JP3789457B2 - スクリュー杭の建込み方法及び装置 - Google Patents
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Description
スクリュー杭は、特にスクリュー部の作用により、建込み後の上下方向の耐力に優れており、軟弱な地盤に施工されることも多い。
更には、地盤は固いところも軟らかいところもあり、スクリュー杭の種類も螺旋のピッチが違う等、一種類ではない。このため、地盤の固さの程度とスクリュー杭の組み合わせは多岐にわたり、杭を押圧する力の調整は難しい。
しかし、上記したように、実際の施工においては、このように施工するのは極めて困難であり、回転数に対し、荷重による送り量が小さすぎたりあるいは大きすぎて、スクリュー部が地盤中で空転して攪拌してしまい、これによってスクリュー部の周りの土または地盤を破壊してしまうことがあった。
本願発明者は、このような人の感覚に頼った建込み作業を行う代わりに、道具を使って機械的または自動的にスクリュー杭を建込む手段を模索し、研究を重ねて本願発明を完成した。
本発明は、スクリュー杭の建込みにあたり、地中の土または地盤を本質的に破壊することなく建て込むことができ、建込み後には、スクリュー杭本来の上下方向の強い耐力が確実に得られるようにした、スクリュー杭の建込み方法及び装置を提供することを目的とする。
第1の発明にあっては、
作業機のアームまたはブームに取り付けて使用されるリーダに固定されているスクリューガイドに回転体が設けてあり、該回転体は建て込まれるスクリュー杭の表面側と裏面側に設けてあり、リボンスクリューであるスクリュー部を回転体の間に通すようにし、
該スクリュー部はその表面側と裏面側が上記回転体の表面に接触しながら回転するようにし、上記リーダに固定されているスクリューガイドによってスクリュー杭の回転力を推進力に変えてスクリュー部の一回転によって進む距離がスクリュー部のピッチと同じになるようにして建て込むことを特徴とする、
スクリュー杭の建込み方法である。
回転体は、回転軸の軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されていることを特徴とする、
第1の発明に係るスクリュー杭の建込み方法である。
作業機のアームまたはブームに取り付けて使用されるリーダと、リーダの所要位置に設けられ、スクリュー杭を案内する案内装置と、リーダに沿って移動可能であり、スクリュー杭を軸周方向に回転させる回転駆動装置を備えたスクリュー杭の建込装置であって、
上記案内装置はリーダに固定されており、
同案内装置はスクリューガイドを備え、該スクリューガイドは建て込まれるスクリュー杭の表面側と裏面側に設けてある回転体を含み、
上記スクリュー杭はリボンスクリューであるスクリュー部を有し、
上記回転体の間に通されているスクリュー部は、その表面側と裏面側を上記回転体の表面に接触させながら、上記リーダに固定されている案内装置の回転体によってその回転力を推進力に変えられるものであり、
スクリュー杭はスクリュー部の一回転によって進む距離がスクリュー部のピッチと同じになるようにして建て込むようにしたことを特徴とする、
スクリュー杭の建込装置である。
回転体は、回転軸の軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されていることを特徴とする、
第3の発明に係るスクリュー杭の建込装置である。
第4の発明に係るスクリュー杭の建込装置に使用する案内装置であって、
該案内装置はスクリューガイドを備え、該スクリューガイドは建て込まれるスクリュー杭の表面側と裏面側に設けてある回転体を含み、
該回転体は、回転軸の軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されていることを特徴とする、
スクリュー杭の建込装置に使用する案内装置である。
また、回転体は、例えばスクリュー部がリボンスクリューの場合、スクリュー部の表面と裏面のうち一方の面に対して単数設けてもよいし、複数設けてもよい。複数設ける場合は、スクリュー部の幅方向(または直径方向)に並設してもよいし、長手方向(または軸線方向)に設けてもよく、更にそれらを複合することもできる。
例えば、ローラやコマ状の回転体をスクリュー部を挟むように配置した構造の他、部材にスクリュー部の横断面形状と同様の穴を空けた構造、スクリュー部が螺合可能な雌ネジ状のもの、またはそれらの構造において更にスクリュー部との接触部に滑り手段や回転手段を設けた構造等である。
本発明に係るスクリュー杭の建込装置の作用を、建込まれるスクリュー杭のスクリュー部がリボンスクリューの場合を例にとり説明する。
なお、ここでは説明を分かりやすくするために、本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明を理解しやすくするためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
これにより、スクリュー杭(4)のスクリュー部(40)は、地中に横断面形状がスクリュー部(40)の幅分の細い直線状の穴を螺旋状につくりながら、土または地盤を破壊することなく建て込まれる。
これにより、スクリュー部だけでなくスクリュー部に鋼管等を継ぎ足した構造のスクリュー杭も支障なく建て込むことができる。
図2は本発明に係るスクリュー杭の建込装置を示し、スクリュー杭を表した正面視要部説明図、
図3はスクリュー杭の建込装置を示し、スクリュー杭を表した側面視要部説明図、
図4はスクリュー杭の建込装置を示す斜視要部説明図で、(a)はスクリュー杭を表した図、(b)はスクリュー杭を表していない図、
図5はスクリュー杭の建込装置を示し、開閉部材の拡開状態を示す斜視要部説明図で、(a)はスクリュー杭を表した図、(b)はスクリュー杭を表していない図、
図6はスクリュー杭の建込装置を示す一部を断面した平面視説明図、
図7はスクリュー杭の建込装置を示し、開閉部材の拡開状態を示す一部を断面した平面視説明図である。
また、建込みの対象となるスクリュー杭は、スクリュー部がリボンスクリューであるが、スクリュー杭はこれに限定されず、他の構造のスクリュー杭でも、案内装置の各部寸法を適宜変えることにより実施可能である。
スクリュー杭の建込装置A1は、リーダ1、案内装置2、回転駆動装置3を有している。リーダ1と案内装置2は、スクリュー杭を建込み方向へ案内する手段を構成する。また、回転駆動装置3は、スクリュー杭を軸周方向へ回転させる手段と建込み方向へ案内する手段を構成する。
図1ないし図7を参照して説明する。
リーダ1は、所要長さを有するリーダ本体10を有している。リーダ本体10は、複数の角管を並設して形成されている。リーダ本体10の左右両側には、溝状の案内部11がほぼ全長にわたり設けてある。
リーダ本体10には、案内部11と一部を係合して上下移動可能に回転駆動装置3が取り付けてある。回転駆動装置3の構造については、後述する。
また、リーダ本体10の後面側のほぼ中間部には、バックホー等の作業機のアーム先端を取り付けるための取付用ブラケット14が設けてある。
なお、リーダ1の構造は、上記構造に限定されるものではなく、例えば伸縮自在なもの等、各種構造のものが採用できる。
リーダ本体10の下部側には、案内装置2が着脱自在に固定してある。案内装置2はリーダ本体10に一体に設けてもよい。案内装置2は、リーダ本体10に取り付けるための取付部材20と、取付部材20の前部に左右方向へ開閉可能に設けられた開閉部材21、21aと、開閉部材21、21aの下にそれぞれ設けられた案内ローラ22、22aを有している。
案内ローラ22、22aはスクリューガイドを構成し、開閉部材21、21aが閉じた状態で、スクリュー杭4のスクリュー部40が軸周方向に一回転するごとにスクリュー部40の螺旋の一ピッチ分が軸線方向に送られるようスクリュー部40を案内することができる。
取付部材20には、左右両面間に貫通した固定用孔200(図6、図7参照)が設けてある。取付部材20は、上記固定用孔12に同じ高さで合致する位置に設けてある。取付部材20は、固定用ピン23を固定用孔200、12に両端を止めた状態で挿通することにより固定される。
筒構成体27、27aは、フレーム210、210aのほぼ全高にわたり設けてある。
係合アーム板211の先部寄りの下側には、係合凹部213が設けてある。
また、右側のフレーム210aの前面には、係合アーム板211の係合凹部213が係合可能な係合ピン214が上下二箇所に設けてある。
回転駆動装置3は、上記したように、リーダ本体10に沿って移動可能に取り付けてある。回転駆動装置3は、移動体30と油圧モータ31を有している。
移動体30は、リーダ本体10の案内部11と一部を係合させ、リーダ本体10の軸周方向に回動しない状態で、リーダ本体10の上下方向にほぼ全長にわたり移動可能である。
なお、図1においては、油圧モータ31を駆動するためのオイルライン(油圧経路)の図示は省略している(後述する図12も同様)。
吊り輪172の径はスクリュー杭4の鋼管部41の直径よりやや径大に形成してある。吊りロープ170は、滑車300に上方から回し掛けられ、その先部側は垂らしてある。
図8はスクリュー杭の吊り上げ方法を示す説明図、
図9はスクリュー杭の建込み終了状態を示す説明図である。
図1ないし図9を参照して、本実施の形態に係るスクリュー杭の建込装置A1の作用を説明する。
スクリュー部40の一端部には直板部400が設けてある。スクリュー部40には、円筒形の鋼管部41が、直板部400が直径線に合わさるように内径部を嵌め入れ、接触部を溶接して接続してある。
(2)一方、スクリュー杭の建込装置A1をバックホー7のアーム70の先端に取り付ける。
その方法を図8を参照し説明する。まず、吊りワイヤ150を繰り出して回転駆動装置3を所要位置まで下げ、吊りロープ170先端部に設けてある吊り輪172を地面に寝かして置いてあるスクリュー杭4の鋼管部41の上端部分に掛ける。次に、吊りワイヤ150を巻き取り、回転駆動装置3を引き上げる。これにより、スクリュー杭4は回転駆動装置3の上昇ストロークの二倍のストロークで吊り上げられる。
そして、スクリュー杭4のスクリュー部40を、開閉部材21、21aを閉じた案内装置2の案内ローラ22、22a間を通るように筒構成体27、27a内に挿通し、スクリュー杭4の鋼管部41の上端部を油圧モータ31の回転軸310に取り付ける。
スクリュー杭4は、回転すると同時に、位置が固定されている案内ローラ22、22aによってスクリュー部40が軸周方向に一回転するごとにスクリュー部40の螺旋の一ピッチ分が軸線方向に円滑に送られる。これにより、スクリュー杭4のスクリュー部40は、地中に横断面形状がスクリュー部40の幅分の細い直線状の穴を螺旋状につくりながら、土または地盤を破壊することなく建て込まれる。
また、スクリュー部40を案内する案内ローラ22、22aが、軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されているので、スクリュー部40の回転時において、スクリュー部40の幅方向両端側が、案内ローラ22、22aの軸線方向両側へ縮小しながら湾曲傾斜している表面にそれぞれ強く接触しながら回転する。これにより、スクリュー部40のうち案内ローラ22、22aと接触する部分には、案内ローラ22、22aの最大径部分に向かう力が作用し、スクリュー杭4の回転軸心が安定するので、ブレも発生しにくい。
(7)案内装置2の係合アーム板211を上方へ回動させて係合凹部213と係合ピン214の係合を外し、更に固定用ピン25を挿通管26、26aから抜いて開閉部材21、21aを拡開する。これにより、スクリュー杭4の鋼管部41の通過に支障のないようにする。
(9)最後に穴5に土を必要なだけ埋め戻し、スクリュー杭4の建込みを終了する(図9参照)。
案内ローラ22b、22cは、スクリュー杭4のスクリュー部40を間に通し、軸周方向に回転させることによって、上記案内ローラ22、22aと同様に、スクリュー部40を軸周方向に一回転するごとにスクリュー部40の螺旋の一ピッチ分を軸線方向に円滑に送ることができる。なお、他の作用は、大体において上記実施例1と同様である。
案内ローラ22d、22eは、スクリュー杭4のスクリュー部40を間に通し、軸周方向に回転させることによって、上記案内ローラ22、22aと同様に、スクリュー部40を軸周方向に一回転するごとにスクリュー部40の螺旋の一ピッチ分を軸線方向に円滑に送ることができる。なお、他の作用は、大体において上記実施例1と同様である。
クレーン8はブーム80の伸縮範囲が大きいので、スクリュー杭の建込装置A2をクレーン8に取り付けて作業を行うことにより、クレーン8の設置箇所から離れた箇所、あるいは地面の高さが大きく異なる箇所でのスクリュー杭4の建込み作業が可能となる。
また、リーダ1上端部がブーム80先端部に縦横方向に回動可能に設けてあることにより、リーダ1を吊り上げれば自動的に垂直になる。リーダ1を垂直に立てて地盤上に固定した後は、上記バックホー7に取り付けたスクリュー杭の建込装置A1と同様に作用する。
図14は本発明に係るスクリュー杭の建込装置を建柱作業車に取り付けた状態を示す平面視説明図である。
建柱作業車9に取り付けてあるスクリュー杭の建込装置A3によれば、建柱作業車9の機動性を活かした迅速な建込み作業が可能になる。
また、リーダ1上端部がアーム90先端部に縦横方向に回動可能に設けてあることにより、リーダ1を吊り上げれば自動的に垂直になる。リーダ1を垂直に立てて地盤上に固定した後は、上記バックホー7に取り付けたスクリュー杭の建込装置A1と同様に作用する。
そして、建柱作業車9が走行する場合は、スクリュー杭の建込装置A3をスクリューオーガ92と同様に折り畳んで荷台に載せ、抱き込んで台フレームに固定した状態で走行できる。なお、スクリュー杭の建込装置A3は、上記のように自由な方向へ向けることができるようアーム90に取り付けてあるので、抱き込む際も支持柱等に当たらないように方向を調整できる。
1 リーダ
10 リーダ本体
11 案内部
12 固定用孔
13 接地部材
14 取付用ブラケット
15 ウインチ
150 ワイヤ
16 吊掛具
160 滑車
17 取付片
170 吊りロープ
171 フック
172 吊り輪
2 案内装置
20 取付部材
200 固定用孔
21、21a 開閉部材
210、210a フレーム
211 係合アーム板
212 軸ピン
213 係合凹部
214 係合ピン
22、22a 案内ローラ
220、220a 回転軸
221、221a 軸受具
23 固定用ピン
24、24a ヒンジ部
240 軸ピン
25 固定用ピン
26、26a 挿通管
27、27a 筒構成体
3 回転駆動装置
30 移動体
300 滑車
31 油圧モータ
310 回転軸
5 穴
6 枕木
7 バックホー
70 アーム
22b、22c 案内ローラ
220b、220c 回転軸
22d、22e 案内ローラ
220d、220e 回転軸
4 スクリュー杭
40 スクリュー部
400 直板部
41 鋼管部
8 クレーン
80 ブーム
81 ウインチ
9 建柱作業車
90 アーム
91 吊り滑車
92 スクリューオーガ
93、94 軸
Claims (5)
- 作業機(7)のアーム(70)またはブームに取り付けて使用されるリーダ(1)に固定されているスクリューガイドに回転体(22,22a)が設けてあり、該回転体(22,22a)は建て込まれるスクリュー杭(4)の表面側と裏面側に設けてあり、リボンスクリューであるスクリュー部(40)を回転体(22,22a)の間に通すようにし、
該スクリュー部(40)はその表面側と裏面側が上記回転体(22,22a)の表面に接触しながら回転するようにし、上記リーダ(1)に固定されているスクリューガイドによってスクリュー杭(4)の回転力を推進力に変えてスクリュー部(40)の一回転によって進む距離がスクリュー部(40)のピッチと同じになるようにして建て込むことを特徴とする、
スクリュー杭の建込み方法。 - 回転体(22,22a)は、回転軸(220,220a)の軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されていることを特徴とする、
請求項1記載のスクリュー杭の建込み方法。 - 作業機(7)のアーム(70)またはブームに取り付けて使用されるリーダ(1)と、リーダ(1)の所要位置に設けられ、スクリュー杭(4)を案内する案内装置(2)と、リーダ(1)に沿って移動可能であり、スクリュー杭(4)を軸周方向に回転させる回転駆動装置(3)を備えたスクリュー杭の建込装置であって、
上記案内装置(2)はリーダ(1)に固定されており、
同案内装置(2)はスクリューガイドを備え、該スクリューガイドは建て込まれるスクリュー杭(4)の表面側と裏面側に設けてある回転体(22,22a)を含み、
上記スクリュー杭(4)はリボンスクリューであるスクリュー部(40)を有し、
上記回転体(22,22a)の間に通されているスクリュー部(40)は、その表面側と裏面側を上記回転体(22,22a)の表面に接触させながら、上記リーダ(1)に固定されている案内装置(2)の回転体(22,22a)によってその回転力を推進力に変えられるものであり、
スクリュー杭(4)はスクリュー部(40)の一回転によって進む距離がスクリュー部(40)のピッチと同じになるようにして建て込むようにしたことを特徴とする、
スクリュー杭の建込装置。 - 回転体(22,22a)は、回転軸(220,220a)の軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されていることを特徴とする、
請求項3記載のスクリュー杭の建込装置。 - 請求項4記載のスクリュー杭の建込装置に使用する案内装置であって、
該案内装置(2)はスクリューガイドを備え、該スクリューガイドは建て込まれるスクリュー杭(4)の表面側と裏面側に設けてある回転体(22,22a)を含み、
該回転体(22,22a)は、回転軸(220,220a)の軸線方向の中間部が次第に径大となるよう構成されていることを特徴とする、
スクリュー杭の建込装置に使用する案内装置。
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