JP3791507B2 - 留め付けユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,建築物の構造躯体に固定した金属下地に外壁板を留め付けるための留め付けユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,建築物の構造躯体に,縦胴縁等の下地材を介して,外壁板を釘やビス,或いは留め付け金具等を使用して固定してなる外壁施工構造がある(特許文献1)。
該外壁施工構造において,外壁板を横張り施工する場合,上記縦胴縁を,上記構造躯体における縦柱である管柱,間柱等に,防水紙を介して固定することで,外壁板を留め付けるための下地が構築される。
上記縦胴縁としては,通常,木製のものが使用され,重量物である外壁板を構造躯体にしっかりと固定するため,当然に,その上下にわたり,上記管柱や間柱の前面上に配置して釘打ち固定される。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−336269号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の外壁施工構造においては,重量物である外壁板は,あくまでも縦胴縁等の下地材に留め付けられているのであって,外壁板の留め付け力は,下地材が構造躯体に対して,如何にしっかりと固定されているかにかかっているといえる。外壁板の表面から直接釘を打つ釘打ち施工では,下地材の厚みバラツキに起因して,不陸の発生などの下地構築不良が生ずることも考えられ,そのような場合には施工外観を損ねると共に,外壁板の留め付け力を低下させるおそれがある。
【0005】
一方,既存外壁面を下地としてそのまま使用する外壁リフォームの場合には,既存外壁面の下地となっている縦胴縁等の固定位置を表側から把握するのは困難であり,また,縦胴縁が使用されずに構造躯体に直接外壁板が留め付けられている直張り施工の場合であっても,やはり構造躯体である縦材の位置を表側から把握するのは困難であると言わざるを得ない。
従って,外壁リフォームの場合,外壁板を胴縁や縦材に確実に固定できなくなるおそれがあり,外壁板の留め付け力の面で不安材料がある。そのため,既存外壁面上に新たな下地を構築する必要があり,施工コストアップを招くおそれがある。
【0006】
かかる問題に対して,出願人は本願に先立ち,施工容易かつ強度の高い外壁施工構造を得るべく,建築物の構造躯体に固定した金属下地に外壁板を留め付けてなる外壁施工構造を提案した(特願2002−018596,特願2002−122804)。
【0007】
該外壁施工構造における上記金属下地は,上記構造躯体に,それぞれ略水平方向に固定された複数の金属ランナーと,該複数の金属ランナーに略垂直方向に固定された複数の金属胴縁とを有する(図7,図8参照)。
図18に示すごとく,外壁板4は,金属胴縁32に配設された留め付けユニット9に,上辺部41及び下辺部42を係止させることにより,上記金属胴縁32に留め付けられている。
【0008】
また,図17,図18に示すごとく,上記留め付けユニット9は,上記外壁板4に係止する留め付け金具95と,該留め付け金具95の背面に配置された不陸調整板96とを有する。該不陸調整板96は,上記留め付け金具95に対して上下にスライドすることにより,上記金属胴縁32と上記留め付け金具95との互いの位置関係を前後方向に変化させることができる。これにより,金属下地3の不陸調整を容易に行うことができる。
【0009】
しかし,上記留め付けユニット9には,以下に示すごとく改良の余地がある。即ち,上記留め付けユニット9は,上記不陸調整板96を,上記留め付け金具95に対して上下動させて,上記金属下地3の不陸調整を行った後,固定ネジ98によって金属胴縁32に固定される。
【0010】
ところが,上記固定ネジ98をねじ込む際,上記不陸調整板96と上記留め付け金具95とが互いに滑ってしまい,適切な位置に配置したはずの不陸調整板96が,上下にずれてしまうおそれがある。これにより,金属下地3の不陸調整を正確に行うことが困難となるおそれがあるという問題がある。
【0011】
また,図18に示すごとく,上記留め付けユニット9は,その背面において上記固定ネジ98に螺合した係合板99を有する。そして,該係合板99が上記金属胴縁32における一対の前板323に係合することにより,上記留め付けユニット9は金属胴縁32に留め付けられる。
ところが,上記固定ネジ98のネジ頭981を支持する留め付け金具95の中央後退部953が傾斜している。そのため,図19に示すごとく,ねじ込み作業の際,固定ネジ98も金属胴縁32に対して斜めの状態となり,更に固定ネジ98に螺合された上記係合板99も金属胴縁32に対して斜めになってしまうことがある。
【0012】
この場合,上記係合板99が,部分的に上記金属胴縁32の内壁に引掛かり,円滑な回転(図13〜図15参照)を妨げ,その結果,固定作業が困難となるという問題がある。即ち,上記固定ネジ98を完全にねじ込む前に,上記係合板99が,金属胴縁32の内壁に引掛かってしまい,ねじ込み作業が困難となる。
また,ねじ込みが不充分となることにより,充分な強度で上記留め付けユニット98を金属胴縁32に固定することが困難となるという問題もある。
【0013】
本発明は,上記の問題点に鑑みてなされたもので,金属下地の不陸調整を容易かつ正確に行うことができ,かつ金属下地への固定を容易かつ確実に行うことができる留め付けユニットを提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は,建築物の構造躯体に固定した金属下地に外壁板を留め付けるための留め付けユニットであって,
該留め付けユニットは,上記外壁板の上辺部又は下辺部に係合する留め付け金具と,該留め付け金具の背後に配置され上記留め付け金具の前後方向の位置を調整するための不陸調整板と,上記金属下地を構成する金属胴縁に上記留め付けユニットを固定するための固定ネジと,該固定ネジに螺合すると共に上記金属胴縁に係合する係合板とを有すると共に,上記不陸調整板が上記留め付け金具に対して上下にスライドすることにより,上記金属下地と上記留め付け金具との互いの位置関係を前後方向に変化させることができるよう構成されており,
上記留め付け金具は,上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方に立設された支承部と,該支承部から斜め上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部から斜め下方へ屈曲した下板係止部と,上記基板部の上部及び下部においてそれぞれ後方に後退した上方脚部及び下方脚部と,上記支承部の上方において傾斜しつつ後方に後退した中央後退部とを有すると共に,該中央後退部には,上記固定ネジを挿通させる中央穴と,該中央穴の左右において後方へ突出した突起部とを形成してなり,
上記固定ネジは,上記留め付け金具の上記中央穴及び上記不陸調整板の上記長穴に挿通すると共に,上記不陸調整板の後方において上記係合板と螺合されており,
上記金属胴縁は,平板状の背板と,該背板の幅方向の端部から前方へ立設した一対の立設板と,各立設板の前端から互いに向き合う方向に屈曲された一対の前板とを有し,
上記係合板は,上記金属胴縁における上記一対の前板に係合することができるよう構成されており,
上記不陸調整板は,上記留め付け金具における上記上方脚部,下方脚部,中央後退部をそれぞれ当接させると共に略同程度の角度で前方へ傾斜した,上方傾斜部,下方傾斜部,中央傾斜部を有し,該中央傾斜部には,上記固定ネジを挿通することができる上下方向に長い長穴と,該長穴の左右において該長穴に連続して上下方向に複数個形成されると共に上記留め付け金具の上記突起部を嵌入させることができる嵌入部と,上記長穴の周囲において背面に突出した円弧状の背面リブとを設けてなり,
上記不陸調整板は,上記背面リブの外周面を,上記金属胴縁における一対の前板の端辺に当接させた状態で,上記金属胴縁の前面に配設することができるよう構成されており,
かつ,上記留め付け金具は,上記中央穴の周囲の一部に,上記中央後退部から前方に隆起した隆起支持部を有し,該隆起支持部によって上記中央穴に挿通する固定ネジのネジ頭を支持して,上記固定ネジを上記金属下地に対して略垂直となる状態で固定することができるよう構成してあることを特徴とする留め付けユニットにある(請求項1)。
【0015】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記留め付けユニットは,上記不陸調整板を有する。そして,該不陸調整板は,上記留め付け金具に対して上下にスライドすることにより,上記金属下地と留め付け金具との互いの位置関係を前後方向に変化させることができる。そのため,上記金属下地の不陸調整を容易に行うことができる。
【0016】
また,上記留め付け金具は上記突起部を形成してなり,上記不陸調整板は上記突起部を嵌入させる嵌入部を上下方向に複数個形成してなる。これにより,上記不陸調整板を上記留め付け金具に対して上下にスライドさせて,上記複数の嵌入部のうちの適切な位置にあるものに上記突起部を嵌入させることができる。上記嵌入部に上記突起部を嵌入させた状態においては,上記留め付け金具と不陸調整板とは,互いに上下方向に滑ることがない。
【0017】
それ故,上記留め付けユニットを金属下地に固定するに当っては,不陸調整が正確になされる所望の嵌入穴に上記突起部を嵌入させた状態で,上記留め付けユニットを,固定ネジによって上記金属下地に固定する。これにより,上記固定ネジで固定する前に正確な位置に配置した不陸調整板が,固定ネジのねじ込み作業の際に上下にずれることがない。
そのため,上記金属下地の不陸調整を容易かつ正確に行いつつ,留め付けユニットを金属下地に固定することができる。
【0018】
また,上記留め付けユニットは上記隆起支持部を有し,該隆起支持部が上記固定ネジのネジ頭を支持することにより,上記金属下地に対して略垂直となる状態で固定することができるよう構成されている。そのため,上記固定ネジ及び上記係合板が金属下地に対して斜めの状態となることを防ぐことができる。
それ故,上記留め付けユニットを金属下地にネジ固定する際に,上記係合板が円滑に回転可能となり,固定作業が容易となる。また,これにより,ねじ込みが不充分となるおそれがなく,充分な強度で上記留め付けユニットを金属下地に固定することができる。
【0019】
以上のごとく,本発明によれば,金属下地の不陸調整を容易かつ正確に行うことができ,かつ金属下地への固定を容易かつ確実に行うことができる留め付けユニットを提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明(請求項1)において,上記突起部は,例えば,後方へ0.1〜1.0mm程度突出した略半球形状とすることができる。
また,上記隆起支持部は,例えば上記中央穴の下側に配設することができる。
なお,本明細書においては,建築物の外側方向を「前」,内側方向を「後」として表現し,上記留め付けユニットについても,施工された状態において,建築物の外側方向を「前」,内側方向を「後」として表現する。
【0021】
また,上記突起部は上記中央穴の左右に形成され,上記嵌入部は上記長穴の左右において該長穴に連続して形成されている。
これにより,金属下地の不陸調整を,一層容易かつ正確に行うことができる。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例にかかる留め付けユニットにつき,図1〜図16を用いて説明する。
上記留め付けユニット1は,図7〜図10に示すごとく,建築物の構造躯体2に固定した金属下地3に外壁板4を留め付けるためのものである。
【0023】
図1,図2,図9に示すごとく,上記留め付けユニット1は,上記外壁板4の上辺部41又は下辺部42に係合する留め付け金具5と,該留め付け金具5の背後に配置され上記留め付け金具5の前後方向の位置を調整するための不陸調整板6とを有する。
【0024】
上記留め付け金具5は,図1〜図3,図9に示すごとく,上記外壁板4の裏側面46に当接する基板部51と,該基板部51から前方に立設された支承部52と,該支承部52から斜め上方へ屈曲した上板係止部53と,上記支承部52から斜め下方へ屈曲した下板係止部54とを有する。上記基板部51には,上記留め付けユニット1を上記金属下地3に固定するための固定ネジ57を挿通させる中央穴514を形成してなる。
また,上記上板係止部53及び下板係止部54の前方には,前方平板部534が形成されている。
【0025】
上記不陸調整板6は,図1,図4,図6に示すごとく,上記固定ネジ57を挿通することができる上下方向に長い長穴64を形成してなる。
また,上記不陸調整板6は,上記留め付け金具5に対して上下にスライドすることにより,上記金属下地3と上記留め付け金具5との互いの位置関係を前後方向に変化させることができるよう構成されている。
【0026】
また,図1〜図3,図5,図6に示すごとく,上記留め付け金具5は,上記基板部51において後方へ突出した突起部11を形成してなる。そして,図1,図4〜図6に示すごとく,上記不陸調整板6は,上記留め付け金具5の突起部11を嵌入させる嵌入部12を上下方向に複数個形成してなる。
【0027】
また,図1に示すごとく,上記留め付け金具5の基板部51は,その上部及び下部においてそれぞれ後方に後退した上方脚部511及び下方脚部512を有する。また,上記基板部51は,上記支承部52の上方において後方に後退した中央後退部513を有する。
【0028】
また,上記不陸調整板6は,上記留め付け金具5における上方脚部511,下方脚部512,中央後退部513をそれぞれ当接させると共に略同程度の角度で前方へ傾斜した,上方傾斜部61,下方傾斜部62,中央傾斜部63を有している。
そして,図1,図3に示すごとく,上記突起部11は,上記中央後退部513に形成されており,図1,図4に示すごとく,上記嵌入部12は,上記中央傾斜部63に形成されている。
【0029】
また,図1〜図3に示すごとく,上記留め付け金具5は,上記中央穴514の周囲の一部(下側部分)に,上記中央後退部513から前方に隆起した隆起支持部55を有する。そして,図1,図9に示すごとく,該隆起支持部55によって上記中央穴514に挿通する固定ネジ57のネジ頭571の裏面を支持して,上記固定ネジ57を上記金属下地3に対して略垂直となる状態で固定することができる。その結果,上記係合板19が上記金属胴縁32に対して略平行となる状態で固定することができる。
【0030】
また,図4〜図6に示すごとく,上記中央穴514は,上記中央後退部513に形成され,上記突起部11は,上記中央穴514の左右に形成されている。上記長穴64は,上記中央傾斜部63に形成され,上記嵌入部12は,上記長穴64の左右において該長穴64に連続して形成されている。
【0031】
また,図3,図5に示すごとく,上記突起部11は,後方へ0.1〜1.0mm程度突出した半球形状に形成されている。そして,上記突起部11は,左右に一対形成されている。
また,図4〜図6に示すごとく,上記左右一対の突起部11に対応して,左右一対に形成された上記嵌入部12が,上下方向に4組形成されている。
また,上記隆起支持部55は,上記留め付け金具5の中央後退部513の下端部から前方へ1〜5mm隆起しており,その幅は1〜5mmである。
【0032】
また,図4,図6に示すごとく,上記不陸調整板6は,背面に突出した背面リブ65を円弧状に形成してなる。該背面リブ65の外周面は,図11に示すごとく,上記金属胴縁32における一対の前板323の端辺に当接する。
【0033】
上記留め付けユニット1を用いて,図7,図8に示す外壁施工構造8を施工するにあたり,金属下地3の不陸調整を以下のように行う。
上記不陸調整板6が上記留め付け金具5に対して上方へスライドした状態で固定ネジ57を締めると,上記留め付け金具5と上記金属下地3との前後方向の距離が小さくなる。また,上記不陸調整板6が上記留め付け金具5に対して下方へスライドした状態で固定ネジ57を締めると,上記留め付け金具5と上記金属下地3との前後方向の距離が大きくなる。
【0034】
このとき,図5,図6に示すごとく,上記留め付け金具5の突起部11を,上記不陸調整板6における四対の嵌入穴12のうちのいずれか適切な位置にあるものに嵌入させた状態で,上記固定ネジ57を締める。即ち,上記四対の嵌入穴12のうち下方の嵌入穴12(例えば最下段の嵌入穴122)に突起部11を嵌入させた場合には,上記留め付け金具5と上記金属下地3との前後方向の距離が小さくなる。逆に,上記四対の嵌入穴12のうち上方の嵌入穴12(例えば最上段の嵌入穴121)に突起部11を嵌入させた場合には,上記留め付け金具5と上記金属下地3との前後方向の距離が大きくなる。
【0035】
このように,上記不陸調整板6を上下にスライドさせることにより,上記留め付け金具5の金属胴縁32に対する前後方向の位置を確実に変化させることができるので,留め付け金具5により留め付ける外壁板4の表面位置が一定となるように調整することができる。
【0036】
また,上記固定ネジ57を締める際には,図9に示すごとく,上記固定ネジ57のネジ頭571の裏面を上記隆起支持部55に支持させる。上記留め付け金具5の中央後退部513は,上方よりも下方が後方へ後退するように傾斜している。しかし,上記隆起支持部55が上記中央穴514の下側に配設されていることにより,該中央穴514に挿通する固定ネジ57のネジ頭571の裏側面は,金属下地3と略平行な状態で,上記隆起支持部55及び中央後退部513に当接する。
従って,上記固定ネジ57は,上記金属下地3に対して略垂直となる状態で固定される。
【0037】
次に,本例の留め付けユニット1を用いた外壁施工構造8につき説明する。
上記外壁施工構造8は,図7,図8に示すごとく,建築物の構造躯体2に固定した金属下地3に外壁板4を留め付けてなる。
上記金属下地3は,上記構造躯体2に,それぞれ略水平方向に固定された複数の金属ランナー31と,該複数の金属ランナー31に略鉛直方向に固定された複数の金属胴縁32とを有する。
【0038】
上記外壁板4は,図8〜図10に示すごとく,上記金属胴縁32に配設された留め付けユニット1又はスタータ金具82に,上辺部41及び下辺部42を係止させることにより,上記金属下地3に留め付けられている。
また,図12に示すごとく,上記金属ランナー31と上記金属胴縁32とは,長手方向に直交する断面が同形状,同寸法であると共に,同材料からなる。
【0039】
また,上記金属下地3の材質は,例えば,鉄,アルミ,ステンレス鋼等である。また,上記金属ランナー31及び金属胴縁32は,約1.2mmの厚みに成形することにより,断面略C字形状の長尺体として形成されている(図12)。
【0040】
また,図7に示すごとく,上記構造躯体2における土台柱21と胴差し22とにそれぞれ固定された2本の金属ランナー31の間には,該金属ランナー31と同形状の補強用ランナー310が水平方向に配設されている。該補強用ランナー310は,上記土台柱21と胴差し22との間における複数の管柱23及び間柱24にわたって固定されている。そして,上記補強用ランナー310には,上記金属ランナー31と同様に,上記金属胴縁32が固定されている。
【0041】
上記金属ランナー31及び上記金属胴縁32は,図12に示すごとく,平板状の背板311,321と,該背板311,321の幅方向の端部から前方へ立設した一対の立設板312,322と,各立設板312,322の前端から互いに向き合う方向に屈曲された一対の前板313,323とを有する。
【0042】
また,図9,図11,図13〜図15に示すごとく,上記留め付けユニット1は,その背面において上記固定ネジ57に螺合した係合板19を有する。該係合板19は,上記金属胴縁32における一対の前板323に係合することにより,上記留め付けユニット1を上記金属胴縁32に固定している。
【0043】
上記留め付けユニット1を上記金属胴縁32に固定するに当っては,図13に示すごとく,上記係合板19を上記一対の前板323の間から挿入する。次いで,図14,図15に示すごとく,上記固定ネジ57を締める方向に回転させることにより上記係合板19を回動させると共に前進させ,上記前板323の背面に係合させる。
【0044】
この間,上述のごとく,上記係合板19が上記金属胴縁32の背板321及び前板323に対して略平行な状態となって回転するため,円滑に固定作業を行うことができる。
また,上記スタータ金具82も同様の係合板によって,金属胴縁32に固定されている。
【0045】
また,図16に示すごとく,左右の外壁板4が隣り合う部分に配設される上記留め付けユニット1は,金属胴縁32に固定ネジ183により固定された左右方向に長い固定下板18上に,2個左右に並設され,固定ネジ57によって固定されている。上記固定下板18は,上記金属胴縁32の前板323に当接する中央当接板部181と,該中央当接板部181の左右において上記留め付けユニット1を固定する搭載部182とを有する。そして,該搭載部182の前面は,上記中央当接板部181の後面と略同一平面上に形成されている。これにより,他の部分において金属胴縁32に直接固定される留め付けユニット1と,前後位置が同等となるようにしている(特願2002−122804において提案した)。
【0046】
また,図16に破線で示すごとく,上記外壁施工構造1において,左右の外壁板4の接合部に配設されるハットジョイナー14は,上記左右の留め付け金具5の間における上記固定下板18の前面に配置されている。
【0047】
次に,本例の作用効果につき説明する。
図1に示すごとく,上記留め付けユニット1は,上記不陸調整板6を有する。そして,該不陸調整板6は,上記留め付け金具5に対して上下にスライドすることにより,上記金属下地3と留め付け金具5との互いの位置関係を前後方向に変化させることができる。そのため,上記金属下地3の不陸調整を容易に行うことができる。
【0048】
また,図1〜図3,図5,図6に示すごとく,上記留め付け金具5は上記突起部11を形成してなり,上記不陸調整板6は上記突起部11を嵌入させる嵌入部12を上下方向に複数個形成してなる。これにより,上記不陸調整板6を上記留め付け金具5に対して上下にスライドさせて,上記複数の嵌入穴12のうちのいずれか適切な位置にあるものに上記突起部11を嵌入させることができる。上記嵌入部12に上記突起部11を嵌入させた状態においては,上記留め付け金具5と不陸調整板6とは,互いに上下方向に滑ることがない。
【0049】
それ故,上記留め付けユニット1を金属下地3に固定するに当っては,不陸調整が正確になされる所望の嵌入穴12に上記突起部11を嵌入させた状態で,上記留め付けユニット1を,固定ネジ57によって上記金属下地3に固定する。これにより,上記固定ネジ57で固定する前に正確な位置に配置した不陸調整板6が,固定ネジ57のねじ込み作業の際に上下にずれることがない。
そのため,上記金属下地3の不陸調整を容易かつ正確に行いつつ,留め付けユニット1を金属下地3に固定することができる。
【0050】
また,図1に示すごとく,上記留め付け金具5の上記基板部51は,上記上方脚部511,下方脚部512,及び上記中央後退部513を有する。そして,上記不陸調整板6は,上記留め付け金具5における上記上方脚部511,下方脚部512,中央後退部513をそれぞれ当接させる上方傾斜部61,下方傾斜部62,中央傾斜部63を有している。更に,上記突起部11は,上記中央後退部513の下端部に形成されており,上記嵌入部12は,上記中央傾斜部63に形成されている。
【0051】
これにより,上記不陸調整板6を留め付け金具5に対して上下にスライドさせることにより,容易かつ安定して,上記金属下地3と上記留め付け金具5との互いの位置関係を前後方向に変化させることができる。
【0052】
また,図3に示すごとく,上記中央穴514は,上記中央後退部513に形成され,上記突起部11は,上記中央穴514の左右に形成されている。そして,図4に示すごとく,上記長穴64は,上記中央傾斜部63に形成され,上記嵌入部12は,上記長穴64の左右において該長穴64に連続して形成されている。これにより,金属下地3の不陸調整を,一層容易かつ正確に行うことができる。
【0053】
また,図9に示すごとく,上記留め付けユニット1は上記隆起支持部55を有し,該隆起支持部55が上記固定ネジ57のネジ頭571の裏面を支持することにより,上記金属下地3に対して略垂直となる状態で固定することができるよう構成されている。そのため,上記固定ネジ57及び上記係合板19が金属下地3に対して斜めの状態となることを防ぐことができる。
【0054】
それ故,上記留め付けユニット1を金属下地3にネジ固定する際に,上記係合板19が円滑に回転可能となり,固定作業が容易となる。また,これにより,ねじ込みが不充分となるおそれがなく,充分な強度で上記留め付けユニット1を金属下地3に固定することができる。
【0055】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,金属下地の不陸調整を容易かつ正確に行うことができ,かつ金属下地への固定を容易かつ確実に行うことができる留め付けユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,留め付けユニットの縦断面図。
【図2】実施例における,留め付けユニットの正面図。
【図3】実施例における,留め付け金具の背面図。
【図4】実施例における,不陸調整板の正面図。
【図5】実施例における,突起部と嵌入部の縦断面説明図。
【図6】実施例における,突起部と嵌入部の背面説明図。
【図7】実施例における,外壁施工構造の正面説明図。
【図8】図7のA−A線矢視断面図。
【図9】実施例における,外壁板を留め付けた隣接部留め付けユニットの縦断面図。
【図10】実施例における,留め付けユニットにより外壁板を留め付けた状態を表す正面図。
【図11】実施例における,金属胴縁に固定した留め付けユニットの水平断面図。
【図12】実施例における,金属ライナー又は金属胴縁の斜視図。
【図13】実施例における,金属胴縁への留め付け金具の固定方法の説明図。
【図14】図13に続く,留め付け金具の固定方法の説明図。
【図15】図14に続く,留め付け金具の固定方法の説明図。
【図16】実施例における,留め付けユニットにより,左右に隣り合う外壁板を留め付けた状態を表す正面図。
【図17】従来例における,留め付けユニットの正面図及び断面図。
【図18】従来例における,留め付けユニットにより外壁板を留め付けた状態を表す断面図。
【図19】従来例における,留め付けユニットの問題点を説明する断面説明図。
【符号の説明】
1...留め付けユニット,
11...突起部,
12...嵌入部,
19...係止板,
2...構造躯体,
3...金属下地,
4...外壁板,
5...留め付け金具,
51...基板部,
511...上方脚部,
512...下方脚部,
513...中央後退部,
514...中央穴,
52...支承部,
53...上板係止部,
54...下板係止部,
55...隆起支持部,
57...固定ネジ,
6...不陸調整板,
61...上方傾斜部,
62...下方傾斜部,
63...中央傾斜部,
64...長穴,
8...外壁施工構造,
Claims (2)
- 建築物の構造躯体に固定した金属下地に外壁板を留め付けるための留め付けユニットであって,
該留め付けユニットは,上記外壁板の上辺部又は下辺部に係合する留め付け金具と,該留め付け金具の背後に配置され上記留め付け金具の前後方向の位置を調整するための不陸調整板と,上記金属下地を構成する金属胴縁に上記留め付けユニットを固定するための固定ネジと,該固定ネジに螺合すると共に上記金属胴縁に係合する係合板とを有すると共に,上記不陸調整板が上記留め付け金具に対して上下にスライドすることにより,上記金属下地と上記留め付け金具との互いの位置関係を前後方向に変化させることができるよう構成されており,
上記留め付け金具は,上記外壁板の裏側面に当接する基板部と,該基板部から前方に立設された支承部と,該支承部から斜め上方へ屈曲した上板係止部と,上記支承部から斜め下方へ屈曲した下板係止部と,上記基板部の上部及び下部においてそれぞれ後方に後退した上方脚部及び下方脚部と,上記支承部の上方において傾斜しつつ後方に後退した中央後退部とを有すると共に,該中央後退部には,上記固定ネジを挿通させる中央穴と,該中央穴の左右において後方へ突出した突起部とを形成してなり,
上記固定ネジは,上記留め付け金具の上記中央穴及び上記不陸調整板の上記長穴に挿通すると共に,上記不陸調整板の後方において上記係合板と螺合されており,
上記金属胴縁は,平板状の背板と,該背板の幅方向の端部から前方へ立設した一対の立設板と,各立設板の前端から互いに向き合う方向に屈曲された一対の前板とを有し,
上記係合板は,上記金属胴縁における上記一対の前板に係合することができるよう構成されており,
上記不陸調整板は,上記留め付け金具における上記上方脚部,下方脚部,中央後退部をそれぞれ当接させると共に略同程度の角度で前方へ傾斜した,上方傾斜部,下方傾斜部,中央傾斜部を有し,該中央傾斜部には,上記固定ネジを挿通することができる上下方向に長い長穴と,該長穴の左右において該長穴に連続して上下方向に複数個形成されると共に上記留め付け金具の上記突起部を嵌入させることができる嵌入部と,上記長穴の周囲において背面に突出した円弧状の背面リブとを設けてなり,
上記不陸調整板は,上記背面リブの外周面を,上記金属胴縁における一対の前板の端辺に当接させた状態で,上記金属胴縁の前面に配設することができるよう構成されており,
かつ,上記留め付け金具は,上記中央穴の周囲の一部に,上記中央後退部から前方に隆起した隆起支持部を有し,該隆起支持部によって上記中央穴に挿通する固定ネジのネジ頭を支持して,上記固定ネジを上記金属下地に対して略垂直となる状態で固定することができるよう構成してあることを特徴とする留め付けユニット。 - 請求項1において,上記突起部は,後方へ0.1〜1.0mm突出した略半球形状を有することを特徴とする留め付けユニット。
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