JP3790902B2 - ステージ構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、座標測定装置、等の測定装置、欠陥検査装置、等の検査装置、及びEB描画装置や欠陥修正装置、等の半導体プロセス装置、等の主装置に配備されている、レーザ干渉計を具備し、試料の位置読み取りを行う1 軸(X) または2 軸(XY)のステージ構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用のマスク、レチクル、等の試料面のパターン位置の座標測定に用いられる座標測定装置は、試料を搭載し、移動可能な試料ステージを具備しており、この試料ステージは、一般にレーザ干渉計により位置読み取りが行われる。このようなパターン位置の座標測定装置では、マスク、レチクル、等は一般にパターン面を上向きとし、下面側を基準として試料ステージ上に保持されている。ここで、マスク、レチクル、等は実質的に石英ガラス、等の基板とその上面に形成されたパターンとからなる。マスク、レチクル、等の厚み( 一般には基板の厚みとなる) には種々の種類があるため、例えば、同じ6インチのレチクルであっても、その厚みが0.12インチ厚と0.25インチ厚のように異なる場合、レチクルを同一のホルダ上にセットする場合、パターン面の高さには0.13インチ、約3.3mm の差が生じる。 従って、レーザ干渉計の参照用レーザビームの高さを0.25インチ厚の試料面のパターン面の高さに一致させると、0.12インチ厚の試料においては、そのパターン面の高さとレーザビームの高さの差が0.13インチ( 約3.3mm)生じることになる。精密測定学の理論から、一般にレーザ干渉計を用いて試料の寸法、等を測定する場合には、試料の測定部とレーザビームが同一直線上に存在しないと測長誤差が生じる。これをアッベの原理( Abbe's principle) といい、発生する測長誤差をアッベ誤差と呼ぶ。アッベ誤差についての詳細な説明は( 「精密測定学」築添 正著 養賢堂発行 p102〜p104) に詳しいので、ここでは説明を省略する。この問題を解決するために、マスク、レチクル、等の厚みが変化した場合、これに対応させてレーザ干渉系の光学系の内部で平行平面ガラスの回転、等によりレーザビームの高さを上下させて、マスク、レチクル、等のパターン面の高さとレーザビーム高さが一致するように制御することでアッベ誤差を最小とする技術が特開平5-272912に開示されている。
【0003】
一方、レーザ干渉計により位置の読み取りを行う試料ステージにおいてはステージ上にレーザ干渉計用の移動鏡が配置される。この移動鏡はここに入射するレーザビームを干渉計の干渉部に向けて反射させる機能を有する。この移動鏡の反射面はステージ座標系の基準となるため、その反射面の曲がりがゼロであることが理想であるが、実際には製造誤差、等により、微細な曲がりは避けられない。
【0004】
移動鏡の反射面の曲がりが測定結果に及ぼす影響を図2に示す。図2(a) においてX 軸移動鏡201 、Y軸移動鏡202 の各反射面は各201S、202Sに示されるような曲がった形状を有し、測定対象のレチクル10上には2 本の微少幅の直線状パターンが交差した形状を有する十字状のパターン203 が形成され、微少幅の直線状パターンは理想的に平行且つ直線的な境界を有している。座標測定装置は201S、202Sに示されるような曲がった形状の反射面に対して十字状のパターン203 の位置を測定するため、レチクル10上の理想的な十字状のパターン203 は図2(b) に示す204 のように歪んで測定されることになる。
【0005】
又、互いに直交する方向に、独立に移動可能なXYの2 軸ステージにおいて、X 軸移動鏡の反射面とY 軸移動鏡の反射面との交差角( ここで言う交差角は各反射面の各面法線が互いに交差する角度のことを言う。) は、ステージ座標系の直交性を保証するために、正確に90°となっている必要があるが、これについても製造誤差、等により微細な直交度誤差が避けられない。図3(a) において、X軸移動鏡201 の反射面201SとY軸移動鏡202 の反射面202Sとの交差角が図示のように、90°でない場合は、座標測定装置は201S、202Sに示されるような交差角が直角でない反射面に対して、十字状のパターン204 の位置を測定するため、レチクル10上の理想的な十字状のパターン204 は図3 (b) に示す205 のように斜交した十字状のパターンとして測定されることになる。
【0006】
これらの反射面真直度誤差( 反射面真直度誤差は反射面の曲がりを意味する) および反射面直交度誤差( 反射面直交度誤差は二つの反射面の交差角と90°との差のことであるが、厳密にはこの交差角のXY平面への正射影が測定される) の影響を除去するために、従来からあらかじめ装置内に反射面真直度誤差、又は反射面直交度誤差を補正量として記憶させておき、この補正量により、ステージ移動量や座標測定結果、等に補正を加えることが行われてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術においては、補正量としての反射面真直度誤差と反射面直交度誤差は1セット分しか記憶されていなかった。前述の特開平5-272912で説明されているように、パターン面の高さの相違により使用される移動鏡反射面の高さ方向の位置が異なる。即ち干渉計のレーザビームはマスクの厚みが厚ければ反射面の高い位置に、薄ければ反射面の低い位置に当たる。加工誤差や自重による歪み、等の要因により、この異なる高さ方向の位置は、異なる反射面真直度誤差および反射面直交度誤差の値を有する。この時に、1セット分のみの補正量で補正を行なうと、ある一種類の高さの試料に対しては正確に補正が行われてもそれ以外の高さの試料については補正誤差が発生してしまう、という問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため本発明では、より高精度なステージ制御や座標測定、等を行なうため、試料面の高さに応じて異なる反射面真直度補正量および異なる反射面直交度補正量を使用することを可能とする。
そのため、第一に、「位置検出を行うレーザ干渉計を具備し、試料の位置読み取りを行う1 軸(X) または2 軸(XY)のステージ構造体において、XY面に垂直方向のアッベ誤差を最小とするため干渉計のレーザビームを平行に上下動させるための、干渉計のレーザビーム光学系内に配置された光学部品と、前記光学部品の駆動機構と、前記試料の試料面の高さに応じて前記平行に上下動されたレーザビームが入射する移動鏡の反射面高さに対応し、反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方を複数セット分記憶した記憶部と、試料面の高さに対応し、最適な前記反射面真直度補正量と前記反射面直交度補正量の片方または両方を一セット分選択するための選択部とを具備することを特徴とするステージ構造体。( 請求項1)」を提供する。
【0009】
第二に、「前記移動鏡と前記移動鏡の支持部材とが同一材料から一体化形成される一体化支持部材からなり、前記一体化支持部材はステージ上に搭載されるための3 個所の支持点を具備し、且つ前記記憶部に、前記一体化支持部材を主装置に組込む前に計測することにより求められた、前記移動鏡の反射面の高さ毎の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方が複数セット分記憶されていることを特徴とする請求項1 記載のステージ構造体。( 請求項2)」を提供する。
【0010】
第三に、「前記移動鏡と前記移動鏡の支持部材とが同一材料から一体化形成される一体化支持部材からなり、前記一体化支持部材はステージ上に搭載されるための3 個所の支持点を具備し、前記記憶部に、前記移動鏡の反射面の基準高さにおける計測により求められた1 セット分のみの反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方と、理論計算により算出された補正量と、から求められた前記移動鏡の反射面の高さ毎の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方が複数セット分記憶されていることを特徴とする請求項1 記載のステージ構造体。( 請求項3)」を提供する。
【0011】
第四に、「前記試料の被測定パターンのパターンエッジ検出のための光学系および対物レンズが配置されていることを特徴とする請求項 1〜3 の何れか1 項記載のステージ構造体。( 請求項4)」を提供する。
第五に、「前記対物レンズの側面に、前記対物レンズの温度変化による位置ドリフトや振動による変位、等をキャンセルするために、対物レンズ11の側面にX 軸参照鏡とY 軸参照鏡のどちらかまたは両方が固定され、X 軸干渉計とY 軸干渉計のどちらかまたは両方が配置されていること特徴とする請求項4 記載のステージ構造体。( 請求項5)」を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では干渉計用移動鏡の反射面高さに応じて、その高さにおける反射面真直度誤差と反射面直交度誤差を測定または計算、或いは測定と計算を用いて求めて、その補正量を装置内に記憶しておく。そして、マスク、レチクル、等の試料のパターン面高さ、即ち通常は試料面高さに応じて最適な補正量を使用する。この方法により、いかなる厚さの試料に対しても常に最適な補正量を使用することができるので、試料面高さの相違によりステージ制御精度や座標測定精度に差が生じることなく、常に高い座標測定精度を維持することができる。
【0013】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
実施例1
図4は、本発明の一実施例の第一の説明図であり、本発明のステージ構造体を配備した主装置の全体構成を示している。ここでは、半導体製造用のマスク、レチクル上のパターン座標を測定するためのパターン座標測定装置を例としている。又、この例は、特開平5-332761の実施例を基本としている。本実施例は、基本的に以下の要素から構成されている。・マスク、レチクル上のパターンのエッジを検出するエッジ検出手段(12 、11、50a 、50b 、51a 、51b ) 。( エッジ検出手段については、この実施例のレーザ光の散乱光または回折光を検出する方法に限定されず、画像処理による検出手段、等を用いてもよい。)
・ステージ15。
【0014】
ステージ位置( これによってパターン位置を検出する) を検出するためのレーザ干渉計(14a、14b)。
・マスク表面の高さ検出手段(11 、12) 。(オートフォーカス、等)
・主制御装置20。( 本発明の記憶部と選択部を具備するとともに、装置全体の動作を制御する手段を具備する)
座標測定の具体的な方法については、特開平5-332761に詳しく開示されているので、ここでは説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施例の第二の説明図である。ここには記憶部と選択部は図示されていない。
マスク10は、ホルダ61上に搭載される。ホルダ61は、試料台15上に配置され、又、X軸干渉計用移動鏡201 およびY軸干渉計用移動鏡202(図示しない) も試料台15上に配置される。
【0016】
一方、マスク10の上方には、パターンエッジ検出とオートフォーカスのための光学系12および対物レンズ11が配置されている。レーザ干渉計用のX軸参照鏡211 およびY軸用参照鏡は( 図示しない) 対物レンズの温度変化による位置ドリフトや振動による変位、等をキャンセルするために、対物レンズ11の側面に固定される構造となっている。 装置の左方にはX軸干渉計が配置され、後方にはY軸干渉計( 図示しない) が配置されている。参照用レーザビーム231aは参照鏡211 に入射し、測定用レーザビーム221aは移動鏡201 に入射する。試料台15が搭載されるXステージ71の位置は、参照鏡211 を基準として移動鏡201 の位置をレーザ干渉計により読み取ることで検出される。Xステージ71の下方、ステージベース部品73上に配置されるYステージ72も同様にレーザ干渉計により位置検出が行われる。
【0017】
平行平面ガラス81は、モータ、等( 図示しない) の駆動手段により、レーザビームに垂直な回転軸の回りに回転可能な構造となっており、ポテンショメータ、エンコーダ( 図示しない) 、等の検出器により回転角度の検出も可能となっている。平行平面ガラス81が正立81a の状態から回転し、81b のように傾いた状態になると、レーザビームはガラス内での屈折により、参照用レーザビームは231aから231bへ、又、測定用レーザビームは221aから221bへと平行に上方に同一量移動する。つまり、平行平面ガラス81の回転角を制御することにより、参照用レーザビームおよび測定用レーザビームの高さを任意に制御することが可能となる。
【0018】
検出用光学系12にはオートフォーカス部を具備しており、オートフォーカス部は対物レンズ11を上下動させることによりオートフォーカスを行う。又、オートフォーカス時の対物レンズ11の高さはエンコーダ、等の読み取り部によって検出する。マスク10は、ホルダ61上に下面側を基準としてセットされている。従って、オートフォーカス時に検出された対物レンズ11の高さを用いてマスク10のパターン面高さを検出することが可能である。例えば、パターン面高さ10a は、厚さ0.12インチのマスクのパターン面高さを示しており、パターン面高さ10b は、厚さ0.25インチのマスクのパターン面高さを示している。ここで、マスクのパターン面高さとレーザ干渉計測定用レーザビームの高さが一致していないと、Xステージ71移動時のピッチング誤差またはYステージ72移動時のローリング誤差に起因するアッベ誤差が発生する。(詳しくは「精密測定学」築添 正著 養賢堂発行 p102〜p104 を参照されたい)
前述のようにレーザ干渉計の参照用レーザビームと測定用レーザビームは平行平面ガラス81の回転により上下動を可能とした。従って、例えば、厚さ0.12インチのマスクに対しては、そのパターン面高さ10a を測定用レーザビーム高さ221aと同一となるよう平行平面ガラス81の回転角度を81a の位置に制御し、厚さ0.25インチのマスクに対しては、そのパターン面高さ10b を測定用レーザビーム高さ221bと同一となるよう平行平面ガラス81の回転角度を81b の位置に制御することが可能である。勿論、これ以外のパターン面高さに対しても任意に測定用レーザビームの高さを一致させることが可能となる。
【0019】
図5は、X軸用移動鏡201 の反射面の高さと反射面真直度の関係の説明図である。移動鏡201 の反射面真直度誤差は、加工誤差や試料台15または移動鏡201 自身、等の自重による歪み、等に起因して、反射面の高さが異なるとその値が一般に異なる。例えば、501aは、測定用レーザビーム高さ221aでの真直度を示しており、501bは、測定用レーザビーム高さ221bでの真直度を示している。
【0020】
従来の技術においては、真直度誤差の補正は行われるものの、この高さによる真直度誤差の差は考慮されず、平均的な反射面真直度誤差をX軸用、Y軸用各々一組づつのみ補正量として用いていた。これに対して、 本発明においては、移動鏡の反射面の高さに応じて複数セットの反射面真直度補正量を装置内に記憶しておく。例えば、厚さ0.12インチのマスクのパターン面高さ10a に一致する測定用レーザビーム高さ221aに対しては、反射面真直度補正量として501aを用い、厚さ0.25インチのマスクのパターン面高さ10b に一致する測定用レーザビーム高さ221bに対しては、反射面真直度補正量として501bを用いる。
【0021】
又、X軸干渉計用移動鏡201 の反射面とY軸干渉計用移動鏡202 の反射面間の直交度は、真直度誤差と同様に、加工誤差や試料台15または移動鏡201 自身、等の自重による歪み、等に起因して、反射面の高さが異なると一般に値が異なる。従来の技術においては、反射面直交度誤差の補正は行われるものの、この高さによる直交度誤差の違いは考慮されず、平均的な反射面直交度誤差を一つのみ補正量として用いていた。これに対して、 本発明においては、反射面直交度についても測定用レーザビーム高さ(移動鏡反射面高さ)に応じて複数の補正量を記憶しておき、マスクのパターン面高さに応じた補正量を使用する。
【0022】
なお、反射面真直度補正量の求め方としては、例えば、特開昭57-210626 に開示されている被測定物(本実施例ではマスクに相当)を水平面内に180°回転させ、0°での測定データと180°での測定データとを用いて求める方法、等がある。
又、反射面直交度補正量については、従来、以下のような方法で求められている。まず、適当な配列のパターンを有するマスクを図6(a) に示すように水平面内の0°の方向でパターン直交度を測定する。ここで移動鏡の反射面直交度誤差はαであり、又、パターン直交度誤差はβであるとする。結果として得られる測定データ(図6(b) )では、パターン直交度は、θ1 =90°+( α+β) として得られる。次に、図6(c) に示すように同一のマスクを水平面内で左回りに90°回転して同一パターンの直交度を測定する。この場合には、結果として得られる測定データ(図6(d) )では、パターン直交度は、θ2 =90°+( α−β) として得られる。この2つの測定データより、移動鏡の反射面直交度誤差は、α={(θ1 +θ2 )/2}−90°として求めることができる。このように、0°方向の測定結果と90°回転の測定結果を組み合わせることによりパターン直交度誤差βはキャンセルされ、反射面直交度誤差αが得られる。
【0023】
このように、反射面真直度誤差と反射面直交度誤差のいずれをもマスク上のパターン座標の測定結果から得ることができることから、干渉計レーザビームの異なる高さに対応した、移動鏡の反射面の異なる高さにおける、反射面真直度誤差と反射面直交度誤差は、異なる厚さの複数のマスク上のパターンを測定することにより得ることができる。このように、移動鏡の反射面の高さに応じた反射面真直度補正量と反射面直交度補正量は、複数の厚さのマスク上のパターンの測定により、任意の複数セット得ることができる。又、移動鏡の連続した反射面高さに対する補正量は、適当な数学的補間を行うことにより測定値から得られる。
実施例2
次に、反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の求め方の実施例2 について述べる。
【0024】
図7は、実施例2 において使用される試料台の構造を示す。従来から、移動鏡の反射面真直度と反射面直交度の長期的な変動を抑えるために移動鏡支持部材と移動鏡とをセラミクスや超低膨張ガラス、等の材料から一体で製造することが行われている。図7の試料台はこの例で、図1の中の試料台15と移動鏡201 が一体となっている構成である。図7の部材701 は一体型試料台を示しており、側面にX軸干渉計用移動鏡反射面711 とY軸干渉計用移動鏡反射面712 が形成されている。又、一体型試料台701 は、ステージ( 図示しない) 上の3個所の支持点、721、722、723 で支持される。ここで言う一体型試料台は、複数の部品を結合して一体化するための接合工程やネジ止めなどの締結工程を経ないで、単一の素材から切削工程や研磨工程、等の除去工程、或いは成形工程により製造された試料台のことを指す。
【0025】
図8は支持点721 の詳細を示した図であり、ステージ71上に球状支持体801 が埋め込まれ、この球状支持体801 上に一体型試料台701 が円錐形状の接触面802 を介して搭載されている。
図9は、支持点722 の詳細を示した図であり、ステージ71上に球状支持体901 が埋め込まれ、この球状支持体901 上に一体型試料台701 がV 溝形状の接触面902 を介して搭載されている。
【0026】
図10は、支持点723 の詳細を示した図であり、ステージ71上に球状支持体1001が埋め込まれ、この球状支持体1001上に一体型試料台701 が平面形状の接触面1002を介して搭載されている。
このように、試料台を一体型とし、且つ、3個所の支持点で外力を加えないで支持とした場合の利点は以下の2つである。
【0027】
1つには、通常、支持材や移動鏡、等の部材をボルト、等により締結する場合、取付け部材の歪み状態は、取付け面の平面度、等の影響を受けるが、3個所の支持点で支持することにより、この影響が無くなり、試料台の自重と形状と支持点によってのみ歪みが決定され、常に同じ歪み状態が繰り返し再現性良く再現されるという点がある。この場合、装置内でステージ上に3個所の支持点で支持した場合と、装置外部で適当な台上の3個所の支持点で支持した場合とで試料台の歪み状態は等しくなる。
【0028】
2つ目には、この時、試料台の自重によるたわみは、有限要素法、等の理論計算により容易に求めることができる、という点がある。一体型試料台の場合、構造は単純なので理論値と実測値は非常に良く一致する。
実施例3
この特徴を利用した反射面真直度補正量、反射面直交度補正量の求め方の2つの応用例を述べる。
【0029】
1つ目の方法は、第一の利点を利用し、反射面真直度誤差と反射面直交度誤差を装置外部で測定する方法である。具体的には、図7に示す一体型試料台701 を装置外部で、装置内部のステージ上に設置されるのと同一の3個所の支持点721、722、723 で支持する。X軸、Y軸干渉計用移動鏡の反射面真直度誤差については、干渉計、等の手段により通常の平面度測定方法により求めることができる。ここで得られる平面度測定結果は移動鏡反射面の平面度の2 次元方向の誤差であり、これより、移動鏡反射面の異なる反射面の高さでの真直度誤差の値を、これから反射面真直度補正量を直ちに得ることができる。このように、装置外部で求めた2次元的な平面度測定データから、反射面の高さに応じた反射面真直度補正量を求めることができる。
【0030】
直交度については、以下のようにして装置外部で求めることができる。図11に示すように、一体型試料台701 上に直方体形状で2つの側面に反射面が形成された工具鏡1101を設置する。ここで工具鏡1101としては、工具鏡の二つの反射面1101XS、1101YS間の直交度があらかじめわかっているものを使用する。次に、Y軸側にオートコリメータ1122を配置し、一体型試料台701 のY軸移動鏡反射面712Sと工具鏡の反射面1101YSが平行になるように反射面の傾きを調整する。次に、X軸側にもオートコリメータ1121を配置し、一体型試料台701 のX軸移動鏡反射面711Sと工具鏡1101の反射面1101XSのなす角度φを測定する。工具鏡1101の反射面直交度はあらかじめ測定されているので、角度φが求まれば、一体型試料台701 の反射面直交度を求めることができる。反射面高さに応じた直交度を求めるためには、測定したい高さの反射面以外の部分をマスキングした状態でこの測定を行なえばよい。
【0031】
この実施例では、反射面真直度と反射面直交度について、従来は、試料台を装置内に組込んだ状態で測定していたのに対して、あらかじめ装置外部で測定しておける、という利点がある。
実施例4
2つ目の方法は、第二の利点を利用する。反射面真直度と反射面直交度の主要な誤差要因は前述のように加工誤差および試料台の自重による歪みの2つである。反射面の高さにより反射面真直度と反射面直交度に差が生じる要因も主にこの2つの要因による。
【0032】
加工精度を高めていくと、加工誤差に起因する移動鏡の反射面真直度誤差と反射面直交度誤差を無視できるレベル以下にすることはできないものの、反射面の高さによる反射面真直度誤差と反射面直交度誤差の差については、自重による歪みの影響よりも小さく抑えることが出来る。このとき、反射面高さによる反射面真直度誤差と反射面直交度誤差の差については、自重による歪みの影響のみを考えればよいことになる。
【0033】
前述のように、3個所の支持点で支持された一体型試料台の自重によるたわみは有限要素法、等の理論計算により非常に正確に求めることができる。従って、反射面の基準高さでの反射面真直度誤差と反射面直交度誤差とをマスク上のパターン測定か、あるいは装置外部での測定により求めておけば、この基準高さで測定された反射面真直度誤差と反射面直交度誤差から上の理論計算から算出された誤差量を減算すれば、この基準高さでの加工誤差に起因する反射面真直度誤差と反射面直交度誤差とを求めることができる。基準高さ以外での反射面真直度誤差と反射面直交度誤差は、理論計算から算出された異なる反射面高さでの誤差量を、基準高さでの加工誤差に起因する反射面真直度誤差と反射面直交度誤差に加算することによって求めることができる。
【0034】
この実施例を行うことにより、高さ毎に何度も反射面真直度誤差と反射面直交度誤差を測定する必要がなくなり、補正量を求めることが格段に容易となる利点がある。
なお、以上の実施例においては、マスク上のパターン座標測定機を例として説明したが、本発明の適用範囲はこれにとどまるものではなく、レーザ干渉計により位置読み取りを行なうステージを組込んだ、フォトステッパ、EB描画装置、パターン欠陥検査装置、等、あるいはステージ構造体単体にも適用できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アッベ誤差を最小とするためにレーザ干渉計のレーザビームをマスク、レチクル、等の試料の試料厚さに応じて上下させ、移動鏡の反射面の高さ方向の異なる位置を使用する構成とした場合でも、常にその高さに応じた最適の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量により補正を行なうことが可能となるため、いかなる厚みの試料に対しても最高精度でのステージ制御や座標測定、等が可能となる。
【0036】
又、請求項2、等の技術を使用すれば、移動鏡の高さ毎の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量を装置組込み前に知ることができるという利点がある。
更に、請求項3、等の技術を使用すれば、移動鏡の高さ毎の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量を複数セット計測する必要がなく、計測値は1セットのみで他の高さでの補正量は理論計算から求めることができるため、工程の大幅な短縮がはかれる、との利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1 】は本発明によるステージ構造体の実施例である。
【図2 】は反射面真直度誤差の影響の説明図である。
【図3 】は反射面直交度誤差の影響の説明図である。
【図4 】は本発明のステージ構造体を配備した主装置がパターン座標測定装置であるときの実施例である。
【図5 】は移動鏡反射面の高さと反射面真直度の関係の説明図である。
【図6 】は反射面直交度補正量の計測方法の説明図である。
【図7 】は一体型試料台の説明図である。
【図8 】は一体型試料台の支持点の詳細図である。
【図9 】は一体型試料台の支持点の詳細図である。
【図10】は一体型試料台の支持点の詳細図である。
【図11】は装置外部での反射面直交度計測方法の一例の説明図である。
Claims (5)
- 位置検出を行うレーザ干渉計を具備し、試料の位置読み取りを行う1 軸(X) または2 軸(XY)のステージ構造体において、XY面に垂直方向のアッベ誤差を最小とするため、干渉計のレーザビームを平行に上下動させるための、干渉計のレーザビーム光学系内に配置された光学部品と、前記光学部品の駆動機構と、前記試料の試料面の高さに応じて前記平行に上下動されたレーザビームが入射する移動鏡の反射面高さに対応し、反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方を複数セット分記憶した記憶部と、試料面の高さに対応し、最適な前記反射面真直度補正量と前記反射面直交度補正量の片方または両方を一セット分選択するための選択部とを具備することを特徴とするステージ構造体。
- 前記移動鏡と前記移動鏡の支持部材とが同一材料から一体化形成される一体化支持部材からなり、前記一体化支持部材はステージ上に搭載されるための3 個所の支持点を具備し、且つ前記記憶部に、前記一体化支持部材を主装置に組込む前に計測することにより求められた、前記移動鏡の反射面の高さ毎の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方が複数セット分記憶されていることを特徴とする請求項1 記載のステージ構造体。
- 前記移動鏡と前記移動鏡の支持部材とが同一材料から一体化形成される一体化支持部材からなり、前記一体化支持部材はステージ上に搭載されるための3 個所の支持点を具備し、前記記憶部に、前記移動鏡の反射面の基準高さにおける計測により求められた1 セット分のみの反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方と、理論計算により算出された補正量と、から求められた前記移動鏡の反射面の高さ毎の反射面真直度補正量と反射面直交度補正量の片方または両方が複数セット分記憶されていることを特徴とする請求項1 記載のステージ構造体。
- 前記試料の被測定パターンのパターンエッジ検出のための光学系および対物レンズが配置されていることを特徴とする請求項 1〜3 の何れか1 項記載のステージ構造体。
- 前記対物レンズの温度変化による位置ドリフトや振動による変位、等をキャンセルするために、前記対物レンズの側面にX 軸参照鏡とY 軸参照鏡のどちらかまたは両方が固定され、且つ、X 軸干渉計とY 軸干渉計のどちらかまたは両方が配置されていること特徴とする請求項4 記載のステージ構造体。
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