JP3791878B2 - 超音波縫合器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は外科手術で生体組織を縫合する際に使用される超音波縫合器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、外科手術で生体組織を縫合する場合には通常、次のような2つの方法が行われている。第1の方法は針と糸とを使用する方法である。これは、糸を針に装着して、縫合したい生体組織の両側に針を通し、そこに糸をかけることで、縫合したい生体組織面を引き合わせたのち、糸を縛り、生体組織を縫合する。これは伝統的手法であり、外科医の好みに合わせた吻合が可能である。そして、この場合は一針づつ縫合するため、細かな生体組織の縫合が可能となる。
【0003】
また、第2の方法としては例えば、特開平6−30944号公報に開示されるように自動縫合器と呼ばれる器械を使用する方法である。これは、それぞれの縫合したい生体組織にあわせた自動縫合器により、縫合したい生体組織にステープラを打ち込んで縫合するものである。
【0004】
この場合は吻合等の作業を自動縫合器により、自動的に行うため、縫合したい生体組織を引き合わせるために縫合前の事前準備が必要となる。そして、器械で自動的に吻合等の作業を行うため、術者の技量に寄らず、安定した縫合が可能となる。さらに、比較的大きな範囲を一括に縫合することができ、縫合の作業時間の短縮ができる。
【0005】
上記2つの方法はいずれも患者の体内に糸や、ステープラ等の異物を残すことが問題となることがあるが、最近ではこれらを生体吸収性材料にて作ったものも出てきている。
【0006】
また、その他、体内に異物を残さずに生体組織同士を接合する方法としては、エネルギーを生体組織に加えて管状物や、それを含む生体組織を接合し、結紮する種類のものが出てきている。例えば、EP 0830845 A1に示される超音波凝固切開装置などのように超音波により血管などの管状物を含む生体組織を結紮するものがある。この超音波凝固切開装置には超音波振動を伝達する超音波プローブと、この超音波プローブに対して開閉可能なジョーとが設けられている。そして、超音波プローブとジョーとの間に生体組織をはさんで超音波振動をプローブより加えるようになっている。この場合、超音波プローブとジョーとの間ではさんでつぶされた管状物の壁面同士が超音波により接合して結紮され、さらなる超音波振動の印加で生体組織の切断が行なわれる。したがって、管状物の壁面同士の結紮と、生体組織の切断とが連続して行われるので、処置時間が早くなることや、クリップや糸などの異物を体内に残さずに生体組織が接合されることなどの利点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、超音波振動子と、この超音波振動子に接続され、先端側に設けられた作用面を有し、前記超音波振動子の振動を前記作用面に伝達する超音波プローブと、この超音波プローブの作用面に相対して生体組織に当てる当接面を有し、前記作用面と前記当接面との間に生体組織を挟み込む動作が可能なジョーと、このジョーの当接面から突き出して設けられ、縫合しようとする複数の生体組織に突き刺してその複数の生体組織を保持する針状部と、を具備し、前記針状部に突き刺した複数の生体組織を前記超音波プローブの作用面と前記ジョーの当接面との間で把持して超音波により縫合することを特徴とする超音波縫合器である。
【0008】
また、超音波凝固切開装置は生体組織を接合することができるが、これは生体組織を結紮し、切離するものであり、縫合にはむいていない。すなわち、生体組織を縫合するためには、縫合したい対象たる複数の生体組織を引き寄せ、縫合面をあわせる作業が必要になる。しかしながら、前記超音波凝固切開装置では、超音波プローブとジョーとの間に縫合したい部位を正しくはさむためには、事前に生体組織同士を寄せておくという作業が必要となるので、作業が煩雑になるばかりでなく、細かな部分の縫合も難しいことが予想される。
【0009】
さらに、超音波プローブに超音波振動を伝達させた場合には超音波プローブとジョーとの間に挟んだ生体組織が滑りやすくなるので、超音波凝固切開装置による縫合作業が一層難しくなる問題がある。
【0010】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、体内に異物を残さず、安価に生体組織の縫合を行うことができるとともに、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる超音波縫合器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は超音波振動子と、この超音波振動子に接続され、超音波振動を先端部側に伝達する超音波プローブと、この超音波プローブの先端部に対して相対的に開閉動作するジョーと、前記超音波プローブと前記ジョーとの対向面のいずれか一方、もしくはその両方から突出する針状部と、前記超音波プローブと前記ジョーとの対向面に形成され、前記針状部を受ける針受け部とを具備したことを特徴とする超音波縫合器である。
そして、本発明では生体組織を縫合する作業時には、超音波プローブとジョーとの対向面のいずれか一方、もしくはその両方から突出する針状部にて縫合したい生体組織間に針を通すことで、縫合したい生体組織間を引き合わせる。この状態で、ジョーを閉じることにより、針状部は針受け部に入り、続いて生体組織は、生体組織の接合したい面同士を合わせる。これにより、縫合したい生体組織が超音波プローブとジョーとの間に把持され、接合に適当な力量での把持が可能となる。さらに、この状態で超音波プローブに超音波振動をかけ、超音波により、当接した生体組織面間を接合する。生体組織面間の接合後、ジョーを開いて接合した生体組織から針状部を抜いて縫合が終了するようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4(A),(B)を参照して説明する。図1は本実施の形態の超音波縫合器1全体の概略構成を示すものである。本実施の形態の超音波縫合器1にはハンドピース2と超音波駆動ジェネレータ3とが設けられている。
【0013】
さらに、ハンドピース2には、超音波振動子4と、ホーン5と、超音波プローブ6とからなる超音波ユニット7と、この超音波ユニット7を保護するケース8とを備えたハンドピース本体9が設けられている。ここで、超音波ユニット7の超音波振動子4の先端部にはホーン5を介して細長い超音波プローブ6の基端部が連結されている。
【0014】
また、超音波プローブ6の先端部側面には図1中で、上面側に向けて、生体組織を接合するための作用面6bが設けられている。そして、超音波振動子4により発生した超音波振動はホーン5により増幅された状態で、超音波プローブ6に伝達され、この超音波プローブ6の先端の作用面6bに伝わるようになっている。なお、超音波プローブ6は超音波振動子4の周波数と合わせてその先端の作用面6b付近で超音波の振幅が最大となるような長さに設計されている。
【0015】
また、ハンドピース本体9のケース8の後端部外周面にはジョー支持部10が突設されている。このジョー支持部10には略直線状のジョー11の基端部がピボット12を中心に回動自在に連結されている。このジョー11の先端部には図1中で、下面側に向けて略J字状に屈曲された屈曲部11aが形成されている。この屈曲部11aの端面には超音波プローブ6の先端の作用面6bと対応する(当接する)位置に生体組織を押し付けるための生体組織当接面11bが設けられている。
【0016】
さらに、ハンドピース本体9とジョー11との対向面には略V字状の板ばね13が介設されている。そして、この板ばね13のばね力によってハンドピース本体9とジョー11との間がピボット12を中心に先端側が開く方向に付勢された状態、すなわち、超音波プローブ6の作用面6bとジョー11の生体組織当接面11bとの間が開状態で保持されるようになっている。これにより、ハンドピース本体9とジョー11とによって略ピンセット型のハンドルが形成されている。そして、これらのハンドピース本体9とジョー11とを握り、板ばね13のばね力に抗してハンドピース本体9とジョー11との間を閉じることにより、超音波プローブ6の作用面6bとジョー11の生体組織当接面11bとの間に生体組織を挟むようになっている。
【0017】
また、ジョー11の生体組織当接面11bの略中央部位には超音波プローブ6の作用面6b側に向けて先端鋭利な針状部14が突設されている。この針状部14は生体組織に穿刺して生体組織をたぐり寄せるためのものである。
【0018】
さらに、超音波プローブ6の作用面6bの略中央部位にはジョー11の針状部14を受ける為の針受け穴(針受け部)15が形成されている。この針受け穴15の穴径は針状部14の径よりも大きな径に設定されている。そして、ジョー11を閉じた時は、このジョー11の針状部14は超音波プローブ6の針受け穴15に入り、ジョー11の生体組織当接面11bは超音波プローブ6の作用面6bに接するようになっている。
【0019】
なお、針状部14の基端部には図示しない雄ねじ部が設けられている。ここで、ジョー11の生体組織当接面11bには針状部14の取付け用のねじ穴が形成されており、針状部14の雄ねじ部がジョー11のねじ穴にねじ込まれることにより、針状部14がジョー11に取付けられている。これにより、針状部14の穿刺性が悪くなった場合にはジョー11に取付けられている針状部14を取り替えられる様になっている。
【0020】
また、ハンドピース2には、超音波発振のオン/オフ操作用のスイッチ16が設けられている。このスイッチ16は超音波駆動ジェネレータ3に接続されている。さらに、この超音波駆動ジェネレータ3にはフットスイッチ17が接続されている。そして、ハンドピース2のスイッチ16や、フットスイッチ17によって超音波発振のオン/オフ操作が行われるようになっている。
【0021】
次に、上記構成の作用について説明する。ここでは、本実施の形態の超音波縫合器1を使用して、実際に生体組織を縫合する場合の例について図2(A)〜(C)を参照して説明する。本実施の形態の超音波縫合器1の使用時にはまず、図2(A)に示すように縫合したい2つの生体組織片H1,H2のうちの一方、例えば生体組織片H1にジョー11の針状部14を穿刺する。続いて、同じ針状部14で、縫合したいもう片方の生体組織片H2を穿刺する。
【0022】
この状態で、ハンドピース2のハンドピース本体9とジョー11とを握り込み、板ばね13のばね力に抗してハンドピース本体9とジョー11との間を閉じる。このハンドピース2の閉操作にともない図2(B)に示すようにジョー11の生体組織当接面11b上の針状部14は超音波プローブ6の作用面6bの針受け穴15に挿入される。このとき、針状部14に穿刺されている2つの生体組織片H1,H2をジョー11の生体組織当接面11bと超音波プローブ6の作用面6bとの間に十分な力量で挟み込む事ができる。
【0023】
さらに、針状部14に穿刺されている2つの生体組織片H1,H2をジョー11の生体組織当接面11bと超音波プローブ6の作用面6bとの間で適当な力量で把持した後、ハンドピース2のスイッチ16や、フットスイッチ17によって超音波振動子4のスイッチを入れ、超音波を発振させる。このとき、超音波振動子4により発生した超音波振動はホーン5により増幅された状態で、超音波プローブ6に伝達され、この超音波プローブ6の先端の作用面6bに伝わる。これにより、超音波プローブ6の先端の作用面6bとジョー11の生体組織当接面11bとの間で挟まれた2つの生体組織片H1,H2の接合部分に超音波の振動が加わるので、図2(C)に示すように2つの生体組織片H1,H2の接合部分が凝固され、生体組織の凝固部分H3が形成される。このとき、超音波振動が作用した2つの生体組織片H1,H2の接合部分では、生体組織が凝固されており、出血もない。
【0024】
また、この超音波処置時には2つの生体組織片H1,H2はジョー11の針状部14に穿刺されているので、超音波振動で2つの生体組織片H1,H2が超音波プローブ6の先端の作用面6bとジョー11の生体組織当接面11bとの間から滑り落ちることも無い。そのため、安全、確実に2つの生体組織片H1,H2の接合部分が凝固され、縫合が完了する。
【0025】
また、2つの生体組織片H1,H2の接合部分が凝固によって接合されたのち、ハンドピース2のスイッチ16や、フットスイッチ17のスイッチを切り、超音波振動子4の発振を停止する。この状態で、ハンドピース本体9とジョー11との間を開き、2つの生体組織片H1,H2の凝固部分H3からジョー11の針状部14を抜く。これによって一針分の一連の縫合作業が完了する。なお、他の部分に縫合箇所を追加する場合には、上記一針分の一連の縫合作業と同様の操作を縫合箇所の数だけ繰り返す。
【0026】
また、図3(A),(B)は体内の2つの血管H11,H12などの管状組織の端部間を吻合する血管吻合に応用した例を示すものである。ここで、2つの血管H11,H12の各端部はそれぞれ外向きに外反させた状態で、これらの外反部H11a,H12a間が突き合わされて接合される。そして、ここで接合された外反部H11a,H12a間がハンドピース2の超音波プローブ6の先端の作用面6bとジョー11の生体組織当接面11bとの間で縫合され、血管吻合部H13が形成される。
【0027】
また、図4(A),(B)は2つの生体組織片H21,H22の各端部をそれぞれ内向きに折り返した状態で縫合する埋没縫合を本実施の形態の超音波縫合器1にて行った様子を示す。ここでは、2つの生体組織片H21,H22の各端部の内向きの折り返し部H21a,H22a間が突き合わされて接合される。そして、ここで接合された折り返し部H21a,H22a間がハンドピース2の超音波プローブ6の先端の作用面6bとジョー11の生体組織当接面11bとの間で縫合されて埋没縫合部H23が形成される。
【0028】
なお、その他にも、従来行われている縫合法と同様の種々の縫合法を行うことができる。
【0029】
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では超音波縫合器1のジョー11の生体組織当接面11bに針状部14を突設し、超音波プローブ6の作用面6bにジョー11の針状部14を受ける針受け穴15を設けたものである。そのため、2つの生体組織片H1,H2を縫合する作業時には、ジョー11の生体組織当接面11bに突設された針状部14を縫合したい生体組織片H1,H2などに穿刺することで、狙った生体組織片H1,H2を確実容易に引き寄せることができる。
【0030】
さらに、超音波プローブ6の作用面6bにジョー11の針状部14を受ける針受け穴15を設けたので、ジョー11を閉じた時は、このジョー11の針状部14を超音波プローブ6の針受け穴15に挿入させることにより、この針状部14で穿刺された生体組織片H1,H2をジョー11の生体組織当接面11bと超音波プローブ6の作用面6bとの間で、適度な力量にて挟み込むことができる。
【0031】
また、超音波縫合器1による縫合作業時には、針状部14により生体組織片H1,H2を穿刺固定した状態で超音波をかけることができるので、超音波振動により、生体組織片H1,H2がジョー11の生体組織当接面11bと超音波プローブ6の作用面6bとの間からすべり落ちたり、ずれたりするおそれがない。そのため、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる。
【0032】
さらに、2つの生体組織片H1,H2の縫合を行う際に、糸や、ステープラ等の消耗品を使用する必要がないので、体内に糸や、ステープラ等の異物を残さず、安価に生体組織片H1,H2の縫合を行うことができる。
【0033】
また、本実施の形態の超音波縫合器1によって縫合された2つの生体組織片H1,H2の縫合部位(凝固部分H3)は超音波振動による凝固作用により凝固されているので、縫合後の出血もない。
【0034】
さらに、本実施の形態の超音波縫合器1では一針づつの縫合が可能であり、手縫いの縫合と同様の細かな縫合作業を行うことができる。そのため、手縫いと同様に、バリエーションにとんだ縫合に対応できる効果がある。
【0035】
また、ジョー11の生体組織当接面11bには針状部14の取付け用のねじ穴が形成されており、針状部14は取り替え可能になっているので、針状部14の穿刺性が悪くなった場合にはジョー11に取付けられている針状部14を取り替えることにより、穿刺性の点で有利となる。
【0036】
なお、本実施の形態では超音波発振のオン/オフ操作をハンドピース2のスイッチ16や、フットスイッチ17によって行う構成を示したが、超音波駆動ジェネレータ3のジェネレータ本体に超音波発振のオン/オフ操作用のスイッチを設ける構成にしてもよい。また、ハンドピース2のハンドル操作、すなわちハンドピース本体9とジョー11との開閉操作に電気的、あるいは機構的に連動して超音波発振のオン/オフ操作用のスイッチの入切が行われるような構成にしてもよい。
【0037】
さらに、本実施の形態では超音波プローブ6の穴15は洗浄性を良くするために貫通口としているが、この穴15の深さがジョー11の針状部14の長さより深ければ穴15の底は閉じていてもよい。
【0038】
また、図5(A),(B)は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は腹腔鏡下手術等の内視鏡下手術に使用する超音波縫合器のハンドピース21を設けたものである。
【0039】
図5(A)は本実施の形態のハンドピース21全体の概略構成を示すものである。このハンドピース21には体腔内に挿入される細長い挿入部22と、この挿入部22の基端部に連結され、体外に配置される手元側の操作部23とが設けられている。
【0040】
さらに、操作部23には固定ハンドル24と、可動ハンドル25と、超音波ユニットの超音波振動子が内蔵される超音波振動子カバー26とが設けられている。ここで、可動ハンドル25は固定ハンドル24に対して回動軸27を中心に回動可能に連結されている。
【0041】
また、超音波振動子カバー26内の超音波振動子は第1の実施の形態(図1乃至図4(A),(B)参照)と同様にホーンを介して超音波プローブ28に連結されている。ここで、超音波プローブ28は挿入部22に配設された管体であるシース29の内部に挿通されている。この超音波プローブ28の先端部はシース29の先端開口部から外部側に突出されている。なお、挿入部22のシース29の外径寸法は内視鏡下手術等に使用されるトロカー(trocar)等に挿入可能な径となっている。
【0042】
さらに、挿入部22の先端部には超音波プローブ28の先端部に対して開閉動作するジョー30が配設されている。このジョー30の基端部は図5(B)に示すようにシース29の先端部に回動ピン31を介して回動自在に連結されている。
【0043】
また、ジョー30の基端部には回動ピン31の近傍位置に操作ワイヤ32の一端部が連結されている。この操作ワイヤ32の他端部は操作部23側に延出されている。そして、操作部23の固定ハンドル24と、可動ハンドル25とのハンドル操作により、操作ワイヤ32が牽引操作され、この操作ワイヤ32を介してジョー30が超音波プローブ28の先端部に対して開閉動作するようになっている。
【0044】
また、本実施の形態における超音波プローブ28の先端部側面には、図5(B)中で、上面側に向けて、生体組織が押し付けられ、生体組織を接合するための作用面28bが設けられている。
【0045】
さらに、ジョー30の先端部には図5(B)中で、下面側に向けて略J字状に屈曲された屈曲部30aが形成されている。この屈曲部30aの端面には超音波プローブ28の先端の作用面28bと対応する(当接する)位置に生体組織を押し付けるための生体組織当接面30bが設けられている。このジョー30の生体組織当接面30bの略中央部位には超音波プローブ28の作用面28b側に向けて先端鋭利な針状部32が突設されている。
【0046】
さらに、超音波プローブ28の作用面28bの略中央部位にはジョー30の針状部32を受ける為の針受け穴(針受け部)33が形成されている。そして、ジョー30を閉じた時は、このジョー30の針状部32は超音波プローブ28の針受け穴33に入り、ジョー30の生体組織当接面30bは超音波プローブ28の作用面28bに接するようになっている。
【0047】
そこで、本実施の形態では超音波縫合器のジョー30の生体組織当接面30bに針状部32を突設し、超音波プローブ28の作用面28bにジョー30の針状部32を受ける針受け穴33を設けたので、生体組織を縫合する作業時には、第1の実施の形態と同様に体内に異物を残さず、安価に生体組織の縫合を行うことができるとともに、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる。
【0048】
また、図6は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4(A),(B)参照)の超音波縫合器1のハンドピース2の構成を次の通り変更したものである。
【0049】
すなわち、第1の実施の形態ではジョー11の生体組織当接面11bに針状部14を突設し、超音波プローブ6に針受け穴15を形成した構成を示したが、本実施の形態では針と穴の関係を第1の実施の形態とは逆にして超音波プローブ6に針状部14を突設し、ジョー11の生体組織当接面11bに針受け穴15を形成したものである。
【0050】
そして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に生体組織を縫合する作業時に、体内に異物を残さず、安価に生体組織の縫合を行うことができるとともに、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる。
【0051】
また、図7は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図4(A),(B)参照)の超音波縫合器1のハンドピース2の構成を次の通り変更したものである。
【0052】
すなわち、本実施の形態ではジョー11の生体組織当接面11bに複数の針状部14を突設し、超音波プローブ6には針状部14と同数の針受け穴15を形成したものである。ここで、複数の針状部14はジョー11の先端に軸方向に並設されている。また、針状部14と同数の針受け穴15は超音波プローブ6の先端側に同様に軸方向に並設されている。
【0053】
そこで、本実施の形態ではジョー11の生体組織当接面11bに複数の針状部14を突設し、超音波プローブ6には針状部14と同数の針受け穴15を形成したので、1回の縫合作業時に第1の実施の形態に比べて広い範囲の縫合が可能となる。
【0054】
また、図8は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第4の実施の形態(図7参照)の超音波縫合器1のハンドピース2の構成を次の通り変更したものである。
【0055】
すなわち、本実施の形態ではジョー11の生体組織当接面11bにおける超音波プローブ6の軸方向と直交する方向に複数の針状部14を並設するとともに、超音波プローブ6に針状部14と同数の針受け穴15を超音波プローブ6の軸方向と直交する方向にジョー11の複数の針状部14とそれぞれ対応する位置に並設したものである。
【0056】
そこで、本実施の形態でも第4の実施の形態と同様にジョー11の生体組織当接面11bに複数の針状部14を突設し、超音波プローブ6には針状部14と同数の針受け穴15を形成したので、1回の縫合作業時に第1の実施の形態に比べて広い範囲の縫合が可能となる。
【0057】
また、図9(A)〜(C)乃至図12は本発明の第6の実施の形態を示すものである。図9(A)は本実施の形態の超音波縫合器のハンドピース41全体の概略構成を示すものである。このハンドピース41には超音波ユニット42と、この超音波ユニット42をハンドピース41の中心軸方向に移動可能に保持するハンドピース本体41aとが設けられている。
【0058】
さらに、超音波ユニット42には第1の実施の形態(図1乃至図4(A),(B)参照)と同様に超音波振動子43と、ホーン44と、超音波プローブ45とが設けられている。ここで、超音波振動子43はホーン44を介して超音波プローブ45に連結されている。
【0059】
また、ハンドピース本体41aには超音波ユニット42の超音波プローブ45を挿通する細径な管体46と、この管体46の基端部に連結された大径な振動子保持部47とが設けられている。そして、振動子保持部47内に超音波振動子43がハンドピース41の中心軸方向に移動可能に保持されている。
【0060】
さらに、振動子保持部47には超音波ユニット42のスライド動作をガイドするガイド穴48が形成されている。このガイド穴48には超音波振動子43に突設された突起部49が挿入されている。
【0061】
また、振動子保持部47の外側には超音波振動子43の突起部49に嵌着されるグリップ50が配設されている。そして、このグリップ50の操作にともない超音波ユニット42をハンドピース本体41a内でハンドピース41の中心軸方向に沿ってスライド移動させるようになっている。このとき、超音波ユニット42の超音波プローブ45の先端部は管体46の先端開口部から外部側に突没可能になっている。
【0062】
また、管体46の先端部には略C字状の針支持アーム51が延設されている。この針支持アーム51の先端部には生体組織当接面52が設けられている。この生体組織当接面52には先端鋭利な針状部53が突設されている。ここで、針支持アーム51の生体組織当接面52は管体46の先端開口部から超音波プローブ45が突出する側の側面に配置されている。
【0063】
さらに、本実施の形態の針状部53は管体46の先端開口部から突出する超音波プローブ45の方向に向けて突設されている。そして、この針状部53は図9(B)に示すようにハンドピース41の正面側から見て略円弧状に湾曲する曲針によって形成されている。
【0064】
また、超音波プローブ45の先端部中央には図9(C)に示すようにスリット状の針受け溝(針受け部)54が設けられている。そして、超音波ユニット42が前進した際に、針状部53の根元付近が針受け溝54のスリット内に収まるような位置関係となっている。
【0065】
また、超音波プローブ45の先端部には、円形断面の上下を切欠して2面の平面55a,55bが形成されている。さらに、針支持アーム51の生体組織当接面52側との対向面側の平面55bの先端部には図9(A)に示すように先端側に向かうにしたがって生体組織当接面52から離れる滑らかな斜面56が形成されている。そして、超音波プローブ45の先端部は、この斜面56から連なる生体組織当接面52との対向面側の平面55bの部分までが生体組織作用面57となる。
【0066】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の超音波縫合器のハンドピース41の使用時には予め超音波プローブ45の先端部がハンドピース本体41aの管体46の先端開口部の内部側に引き込まれた初期位置で保持されている。この状態で、図10に示すように縫合したい2つの生体組織H31,H32を針状部53に引っかける。
【0067】
その後、グリップ50の操作にともない超音波ユニット42を前方向にスライド移動させて超音波プローブ45を前進させる。このとき、超音波プローブ45の先端部の斜面56から徐々に生体組織H31,H32を針支持アーム51の生体組織当接面52側に押圧してこれらの生体組織H31,H32を押え込む。その結果、図11に示すように超音波プローブ45の先端の作用面57と、針支持アーム51の生体組織当接面52との間に生体組織H31,H32を挟み込んだ状態となる。
【0068】
このとき、図12に示すように超音波プローブ45の針受け溝54には針状部53の根元付近が入り込むので、超音波プローブ45を先端側に十分に前進させることができるので、生体組織H31,H32を確実に押さえつけることができる。そして、図11、12に示すように超音波プローブ45の先端の作用面57と、針支持アーム51の生体組織当接面52との間で生体組織H31,H32を確実に押さえつけた状態で、超音波を発振し、生体組織H31,H32を縫合する。
【0069】
そこで、上記構成のものにあっても第1の実施の形態と同様の効果が得られる他、本実施の形態では特に、グリップ50の操作にともない超音波ユニット42を前方向にスライド移動させて超音波プローブ45を前進させる動作のみによって超音波プローブ45の先端の作用面57と、針支持アーム51の生体組織当接面52との間で生体組織H31,H32を押さえつけることができる。そのため、第1の実施の形態のようにジョー11を開閉操作する開閉機構を省略できるので、ジョー11の開閉機構を設ける場合に比べて、構造が単純であり、安く作れる。
【0070】
また、針状部53として大きな曲率の曲針が使用できるので、縫合したい生体組織H31,H32のたぐりよせが容易にできる。さらに、本実施の形態のように針状部53として曲針を使用した場合には、通常の手術の様に、ハンドピース本体41aのグリップを握って手首を返すことにより生体組織H31,H32が拾えるため、生体組織H31,H32への針状部53の穿刺が容易となる。
【0071】
また、図13は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態の超音波縫合器のハンドピース61には超音波ユニット62と、ハンドピース本体63とが設けられている。ここで、超音波ユニット62には第1の実施の形態(図1乃至図4(A),(B)参照)と同様に超音波振動子と、ホーンと、超音波プローブ64とが設けられている。
【0072】
さらに、この超音波ユニット62の超音波プローブ64の先端部はハンドピース本体63の前方に延出されている。そして、この超音波プローブ64の先端部には生体組織作用面65が形成され、この生体組織作用面65に針受け穴66が設けられている。
【0073】
また、ハンドピース本体63の先端部には超音波プローブ64の生体組織作用面65に対して適宜の拡開角度に開いた可動針保持部67が設けられている。この可動針保持部67には略円弧状の可動針68を収納するガイド穴67aが設けられている。さらに、可動針68の先端部には超音波プローブ64の先端の作用面65と対応する(当接する)位置に生体組織を押し付けるための生体組織当接面69が設けられている。
【0074】
また、可動針68の生体組織当接面69には先端鋭利な針状部70が突設されている。この針状部70は超音波プローブ64の針受け穴66に挿入可能になっている。さらに、可動針68の外面には歯車の歯71が設けられている。
【0075】
また、ハンドピース本体63の先端部には可動針68をガイド穴67aに沿って進退駆動する針駆動機構72が組込まれている。この針駆動機構72には可動針68の歯71と噛み合うギア73と、このギア73と噛み合うはすば歯車74とを組み合わせた歯車機構が設けられている。
【0076】
さらに、ハンドピース本体63の内部にはすば歯車74を回転駆動する駆動軸75が設けられている。この駆動軸75はハンドピース本体63の手元側に延出され、図示しない手元側の操作部の操作によって回転駆動されるようになっている。
【0077】
そして、この駆動軸75の回転によってはすば歯車74およびギア73を介して可動針68がガイド穴67aに沿って進退駆動されるようになっている。ここで、可動針68がガイド穴67aの外部側に突出する方向に駆動される場合には針状部70は超音波プローブ64の針受け穴66に挿入されるとともに、可動針68の生体組織当接面69が超音波プローブ64の先端の作用面65に当接する方向に移動され、可動針68の生体組織当接面69と超音波プローブ64の先端の作用面65との間で生体組織が挟まれるようになっている。
【0078】
そこで、上記構成のものにあっては2つの生体組織を縫合する作業時には、可動針68の針状部70を縫合したい生体組織などに穿刺することで、狙った生体組織を確実容易に引き寄せることができる。さらに、縫合作業時には、可動針68の針状部70により生体組織を穿刺固定した状態で超音波をかけることができるので、超音波振動により、生体組織が可動針68の生体組織当接面69と超音波プローブ64の先端の作用面65との間からすべり落ちたり、ずれたりするおそれがない。そのため、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる。したがって、本実施の形態でも生体組織を縫合する作業時には、第1の実施の形態と同様に体内に異物を残さず、安価に生体組織の縫合を行うことができるとともに、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる。
【0079】
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 体組織を縫合する縫合器であって、以下よりなる。
超音波振動子と、それに接続され先端に超音波振動を伝達する超音波プローブと、超音波プローブ先端に設けられた作用面、
超音波プローブに対して相対的に可動する可動ジョーと、可動ジョーの先端にプローブ作用面と対向する位置に設けられた組織当接面、
組織当接面もしくは作用面のいずれか、もしくはその両方から突出する少なくとも1つの針状部、
当接面もしくは作用面のいずれか、もしくは両側の、前記針状部の設けられた面に対向する側に、針状部と同じ数設けられた針状部を受ける針受け穴、よりなる。
【0080】
(付記項2) 付記項1の針状部はプローブもしくはジョーより着脱自在。
【0081】
(付記項3) 付記項1のプローブとジョーは着脱自在。
【0082】
(付記項4) 付記項1の針状部は曲がり針。
【0083】
(付記項1〜4の従来技術) 通常、外科手術で組織を縫合する場合には以下のような方法が行われている。
・糸を針に装着して、縫合したい組織の両側に針を通し、そこに糸をかけることで、縫合したい組織面を引き合わせ、糸を縛り、組織を縫合する。伝統的手法であり、外科医の好みに合わせた吻合が可能。一針づつ縫合するため、細かな組織の縫合が可能。
【0084】
・それぞれの縫合したい組織にあわせた自動縫合器(特開平6−30944号公報に開示されるような)と呼ばれる器械により、縫合したい組織にステープラを打ち込んで縫合する。自動的に吻合等を行うため、縫合したい組織を引き合わせるために縫合前の事前準備が必要。器械で自動的に行うため、術者の技量に寄らず、安定した縫合が可能。比較的大きな範囲を一括に縫合ができ時間の短縮ができる。
【0085】
・上記2方法はいずれも糸やステープラ等の異物を残すことが問題となることがあるが、最近ではこれらを生体吸収性材料にて作ったものも出てきている。
・その他、体内に異物を残さずに組織同士を接合する方法としては、エネルギーを生体組織に加えて管状物やそれを含む組織を接合し、結紮する種類のものが出てきている。例えば、EP0830845A1に示される超音波により血管などの超音波凝固切開装置などがある。
【0086】
・超音波によるものは、超音波プローブとジョーにより組織をはさんで超音波振動をプローブより加えることで、まずはさんでつぶされた管状物の壁面同士が超音波により接合して結紮され、さらなる超音波振動の印加で組織が切断される。結紮と切断が連続して行われ処置時間が早くなること、クリップや糸などの異物を体内に残さずに組織が接合されることが利点としてある。
【0087】
(付記項1〜4が解決しようとする課題) 従来行われている縫合法は、どれもメリットあるが、体内に異物を残す。また、生体吸収性の素材からできている物もあるが、当然しばらくの間異物を残すことになるし、消耗品の使用であり費用がかかる。
【0088】
超音波凝固切開装置は組織を接合することができるが、これは組織を結紮、切離するものであり、縫合にはむいていない。すなわち、縫合するためには、縫合したい対象たる複数の組織を引き寄せ縫合面をあわせなければならないが、前記超音波凝固切開装置では、うまく縫合したい部位をはさむためには、事前に組織同士を寄せておくという作業が必要となり、作業が煩雑になるばかりでなく、細かな縫合も難しいことが予想される。また、超音波をかけると挟んだ組織が滑りやすくなることも、この作業を難しくするものと考えられる。
【0089】
(付記項1〜4の目的) よって本発明の課題は、体内に異物を残さず、安価に組織の縫合を行うことである。さらに、その作業を容易に、確実に、組織同士を引き合わせて縫合可能とする器具を提供することである。
【0090】
(付記項1〜4の課題を解決するための手段) 体組織を縫合する縫合器を以下のように構成した。
超音波振動子と、それに接続され先端に超音波振動を伝達する超音波プローブと、超音波プローブ先端に設けられた作用面、
超音波プローブに対して相対的に可動する可動ジョーと、可動ジョーの先端にプローブ作用面と対向する位置に設けられた組織当接面、
組織当接面もしくは作用面のいずれか、もしくはその両方から突出する少なくとも1つの針状部、
当接面もしくは作用面のいずれか、もしくは両側の、前記針状部の設けられた面に対向する側に、針状部と同じ数設けられた針状部を受ける針受け穴、を備える。
【0091】
上記構成の縫合器を使用して組織を縫合する際には、針状部にて縫合したい組織と組織に針を通すことで、縫合したい組織を引き合わせる。ついで可動ジョーを閉じると、針状部は対向する面に設けられている針受け穴に入り、ついで、組織は組織作用面と当接面の両面の間に挟み込み、組織の接合したい面同士を合わせる。上記作業により、縫合したい組織が両面の間に把持され、接合に適当な力量での把持が可能となる。この状態で超音波振動をかけ、超音波により、当接した組織面間で組織を接合する。可動ジョーを動かし、接合した組織から針を抜いて縫合終了。別の部位を縫合する場合には、上記を繰り返す。
【0092】
(付記項1〜4の効果) 本発明は、縫合に異物を使用せず、安価にこれを行い、また、その作業は極めて容易に、確実に縫合したい組織を引き寄せ縫合できるようにした。針状部を組織当接面か組織作用面のいずれかに設けたことで、縫合したい組織を穿刺することで、狙った組織を確実容易に引き寄せることが可能となり、また、針状部を受ける針受け穴をその対向面に設けたことで、その穿刺された組織を当接面、作用面で、適度な力量にて挟み込む事が可能となり、また、この状態で超音波プローブから挟み込まれた組織に対してエネルギーを加えることで、組織が接合されるため、体内に異物を残さずに組織の縫合が可能となった。また、縫合中針により組織を穿刺固定した状態で超音波をかけるため、超音波振動により、組織がすべり落ちたり、ずれたりして思い通りの縫合ができないということもない。また、組織が接合された部位は超音波の凝固作用により凝固されており、縫合後の出血もない。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば超音波プローブと、この超音波プローブの先端部に対して相対的に開閉動作するジョーとの対向面のいずれか一方、もしくはその両方から突出する針状部を設けるとともに、超音波プローブとジョーとの対向面に針状部を受ける針受け部を形成したので、体内に異物を残さず、安価に生体組織の縫合を行うことができるとともに、生体組織同士を引き合わせて縫合する作業を容易に、確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の超音波縫合器全体の概略構成図。
【図2】 第1の実施の形態の超音波縫合器の使用状態を説明するもので、(A)は縫合したい生体組織間に針を通した状態を一部断面にして示す要部の側面図、(B)は超音波プローブとジョーとの間に生体組織を挟み込んだ状態を一部断面にして示す要部の側面図、(C)は生体組織の縫合作業の終了後にジョーを開いた状態を一部断面にして示す要部の側面図。
【図3】 (A)は第1の実施の形態の超音波縫合器による血管の吻合部を示す要部の斜視図、(B)は同部分を示す要部の縦断面図。
【図4】 (A)は第1の実施の形態の超音波縫合器による埋没縫合を行う生体組織間に針を通した状態を示す要部の縦断面図、(B)は第1の実施の形態の超音波縫合器による生体組織の埋没縫合部を示す要部の縦断面図。
【図5】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、(A)は内視鏡下手術に使用される超音波縫合器のハンドピースを示す側面図、(B)は(A)のB部分を拡大して示す要部の縦断面図。
【図6】 本発明の第3の実施の形態における超音波縫合器のハンドピースの超音波プローブとジョーとの間の開閉部を示す要部の縦断面図。
【図7】 本発明の第4の実施の形態における超音波縫合器のハンドピースの超音波プローブとジョーとの間の開閉部を示す要部の縦断面図。
【図8】 本発明の第5の実施の形態における超音波縫合器のハンドピースの超音波プローブとジョーとの間の開閉部を示す要部の縦断面図。
【図9】 本発明の第6の実施の形態を示すもので、(A)は超音波縫合器のハンドピースを示す要部の縦断面図、(B)は針状部を示す正面図、(C)は超音波プローブの先端の針受け溝を示す平面図。
【図10】 第6の実施の形態の超音波縫合器の針状部に縫合したい生体組織を引っかけた状態を示す要部の縦断面図。
【図11】 第6の実施の形態の超音波縫合器の超音波プローブとジョーとの間に生体組織を挟み込んだ状態を示す要部の縦断面図。
【図12】 第6の実施の形態の超音波縫合器の超音波プローブとジョーとの間に生体組織を挟み込んだ部分を示す要部の平面図。
【図13】 本発明の第7の実施の形態の超音波縫合器を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
4 超音波振動子
6、28、45、64 超音波プローブ
11、30 ジョー
14、32、53、70 針状部
15、33、66 針受け穴(針受け部)
54 針受け溝(針受け部)
Claims (4)
- 超音波振動子と、
この超音波振動子に接続され、先端側に設けられた作用面を有し、前記超音波振動子の振動を前記作用面に伝達する超音波プローブと、
この超音波プローブの作用面に相対して生体組織に当てる当接面を有し、前記作用面と前記当接面との間に生体組織を挟み込む動作が可能なジョーと、
このジョーの当接面から突き出して設けられ、縫合しようとする複数の生体組織に突き刺してその複数の生体組織を保持する針状部と、
を具備し、
前記針状部に突き刺した複数の生体組織を、前記超音波プローブの作用面と前記ジョーの当接面との間で把持して超音波により縫合することを特徴とする超音波縫合器。 - 前記超音波プローブの作用面と前記ジョーの当接面との間で前記生体組織を把持するとき、前記針状部を前記作用面から逃す針受け部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の超音波縫合器。
- 複数の針状部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波縫合器。
- 前記針状部は曲針であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波縫合器。
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