JP2017032651A - 楽音信号処理装置、楽音再生装置及び電子楽器 - Google Patents

楽音信号処理装置、楽音再生装置及び電子楽器 Download PDF

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Abstract

【課題】 アコースティック楽器の演奏を聴いたときのような臨場感が得られ、その臨場感を良好に得られる範囲を従来よりも拡大できる楽音信号処理装置、楽音再生装置、及び電子楽器を提供する。【解決手段】 楽音信号処理装置PPは、複数のスピーカSPxに供給する複数の楽音信号を生成する。楽音信号処理装置PPは、所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を取得する取得手段と、前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段とを有する。前記楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている。【選択図】図4

Description

本発明は、アコースティック楽器を模擬した楽音を表す楽音信号を生成する楽音信号処理装置、前記楽音信号処理装置が適用された、楽音再生装置及び電子楽器に関する。
例えば、下記特許文献1には、複数のスピーカを備えて電子ピアノが記載されている。これらのスピーカは、横方向(鍵の並び方向)に並べられており、演奏者側へ向けられている。この電子ピアノは、波面合成技術を用いて、アコースティックグランドピアノの音像を模擬している。すなわち、この電子ピアノの演奏の聴取者は、前記複数のスピーカの後方に、アコースティックグランドピアノのような筐体(響板及び弦が設けられた部分であって、音を発生する部分)が存在するような感覚(臨場感)を得ることができる。
特開2007−333813号公報
しかし、上記従来の電子ピアノにおいては、臨場感を良好に得られる聴取範囲(リスニングエリア)が狭い。つまり、演奏者位置及びその近辺においては臨場感が良好に得られるが、それ以外の位置では臨場感が得られ難い。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、アコースティック楽器の演奏を聴いたときのような臨場感が得られ、その臨場感を良好に得られる範囲を従来の電子ピアノよりも拡大できる楽音信号処理装置、楽音再生装置、及び電子楽器を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、複数のスピーカ(SP)に供給する複数の楽音信号を生成する楽音信号処理装置(PP)であって、所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を取得する取得手段(DV)と、前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段(DG)と、を有し、前記楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている、楽音信号処理装置としたことにある。
また、本発明の特徴は、複数のスピーカ(SP)と、所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を取得する取得手段(DV)と、前記複数のスピーカに供給する複数の楽音信号をそれぞれ生成する複数の楽音信号処理手段であって、前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段(DG)と、を有し、前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている、楽音再生装置(PP,SS)としたことにある。
また、本発明の特徴は、複数のスピーカ(SP)と、所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を生成する原信号生成手段(PL)と、前記複数のスピーカに供給する複数の楽音信号をそれぞれ生成する複数の楽音信号処理手段であって、前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段(DG)と、を有し、前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている、電子楽器(GP,UP,DS)としたことにある。なお、上記の周波数特性とは、振幅に関する特性及び位相に関する特性を含む。また、上記のスピーカには、板状部材又は膜状部材と、前記板状部材又は膜状部材を振動させるアクチュエータから構成された発音装置が含まれるものとする。
この場合、前記楽音信号処理手段は、前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数に対応して設けられた、複数のバンドパスフィルタ(BPx,m)及び複数の位相シフト回路(PSx,m)を備え、前記複数の位相シフト回路の位相特性が前記アコースティック楽器の各振動形態に基づいて設定されているとよい。
また、この場合、前記取得手段は、予め設定された供給先情報に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段のうちのいずれか1つ又は複数の楽音信号処理手段に前記原信号を供給するとよい。
また、この場合、前記楽音信号処理手段は、前記原信号を前記楽音信号として出力するバイパス手段をさらに含むとよい。
上記のように構成した楽音信号処理装置(楽音生成装置又は電子楽器)においては、複数のスピーカに供給される複数の楽音信号が生成される。これらの複数の楽音信号をそれぞれ生成する複数の楽音信号処理手段の周波数特性は、楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態(振動モード)に基づいて設定されている。したがって、この楽音信号処理装置が適用された楽音生成装置又は電子楽器によって再生される楽音の聴取者はアコースティック楽器の演奏を聴いたときのような臨場感が得られる。そして、その臨場感が良好に得られる聴取範囲(リスニングエリア)を、従来よりも拡大することができる。
本発明の第1実施形態に係る電子ピアノの平面図である。 図1の電子ピアノの側面図である。 図1の電子ピアノの楽音信号生成部のブロック図である。 図3の音源回路のブロック図である。 第1実施形態の楽音信号処理回路のパラメータを表すテーブルである。 本発明の第2実施形態に係る電子ピアノの正面図である。 図6の電子ピアノの側面図である。 第2実施形態の楽音信号処理回路のパラメータを表すテーブルである。 本発明の第3実施形態に係る電子ドラムセットの正面図である。 スネアドラムを模擬した電子パッドの斜視図である。 図10の電子パッドを分解して斜め上方から見た分解斜視図である。 図10の電子パッドを分解して斜め下方から見た分解斜視図である。 シンバルを模擬した電子パッドの斜視図である。 図12の電子パッドを分解して斜め上方から見た分解斜視図である。 図9の電子ドラムセットの音源回路のブロック図である。 第3実施形態の楽音信号処理回路であって、図10の電子パッド用の楽音信号処理回路のパラメータを表すテーブルである。 第3実施形態の楽音信号処理回路であって、図12の電子パッド用の楽音信号処理回路のパラメータを表すテーブルである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る楽音信号処理装置PP、及び前記楽音信号処理装置PPが適用された電子ピアノGPについて説明する。電子ピアノGPの筐体の形状は、図1及び図2に示すように、アコースティックグランドピアノの筐体の形状と同様である。すなわち、電子ピアノGPの筐体は、アコースティックグランドピアノと同様の、側板SB、屋根LD、支持脚LGなどから構成されている。なお、図1においては、屋根LDを省略している。また、この筐体には、従来の電子ピアノと同様の鍵盤装置KY、ペダル装置PD、サウンドシステムSS、及び楽音信号生成装置SGが組み付けられている。
鍵盤装置KY及びペダル装置PDは、演奏者によって操作される複数の鍵及び複数のペダルレバーをそれぞれ備え、操作内容を表す操作情報(例えば、操作された鍵を特定する情報、ペダルレバーの踏み込み深さを表す情報など)を楽音信号生成装置SGに供給する。
サウンドシステムSSは、後述する楽音信号生成装置SGから供給されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号にそれぞれ変換する変換回路DAx=1〜DAx=16、前記アナログ楽音信号を増幅する増幅回路AMx=1〜AMx=16、前記増幅されたアナログ楽音信号を音響信号に変換して放音する複数のスピーカSPx=1〜スピーカSPx=16を備える。側板SBには、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8のバッフル板BUが組み付けられている。バッフル板BUは、水平面に平行な板状部材である。バッフル板BUに形成された複数の貫通孔にスピーカSPx=1〜スピーカSPx=8が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8の正面が上方(屋根LD)へ向けられている。スピーカSPx=1,SPx=5,SPx=6,SPx=2が、バッフル板BUの前端部にて左から右へ(鍵盤装置KYの鍵の低音側から高音側へ)、この順に並べられている。また、スピーカSPx=3,SPx=7,SPx=8,SPx=4が、バッフル板BUの後端部にて左から右へ、この順に並べられている。また、側板SBには、スピーカSPx=9〜スピーカSPx=16のバッフル板BLが組み付けられている。バッフル板BLも、水平面に平行な板状部材である。バッフル板BLは、バッフル板BUの下方に配置されている。バッフル板BLに形成された複数の貫通孔にスピーカSPx=9〜スピーカSPx=16が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=9〜スピーカSPx=16は、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8にそれぞれ対応している。スピーカSPx=9〜スピーカSPx=16は、それらが対応するスピーカSPx=1〜スピーカSPx=8の下方にそれぞれ配置されている。スピーカSPx=9〜スピーカSPx=16は、下方(電子ピアノGPの設置面)へ向けられている。
楽音信号生成装置SGは、図3に示すように、設定操作子11、コンピュータ部12、表示器13、記憶装置14、外部インターフェース回路15、音源回路16を備え、これらがバスBSを介して接続されている。なお、鍵盤装置KY及びペダル装置PDは、バスBSに接続されている。また、サウンドシステムSSの変換回路DAx=1〜DAx=16は、音源回路16に接続されている。
設定操作子11は、オン・オフ操作に対応したスイッチ(例えば数値を入力するためのテンキー)、回転操作に対応したボリューム又はロータリーエンコーダ、スライド操作に対応したボリューム又はリニアエンコーダ、マウス、タッチパネルなどからなる。設定操作子11は、音色の選択、音律の選択などに用いられる。設定操作子11を操作すると、その操作内容を表す操作情報が、バスBSを介して、後述するコンピュータ部12に供給される。
コンピュータ部12は、バスBSにそれぞれ接続されたCPU12a、ROM12b及びRAM12cからなる。例えば、CPU12aは、前記鍵の操作及びペダルレバーの操作内容を表す操作情報に基づいて、発生させる楽音に関する楽音情報を音源回路16に供給する。楽音情報には、後述する波形メモリWMから読み出す波形データを特定する情報が含まれる。
ROM12bには、CPU12aの動作を規定するプログラムに加えて、初期設定パラメータ、表示器13に表示される画像を表わす表示データを生成するための図形データ及び文字データなどの各種データが記憶されている。RAM12cには、各種プログラムの実行時に必要なデータが一時的に記憶される。
表示器13は、液晶ディスプレイ(LCD)によって構成される。表示器13には、表示すべき内容を表わす表示データがコンピュータ部12から供給される。表示器13は、コンピュータ部12から供給された表示データに基づいて画像を表示する。例えば、現在選択されている音色名が表示される。
記憶装置14は、HDD、FDD、CD、DVDなどの大容量の不揮発性記録媒体と、各記録媒体に対応するドライブユニットから構成されている。外部インターフェース回路15は、電子ピアノGPを他の電子音楽装置、パーソナルコンピュータなどの外部機器に接続可能とする接続端子を備えている。電子ピアノGPは、外部インターフェース回路15を介して、LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワークにも接続可能である。
音源回路16には、複数の波形データを記憶した波形メモリWMが接続されている。本実施形態においては、アコースティックグランドピアノの各鍵を押鍵したときに発生された演奏音(単音)を所定のサンプリング周期(1/44100秒)でマルチチャンネルサンプリングして得られた各サンプル値がサンプリングチャンネルごとに波形データとして波形メモリWMに記憶されている。例えば、サンプリングチャンネル数が「2」の場合、アコースティックグランドピアノの響板の上側における前端部の左端及び右端に左チャンネル用マイク及び右チャンネル用マイクがそれぞれ設置され、各マイクから出力された音響信号がサンプリングされる。また、例えば、サンプリングチャンネル数が「4」の場合、アコースティックグランドピアノの響板の上側における前端部の左端、中央及び右端、並びに前記響板の上側における後端部に、左チャンネル用マイク、センターチャンネル用マイク及び右チャンネル用マイク、並びにリアチャンネル用マイクがそれぞれ設置され、各マイクから出力された信号がデジタルサンプリングされる。
音源回路16は、図4に示すように、再生部PLと楽音信号処理装置PPを有する。再生部PLは、CPU12aから供給された楽音情報に基づいて、複数の波形データを波形メモリWMから読み出して複数のデジタル楽音信号を生成して楽音信号処理装置PPへ供給する。例えば、再生部PLは、楽音情報に基づいて、2チャンネルのデジタル楽音信号(左チャンネル用のデジタル楽音信号L及び右チャンネル用のデジタル楽音信号R)を供給する。また、再生部PLは、楽音情報に基づいて、4チャンネルのデジタル楽音信号(左フロントチャンネル用のデジタル楽音信号FL、センターチャンネル用のデジタル楽音信号C及び右フロントチャンネル用のデジタル楽音信号FR、並びにリアチャンネル用のデジタル楽音信号Rr)を供給する。
楽音信号処理装置PPは、分配回路DVと、楽音信号処理回路DGx=1〜楽音信号処理回路DGx=16を備える。分配回路DVは、再生部PLから供給された複数のデジタル楽音信号を、後述する楽音信号処理回路DGx=1〜DGx=16のうちの所定の回路へ供給する。分配回路DVは、各デジタル楽音信号をいずれの楽音信号処理回路DGへ供給するかを表す供給先情報を記憶している。分配回路DVは、前記供給先情報に従って、複数のデジタル楽音信号を、所定の楽音信号処理回路DGへ供給する。例えば、再生部PLから2チャンネルのデジタル楽音信号が供給された場合、分配回路DVは、デジタル楽音信号Lを楽音信号処理回路DGx=1,DGx=3,DGx=5,DGx=7及び楽音信号処理回路DGx=9,DGx=11,DGx=13,DGx=15に供給し、デジタル楽音信号Rを楽音信号処理回路DGx=2,DGx=4,DGx=6,DGx=8及び楽音信号処理回路DGx=10,DGx=12,DGx=14,DGx=16に供給する。この場合の楽音信号処理装置PPの動作モードを2チャンネルモードと呼ぶ。また、例えば、再生部PLから4チャンネルのデジタル楽音信号が供給された場合、分配回路DVは、デジタル楽音信号FLを楽音信号処理回路DGx=1,DGx=3,DGx=9,DGx=11に供給し、デジタル楽音信号Cを楽音信号処理回路DGx=5,DGx=6,DGx=13,DGx=14に供給するとともに、デジタル楽音信号FRを楽音信号処理回路DGx=2,DGx=4,DGx=10,DGx=12に供給し、デジタル楽音信号Rrを楽音信号処理回路DGx=7,DGx=8,DGx=15,DGx=16に供給する。この場合の楽音信号処理装置PPの動作モードを4チャンネルモードと呼ぶ。
楽音信号処理回路DGx=1,2,・・・,16は、スピーカSPx=1,2,・・・,16に対応している。すなわち、楽音信号処理回路DGx=1〜楽音信号処理回路DGx=16は、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=16を駆動するための信号(サウンドシステムSSの変換回路DAに供給されるデジタル楽音信号)をそれぞれ生成する。各楽音信号処理回路DGは、バンドパスフィルタBPx,m=1〜バンドパスフィルタBPx,m=12、位相シフト回路PSx,m=1〜位相シフト回路PSx,m=12、バッファBFx,m=1〜バッファBFx,m=12、バッファBFR及びサミング回路SUMを備える。
バンドパスフィルタBPx,mは、アコースティックグランドピアノの響板の各振動モードm=1,2,・・・,12に対応している。一般に、アコースティックグランドピアノの響板は、複数の振動モードを有することが知られている(フレッチャー,N.H、ロッシング,T.D著、岸憲史、久保田秀美、吉川茂 訳、「楽器の物理学」、丸善出版株式会社、2002年10月、p.380−p.381)。アコースティックグランドピアノの響板の各振動モードの特性(各固有周波数及び各振動形態)は、例えば、アコースティックグランドピアノの響板を加振器によって振動させ、各振動周波数において、前記響板の各部(バッフル板BUにおいてスピーカSPx=1〜SPx=8が配置される位置に相当する部分)の振幅及び位相を測定することにより取得できる。なお、振動形態とは、振動の節及び腹の位置、振幅、位相などを意味する。また、アコースティックグランドピアノの響板の各部の振幅特性及び位相特性を、数値解析(例えば、有限要素解析)により決定してもよい。本実施形態においては、振動モードの数を「12」としているが、模擬しようとするアコースティックグランドピアノの特性に応じて振動モードの数を変更してもよい。
各バンドパスフィルタBPx,mは分配回路DVから供給されたデジタル楽音信号を構成する周波数成分のうち、特定の周波数帯域に含まれる周波数成分のみを通過させる。本実施形態においては、アコースティックグランドピアノの響板の各振動モードにおける各部分の振動を集中定数系とみなしている。例えば、響板の2つの部分がそれぞれ振動する振動モードにおいて、響板の振動が、ばね及びダンパーを介して支持された2つの質点の振動と同等であるとみなしている。各バンドパスフィルタBPx,mの伝達関数の次数は「2」である。各バンドパスフィルタBPx,mの通過帯域の中心周波数は、アコースティックグランドピアノの響板の各固有周波数(各振動モードmの周波数)に一致している。また、バンドパスフィルタBPx,mの振幅特性(ゲイン、尖鋭度など)は、アコースティックグランドピアノの響板の部分であって、スピーカSPが配置される位置に相当する部分の振幅特性に準じ、且つ楽音信号処理回路DGにおけるバンドパスフィルタBPx,m=1〜バンドパスフィルタBPx,m=12の振幅特性を重ね合わせた結果が、可聴帯域において略フラット(例えば、最大値と最小値の差が1dB以内)になるように設定されている。
位相シフト回路PSx.mは、アコースティックグランドピアノの響板の部分であって、スピーカSPが配置される位置に相当する部分の位相特性に応じて、バンドパスフィルタBPx,mの出力の位相を変更する。本実施形態においては、各楽音信号処理回路DGの構成を簡単にするため、アコースティックグランドピアノの響板の各部の位相特性を簡略化している。すなわち、各楽音信号処理回路DGは、アコースティックグランドピアノの響板の各部の各固有周波数における位相を「0°」及び「180°(又は−180°)」のうちの近い方に設定し、その他の周波数帯域の位相を「0°」に設定する。上記のように簡略化した位相の情報が、テーブルTGPとしてROM12bに記憶されている(図5参照)。つまり、テーブルTGPは、測定又は計算により取得したアコースティックグランドピアノの響板の特性に基づいて予め設定されて、ROM12bに記憶されている。なお、テーブルTGPは、位相のみならず振幅に関する情報も含む。テーブルTGPは、2チャンネルモード及び4チャンネルモードのいずれの動作モードにおいても共通に用いられる。テーブルTGPにおいて、「P」は、位相が「0°」であることを表し、「N」は位相が「180°(又は−180°)」であることを表す。また、「0」は、振幅が「0」であることを表す。上記のように、スピーカSPx=9〜スピーカSPx=16は、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8の下方にそれぞれ配置され、スピーカSPx=9〜SPx=16の向きとスピーカSPx=1〜SPx=8の向きが反対である。したがって、テーブルTGPにおいて、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8の位相に関する設定と、スピーカSPx=9〜スピーカSPx=16の位相に関する設定とが逆になっている。
位相シフト回路PSx,mは、テーブルTGPのうち、「x」及び「m」の値によって特定される欄を参照する。前記参照した欄の値が「P」又は「0」である場合、位相シフト回路PSx,mは、バンドパスフィルタBPx,mの出力信号をそのまま出力する。一方、前記参照した欄の値が「N」である場合、位相シフト回路PSx,mは、バンドパスフィルタBPx,mの出力信号の振幅の符号(プラス又はマイナス)を反転させて出力する。
バッファBFx,mは、位相シフト回路PSx,mに接続されている。バッファBFx,mは、テーブルTGPのうち、「x」及び「m」の値によって特定される欄を参照する。テーブルTGPを参照する。前記参照した欄の値が「P」又は「N」である場合、バッファBFx,mは、位相シフト回路PSx,mの出力信号をそのまま出力する。一方、前記参照した欄の値が「0」である場合、バッファBFx,mは、位相シフト回路PSx,mの出力信号の振幅を「0」に設定する。
バッファBFRは、分配回路DVに接続されている。バッファBFRは、分配回路DVから供給された楽音信号をそのまま出力する。つまり、バッファBFRは、バイパス回路を構成している。
サミング回路SUMは、バッファBFx,m=1〜バッファBFx,m=12の出力信号、及びバッファBFRの出力信号を加算して、変換回路DAに供給する。
上記のように構成した電子ピアノGPにおいては、スピーカSPx=1〜SPx=16をバッフル板BU及びバッフル板BLに並べて固定することにより、アコースティックグランドピアノの響板を模擬している。そして、測定又は計算(シミュレーション)により取得したアコースティックグランドピアノの響板の特性(振動モード)に基づいて、スピーカSPx=1〜SPx=16の位相を決定した。したがって、電子ピアノGPの演奏の聴取者はアコースティックグランドピアノの演奏を聴いたときのような臨場感が得られ、その臨場感が良好に得られる聴取範囲(リスニングエリア)を、従来の電子ピアノよりも拡大することができる。
また、バンドパスフィルタBPx,mの振幅特性(ゲイン、尖鋭度など)は、アコースティックグランドピアノの響板の部分であって、スピーカSPが配置される位置に相当する部分の振幅特性に準じ、且つ楽音信号処理回路DGにおける各バンドパスフィルタBPx,m=1,2,・・・,10の振幅特性を重ね合わせた結果が、可聴帯域において略フラット(例えば、最大値と最小値の差が1dB以内)になるように設定されている。すなわち、再生系の振幅特性は、従来の電子ピアノと同様に、略フラットである。したがって、従来の電子ピアノ用の波形データ(ピアノ音の波形データ)をそのまま用いることができる。
(第2実施形態)
つぎに、本発明の第2実施形態に係る楽音信号処理装置PP、及び前記楽音信号処理装置PPが適用された電子ピアノUPについて説明する。電子ピアノUPの筐体の形状は、図6及び図7に示すように、アコースティックアップライトピアノの筐体の形状と同様である。電子ピアノUPは、天板TB、底板BB、右板SB及び左板SB、前板FB及び後板RBを有する。また、電子ピアノUPの筐体には、第1実施形態と同様の鍵盤装置KY、ペダル装置PD、サウンドシステムSS、及び楽音信号生成装置SGが組み付けられている。
サウンドシステムSSは、変換回路DAx=1〜DAx=10、前記アナログ楽音信号を増幅する増幅回路AMx=1〜AMx=10、前記増幅されたアナログ楽音信号を音響信号に変換して放音する複数のスピーカSPx=1〜スピーカSPx=10を備える。前板FBに形成された複数の貫通孔にスピーカSPx=1〜スピーカSPx=6が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=1〜スピーカSPx=6の正面が前方(演奏者側)へ向けられている。スピーカSPx=1,SPx=3,SPx=5は、前板FBの左端部に固定されている。スピーカSPx=1は、鍵盤装置KYよりも下方に位置している。スピーカSPx=3は、鍵盤装置KYよりも上方に位置している。スピーカSPx=5はスピーカSPx=1よりも下方且つ右方に位置している。また、スピーカSPx=2,SPx=4,SPx=6は、前板FBの右端部に固定されている。スピーカSPx=2は、鍵盤装置KYよりも下方に位置している。スピーカSPx=4は、鍵盤装置KYよりも上方に位置している。スピーカSPx=6はスピーカSPx=2よりも下方且つ左方に位置している。また、天板TBに形成された貫通孔にスピーカSPx=7及びスピーカSPx=8が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=7及びスピーカSPx=8の正面が上方へ向けられている。スピーカSPx=7は、天板TBの左端部に固定されている。スピーカSPx=8は、天板TBの右端部に固定されている。また、後板RBに形成された貫通孔にスピーカSPx=9及びスピーカSPx=10が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=9及びスピーカSPx=10の正面が後方へ向けられている。スピーカSPx=9は、後板RBの左端部に固定されている。スピーカSPx=10は、後板RBの右端部に固定されている。スピーカSPx=9及びスピーカSPx=10は、スピーカSPx=3及びスピーカSPx=4の後方に位置している。
楽音信号生成装置SGの構成は、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、スピーカの数が10個なので、楽音信号処理装置PPは、楽音信号処理回路DGx=1〜楽音信号処理回路DGx=10を備える。分配回路DVは、再生部PLから供給された複数のデジタル楽音信号を、楽音信号処理回路DGx=1〜楽音信号処理回路DGx=10のうちの所定の回路へ供給する。なお、本実施形態においては、アコースティックアップライトピアノの演奏音(単音)がステレオサンプリングされて、そのサンプル値が波形データとして記憶されているものとする。すなわち、再生部PLから2チャンネルのデジタル楽音信号(デジタル楽音信号L及びデジタル楽音信号R)が分配回路DVに供給されるものとする。分配回路DVは、デジタル楽音信号Lを楽音信号処理回路DGx=1,DGx=3,DGx=5,DGx=7,DGx=9に供給し、デジタル楽音信号Rを楽音信号処理回路DGx=2,DGx=4,DGx=6,DGx=8,DGx=10に供給する。
バンドパスフィルタBPx,mは、アコースティックアップライトピアノの響板の各振動モードm=1,2,・・・,12に対応している。なお、一般に、アコースティックアップライトピアノの響板は、複数の振動モードを有することが知られている。アコースティックアップライトピアノの響板の各振動モードの特性は、第1実施形態と同様に、測定又は計算により取得できる。本実施形態においては、振動モードの数を「12」としているが、模擬しようとするアコースティックアップライトピアノの特性に応じて振動モードの数を変更してもよい。また、本実施形態においては、テーブルTGPに代えて、図8に示すテーブルTUPが用いられる。テーブルTUPは、テーブルTGPと同様に設定される。つまり、前記取得したアコースティックアップライトピアノの特性に基づいて予め設定される。テーブルTUPは、ROM12bに記憶されている。
上記のように構成した電子ピアノUPによっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、電子ピアノUPの演奏の聴取者はアコースティックアップライトピアノの演奏を聴いたときのような臨場感が得られ、その臨場感が良好に得られる聴取範囲(リスニングエリア)を、従来の電子ピアノよりも拡大することができる。
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態に係る楽音信号処理装置PP、及び前記楽音信号処理装置PPが適用された電子ドラムセットDSについて説明する。電子ドラムセットDSは、図9に示すように、電子パッドDPi=1,DPi=2,・・・,DPi=8及び楽音信号生成装置SGを有している。各電子パッドDPi=1,2,・・・,8は、アコースティックドラムセットを構成する各アコースティックドラム(スネアドラム、キックドラム、タム、ハイハット、シンバルなど)を模擬した装置である。
各電子パッドDPi=1,2,・・・,8の構成は同様である。電子パッドDPは、打奏装置BAとサウンドシステムSSを備える。打奏装置BAは、ドラムスティック、ブラシなどで打撃される打面部と、前記打面部の振動の態様(振動波形)を検出して、前記検出した振動の態様を表す打撃信号を出力するセンサ部を有する。なお、打奏装置BAは、第1実施形態及び第2実施形態の鍵盤装置KYに相当する。サウンドシステムSSの構成は、第1実施形態及び第2実施形態のサウンドシステムSSと同様である。
例えば、図10並びに図11A及び図11Bに示すように、スネアドラム型の電子パッドDPi=1の打奏装置BAの打面部は、スネアドラムの膜面を模擬している。また、電子パッドDPi=1のサウンドシステムSSは、略円筒状の胴部BD、及び円板状のバッフル板BU,BLを備える。バッフル板BUに形成された貫通孔に、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=4が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=1〜スピーカSPx=4は、バッフル板BUの周方向に沿って等間隔に並べられている。また、バッフル板BLに形成された貫通孔に、スピーカSPx=5〜スピーカSPx=8が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=5〜スピーカSPx=9は、バッフル板BLの周方向に沿って等間隔に並べられている。バッフル板BUは、胴部BDの上端部(一方の開口部)に取り付けられている。また、バッフル板BLは、胴部BDの下端部(他方の開口部)に取り付けられている。スピーカSPx=1〜スピーカSPx=4は上方へ向けられていて、スピーカSPx=5〜スピーカSPx=8は下方へ向けられている。スピーカSPx=5〜スピーカSPx=8は、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=4の下方にそれぞれ位置している。変換回路DAx=1〜変換回路DAx=8及び増幅回路AMx=1〜増幅回路AMx=8は胴部BDの内周面に設けられた支持部材によって支持されている。打奏装置BAは、バッフル板BUに重ねられるようにして、胴部BDに取り付けられている。
また、例えば、図12及び図13に示すように、シンバル型の電子パッドDPi=2の打奏装置BAの打面部は、シンバルのベル部、ボウ部、カップ部などを模擬している。また、例えば、電子パッドDPi=2のサウンドシステムSSは、深皿状のケースCA及び円板状のバッフル板BUを備える。バッフル板BUに形成された貫通孔に、スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8が嵌め込まれて、固定されている。スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8は、バッフル板BUの周方向に沿って等間隔に並べられている。バッフル板BUは、ケースCAの上端部(開口部)に取り付けられている。スピーカSPx=1〜スピーカSPx=8は上方へ向けられている。変換回路DAx=1〜変換回路DAx=8、及び増幅回路AMx=1〜増幅回路AMx=8はケースCA内に設けられた支持部材によって支持されている。打奏装置BAは、バッフル板BUに重ねられるようにして、ケースCAに取り付けられている。
楽音信号生成装置SGの構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。CPU12aは、電子パッドDPが操作(打奏)されると、その操作内容(打奏位置、打奏強さなど)を表す操作情報に基づいて、発生させる楽音に関する楽音情報を音源回路16に供給する。
本実施形態においては、楽音信号生成装置SGは、図14に示すように、電子パッドDPごとに、楽音信号処理装置PPを備える。以下、電子パッドDP用の楽音信号処理装置PPを楽音信号処理装置PPと標記する。なお、本実施形態においては、アコースティックドラム(スネアドラム、シンバルなど)の演奏音(単音)がステレオサンプリングされて、そのサンプル値が波形データとして記憶されているものとする。すなわち、再生部PLは、CPU12aから供給された楽音情報に基づいて、打奏された電子パッドDPに対応するデジタル楽音信号L及びデジタル楽音信号Rを生成し、それらを電子パッドDPに対応する楽音信号処理装置PPに供給する。
楽音信号処理装置PPの分配回路DVは、再生部PLから供給された複数のデジタル楽音信号を、楽音信号処理回路DGx=1,2,・・・のうちの所定の回路へ供給する。例えば、楽音信号処理装置PPi=1の分配回路DVは、デジタル楽音信号Lを楽音信号処理回路DGx=1,DGx=3,DGx=5,DGx=7に供給し、デジタル楽音信号Rを楽音信号処理回路DGx=2,DGx=4,DGx=6,DGx=8に供給する。また、例えば、楽音信号処理装置PPi=2の分配回路DVは、デジタル楽音信号Lを楽音信号処理回路DGx=1,DGx=3,DGx=5,DGx=7に供給し、デジタル楽音信号Rを楽音信号処理回路DGx=2,DGx=4,DGx=6,DGx=8に供給する。
楽音信号処理装置PPの楽音信号処理回路DGx=1,2,・・・の構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。ただし、楽音信号処理装置PPにおいては、テーブルTGP及びテーブルTUPに代えて、図15及び図16に示すようなテーブルTDPi=1,2,・・・が用いられる。一般に、アコースティックドラムの打面部は、複数の振動モードを有することが知られている。テーブルTDPは、電子パッドDPが模擬しようとするアコースティックドラムの打面部の振動モードの特性に基づいて予め設定されてROM12bに記憶されている。
上記のように構成した電気ドラムセットDSによっても、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、聴取者はアコースティックドラムセットの演奏を聴いたときのような臨場感が得られ、その臨場感が良好に得られる聴取範囲(リスニングエリア)を、従来の電子ドラムセットよりも拡大することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記の各実施形態の態様に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態は、本発明を電子ピアノ及び電子ドラムセットに適用した例であるが、他の電子楽器にも適用可能である。例えば、パイプオルガンを模擬した電子オルガンに本発明を適用してもよい。この場合、本発明の振動体はオルガンパイプの空気柱に相当する。従って、オルガンパイプ(開管)の空気柱を模擬するための上下一対のスピーカSPx=1及びスピーカSPx=2を設けるとよい。この場合、模擬しようとするオルガンパイプの空気柱の振動モードの特性に基づいて、テーブルTGP,TUPなどと同様のテーブルを設定しておけばよい。例えば、上側のスピーカSPx=1用の楽音信号処理回路DGx=1は、次のように設定される。すなわち、再生部PSから出力された楽音(デジタル楽音信号)の偶数次倍音の位相を反転させ、奇数次倍音の位相を変更することなく出力する。一方、下側のスピーカSPx=2用の楽音信号処理回路DGx=2は、再生部PSから出力された楽音(デジタル楽音信号)を変更することなく出力すればよい。つまり、バイパス回路のみを用いればよい。
また、例えば、本発明は、電子ギター、電子バイオリンなどにも適用することができる。
また、上記実施形態においては、位相シフト回路PSx,mは、テーブルTGP(TUP、TDP)に従って、バンドパスフィルタBPx,mの出力信号の振幅の符号を反転するか否かを決定する。しかし、これに代えて、位相のシフト量をテーブルTGP(TUP、TDP)として記憶しておき、位相シフト回路PSx,mは、前記位相のシフト量に従って、バンドパスフィルタBPx,mの出力信号の位相を変更してもよい。
また、例えば、外部インターフェース回路15に接続された外部機器(音源装置、パーソナルコンピュータなど)から分配回路DVにデジタル楽音信号を供給可能に構成してもよい。この場合、上記実施形態から演奏操作子及び再生部PLを削除すれば、楽音を再生する楽音再生装置が実現される。
また、例えば、各電子楽器のスピーカSPの数、向きや配置の形態は上記実施形態に限られない。ただし、電子楽器は、少なくとも4個のスピーカを備えることが望ましい。
また、上記実施形態においては、演奏音(単音)を所定のサンプリング周期(1/44100秒)でマルチチャンネルサンプリングして得られた各サンプル値がサンプリングチャンネルごとに波形データとして波形メモリWMに記憶され、それを読み出して各楽音信号処理回路DGへ供給している。しかし、このような形態に限られず、所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す信号を出力するものであればよい。例えば、波形データを予め記憶するものでなく、FM音源や物理モデル音源等を用いてもよい。また、一般的な音源回路に限らず、CD、DVD、Blu−ray等(Blu−rayは登録商標)の録音されたオーディオ信号を用いてもよい。
11・・・設定操作子、12・・・コンピュータ部、13・・・表示器、14・・・記憶装置、15・・・外部インターフェース回路、16・・・音源回路、AM・・・増幅回路、BA・・・打奏装置、BFR・・・バッファ、BFx,m・・・バッファ、BPx,m・・・バンドパスフィルタ、DA・・・変換回路、DG・・・楽音信号処理回路、DP・・・電子パッド、DS・・・電子ドラムセット、DV・・・分配回路、L,R,FL,FR,C,Rr・・・デジタル楽音信号、GP・・・電子ピアノ、m・・・振動モード、PD・・・ペダル装置、PL・・・再生部、PP・・・楽音信号処理装置、PSx,m・・・位相シフト回路、SG・・・楽音信号生成装置、SP・・・スピーカ、SS・・・サウンドシステム、SUM・・・サミング回路、TDP,TGP,TUP・・・テーブル、UP・・・電子ピアノ

Claims (6)

  1. 複数のスピーカに供給する複数の楽音信号を生成する楽音信号処理装置であって、
    所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を取得する取得手段と、
    前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段と、を有し、
    前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている、楽音信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の楽音信号処理装置において、
    前記楽音信号処理手段は、前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数に対応して設けられた、複数のバンドパスフィルタ及び複数の位相シフト回路を備え、
    前記複数の位相シフト回路の位相特性が前記アコースティック楽器の各振動形態に基づいて設定されている、楽音信号処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載の楽音信号処理装置において、
    前記取得手段は、予め設定された供給先情報に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段のうちのいずれか1つ又は複数の楽音信号処理手段に前記原信号を供給する、楽音信号処理装置。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の楽音信号処理装置において、
    前記楽音信号処理手段は、前記原信号を前記楽音信号として出力するバイパス手段をさらに含む、楽音信号処理装置。
  5. 複数のスピーカと、
    所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を取得する取得手段と、
    前記複数のスピーカに供給する複数の楽音信号をそれぞれ生成する複数の楽音信号処理手段であって、前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段と、を有し、
    前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている、楽音再生装置。
  6. 複数のスピーカと、
    所定の楽音合成アルゴリズムに従って合成された、アコースティック楽器の楽音を表す原信号又は前記楽音を記録して得られたオーディオ信号を生成する原信号生成手段と、
    前記複数のスピーカに供給する複数の楽音信号をそれぞれ生成する複数の楽音信号処理手段であって、前記複数のスピーカに対応してそれぞれ設けられ、前記原信号を処理して、前記各スピーカの配置位置に応じた前記楽音信号をそれぞれ出力する複数の楽音信号処理手段と、を有し、
    前記アコースティック楽器の振動体の各固有振動数及び各振動形態に基づいて、前記複数の楽音信号処理手段の周波数特性がそれぞれ設定されている、電子楽器。
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