JP3788042B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開し得るエアバッグ(袋体)と、後突の予測時に上述のエアバッグを展開制御させるCPUなどの制御手段とを備えて、乗員を保護するような車両用乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両用乗員保護装置としては、例えば特開平7−137592号公報および特開平10−6907号公報に記載の装置がある。
【0003】
前者の特開平7−137592号公報に記載の装置は、シートバックの上部に設けられたヘッドレストの内部にエアバッグ装置ユニットを内設し、加速度センサ(いわゆるGセンサ)で後突を検出した時、または予測センサで後突を予測した時に、インフレータを介して上記エアバッグ装置ユニットの袋体としてのエアバッグを真っ直ぐに前方へ向けて展開し、乗員の頭部および頸部を衝撃力から保護すべく構成したものである。
【0004】
また後者の特開平10−6907号公報に記載の装置は、ヘッドレストに設けられたエアバッグケース内にインフレータおよび袋体としてのエアバッグを内設し、Gセンサによる後突検出時または予測センサによる後突予測時に上述のインフレータを作動させてエアバッグを乗員の後頭部方向に向けて真っ直ぐに前方へ向けて展開し、この時、上述のエアバッグケース前面の上カバーおよび下カバーがヒンジ部を支点として上下に開放し、展開したエアバッグにて乗員の頭部と頸部に加わる衝撃を効果的に吸収すべく構成したものである。
【0005】
これらの各従来技術によれば、後突時にエアバッグの展開により乗員の頭部に加わる衝撃力を緩和して、乗員の頸椎に発生する負担を低減することができる効果がある反面、予測センサのセンシング精度や予測誤差時に起因して、この予測センサによる後突予測時の遅れが発生した場合には、次のような問題点が生ずる。
【0006】
すなわち、センサの予測遅れによりエアバッグの展開時期が遅れて、例えば実際の後突と同時にエアバッグが展開されると、乗員の頭部は慣性力によって相対的に後方移動する一方、エアバッグは乗員の頭部方向に向けて展開されるので、両者(乗員の頭部とエアバッグ)の移動方向が互に対向する方向となり、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用する問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、後突予測時点において実際に後突が起こるまでの時間を演算し、この演算結果(後突センサが後突を予測した時点から実際の衝突までの時間の長さ)が所定値以下の時にエアバッグの展開を禁止すべく構成することで、ヘッドレストまたはシートバックという乗員頭部に対する近接部位にエアバッグを設けた場合であっても、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを禁止することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0008】
この発明の請求項2記載の発明は、後突予測時点において実際に後突が起こるまでの時間を演算し、この演算結果が所定値以下の時にエアバッグの展開度合を緩和することで、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを防止し、緩和された適切な展開度合で乗員の頭部を保護することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0009】
この発明の請求項3記載の発明は、後突予測時点において実際に後突が起こるまでの時間を演算し、この演算結果が予め設定された第1所定値以下の時にはエアバッグの展開度合を緩和し、第2所定値(但し、第2所定値〈第1所定値〉以下の時にはエアバッグの展開作動を禁止することで、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、演算結果に基づいて緩和または禁止するスマート(smart)制御が実行でき、より一層の乗員保護性機能の向上を図ることができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0010】
この発明の請求項4記載の発明は、上記請求項2または3記載の発明の目的と併せて、実際の後突が発生するまでの時間に応じてエアバッグの展開度合を連続的に漸減することで、エアバッグの展開度合を段差的に緩和する構成に対して最適な緩和制御を実行することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0011】
この発明の請求項5記載の発明は、上記請求項2,3または4記載の発明の目的と併せて、エアバッグの展開度合の緩和を、エアバッグの展開速度(展開スピード)に設定することで、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、エアバッグの展開スピードの緩和により良好に防止することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0012】
この発明の請求項6記載の発明は、上記請求項2,3,4または5記載の発明の目的と併せて、後突が予測された時点からの現行の経過時間が、実際の後突時とその直前、直後の所定範囲内に達した時、展開中のエアバッグの作動を中止することで、エアバッグの乗員頭部方向への展開力が乗員の頭部に作用するのを確実に防止して、乗員の頭部をさらに良好に保護することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0013】
この発明の請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明の目的と併せて、演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時には、エアバッグ展開力を大きくすることで、後突予測が遅れた際にエアバッグ展開力を大きくして、乗員の頭部を迅速に保護することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、後突を予測する後突センサと、ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突予測時に上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、上記後突センサで後突を予測した時、実際の後突が発生するまでの時間を演算する演算手段を設け、上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時は、上記エアバッグの展開作動を禁止する車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0015】
この発明の請求項2記載の発明は、後突を予測する後突センサと、ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突予測時に上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、上記後突センサで後突を予測した時、実際の後突が発生するまでの時間を演算する演算手段を設け、上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時は、上記エアバッグの展開度合を緩和する車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0016】
この発明の請求項3記載の発明は、後突を予測する後突センサと、ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突予測時に上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、上記後突センサで後突を予測した時、実際の後突が発生するまでの時間を演算する演算手段を設け、上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が第1所定値以下の時にはエアバッグの展開度合を緩和し、第1所定値よりも小さい値の第2所定値以下の時はエアバッグの展開作動を禁止する車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0017】
この発明の請求項4記載の発明は、上記請求項2または3記載の発明の構成と併せて、上記エアバッグの展開度合の緩和は、実際の後突が発生するまでの時間に応じて連続的に漸減する車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0018】
この発明の請求項5記載の発明は、上記請求項2,3または4記載の発明の構成と併せて、上記エアバッグの展開度合の緩和は、エアバッグの展開速度に設定された車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0019】
この発明の請求項6記載の発明は、上記請求項2,3,4または5記載の発明の構成と併せて、後突が予測された時点からの現行の経過時間が、実際の後突時とその直前、直後の所定範囲内に達した時、上記制御手段は展開中のエアバッグの作動を中止する車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0020】
この発明の請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明の構成と併せて、上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時は、エアバッグ展開力を大きく設定する車両用乗員保護装置であることを特徴とする。
【0021】
【発明の作用及び効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、上述の制御手段は後突センサで後突が予測された時にヘッドレストまたはシートバックに収納されたエアバッグを乗員の頭部方向に展開させるが、上述の演算手段は後突センサによる後突予測時に、実際の後突が発生するまでの時間を演算する。
【0022】
しかも、上述の制御手段は演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時(所定値より短かい時)、エアバックの展開を禁止する。
この結果、ヘッドレストまたはシートバックという乗員頭部に対する近接部位にエアバッグを設けた場合においても、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを禁止することができる効果がある。
【0023】
この発明の請求項2記載の発明によれば、上述の制御手段は後突センサで後突が予測された時にヘッドレストまたはシートバックに収納されたエアバッグを乗員の頭部方向に展開させるが、上述の演算手段は後突センサによる後突予測時に、実際の後突が発生するまでの時間を演算する。
【0024】
しかも、上述の制御手段は演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時(所定値より短かい時)、エアバッグの展開度合を緩和する。このため、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバック展開力が作用するのを防止することができ、緩和された適切な展開度合にて乗員の頭部を保護することができる効果がある。
【0025】
この発明の請求項3記載の発明によれば、上述の制御手段は後突センサで後突が予測された時にヘッドレストまたはシートバックに収納されたエアバッグを乗員の頭部方向に展開させるが、上述の演算手段は後突センサによる後突予測時に、実際の後突が発生するまでの時間を演算する。
【0026】
しかも、上述の制御手段は演算された実際の後突が発生するまでの時間が第1所定値(但し、第1所定値>第2所定値)以下の時にはエアバッグの展開度合を緩和し、第2所定値(但し、第2所定値<第1所定値)以下の時にはエアバッグの展開を禁止する。
この結果、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、演算結果に基づいて緩和または禁止するスマート制御が実行でき、より一層の乗員保護性能の向上を図ることができる効果がある。
【0027】
この発明の請求項4記載の発明によれば、上記請求項2または3記載の発明の効果と併せて、実際の後突が発生するまでの時間の長短に応じてエアバックの展開度合を連続的に漸減(緩和)するので、エアバッグの展開度合を段差的に緩和する構成に対して最適な緩和制御を実行することができる効果がある。
【0028】
この発明の請求項5記載の発明によれば、上記請求項2,3または4記載の発明の効果と併せて、エアバッグの展開度合の緩和を、エアバッグの展開速度(展開スピード)に設定したので、後突センサの予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、エアバッグの展開スピードの緩和により良好に防止することができる効果がある。
【0029】
この発明の請求項6記載の発明によれば、上記請求項2,3,4または5記載の発明の効果と併せて、後突が予測された時点からの現行の経過時間が、実際の後突時とその直前、直後の所定範囲内に達した時、上述の制御手段が展開中のエアバッグの作動を中止する。このため、エアバッグの乗員頭部方向への展開力が乗員の頭部に作用するのを確実に防止して、乗員の頭部をさらに良好に保護することができる効果がある。
【0030】
この発明の請求項7記載の発明によれば、上記請求項6記載の発明の効果と併せて、上述の制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時、エアバッグ展開力を大きくするので、後突予測が遅れた際にエアバッグ展開力を大きくして、乗員の頭部を迅速に保護し、後突の瞬間には展開中のエアバッグ作動が中止されるので、乗員頭部に対して大きなエアバッグ展開力が作用することもない。
【0031】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用乗員保護装置を示し、図1において、この車両用乗員保護装置を備えたシート1は、シートクッション2と、シートバック3と、このシートバック3にヘッドレストポール4を介して取付けられたヘッドレスト5とを有している。
【0032】
上述のヘッドレストポール4は図2に示す如く金属製パイプ部材により門形状に構成され、このヘッドレストポール4の上端部4aには軸受ブラケット6およびボルト7,7を用いてベース部材8を取付けている。
【0033】
このベース部材8は上下方向に延びる主面8aと、前後方向に延びるガイド部8bとを側面視L字状に連結したもので、上述の主面8aの車幅方向中央部分には取付け孔9が開口形成され、上述のガイド部8bにはヘッドレストポール4の左右の脚部4bを挿通させる長孔10が穿設形成され、該長孔10を利用してヘッドレスト5の支持角度を調整し得るように構成している。つまり、上述のベース部材8はヘッドレストポール4の上端部4aを支点として回動可能に構成されたものである。
【0034】
ところで、上述の取付け孔9にはエアバッグ装置11(図4参照)のエアバッグ(袋体)12における基部を挟持するように圧縮空気の流入管13を取付け、この流入管13には圧縮空気を導びく連通管14を連通接続している。
一方、上述のヘッドレスト5はクッション部材15と、このクッション部材15を被覆する表皮16とを備えている。
【0035】
ここで、クッション部材15は前側クッション部17と後側クッション部18との前後に分割され、分割された前側クッション部17がエアバッグ12の乗員の頭部方向への展開時に前方へ移動するように構成されている。
【0036】
つまり、上述のエアバッグ12は前側クッション部17の後方に位置するようにヘッドレスト5内部に収納され、このエアバッグ12の展開時には図3に示すように、前側クッション部17を介してヘッドレスト5の前面が前方に移動して、乗員の頭部とエアバッグ12との間に前側クッション部17が介在するように構成されている。
【0037】
また、上述の前側クッション部17は乗員の頭部を保持する前面部17a(頭部保持部)と、この前面部17aの上側からヘッドレスト5内のベース部材8の主面8a上端よりも後方に延びる延設部17b(エアバッグ展開方向規制部)とを備え、この前側クッション部17と後側クッション部18との分割部19の位置はベース部材8の主面8aよりも後方に設定されている。
【0038】
さらに、上述の表皮16は分割された前側クッション部17、後側クッション部18から成るクッション部材15を一体的に被覆するが、この表皮16の前面16aと後面16bとの間には前側クッション部17の前動を許容する前動許容部20が形成されている。
【0039】
この実施例では上述の前動許容部20は分割部19と対応する位置に形成され、前動許容部20は破断部または伸縮部で形成することができ、破断部とする場合には、縫い糸(図示せず)による縫い剛性を他部に対して弱く設定すればよく、伸縮部とする場合には、ゴム帯などの伸縮帯、蛇腹部、蛇行部を形成するか或は表皮16の一部または全体を伸縮性のある素材で構成すればよい。
【0040】
図4は車両用乗員保護装置の制御回路を示し、CPU30は予測センサ21からの信号入力に基づいて、ROM22に格納されたプログラムに従って、エアバッグ装置11のエアコンプレッサ23、調圧弁24、電磁弁25を駆動制御し、またRAM26は必要なデータやマップを記憶する。
【0041】
ここで、上述の予測センサ21は超音波を用いて自車両と後突の可能性がある他車両との間の相対距離や相対速度を計測して、後突を予測するところの後突センサである。
【0042】
また上述のCPU30は後突予測時にエアバッグ12を展開制御する制御手段(CPU30それ自体参照)と、
予測センサ21で後突を予測した時点t1(図5参照)に、該時点t1から実際の後突が発生する時点t3までのT(以下単に後突までの時間Tと略記する)を演算する演算手段(図7に示すフローチャートの第4ステップS4参照)と、
この演算手段で演算された後突までの時間Tが所定値ΔT(図5参照)以下の時、エアバッグ12の展開作動を禁止する禁止手段(図7に示すフローチャートの第6ステップS6参照)と、
を兼ねる。
【0043】
上述の後突までの時間Tは次のようにして求めることができる。つまり自車両の車速をV1、他車両の車速をV2、車両間の離反距離をLとする時、T=L/(V2−V1)の式にて演算することができる。
【0044】
ところで、図4に示す如く上述の連通管14はエアバッグ12の基部における流入管13とエアコンプレッサ23の圧縮空気吐出部とを連通するもので、この連通管14の中途部にはエアバッグ展開度合に関与するエア圧力をコントロールする調圧弁24と、圧縮空気の供給、しゃ断を行なう電磁弁25とが介設されている。この電磁弁25はヘッドレスト5内のエアバッグ12に対して可及的近接部位に配置される。また上述のエアコンプレッサ23は後突予測時点t1またはエンジン始動時に駆動され、エアバッグ12に対する圧縮空気の供給、しゃ断は上述の電磁弁25にて実行することが望ましい。
【0045】
なお、図2〜図4で示した圧縮空気駆動タイプのエアバッグ装置11は一例であって、インフレータを介して展開されるエアバッグ装置や或は表皮16を破断して乗員頭部方向に向けて直接的に展開されるようなエアバッグ装置であってもよいことは勿論である。
【0046】
このように構成した車両用乗員保護装置(請求項1に相当する実施例)の作用を、図7に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
【0047】
第1ステップS1で、CPU30は予測センサ21による検出を実行し、次の第2ステップS2で、CPU30は予測センサ21出力に基づいて後突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には次の第3ステップS3に移行する一方、YES判定時には第4ステップS4に移行する。
【0048】
上述の第3ステップS3で、CPU30はエアバッグ12が作動されていれば、乗員に対する違和感を解消するために、これをゆっくりと元に戻す。つまり圧縮空気が供給されていれば、電磁弁25をOFFにする。
【0049】
一方、上述の第4ステップS4で、CPU30は後突までの時間T(図6参照)を演算する。
次に第5ステップS5で、CPU30は演算した時間Tと予め設定した所定値ΔT(実際の後突時点t3より微少時間前t2から時点t3までに要する時間よりもやや小さい値)とを比較して、T<ΔTの時には第6ステップS6に移行し、T>ΔTの時には第7ステップS7に移行する。
【0050】
上述の第6ステップS6で、CPU30はT<ΔTに対応してエアバッグ11の展開を禁止する。
一方、上述の第7ステップS7で、CPU30は後突の予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第1ステップS1にリターンする一方、YES判定時には次の第8ステップS8に移行する。
【0051】
この第8ステップS8で、CPU30は現行の時点が、図5に示す時点t2〜t3の範囲か否かを判定し、NO判定時には第7ステップS7にリターンする一方、YES判定時には次の第9ステップS9に移行する。
【0052】
この第9ステップS9で、CPU30は電磁弁25をON(開弁)にし、連通管14および流入管13を介してエアバッグ12内に圧縮空気を流入して、このエアバッグ12を図6に示す所定のエアバッグ展開力にて展開作動させる。
【0053】
このエアバッグ12が展開すると、前動許容部20が破断または伸長されて、前側クッション部17が図2に示す状態から図3に示す如く前方へ移動して、ヘッドレスト5の前面が前方へ変位し、乗員の頭部を保護する。
【0054】
このように図1〜図7に示す実施例(請求項1に相当する実施例)によれば、上述の制御手段(CPU30参照)は後突センサ(予測センサ21参照)で後突が予測された時にヘッドレスト5に収納されたエアバッグ12を乗員の頭部方向に展開させるが、上述の演算手段(第4ステップS4参照)は後突センサ(予測センサ21参照)による後突予測時(時点t1参照)に、実際の後突が発生するまでの時間Tを演算する。
【0055】
しかも、上述の制御手段(CPU30、詳しくは第6ステップS6参照)は演算された実際の後突が発生するまでの時間Tが所定値ΔT以下の時(所定値より短かい時)、エアバッグ12の展開を禁止する。
【0056】
この結果、ヘッドレスト5という乗員頭部に対する近接部位にエアバッグ12を設けた場合においても、後突センサ(予測センサ21参照)の予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを禁止することができる効果がある。
【0057】
図8、図9は車両用乗員保護装置の他の実施例(請求項2,4に相当する実施例)を示し、この実施例においても図1〜図4で示した回路装置を用いるが、この実施例の場合、上述のCPU30は後突予測時にエアバッグ12を展開制御する制御手段(CPU30それ自体参照)と、
予測センサ21で後突を予測した時(時点t1参照)、実際の後突が発生するまでの時間Tを演算する演算手段(図9に示すフローチャートの第4ステップQ4参照)と、
この演算手段で演算された後突までの時間Tが所定値ΔT以下の時にエアバッグ12の展開度合を緩和する展開度合緩和手段(図9に示すフローチャートの各ステップQ5,Q8参照)と、
を兼ねる。
【0058】
また前述のRAM26は図8に示す第1マップM1を記憶する。この第1マップM1は横軸に後突までの時間Tをとり、縦軸にエアバッグ展開力をとって、図5に示す微少時間前t2と略対応する時点から実際の後突時点t3に向けてエアバッグ12の展開度合が連続的に漸減(緩和)するように設定したマップである。
【0059】
このように構成した車両用乗員保護装置(請求項2,4に相当する実施例)の作用を、図9に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
【0060】
第1ステップQ1で、CPU30は予測センサ21による検出を実行し、次の第2ステップQ2で、CPU30は予測センサ21の出力に基づいて後突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には次の第3ステップQ3に移行する一方、YES判定時には第4ステップQ4に移行する。
【0061】
上述の第3ステップQ3で、CPU30はエアバッグ12が作動されていれば、乗員に対する違和感を解決するために、これをゆっくりと元に戻す。
【0062】
一方、上述の第4ステップQ4で、CPU30は後突までの時間T(図8参照)を演算する。
【0063】
次に、第5ステップQ5で、CPU30は演算された時間Tに対応してエアバッグ作動状態(例えばエアバッグ展開力の大きさ)を図8に示す第1マップM1から読込み設定する。
【0064】
次に、第6ステップQ6で、CPU30は後突の予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第1ステップQ1にリターンする一方、YES判定時には次の第7ステップQ7に移行する。
【0065】
この第7ステップQ7で、CPU30は現行の時点が図5に示す時点t2〜t3の範囲か否かを判定し、NO判定時には第6ステップQ6にリターンする一方、YES判定時には次の第8ステップQ8に移行する。
【0066】
この第8ステップQ8で、CPU30は電磁弁25を開弁して、連通管14および流入管13を介してエアバッグ12内に圧縮空気を流入して、このエアバッグ12を展開させるが、このエアバッグ12の作動状態はT<ΔTの時には先のは第5ステップQ5で予め設定されたエアバッグ展開力に応じて作動されることになる。ここで、エアバッグ展開力のコントロールは図4に示す調圧弁24により実行される。
【0067】
このエアバッグ12が展開すると、前動許容部20が破断または伸長されて、前側クッション部17が図2に示す状態から図3に示す如く前方へ移動して、ヘッドレスト5の前面が前方へ変位し、乗員の頭部を保護することができる。
【0068】
このように、図8,図9に示す実施例によれば、上述の制御手段(CPU30参照)は後突センサ(予測センサ21参照)で後突が予測された時にヘッドレスト5に収納されたエアバッグ12を乗員の頭部方向に展開させるが、上述の演算手段(第4ステップQ4参照)は後突センサ(予測センサ21参照)による後突予測時(時点t1参照)に、実際の後突が発生するまでの時間Tを演算する。
【0069】
しかも、上述の制御手段(CPU30、詳しくは各ステップQ5,Q8参照)は演算された実際の後突が発生するまでの時間Tが所定値ΔT以下の時(所定値より短かい時)、第1マップM1からの読込み処理によりエアバッグ12の展開度合を緩和する。
【0070】
このため、後突センサ(予測センサ21参照)の予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを防止することができ、緩和された適切な展開度合にて乗員の頭部を保護することができる効果がある。
【0071】
また、実際の後突が発生するまでの時間Tの長短に応じてエアバッグ12の展開度合を連続的に漸減(緩和)するので、エアバッグ12の展開度合を段差的に緩和する構成に対して適切な緩和制御を実行することができる効果がある。
【0072】
さらに、エアバッグ12の展開度合の緩和を、エアバッグ12の展開速度(展開スピード)に設定すると、後突センサ(予測センサ21参照)の予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、エアバッグ12の展開スピードの緩和により良好に防止することができる効果がある。
【0073】
図10,図11は車両用乗員保護装置のさらに他の実施例(請求項3,4に相当する実施例)を示し、この実施例においても図1〜図4で示した回路装置を用いるが、この実施例の場合、上述のCPU30は後突予測時にエアバッグ12を展開制御する制御手段(CPU30それ自体参照)と、
上述の予測センサ21で後突を予測した時(時点t1参照)、実際の後突が発生するまでの時間T(図10参照)を演算する演算手段(図11に示すフローチャートの第4ステップU4参照)と、
この演算手段で演算された後突までの時間Tが第1所定値(図10参照)以下の時にはエアバッグ12の展開度合を緩和する展開度合緩和手段(図11に示すフローチャートの各ステップU8,U11参照)と、
上述の演算手段で演算された後突までの時間Tが第2所定値(図10参照、但し第2所定値<第1所定値)以下の時にはエアバッグ12の展開作動を禁止する禁止手段(図11に示すフローチャートの第6ステップU6参照)と、
を兼ねる。
【0074】
また前述のRAM26は図10に示す第2マップM2を記憶する。この第2マップM2は横軸に後突までの時間Tをとり、縦軸にエアバッグ展開力をとって、図5に示す微少時間前t2と略対応して展開度合の緩和を開始するポイントを第1所定値とし、この第1所定値よりも小さい値で展開度合の緩和を終了するポイントを第2所定値とし、この時間軸における第1所定値から第2所定値に向けてエアバッグ12の展開度合が連続的に漸減(緩和)するように設定したマップである。
このように構成した車両用乗員保護装置(請求項3,4に相当する実施例)の作用を、図11に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
【0075】
第1ステップU1で、CPU30は予測センサ21による検出を実行し、次の第2ステップU2で、CPU30は予測センサ21の出力に基づいて後突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には次の第3ステップU3に移行する一方、YES判定時には第4ステップU4に移行する。
【0076】
上述の第3ステップU3で、CPU30はエアバッグ12が作動されていれば、乗員に対する違和感を解決するために、これをゆっくりと元に戻す。
一方、上述の第4ステップU4で、CPU30は後突までの時間T(図10参照)を演算する。
【0077】
次に第5ステップU5で、CPU30は演算された時間Tと予め設定された第2所定値(図10参照)とを比較し、T<第2所定値の時(YES判定時)には第6ステップU6に移行する一方、T>第2所定値の時(NO判定時)には第7ステップU7に移行する。
【0078】
上述の第6ステップU6で、CPU30はT<第2所定値に対応して、エアバッグ12の展開を禁止する。
一方、上述の第7ステップU7で、CPU30は第4ステップU4で演算された後突までの時間Tと予め設定した第1所定値(図10参照)とを比較し、T>第1所定値の時(NO判定時)には第9ステップU9にスキップする一方、T<第1所定値の時(YES判定時)には第8ステップU8に移行する。
【0079】
この第8ステップU8で、CPU30は演算された時間Tに対応してエアバッグ作動状態(例えばエアバッグ展開力の大きさ)を図10に示す第2マップM2から読込み設定する。
【0080】
次に、第9ステップU9で、CPU30は後突の予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第1ステップQ1にリターンする一方、YES判定時には次の第10ステップU10に移行する。
【0081】
この第10ステップU10で、CPU30は現行の時点が図5に示す時点t2〜t3の範囲か否かを判定し、NO判定時には第9ステップU9にリターンする一方、YES判定時には次の第11ステップU11に移行する。
【0082】
この第11ステップU11で、CPU30は電磁弁25を開弁して、連通管14および流入管13を介してエアバッグ12内に圧縮空気を流入して、このエアバッグ12を展開させるが、このエアバッグ12の作動状態はT=第1所定値〜第2所定値の時には先の第8ステップU8で予め設定されたエアバッグ展開力に応じて作動されることになる。ここで、エアバッグ展開力のコントロールは図4に示す調圧弁24により実行される。
【0083】
このエアバッグ12が展開すると、前動許容部20が破断または伸長されて、前側クッション部17が図2に示す状態から図3に示す如く前方へ移動して、ヘッドレスト5の前面が前方へ変位し、乗員の頭部を保護することができる。
【0084】
このように、図10,図11に示す実施例(請求項3,4に相当する実施例)によれば、上述の制御手段(CPU30参照)は後突センサ(予測センサ21参照)で後突が予測された時にヘッドレスト5に収納されたエアバッグ12を乗員の頭部方向に展開させるが、上述の演算手段(第4ステップU4参照)は後突センサ(予測センサ21参照)による後突予測時(時点t1参照)に、実際の後突が発生するまでの時間Tを演算する。
【0085】
しかも、上述の制御手段(CPU30、詳しくは各ステップU8,U11参照)は演算された実際の後突が発生するまでの時間Tが第1所定値 (但し、第1所定値>第2所定値)以下の時にはエアバッグ12の展開度合を緩和し、第2所定値 (但し、第2所定値<第1所定値)以下の時にはCPU制御による第6ステップU6にてエアバッグ12の展開を禁止する。
この結果、後突センサ(予測センサ21参照)の予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、演算結果に基づいて緩和または禁止するスマート制御が実行でき、より一層の乗員保護性能の向上を図ることができる効果がある。
【0086】
また、実際の後突が発生するまでの時間Tの長短に応じてエアバック12の展開度合を連続的に漸減(緩和)するので、エアバッグの展開度合を段差的に緩和する構成に対して最適な緩和制御を実行することができる効果がある。
【0087】
加えて、エアバッグ12の展開度合の緩和を、エアバッグの展開速度(展開スピード)に設定すると、予測センサ21の予測遅れに起因して、乗員の頭部に過大なエアバッグ展開力が作用するのを、エアバッグ12の展開スピードの緩和により良好に防止することができる効果がある。
【0088】
図12,図13は車両用乗員保護装置のさらに他の実施例(請求項6,7に相当する実施例)を示し、この実施例においても図1〜図4で示した回路装置を用いるが、この実施例の場合、上述のCPU30は後突予測時にエアバッグ12を展開制御する制御手段(CPU30それ自体参照)と、
上述の予測センサ21で後突を予測した時(時点t1参照)、実際の後突が発生するまでの時間T(図12参照)を演算する演算手段(図13に示すフローチャートの第4ステップC4参照)と、
演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間Tが所定値ΔT(図12参照)以下の時は、エアバッグ展開力を大きく設定する設定手段(図13に示すフローチャートの各ステップC5,C8参照)と、
後突が予測された時点t1から現行の経過時間が、実際の後突時点t3とその直前(衝突タイミングからみて所定時間前)、直後(衝突タイミングからみて所定時間経過後)の所定範囲α(図5参照)内に達した時、展開中のエアバッグ12の作動を中止する中止手段(図13に示すフローチャートの第10ステップC10参照)と、
を兼ねる。
【0089】
また前述のRAM26は図12に示す第3マップM3を記憶する。この第3マップM3は横軸に後突までの時間Tをとり、縦軸にエアバッグ展開力をとって、図5に示す微少時間前t2と略対応して、T>ΔTの場合にはエアバッグ展開力を通常の展開力に設定し、T<ΔTの場合にはエアバッグ展開力が通常時のそれに対して大きくなるように設定したマップである。
【0090】
このように構成した車両用乗員保護装置(請求項6,7に相当する実施例)の作用を、図13に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
【0091】
第1ステップC1で、CPU30は予測センサ21による検出を実行し、次の第2ステップC2で、CPU30は予測センサ21の出力に基づいて後突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には次の第3ステップC3に移行する一方、YES判定時には第4ステップC4に移行する。
【0092】
上述の第3ステップC3で、CPU30はエアバッグ12が作動されていれば、乗員に対する違和感を解決するために、これをゆっくりと元に戻す。
【0093】
一方、上述の第4ステップC4で、CPU30は後突までの時間T(図12参照)を演算する。
【0094】
次に、第5ステップC5で、CPU30は演算された時間Tに対応してエアバッグ作動状態(例えばエアバッグ展開力の大きさ)を図12に示す第3マップM3から読込み設定する。
【0095】
次に、第6ステップC6で、CPU30は後突の予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第1ステップC1にリターンする一方、YES判定時には次の第7ステップC7に移行する。
【0096】
この第7ステップC7で、CPU30は現行の時点が図5に示す時点t2〜t3の範囲か否かを判定し、NO判定時には第6ステップC6にリターンする一方、YES判定時には次の第8ステップC8に移行する。
【0097】
この第8ステップC8で、CPU30は電磁弁25を開弁して、連通管14および流入管13を介してエアバッグ12内に圧縮空気を流入して、このエアバッグ12を展開させるが、このエアバッグ12の作動状態はT<ΔTの時には先のは第5ステップC5で予め設定されたエアバッグ展開力に応じて作動されることになる。ここで、エアバッグ展開力のコントロールは図4に示す調圧弁24により実行される。
【0098】
このエアバッグ12が展開すると、前動許容部20が破断または伸長されて、前側クッション部17が図2に示す状態から図3に示す如く前方へ移動して、ヘッドレスト5の前面が前方へ変位し、乗員の頭部を保護する。
【0099】
しかも、次の第9ステップC9でCPU30は現行の経過時間が図5に示す所定範囲α内に達したか否かを判定し、NO判定時には第8ステップC8にリターンする一方、YES判定時には次の第10ステップC10に移行する。
【0100】
この第10ステップC10で、CPU30は後突時点t3およびその直前、直後に対して、電磁弁25をOFFと成して、展開中のエアバッグ12の作動を中止する。
【0101】
このように図12,図13に示す実施例(請求項6,7に相当する実施例)によれば、後突が予測された時点t1からの現行の経過時間が、実際の後突時t3とその直前、直後の所定範囲α(図5参照)内に達した時、上述の制御手段(CPU30、特に第10ステップC10参照)が展開中のエアバッグの作動を中止する。このため、エアバッグ12の乗員頭部方向への展開力が乗員の頭部に作用するのを確実に防止して、乗員の頭部をさらに良好に保護することができる効果がある。
【0102】
さらに、上述の制御手段(CPU30、特に各ステップC5,C8参照)は演算手段(第4ステップC4参照)で演算された実際の後突が発生するまでの時間Tが所定値ΔT以下の時、エアバッグ展開力を図12に第3マップM3で示すように大きくするので、後突予測が遅れた際にエアバッグ展開力を大きくして、乗員の頭部を迅速に保護し、かつ後突の瞬間t3には第10ステップC10にて展開中のエアバッグ作動が中止されるので、乗員頭部に対して大きなエアバッグ展開力が作用することもない。
【0103】
以上の各実施例においてはヘッドレスト5の内部に収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグ12を例示したが、このエアバッグ12に代えて、図14に示す如く、シートバック3における上部前側に収納されたエアバッグ31であってもよい。このエアバッグ31はインフレータ32(一段または複数段構成のインフレータ)により駆動され、その展開時には図14に仮想線で示す如く、乗員の頭部方向に向けて作動され、当該乗員の後頭部を保持する第1保持部31aと、乗員の頸部を保持する第2保持部31bとを有するように展開される。
【0104】
この図14に示す実施例に先の各実施例の制御を適用しても、これらの各実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図14において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0105】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の後突センサは、実施例の予測センサ21に対応し、
以下同様に、
制御手段は、CPU30に対応し、
演算手段は、CPU制御による各ステップS4,Q4,U4,C4に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用乗員保護装置を備えたシートの側面図。
【図2】 ヘッドレストの内部構造を示す断面図。
【図3】 エアバッグ作動時の説明図。
【図4】 制御回路ブロック図。
【図5】 後突予測時点と実際の後突時点との関係を示す説明図。
【図6】 後突までの時間に対するエアバッグ展開力の関係を示す説明図。
【図7】 エアバッグ展開制御処理を示すフローチャート。
【図8】 第1マップの説明図。
【図9】 本発明の車両用乗員保護装置の他の実施例を示すフローチャート。
【図10】 第2マップの説明図。
【図11】 本発明の車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示すフローチャート。
【図12】 第3マップの説明図。
【図13】 本発明の車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示すフローチャート。
【図14】 シートバックに収納されたエアバッグを示す側面図。
【符号の説明】
3…シートバック
5…ヘッドレスト
12,31…エアバッグ
21…予測センサ(後突センサ)
30…制御手段
S4,Q4,U4,C4…演算手段
Claims (7)
- 後突を予測する後突センサと、
ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突予測時に上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた
車両用乗員保護装置であって、
上記後突センサで後突を予測した時、実際の後突が発生するまでの時間を演算する演算手段を設け、
上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時は、上記エアバッグの展開作動を禁止する
車両用乗員保護装置。 - 後突を予測する後突センサと、
ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突予測時に上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた
車両用乗員保護装置であって、
上記後突センサで後突を予測した時、実際の後突が発生するまでの時間を演算する演算手段を設け、
上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時は、上記エアバッグの展開度合を緩和する
車両用乗員保護装置。 - 後突を予測する後突センサと、
ヘッドレストまたはシートバックに収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突予測時に上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた
車両用乗員保護装置であって、
上記後突センサで後突を予測した時、実際の後突が発生するまでの時間を演算する演算手段を設け、
上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が第1所定値以下の時にはエアバッグの展開度合を緩和し、第1所定値よりも小さい値の第2所定値以下の時にはエアバッグの展開作動を禁止する
車両用乗員保護装置。 - 上記エアバッグの展開度合の緩和は、実際の後突が発生するまでの時間に応じて連続的に漸減する
請求項2または3記載の車両用乗員保護装置。 - 上記エアバッグの展開度合の緩和は、エアバッグの展開速度に設定された
請求項2,3または4記載の車両用乗員保護装置。 - 後突が予測された時点からの現行の経過時間が、実際の後突時とその直前、直後の所定範囲内に達した時、上記制御手段は展開中のエアバッグの作動を中止する
請求項2,3,4または5記載の車両用乗員保護装置。 - 上記制御手段は演算手段で演算された実際の後突が発生するまでの時間が所定値以下の時は、エアバッグ展開力を大きく設定する
請求項6記載の車両用乗員保護装置。
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