備えたオートクレーブをシールし、窒素でリークテストをし、次に6.9バール(100psi)の、水素、一酸化炭素及び最後にエチレンでこの順に加圧した。
次にオートクレーブを180℃に加熱し、エチレン:一酸化炭素=1:1の混合物を用いて55.1バール(800psi)に圧力調節した。これらの条件を90分間保持した。反応の進行は反応の最初の1時間は8分毎に浸漬管より液体サンプルを取り出して分析することにより監視した。90分の反応経過後、反応物を冷却し、ベントした。得られた溶液を酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酢酸及びプロピオン酸に対して分析した。
得られたプロピオニル群のモル数(プロピオン酸とプロピオン酸エチルの合計量)は以下の式を用いてガスクロ(GC)データから求めることができる。
分析結果は表IIに示す。各成分に対して表IIに報告した値は、反応混合物中に存在する成分の重量%であるが、得られたプロピオニルの合計モル数(プロピオニルのモル数)は前述のようにして計算した値である。
実施例22〜30
実施例22においては、(i)40mmolのテトラブチルホスホニウムヨージドを用い、(ii)実施例23〜30においてはテトラブチルホスホニウムヨージドを下記の第二触媒成分(mmol)で置き換えた以外は、実施例22〜30に対し、実施例21に記載の手順を繰り返した。
実施例23 沃化ナトリウム(100)
実施例24 沃化リチウム(100)
実施例25 沃化カリウム(100)
実施例26 テトラブチルアンモニウムヨージド(100)
実施例27 テトラ−n−オクチルホスホニウムヨージド(40)
実施例28 沃化セシウム(100)
実施例29 トリフェニルホスフィン(100)
実施例30 トリフェニルホスフィンオキシド(100)
実施例22〜30から得られた分析結果及び各例で製造されたプロピオニルの合計モル数は表IIに示す。
実施例31
沃化エチルの代りに47%沃化水素水溶液95.3g(HIとして0.35モル)を用いた以外は実施例21の手順を繰り返した。分析結果は表IIに示す。
実施例32
反応速度の測定のために、耐蝕性合金から成る2リットルオートクレーブに高圧コンデンサー及び反応の途中でサンプルを取り出すための浸漬管を取り付けた。このオートクレーブに、Mo(CO)6 5.81g(0.022モル)、テトラブチルホスホニウムヨージド19.3g(0.050モル)、沃化エチル109.2g(0.700モル)及びプロピオン酸555g(7.5モル)を添加した。冷却したエチレングリコール/水混合物を用いてコンデンサー温度を5〜10℃に設定した。次にオートクレーブを窒素で68.9バール(1000psi)で圧力テストし、高圧コンデンサーを通して2mol/hrのガスパージした。反応中、このガスパージは反応混合物上のガス組成の制御を可能にし、かつ速度論的測定のために必要である。
窒素はベント放出し、オートクレーブを一酸化炭素中5%水素で24.1バール(350psi)に加圧し、次に180℃に加熱した。2mol/hrのガスパージは加熱中及びそれに続く反応中保持した。圧力を7%H2、48%CO及び45%エチレンからなるガス混合物を用いて55.1バール(800psi)にあげ、一方、2mol/hrのパージを用いたてガス混合物を維持した。液体サンプルを20分毎に5時間にわたって取り出し、そして沃化エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸無水物及びプロピオン酸に対して分析した。また、ガスサンプルを1時間毎に取り出し、GCで分析してガス混合物が一致していることを確認した。生成プロピオン酸無水物のモル濃度量(npan)はGCデータから以下の式を用いて求めた。
上記モル濃度量を時間に対してプロットし、そして反応は最初の100分間本質的に線状挙動を示した。従って、反応速度(生成プロピオン酸無水物のモル数/当初の反応溶液のkg/hrで表して)が反応の最初の100分間の過程での上記プロットの最適適合公配(best fit slope)を用いて容易に求めることができる。これは、軟化率(反応率)が35%を超えておらず、また当初速度の方法と一致しているから、当業界における一般的な慣行と一致している。この方法を用いてプロピオン酸無水物の生成速度を求めたところ、1.69モル/kg・hr(236g/kg・hr)であった。
実施例33
供給ガス中から水素を除いた以外は実施例32を繰り返した。プロピオン酸無水物の生成速度は1.24mol/kg・hr(174g/kg・hr)に減少し、供給ガス中に水素が含まれることの利点が例証された。
実施例34
ニッケルが本発明のヒドロカルボニル化プロセスの抑制剤(又は阻害剤)として作用することを例証するために、2.49g(0.010mole)の酢酸ニッケル・4水塩も添加した以外は実施例32を繰り返した。反応速度は0.88mol/kg・hr(123g/kg・hr)であった。
実施例35
鉄が本プロセスの抑制剤として作用することを例証するために、1.74g(0.010mole)の酢酸第一鉄も添加した以外は実施例32を繰り返した。反応速度は0.43mol/kg・hr(60g/kg・hr)であった。
実施例36
沃化エチルの量を31.2g(0.20mol)に減らした以外は実施例32を繰り返した。プロピオン酸無水物の製造速度は1.32mol/kg・hr(185g/kg・hr)で、本発明プロセスが実質的に低濃度の沃素で実施できることが例証された。
Claims (6)
- 脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸アルキルエステル及び脂肪族カルボン酸無水物から選ばれた脂肪族カルボニル化合物を製造するにあたり、一酸化炭素と、オレフィン並びに
(1)クロム、モリブデン及びタングステンから選ばれた少なくとも一種の第6族金属から選ばれた第一成分並びに
(2)(i)塩素、臭素又は沃素の化合物から選ばれたハロゲン化物
(ii)アルカリ金属化合物、
(iii)第15族元素の第四級有機化合物の塩、
(iv)第15族元素のトリ置換有機化合物及び
(v)トリ置換ホスフィン化合物の酸化物
の少なくとも一種の化合物から選ばれた第二成分を含んでなる触媒系の混合物とを、(1)第8族、第9族及び第10族金属並びに(2)ギ酸及びギ酸エステルの不存在下に、カルボニル化温度及び圧力条件下に、接触させることを含んでなる脂肪族カルボニル化合物の製造方法。 - オレフィンが2〜20個の炭素を含み、カルボニル化温度及び圧力条件が温度75〜350℃及び圧力8〜346バール(絶対)である請求の範囲第1項に記載の方法。
- 触媒系が(A)前記少なくとも一種の第6族金属、(B)少なくとも一つの沃素化合物及び(C)アルカリ金属塩、第四級ホスホニウム化合物塩、トリ置換ホスフィン又はトリ置換ホスフィン酸化物から選ばれた少なくとも一つの成分を含んでなり、そしてオレフィンが2〜8個の炭素を含む請求の範囲第2項に記載の方法。
- 混合物が更に有機溶媒を含み、触媒系が(A)前記少なくとも一種の第6族金属、(B)少なくとも一つの沃素化合物並びに(C)アルカリ金属塩、第四級ホスホニウム化合物の塩、トリ置換ホスフィン又はトリ置換ホスフィン酸化物及び炭素数2〜8のオレフィンから選ばれた少なくとも一つの成分を含んでなり、そしてプロセスを圧力18〜104バール(絶対)及び温度150〜250℃で実施する請求の範囲第1項に記載の方法。
- 溶媒が脂肪族カルボン酸であり、触媒系が(A)モリブデン、(B)沃化水素、沃化アルキルもしくはその混合物及び(C)アルカリ金属の沃化物塩、第四級ホスホニウム化合物の沃化物塩、トリ置換ホスフィン又はトリ置換ホスフィン酸化物を含んでなり、そしてオレフィンが2〜4個の炭素を含む請求の範囲第4項に記載の方法。
- カルボニルがプロピオン酸であり、混合物がエチレン及び水を含み、そして触媒系が(A)モリブデン、(B)沃化水素、アルキル沃素もしくはその混合物であり及び(C)アルカリ金属の沃化物塩、第四級ホスホニウム化合物の沃化物塩、トリ置換ホスフィン又はトリ置換ホスフィン酸化物を含んでなり、プロセスを圧力18〜104バール(絶対)及び温度150〜250℃で実施する請求の範囲第1項に記載の方法。
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