JP3792038B2 - めっき装置 - Google Patents

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    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の次世代配線技術である金属配線形成技術に関し、特に基板上に形成された微細窪みにめっきにより金属の埋め込みを行うためのめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体を用いた集積回路において、回路配線材料にはアルミニウムが多く用いられてきた。アルミニウム配線は、スパッタリング法(Sputtering)により基板にアルミニウム膜を付けた後レジスト形成によりパターニングを行い、エッチングにより配線形成される。回路の高度集積化に伴い、配線幅をより狭く形成することが要求されるようになり、アルミニウムの材料特性上、諸問題が生じる様になってきた。
【0003】
しかしながら、銅などの他の金属材料による配線形成には上述した従来の回路形成が困難な場合がある。そこで、基板に配線用の溝や穴をあらかじめ形成し、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:以下CVD法)、スパッタリング法やめっき法などの手法により金属を窪みの中に埋め込み、その後表面を化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing : 以下CMP)で表面研磨し、回路配線を形成する方法がとられてきた。
【0004】
めっき法は金属の膜付け方法として広く用いられており、多くの特長をもつ。図7は基本的なめっき装置を示す。めっき槽1内のめっき液9中で被めっき基板2を取り付けたカソード電極3およびアノード電極4が対向していて、めっき操作中、めっき液攪拌用の攪拌器11がめっき液9を攪拌するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
めっき法は他のプロセスに比べて、プロセスコストが安い、純度の高い材料が得られる、熱的影響の少ない低温プロセスが可能となる等の特長がある反面、ウェーハ基板上に形成された微細窪みに金属が完全に充填されず、空隙が生じる等の不具合があった。このため、アスペクト比の大きい、深い微細窪みでのめっきによる金属埋め込みは、技術的困難のため従来ほとんど行われてこなかったのが実状であった。
【0006】
例えば、微細溝62が形成された基板をめっき法により金属103の充填を行う場合、通常、図8のように微細溝62には空隙104が残ってしまう。これは微細溝62入り口近くの金属膜成長が微細溝内部に比べ速いため、微細溝62内が完全に金属で充填される前に微細溝入り口が閉塞してしまうためで、微細溝の幅が狭くなるほどその不具合の傾向は強くなる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、ウェーハ基板上にパターン形成された微細溝へ、空隙のない信頼性の高い金属埋め込みを行うためのめっき装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、基板のめっき面に形成された微細窪みに前記微細窪みの深さ方向に所定の温度勾配を形成しつつ金属を充填するめっき装置において、めっき液を冷却する冷却装置と、前記基板をめっき面と反対側の面から加熱する加熱装置と基板の周縁部を気密的にシールして基板を保持する絶縁性材料からなる枠体とを備えた保持部材と、前記保持部材で保持し加熱装置に加熱している基板のめっき面に向けて前記冷却装置で冷却しためっき液を供給して該めっき面にめっき液の流動膜を形成するノズルを有することを特徴とするめっき装置である。
【0009】
これにより、基板に形成された微細窪みの底部側が基板表面側に比べて高温になる温度勾配が形成され、めっきが底部側から優先的に成長する。従って、微細窪みの上部からの成長により窪みが閉塞してしまうことが防止され、微細窪みに空隙のない金属埋め込みを行うことができる。
【0011】
前記加熱装置と前記めっき液の間の熱の移動を防止する断熱構造を設けるようにしてもよい。これにより、めっき面近傍での所定の温度勾配をエネルギー効率良く形成することができる。
【0012】
前記めっき基板を回転または移動可能にしてもよい。これにより、めっき液の基板上への供給をより均一とすることが可能となり、信頼性の高い金属埋め込みができる。
【0014】
保持部材で保持し加熱装置に加熱している基板のめっき面に向けて冷却装置で冷却しためっき液を供給して該めっき面にめっき液の流動膜を形成することにより、めっき液の流動性を確保してめっき反応を促進するとともに、めっき液自体のボリュームを減らして温度調整を容易に行うことができる。また、めっき液を基板のめっき面のみに流すことにより、基板の裏面側の加熱装置との間の熱交換を防ぎ、めっき面近傍での所定の温度勾配をエネルギー効率良く形成することができる。
【0015】
記ノズルから前記めっき面への前記めっき液の吹き付けが大気中で行われるようにしてもよい。これにより、基板をめっき液中に浸漬する方法に比べ、基板上および微細溝内のめっき液のより詳細な温度管理ができるようになる。特に、めっき液の温度変化を精度よく制御することができるようになる。
【0016】
記ノズルを移動可能にしてもよい。これにより、めっき液の基板上への供給をより均一とすることが可能となり、信頼性の高い金属埋め込みができる。
【0020】
請求項に記載の発明は、基板のめっき面に形成された微細窪みに金属を充填するめっき方法において、基板の周縁部を絶縁性材料からなる枠体を備えた保持部材の該枠体で気密的にシールして基板を保持し、前記保持部材で保持した基板をめっき面と反対側の面から加熱しながら、基板のめっき面に向けて冷却しためっき液をノズルから供給して、該めっき面に前記微細窪みの深さ方向に所定の温度勾配を有するめっき液の流動膜を形成することを特徴とするめっき方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態のめっき装置の概要を示す図である。このめっき装置は、めっき槽1と、この内部に収容された保持部材12と、めっき槽1へめっき液を供給するめっき液供給装置Sとが設けられている。めっき液供給装置は、めっき槽1からめっき液9を抜き出す抜き出し配管74aと、この抜き出し配管に設けられた循環ポンプ74と、めっき液9を所定温度に冷却する冷却装置69と、供給配管92aに設けられためっき液供給の発停を行なう開閉弁23と、保持部材の上方に開口するノズル92及びリリーフ弁36を主な構成要素としている。
【0022】
保持部材12は、基板2の裏面側を覆う枠体12aと、基板の裏面側に配置されて基板を裏面側から加熱するヒータ14と、該ヒータに電気を供給する配線とを備えている。ヒータ14は、自己温度制御型の面状発熱体からなり、ポリエステル絶縁部とテフロン被覆材でめっき液から保護されている。基板2とヒータ14とは全面的に密着しており、伝熱は良好で、均一である。また、基板2の周囲部と保持部材12とは気密にシールされ、基板2の裏面はめっき液に接しないようになっている。枠体12aは、絶縁性材料から構成されており、ヒータ14の熱をめっき液中に拡散させないようにしている。なお、めっき槽1内のめっき液9と外部との熱交換を防ぐように、めっき槽1を断熱構造としてもよい。
【0023】
このような構成のめっき装置においてめっき処理を行なうには、保持部材12に基板2を保持し、ヒータ14により基板2を裏面側から加熱して、例えば、裏面の温度をTr(例えば、95℃)に維持する。一方、めっき液供給装置Sのポンプ74、冷却装置69を動作させてめっき液9を冷却し、開閉弁23の作動によってめっき槽1に循環供給し、めっき液の温度をTl(例えば、7℃)に維持する。これにより、基板2を通してめっき液を加熱する機構となる。よって、基板2はめっき液より常に温度が高く、基板2の内部では裏面側が高く表面側が低い温度勾配が形成される。開閉弁23の作動に伴いリリーフバルブ36も作動し、めっき液9の循環と温度管理が継続される。この実施の形態では、基板2の裏面側のヒータ14を収容する空間とめっき液とが枠体12aにより断熱されているので、熱エネルギーの損失を少なくして必要な温度勾配を効率的に形成することができる。
【0024】
このように、基板2を通してめっき液を加熱する機構を形成することにより、図2に示すような温度分布が形成される。基板2の周囲のめっき液は流動しており、めっき面近傍のみのめっき液が昇温されている。これに対し、微細溝62内のめっき液はほとんど流動することなく、基板2の内部温度に保たれている。めっきによる金属膜付け速度は、めっき反応の各段階の反応速度が温度依存性を持つために温度に依存する。特に無電解めっきの場合、その温度依存度は大きいので、微細溝62内壁においても、底部側が優先的にめっき成長し、図3に示すように、空隙の無い金属充填がなされる。
【0025】
本実施の形態においては、めっき液9は冷却装置69により7℃に冷却されてノズル92から基板2のめっき面に供給されているが、めっき槽1の中に冷凍機等の低温の熱源を直接に配置してめっき液9を冷却するようにしてもよい。また、めっき面近傍の温度勾配をよりよく制御するために、基板2の表裏面の一方又は両方の近傍に温度センサを設け、これに基づいて冷却装置69やヒータ14の能力を制御するようにしてもよい。
【0026】
図4は、本発明の第2の実施の形態のめっき装置の概要を示す図である。本装置は、図1に示すめっき装置とほぼ同様であるが、電気めっき装置であり、カソード電極3、アノード電極4及び電源5が付帯的に設けられている。この実施の形態における作用は基本的に先の実施の形態と同様であるので説明を略す。
【0027】
図5は、本発明の第3の実施の形態のめっき装置の概要を示す図である。本装置においては、基板2がめっき液に浸漬されておらず、ノズル92から供給されるめっき液9が基板2のめっき面に流動膜93を形成するようにして供給される。これにより、めっき液の微細窪み62への流入を促進するとともに、めっき反応に伴い発生した気泡を滞留を防止する。さらに、基板2の裏面側がめっき液9に浸漬していないので、ヒータ14からの熱がめっき液9に逃げることがなく、基板2のめっき面近傍に精度良く、かつエネルギー効率良く温度勾配を形成することができる。
【0028】
図6は、本発明の別の実施の形態のめっき装置の概要を示す図である。本装置は、図5に示すめっき装置とほぼ同様であるが、基板2のめっき面が下向きで、複数のノズル92が上向きとなっているところが異なる。めっき液9の基板2上への供給が均一となり、信頼性の高い金属埋め込みができる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、基板に形成された微細窪みの底部側が基板表面側に比べて高温になる温度勾配が形成され、めっきが底部側から優先的に成長するので、微細窪みの上部からの成長により窪みが閉塞してしまうことが防止され、微細窪みに空隙のない金属埋め込みを行うことができる。従って、ウェーハ基板上にパターン形成された微細溝へ、空隙のない信頼性の高い金属埋め込みを行うためのめっき装置を提供することができ、高集積度の半導体装置を実現するための有用な技術を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1の実施の形態のめっき装置の概要図である。
【図2】基板表面近傍の温度勾配を模式的に示す図である。
【図3】基板の窪みの充填状況を模式的に示す図である。
【図4】本発明に基づく第2の実施の形態のめっき装置の概要図である。
【図5】本発明に基づく第3の実施の形態のめっき装置の概要図である。
【図6】本発明に基づく第4の実施の形態のめっき装置の概要図である。
【図7】一般のめっき装置の概要図である。
【図8】従来の装置による基板の窪みの充填状況を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 めっき槽
2 基板
3 カソード電極
4 アノード電極
5 電源
9 めっき液
12 保持部材
14 ヒータ
36 リリーフバルブ
62 微細溝
69 冷却装置
74 循環ポンプ
92 ノズル
101 絶縁層
102 拡散防止層
103 導体層
104 空隙

Claims (2)

  1. 基板のめっき面に形成された微細窪みに前記微細窪みの深さ方向に所定の温度勾配を形成しつつ金属を充填するめっき装置において、
    めっき液を冷却する冷却装置と、
    前記基板をめっき面と反対側の面から加熱する加熱装置と基板の周縁部を気密的にシールして基板を保持する絶縁性材料からなる枠体とを備えた保持部材と、
    前記保持部材で保持し加熱装置に加熱している基板のめっき面に向けて前記冷却装置で冷却しためっき液を供給して該めっき面にめっき液の流動膜を形成するノズルを有することを特徴とするめっき装置。
  2. 基板のめっき面に形成された微細窪みに金属を充填するめっき方法において、
    基板の周縁部を絶縁性材料からなる枠体を備えた保持部材の該枠体で気密的にシールして基板を保持し、
    前記保持部材で保持した基板をめっき面と反対側の面から加熱しながら、基板のめっき面に向けて冷却しためっき液をノズルから供給して、該めっき面に前記微細窪みの深さ方向に所定の温度勾配を有するめっき液の流動膜を形成することを特徴とするめっき方法。
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