JP3791047B2 - 疑似スピーカシステム生成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、既存のスピーカシステムを用いて別のスピーカシステムを疑似的に生成する疑似スピーカシステム生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にディジタル化されたオーディオ信号を記録したCD(Compact Disk)などから、そのオーディオ信号を再生する場合に、ディジタル信号のまま処理するディジタル信号処理系では音質などの劣化はほとんど発生しない。これがディジタル信号処理の長所である。一方、ディジタル信号からアナログ信号に変換後のアナログ信号処理系ではその処理系の性能(伝達特性)に応じて音質が影響を受ける。また、アナログ処理された信号は最終的にスピーカシステムから発音されるので、スピーカシステム自体の性能(伝達特性)に応じても音質は影響を受ける。さらに、スピーカシステムで発生された音は所定の空間を伝達して人間の聴覚に到達するので、その空間の伝達特性に応じても音質は影響を受ける。
このように、ディジタル信号からアナログ信号に変換された後はアナログ信号処理手段の伝達特性、スピーカシステムの伝達特性及び空間の伝達特性に応じて最終的に人間の聴覚に達する音に種々の相違が生じることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、電子技術の発達により、アナログ信号を処理する装置自体の性能が飛躍的に向上したため、アナログ信号処理装置の性能の相違による伝達特性のバラツキは極めて少なくなりつつある。
しかしながら、依然として最終的に音を発生するスピーカシステムに関しては、それ自体の性能や価格に応じて再生音の品質は大幅に異なる。このことは、電子ピアノなどの本体に内蔵されたスピーカシステムで音を再生するよりも、外部に内蔵スピーカシステムよりも高性能のスピーカシステムを接続し、それで再生した方が格段に音質のよい音を再生できることからも明白である。同様の事は、パーソナルコンピュータに内蔵されたスピーカシステムについても言える。
また、アナログ信号処理装置及びスピーカシステムを用いて音を再生したとしても、その音が再生される空間すなわち音楽の再生される場所が音響的効果を何ら考慮していない体育館などの場合と、音響的効果を十分に考慮して設計されたコンサートホールなどの場合とでは、聴取者に実際に与える音楽的な効果は全く異なるものである。これは、その空間の持つ固有の伝達特性が空間の形状などによって種々異なるからである。
従来、スピーカシステムについてはそれを高性能のものに交換することによって対処することしかできなかった。また、空間については、音響的効果を考慮したリッスニングルームを作り、そこで音楽を聞くしかなかった。
【0004】
この発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、あるスピーカシステムを用いて音を再生する場合に、再生された音が他のスピーカシステムで再生されたかのような音響的効果を聴取者に与えることのできる疑似スピーカシステム生成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る疑似スピーカシステム生成装置は、楽音信号に基づいた音を発音する第1のスピーカシステムと、所定の音信号が前記第1のスピーカシステム及び所定の空間を介して該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第1の伝達関数を記憶する第1の伝達関数記憶手段と、所定の音信号が、前記第1のスピーカシステムとは異なる性能の第2のスピーカシステム及び所定の空間を介して、該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第2の伝達関数を記憶する第2の伝達関数記憶手段と、前記第1のスピーカシステムに供給される楽音信号に対して、前記第1の伝達関数を打ち消して前記第2の伝達関数となるようなフィルタリング処理を施すフィルタ手段とを備え、前記第2のスピーカシステムを物理的に具備することなく、前記第1のスピーカシステムを用いて該第2のスピーカシステムを疑似した音響特性を実現することを特徴とする
第1のスピーカシステムは、電子楽器などの音響機器に内蔵されたものや外部接続されるような比較的性能の低い廉価なものである。任意のスピーカシステムに供給された楽音信号はそのスピーカシステムによって所定の可聴音(可聴不可な音を含むの場合もある)に変換され、変換された可聴音は所定の空間を伝達してマイクロフォンに到達し、そこで再び電気信号に変換される。従って、同じ楽音信号を任意のスピーカシステムに供給し、そのスピーカシステムで発音された音を同じマイクロフォンで検出することによって、所定の音信号がスピーカシステム及び所定の空間を介してマイクロフォンに到達する場合における第2の伝達関数すなわちそのスピーカシステム及びその空間に固有の伝達関数を測定することができる。
第1の伝達関数記憶手段は、このようにして測定された第1の伝達関数すなわち所定の音信号がスピーカシステム及び所定の空間を介してマイクロフォンに到達する場合における第1の伝達関数を記憶する。また、第2の伝達関数記憶手段は、スピーカシステムとして、前記第1のスピーカシステムとは異なる性能の第2のスピーカシステム(高性能の基準スピーカシステムを用いて同様にして測定された第2の伝達関数すなわち所定の音信号が第2のスピーカシステム及び所定の空間を介して、該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第2の伝達関数を記憶する。各記憶手段に記憶される伝達関数の数は1又は複数である。複数の場合には、スピーカシステム、空間、外部接続可能なスピーカシステムの配置、又はダミーヘッドすなわちマイクロフォンの配置を種々異ならせることによって測定される。従って、楽音信号に基づいた音をそのまま第1のスピーカシステムで発音した場合では、それは第1の伝達関数に依存したものとなり、実際にその音をユーザが聴取した場合には、あまりいい音とは認識されないことになる。
そこで、この発明では、フィルタ手段によって、第1のスピーカシステムに供給される楽音信号に対して、第1の伝達関数を打ち消して第2の伝達関数となるようなフィルタリング処理を施し、そのフィルタリング処理の施された楽音信号を第1のスピーカシステムで発音するようにした。これによって、第1のスピーカシステムから発音された場合、その音は第1の伝達関数に従って伝達されるが、その第1の伝達関数の部分はフィルタリグ処理の結果打ち消され、あたかも第2の伝達関数に従って伝達したかのようになる。
従って、その音を聴取した場合、第1のスピーカシステムから発音した音があたかも第2のスピーカシステムすなわち高性能の基準スピーカから発音されたかのように聴取されることになる。特に、電子楽器などのように内蔵されたスピーカの場合には、その間口すなわちスピーカの間隔が固定されているので、外部スピーカのように自由に間口を変更することができなかったが、この発明に係る疑似スピーカシステム生成装置を採用することによって、間口の固定されたスピーカシステムでも、間口の広いスピーカシステムを疑似的に実現することが可能となり、実際にスピーカ位置よりも外側に音像を定位させることも可能となり、音楽的効果を一層高めることが可能となる。
なお、第1のスピーカシステムとして性能の低いものに限らず、性能の高いもの同士で疑似的なスピーカシステムを構成することもできる。また、スピーカシステム及び空間以外にもアナログの楽音信号を増幅したり変調したりするアナログ信号処理手段も含めた伝達関数に基づいてフィルタリング処理を行うようにしてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1はこの発明に係る疑似スピーカシステム生成装置を内蔵した電子楽器の全体構成を示す図である。
電子楽器10は、音楽演奏のための基本的な操作子である鍵盤1、音色、音量、効果、AFS(Acoustic Filter System)伝達関数及びAFU(Acoustic Filter User)伝達関数などを選択・設定・制御するための各種操作子(音色選択スイッチ、音量制御スイッチ、効果設定スイッチなど)を有するが、これらの操作子については図示を省略してある。
鍵盤1は、発音すべき楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えており、各鍵に対応してキースイッチを有しており、新たな鍵が押圧されたときは、その鍵に対応したキーコードを含むキーオンイベント情報を出力し、鍵が離鍵されたときはその離鍵された鍵に対応したキーコードを含むキーオフイベント情報を出力する。また、鍵盤1は、鍵押し下げ時の押鍵操作速度又は押圧力等を判別してタッチデータを生成し、それをベロシティデータとして出力する。
【0007】
パラメータ供給回路9は音源回路2が発生すべき楽音を指定するためのパラメータであって、前述の図示していない各種操作子の操作に応じたものを音源回路2及びエフェクタ3に供給するものである。
音源回路2は、複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、鍵盤1から供給される楽音制御情報(ノートオン、ノートオフ、ベロシティ、ピッチデータなどのデータ)を入力し、パラメータ供給回路から供給されるパラメータに基づいた楽音信号を発生し、エフェクタ3に出力する。
【0008】
音源回路2において複数チャンネルで楽音信号を同時に発音させる構成としては、1つの回路を時分割で使用することによって複数の発音チャンネルを形成するようなものや、1つの発音チャンネルが1つの回路で構成されるような形式のものであってもよい。また、音源回路2における楽音信号発生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出すメモリ読み出し方式(波形メモリ方式)、又は上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用してもよい。また、これらの方式以外にも、自然楽器の発音原理を模したアルゴリズムにより楽音波形を合成する物理モデル方式、基本波に複数の高調波を加算することで楽音波形を合成する高調波合成方式、特定のスペクトル分布を有するフォルマント波形を用いて楽音波形を合成するフォルマント合成方式、VCO、VCF及びVCAを用いたアナログシンセサイザ方式等を採用してもよい。また、専用のハードウェアを用いて音源回路を構成するものに限らず、DSPとマイクロプログラムを用いて音源を構成するようにしてもよいし、CPUとソフトウェアのプログラムで音源を構成するようにしてもよい。
【0009】
エフェクタ3は、パラメータ供給回路1から供給されるエフェクトデータに基づいて、音源回路2からの楽音信号に対して効果付与処理を行い、ステレオ(右チャンネル用及び左チャンネル用)の楽音ディジタル信号をプレフィルタ4に出力する。
AFS伝達関数記憶手段8Sは、ステレオスピーカシステム、そのステレオスピーカシステムを構成する両スピーカの間隔、及び伝達関数測定用のダミーヘッドの種類(例えば大人用と小人用のダミーヘッド)に応じた伝達関数を複数種類記憶したものである。このAFS伝達関数記憶手段8Sに記憶されるAFS伝達関数を求める方法については後述する。
AFS伝達関数選択手段は、このAFS伝達関数記憶手段8Sに記憶されている複数種類の伝達関数の中からユーザによって選択されたものをプレフィルタ4に供給する。
AFU伝達関数記憶手段8Uは、電子楽器10に搭載されたスピーカシステムに固有の伝達関数をダミーヘッドの種類(例えば大人用と小人用のダミーヘッド)や空間の種類(スピーカシステムの再生される場所)に応じたものを複数種類記憶したものである。このAFU伝達関数記憶手段8Uに記憶されるAFU伝達関数を求める方法についても後述する。
AFU伝達関数選択手段は、このAFU伝達関数記憶手段8Uに記憶されている複数種類の伝達関数の中からユーザによって選択されたものをプレフィルタ4に供給する。
【0010】
プレフィルタ4は、AFS伝達関数選択手段7S及びAFU伝達関数選択手段7Uによって選択されたそれぞれ伝達関数に基づいたフィルタリング処理を行い、それを図示していないD/A変換器によって、アナログ信号に変換して、後段のアンプ5に出力する。なお、プレフィルタ4の行うフィルタリング処理の詳細については後述する。
アンプ5は、プレフィルタ4によってフィルタリング処理されたアナログ楽音信号を入力し、それを増幅して後段のスピーカシステム6R及び6Lに供給する。
スピーカシステム6R及び6Lは、アンプ5からのアナログ楽音信号に応じた音を発音する。
【0011】
次に、図2を用いてAFS伝達関数を求める方法について説明する。
まず、AFS伝達関数記憶手段8Sを組み込もうとする電子楽器10のアンプ5の入力端側にインパルス発生装置21を接続し、アンプ5の出力端側に高性能の基準スピーカシステム22R及び22Lを外部接続し、それを無響室20内に設置する。そして、大人用(大人の頭囲に相当する)ダミーヘッド23を基準スピーカシステム22R及び22Lの中央線上の所定の位置に設置する。例えば、基準スピーカシステム22R及び22Lとダミーヘッドとがそれぞれ正三角形の頂点に位置するように設置する。
AFS測定手段25はダミーヘッド23の左耳側及び右耳側の内蔵マイクによって測定された信号を所定レベルの信号に変換してAFS伝達関数演算手段26に出力する。AFS伝達関数演算手段26は、AFS測定手段25からの信号に基づいてそのスピーカシステム固有の伝達関数を算出する。AFS伝達関数記憶手段27は、AFS伝達関数演算手段26によって算出された伝達関数をAFS伝達関数として記憶する。このAFS伝達関数記憶手段27によって記憶された内容が電子楽器10のAFS伝達関数記憶手段8Sにコピーされる。
【0012】
AFS伝達関数の測定動作について説明する。AFS伝達関数は、インパルスレスポンス法にて求める。
まず、インパルス発生装置21から電子楽器10のアンプ5に対してインパルス信号を出力し、それに基づいたインパルス音を左側の外部基準スピーカ22Lから発生させ、そのインパルス音をダミーヘッド23で測定する。この時、電子楽器10の内蔵スピーカ6R及び6Lからは音が発生しないようにする。ダミーヘッド23の左耳側マイクによって測定される音信号(左耳側信号)ELSはSLSPLSであり、右耳側マイクによって測定される音信号(右耳側信号)ERSはCLSPLSである。次に、インパルス音を右側の外部基準スピーカ22Rから発生させ、そのインパルス音をダミーヘッド23で測定する。この場合にダミーヘッド23の左耳側マイクによって測定される音信号(左耳側信号)ELSはCRSPRSであり、右耳側マイクによって測定される音信号(右耳側信号)ERSはSRSPRSである。ここで、PLSは左側の外部基準スピーカ22Lの入力レベルであり、PRSは右側の外部基準スピーカ22Rの入力レベルである。また、SLSは左側の外部基準スピーカ22Lから発生した音が左耳側マイクに伝わる際の伝達関数であり、SRLは右側の外部基準スピーカ22Rから発生した音が右耳側マイクに伝わる際の伝達関数であり、CLSは左側の外部基準スピーカ22Lから発生した音が右耳側マイクに伝わる際の伝達関数であり、CRLは右側の外部基準スピーカ22Rで発生した音が左耳側マイクに伝わる際の伝達関数である。
【0013】
従って、基準スピーカシステム22R及び22Lに同時にインパルス信号を出力した場合に、ダミーヘッド23の左側マイクによって測定される音信号(左耳側信号)ELSはSLSPLSとCRSPRS(クロストーク成分)とを合成したものになる。これを式で表すとして次のようになる。
ELS=SLSPLS+CRSPRS
また、ダミーヘッド23の右側マイクによって測定される音信号(右耳側信号)ERSはCLSPLSとSRSPRSとを合成したものになる。これを式で表すと次のようになる。
ERS=CLSPLS+SRSPRS
【0014】
人間の耳はほぼ左右対称構造なので、SLSとSRS、CRSとCLSは等しくなり、SS =SLS=SRS、CS =CRS=CLSとなる。従って、前述の二式は、次式のようになる。
ELS=SS PLS+CS PRS
ERS=CS PLS+SS PRS
この二式を行列表示で表すと、図4の式(1)のようになる。
この式からSS 及びCS を求めると、図4の式(2)のようになる。
この式(2)によって伝達関数SS 及びCS を求めることができる。
以上の作業を1つの基準スピーカシステムについて、その基準スピーカシステムの間隔を大中小(例えば、電子楽器10の内蔵スピーカ6R及び6Lの距離より大きい間隔大、これと同じの間隔中、これよりも小さい間隔小)の各場合について、それぞれ大人用ダミーヘッド23及び小人用ダミーヘッド24を用いて伝達関数Ss 及びCS を求め、それをAFS伝達関数記憶手段27に順次記憶する。この実施の形態では、スピーカシステムA〜Cの3種類について、スピーカ間の間隔大、間隔中、間隔小の3通りの場合に大人用ダミーヘッド又は小人用ダミーヘッドを用いて求められた複数のAFS伝達関数が電子楽器10内のAFS伝達関数記憶手段8S内に記憶されるようになっている。
【0015】
次に、図3を用いてAFU伝達関数を求める方法について説明する。
この場合は、図2と同様に、AFU伝達関数記憶手段8Uを組み込もうとする電子楽器10のアンプ5の入力端側にインパルス発生装置21を接続し、それを無響室20内に設置する。そして、そのインパルス音を電子楽器10本体の内蔵スピーカシステム6R及び6Lで発音し、大人用ダミーヘッド23又は小人用ダミーヘッド24を実際に演奏する位置に配置し、そこでインパルス音を測定するように設定する。すなわち、大人用ダミーヘッド23の場合は、電子楽器10から離れたところであって、内蔵スピーカ6R及び6Lよりも比較的高いところに配置し、子供用ダミーヘッド24の場合は、大人用ダミーヘッド23よりも電子楽器10本体側に近いところであって、それよりも低いところに配置する。
AFU測定手段31及びAFU伝達関数演算手段32は、図2のAFS測定手段25及びAFS伝達関数演算手段32と同じものを用い、電子楽器10の内蔵スピーカシステム6R及び6L固有の伝達関数を求める。
AFU伝達関数記憶手段33は、AFU伝達関数演算手段32によって求められた各条件(ダミーヘッドの種類やその配置位置)毎の伝達関数をAFU伝達関数として記憶する。このAFU伝達関数記憶手段33に記憶されたAFU伝達関数が電子楽器10のAFU伝達関数記憶手段8Uに記憶される。
【0016】
次に、AFU伝達関数の測定動作について説明する。AFU伝達関数は前述のAFS伝達関数を求める方法と同様にインパルスレスポンス法にて求める。
ダミーヘッド23の左耳側マイクによって測定される音信号(左耳側信号)をELU、右耳側マイクによって測定される音信号(右耳側信号)をERU、左側の内蔵スピーカ6Lの入力レベルをPLU、右側の内蔵スピーカ6Rの入力レベルをPRU、左側の内蔵スピーカ6Lから発生した音が左耳側マイクに伝わる際の伝達関数をSLU、右側の内蔵スピーカ6Rから発生した音が右耳側マイクに伝わる際の伝達関数をSRU、左側の内蔵スピーカ6Lから発生した音が右耳側マイクに伝わる際の伝達関数をCLU、右側の内蔵スピーカ6Rで発生した音が左耳側マイクに伝わる際の伝達関数をCRLとする。そして、前述の場合と同様にして、基準スピーカシステム22R及び22Lに同時にインパルス信号を出力した場合に、ダミーヘッド23の左側マイクによって測定される音信号(左耳側信号)ELU及び右側マイクによって測定される音信号(右耳側信号)ERUは次式のようになる。
ELU=SLUPLU+CRUPRU
ERU=CLUPLU+SRUPRU
前述の場合と同様に、SU =SLU=SRU、CU =CRU=CLUとすると、前記の二式は、次式のようになる。
ELU=SU PLU+CU PRU
ERU=CU PLU+SU PRU
この二式を行列表示で表すと、図4の式(3)のようになる。・
この式からSU 及びCU を求めると、図4の式(4)のようになる。
この式(4)によって伝達関数SU 及びCU を求めることができる。
以上の作業を1つの電子楽器について、それぞれ大人用ダミーヘッド23及び小人用ダミーヘッド24を用いて、それぞれの配置位置における伝達関数SU 及びCU を求め、それをAFU伝達関数記憶手段33に順次記憶する。この実施の形態では、大人用ダミーヘッド又は小人用ダミーヘッドを用いて求められた、それぞれの配置位置A,B,・・・におけるAFU伝達関数AFU11,AFU12,・・・が電子楽器10内のAFU伝達関数記憶手段8U内に記憶される。
なお、AFU伝達関数を求める場合には、無響室20内だけでなく、電子楽器10が設置されると思われる典型的な場所、例えばマンションの部屋等や木造建築の部屋等に実際に電子楽器10を設置したりして、その空間におけるAFU伝達関数を求め、それをAFU伝達関数記憶手段8Uに記憶するようにしてもよい。
また、電子楽器が実際に使用されるユーザの場所、すなわち電子楽器が実際に使用される実空間におけるAFU伝達関数を、図3のようなシステムで測定し、その測定結果をその電子楽器内のAFU伝達関数記憶手段8Uに記憶するようにしてもよい。このようにすることによって、AFU伝達関数としては最もその空間に適した値を電子楽器内に格納することができるので、その電子楽器のスピーカシステムから再生される音がAFS伝達関数記憶手段8Sに記憶されているスピーカシステムに正確に疑似されることになる。
なお、基準スピーカシステムを用いたAFS伝達関数の測定も上述と同じように実際の空間で行い、その結果をAFS伝達関数記憶手段8S内に記憶するようにしてもよい。
【0017】
プレフィルタ4の行うフィルタリグ処理について説明する。プレフィルタ4は、AFS伝達関数選択手段7S及びAFU伝達関数選択手段7Uによって選択されたそれぞれ伝達関数に基づいた一定の演算処理を行うことによってフィルタリング処理を行う。
図5はこのプレフィルタ4の行う演算処理すなわちフィルタリング処理の内容を示す図である。プレフィルタ4は、エフェクタ3から供給される効果付与後の右チャンネル用の楽音信号PL 及び左チャンネル用の楽音信号PR を入力し、それに乗算処理及び加算処理を行うことによって、疑似信号PLM及びPRMを作成し、それをアンプ5に出力する。疑似信号PLMは、楽音信号PL と(SU SS −CU CS )との乗算値PL (SU SS −CU CS )と楽音信号PR と(SU CS −CU SS )との乗算値PR (SU CS −CU SS )との加算値(PL (SU SS −CU CS )+PR (SU CS −CU SS ))を、SU の2乗からCU の2乗を減算した値で除することによって得られる。同様に疑似信号PRMは、楽音信号PR と(SU SS −CU CS )との乗算値PR (SU SS −CU CS )と楽音信号PL と(SU CS −CU SS )との乗算値PL (SU CS −CU SS )との加算値(PR (SU SS −CU CS )+PL (SU CS −CU SS ))を、SU の2乗からCU の2乗を減算した値で除することによって得られる。
【0018】
なぜ、図5に示すような演算処理の結果、得られた疑似信号をアンプ5で増幅し、内蔵スピーカ6L及び6Rで発音することによってAFS伝達関数作成時に使用されたスピーカシステムの音を疑似的に再生することができるのかについて説明する。
まず、図5の演算処理の内容は図4の式(5)のような行列表示で表される。式(5)のSU ,SS ,CU ,CS で表示された部分をSU とCU の行列表示とSS とCS の行列表示とに分離すると、式(6)のようになる。さらに式(6)の定数部分をSU とCU の行列表示内に組み込むことによって、式(5)は式(7)のような行列表示となる。
このとき、電子楽器10の内蔵スピーカシステム6L及び6Rの伝達特性は式(3)に示すようなものなので、プレフィルタ4から出力される疑似信号PLM及びPRMがアンプ5に取り込まれ、内蔵スピーカシステム6L及び6Rによって発音される。従って、式(3)のPLU及びPRUを式(7)のPLM及びPRMで置き換えると、式(8)のようになる。式(8)のSU とCU の行列表示がそれの逆行列表示と相殺し、式(8)は式(9)のようになる。この式(9)は、式(1)と同じである。従って、図5のようなフィルタリング特性のプレフィルタ4を通過させることによって、電子楽器10の内蔵スピーカシステムは、ASF伝達関数を測定した際の高性能のスピーカシステムの伝達特性を再現することが可能となり、疑似的に高性能スピーカシステムを構成することが可能となる。
また、電子楽器などのように内蔵されたスピーカの場合には、その間口すなわちスピーカの間隔が固定されているので、外部スピーカのように自由に間口を変更することができなかったが、この実施の形態に係る疑似スピーカシステム生成装置を採用することによって、間口の固定されたスピーカシステムでも、間口の広いスピーカシステムを疑似的に実現することが可能となり、実際にスピーカ位置よりも外側に音像を定位させることも可能となり、音楽的効果を一層高めることが可能となる。
【0019】
上述の実施の形態では、スピーカシステムを内蔵した電子楽器に適用した場合について説明したが、これ以外のスピーカ内蔵型のステレオ音響機器(カラオケ装置、ラジカセ、CD再生装置、ステレオ音声TV、カーステレオ等)などにも同様に適用できることはいうまでもない。また、スピーカシステムを内蔵していないステレオ音響機器又はスピーカシステム内蔵型のステレオ音響機器に外部スピーカを接続したものにも同様に適用できることはいうまでもない。この場合には、外部スピーカシステムの両スピーカ間の間隔の種々異なるAFU伝達関数を測定し、AFU伝達関数記憶手段に記憶すればよい。
図2の実施の形態ではステレオ再生の場合について説明したが、これ以上のチャンネル数でもよいことはいうまでもない。
上述の実施の形態では、AFS伝達関数を測定する際に、アンプはそのままで、スピーカシステム、その間隔、ダミーヘッド又は測定空間などを種々変化させる場合について説明したが、アンプそのものも基準となるアンプに種々変更し、そのときにおけるAFS伝達関数を測定するようにしてもよい。
【0020】
また、大人用と子供用のダミーヘッドを用いてAFS伝達関数を測定する場合について説明したが、頭囲の異なるものや耳の形状の異なるものなどを複数用いてもよいことはいうまでもない。さらに、このようにして測定したAFS伝達関数を選択する際に、該当する頭囲のものがない場合に、それを補間演算にて求めるようにしてもよい。同様のことをダミーヘッドを種々異なる位置に配置して測定する場合に応用してもよい。すなわち、3次元空間を所定長のグリッドで規定し、その各グリッド位置にダミーヘッドを配置してAFS伝達関数を測定し、AFS伝達関数を選択する際に、実際にユーザの頭(耳)の位置を3次元空間上で指定することによって、その位置におけるAFS伝達関数を補間演算にて求めるようにしてもよい。また、最も近いグリッドの値を採用するようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
この発明によれば、あるスピーカシステムを用いて音を再生する場合に、再生された音が他のスピーカシステムで再生されたかのような音響的効果を聴取者に与えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る疑似スピーカシステム生成装置を内蔵した電子楽器の全体構成を示す図である。
【図2】 AFS伝達関数を求める方法を示す図である。
【図3】 AFU伝達関数を求める方法を示す図である。
【図4】 この実施の形態に係る疑似スピーシシステムの動作を説明するための関係式を示す図である。
【図5】 図1のプレフィルタが行う演算処理すなわちフィルタリング処理の内容を示す図である。
【符号の説明】
10…電子楽器、1…鍵盤、2…音源回路、3…エフェクタ、4プレフィルタ、5…アンプ、6R,6L…内蔵スピーカシステム、7S…AFS伝達関数選択手段、7U…AFU伝達関数選択手段、8S…AFS伝達関数記憶手段、8U…AFU伝達関数記憶手段、9…パラメータ供給回路、21…インパルス発生装置

Claims (4)

  1. 楽音信号に基づいた音を発音する第1のスピーカシステムと、
    所定の音信号が前記第1のスピーカシステム及び所定の空間を介して該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第1の伝達関数を記憶する第1の伝達関数記憶手段と、
    所定の音信号が、前記第1のスピーカシステムとは異なる性能の第2のスピーカシステム及び所定の空間を介して、該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第2の伝達関数を記憶する第2の伝達関数記憶手段と、
    前記第1のスピーカシステムに供給される楽音信号に対して、前記第1の伝達関数を打ち消して前記第2の伝達関数となるようなフィルタリング処理を施すフィルタ手段と
    を備え、前記第2のスピーカシステムを物理的に具備することなく、前記第1のスピーカシステムを用いて該第2のスピーカシステムを疑似した音響特性を実現することを特徴とする疑似スピーカシステム生成装置。
  2. アナログの楽音信号を処理して出力するアナログ信号処理手段と、
    前記アナログ信号処理手段によって処理された前記楽音信号に基づいた音を発音する第1のスピーカシステムと、
    所定の音信号が前記アナログ信号処理手段、前記第1のスピーカシステム及び所定の空間を伝達して該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第1の伝達関数を記憶する第1の伝達関数記憶手段と、
    所定の音信号が基準アナログ信号処理手段、前記第1のスピーカシステムとは異なる性能の第2のスピーカシステム及び所定の空間を伝達して、該所定の空間の所定位置に配置されたマイクロフォンに到達する場合における第2の音響的伝達関数を記憶する第2の伝達関数記憶手段と、
    前記アナログ信号処理手段に供給される楽音信号及び前記第1のスピーカシステムに供給される楽音信号の少なくとも1つに対して、前記第1の伝達関数を打ち消して前記第2の伝達関数となるようなフィルタリング処理を施すフィルタ手段と
    を備え、前記第2のスピーカシステムを物理的に具備することなく、前記第1のスピーカシステムを用いて該第2のスピーカシステムを疑似した音響特性を実現することを特徴とする疑似スピーカシステム生成装置。
  3. 前記第1の伝達関数記憶手段は、前記第1の伝達関数を測定する際に使用される空間、前記第1のスピーカシステム、このスピーカシステムを構成するスピーカ間の間隔、前記マイクロフォンを内蔵したダミーヘッド、及びこのダミーヘッドの位置などの中の少なくとも1つについて異なる条件で測定された複数の第1の伝達関数を記憶するものであり、
    さらに、前記第1の伝達関数記憶手段に記憶されている前記複数の第1の伝達関数を選択的に前記フィルタ手段に供給する第1の伝達関数選択手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の疑似スピーカシステム生成装置。
  4. 前記第2の伝達関数記憶手段は、前記第2の伝達関数を測定する際に用いた空間、前記第2のスピーカシステム、このスピーカシステムを構成するスピーカ間の間隔、前記マイクロフォンを内蔵したダミーヘッド、及びこのダミーヘッドの位置などの中の少なくとも1つについて異なる条件で測定された複数の第2の伝達関数を記憶するものであり、
    さらに、前記第2の伝達関数記憶手段に記憶されている前記複数の第2の伝達関数を選択的に前記フィルタ手段に供給する第2の伝達関数選択手段を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の疑似スピーカシステム生成装置。
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