JP3792139B2 - 人工ゼオライトの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は人工ゼオライトの製造方法に関し、とりわけ石炭灰を利用した人工ゼオライトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライトは、約250年前にアイスランドで発見された鉱物であり、その結晶が加熱によって溶解すると沸騰するかのように見えることから、ギリシャ語で沸騰するという意味の「ZEO」と石という意味の「LITE」を結び付け、ZEORITE(ゼオライト)という名称がつけられた。わが国では、天然産のゼオライトはフッ石とも呼ばれている。
【0003】
ゼオライトは、結晶中に空洞を多くもつ多孔質の物質である。第一の基本単位は、SiO4四面体とSiがAlで置換されたAlO4四面体であり、さらに2つのTO4四面体の間に共有される全てのOも第一の基本構造に含まれる。第2の基本単位は、四面体が連結して形成される4、6、8または12員環と、これらがそれぞれ2つづつ重なった2重環である。特殊な例としてモルデナイトの5員環もある。第3の単位は、大きな対称的多面体で、角落とし八面体(TO−ソーダライト単位)、十一面体(TO−カンクリナイト−カンクリン石単位)、十四面体(グメリナイト−グメリンフッ石単位)がある。第2の基本単位の連結形式によって形成されるゼオライトの構造と空洞は多様であり、ゼオライトAにみられる八面体から、ホージャサイトにみられる26面体まで、様々な多面体が形成される。ゼオライトは、アルミノケイ酸塩の3次元骨組み構造をもつ総合アニオンの大きな空洞に水分子と交換性のカチオンを含んだものであり、骨格の硅礬(Si/Al)比、カチオンの種類によって各種の構造のものが形成される。
【0004】
ゼオライトの形状は、天然ゼオライトでは不定形であり、合成ゼオライトでは球形や円柱があり、人工ゼオライトでは円形状である。粒径は、マイクロナノメートル単位で表示される。
【0005】
ゼオライトの結晶の空洞に含まれるカチオンは、カチオンの種類、ケージの大きさや静電場の強さによって交換可能であり、ゼオライトはカチオンの結晶を吸収し変換する機能を有している。カチオンを交換する能力は、「陽イオン交換容量(Cation Exchange Capacity; CEC)」または「塩基置換容量」と呼ばれ、その数値が高いほど、カチオンの結晶を交換する能力が高いと評価される。Alは+3価、Siが+4価であり、Al 1分子につき1個の陽電荷が不足するため、一般にCECは硅礬比が小さいほど大きい。
【0006】
たとえば、篩効果的選択能を考えるうえで、重要な因子は構造因子と電子論的因子である。ゲージ内のイオンの存在とキャビティ空間の大きさ、ケージ入口の口径の大きさやケージ空間をつなくチャンネル口径の大きさによって、CECが左右される。
【0007】
従来、ゼオライトは、化学合成により製造される合成ゼオライトと地層の鉱床から産出される天然ゼオライトとに大別されていたが、近年、焼却された石炭灰などから開発した人工ゼオライトが加わり、ぞれぞれの特性を活かした目的に利用されている。
【0008】
天然ゼオライトは、国内生産量が年間約10万トン程度である。約30種類以上の天然ゼオライトが存在し、主に、クリノプチロライトとモルデナイトの2つの成分が北海道長万部、秋田県山本郡二ツ井町、秋田県横手市近傍平鹿群大森町八沢木、秋田県雄勝群皆瀬村板戸、山形県米沢市板谷、宮崎県白石市川原子、福島県安子ヶ島、福島県岩瀬郡天栄村、島根県石見太田、同馬路などから採取されている。自然の鉱物であるので、成分にばらつきがあり、純度は産地により異なるが50〜80%程度である。そのため、CECの安定性に欠け、また、CECが50〜180cmol(+)kg-1と小さく、機能が低い。一般的な用途として、ガス吸着剤、家畜飼料・ペット砂用の消臭剤や脱臭剤、土壌改良剤、水処理剤などに利用されている。最近では、調湿性建材などの建築材料、NOxなどの排ガス吸着、コンデンサなどへの応用が研究開発されている。
【0009】
合成ゼオライトは、国内生産量が年間約17万トンと推定されており、国内に5社のメーカーが存在する。種類は、A型、X型、Y型、MFI型があり、いずれもCECが240〜500cmol(+)kg-1と非常に高い機能(吸着・イオン交換・触媒機能)を有する。合成ゼオライトは、主に洗浄用ビルターとして利用され、無リン化、低リン化用として定着している。そのほかにも、その高品質な特性を利用して、分子篩、触媒、石油精製、吸着分離プロセス、水素精製、NOxなどの排ガス吸着、合成樹脂用添加剤、塩化ビニル系樹脂用安定剤などの工業用材料など、天然ゼオライトと比較して化学的な用途に利用されている。
【0010】
一方、人工ゼオライトは、産業廃棄副産物として指定されている石炭灰をアルカリ処理することによってゼオライト化し、あらゆる分野で有効利用することが可能となった。リサイクル資源として石炭灰を有効利用しているので、21世紀の環境循環型社会の一環となっており、地域環境保全の役割を果たしている。石炭灰は、国内でも年間540万トン以上排出されていると推定されており、約30%はリサイクルされているが、残りは産業廃棄副産物として埋め立てられているのが現状である。これは環境破壊の一部と考えてもおかしくない。このような状況下で、人工ゼオライトは、新規分野として全国的な規模での展開が期待されている。
【0011】
天然ゼオライトと合成ゼオライトの特性を兼ね備えた人工ゼオライトは、CECを自由に制御し、ゼオライトの3大機能を発揮することができる。現在では、様々な分野での使用用途に応じ、ナトリウム型を基本として各型(カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム、銀、銅、バリウム、リチウム、アンモニウム、水素、マンガンなど)に陽イオン交換することができる。用途としては、現在、土壌改良剤、河川浄化剤、畜産業脱臭剤および畜糞の堆肥化、水質浄化剤、汚水処理剤、鮮度保持剤、結露防止剤、白華防止剤、高断熱材、生態系親和剤、有毒ガス除去剤、園芸用土壌活性剤などの一般家庭が関連する環境保全に有効利用されており、さらに、分子篩、消臭剤、、殺菌剤、触媒、抗菌コンクリート、有毒ガス吸着除去剤などとしての多種多様な利用価値が着目されている。
【0012】
しかしながら、人工ゼオライトは、1990年に新日本製鐵株式会社が世界初の人工ゼオライトプラントを設立し、製造販売に至り、現在では、関連会社である産業振興株式会社に許諾権が移行され、製造販売されているが、その製造方式(無圧・煮沸バッチ方式)では、生産量が年間約500トンにとどまっている。品質的にもCECが180〜230cmol(+)kg-1と合成ゼオライトとは比較にならない。また、この製造方式では、2次工程を要し、時間的なロスが大きい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反応時間を短縮することができ、大量生産が可能であり、かつ品質を向上させうる人工ゼオライトの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、石炭灰を含む原料を、アルカリ水溶液中で加熱処理する人工ゼオライトの製造方法において、加熱処理時の原料濃度が0.5〜1.2kg/リットルであり、加熱温度が150℃以上であることを特徴とする人工ゼオライトの製造方法に関する。
【0016】
前記人工ゼオライトの製造方法において、加熱処理は飽和蒸気によって行なうことが好ましい。
【0017】
前記人工ゼオライトの製造方法において、石炭灰はフライアッシュであることが好ましい。
【0018】
前記人工ゼオライトの製造方法において、原料の硅礬比は5未満であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の人工ゼオライトの製造方法では、原料の1成分として石炭灰を用いる。
【0020】
石炭灰としては、とくに火力発電所で微粉炭燃焼方式のボイラーで溶融燃焼されて得られる石炭の焼却灰が好ましい。微粉炭燃焼方式のボイラーで溶融燃焼されて得られる石炭灰は、その約8〜9割がフライアッシュであり、残りがクリンカアッシュである。フライアッシュは、その大部分が石炭灰に含まれていた無機質成分が燃焼後(溶融温度平均1300℃)に酸化物などとして残ったものからなる。フライアッシュは、主成分としてシリカ(SiO2)42〜62重量%、アルミナ(Al23)13〜30重量%を含み、その他の成分として酸化鉄(Fe23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、リン酸化物(P26)、酸化カリウム(K2O)、酸化硫黄(SO3)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化チタニウム(TiO2)などを含む。フライアッシュの粒径は、通常、1〜200μmの範囲にあり、平均20μmである。
【0021】
本発明においては、前記石炭灰に、その他の原料成分として、石炭灰以外のケイ酸またはアルミニウムを含む無機成分を併用することができる。
【0022】
ケイ酸を含む無機成分としては、たとえば、珪藻土があげられる。珪藻土は、単細胞藻類である珪藻の遺骸、すなわち珪藻殻からなる桂質に、粘土、火山灰、有機物などが混じった堆積物であり、含水非晶質二酸化ケイ素を主成分とする。本発明においては、各種用途に使用されている珪藻土をとくに制限なく用いることができ、使用済みの廃珪藻土を使用することもできる。廃珪藻土としては、たとえば、水処理、食品工業における砂糖、水飴、醤油、酒、ビール、シロップ、植物油などの精製工程、化学工業における溶剤、機械油、石油などの精製工程などにおいてろ過助剤として使用された廃珪藻土があげられる。
【0023】
アルミニウムを含む無機成分としては、たとえば、水酸化アルミニウムがあげられる。水酸化アルミニウムは、たとえば、建築材料のアルミサッシ(押出し型材)の製造工程中に、表面処理などで使用した廃溶液から得られる水酸化アルミニウムスラッジであってもよい。
【0024】
これらの原料成分は、硅礬比が7以下、さらには5以下、とくには4以下となるように石炭灰に混合されることが好ましい。硅礬比が7をこえると、ゼオライトの構造結晶体相似の組成領域となり、ゼオライトが不安定となる傾向がある。硅礬比が4以下のとき、高シリカゼオライトの安定領域条件を充分に満たすことができる。また、硅礬比が1以上、とくには2以上となるように混合されることが好ましい。
【0025】
ただし、原料中の石炭灰の配合量は、20重量%以上、とくには50重量%以上とすることが好ましい。石炭灰の配合量が20重量%未満では、石炭灰に含有されている鉱物から非結晶生成物が得られ、ゼオライトが不安定となる傾向がある。50重量%以上のとき、石炭灰に含有されている鉱物からの結晶生成物が安定相として働き、高品質のゼオライトが得られる。
【0026】
本発明の製造方法では、原料を水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ水溶液中で加熱処理することにより、人工ゼオライトを得る。
【0027】
アルカリ水溶液は、原料(固形分)の濃度が0.2kg/リットル以上、好ましくは0.3kg/リットル以上、さらに好ましくは0.5kg/リットル以上となるように加える。アルカリ水溶液の濃度が0.2kg/リットル未満では、石炭灰に含まれる鉱物(石英・ムライト)が物理化学的反応を起こし、ゼオライトが不安定となる。また、原料の濃度は1kg/リットル以下、とくには0.7kg/リットル以下であることが好ましい。原料の濃度が1kg/リットルより高いとゼオライトの基本構造が生成しにくい傾向がある。
【0028】
アルカリ水溶液の濃度は、2〜4N、とくには2〜3.5Nであることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度が2N未満ではゼオライト組成のゲル生成物の反応性が低下する傾向があり、4Nをこえるとゼオライトの多孔性生成物の結晶体が破壊される傾向がある。
【0029】
反応温度は、飽和蒸気中で反応を行なう方法、大気圧下で所定温度まで加熱し、そこへ過熱蒸気を供給する方法などによって、100℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは175℃以上で行なわれる。反応温度が100℃未満ではゼオライトの組成ゲル生成物が反応しにくくなる。
【0030】
飽和蒸気中で反応を行なう場合は、耐圧反応容器(オートクレーブ)、攪拌機付耐圧反応容器、製紙工場で使用されるダイジェスターなどを反応容器として使用することができる。
【0031】
反応は、たとえば1〜2時間で終了する。反応終了後、生成物を冷却し、アルカリ水溶液と分離することにより、人工ゼオライトを取り出すことができる。
【0032】
本発明の製造方法により得られた人工ゼオライトは、CECが200〜400cmol(+)kg-1と高く、優れた吸着、イオン交換、触媒機能を有する。これらの機能を利用して、海・河川・湖沼・池などの水質改善、土壌残留農薬などの有害物の吸着、酸性土壌の改善、田畑・果樹園などの潮害の軽減、果物などの鮮度保持、公園などの土壌浄化などの自然環境保全;高速道路・市街地・住宅地の緑化、道路の酸性化防止および有害物質の吸着、アスファルトの高温軟化防止、自動車などの排気ガスの浄化、ダイオキシン・PCBなどの浄化、工業排水・医療排水・生活排水などの浄化、産業廃棄物から出る有害物質の除去などの都市環境保全;建築資材との併用にて除菌・抗菌・劣化防止などの効用、家畜などの排泄物の悪臭処理、農業用水・畜産排水の浄化、水産排水の浄化および海洋生態の活性化、赤土の流出防止などの産業環境保全;離島における飲料水の水質改善、ペット類の悪臭・排泄物などの除去および浄化、家庭園芸などの培養の促進剤、家庭ゴミの消臭および堆肥化、観賞用水槽などの水質浄化などの生活環境保全;特殊工業用触媒、医療器具の触媒、医療導入の触媒・吸着などの衛生環境保全に役立つ。
【0033】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0034】
実施例1
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)8kg、25%水酸化ナトリウム水溶液33kg(3.5N)、水33リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土6kgを加えて硅礬比6.5とし、ステンレス容器の中でスラリー状態で60Hzで20分間攪拌した。得られた混合溶液をオートクレーブに投入し、飽和蒸気によって内部温度を150℃に加熱した状態を2.0時間保持した。
【0035】
そののち、内部の反応生成物を別のステンレス容器に移し、12〜24時間冷却したのち、高速遠心分離機を用いて回転速度800〜1500rpm、回転時間20分の条件で脱水することにより、反応生成物を取り出した。
【0036】
X線回折法により生成物の構造解析を行なったところ、人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。この人工ゼオライトについて、以下のセミミクロ法を実施し、浸出液について原子吸光度を測定した結果、この人工ゼオライトのCECは246cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0037】
(セミミクロ法)
浸透管に0.7〜0.8gの人工ゼオライトを充填し、置換浸出液として酢酸アンモニウム液(pH7、1N)100mlを用いて洗滌法により、NH4 +飽和とした。過剰の酢酸アンモニウムを、80%アルコール(pH7)を50ml用いて6時間かけて充分に洗浄したのち、10%KCl溶液100mlでNH4 +を置換浸出させた。
【0038】
実施例2
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)10kg、25%水酸化ナトリウム水溶液33kg(3.5N)、水33リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土5kgを加えて硅礬比5.5とした。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0039】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは253cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0040】
実施例3
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)7kg、25%水酸化ナトリウム水溶液26kg(3.5N)、水26リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土22kgを加えて硅礬比7.5とした。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0041】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは258cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0042】
実施例4
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)15kg、25%水酸化ナトリウム水溶液22kg(3N)、水29リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土11kgを加えて硅礬比4とした。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0043】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは287cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0044】
実施例5
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)25kg、25%水酸化ナトリウム水溶液17kg(2.0N)、水41リットルからなる混合溶液(硅礬比3)を、ステンレス容器の中でスラリー状態で45Hzで15〜30分間攪拌した。得られた混合溶液をオートクレーブに投入し、飽和蒸気によって内部温度を175℃に加熱した状態を1.5時間保持した。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0045】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは314cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0046】
実施例6
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)5kg、25%水酸化ナトリウム水溶液20kg(3.0N)、水26リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土3kgおよび水酸化アルミニウムスラッジ22kgを加えて硅礬比0.3とし、ステンレス容器の中でスラリー状態で60Hzで15〜30分間攪拌した。得られた混合溶液をオートクレーブに投入し、飽和蒸気によって内部温度を130℃に加熱した状態を0.5時間保持した。
【0047】
そののち、内部の反応生成物を別のステンレス容器に移し、8〜12時間冷却したのち、高速遠心分離機を用いて回転速度800〜1500rpm、回転時間15〜30分の条件で脱水することにより、反応生成物を取り出した。
【0048】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは332cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0049】
実施例7
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)10kg、25%水酸化ナトリウム水溶液23kg(3.0N)、水30リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土15kgおよび水酸化アルミニウムスラッジ4kgを加えて硅礬比3.0とし、ステンレス容器の中でスラリー状態で60Hzで15〜30分間攪拌した。得られた混合溶液をオートクレーブに投入し、飽和蒸気によって内部温度を130℃に加熱した状態を1時間保持した。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0050】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは350cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0051】
実施例8
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)25kg、25%水酸化ナトリウム水溶液17kg(2.0N)、水40リットルからなる混合溶液(硅礬比3.0)を、ステンレス容器の中でスラリー状で60Hzで15〜30分間攪拌した。得られた混合溶液をオートクレーブに投入し、飽和蒸気によって内部温度を175℃に加熱した状態を1.5時間保持した。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0052】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは342cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0053】
実施例9
石炭焼却灰フライアッシュ(電源開発株式会社石川石炭火力発電所製)25kg、25%水酸化ナトリウム水溶液24kg(3.0N)、水40リットルからなる混合溶液に、廃珪藻土3kgを加えて硅礬比4.0とし、ステンレス容器の中でスラリー状で45Hzで15〜30分間攪拌した。得られた混合溶液をオートクレーブに投入し、飽和蒸気によって内部温度を175℃に加熱した状態を2.0時間保持した。そのほかは、実施例1と同様にして実験を行なった。
【0054】
X線回折法により生成物は人工ゼオライト(フィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石)であることが確認できた。また、原子吸光度の測定結果から、この人工ゼオライトのCECは400cmol(+)kg-1であることがわかった。
【0055】
実施例1〜9の実験条件と実験結果をまとめて表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 0003792139
【0057】
【発明の効果】
本発明の人工ゼオライトの製造方法によれば、原料を高濃度で、かつ高温で反応させることにより、CECの高い人工ゼオライトを製造することができる。また、反応時間が短縮され、大量生産が可能である。

Claims (4)

  1. 石炭灰を含む原料を、アルカリ水溶液中で加熱処理する人工ゼオライトの製造方法において、
    前記原料の硅礬比を4以下とし、かつ前記加熱処理時の原料濃度が0.5〜1.2kg/リットルとなるように調整された前記石炭灰を含む原料とアルカリ水溶液に対して、更に水を加え、この混合液を耐圧容器内に投入し、当該耐圧容器内において飽和蒸気により内部温度を150℃以上で1〜2時間加熱した状態を保って反応させ、得られた反応生成物を冷却し、脱水して、人工ゼオライトを得ることを特徴とする人工ゼオライトの製造方法。
  2. 石炭灰を含む原料を、アルカリ水溶液中で加熱処理する人工ゼオライトの製造方法において、
    前記原料の硅礬比を4以下とし、かつ前記加熱処理時の原料濃度が0.5〜1.2kg/リットルとなるように調整された前記石炭灰を含む原料とアルカリ水溶液に対して、更に水を加え、この混合液を耐圧容器内に投入し、当該耐圧容器内において飽和水蒸気により内部温度を150℃以上で1〜2時間加熱した状態を保って反応させ、得られた反応生成物を冷却し、脱水して、人工ゼオライトを得る人工ゼオライトの製造方法であって、
    前記石炭灰が石炭の焼却灰であってフライアッシュとクリンカアッシュを含み、当該石炭灰を含む原料にはケイ酸を含む無機成分及び又はアルミニウムを含む無機成分が含まれており、硅礬比が4以下に調整されている、人工ゼオライトの製造方法
  3. 前記原料中の石炭灰の配合量が50%重量以上であり、前記アルカリ水溶液として2〜4Nの濃度のアルカリ水溶液を用いる、請求項1又は2記載の人工ゼオライトの製造方法。
  4. 前記石炭灰が微粉炭燃焼方式のボイラーで溶融燃焼されて得られる石炭の焼却灰、前記ケイ酸を含む無機成分が使用済み廃珪藻土、前記アルミニウムを含む無機成分が水酸化アルミニウムスラッジであり、
    前記人工ゼオライトがフィリップサイト、フィリップサイトカイジュウジ石群・ハーモトームジュウジュウフッ石の人工ゼオライトである、請求項2又は3記載の人工ゼオライトの製造方法
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