JP3846036B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シートバックの上部に設けられたヘッドレストにエアバッグを設けて、後突が予測または検出された時、該エアバッグを展開して乗員の頭部を保護するような車両用乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の車両用乗員保護装置としては、例えば特開平7−137592号公報および特開平10−6907号公報に記載の装置がある。
【0003】
前者の特開平7−137592号公報に記載の装置は、シートバックに設けられたヘッドレストの内部にエアバッグ装置ユニットを内設し、加速度センサ(いわゆるGセンサ)で後突を検出した時、インフレータを介して上記エアバッグ装置ユニットの袋体としてのエアバッグを真っ直ぐに前方へ向けて展開し、乗員の頭部および頸部を衝撃力から保護すべく構成したものである。
【0004】
この従来装置によれば、エアバッグの展開により後突時に乗員の頭部を保護することができる利点がある反面、上述のエアバッグ(袋体)はヘッドレスト内からヘッドレスト外部に展開される関係上、エアバッグの展開圧力が乗員の頭部に直接作用する問題点があった。
【0005】
後者の特開平10−6907号公報に記載の装置は、ヘッドレストに設けられたエアバッグケース内にインフレータおよび袋体としてのエアバッグを内設し、後突時に上述のインフレータを作動させてエアバッグを乗員の後頭部方向に向けて真っ直ぐ前方へ展開し、この時、上述のエアバッグケース前面の上カバーおよび下カバーがヒンジ部を支点として上下に開放し、展開したエアバッグにて乗員の頭部と頸部に加わる衝撃を効果的に吸収すべく構成したものである。
【0006】
この従来装置によれば、後突時にエアバッグが展開することで乗員の頭部を保護することができる利点がある反面、展開されたエアバッグ(袋体)が乗員の頭部に直接圧接するので、エアバッグの展開圧力が乗員の頭部に直接作用する問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、ヘッドレスト内のクッション部材後方にエアバッグを収納し、このエアバッグをヘッドレスト内部にて該ヘッドレストの前面が前方に移動するように展開し、斯る展開時に乗員の頭部とエアバッグとの間にヘッドレストのクッション部材が介在するように構成することで、エアバッグの展開圧力が乗員の頭部に直接作用するのを回避し、クッション部材の介在により乗員の頭部を緩衝力をもって確実に保持して、乗員の頸椎に生ずる負担発生を未然に防止することができ、また、エアバッグ装置のインフレータをベース部材の主面に形成した取付け孔に対して該ベース部材のリヤ側から取付けることで、このエアバッグ装置のインフレータをボルト等の取付部材を用いて取付けても、ヘッドレストで乗員頭部を保持した場合に、乗員に対して違和感を与えることがなく、しかも、前面部および延設部を含む前側クッション部と、後側クッション部との分割部をベース部材(換言すればエアバッグの展開基部の主面)より後方に設定することで、エアバッグ(袋体)の展開時に該エアバッグが不所望な方向に展開されるのを防止して、エアバッグの適正な展開方向を確保することができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0009】
この発明の一実施態様は、クッション部材を被覆する表皮の前面と後面との間に破断部または伸縮部を形成することで、クッション部材の確実な前方移動を得ることができる車両用乗員保護装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明による車両用乗員保護装置は、後突を予測または検出する後突センサと、シートバックにヘッドレストポールを介して取り付けられたヘッドレストと、
該ヘッドレスト内部のクッション部材後方に収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグと、後突を予測または検出した時、上記エアバッグを展開制御する制御手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、上記ヘッドレストポールの上端部にはベース部材が該上端部を支点として前後方向に回動可能に取付けられ、該ベース部材は、上下方向に延びる主面と、前後方向に延びるガイド部とを側面視L字状に連結してなり、該主面にはインフレータ取付け用の取付け孔が形成されると共に、該ガイド部にはヘッドレストポールの左右の脚部を挿通させる長孔が形成され、上記インフレータは、上記取付け孔に対して上記ベース部材のリヤ側から取付けられ、上記エアバッグは、上記ベース部材の主面の前面に配置され、ヘッドレスト内部にて該ヘッドレストの前面が前方に移動するように展開され、上記エアバッグの展開時には乗員の頭部とエアバッグとの間にヘッドレストのクッション部材が介在すべく構成され、上記クッション部は乗員の頭部を保持する前面部と、上記前面部の上側からヘッドレスト内のベース部材の主面より後方に延びる延設部とを備え、前側クッション部と後側クッション部との分割部が上記ベース部材の主面より後方に設定されたものである。
【0012】
この発明の一実施態様は、上記クッション部材を被覆する表皮を設け、上記表皮の前面と後面との間には破断部または伸縮部が形成されたものである。
【0013】
【発明の作用及び効果】
この発明の車両用乗員保護装置によれば、上述の後突センサは後突を予測(予知)または検出し、上述の制御手段は後突センサで後突が予測または検出された時、ヘッドレスト内に収納されたエアバッグを展開制御するが、このエアバッグはヘッドレスト内部において該ヘッドレストの前面が前方に移動するよう展開され、この展開時には乗員頭部とエアバッグとの間にヘッドレストのクッション部材が介在される。
【0014】
この結果、エアバッグの展開圧力が乗員の頭部に直接作用するのを回避することができ、上述のクッション部材の介在により乗員の頭部を緩衝力をもって確実に保持して、乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。
【0015】
また、上述のエアバッグ装置のインフレータをベース部材の主面に形成した取付け孔に対して該ベース部材のリヤ側から取付けたので、このエアバッグ装置のインフレータをボルト等の取付部材を用いて取付けても、該取付部材やインフレータがフロント側に出っ張ることがなく、このため、ヘッドレストで乗員頭部を保持した場合に、乗員に対して何等違和感を与えることがない効果がある。
【0016】
しかも、上述の前面部および延設部を含む前側クッション部と、後側クッション部との分割部をベース部材の主面よりも後方に設定したので、エアバッグ(袋体)の展開時において該エアバッグが不所望な方向に展開されるのを上述の延設部にて防止し、このためエアバッグの適正な展開方向を確保することができる効果がある。
【0017】
この発明の一実施態様によれば、上述のクッション部材を被覆する表皮の前面と後面との間には破断部または伸縮部を形成したので、エアバッグの展開時には破断部が破断または伸縮部が伸長する。この結果、クッション部材の確実な前方移動を得ることができる効果がある。
【0018】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用乗員保護装置を示し、図1において、この車両用乗員保護装置を備えたシート1は、シートクッション2と、シートバック3と、このシートバック3にヘッドレストポール4を介して取付けられたヘッドレスト5とを有している。
【0019】
上述のヘッドレストポール4は図2に示す如く金属製パイプ部材により門形状に構成され、このヘッドレストポール4の上端部4aには軸受ブラケット6およびボルト7,7を用いてベース部材8を取付けている。
【0020】
このベース部材8は図2、図3に示すように上下方向に延びる主面8aと、前後方向に延びる2つのガイド部8b,8bとを側面視L字状に連結したもので、上述の主面8aの車幅方向中央部分にはインフレータ取付け用の取付け孔9が開口形成され、2つのガイド部8b,8bにはヘッドレストポール4の左右の脚部4b,4bを挿通させる長孔10,10が穿設形成され、該長孔10,10を利用してヘッドレスト5の支持角度を調整し得るように構成している。つまり、上述のベース部材8はヘッドレストポール4の上端部4aを支点として回動可能に構成されたものである。
【0021】
ところで、上述の取付け孔9にはエアバッグ装置14(図5参照)のヘッドレストエアバッグ(袋体)11における基部を挟持するようにボルト12,12を用いてインフレータ13をベース部材8のリヤ側から取付けている。
一方、上述のヘッドレスト5はクッション部材15と、このクッション部材15を被覆する表皮16とを備えている。
【0022】
ここで、クッション部材15は前側クッション部17と後側クッション部18との前後に分割され、分割された前側クッション部17がヘッドレストエアバッグ11の乗員の頭部方向への展開時に前方へ移動するように構成されている。
【0023】
つまり、上述のヘッドレストエアバッグ11は前側クッション部17の後方に位置するようにヘッドレスト5内部に収納され、このヘッドレストエアバッグ11の展開時には図4に示すように、前側クッション部17を介してヘッドレスト5の前面が前方に移動して、乗員の頭部とヘッドレストエアバッグ11との間に前側クッション部17が介在するように構成されている。
【0024】
しかも、上述の前側クッション部17は乗員の頭部を保持する前面部17a(頭部保持部)と、この前面部17aの上側からヘッドレスト5内のベース部材8の主面8a上端よりも後方に延びる延設部17b(エアバッグ展開方向規制部)とを備え、この前側クッション部17と後側クッション部18との分割部19の位置はベース部材8の主面8aよりも後方に設定されている。
【0025】
さらに、上述の表皮16は分割された前側クッション部17、後側クッション部18から成るクッション部材15を一体的に被覆するが、この表皮16の前面16aと後面16bとの間には前側クッション部17の前動を許容する前動許容部としての破断部20が形成されている。
【0026】
この実施例では上述の破断部20は分割部19に対応して形成され、この破断部20の縫い糸(図示せず)による縫い剛性は他部に対して弱く設定されている。
図5は図1〜図4で示した車両用乗員保護装置の制御回路を示し、CPU30は予測センサ21または加速度センサ(いわゆるGセンサ)22からの信号入力に基づいて、ROM23に格納されたプログラムに従って、インフレータドライバ24を介してエアバッグ装置14のインフレータ13を駆動し、また、RAM25は必要なデータやマップを記憶する。
【0027】
ここで、上述のGセンサ22は後突を検出し、また上述の予測センサ21は超音波を用いて自車両と後突の可能性がある他車両との間の相対距離や相対速度を計測して、後突を予測(予知)する。
【0028】
しかも、上述のCPU30は、後突センサ(予測センサ21またはGセンサ22参照)により後突が予測または検出された時、上述のヘッドレストエアバッグ11を展開制御する制御手段である。
また上述のインフレータ13(inflator、ガス発生器)は内蔵する火薬等の化学物質に着火された時、この化学物質から発生するガスをフィルタを通過させてヘッドレストエアバッグ11内に入れて、このヘッドレストエアバッグ11を展開させる手段である。
【0029】
このように構成した車両用乗員保護装置の作用を、図6に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
第1ステップS1で、CPU30は予測センサ21による検出を実行し、次の第2ステップS2で、CPU30は予測センサ21出力に基づいて衝突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、YES判定時には次の第3ステップS3に移行する。
【0030】
この第3ステップS3で、CPU30は衝突タイミング(後突時点)を判定(演算)し、次の第4ステップS4で、CPU30は衝突の予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第2ステップS2にリターンする一方、YES判定時には次の第5ステップS5に移行する。
【0031】
この第5ステップS5で、CPU30は衝突タイミングの所定時間前(微小時間前)か否かを判定し、NO判定時には第4ステップS4にリターンする一方、YES判定時には次の第6ステップS6に移行する。
【0032】
この第6ステップS6で、CPU30はドライバ回路としてのインフレータドライバ24およびインフレータ13を介してエアバッグ装置14のヘッドレストエアバッグ11を展開作動させる。このヘッドレストエアバッグ11が展開すると、破断部20が破断されて、前側クッション部17が図2に示す状態から図4に示す如く前方へ移動して、ヘッドレスト5の前面が前方へ変位し、乗員の頭部とヘッドレストエアバッグ11との間にヘッドレスト5のクッション部材なかんずつ前側クッション部17が介在された状態下において乗員の頭部を保護する。
【0033】
このように、図1〜図6で示した実施例の車両用乗員保護装置は、後突を予測または検出する後突センサ21,21と、シートバック3にヘッドレストポール4を介して取り付けられたヘッドレスト5と、該ヘッドレスト5内部のクッション部材17後方に収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグ11と、後突を予測または検出した時、上記エアバッグ11を展開制御する制御手段30とを備えた車両用乗員保護装置であって、上記ヘッドレストポール4の上端部4aにはベース部材8が該上端部4aを支点として前後方向に回動可能に取付けられ、該ベース部材8は、上下方向に延びる主面8aと、前後方向に延びるガイド部8bとを側面視L字状に連結してなり、該主面8aにはインフレータ13取付け用の取付け孔9が形成されると共に、該ガイド部8bにはヘッドレストポール4の左右の脚部4bを挿通させる長孔10が形成され、上記インフレータ13は、上記取付け孔9に対して上記ベース部材8のリヤ側から取付けられ、上記エアバッグ11は、上記ベース部材8の主面8aの前面に配置され、ヘッドレスト5内部にて該ヘッドレスト5の前面が前方に移動するように展開され、上記エアバッグ11の展開時には乗員の頭部とエアバッグ11との間にヘッドレスト5のクッション部材17が介在すべく構成されたものである。
【0034】
この構成によれば、上述の後突センサは(予測センサ21参照)は後突を予測し、上述の制御手段(CPU30参照)は後突センサ(予測センサ21参照)で後突が予測された時、ヘッドレスト5内に収納されたヘッドレストエアバッグ11を展開制御するが、このヘッドレストエアバッグ11はヘッドレスト5内部において該ヘッドレスト5の前面が前方に移動するように展開され、この展開時には乗員頭部とヘッドレストエアバッグ11との間にヘッドレスト5のクッション部材15が介在される。
【0035】
この結果、ヘッドレストエアバッグ11の展開圧力が乗員の頭部に直接作用するのを回避することができ、上述のクッション部材15の介在により乗員の頭部を緩衝力をもって確実に保持して、乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。
【0036】
さらに、上述のインフレータ13をベース部材8の取付け孔9に対して、そのリヤ側から取付けたので、このインフレータ13をボルト12等の取付部材を用いて取付けても、該取付部材やインフレータ13がフロント側に出っ張ることがなく、このため、ヘッドレスト5で乗員頭部を保護した場合に、乗員に対して何等違和感を与えることがない効果がある。
【0037】
しかも、上述の前面部17aおよび延設部17bを含む前側クッション部17と、後側クッション部18の分割部19をベース部材8の主面よりも後方に設定したので、ヘッドレストエアバッグ11(袋体)の展開時において該ヘッドレストエアバッグ11が不所望な方向に展開されるのを上述の延設部17bにて防止し、このためヘッドレストエアバッグ11の適正な展開方向を確保することができる効果がある。
【0038】
また、上述のクッション部材15を被覆する表皮16の前面16aと後面16bとの間には破断部20を形成したので、ヘッドレストエアバッグ11の展開時には破断部20が破断され、この結果、クッション部材15(特に前側クッション部17参照)の確実な前方移動を得ることができる効果がある。
【0039】
図7は車両用乗員保護装置の他の実施例を示し、クッション部材15を被覆する表皮16を設け、この表皮16の前面16aと後面16bとの間において前述の分割部19と対応する部分に伸縮部としての伸縮帯31を一体的に形成し、ヘッドレストエアバッグ11の展開時に、この伸縮帯31を伸長させて、クッション部材15なかんず前側クッション部17の確実な前方移動を得るように構成したものである。
【0040】
上述の伸縮帯31としてはゴム帯または伸縮可能に形成された布等の伸縮部材を用いることができる。
このように構成しても先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図7において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0041】
図8は車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示し、クッション部材15を被覆する表皮16を設け、この表皮16の前面16aと後面16bとの間において前述の分割部19と対応する部分に伸縮部としての蛇腹部32を一体的に形成し、ヘッドレストエアバッグ11の展開時に、この蛇腹部32を伸長させて、クッション部材15なかんず前側クッション部17の確実な前方移動を得るように構成したものである。
このように構成しても先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図8において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0042】
図9は車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示し、クッション部材15を被覆する表皮16を設け、この表皮16の前面16aと後面16bとの間において前述の分割部19と対応する部分に伸縮部として前後方向に蛇行する蛇行部33を一体的に形成し、ヘッドレストエアバッグ11の展開時に、この蛇行部33を伸長させて、クッション部材15なかんず前側クッション部17の確実な前方移動を得るように構成したものである。
このように構成しても先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0043】
図10、図11、図12、図13は車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示し、先の実施例のインフレータ13により展開するヘッドレストエアバッグに代えて、圧縮空気の流入により展開するヘッドレストエアバッグ11を用いたものである。
【0044】
このため、図10、図11に示すように、ヘッドレストエアバッグ11の基部に圧縮空気を流入する流入管34またはノズルを設け、この流入管34のインレットポート側には流入管34とエアコンプレッサ35(図12参照)の圧縮空気出口とを連通する連通管36を接続固定し、流入管34のアウトレットポート側にはヘッドレストエアバック11の基部を被着させ、この基部を締結部材37で締結固定したものである。なお、その他の前図と同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
【0045】
図12は図10、図11で示した車両用乗員保護装置の制御回路を示し、CPU40は予測センサ21または加速度センサ(いわゆるGセンサ)22からの信号入力に基づいて、ROM38に格納されたプログラムに従って、エアコンプレッサ35、電磁弁39を駆動し、また、RAM41は必要なデータやマップを記憶する。
【0046】
ここで、上述のGセンサ22は後突を検出し、また上述の予測センサ21は超音波を用いて自車両と後突の可能性がある他車両との間の相対距離や相対速度を計測して、後突を予測(予知)する点、並びに上述のCPU40は、後突センサ(予測センサ21またはGセンサ22参照)により後突が予測または検出された時、上述のヘッドレストエアバッグ11を展開制御する制御手段である点は、先の実施例と同様である。
【0047】
上述のエアコンプレッサ35は、その駆動時に圧縮空気を連通管36に吐出し、この連通管36の中途部(望ましくはエアバッグ11に可及的近い部位)に介設された電磁弁39はその開弁時に圧縮空気を流入管34を介してヘッドレストエアバッグ11内へ流入する。上述の電磁弁39は連通管36等の圧縮空気通路長によるエアバッグ11に対する圧縮空気の流入遅れを回避するための開閉手段である。
【0048】
このように構成した車両用乗員保護装置の作用を、図13に示すフローチャートを参照して、以下に詳述する。
第1ステップQ1で、CPU40は予測センサ21による検出を実行し、次の第2ステップQ2で、CPU40は予測センサ21出力に基づいて衝突予測か否か、換言すれば後突の可能性があるか否かを判定し、NO判定時には次の第3ステップQ3に移行する一方、YES判定時には第4ステップQ4に移行する。
【0049】
上述の第Q3ステップQ3で、CPU40はヘッドレストエアバッグ11が作動されていれば、乗員に対する違和感を解消するために、これをゆっくりと元に戻す。つまりエアコンプレッサ35が駆動されていれば、該エアコンプレッサ35を停止制御する。
【0050】
一方、上述の第4ステップQ4で、CPU40は衝突タイミング(後突時点)を判定(演算)する。なお、この時点で電磁弁39をOFF(閉弁)にした状態下においてエアコンプレッサ35を駆動することが望ましい。次の第5ステップQ5で、CPU40は衝突の予測が継続しているか否かを判定し、NO判定時には第1ステップQ1にリターンする一方、YES判定時には次の第6ステップQ6に移行する。
【0051】
この第6ステップQ6で、CPU40は衝突タイミングの所定時間前か否かを判定し、NO判定時には第5ステップQ5にリターンする一方、YES判定時には次の第7ステップQ7に移行する。
【0052】
この第7ステップQ7で、CPU40は電磁弁39をON(開弁)にし、連通管36および流入管34を介してヘッドレストエアバッグ11内に圧縮空気を流入して、このエアバッグ11を展開作動させる。
【0053】
このヘッドレストエアバッグ11が展開すると、破断部20が破断されて、前側クッション部17が図10に示す状態から図11に示す如く前方へ移動して、ヘッドレスト5の前面が前方へ変位し、乗員の頭部とヘッドレストエアバッグ11との間にヘッドレスト5のクッション部材なかんずつ前側クッション部17が介在された状態下において乗員の頭部を保護する。
【0054】
このように図10〜図13に示す実施例によれば、上述の後突センサは(予測センサ21参照)は後突を予測し、上述の制御手段(CPU40参照)は後突センサ(予測センサ21参照)で後突が予測された時、ヘッドレスト5内に収納されたヘッドレストエアバッグ11を展開制御するが、このヘッドレストエアバッグ11はヘッドレスト5内部において該ヘッドレスト5の前面が前方に移動するように展開され、この展開時には乗員頭部とヘッドレストエアバッグ11との間にヘッドレスト5のクッション部材15、特に前部クッション部17が介在される。
【0055】
この結果、ヘッドレストエアバッグ11の展開圧力が乗員の頭部に直接作用するのを回避することができ、上述のクッション部材15の介在により乗員の頭部を緩衝力をもって確実に保持して、乗員の頸椎に発生する負担を未然に防止することができる効果がある。
【0056】
また、上述のクッション部材15を前後に分割して、分割した前側クッション部17が前方へ移動し得るように構成したので、クッション部材15による緩衝力を維持しつつ、分割された前側のクッション部17が前方へ確実に移動でき、この結果、乗員保護性能の向上を図ることができる効果がある。
【0057】
さらに、上述の前面部17aおよび延設部17bを含む前側クッション部17と、後側クッション部18の分割部19をベース部材8よりも後方に設定したので、ヘッドレストエアバッグ11(袋体)の展開時において該ヘッドレストエアバッグ11が不所望な方向に展開されるのを上述の延設部17bにて防止でき、このためヘッドレストエアバッグ11の適正な展開方向を確保することができる効果がある。
【0058】
加えて、上述のクッション部材15を被覆する表皮16の前面16aと後面16bとの間には破断部20を形成したので、ヘッドレストエアバッグ11の展開時には破断部20が破断され、この結果、クッション部材15(特に前側クッション部17参照)の確実な前方移動を得ることができる効果がある。
【0059】
また図10〜図13に示す実施例によればエアバッグ11およびヘッドレスト5の再使用効率の向上(復元性向上)を図ることができ、図10、図11の破断部20に代えて、図7、図8、図9で既に示した伸縮部を用いてもよいことは勿論である。
【0060】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の後突センサは、予測センサ21またはGセンサ22に対応し、
以下同様に、
エアバッグは、ヘッドレストエアバッグ11に対応し、
制御手段は、CPU30に対応し、
伸縮部は、伸縮帯31、蛇腹部32、蛇行部33に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば図示実施例のように表皮16の一部分に伸縮部を形成する構成に代えて、表皮16の全体を、伸縮性を備えた材料にて構成してもよいことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用乗員保護装置を備えたシートの側面図。
【図2】 ヘッドレストの内部構造を示す断面図。
【図3】 ベース部材の斜視図。
【図4】 エアバッグ作動時の説明図。
【図5】 制御回路ブロック図。
【図6】 エアバッグ作動処理を示すフローチャート。
【図7】 本発明の車両用乗員保護装置の他の実施例を示す断面図。
【図8】 本発明の車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示す断面図。
【図9】 本発明の車両用乗員保護装置のさらに他の実施例を示す断面図
【図10】 車両用乗員保護装置の他の構成を示す断面図
【図11】 エアバッグ作動時の説明図。
【図12】 制御回路ブロック図。
【図13】 エアバッグ作動処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
3…シートバック
4…ヘッドレストポール
4a…上端部
4b…脚部
5…ヘッドレスト
8…ベース部材
8a…主面
8b…ガイド部
9…取付け孔
10…長孔
11…エアバッグ
13…インフレータ
16…表皮
16a…前面
16b…後面
17…クッション部材
17a…前面部
17b…延設部
18…後側クッション部
19…分割部
20…破断部
21…予測センサ(後突センサ)
22…Gセンサ(後突センサ)
30…制御手段
31…伸縮帯(伸縮部)
32…蛇腹帯(伸縮部)
33…蛇行部(伸縮部)

Claims (2)

  1. 後突を予測または検出する後突センサ21,21と、シートバック3にヘッドレストポール4を介して取り付けられたヘッドレスト5と、
    該ヘッドレスト5内部のクッション部材17後方に収納されて乗員の頭部方向に展開可能なエアバッグ11と、後突を予測または検出した時、上記エアバッグ11を展開制御する制御手段30とを備えた車両用乗員保護装置であって、
    上記ヘッドレストポール4の上端部4aにはベース部材8が該上端部4aを支点として前後方向に回動可能に取付けられ、
    該ベース部材8は、上下方向に延びる主面8aと、前後方向に延びるガイド部8bとを側面視L字状に連結してなり、該主面8aにはインフレータ13取付け用の取付け孔9が形成されると共に、
    該ガイド部8bにはヘッドレストポール4の左右の脚部4bを挿通させる長孔10が形成され、
    上記インフレータ13は、上記取付け孔9に対して上記ベース部材8のリヤ側から取付けられ、
    上記エアバッグ11は、上記ベース部材8の主面8aの前面に配置され、ヘッドレスト5内部にて該ヘッドレスト5の前面が前方に移動するように展開され、上記エアバッグ11の展開時には乗員の頭部とエアバッグ11との間にヘッドレスト5のクッション部材17が介在すべく構成され
    上記クッション部材17は乗員の頭部を保持する前面部17aと、
    上記前面部17aの上側からヘッドレスト5内のベース部材8の主面8aより後方に延びる延設部17bとを備え、前側クッション部と後側クッション部との分割部19が上記ベース部材8の主面8aより後方に設定された
    車両用乗員保護装置。
  2. 上記クッション部材17を被覆する表皮16を設け、
    上記表皮16の前面16aと後面16bとの間には破断部20または伸縮部31,32,33が形成された
    請求項1記載の車両用乗員保護装置。
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