JP3791140B2 - 水混練用黒鉛含有不定形耐火物およびその施工方法 - Google Patents

水混練用黒鉛含有不定形耐火物およびその施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水混練用黒鉛含有不定形耐火物およびその施工方法に関し、とくに、定形耐火物と同程度に黒鉛を均一に含有し得る不定形耐火物とその施工技術についての提案である。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属容器あるいは高温炉などの製作および補修にあたり、築炉職人の不足あるいは施工時の人件費削減の目的などから、近年、不定形耐火物が広く使用されるようになってきた。例えば、高炉主樋や混銑車、製鋼取鍋などには、 Al2O3−MgO や Al2O3−SiC などの不定形耐火物材料が使用されている。
【0003】
しかしながら、この不定形耐火物材料は、工業窯炉用の定形耐火物として広く使用されている MgO−C に代表される黒鉛含有耐火物の代替材料としては、実際のところ使用されていないのが実情である。その理由としては、黒鉛の特徴である疎水性に起因して、水への分散性が極めて低いことが挙げられる。
【0004】
不定形耐火物は一般に、各種耐火物材料を水と混練して施工部位へ流し込み、凝結させるものであるから、流し込み時に各種耐火物材料を水中で十分均一に分散させておく必要がある。というのは、耐火物材料の分散状態が均一でないと、部分的に耐食性や強度の不足した箇所が生じ、このために所定の耐火物寿命を達成できないからである。
【0005】
この点に関し、疎水性の高い黒鉛では、水への分散性が低いために流動性が悪く、黒鉛のもつ耐食性を発揮させるに必要な量を添加して混練使用とすると、混練水分の量を多くしないと十分な混練ができない。このため、混練水分の量を多くする結果、凝結後の不定形耐火物は、気孔率が高くなり、耐食性が悪化してしまうという問題があった。
さらに、疎水性の高い黒鉛は、混練中でも分離または凝集を引き起こし易く、分散状態が均一にならない。このため、かかる黒鉛を含有する不定形耐火物は、黒鉛の添加により期待される優れた耐食性を得ることができなかった。
【0006】
このような耐火物原料としての黒鉛には、人造黒鉛や土状黒鉛、鱗片状黒鉛などの種類がある。なかでも鱗片状黒鉛は、スラグ耐食性に優れている点で広く使われている。しかし、人造黒鉛や土状黒鉛はその粒子形状が比較的等方性である塊状物であるのに対し、鱗片状黒鉛の粒子はその名前の如くアスペクト比(鱗片状の粒子の鱗片の厚みに対する径の比率であり、真球で1となる)が大きい鱗片形状である。このため、このような鱗片状の粒子形状では、たとえ混練時に黒鉛が十分に分散できたとしても、その黒鉛粒子は、流し込み施工時に流動抵抗が高くなって他の耐火物原料と遊離しやすくなり、結果として流し込み施工中に再度偏析してしまうという問題があった。従って、とくに鱗片状黒鉛に関しては粒子形状を改善する必要性もあった。
【0007】
この黒鉛の粒子形状を特定することにより、黒鉛の分散性を高めて偏析を防止させた黒鉛含有不定形耐火物を得る技術として、特開平8−183666号公報では、粒径を10〜100 μmとした、形状がほぼ球状の人造黒鉛を選択しており、また特開平8−183667号公報では、粒径が10〜200 μmである2000℃以上でバイ焼したバイ焼無煙炭を選択している。
これらの技術は、黒鉛の粒径を揃えることで黒鉛の疎水性の影響が小さい条件を選択するものであり、黒鉛粒子表面の疎水性そのものを改善したものではない。従って、特に粒径の大きい黒鉛は、不定形耐火物施工時の流動性を悪化させるために使用できない。このため、黒鉛の事前処理に手間がかかることを避けることはできなかった。
【0008】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、上述したような不定形耐火物の施工における課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、黒鉛の疎水性に起因する水中への黒鉛の分散性、あるいは流し込み施工時の黒鉛再偏析の原因となる黒鉛形状を改善することにより、黒鉛の耐火性を十分に発揮できる程度の黒鉛を均一に含有する不定形耐火物およびその施工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的の実現に向け、黒鉛の疎水性に起因する水中での分散性を向上させるための分散剤について鋭意研究を重ねた。その結果、黒鉛の疎水性の程度に応じて有効な分散剤を見いだすと共に、原料黒鉛の形状改善により、不定形耐火物施工時の黒鉛の再偏析を解決できることを見いだして、以下に示す内容を要旨構成とする発明を完成するに至った。
【0010】
(1)即ち、本発明は第1に、人造黒鉛および土状黒鉛のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種の黒鉛3〜20重量%と、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜33の直鎖状炭化水素基、分岐炭化水素基または環状炭化水素基、nは12〜40の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が13以上17未満の範囲内にある化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤を含むことを特徴とする水混練用黒鉛含有不定形耐火物を提案する
また、本発明は第2に、球形化処理された鱗片状黒鉛3〜20重量%と、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜36のアルキル基,アルケニル基,アルキルフェニル基またはアラルキルフェニル基で表され、nは24〜150の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が17〜20である化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤とを含むことを特徴とする水混練用黒鉛含有不定形耐火物を提案する。
【0011】
(2)本発明はまた、人造黒鉛および土状黒鉛のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種の黒鉛3〜20重量%と、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜33の直鎖状炭化水素基、分岐炭化水素基または環状炭化水素基、nは12〜40の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が13以上17未満の範囲内にある化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤を含む不定形耐火物材料に、該不定形耐火物材料100重量部に対して7重量部以下の混練水分を添加し、タップフロー値140mm以上で施工することを特徴とする水混練用黒鉛含有不定形耐火物の施工方法を提案する
また、本発明は、球形化処理された鱗片状黒鉛3〜20重量%、黒鉛用分散剤として、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜36のアルキル基,アルケニル基,アルキルフェニル基またはアラルキルフェニル基で表され、nは24〜150の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が17〜20である化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤を含む不定形耐火物材料に、該不定形耐火物材料100重量部に対して7重量部以下の混練水分を添加し、タップフロー値140mm以上で施工す水混練用黒鉛含有不定形耐火物の施工方法を提案する
【0012】
【発明の実施の形態】
さて、本発明の黒鉛含有不定形耐火物は、3〜20重量%の黒鉛を含有する。黒鉛含有量が3重量%未満ではスラグ耐食性が不十分であり、一方、黒鉛含有量が20重量%を超えると黒鉛の酸化による損耗が顕著になるためである。
【0013】
このような高濃度の黒鉛を他の不定形耐火物材料と混練しようとすると多量の水分が必要となる。しかしながら、混練のための添加水分を、不定形耐火物材料 100重量部に対して7重量部を超えて添加すると、施工、乾燥後に得られる耐火物施工体の気孔率が20%を超えてしまう結果、気孔内部へ侵入する溶融金属や溶融スラグの侵食により、耐火物の耐食性が著しく低下するという問題があった。そこで、本発明では、黒鉛を他の不定形耐火物材料と混練する際の水分量を不定形耐火物材料 100重量部に対して7重量部以下と規定した。
【0014】
一方で、不定形耐火物材料を混練して施工部位へ流し込むにあたっては、不定形耐火物材料と水とからなる混練スラリーの流動性が良好であることが求められる。この混練スラリーの流動性は、 JIS−R5201に規定されるフロー試験により計測したタップフロー値で評価され、流動性が高いほどタップフロー値が大きい値となる。このタップフロー値とは、混練スラリーを内面が底面径 100mm上面径70mmの円錐台状の型に充填したのち脱型し、その成型体に所定の衝撃を与えて、スラリーが自重で潰れて拡がった時のその拡がった底面の大きさの最大径と最小径の平均値である。
【0015】
前記したように、混練スラリーの水分量を少なくするほど施工乾燥後に得られる耐火物施工体の気孔率が低減できるので、混練水分量はできるだけ少なくしたい。しかし、この混練水分量を少なくすると、流動性が低下して混練、施工ができなくなる。そこで、黒鉛含有不定形耐火物の施工にあたり必要な流動性の値を求めるために、MgO ;80%、 SiC;10%、人造黒鉛;10%の不定形耐火物に対して混練水の添加量を変化させて、上記フロー試験と 300mm×300mm ×500mm の箱状型への施工テストを行った。その結果を表1に示す。この表に示す結果から明らかなように、混練スラリーのタップフロー値が 140mm以上の場合、箱状への施工が可能であったが、タップフロー値が140mm 未満の場合、稜線部、角部への充填ができない場合があった。
【0016】
【表1】
Figure 0003791140
【0017】
このように、黒鉛を高濃度に含有する本発明の如き混練スラリーは、タップフロー値が 140mm以上でないと混練および施工が困難となるので、不定形耐火物の施工にあたっては、このタップフロー値を 140mm以上とすることが必要である。
【0018】
したがって、黒鉛を高濃度で含有する含有不定形耐火物を、施工性に問題なく実用に供するためには、黒鉛を3〜20%含有させても、不定形耐火物材料 100重量部に対して7重量%以下の混練水分量でタップフロー値 140mm以上の流動性を確保することのできる黒鉛用分散剤が必要不可欠であった。
【0019】
そこで、発明者らはさらに、各種黒鉛を対象として、黒鉛の水中への分散性に有効な黒鉛用分散剤について鋭意検討を行ったのである。その結果、黒鉛用分散剤として、一般式がRO(CH2CH2O)n H(Rは、炭素数12〜33の直鎖状炭化水素基、分岐炭化水素基または環状炭化水素基、nは12〜40の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が13以上17未満の範囲内にある化合物が有効であることがわかった。ここで親水親油平衡(HLB)とは、Hydrophile-Lipophile Balanceの略であり、親水性と親油性のバランスを数量的に表したもの(0〜20の数値)であり、その数値が小さいほど親油性が強く、その数値が大きいほど親水性が強い。本発明では、HLBをアトラス・パウダー社方式で計算して求めた。
【0020】
この黒鉛用分散剤は、炭素数12〜33のアルコールにエチレンオキサイドを、アルコール1モルに対して12〜30モルの割合で付加反応させることにより合成できるものである。
ここで、この分散剤の原料となるアルコール類の炭素数は12〜33でなければならず、炭素数がこの範囲外であると充分な分散性が得られない。
また、エチレンオキサイドの付加モル数nは、12〜40の範囲でなければならない。この付加モル数nを12〜40に限定する理由は、この範囲を外れると分散性が低下するためである。
【0021】
このように、本発明において用いることのできる黒鉛種のうち、人造黒鉛や土状黒鉛は、黒鉛種の中でも比較的疎水性が弱いため、黒鉛を湿潤させるための分散剤のHLBはそれほど高くなくてもよく、上述の如く13以上17未満の範囲が好ましい。その理由は、該分散剤のHLBが13未満だと親水性が弱いために湿潤性に乏しく、一方、17以上だと分散性が悪くなるからである。
【0022】
しかしながら、鱗片状黒鉛の場合は、人造黒鉛や土状黒鉛と比較して疎水性が強いため、人造黒鉛や土状黒鉛用の分散剤ではその湿潤効果が不充分であった。このため、鱗片状黒鉛の場合には、HLBの大きい親水性の強い分散剤が必要であり、かかる黒鉛用分散剤として、親水親油平衡(HLB)が17〜20の範囲内にあり、かつ一般式がRO(CH2CH2O)n H(Rは、炭素数12〜16のアルキル基,アルケニル基,アルキルフェニル基またはアラルキルフェニル基で表され、nは24〜150 の整数)で表される化合物が有効であった。
【0023】
この鱗片状黒鉛用の分散剤は、炭素数が12〜36であるアルコール、アルキルフェノールまたはアラルキルフェノールの1モルに対してエチレンオキサイドを24〜150 の割合で付加反応させることにより合成できるものである。
ここで、この分散剤の原料となるアルコール類の炭素数は12〜36でなければならず、炭素数がこの範囲外であると充分な分散性が得られない。
また、エチレンオキサイドの付加モル数nは、24〜150 の範囲でなければならない。この付加モル数nを24〜150 に限定する理由は、この範囲を外れると分散性が低下するためである。
【0024】
以上説明したような分散剤が疎水性を示す黒鉛の水中での分散性を良くするという作用効果について、詳細な理由は明らかではないが、親水基であるエチレンオキサイド鎖が黒鉛の微粒子を覆い込むことにより黒鉛に親水性を付与しているものと考えられる。このとき、疎水性のより強い鱗片状黒鉛に対しては、HLBが18〜20の範囲内にあるより親水性の強い分散剤が必要となる。また、かかる分散剤は、その立体的な分子構造が黒鉛に適しているものと考えられる。
【0025】
さらに鱗片状黒鉛は、その偏平な形状に起因して流し込み施工時に黒鉛の再偏析を引き起こすため、その形状を、アスペクト比が 0.8〜1.2 の範囲内になるように、あらかじめヘンシェルミキサー等を用いて解砕しておくことが好ましい。この理由は、アスペクト比が 1.2を超えるものは製造困難であり、アスペクト比が 0.8未満のものは流動性が悪化するからである。
ここで、アスペクト比とは、鱗片状粒子の鱗片の厚みに対する径の比率を意味し、真球で1になる指数である。
【0026】
なお、本発明において、黒鉛用分散剤は、粉末状、液体状のいずれの形態のものでも使用することができ、他の微粉原料用に使用される他の分散剤との併用が可能である。
また、本発明の黒鉛含有不定形耐火物は、例えば,製鋼用MgO−C、混銑専用 Al2O3−SiC −C、樋用 A12O3−Spinel−Cなど種々の用途に使用できる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
黒鉛用分散剤としては、表2に示すようなサンプルを準備した。即ち、前述の一般式RO(CH2CH2O)n Hで表される分散剤において、アルコール1モルに対するエチレンオキサイドのモル数、およびHLBを変えたものを準備した。
この黒鉛用分散剤を用い、不定形耐火物として、高炉主樋用の Al2O3−SiC−黒鉛系の材料を調製した。このときの分散剤の添加量は、黒鉛重量に対して2.5 %が最適であったので2.5 %とした。その不定形耐火物の組成は、 Al2O3/SiC =80/1O(重量比)で土状黒鉛2〜30%または人造黒鉛2〜30%を含む構成とした。なお、微粉部は A12O3と黒鉛で構成され、材料全体はほぼ最密充填になるように粒度分布を調整した。その他の残部成分として、セメントやアルミナ用分散剤、硬化遅延剤などの添加剤を適量加えた。なお、比較材として、通常使用されている黒鉛無添加の材料を調製した。
【0028】
こうして調製した不定形耐火物の評価は、実樋でメタルライン材として流し込み施工し、約10万トン出銑後に、最も損耗量の大きい出銑口からの距離が4mの位置での損耗量を測定し、比較材を 100とした損耗指数で表した。損耗指数が 100 よりも小さい数値になるほど損耗しにくい好適な不定形耐火物と言える。
なお、溶銑温度はいずれも平均1495〜1500℃であった。
【0029】
その評価結果を、土状黒鉛について表3に示す。なお、人造黒鉛もほとんど同じ結果であったために省略する。この表3に示す結果から明らかなように、本発明に適合する黒鉛含有不定形耐火物は、耐食性にすぐれることがわかった。
【0030】
【表2】
Figure 0003791140
【0031】
【表3】
Figure 0003791140
【0032】
(実施例2)
黒鉛用分散剤としては、表4に示すようなサンプルを準備した。即ち、前述の一般式RO(CH2CH2O)n Hで表される分散剤において、ラウリルアルコール1モルに対するエチレンオキサイドの付加モル数、およびHLBを変えたものを準備した。
この黒鉛用分散剤を用い、不定形耐火物として、高炉主樋用の Al2O3−SiC−黒鉛系の材料を調製した。このときの分散剤の添加量は、黒鉛重量に対して2.5 %が最適であったので2.5 %とした。その不定形耐火物の組成は Al2O3/SiC=80/10(重量比)で球形化処理した鱗片状黒鉛2〜25%を含む構成からなり、微粉部は A12O3と黒鉛で構成され、材料全体はほぼ最密充填になるように粒度分布を調整した。なお、その他の残部成分として、セメントやアルミナ用分散剤、硬化遅延剤などの添加剤を適当量加えた。なお、比較材として、通常使用されている黒鉛無添加の材料を調製した。
【0033】
こうして調製した不定形耐火物の評価は、実樋でメタルライン材として流し込み施工し、約10万トン出銑後に最も損耗量の大きい出銑口からの距離が4mの位置での損耗量を測定し、比較材を 100とした損耗指数で表した。なお、溶銑温度はいずれも平均1493〜1497℃であった。
【0034】
その評価結果を表5に示す。この表5に示す結果から明らかなように、本発明に適合する分散剤を使用し、黒鉛量3〜20%にすることで、スラグ耐食性に極めて優れた黒鉛含有不定形耐火物を供給できることがわかった。
【0035】
なお、本実施例では樋用耐火物について説明したが、本発明は、樋用耐火物のみならず製鋼用鍋スラグライン材 MgO−C 不定形材や混銑車用 Al2O3−SiC−C不定形材など、黒鉛系として適用できるものであれば適用可能である。
【0036】
【表4】
Figure 0003791140
【0037】
【表5】
Figure 0003791140
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、黒鉛の疎水性に起因する水中への黒鉛の分散性、あるいは流し込み施工時の黒鉛再偏析の原因となる黒鉛形状を改善することにより、黒鉛の耐火性を十分に発揮できる程度の黒鉛を均一に含有する不定形耐火物を提供することができる。しかも、本発明にかかる黒鉛含有不定形耐火物の施工方法によれば、優れた耐食性を得ることができる。

Claims (4)

  1. 造黒鉛および土状黒鉛のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種の黒鉛3〜20重量%と、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜33の直鎖状炭化水素基、分岐炭化水素基または環状炭化水素基、nは12〜40の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が13以上17未満の範囲内にある化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤を含むことを特徴とする水混練用黒鉛含有不定形耐火物。
  2. 形化処理された鱗片状黒鉛3〜20重量%と、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜36のアルキル基,アルケニル基,アルキルフェニル基またはアラルキルフェニル基で表され、nは24〜150の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が17〜20である化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤とを含むことを特徴とする水混練用黒鉛含有不定形耐火物。
  3. 造黒鉛および土状黒鉛のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種の黒鉛3〜20重量%と、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜33の直鎖状炭化水素基、分岐炭化水素基または環状炭化水素基、nは12〜40の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が13以上17未満の範囲内にある化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤を含む不定形耐火物材料に、該不定形耐火物材料100重量部に対して7重量部以下の混練水分を添加し、タップフロー値140mm以上で施工することを特徴とする水混練用黒鉛含有不定形耐火物の施工方法。
  4. 形化処理された鱗片状黒鉛3〜20重量%、黒鉛用分散剤として、一般式がRO(CHCHO)nH(Rは、炭素数12〜36のアルキル基,アルケニル基,アルキルフェニル基またはアラルキルフェニル基で表され、nは24〜150の整数)で表され、かつ親水親油平衡(HLB)が17〜20である化合物の1種または2種以上の黒鉛用分散剤を含む不定形耐火物材料に、該不定形耐火物材料100重量部に対して7重量部以下の混練水分を添加し、タップフロー値140mm以上で施工す水混練用黒鉛含有不定形耐火物の施工方法。
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CN103600058B (zh) * 2013-11-28 2015-12-02 吴江市液铸液压件铸造有限公司 一种球化包修包工艺

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