JP3790389B2 - 長形状ワークの整列機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦方向の寸法に対し横方向の寸法が短い長形状ワークを、整列基準面に対し縦方向が平行になるように整列させる長形状ワークの整列機構に関する。更に詳述すると、本発明は、フェルト等の軟質部材の整列に適した長形状ワークの整列機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーツフィーダから取り出したワーク等を位置決めして他の装置等に供給するために位置決め装置が使用される。ワークが金属製やエンジニアリングプラスチック製で硬質の場合は、一般的には位置決めのためにチャッキングやシュートや押し付け等の方法が利用される。例えば、押し付け方法では、ワークを位置決め装置に載置して、該ワークを側方から押圧して位置決め装置の基準面に押し当てる。これにより、ワークの一側面が基準面に押し当てられてワークの向きが一定に決められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各種の位置決め方法をフェルト製等の軟質部材から成るワークに適用しようとするとワークが変形して位置決めの精度が悪くなることがある。例えば図4に示すような厚みのあるいわゆる小判形で縦横高さがほぼ等しいフェルト製のワーク2では、パーツフィーダからノズルでの吸引により取り出すときにワーク2の上面を吸引して上下方向を正しい向きにして取り出すことは容易にできるが、パーツフィーダから取り出すときには縦方向(即ち、小判形の長手方向)Xを一定の方向に向けて取り出すことは非常に困難である。そして、高さ方向のみ適正にしたワーク2を位置決め装置に載置してその一側面を基準面に押し当てるために単に押圧部材を押圧しても、硬質のワークと異なってワーク2が変形したり押圧部材に引っ掛かったりして方向を揃えることは非常に困難である。このため、ワーク2の位置決め不良を起こすおそれが大きい。
【0004】
また、ワークが硬質であれば不適正な向きで動かなくなってしまっても押し付けやチャック等の際に押圧部材が所定長さ移動できないことから不適正な状態を容易に検出することできるが、ワーク2が軟質であると不適正な向きで動かなくなっても押圧部材はワーク2を変形させながら所定長さ移動してしまうので不適正な状態を検出することが難しい。よって、ワーク2の向きが不適正なままで供給されてしまうので、供給された先で不都合を生じてしまう虞がある。
【0005】
特にフェルト製のワーク2では、図面寸法として所定の圧力で圧縮した値を採用しているので、非圧縮時には寸法値より膨らんでおり実際の大きさのばらつきが大きい。このため、押圧部材により単に押圧してもワーク2が斜めに押圧されたりして位置決め不良を起こし易い。しかも、けば立ちが起こり易いので、押圧部材等に引っ掛かり易く正確な位置決めが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、フェルトのように軟質部材から成るワークでも高精度に位置決めできる長形状ワークの整列機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、縦方向の寸法に対し横方向の寸法が短い長形状ワークを、整列基準面に対し縦方向が平行になるように整列させるようにした長形状ワークの整列機構において、長形状ワークを整列させるために載置する整列基準面を有するワーク載置部材と、該ワーク載置部材上に置かれた長形状ワークを整列基準面側に押圧する駆動力を与える押圧駆動源と、該押圧駆動源に回転可能に連結されて長形状ワークを整列基準面に押し当てるワーク押圧部材と、長形状ワークを縦方向から挟んで位置決めするチャッキング手段とを備え、ワーク押圧部材は押圧方向に圧縮可能なばね部材を介在させて押圧駆動源に取り付けられる移動体に回動自在に取り付けられると共に、押圧駆動源と移動体との相対的な移動量を検出する検出手段と、ワーク押圧部材を移動体に対して回転するように押圧する整列補助部材とを備え、移動量が所定値より大きくなった時は整列補助部材によりワーク押圧部材を移動体に対して回転するようにしている。
【0008】
したがって、ワーク載置部材に載置された長形状ワークは、押圧駆動源が駆動してワーク押圧部材により整列基準面に押し当てられる。このとき、長形状ワークの縦方向に沿った側面が整列基準面に対して傾斜していると、長形状ワークに当接したワーク押圧部材が押圧駆動源に対して回転しながら長形状ワークの縦方向に沿った側面を整列基準面に押し当てるように回転させる。これにより、長形状ワークの縦方向を正しく決めて整列させることができる。
【0009】
さらに、チャッキング手段を作動させて長形状ワークを縦方向から挟むことにより、長形状ワークの横方向を正しく決めて芯出しすることができる。
【0010】
これらの整列と芯出しとの作用により、長形状ワークをワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。また、ワーク押圧部材が長形状ワークを整列基準面に押し当てるときに長形状ワークが死点に位置する等の理由により回転できないと、押圧駆動源が作動してもワーク押圧部材は移動できない。このとき、押圧駆動源はばね部材を蓄勢するので、ワーク押圧部材が長形状ワークを押し潰して変形させることを防止できる。さらに、ワーク押圧部材が長形状ワークを押圧するときに長形状ワークが死点に位置する等の理由により回転できず押圧駆動源がばね部材を蓄勢すると、押圧駆動源と移動体とが相対的に移動する。この移動量が所定値より大きくなったことが検出手段により検出されると、整列補助部材がワーク押圧部材を移動体に対して回転させる。これにより、長形状ワークが強制回転されるので、長形状ワークの縦方向に沿った側面を整列基準面に押し当てることができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の長形状ワークの整列機構において、長形状ワークは小判状の軟質部材であるようにしている。したがって、かかるワークについて、ワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の長形状ワークの整列機構において、長形状ワークは、パーツフィーダによって一定の整列がなされてワーク載置部材に移動されてくるようにしている。
【0017】
したがって、パーツフィーダから取り出される長形状ワークの縦方向のばらつきが正規の方向に対して例えばプラスマイナス45度以内の範囲に収まるような整列をするようにできるので、長形状ワークをワーク載置部材に載置したときに正規位置とその直交位置との間の90度の範囲内に位置させることができる。このため、長形状ワークがワーク押圧部材に対して傾いた方向を一方向にすることができる。すなわち、ワーク押圧部材が回転すべき方向を一方のみにすることができる。よって、ワーク押圧部材は中立した原位置から片方にしか回転する必要がないので、整列補助部材を設ける場合であってもワーク押圧部材の片方のみに配置すれば良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図8に示すように、本実施形態の長形状ワークの整列機構1は、縦方向(図中X軸方向)の寸法に対し横方向(図中Y軸方向)の寸法が短い長形状ワーク2を整列基準面3に対し縦方向Xが平行になるように整列させるものである。この長形状ワーク2の整列機構1は、長形状ワーク2を整列させるために載置する整列基準面3を有するワーク載置部材4と、該ワーク載置部材4上に置かれた長形状ワーク2を整列基準面3側に押圧する駆動力を与える押圧駆動源5と、該押圧駆動源5に回転可能に連結されて長形状ワーク2を整列基準面3に押し当てるワーク押圧部材6と、長形状ワーク2を縦方向Xから挟んで位置決めするチャッキング手段7とを備えている。このため、ワーク載置部材4に載置された長形状ワーク2の縦方向Xに沿った側面が整列基準面3に対して傾斜していると、長形状ワーク2に当接したワーク押圧部材6が押圧駆動源5に対して回転しながら長形状ワーク2の縦方向Xに沿った側面を整列基準面3に押し当てるように回動させて縦方向Xを位置決めして整列することができる。その後、チャッキング手段7によって長形状ワーク2を縦方向Xから挟むことにより、長形状ワーク2の横方向Yを位置決めして芯出しすることができる。これにより、整列及び芯出しによって、長形状ワーク2をワーク載置部材4に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。
【0019】
本実施形態では、長形状ワーク2は小判状の軟質部材である。この長形状ワーク2はフェルト製で、図4に示すように横方向と同じ位の厚みを有するようにしている。
【0020】
ワーク載置部材4は、図3に示すように、整列基準面3と、これに直交して長形状ワーク2を支持する底面8とを有している。そして、長形状ワーク2の側面が整列基準面3の側面に当接して縦方向Xの位置決めが成されると共に、長形状ワーク2の下面が整列基準面3の底面8に当接して高さ方向Zの位置決めが成される。また、底面8の一部には、長形状ワーク2を吸引して固定する吸引ノズル9が形成されている。このため、例えば長形状ワーク2をチャッキング手段7によりチャックする際等に長形状ワーク2が動いてしまうことを防止できる。なお、ワーク載置部材4の吸引ノズル9は遅くとも長形状ワーク2をワーク載置部材4に載置したときから作動させておき、ワーク取り出しチャックにより長形状ワーク2を取り出すときには作動を停止させることが好ましい。これにより、長形状ワーク2の整列機構1の作動時の振動によっても、長形状ワーク2がずれてしまうことを防止できる。但し、ワーク載置部材4の吸引ノズル9の作動タイミングはこれに限られず、チャッキング時のみ吸引するようにしても良い。
【0021】
押圧駆動源5は、油圧や空気圧を動力源とするシリンダ装置から成るようにしている。但し、押圧駆動源5としては、シリンダ装置に限られずモータやソレノイド等の電気的に作動する装置を利用しても良い。
【0022】
ワーク押圧部材6は、シリンダ装置のピストンロッド10の先端に回転可能に連結されている。この回転方向は、適正な位置にある長形状ワーク2の縦方向Xに沿うようにしている。本実施形態では、ピストンロッド10の先端部に移動体11が摺動可能に取り付けられている。この移動体11とピストンロッド10とには、互いに離れて抜け落ちないように係合するストッパ12が形成されている。また、移動体11は、ガイドレール13により摺動可能に支持されている。これにより、押圧駆動源5が作動すると移動体11が長形状ワーク2に対して近接あるいは離隔するように移動する。
【0023】
移動体11とピストンロッド10との間には、移動体11をピストンロッド10から離れる方向に付勢する圧縮コイルばねから成るばね部材14が設けられている。この移動体11にワーク押圧部材6が支持軸15によって回動自在に取り付けられている。
【0024】
ここで、ワーク押圧部材6が長形状ワーク2を整列基準面3に押し当てるときに長形状ワーク2が死点に位置する等の理由により回転できないと、押圧駆動源5が作動してもワーク押圧部材6は移動できない。このとき、押圧駆動源5はばね部材14を圧縮するので、ワーク押圧部材6が長形状ワーク2を押し潰して変形させることを防止できる。すなわち、ばね部材14は、押圧駆動源5の押圧力を長形状ワーク2に対して必要以上に伝達して押し潰すことを防止する安全装置の機能を果たす。
【0025】
ワーク押圧部材6は全体としてほぼT字形状で、基端部が支持軸15により移動体11に回転可能に連結されている。ワーク押圧部材6の先端面16は、例えば支持軸15を中心にする円弧形状にしている。これにより、ワーク押圧部材6が支持軸15を中心に回転するときに先端面16と長形状ワーク2との間隔が変化しないので、長形状ワーク2の回転を円滑に行うことができるようになる。
【0026】
さらに、この整列機構1は、ピストンロッド10と移動体11との相対的な移動量を検出する検出手段(図示せず)と、ワーク押圧部材6を移動体11に対して回転させるように押圧する整列補助部材17とを備えている。そして、例えば長形状ワーク2が死点に位置する等の理由により回転できないときにばね部材14が圧縮されると、ピストンロッド10と移動体11とが相対的に移動していること、即ち移動体11が移動していないことが検出手段により検出される。この移動量が所定値より大きくなった時に、図5に示すように整列補助部材17が作動してワーク押圧部材6を移動体11に対して回転するようにしている。これにより、長形状ワーク2が強制回転されるので、長形状ワーク2の側面を整列基準面3に押し当てることができる。
【0027】
検出手段としては、マイクロスイッチや光センサ等の使用により移動量が一定値に達したことを検出するようにしたり、あるいはポテンショメータ等の使用により移動量自体を連続的に検出するようにしても良い。
【0028】
整列補助部材17は、ワーク押圧部材6を側方から突き出すシリンダ装置を使用している。この整列補助部材17が作動すると、ピストンロッド18が突出してワーク押圧部材6を突いて回転させる。
【0029】
また、チャッキング手段7は、ワーク載置部材4に載置された長形状ワーク2を縦方向Xから挟んで位置決めする。チャッキング手段7の先端部は、長形状ワーク2の把持する部分の形状に合わせて形成されている。本実施形態ではチャッキング手段7の先端部を凹んだ円弧形状に形成している。これにより、長形状ワーク2を両端部から良好な保持性で挟持することができる。
【0030】
一方、長形状ワーク2は吸引ノズル19により吸引されてパーツフィーダからワーク載置部材4に移送されて載置される。ここで、長形状ワーク2は、パーツフィーダによって一定の整列がなされてワーク載置部材4に移動されてくるようにしている。具体的には、吸引ノズル19が長形状ワーク2の例えば側面や端面を吸引した場合は、はじかれて移送しないようにする。なお、パーツフィーダの構成は本発明の要旨とは特に関係は無く限定されるものではないので、既知あるいは新規のものを使用することができる。
【0031】
また、本実施形態では、図6(A)に示すように、パーツフィーダから取り出される長形状ワーク2の縦方向Xのばらつきが正規方向X1に対して例えばプラスマイナス45度以内の範囲に収まるように整列させる。そして、パーツフィーダからワーク載置部材4に移送するときに、長形状ワーク2を正規方向X1に対していずれか一方向に45度回転させて載置するようにする。これにより、図6(B)に示すように、長形状ワーク2は正規方向X1に対して45度回転させた方向X2を中心にプラスマイナス45度以内の範囲に有るので、ワーク載置部材4に対しては正規方向X1とその直交方向X3との間の90度の範囲内を向くことになる。このため、長形状ワーク2の縦方向Xがワーク押圧部材6に対して傾いた方向を一方向にすることができるので、ワーク押圧部材6が回転すべき方向を一方のみにすることができる。よって、ワーク押圧部材6は中立した原位置から片方にしか回転させる必要がないので、整列補助部材17をワーク押圧部材6の片方のみに設ければ良い。
【0032】
また、特に図示していないが、ワーク押圧部材6が押圧駆動源5側に戻るときに中立した原位置に成るようにする機構を設けておく。これにより、長形状ワーク2に当接したワーク押圧部材6がピストンロッド10により引っ張られるたびに自動的に中立するので、次の長形状ワーク2の位置決めに備えることができる。
【0033】
上述した長形状ワーク2の整列機構1の動作を以下に説明する。
【0034】
図2及び図3に示すように、パーツフィーダから長形状ワーク2を吸引ノズルにより取り出してワーク載置部材4に移送する。このとき、図6(B)に示すように長形状ワーク2を正規方向X1に対していずれか一方向に45度回転させて載置する。これにより、長形状ワーク2は、ワーク載置部材4に対しては正規方向X1とその直交方向X3との間の90度の範囲内を向くようになる。
【0035】
ワーク載置部材4に載置された長形状ワーク2は直ちに吸引ノズル9により吸着される。そして、押圧駆動源5を作動させてワーク押圧部材6を長形状ワーク2に押し付ける。これにより、ワーク押圧部材6の先端面16が長形状ワーク2の側面をワーク載置部材4の整列基準面3に押圧する。
【0036】
ここで、長形状ワーク2がワーク載置部材4に載置されたときに既に縦方向Xが正規方向X1と一致していれば、ワーク押圧部材6は長形状ワーク2を真っ直ぐ押圧して整列基準面3に押圧する。また、図1に示すように長形状ワーク2がワーク載置部材4に載置されたときに縦方向Xが正規方向X1に対して傾いていれば、ワーク押圧部材6は長形状ワーク2を押しながら移動体11に対して回転すると同時に長形状ワーク2を回転させる。これにより、最終的には長形状ワーク2を整列基準面3に押し付けることができる。このとき、長形状ワーク2は吸引ノズル9によりワーク載置部材4に固着されているが、ワーク押圧部材6による押圧力の方が大きいので整列することができる。
【0037】
一方、図5に示すように長形状ワーク2がワーク載置部材4に載置されたときに縦方向Xが正規方向X1に対して直交していたり他の何らかの理由により、ワーク押圧部材6が押圧しても長形状ワーク2が回転しない場合は、ワーク押圧部材6は移動せずにシリンダロッド10と移動体11との間のばね部材14が圧縮される。そして、検出手段がシリンダロッド10と移動体11との相対移動の大きさが一定値に達したことを検出すると、整列補助部材17がワーク押圧部材6を側方から突き出すようにする。これにより、ワーク押圧部材6が強制回転されると共に長形状ワーク2が回転して整列基準面3に押し付けられる。よって、長形状ワーク2は整列される。
【0038】
そして、長形状ワーク2がワーク載置部材4に対して縦方向Xに整列されてから、チャッキング手段7が作動する。ここで、図7(A)に示すように長形状ワーク2が整列基準面3に押し付けられて整列されたときに横方向Yが正規位置Y1からずれていても、チャッキング手段7の挟み込みにより長形状ワーク2が横方向にも合わせられて芯出しが行われる。したがって、縦方向Xの整列と横方向Yの芯出しとの複合作用により、正確な位置決めを行ったままチャックすることができる。
【0039】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では整列補助部材17をワーク押圧部材6の片方のみに設けているが、これには限られず図8に示すようにワーク押圧部材6の両側に設けるようにしても良い。この場合、ワーク押圧部材6をいずれの方向にも強制回転できるので、長形状ワーク2が正規方向に対していずれの方向に傾斜していても良い。このため、長形状ワーク2をワーク載置部材4に載置する際に縦方向Xの向きに関しては特に条件を与える必要が無くなって、移送動作を容易にすることができる。
【0040】
そして、本実施形態では整列補助部材17をワーク押圧部材6の片方のみに設けると共にワーク押圧部材6を一方にのみ押し出すようにしているが、これには限られず例えば整列補助部材17のロッド18の先端にワーク押圧部材6の両側面に当接可能な係合部材を取り付けておき、ロッド18の往復動によりワーク押圧部材6をいずれの方向にも回転できるようにしても良い。
【0041】
また、本実施形態では長形状ワーク2として小判形のものを使用しているが、これには限られず縦方向Xの寸法に対し横方向Yの寸法が短い形状であれば良い。すなわち、例えば矩形や多角形の柱形状のものでも良い。この場合も、縦方向Xの整列と横方向Yの芯出しとにより正確な位置決めを行うことができる。
【0042】
さらに、本実施形態では長形状ワーク2としてフェルト製のものを使用しているが、これには限られずウレタン製やゴム製等のエラストマから成るものにしても良い。あるいは、長形状ワーク2を軟質部材製ではなく、プラスチックや金属等の硬質部材から成るようにしても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の長形状ワークの整列機構によれば、ワーク押圧部材が押圧駆動源に対して回転することにより長形状ワークの縦方向に沿った側面を整列基準面に押し当てるように回転させるので、長形状ワークの縦方向を正しく決めて整列させることができる。また、チャッキング手段を作動させて長形状ワークを縦方向から挟むことにより、長形状ワークの横方向を正しく決めて芯出しすることができる。これらの整列と芯出しとの複合作用により、長形状ワークをワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。また、長形状ワークが回転できないときに押圧駆動源が作動してもばね部材を蓄勢するので、ワーク押圧部材が長形状ワークを押し潰して変形させることを防止できる。さらに、押圧駆動源と移動体との相対移動量が所定値より大きくなると整列補助部材がワーク押圧部材を移動体に対して回転させるので、長形状ワークが強制回転されて整列基準面に押し当てられる。
【0044】
また、請求項2記載の長形状ワークの整列機構によれば、軟質部材から成るワークについてワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。
【0047】
また、請求項3記載の長形状ワークの整列機構によれば、ワーク押圧部材が回転すべき方向を一方のみにすることができるので、ワーク押圧部材は中立した原位置から片方にしか回転する必要がなく、整列補助部材を設ける場合であってもワーク押圧部材の片方のみに配置すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長形状ワークの整列機構を示す平面図である。
【図2】長形状ワークの整列機構に長形状ワークを載置した直後の状態を示す平面図である。
【図3】長形状ワークの整列機構に長形状ワークを載置した直後の状態を示す正面図である。
【図4】長形状ワークを示す斜視図である。
【図5】長形状ワークの整列機構の整列補助部材が作動する様子を示す平面図である。
【図6】長形状ワークを示す平面図であり、(A)はパーツフィーダから取り出すとき、(B)はワーク載置部材に載置したときを示す。
【図7】長形状ワークの位置決めを行うときの様子を示す平面図であり、(A)は縦方向の整列のみを行ったとき、(B)はチャッキング手段により横方向の芯出しを行ったときを示す。
【図8】長形状ワークの整列機構の他の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 長形状ワークの整列機構
2 長形状ワーク
3 整列基準面
4 ワーク載置部材
5 押圧駆動源
6 ワーク押圧部材
7 チャッキング手段
11 移動体
14 ばね部材
17 整列補助部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦方向の寸法に対し横方向の寸法が短い長形状ワークを、整列基準面に対し縦方向が平行になるように整列させる長形状ワークの整列機構に関する。更に詳述すると、本発明は、フェルト等の軟質部材の整列に適した長形状ワークの整列機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーツフィーダから取り出したワーク等を位置決めして他の装置等に供給するために位置決め装置が使用される。ワークが金属製やエンジニアリングプラスチック製で硬質の場合は、一般的には位置決めのためにチャッキングやシュートや押し付け等の方法が利用される。例えば、押し付け方法では、ワークを位置決め装置に載置して、該ワークを側方から押圧して位置決め装置の基準面に押し当てる。これにより、ワークの一側面が基準面に押し当てられてワークの向きが一定に決められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各種の位置決め方法をフェルト製等の軟質部材から成るワークに適用しようとするとワークが変形して位置決めの精度が悪くなることがある。例えば図4に示すような厚みのあるいわゆる小判形で縦横高さがほぼ等しいフェルト製のワーク2では、パーツフィーダからノズルでの吸引により取り出すときにワーク2の上面を吸引して上下方向を正しい向きにして取り出すことは容易にできるが、パーツフィーダから取り出すときには縦方向(即ち、小判形の長手方向)Xを一定の方向に向けて取り出すことは非常に困難である。そして、高さ方向のみ適正にしたワーク2を位置決め装置に載置してその一側面を基準面に押し当てるために単に押圧部材を押圧しても、硬質のワークと異なってワーク2が変形したり押圧部材に引っ掛かったりして方向を揃えることは非常に困難である。このため、ワーク2の位置決め不良を起こすおそれが大きい。
【0004】
また、ワークが硬質であれば不適正な向きで動かなくなってしまっても押し付けやチャック等の際に押圧部材が所定長さ移動できないことから不適正な状態を容易に検出することできるが、ワーク2が軟質であると不適正な向きで動かなくなっても押圧部材はワーク2を変形させながら所定長さ移動してしまうので不適正な状態を検出することが難しい。よって、ワーク2の向きが不適正なままで供給されてしまうので、供給された先で不都合を生じてしまう虞がある。
【0005】
特にフェルト製のワーク2では、図面寸法として所定の圧力で圧縮した値を採用しているので、非圧縮時には寸法値より膨らんでおり実際の大きさのばらつきが大きい。このため、押圧部材により単に押圧してもワーク2が斜めに押圧されたりして位置決め不良を起こし易い。しかも、けば立ちが起こり易いので、押圧部材等に引っ掛かり易く正確な位置決めが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、フェルトのように軟質部材から成るワークでも高精度に位置決めできる長形状ワークの整列機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の発明は、縦方向の寸法に対し横方向の寸法が短い長形状ワークを、整列基準面に対し縦方向が平行になるように整列させるようにした長形状ワークの整列機構において、長形状ワークを整列させるために載置する整列基準面を有するワーク載置部材と、該ワーク載置部材上に置かれた長形状ワークを整列基準面側に押圧する駆動力を与える押圧駆動源と、該押圧駆動源に回転可能に連結されて長形状ワークを整列基準面に押し当てるワーク押圧部材と、長形状ワークを縦方向から挟んで位置決めするチャッキング手段とを備え、ワーク押圧部材は押圧方向に圧縮可能なばね部材を介在させて押圧駆動源に取り付けられる移動体に回動自在に取り付けられると共に、押圧駆動源と移動体との相対的な移動量を検出する検出手段と、ワーク押圧部材を移動体に対して回転するように押圧する整列補助部材とを備え、移動量が所定値より大きくなった時は整列補助部材によりワーク押圧部材を移動体に対して回転するようにしている。
【0008】
したがって、ワーク載置部材に載置された長形状ワークは、押圧駆動源が駆動してワーク押圧部材により整列基準面に押し当てられる。このとき、長形状ワークの縦方向に沿った側面が整列基準面に対して傾斜していると、長形状ワークに当接したワーク押圧部材が押圧駆動源に対して回転しながら長形状ワークの縦方向に沿った側面を整列基準面に押し当てるように回転させる。これにより、長形状ワークの縦方向を正しく決めて整列させることができる。
【0009】
さらに、チャッキング手段を作動させて長形状ワークを縦方向から挟むことにより、長形状ワークの横方向を正しく決めて芯出しすることができる。
【0010】
これらの整列と芯出しとの作用により、長形状ワークをワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。また、ワーク押圧部材が長形状ワークを整列基準面に押し当てるときに長形状ワークが死点に位置する等の理由により回転できないと、押圧駆動源が作動してもワーク押圧部材は移動できない。このとき、押圧駆動源はばね部材を蓄勢するので、ワーク押圧部材が長形状ワークを押し潰して変形させることを防止できる。さらに、ワーク押圧部材が長形状ワークを押圧するときに長形状ワークが死点に位置する等の理由により回転できず押圧駆動源がばね部材を蓄勢すると、押圧駆動源と移動体とが相対的に移動する。この移動量が所定値より大きくなったことが検出手段により検出されると、整列補助部材がワーク押圧部材を移動体に対して回転させる。これにより、長形状ワークが強制回転されるので、長形状ワークの縦方向に沿った側面を整列基準面に押し当てることができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の長形状ワークの整列機構において、長形状ワークは小判状の軟質部材であるようにしている。したがって、かかるワークについて、ワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の長形状ワークの整列機構において、長形状ワークは、パーツフィーダによって一定の整列がなされてワーク載置部材に移動されてくるようにしている。
【0017】
したがって、パーツフィーダから取り出される長形状ワークの縦方向のばらつきが正規の方向に対して例えばプラスマイナス45度以内の範囲に収まるような整列をするようにできるので、長形状ワークをワーク載置部材に載置したときに正規位置とその直交位置との間の90度の範囲内に位置させることができる。このため、長形状ワークがワーク押圧部材に対して傾いた方向を一方向にすることができる。すなわち、ワーク押圧部材が回転すべき方向を一方のみにすることができる。よって、ワーク押圧部材は中立した原位置から片方にしか回転する必要がないので、整列補助部材を設ける場合であってもワーク押圧部材の片方のみに配置すれば良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1〜図8に示すように、本実施形態の長形状ワークの整列機構1は、縦方向(図中X軸方向)の寸法に対し横方向(図中Y軸方向)の寸法が短い長形状ワーク2を整列基準面3に対し縦方向Xが平行になるように整列させるものである。この長形状ワーク2の整列機構1は、長形状ワーク2を整列させるために載置する整列基準面3を有するワーク載置部材4と、該ワーク載置部材4上に置かれた長形状ワーク2を整列基準面3側に押圧する駆動力を与える押圧駆動源5と、該押圧駆動源5に回転可能に連結されて長形状ワーク2を整列基準面3に押し当てるワーク押圧部材6と、長形状ワーク2を縦方向Xから挟んで位置決めするチャッキング手段7とを備えている。このため、ワーク載置部材4に載置された長形状ワーク2の縦方向Xに沿った側面が整列基準面3に対して傾斜していると、長形状ワーク2に当接したワーク押圧部材6が押圧駆動源5に対して回転しながら長形状ワーク2の縦方向Xに沿った側面を整列基準面3に押し当てるように回動させて縦方向Xを位置決めして整列することができる。その後、チャッキング手段7によって長形状ワーク2を縦方向Xから挟むことにより、長形状ワーク2の横方向Yを位置決めして芯出しすることができる。これにより、整列及び芯出しによって、長形状ワーク2をワーク載置部材4に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。
【0019】
本実施形態では、長形状ワーク2は小判状の軟質部材である。この長形状ワーク2はフェルト製で、図4に示すように横方向と同じ位の厚みを有するようにしている。
【0020】
ワーク載置部材4は、図3に示すように、整列基準面3と、これに直交して長形状ワーク2を支持する底面8とを有している。そして、長形状ワーク2の側面が整列基準面3の側面に当接して縦方向Xの位置決めが成されると共に、長形状ワーク2の下面が整列基準面3の底面8に当接して高さ方向Zの位置決めが成される。また、底面8の一部には、長形状ワーク2を吸引して固定する吸引ノズル9が形成されている。このため、例えば長形状ワーク2をチャッキング手段7によりチャックする際等に長形状ワーク2が動いてしまうことを防止できる。なお、ワーク載置部材4の吸引ノズル9は遅くとも長形状ワーク2をワーク載置部材4に載置したときから作動させておき、ワーク取り出しチャックにより長形状ワーク2を取り出すときには作動を停止させることが好ましい。これにより、長形状ワーク2の整列機構1の作動時の振動によっても、長形状ワーク2がずれてしまうことを防止できる。但し、ワーク載置部材4の吸引ノズル9の作動タイミングはこれに限られず、チャッキング時のみ吸引するようにしても良い。
【0021】
押圧駆動源5は、油圧や空気圧を動力源とするシリンダ装置から成るようにしている。但し、押圧駆動源5としては、シリンダ装置に限られずモータやソレノイド等の電気的に作動する装置を利用しても良い。
【0022】
ワーク押圧部材6は、シリンダ装置のピストンロッド10の先端に回転可能に連結されている。この回転方向は、適正な位置にある長形状ワーク2の縦方向Xに沿うようにしている。本実施形態では、ピストンロッド10の先端部に移動体11が摺動可能に取り付けられている。この移動体11とピストンロッド10とには、互いに離れて抜け落ちないように係合するストッパ12が形成されている。また、移動体11は、ガイドレール13により摺動可能に支持されている。これにより、押圧駆動源5が作動すると移動体11が長形状ワーク2に対して近接あるいは離隔するように移動する。
【0023】
移動体11とピストンロッド10との間には、移動体11をピストンロッド10から離れる方向に付勢する圧縮コイルばねから成るばね部材14が設けられている。この移動体11にワーク押圧部材6が支持軸15によって回動自在に取り付けられている。
【0024】
ここで、ワーク押圧部材6が長形状ワーク2を整列基準面3に押し当てるときに長形状ワーク2が死点に位置する等の理由により回転できないと、押圧駆動源5が作動してもワーク押圧部材6は移動できない。このとき、押圧駆動源5はばね部材14を圧縮するので、ワーク押圧部材6が長形状ワーク2を押し潰して変形させることを防止できる。すなわち、ばね部材14は、押圧駆動源5の押圧力を長形状ワーク2に対して必要以上に伝達して押し潰すことを防止する安全装置の機能を果たす。
【0025】
ワーク押圧部材6は全体としてほぼT字形状で、基端部が支持軸15により移動体11に回転可能に連結されている。ワーク押圧部材6の先端面16は、例えば支持軸15を中心にする円弧形状にしている。これにより、ワーク押圧部材6が支持軸15を中心に回転するときに先端面16と長形状ワーク2との間隔が変化しないので、長形状ワーク2の回転を円滑に行うことができるようになる。
【0026】
さらに、この整列機構1は、ピストンロッド10と移動体11との相対的な移動量を検出する検出手段(図示せず)と、ワーク押圧部材6を移動体11に対して回転させるように押圧する整列補助部材17とを備えている。そして、例えば長形状ワーク2が死点に位置する等の理由により回転できないときにばね部材14が圧縮されると、ピストンロッド10と移動体11とが相対的に移動していること、即ち移動体11が移動していないことが検出手段により検出される。この移動量が所定値より大きくなった時に、図5に示すように整列補助部材17が作動してワーク押圧部材6を移動体11に対して回転するようにしている。これにより、長形状ワーク2が強制回転されるので、長形状ワーク2の側面を整列基準面3に押し当てることができる。
【0027】
検出手段としては、マイクロスイッチや光センサ等の使用により移動量が一定値に達したことを検出するようにしたり、あるいはポテンショメータ等の使用により移動量自体を連続的に検出するようにしても良い。
【0028】
整列補助部材17は、ワーク押圧部材6を側方から突き出すシリンダ装置を使用している。この整列補助部材17が作動すると、ピストンロッド18が突出してワーク押圧部材6を突いて回転させる。
【0029】
また、チャッキング手段7は、ワーク載置部材4に載置された長形状ワーク2を縦方向Xから挟んで位置決めする。チャッキング手段7の先端部は、長形状ワーク2の把持する部分の形状に合わせて形成されている。本実施形態ではチャッキング手段7の先端部を凹んだ円弧形状に形成している。これにより、長形状ワーク2を両端部から良好な保持性で挟持することができる。
【0030】
一方、長形状ワーク2は吸引ノズル19により吸引されてパーツフィーダからワーク載置部材4に移送されて載置される。ここで、長形状ワーク2は、パーツフィーダによって一定の整列がなされてワーク載置部材4に移動されてくるようにしている。具体的には、吸引ノズル19が長形状ワーク2の例えば側面や端面を吸引した場合は、はじかれて移送しないようにする。なお、パーツフィーダの構成は本発明の要旨とは特に関係は無く限定されるものではないので、既知あるいは新規のものを使用することができる。
【0031】
また、本実施形態では、図6(A)に示すように、パーツフィーダから取り出される長形状ワーク2の縦方向Xのばらつきが正規方向X1に対して例えばプラスマイナス45度以内の範囲に収まるように整列させる。そして、パーツフィーダからワーク載置部材4に移送するときに、長形状ワーク2を正規方向X1に対していずれか一方向に45度回転させて載置するようにする。これにより、図6(B)に示すように、長形状ワーク2は正規方向X1に対して45度回転させた方向X2を中心にプラスマイナス45度以内の範囲に有るので、ワーク載置部材4に対しては正規方向X1とその直交方向X3との間の90度の範囲内を向くことになる。このため、長形状ワーク2の縦方向Xがワーク押圧部材6に対して傾いた方向を一方向にすることができるので、ワーク押圧部材6が回転すべき方向を一方のみにすることができる。よって、ワーク押圧部材6は中立した原位置から片方にしか回転させる必要がないので、整列補助部材17をワーク押圧部材6の片方のみに設ければ良い。
【0032】
また、特に図示していないが、ワーク押圧部材6が押圧駆動源5側に戻るときに中立した原位置に成るようにする機構を設けておく。これにより、長形状ワーク2に当接したワーク押圧部材6がピストンロッド10により引っ張られるたびに自動的に中立するので、次の長形状ワーク2の位置決めに備えることができる。
【0033】
上述した長形状ワーク2の整列機構1の動作を以下に説明する。
【0034】
図2及び図3に示すように、パーツフィーダから長形状ワーク2を吸引ノズルにより取り出してワーク載置部材4に移送する。このとき、図6(B)に示すように長形状ワーク2を正規方向X1に対していずれか一方向に45度回転させて載置する。これにより、長形状ワーク2は、ワーク載置部材4に対しては正規方向X1とその直交方向X3との間の90度の範囲内を向くようになる。
【0035】
ワーク載置部材4に載置された長形状ワーク2は直ちに吸引ノズル9により吸着される。そして、押圧駆動源5を作動させてワーク押圧部材6を長形状ワーク2に押し付ける。これにより、ワーク押圧部材6の先端面16が長形状ワーク2の側面をワーク載置部材4の整列基準面3に押圧する。
【0036】
ここで、長形状ワーク2がワーク載置部材4に載置されたときに既に縦方向Xが正規方向X1と一致していれば、ワーク押圧部材6は長形状ワーク2を真っ直ぐ押圧して整列基準面3に押圧する。また、図1に示すように長形状ワーク2がワーク載置部材4に載置されたときに縦方向Xが正規方向X1に対して傾いていれば、ワーク押圧部材6は長形状ワーク2を押しながら移動体11に対して回転すると同時に長形状ワーク2を回転させる。これにより、最終的には長形状ワーク2を整列基準面3に押し付けることができる。このとき、長形状ワーク2は吸引ノズル9によりワーク載置部材4に固着されているが、ワーク押圧部材6による押圧力の方が大きいので整列することができる。
【0037】
一方、図5に示すように長形状ワーク2がワーク載置部材4に載置されたときに縦方向Xが正規方向X1に対して直交していたり他の何らかの理由により、ワーク押圧部材6が押圧しても長形状ワーク2が回転しない場合は、ワーク押圧部材6は移動せずにシリンダロッド10と移動体11との間のばね部材14が圧縮される。そして、検出手段がシリンダロッド10と移動体11との相対移動の大きさが一定値に達したことを検出すると、整列補助部材17がワーク押圧部材6を側方から突き出すようにする。これにより、ワーク押圧部材6が強制回転されると共に長形状ワーク2が回転して整列基準面3に押し付けられる。よって、長形状ワーク2は整列される。
【0038】
そして、長形状ワーク2がワーク載置部材4に対して縦方向Xに整列されてから、チャッキング手段7が作動する。ここで、図7(A)に示すように長形状ワーク2が整列基準面3に押し付けられて整列されたときに横方向Yが正規位置Y1からずれていても、チャッキング手段7の挟み込みにより長形状ワーク2が横方向にも合わせられて芯出しが行われる。したがって、縦方向Xの整列と横方向Yの芯出しとの複合作用により、正確な位置決めを行ったままチャックすることができる。
【0039】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば本実施形態では整列補助部材17をワーク押圧部材6の片方のみに設けているが、これには限られず図8に示すようにワーク押圧部材6の両側に設けるようにしても良い。この場合、ワーク押圧部材6をいずれの方向にも強制回転できるので、長形状ワーク2が正規方向に対していずれの方向に傾斜していても良い。このため、長形状ワーク2をワーク載置部材4に載置する際に縦方向Xの向きに関しては特に条件を与える必要が無くなって、移送動作を容易にすることができる。
【0040】
そして、本実施形態では整列補助部材17をワーク押圧部材6の片方のみに設けると共にワーク押圧部材6を一方にのみ押し出すようにしているが、これには限られず例えば整列補助部材17のロッド18の先端にワーク押圧部材6の両側面に当接可能な係合部材を取り付けておき、ロッド18の往復動によりワーク押圧部材6をいずれの方向にも回転できるようにしても良い。
【0041】
また、本実施形態では長形状ワーク2として小判形のものを使用しているが、これには限られず縦方向Xの寸法に対し横方向Yの寸法が短い形状であれば良い。すなわち、例えば矩形や多角形の柱形状のものでも良い。この場合も、縦方向Xの整列と横方向Yの芯出しとにより正確な位置決めを行うことができる。
【0042】
さらに、本実施形態では長形状ワーク2としてフェルト製のものを使用しているが、これには限られずウレタン製やゴム製等のエラストマから成るものにしても良い。あるいは、長形状ワーク2を軟質部材製ではなく、プラスチックや金属等の硬質部材から成るようにしても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、請求項1記載の長形状ワークの整列機構によれば、ワーク押圧部材が押圧駆動源に対して回転することにより長形状ワークの縦方向に沿った側面を整列基準面に押し当てるように回転させるので、長形状ワークの縦方向を正しく決めて整列させることができる。また、チャッキング手段を作動させて長形状ワークを縦方向から挟むことにより、長形状ワークの横方向を正しく決めて芯出しすることができる。これらの整列と芯出しとの複合作用により、長形状ワークをワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。また、長形状ワークが回転できないときに押圧駆動源が作動してもばね部材を蓄勢するので、ワーク押圧部材が長形状ワークを押し潰して変形させることを防止できる。さらに、押圧駆動源と移動体との相対移動量が所定値より大きくなると整列補助部材がワーク押圧部材を移動体に対して回転させるので、長形状ワークが強制回転されて整列基準面に押し当てられる。
【0044】
また、請求項2記載の長形状ワークの整列機構によれば、軟質部材から成るワークについてワーク載置部材に載置した向きに拘わらず高精度の位置決めを行うことができる。
【0047】
また、請求項3記載の長形状ワークの整列機構によれば、ワーク押圧部材が回転すべき方向を一方のみにすることができるので、ワーク押圧部材は中立した原位置から片方にしか回転する必要がなく、整列補助部材を設ける場合であってもワーク押圧部材の片方のみに配置すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長形状ワークの整列機構を示す平面図である。
【図2】長形状ワークの整列機構に長形状ワークを載置した直後の状態を示す平面図である。
【図3】長形状ワークの整列機構に長形状ワークを載置した直後の状態を示す正面図である。
【図4】長形状ワークを示す斜視図である。
【図5】長形状ワークの整列機構の整列補助部材が作動する様子を示す平面図である。
【図6】長形状ワークを示す平面図であり、(A)はパーツフィーダから取り出すとき、(B)はワーク載置部材に載置したときを示す。
【図7】長形状ワークの位置決めを行うときの様子を示す平面図であり、(A)は縦方向の整列のみを行ったとき、(B)はチャッキング手段により横方向の芯出しを行ったときを示す。
【図8】長形状ワークの整列機構の他の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 長形状ワークの整列機構
2 長形状ワーク
3 整列基準面
4 ワーク載置部材
5 押圧駆動源
6 ワーク押圧部材
7 チャッキング手段
11 移動体
14 ばね部材
17 整列補助部材
Claims (3)
- 縦方向の寸法に対し横方向の寸法が短い長形状ワークを、整列基準面に対し上記縦方向が平行になるように整列させるようにした長形状ワークの整列機構において、上記長形状ワークを整列させるために載置する上記整列基準面を有するワーク載置部材と、該ワーク載置部材上に置かれた上記長形状ワークを上記整列基準面側に押圧する駆動力を与える押圧駆動源と、該押圧駆動源に回転可能に連結されて上記長形状ワークを上記整列基準面に押し当てるワーク押圧部材と、上記長形状ワークを上記縦方向から挟んで位置決めするチャッキング手段とを備え、上記ワーク押圧部材は押圧方向に圧縮可能なばね部材を介在させて上記押圧駆動源に取り付けられる移動体に回動自在に取り付けられると共に、上記押圧駆動源と上記移動体との相対的な移動量を検出する検出手段と、上記ワーク押圧部材を上記移動体に対して回転するように押圧する整列補助部材とを備え、上記移動量が所定値より大きくなった時は上記整列補助部材により上記ワーク押圧部材を上記移動体に対して回転するようにしたことを特徴とする長形状ワークの整列機構。
- 上記長形状ワークは小判状の軟質部材であることを特徴とする請求項1記載の長形状ワークの整列機構。
- 上記長形状ワークは、パーツフィーダによって一定の整列がなされて上記ワーク載置部材に移動されてくることを特徴とする請求項1または2記載の長形状ワークの整列機構。
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