JP3787087B2 - 余長光ファイバの収容トレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁に埋設される埋め込みボックスを備えた光ファイバ用コンセントにおいて用いられる光ファイバ収容トレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、壁に埋め込みボックスを埋め込み、電力供給線の終端と接続したソケットあるいは電源スイッチをボックス内に備えた電源コンセントや電源スイッチ等が広く用いられている。日本では、例えば、電源コンセントあるいは電源スイッチに用いられる埋め込みボックスとして、JIC-C8340-1999「電線管用金属製ボックス及びボックスカバー」、JIS-C8435-1999「合成樹脂製ボックス及びボックスカバー」、JIS-C8336-1991「埋込配線用の附属品」が規定され、住宅、工場、オフィス、病院などにおいて実際に広く利用されている。
【0003】
一方、多くの情報産業の進展とともに、上記規格の埋め込みボックスに電話線やRJ-45などの情報線と接続したソケットを収納した電話線コンセントや情報コンセントの取付けの検討がなされた。例えば、公開実用新案公報昭和61−28278では、電話ジャックに関する発明が開示されている。
【0004】
この電話ジャックでは、JIS規格に対応の埋め込みボックスと、規制の取りつけ枠に適合するように取りつけ寸法が配線機器具と等しくなるように構成されている。
【0005】
さらに、公開特許公報昭和63-131476では埋め込みボックスに取りつけられる「情報コンセント」に関する発明が開示されている。この情報コンセントは、様々な種類のコンセント(情報、電源、テレビ同軸)が既存の取り付け板に取り付けられるようになり、埋め込みボックス内での配線の取りまわしが検討されている。
【0006】
しかし、上記規格は、長らく電源分配用のコンセントとしての用途を有していたため、その規格品の埋め込みボックスの大きさは、奥行きが浅くまた幅が狭いものとなっている。例えば、図21に示すJIS-C8336-1991「埋込配線用の附属品」で規定されている1個ソケットを備えたスイッチボックスは、カバーせずそのまま固定面を壁内面に合わせ、ソケットなどの収納する収納部を壁内に埋め込む。その埋め込みボックスの大きさは、幅54mm×高さ102mm×深さ44mm(他に、35、50、54、60mmのものが規定されている。)であり、この内部にすべての収容物を収容するように構成されている必要がある。
【0007】
上記「情報コンセント」では、従来、使われるケーブルの種類が柔軟な銅線(UTPケーブル等)に限定され、配線は曲げ損失が小さい数百MHz帯の低帯域での利用に限られていた。したがって、上記規格の埋め込みボックス内に広帯域の細くて弱い光ケーブルや光ケーブルと銅線(UTPケーブル)を配置した場合には、ケーブル同士が散在して絡まり、損失が数dBの桁で発生/変動しやすいという問題があった。
【0008】
ところで、光ファイバを曲げた状態にすると、ファイバの全反射の条件が満足されず、軸方向へ進む光信号が導波路外へ放射される曲げ損失を生じる。したがって、光ファイバをボックス内で所定の曲半径より小さくならないように保持しつつ収納する必要がある。
【0009】
また、光ファイバケーブルを光コネクタや融着で接続する場合、接続作業及び将来の再接続作業のため、光ファイバに十分な余長(数十センチメートル〜2メートル程度)をとる必要がある。TIA/EIA-568.1のドラフト規格においても、光ケーブルのアウトレットボックス内での余長に関する規定がなされており、2芯光ケーブルの場合、余長は1以上m、最小曲半径25mm以上とする記述がある。
【0010】
さらに、「Test procedures measure fiber reliability in ferrule-less interconnect」(James Laumer等、Litewave p79-82, Oct.1998)によれば、許容光学曲半径R6.5mmを超すと急激にマイクロベンド損失が大きくなるため、R6.5mm以上で設計する必要があるとしている。
【0011】
このような要求に対して、公開特許公報平成10−10337において「光ケーブル接続用収納ケース」に関する発明が開示されている。しかし、このケースは、埋め込み式ではないため、大きさの制限が厳しくなく、前記の曲半径と最小余長を守って水平板に沿って、光ファイバを収納することができる。しかしながら、埋め込みボックスを用いた光コンセントに用いる場合は、大きさに制限があるため、この要求を満たすことはできなかった。
【0012】
米国特許4960317号公報には、壁に埋め込みボックスを設け、光ケーブル接続プラグを光コネクタに差し込む壁用光ファイバコンセントが開示されているが、一般の電源コンセントのような構造を有するものではなく、余長光ファイバの保護についての言及されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、収容体積が比較的小さい埋め込みボックスを用いた光ケーブルコンセントにおいて、十分な余長を確保しつつ、曲げ損失を発生させないように光ファイバを収納するための収納具を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の収容トレイを提供する。
【0016】
収容トレイは、壁内に埋設される埋め込みボックスと、前記壁に設けられた穴及び前記埋め込みボックス内に配置される光コネクタと、前記光コネクタを固定する固定具を有する光ファイバ用コンセントにおいて、前記埋め込みボックス内に配置されて用いられ、前記光コネクタから延在する余長分の光ファイバを収納するものである。
【0017】
そして、収容トレイは、前記余長分の光ファイバをループ状に巻き取り、かつ前記巻き取られた光ファイバの巻き取り面が前記壁面に対して斜めに延在するように、前記余長分の光ファイバを固定、収納することを基本的構成とする。
【0018】
具体的には、円弧状に湾曲された板状体であり、その円弧軸が前記壁面に対して平行となるように配置されたサポート部と、前記サポート部の曲半径よりも小さい曲半径を有する円弧状に曲げられた板状体で構成され、前記サポート部の円弧軸と平行な円弧軸を有し前記サポート部の表面から前記光コネクタの先端部方向へ延在する光ファイバ導入部と、前記サポート部に固定され、かつ前記余長分の光ファイバを係止して巻き回すガイドとを備え、前記光コネクタから延在する光ファイバを前記サポートの表面に導き、前記余長分の光ファイバを前記ガイドに係止することにより、前記サポート部の表面に沿って曲半径を保ちつつループ状に巻き取って固定する。
【0019】
上記構成において、光ファイバ用コンセントは、光ケーブルプラグを挿入口に差込むことで光ファイバが接続できる構造のものをいい、壁面内に埋め込まれて配置される。壁には立壁のみならず床壁や天井壁も含まれる。また、パーティションやオフィス家具の壁であってもよい。光ファイバは、光ケーブル、光コード(外被を覆われている)、光ファイバ心線、光ファイバテープ心線、光マイクロモジュール、光ファイバ素線のすべてが含まれる。埋め込みボックスは、コンセントが埋設される壁内に埋め込まれるタイプのものであり、好ましくは、JIS-C8340-1999「電線管用金属製ボックス及びボックスカバー」、JIS-C8435-1999「合成樹脂製ボックス及びボックスカバー」、JIS-C8336-1991「埋込配線用の附属品」の規格に適合するものであることが好ましい。
【0020】
壁穴及び埋め込みボックス内には、光コネクタが配置される。光コネクタは光ファイバと光ケーブルプラグとの連結を行うもので、TIA/EIA-607-7で規定されたSGソケットで構成されていることが好ましい。光コネクタは、埋め込みボックス内において固定されて収納されるために、固定具により固定される。固定具は、埋め込みボックスと別部材であってもよいし、埋め込みボックスと一定的に設けられているものであってもよい。また、壁面に光コネクタを固定するものでもよいし、埋め込みボックスに光コネクタを固定するものであってもよい。
【0021】
埋め込みボックス内には、収容トレイが配置される。収容トレイは、余長分の光ファイバをループ状に巻き取り、かつ前記巻き取られた光ファイバの巻き取り面が前記壁面に対して斜めに延在するように、前記余長分の光ファイバを固定、収納する。光ファイバの巻き取り面は、光ファイバがループ状に巻き取られたとき、光ファイバ表面によって構成される弧を含む面を意味する。巻き取り面は平坦な面であってもよいし、曲面であってもよい。収容トレイの形状は、光ファイバの巻き取り面が斜めになるように光ファイバを収納するものであれば、その形状は問われない。
【0022】
光ファイバの巻き取り面を斜めに固定するために、具体的な収容トレイの形状としては、壁面に対して斜めに延在する面を含む板状のサポート部を備える。収容トレイは、埋め込みボックス内でがたつかないように、固定されることが好ましく、その固定の手段は特に問われない。例えば、光コネクタに固定されるものであってもよいし、埋め込みボックスに固定されるものであってもよい。
【0023】
光ファイバはサポート部の表面に沿って固定、収容される。光ファイバはサポート部の片面側に固定されることが好ましい。サポート部は平面であっても曲面であってもよい。また、サポート部は壁面に対して垂直及び平行にならないように斜めに配置され、その傾きはどちら方向であってもよい。
【0024】
光ファイバをサポート部の表面でループ状に固定するために、サポート部にガイドが設けられている。ガイドは、光ファイバを係止して、巻き回すものである。
【0025】
上記構成によれば、サポート部が斜めに配置されているので、埋め込みボックス内において、その対角面の大きさまでサポート部を大きくすることができる。よって、サポート部表面に沿って巻かれる光ケーブルのループの曲半径を大きくすることができ、余長分の光ケーブルを長くすることができ、かつその曲げ損失を少なくすることができる。すなわち、単位長さあたりの余長分の光ファイバケーブルを収容するのに必要な体積を小さくするとともに曲半径を大きくすることができる。したがって、例えば、JIS規格で定められた埋め込みボックスを用いた場合であっても、必要な長さの余長を取りながら、曲げ損失を小さく抑えることができる。
【0026】
本発明の収容トレイは、具体的には以下のように種々の態様で構成することができる。
【0027】
好ましくは、前記サポート部は、円弧状に湾曲された板状体であり、その円弧軸が前記壁面に対して平行となるように配置されている。
【0028】
上記構成において、サポート部は、例えば、円筒の周面のように円弧状に湾曲された形状である。そして、円弧の中心である円弧軸は壁面に対して平行に配置されている。このようにサポート部を湾曲させることによって、円弧分だけサポート部の幅を大きく取ることができ、余長分の光ファイバの巻き取りのループ径を湾曲方向に大きくすることができる。したがって、余長分の光ファイバの曲半径を大きくとることができる。
【0029】
上記構成において、好ましくは、前記サポート部は、前記円弧軸が前記埋め込みボックスの長手方向に延在するように配置される。
【0030】
上記構成において、埋め込みボックスは、高さ寸法のほうが幅寸法よりも大きい直方体であることが多い。したがって、サポート部表面に設けられる光ファイバのループは、サポート部の形状にしたがって楕円状に巻き上げられることになる。ループが楕円形状を取ると、長軸方向の円弧の曲半径が小さくなるために、その部分の曲げ損失が大きくなりやすい。そこで、サポート部の円弧軸を長手方向である高さ方向と平行に配置することにより、サポート部の幅方向の寸法を長くすることができることから、長軸と短軸との比である扁平率を小さくしてループを円に近い形状とすることができる。したがって、楕円の長軸方向の円弧の曲半径を大きくすることができ、曲げ損失を小さくすることができる。
【0031】
上記構成において、ガイドは、光ファイバを係止して、巻き返すものでありガイドの位置によってサポート部の表面に沿って固定されるループの径を決定することができる。したがって、ガイドをサポート部の各端縁中央部近傍に設けることによって、大きな径のループとすることができ、収容できる余長分の光ファイバを長くすることができ、また、曲げ損失を小さくすることができる。ガイドは、前記サポート部の表面から延在するピン状部材で構成されていてもよいし、サポート部の表面に溝や凹凸を設ける構成にしてもよい。
【0032】
好ましくは、収容トレイは、前記サポート部の表面から前記光コネクタの先端部方向へ延在し、かつ前記光コネクタから延在する光ファイバを前記サポートの表面に導く光ファイバ導入部をさらに有する。
【0033】
上記構成において、光ファイバ導入部は、光コネクタにつながる光ファイバを光コネクタの先端からサポート部表面まで固定しながら導くものであり、サポート部表面から光コネクタの先端方向へ延在する。光ファイバ導入部は、例えば、サポート部から伸びる小片状の部材であって、この小片を光コネクタの先端部方向に曲げることで構成される。光コネクタから伸びる光ファイバは、光ファイバ導入部に沿って伸び、サポート部の表面にまで案内される。
【0034】
上記構成によれば、光ファイバ導入部によって、サポート部に到達するまでの光ファイバを保護することができ、例えばサポート部の端縁にこすれて光ファイバが傷ついたりすることを防止することができる。
【0035】
前記光ファイバ導入部表面には、前記余長分の光ファイバを係止して巻き回す導入ガイド部を設けることによって、光ファイバ導入部においても余長分の光ファイバを固定するようにすることが好ましい。導入ガイド部は前記光ファイバ導入部の表面から延在するピン状部材で構成されていてもよいし、サポート部の表面に設けられた溝や凹凸で構成されていてもよい。また、前記光ファイバ導入部は、かつ前記サポート部の曲半径よりも小さい曲半径を有する円弧状に曲げられた板状体で構成され、かつ前記サポート部の円弧軸と平行な円弧軸を有することで光コネクタ先端からの光ファイバはサポート部表面にまでスムーズに案内される。
【0036】
上記構成において、前記光ファイバ用コンセントは、前記光コネクタを複数有しており、前記収容トレイは、前記複数の光コネクタそれぞれに対応する前記光ファイバ導入部を備える。
【0037】
上記構成において、光ファイバ用コンセントには、光コネクタを複数備えていてもよく、そのそれぞれに対応する光ファイバ導入部を備える。これによって、それぞれの光コネクタから伸びる光ファイバをサポート部にまで導くことができ、光ファイバの損害を抑えることができる。
【0038】
さらに、収容トレイは、前記光コネクタを前記固定具に固定するキーストンラッチと嵌合して前記収容トレイを前記光コネクタの背後に固定するためのトレイ固定部をさらに備えることができる。
【0039】
上記構成において、キーストンラッチは、光コネクタを固定具に固定するためのものである。例えば、TIA/EIA-607-7で規定されているSGソケットの場合は、ソケットの上方に鍵型のラッチが設けられており、これを取りつけ枠に嵌め込んで光コネクタを固定する。トレイ固定部は、このキーストンラッチと嵌合するようにして、収容トレイを固定する。その結果、収容トレイは、光コネクタと一体的に固定される。したがって、光ファイバ用コンセントを壁面に取り付ける場合、光コネクタと光コネクタから伸びる余長分の光ファイバとを収容する収容トレイが一体的に取り扱われるため、取りつけ作業を容易にすることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態に係る収容トレイについて、図面を参照しながら説明する。
【0041】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる収容トレイを備えた光ファイバ用コンセントの一部破断斜視図である。
【0042】
光ファイバ用コンセント1は、壁2内に埋設される直方体形状の埋め込みボックス3の内部に光コネクタ4及び本発明にかかる収容トレイ10とを備える。埋め込みボックス3は、壁内、又はパーティションなどの内部に埋め込んで電源や情報コンセント用のケーブルを内部で終端、あるいは、終端して電源スイッチなどを設けることができるものである。JIS規格(例えば、JIS-C8340-1999,JIS-C8336-1991,JIS-C8435-1999など)により形状が規定されているものであってもよい。
【0043】
光コネクタ4は、光ファイバの接続端末であり、同じ規格のプラグと接続できるようになっている。規格により形状は様々であり、STアダプタ、FCアダプタ、SCアダプタ又は、例えばLCコネクタ、MTRJジャック、Opti-Jack、MUコネクタ、LX5コネクタなどのSFF(Small Form Factor)コネクタ等が使用可能である。本実施形態では、TIA/EIA-607-7で規定されたSGソケットが用いられている。光コネクタ4は、取付枠5に固定されて壁2に対して固定される。壁2の表側には、プレート6が設けられており、光コネクタのプラグ差込口のみが露出するように取付枠5及び光コネクタ4を覆って設けられる。プレート6は、コンセント内部を覆い隠すための化粧板として用いられ、金属、プラスチック、木などで構成される。壁面に露出した光コネクタの挿入口に光ケーブルプラグを差込むことで光ファイバが接続される。なお、当該コンセント1は、光コネクタ以外に、たとえば、電源ソケットの電源プラグの差込口を備える複合コンセントであってもよい。
【0044】
収容トレイ10は、余長分の光ファイバ7を収容するものである。収容トレイは、鉄やアルミなどの金属、繊維強化プラスチック(FRP)、エンジニアリングプラスチック(PBT,PC,ABS,PP等)、ゴム、熱可塑性ポリエステルエラストマー、液晶ポリマー(LCP)、等を用いて製造できる。
【0045】
光ファイバ7は、収容トレイ7の円弧状に湾曲された凸側表面上にループ状に巻き上げて固定する。なお、本実施形態にかかる光ファイバコンセントの説明においては、壁2に対して水平方向をx方向、高さ方向をy方向、奥行き方向をz方向として説明を進める。
【0046】
図2は、図1の光ファイバ用コンセントの構成を示す図であり(a)は平面断面図、(b)は側面断面図である。また、図3は、図1の光ファイバ用コンセントの収容トレイの配置位置の説明図である。上述のように、光ファイバ用コンセント1は、壁2内に設けられた埋め込みボックス3内に光コネクタ4が収容されている。光コネクタ4は、壁2に設けられた壁穴9を通して壁面表面に光コネクタ4の挿入口を露出するように設けられる。
【0047】
収容トレイ10は、光コネクタ4に固定されており、このためのトレイ固定部15を備えている。また、収容トレイ10は、トレイ固定部15に連結し、yz平面に平行に延在する板状のトレイ取付板12と、トレイ取付板と一体的に構成されたサポート部11とを備えている。サポート部11は、図2(a)及び図3(a)に示すように、略90度に筒状に湾曲された板状部材であり、光コネクタの背面から側面に渡って湾曲して延在する。本実施形態では、組立時の作業性を考慮して、光ファイバ7は、サポート部11の凸側表面に固定する。光ファイバは、最外側の外被を備えた光ケーブル内に、テンションメンバであるアラミド繊維で保護された心線を備え、さらにその内部に光ファイバ素線が設けられる構造であることが一般的である。すなわち、光ファイバ用コンセント1の内部で、光コネクタ4からたどっていくと、光ファイバ素線、心線、光ケーブル、と被覆部材が増えていく。サポート部11にループ状に収容される光ファイバは、収容長さを考慮して、最も細い状態の光ファイバ素線であることが好ましいが、心線や光ケーブルの状態で収容されてもよい。本収容トレイを用いることによって、外被を取り除いた光ファイバ素線の状態で埋め込みボックス内に収容しても、光ファイバを外力による損傷から防止することができる。図2(b)に示すように、余長光ファイバ7の終端は、外被によって保護された光ケーブル8の状態となっており、光ファイバコンセント1の外部ヘ延在する。
【0048】
光ファイバ7を収容トレイにループ状に固定するために、サポート部11の両縁端中央部近傍にサポート部と一体的に構成されたガイド14及び、サポート部11の表面に取りつけられたピン状のガイドピン16が設けられている。ガイド14は、図2(a)及び図3(a)に示すように、断面コの字状のフック部材であり、その溝内に光ファイバを係止して、巻き回すように構成されている。ガイドピン16は、サポート部11の凸側表面に突出したピン状部材であり、光ファイバ7をループ状に巻き回す。巻き回された光ファイバの曲半径は、R6.5mm以下になると光ファイバのコアに張力が発生し、曲げ損失が顕著になるため、それ以上になることが好ましい。さらに光ファイバの耐用年数を20年以上にするため、その曲半径はR8.5mm以上がより好ましい。
【0049】
図4は、収容トレイの斜視図である。図5は、図4の収容トレイの構成を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は左側面図である。収容トレイには、その下側に光コネクタ4から伸びる光ファイバ7をサポート部11表面に導くための光ファイバ導入部13が設けられている。光ファイバ導入部13は、サポート部11と一体的に構成された小片状の部材であり、図5(a)に示すように、サポート部11と同じ方向に円弧状に湾曲されて構成される。光ファイバ導入部13の曲半径Rは、その先端が光コネクタ4の先端に位置するように、サポート部の曲半径Rよりも小さく構成されている。また、光ファイバ導入部13は、光コネクタ4の設置数と同数設けられている。サポート部11と光ファイバ導入部13との円弧の中心軸は互いに平行になるように構成されていることが好ましい。
【0050】
図2(b)に示すように、光ファイバ導入部13の表面側には、光コネクタ4から伸びる光ファイバ7がサポート部表面までガイドされて収容される。光ファイバ導入部において光ファイバ7が位置を固定できるように、その表面に導入ガイドピン17が複数設けられている。光コネクタ4から伸びる光ファイバは、それぞれの光コネクタ4に対応する光ファイバ導入部13に導かれ、導入ガイドピン17により巻き回され、サポート部11の表面に導かれる。サポート部11表面に導かれた光ファイバは、図4において右回りに収容される。すなわち、最初にガイド14aに保持され、次いでガイドピン16a,16bに導かれて両者の間に固定され、次いでガイド14bに係止され、ガイドピン16cによって導かれる。以下、余長分の光ファイバは、ガイド14a、ガイドピン16a,16b、ガイド14b、ガイドピン16cの順に連続して係止され、ループ状に保持される。余長分の光ファイバ7が巻き終わると、光ケーブル8は光ケーブル外被固定部18に固定される。
【0051】
光ケーブル外被固定部18は、サポート部11の下側に一体的に設けられ、光ケーブルの外被を埋め込みボックス3内で固定し、抜けを防止する。光ケーブル外被固定部18には、裏側まで貫通するケーブルタイ挿入穴19を備えている。ケーブルタイ挿入穴19には、例えば、インシュロック(商標)などのケーブルタイを挿入して光ケーブル8を固定する。
【0052】
前述のように、収容トレイ10のトレイ取付板12には、収容トレイを固定するためのトレイ固定部15が設けられている。図5(a)、図5(b)に示すように、トレイ固定部15は、トレイ固定部用ビス20によって固定される。トレイ固定部用ビス20は、エンジニアリングプラスチック、鉄、アルミ、ステンレス、真鍮などを用いて製造される。
【0053】
図6は、図4の収容トレイの展開図である。収容トレイのサポート部11、トレイ取付板12、光ファイバ導入部13、ガイド14は、1枚の板状態で構成されている。ただし、立体形状を明確にするために、図6においては、トレイ取付板12及びガイド14は、折り曲げ成型した状態としている。図6に示す様態から、サポート部11及び光ファイバ導入部13を円弧状に湾曲させることによって、収容トレイの本体部が成型される。光ファイバ導入部13は、その先端部13a上側が斜めに切断されており、後述のように光コネクタ4と接触しないように構成されている。
【0054】
サポート部11には、ガイドピン16を設けるためのガイドピン挿入穴が3箇所に設けられている。ガイドピン挿入穴21の位置を変えることによって、収容トレイに収容される光ファイバのループを変えることができ、光ファイバ用コンセントに用いられる埋め込みボックスや余長光ファイバの長さ及び太さなどに応じて任意に選択できる。ガイドピン挿入穴は、サポート部11の端縁部中央近傍に設けられることが好ましい。
【0055】
同様に、それぞれの光ファイバ導入部13には、導入ガイド挿入穴22がそれぞれ3箇所ずつ設けられている。導入ガイド挿入穴22は、その位置を変えることによって、導入部における余長光ファイバの曲半径を任意に決定することができる。ただし、光ファイバの曲半径がR6.5mm以下となると光ファイバのコアに張力が発生し、曲げ損失が顕著になるため、導入ガイド挿入穴は光ファイバの曲半径がそれ以上になるように設けられることが好ましい。
【0056】
図6(b)に示すように、トレイ取付板12のサポート部11と連結していない側の端部には、トレイ固定部15を固定するためのトレイ固定部用溝が設けられている。トレイ固定部用ビス20をトレイ固定部用溝23に通して締めつけることによって、前述のように、トレイ固定部15がトレイ取付板に固定される。トレイ固定部用溝23は、組立時の便宜を考慮して、片側が開いた状態で設けられることが好ましく、また、その溝を細長くすることによって、組立時に収容トレイのz軸方向の位置を調整することができる。したがって、用いられる埋め込みボックス3の厚みや壁の厚みなどに応じて、収容トレイ10の取り付け位置を調整することができる。
【0057】
図7は、図4の収容トレイのトレイ固定部の構成を示す図である。トレイ固定部は、図7に示すように、トレイ取付板12にネジ止めするための台部25と光コネクタに固定するための腕部24とで構成される。トレイ固定部15は、鉄やアルミなどの金属、FRP、エンジニアプラスチック、ゴム、熱可塑性ポリエステルエラストマー、液晶ポリマーなどが用いられ、より好ましくは安価なABSで製造されている。台部25には、トレイ固定部用ビス20を挿入するためのビス穴29が螺設されている。また、腕部24は、2本の腕26、27が伸びており、第1腕26の先端部には、脱落防止用のかえしが設けられている。トレイ固定部15は、腕部の第1腕26及び第2腕27との間にできたすきま28に光コネクタの所定部位(後述する図14のキーストンラッチの脚部42a)を挟むことで固定される。
【0058】
図8は、図4の収容トレイのガイドピン(図8(a))及び導入ガイドピン(図8(b))の構成を示す図である。ガイドピン16、17は、それぞれ、円筒状の部材であり、本体部30、32と脚部31、33とで構成されている。ガイドピン及導入ガイドピンは、鉄やアルミなどの金属、FRP、エンジニアリングプラスチック、ゴム、熱可塑製ポリエステルエラストマー、液晶ポリマーなどで製造することができる。好ましくは、安価なABS樹脂で製造される。脚部31、33は、本体部よりも細径に構成されており、収容トレイに設けられたガイドピン挿入穴21、導入ガイド挿入穴22に挿入されて、本体部を固定する。ガイドピン16、17の本体部30、32の周面には、溝や凹凸を付して光ファイバを押し込むような構造にしてもよい。サポート部11に設けられたガイドピン16a、16bは、図9に示すように、所定の間隔をおいて設けられ、その間に光ファイバ7が通るようにして、光ファイバ7を係止する。
【0059】
図10は、ガイドの別構成例を示す図である。図10(a)は、ガイドピンの本体部30aがフック状に曲げられていて、その内腔に光ファイバ7を通すことによってこれを固定する。第1実施形態のガイドピン16及び図10(a)に示すガイドピン16aは、サポート部11と別部材で構成されているが、一体的に成型されていてもよい。また、図10(b)に示すガイドは、サポート部11に直接成型された鍵状の部材30b,30cで構成されており、鍵状部材の開口の方向が反対を向くように配置されている。そして、光ファイバ7は、その開口の方向から鍵状部材30b,30cの間に挟むように固定される。このように、鍵状部材30bでは、矢印101に示される方向に光ファイバが移動したときに脱落するのに対し、鍵状部材30cでは、矢印102に示される方向に移動したときにのみ脱落する。よって全体として光ファイバの脱落を防止することができる。
【0060】
図11に図4の収容トレイの光ケーブル外被固定部の構成を示す部分拡大図を示す。上述のように、光ケーブル8は、収容トレイ11の光ケーブル外被固定部18に固定される。光ケーブル外被固定部18には、ケーブルタイ挿入穴19が設けられており、これにケーブルタイ19aを挿入して光ケーブル8を固定する。このとき、ケーブルタイ19aは、光ケーブル8の外被35を符号Aで示される余分を残して固定することにより、抜けを防止することができる。余りAは10mm程度であることが好ましい。
【0061】
また、図10(b)に示すように、光ケーブルの固定には、テンションメンバ固定ネジ36を用いることもできる。光コネクタ4から延在し、巻き回されて収容される光ファイバ7は、光ケーブルから光ファイバ以外の部分、光ケーブル外被、テンションメンバ(鋼線、ケブラー(商標)、中央抗張力体(鋼線、FRP線)等を含む。)を取り除いたものである。そして、余長光ファイバから埋め込みボックスの外へ延在されるまでに光ファイバは光ケーブル外被35に覆われた光ケーブルとなっている。その境界では外被35のみを除去することで、余分な長さのテンションメンバ34が表出するようにする。このテンションメンバ34を、テンションメンバ固定ネジ36を用いてサポート部11に固定することによって、光ファイバに直接かかる矢印103方向の張力を軽減させることができる。この場合は、図10(b)に示すように、ケーブルタイ19aによる固定を併用してもよいし、ケーブルタイによる固定を省略してもよい。また、テンションメンバ34を固定する他の方法としては、ネジによらずに、光ケーブル外被固定部18に溝を設け、その溝に挟み込むようにしてもよい。
【0062】
次に、本実施形態にかかる光ファイバ用コンセント1の組立について説明する。図12は、本実施形態にかかる光ファイバ用コンセントに用いられる光コネクタの構造を示す図である。本実施形態においては、光コネクタとしてSGソケット(3M社製 VF-45(商標))が用いられている。この光コネクタ4は、プラグ差込口41に規定で定められた形状の光ファイバプラグ40を差込むことによって、光コネクタに接続されている光ファイバとプラグに接続されている光ファイバとを接続させる。光コネクタ4は取付枠5に固定されるフルカラー枠43に固定されるキーストンラッチ42を備えている。
【0063】
図13は、図1の光ファイバ用コンセントの組立構成図である。図13に示す用に、光ファイバ用コンセントは、取付枠5、フルカラー枠43、光コネクタ4、収容トレイ10とが互いに連結して構成される。光コネクタ4には、あらかじめ光ケーブルの外被を取り除いた光ファイバを余長分引き出して、その先端に接続しておく。取付枠5は、金属やプラスチックで構成された部材であり、規格で定められたものを用いることもできる。取付枠5には、フルカラー枠43を介して3箇所にコンセントを取りつけるための取付領域48a、48b、48cが設けられている。それぞれの取り付け領域には、フルカラー枠を係合させるための凸部46、47が設けられている。
【0064】
フルカラー枠は、プラスチックで製造された部材であり、取付枠5と光コネクタ4との間に介在し、光コネクタ4を保持して取付枠5の取付領域48a、48b、48cに固定する。本実施形態では、取付枠5の取付領域のうち上の2つの領域48a,48bにのみ光コネクタ4を固定する。取付領域48cには、例えば、電源コネクタや電話コネクタなどの他のコネクタを取りつけてもよい。フルカラー枠43には、取付枠と係合するための小孔45が設けられており、この小孔45に、取付枠の凸部46、47が嵌合することにより固定される。また、フルカラー枠43には、光コネクタ4を固定するための小孔44が設けられている。
【0065】
光コネクタ4は、その上辺にフルカラー枠4と連結するためのキーストンラッチ42が設けられている。キーストンラッチ42は、鍵状に構成されており、その脚部42aによって、y軸方向に弾性的に変形できるようになっている。また、キーストンラッチ42の先端には、かえしが設けられており、これがフルカラー枠43の小孔44と嵌合することにより、両者が結合する。なお、組立時において、用いる埋め込みボックスによっては、光コネクタのブーツ4a(図12参照)を必要に応じて取り除いてもよいし、ブーツ4aの先端部を切除してもよい。
【0066】
収容トレイ10は、トレイ固定部15により光コネクタ4に固定される。トレイ固定部15はキーストンラッチの脚部42aを挟持する。組立時においては、まず、トレイ固定部15を収容トレイ10と分離した状態でキーストンラッチ42の脚部42aに取り付け、その後、トレイ取付板12のトレイ固定部用溝23にトレイ固定部用ビス20を嵌め込み、ビスを締めつけて固定する(図5、6及び13参照)。
【0067】
図14に収容トレイを取りつけた状態にある光コネクタの斜視図を示す。収容トレイは、そのトレイ取付板12に固定された2本のトレイ固定部15によって、光コネクタ4のキーストンラッチの脚部42aに固定される。前述のように収容トレイ10のサポート部11は、円弧状に湾曲しており、光コネクタの背後から側面にわたって光コネクタ4を覆うように延在する。一方、光ファイバ導入部13は、サポート部11よりも小さい曲半径で湾曲しており、それぞれ対応する光コネクタ4の先端部4aに向かって延在する。光ファイバ導入部13の上端13aは斜めに切断されており、光ファイバ4の先端部4aとぶつからないように構成されている。
【0068】
収容トレイを光コネクタに固定した後は、前述したように、光コネクタ4から伸びる余長分の光ファイバをそれぞれ対応する光ファイバ導入部13に固定し、サポート部11に導いた後、ガイド及びガイドピンに係止してループ状に巻き回す。余長分の光ファイバを巻き回した後、光ケーブルを光ケーブル外被固定部18に固定する。
【0069】
図15に図1の光ファイバ用コンセントの取りつけ構成図を示す。図13に示したようにして組み上げられた光ファイバコンセントは、壁2に取りつけられる。具体的には、壁2の裏面に埋め込みボックス3を設置するとともに、壁2に設けられた穴2aに収容トレイとコネクタを収納する。取付枠5は壁の穴2aより大きく構成されており、壁の表面に接触する。取付枠5と埋め込みボックス3をビスで壁2に固定した後プレートを取りつける。プレート6には穴6aが設けられており、光コネクタ4のプラグ差込口41を露出させる。プレート6は、2ヶ所に設けられているビス6bで取付枠に固定される。
【0070】
第1の実施形態にかかる光ファイバ用コンセントによれば、余長分の光ファイバを収容トレイ表面にループ状に固定し、その巻き取り面が斜めを向くように構成されているので、収容スペースを小さくすることができる。また、収容トレイのサポート部は円弧状に湾曲しており、その円弧面がy軸に平行に設けられているため、x軸方向に広がりを持ってループを形成することができる。
【0071】
次に図16から18を用いて、本発明の第2実施形態にかかる光ファイバ用コンセントについて説明する。
【0072】
図16は、光ファイバ用コンセントの平面断面図である。光ファイバ用コンセント70は、壁2内に埋設される直方体形状の埋め込みボックス3の内部に光コネクタ4及び本発明にかかる収容トレイ71とを備える。埋め込みボックス3は、壁内、又はパーティションなどの内部に埋め込んで電源や情報コンセント用のケーブルを内部で終端、あるいは、終端して電源スイッチなどを設けることができるものである。
【0073】
収容トレイ71は、埋め込みボックス3内ヘ引き込まれる余長分の光ファイバ7を収容する。収容トレイは、鉄やアルミなどの金属、繊維強化プラスチック(FRP)、エンジニアリングプラスチック(PBT,PC,ABS,PP等)、ゴム、熱可塑性ポリエステルエラストマー、液晶ポリマー(LCP)、等を用いて製造できる。光ファイバ7は、収容トレイ71の円弧状に湾曲された凹側表面上にループ状に巻き上げて固定する。
【0074】
図17に図16の光ファイバ用コンセントに用いられる収容トレイの構成を示す。収容トレイ71は、光コネクタ4に固定されており、このためのトレイ固定部75を備えている。また、収容トレイ71は、トレイ固定部75に連結したサポート部72とを備えている。サポート部72は、図16及び図17に示すように、略90度に筒状に湾曲された板状部材であり、光コネクタの側面から背面に渡って湾曲して延在する。本実施形態においては、光ファイバ7をサポート部72の凹側表面に固定することによって、収容トレイを埋め込みボックスの内腔いっぱいまで配置できるようにするとともに、光ファイバを収容トレイで覆うことにより保護することができる。サポート部72にループ状に収容される光ファイバは、収容長さを考慮して、最も細い状態の光ファイバ素線であることが好ましいが、心線や光ケーブルの状態で収容されてもよい。本収容トレイを用いることによって、外被を取り除いた光ファイバ素線の状態で埋め込みボックス内に収容しても、光ファイバを外力による損傷から防止することができる。余長光ファイバ7の終端は、外被によって保護された光ケーブル8の状態となっており、光ファイバコンセント70の外部ヘ延在する。
【0075】
図18は、図17の収容トレイの展開図である。収容トレイ71は、サポート部72、トレイ取付片77、光ファイバ導入部74は、1枚の板状体で構成されている。図18に示す様態から、サポート部72及び光ファイバ導入部74を円弧状に湾曲させることによって、収容トレイが成型される。
【0076】
光ファイバ7を収容トレイ71にループ状に固定するために、サポート部72及び光ファイバ導入部74には、ループ状に配置されたガイド73及び75が設けられている。ガイド73、75は、図10(a)に示したようなフック型の部材であり、その内腔に光ファイバを係止する。ガイド73、75は、サポート部71及び光ファイバ導入部74の凹側表面に突出するように設けられる。
【0077】
また、サポート部72には、光ケーブルを固定するためのケーブルタイ挿入穴78が設けられており、先の実施形態と同様に光ケーブルを固定する。
【0078】
トレイ固定部75は、図17に示すように2本の腕75a、75bが伸びており、第1腕75aの先端部には、脱落防止用のかえしが設けられている。トレイ固定部75は、腕部の第1腕75a及び第2腕75bとの間にできたすきまに光コネクタのキーストンラッチを挟むことで固定される。つまり、トレイ固定部の2本の腕は、第1実施形態のトレイ固定部15の2本の腕と同一の形態を有する。サポート部72をトレイ固定部75に固定するために、サポート部のトレイ取り付け片77をトレイ固定部75に差込んで勘合させる。
【0079】
本実施形態にかかる光ファイバ用コンセントによれば、光ファイバをサポート部の凹面側に保持することによって、光ファイバを収容トレイで覆うことができ、保護することができる。また、収容トレイを埋め込みボックスの内腔体積いっぱいまで大きくすることができ、収容長さを増やすことができることから、光ファイバの余長を長く取ることができる。
【0080】
次に図19、図20を用いて本発明の第3実施形態に係る光ファイバ用コンセントについて説明する。
【0081】
図19は、本発明の第3実施形態に係る光ファイバ用コンセントの側面断面図である。図20は、図19の光ファイバ用コンセントの平面断面図である。光ファイバ用コンセントは、壁2内に埋設される直方体形状の埋め込みボックス3の内部に光コネクタ4及び本発明にかかる収容トレイ90とを備える。埋め込みボックス3は、壁内、又はパーティションなどの内部に埋め込んで電源や情報コンセント用のケーブルを内部で終端、あるいは、終端して電源スイッチなどを設けることができるものである。
【0082】
収容トレイ90は、埋め込みボックス3内ヘ引き込まれる余長分の光ファイバ7を収容する。収容トレイは、鉄やアルミなどの金属、繊維強化プラスチック(FRP)、エンジニアリングプラスチック(PBT,PC,ABS,PP等)、ゴム、熱可塑性ポリエステルエラストマー、液晶ポリマー(LCP)、等を用いて製造できる。光ファイバ7は、収容トレイ90の円弧状に湾曲された凸側表面上にループ状に巻き上げて固定する。
【0083】
収容トレイ90は、光コネクタ4を固定するフルカラー枠43に固定されており、このためのトレイ固定部97を備えている。トレイ固定部97からは、フルカラー枠43と固定するための架橋部43cが延在しており、フルカラー枠43から伸びる固定部43bと連結することによって、収容トレイ90を固定する。また、収容トレイ90は、トレイ固定部97に連結したサポート部91を備えている。サポート部91は、図19及び図20に示すように、略90度に筒状に湾曲された板状部材であり、光コネクタの側面から背面に渡って湾曲して延在する。本実施形態においては、光ファイバ7をサポート部91の凸側表面に設けられた庇上のガイド壁の間に固定し、サポート部91表面を覆うカバー100を設けることによって、サポート部91を覆うことにより保護することができる。サポート部91にループ状に収容される光ファイバ7は、収容長さを考慮して、最も細い状態の光ファイバ素線であることが好ましいが、心線や光ケーブルの状態で収容されてもよい。本収容トレイを用いることによって、外被を取り除いた光ファイバ素線の状態で埋め込みボックス内に収容しても、光ファイバを外力による損傷から防止することができる。余長光ファイバ7の終端は、外被によって保護された光ケーブル8の状態となっており、光ファイバコンセントの外部ヘ延在する。
【0084】
収容トレイ90は、サポート部91、光ファイバ導入部92を有し、1枚の板状態で構成されている。1枚の収容トレイは、サポート部91及び光ファイバ導入部92を円弧状に湾曲させることによって、成型される。
【0085】
光ファイバ7を収容トレイ90にループ状に固定するために、サポート部91及び光ファイバ導入部92には、それぞれ、庇状のガイド壁93a〜93d及び95a〜95dが設けられている。サポート部91のガイド壁93a〜93d及び光ファイバ導入部92の95a〜95dの対向する2枚のガイド壁は、図19に示したように、それぞれ同じ高さの立壁状の部材であり、サポート部91及び光ファイバ導入部92に略垂直に設けられる。これらは、光ファイバのループに沿うように湾曲されている。光ファイバは、対向する2枚のガイド壁の間に形成される隙間に収容される。すなわち、ガイド壁93a、93bの間に設けられている隙間94a及びガイド壁93c、93dの間に設けられている隙間94bに収容される。また、光ファイバ導入部92では、ガイド壁95a、95bの間に設けられている隙間95a及びガイド壁95c、95dの間に設けられている隙間96bに収容される。
【0086】
また、サポート部91には、その側壁中央部近傍にフック状のガイド93e,93fが設けられており、後述するように光ファイバを係止する。また、サポート部91には、光ケーブルを固定するための光ケーブル外被固定部99が設けられており、これに穿設されたケーブルタイ挿入穴99aによって、先の実施形態と同様に光ケーブルを固定する。光ケーブル外被固定部99には、光ファイバがその側壁にすれて傷つかないようにするための保護壁99b、及び光ケーブルのテンションメンバをネジ止めするための固定用ネジ穴99cが設けられている(図11(b)参照)。
【0087】
トレイ固定部97は、サポート部91の凹面に設けられた凸状部材である。トレイ固定部97は、フレーム枠43に設けられた固定部43bから伸びる架橋部43cと連結することによって、収容トレイを埋め込みボックス内に固定して配置する。
【0088】
サポート部91の両端には、カバー100を固定するためのカバー取付片98a、98bが設けられている。カバー取付片98a、98bは、中央部分に通穴を有する小片であり、この通穴にカバーの両端100a、100bを通すことによって、これを固定する。
【0089】
本実施形態の収容トレイに光ファイバを収容するには、まず、トレイ固定部97と架橋部43cとを接続し、架橋部43cをフルカラー枠43に固定し、2つの光コネクタ4からの光ファイバをそれぞれ対応する光ファイバ導入部92に導く。光ファイバ導入部92では、その表面に設けられたガイド壁95a,95bの間の隙間96a及び、ガイド壁95c,95dの間の隙間96bに光ファイバを収容し、ループ状になるように、サポート部91表面に導かれる。
【0090】
サポート部91表面に導かれた2本の光ファイバは束ねられ、図19において右回りに収容される。すなわち、最初にサポート部91の側端中央部に設けられたフック状のガイド93eに係止されて巻き回された後、ガイド壁93aと93bとの間の隙間94aに保持される。次いで側端のフック状のガイド93fに係止されて巻き回された後、ガイド壁93c,93dの間の隙間94bに導かれる。以下、余長分の光ファイバは、ガイド93e、隙間94a、ガイド93f、隙間94bの順に連続して収容され、ループ状に保持される。余長分の光ファイバ7が巻き終わると、光ケーブル8は光ケーブル外被固定部99おいてケーブルタイで固定される。最後に光ケーブルのテンションメンバを固定用のネジ穴にネジ止めして固定する。
【0091】
余長分の光ファイバを巻き終えると、光ファイバのループが解けないように、サポート部91表面にカバー100を取りつける。これによって、図20に示すように、余長分の光ファイバ7はガイド壁93a〜93dとカバー100によって密閉された空間に保持されるため、光ファイバ7が収容トレイから脱落することが防止できる。
【0092】
(実施例)
本発明にかかる光ファイバ収容トレイを用いた場合の光源の損失を求めるために図21に示した装置によって、JIS C 6823及びJIS C 6826に規定される試験方法に準じて光ファイバ損失を測定した。すなわち、光源110からのレーザー光をカプラ111で2つに分け、定常モードで励振するように励振器112を通す。そして、被測定対象の有無と同条件にするために、光コネクタ4(SGソケット(3M社製 VF-45(商標)))とプラグ40を接続して、パワーメータ113により出力を測定する。図21(a)は基準値を測定するための装置構成であり、2つの光コネクタ4間には、被測定対象を設けていない。図21(b)は、比較例を測定するための装置構成であり、1.5mの余長光ファイバを半径30mm(φ60)でループ状に巻き取ったものを被測定対象とした。図21(c)は、実施例を測定するための装置構成であり、1.5mの余長光ファイバを本発明にかかる収容トレイを有するコンセント内に収容したものを被測定対象とした。
【0093】
実施例1〜3及び比較例1〜3においては、光ファイバを収容するための埋め込みボックスは、JIS規格の深さ44mm以上で、幅が約54mmを板厚約10mmの壁の中に装着したものを用いた。比較例1〜3においては、余長分の光ファイバを半径30mm(φ60)でループ状に巻き取り束ねたものを埋め込みボックスの内腔へ収容した。
【0094】
一方、実施例1〜3では、上記第1の実施形態にかかるコンセント1を被測定対象とした。収容トレイ10は、図5に示すように、サポート部11の曲半径RがR25mmになるように湾曲されており、光ファイバ導入部の曲半径RがR12.5mmになるように湾曲されている。
【0095】
上記比較例1〜3及び実施例1〜3において用いられる光ファイバをSM光ファイバ(実際の種類:モードフィールド径/グラッド径=約φ10μm/125μm)(以下、SMと省略する。)、MMファイバとして、GIφ50/125μm光ファイバ(以下、GI50と省略する。)、GIφ62.5/125μm(以下、G62.5と省略する。)として、それぞれの光ファイバについてのリンク損失を測定し、巻きつけ無し(基準値)と比較例1〜3及び実施例1〜3との差分を調べた。結果を図22及び表1に示す。
【0096】
【表1】
Figure 0003787087
【0097】
なお、比較例1〜3及び実施例1〜3のうち、どちらも各々SM、GI50、GI62.5について差がないことが判明した。T検定(σ未知)においても、リンク損失結果に有意差がないことが証明された。その結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
Figure 0003787087
【0099】
図22より、比較例1〜3及び実施例1〜3どちらもそれぞれSM,GI50,GI62.5について、損失値の差はなかった。図21に示す測定系の測定確度が±0.3dBであることから、損失変動値のばらつきとほぼ一致する。したがって、本発明の収容トレイに光ファイバを巻きつけて収容した光ファイバ用コンセントは、比較例1〜3の屈曲径R30mmの屈曲部で発生する損失とほぼ等しく、0.4dB以下に保たれることが判明した。
【0100】
また、第1実施形態の光ファイバ用コンセントで用いられた収容トレイに光ファイバを収容した場合の使用耐用年数について、以下の方法にしたがってシミュレーションし算出した。このときの光ファイバは、一般のガラス光ファイバ(外径125μm)とした。
【0101】
「Test procedures measure fiber reliability in ferrule-less interconnect」(James Laumer等, Litewave p79-82, Oct.1998)によれば、R6.5mm付近以上ならば光ファイバの曲げによる応力発生が、保証応力の0.690GPa(100kpsi)以下となり、光ファイバの機械的信頼度を損なうことがないとされる。ここで、保証応力とは、TIA/EIA-455-31C(FOTP31)の試験方法にしたがって行う出荷時スクリーニング試験において、光ファイバに保証応力の0.690GPa(100kpsi)をかけても問題がないとき、その光ファイバを機械的信頼度(mechanical reliability)が保証されるというものである。ここでの光ファイバは、外径125μmなので、保証応力0.690GPaでは、この光ファイバには8.463Nの静的張力がかかることになる。
【0102】
実施例における光ファイバ導入部の曲半径RはR12.5mmであり、この時の応力は、0.358GPa(51.87kpsi)以下となる。
【0103】
しかし、一般的に光ファイバは保証応力以下であっても張力が長時間加わると、静的疲労して破断する。これは光ファイバにかかる張力によって、マイクロクラックが時間とともに成長するために起こる現象であり、光ファイバの寿命は以下に示す式(1)で計算される。
【0104】
【数1】
Figure 0003787087
式(1)において、tsは光ファイバ寿命(sec)、tpはスクリーニング時間(sec)、nは光ファイバの固有定数、σsは静的張力(N)、σは動的張力(N)、Lは静的張力の加わる光ファイバの長さ(km)、Npは光ファイバの単位長さ1km当りの破断する回数(回/km)、mは係数、FRは破断確率、lnは自然対数を示す。
【0105】
スクリーニング試験においてスクリーニングレベルが0.690GPa(100kpsi)のとき、光ファイバの伸びが1%以下となることを条件として、耐用年数のシミュレーションを行った。本発明の耐用年数のシミュレーション結果を表3に示す。
【0106】
【表3】
Figure 0003787087
【0107】
上記表3において「R12.5mmの1/4円弧」は、曲半径R12.5mmの1/4だけ巻いた光ファイバのことを意味する。これは、曲半径R1がR12.5mmで光ファイバ導入部に固定される光ファイバに相当する。また、「R25mm、1.5m分」は、曲半径R25mmで1.5m分だけ巻いた光ファイバである。これは曲半径R2がR25mmでサポート部に巻いて固定される光ファイバに相当する。
【0108】
上記表3において、固有定数nは、光ファイバの寿命と相関がある定数で、nの値が大きいほど光ファイバの寿命を長くすることができる。一般に市販されている光ファイバはn=20が保証されているが、上記シミュレーションでは、粗悪な光ファイバである場合も想定して、n=15を用いた。
【0109】
また、定数mはワイブル分布の破断強度の分布の傾きである。mは光ファイバ表面のクラックの大きさの分布を表す。mが小さいほど高性能の光ファイバであるといわれており、通常は3以上であるが、上記シミュレーションではm=5とした。
【0110】
σは一般のガラス光ファイバ(外径125μm)の0.17%の伸びが1.47N(0.15kgf)の力に相当することから、スクリーニングレベルが1%の伸びのとき8.65N(0.882kgf)であることを求めた。そして、σSはσS=d×E×(π×d)/(d+R)で表される。ここで、dは光ファイバの外径、Rは曲半径、Eはヤング率である。本シミュレーションでは、光ファイバ外径125μmのガラス光ファイバを想定し、そのヤング率は71.9GPaとした。
【0111】
Npは、光ファイバ単位長さ1km当たりの破断する回数で、光ファイバ長さ1kmあたりの0.01回の破断があると仮定して計算した。一般の光ファイバは、5×10 5回/kmのオーダーで非常に小さいものが使われている。巻かれる光ファイバの長さが長いほどNpは高くなるので、曲半径が小さいほど光ファイバの長さを短くしたほうがマイクロクラックを起こさないことになる。
【0112】
Lは静的張力の加わる光ファイバの長さを示すものである。「R12.5mmの1/4円弧」の長さは、光ファイバ導入部に固定された光ファイバの長さに相当し、「R25mm、1.5m分」の長さはサポート部に巻いて固定される光ファイバの長さに相当する。
【0113】
FRの0.5%は、ワイブル分布で50%破断確率であり、ある想定される応力が加わっても50%の光ファイバが破断しない確率を示す。したがって、上記シミュレーションにおいては、光ファイバの曲げによって生じる静的な応力が長年にわたって、光ファイバに蓄積疲労しても50%以上光ファイバが折れないものとして行っている。
【0114】
耐用年数は光ファイバ寿命tSを年換算したものである。一般に、光ファイバの要求耐用年数は通常20年であるが、上記表3の耐用年数を見ると、本発明の実施例4による収容トレイに収容された光ファイバの寿命は20年をはるかに超えている。よって、本発明の光ファイバ収容トレイは要求耐用年数にほとんど影響を与えないと判断することができる。
【0115】
ガラス光ファイバ(GOF)の曲半径に対する静的な応力σの結果を表4、及び表5に示す。表4に示されるように、サポート部に巻いて固定される光ファイバ及び光ファイバ導入部に固定された光ファイバに相当する光ファイバが、それぞれR6.5mm以上の曲半径を保持するならば、それらの静的な応力σ(光ファイバの長さ方向に垂直な光ファイバ断面において、その単位断面積当たりの静的張力)は保証応力0.690GPa(100kpsi)未満となる。
【0116】
【表4】
Figure 0003787087
【0117】
【表5】
Figure 0003787087
【0118】
次にサポート部11に巻いて固定される光ファイバに相当する光ファイバについて式1を用いて、曲半径に対する耐用年数をシミュレーションし、その結果を表6、表7及び図23に示す。これは、光ファイバの長さを1.5mとしたときの結果であり、サポート部11に巻き回される余長光ファイバの長さが1.5mであることに相当する。これは、表3の実施例4において、「R12.5mmの1/4円弧」での耐用年数6.64×109年が「R25mm、1.5m分」での耐用年数1.99×108年よりも大きいため、破断確率はR25mm、1.5m分での耐用年数のほうが短いと考えられる。したがって、サポート部11に巻いて固定される光ファイバでの曲半径と耐用年数のみを把握すればよいことになる。
【0119】
【表6】
Figure 0003787087
【0120】
【表7】
Figure 0003787087
【0121】
表6、7及び図23に示されるように、光ファイバが曲半径8.5mm以上を保持するならば、その光ファイバは20年以上の耐用年数を有することが分かる。
【0122】
以上説明したように、本発明の収容トレイを用いることにより、小スペースに余長分の光ファイバを収容することができる。また、収容トレイに固定されていることによって、余長分の光ファイバに外部からの余計な応力をかけることもない。よって、例えば、JISで規格されている埋め込みボックスを用いた場合であっても、曲げ損失を抑えることができる。
【0123】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、サポート部材の円周軸がx軸と平行になるように湾曲させてもよい。また、収容トレイのサポート部は平板で構成されていてもよい。
【0124】
また、サポート部とトレイ取付板とを備える収容トレイにおいては、第1実施形態のようにサポート部とトレイ取付板とは必ずしも一体的に構成されていなくてもよい。トレイ取付板が別部材で構成される場合は、トレイ取付板は、鉄やアルミなどの金属、FRP、エンジニアリングプラスチック、ゴム、熱可塑製ポリエステルエラストマー、液晶ポリマーなどで製造することができる。
【0125】
また、別部材によるガイドピンにより構成されるガイドの代わりに、サポート部に凹凸や溝を設け、その溝内に光ファイバを押し込むようにして固定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる収容トレイを備えた光ファイバ用コンセントの一部破断斜視図である。
【図2】 図1の光ファイバ用コンセントの構成を示す図であり(a)は平面断面図、(b)は側面断面図である。
【図3】 図1の光ファイバ用コンセントの収容トレイの配置位置の説明図である。
【図4】 本発明の第1実施形態にかかる収容トレイの斜視図である。
【図5】 図4の収容トレイの構成を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は左側面図である。
【図6】 図4の収容トレイの展開図である。
【図7】 図4の収容トレイのトレイ固定部の構成を示す図である。
【図8】 図4の収容トレイのガイドピンの構成を示す図である。
【図9】 ガイドピンによる光ファイバの固定についての説明図である。
【図10】 ガイドの他の構成例を示す図である。
【図11】 図4の収容トレイの光ケーブル外被固定部の構成を示す部分拡大図である。
【図12】 図1の光ファイバ用コンセントに用いられる光コネクタの構成を示す図である。
【図13】 図1の光ファイバ用コンセントの組立構成図である。
【図14】 図4の収容トレイを取りつけた状態にある図12の光コネクタの一部破断斜視図である。
【図15】 図1の光ファイバ用コンセントの取りつけ構成図である。
【図16】 本発明の第2の実施形態にかかる収容トレイを用いた光ファイバ用コンセントの構成を示す平面断面図である。
【図17】 本発明の第2実施形態にかかる収容トレイの構成を示す平面図である。
【図18】 図17の収容トレイの展開図である。
【図19】 本発明の第3実施形態に係る収容トレイを用いた光ファイバ用コンセントの側面断面図である。
【図20】 図19の光ファイバ用コンセントの平面断面図である。
【図21】 リンク損失差分測定に用いる装置の構成を示す図である。
【図22】 リンク損失差分測定結果を示すグラフである。
【図23】光ファイバの曲半径と光ファイバの耐用年数との関係を示すグラフである。
【図24】 従来の埋め込みボックスの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ用コンセント
2 壁
3 埋め込みボックス
4 光コネクタ
5 取付枠
6 プレート
7 余長光ファイバ
8 光ケーブル
9 壁穴
10、71、90 収容トレイ
11、72、91 サポート部
12 トレイ取付板
13、74、92 光ファイバ導入部
14、73 ガイド
15、75 トレイ固定部
16 ガイドピン
17 導入ガイドピン
18、99 光ケーブル外被固定部
19、99a ケーブルタイ挿入穴
20 トレイ固定部用ビス
21 ガイドピン挿入穴
22 導入ガイド挿入穴
23 トレイ固定部用溝
24 腕部
25 台部
26、75a 第1腕
27、75b 第2腕
28 すきま
29 ビス穴
30、32 本体部
31、33 挿入脚
34 テンションメンバ
35 ケーブル外皮
36 テンションメンバ固定ネジ
40 光プラグ
41 プラグ差込口
42 キーストンラッチ
43 フルカラー枠

Claims (4)

  1. 壁面内に埋設される埋め込みボックスと、前記壁に設けられた穴及び前記埋め込みボックス内に配置される光コネクタと、前記光コネクタを固定する固定具を有する光ファイバ用コンセントにおいて、前記埋め込みボックス内に配置されて用いられ、前記光コネクタから延在する余長分の光ファイバを収納する収容トレイであって、
    円弧状に湾曲された板状体であり、その円弧軸が前記壁面に対して平行となるように配置されたサポート部と、
    前記サポート部の曲半径よりも小さい曲半径を有する円弧状に曲げられた板状体で構成され、前記サポート部の円弧軸と平行な円弧軸を有し前記サポート部の表面から前記光コネクタの先端部方向へ延在する光ファイバ導入部と、
    前記サポート部に固定され、かつ前記余長分の光ファイバを係止して巻き回すガイドとを備え、
    前記光コネクタから延在する光ファイバを前記サポートの表面に導き、前記余長分の光ファイバを前記ガイドに係止することにより、前記サポート部の表面に沿って曲半径を保ちつつループ状に巻き取って固定することを特徴とする収容トレイ。
  2. 前記サポート部は、前記円弧軸が前記埋め込みボックスの長手方向に延在するように配置されることを特徴とする請求項1記載の収容トレイ。
  3. 前記光ファイバ導入部表面に、前記余長分の光ファイバを係止して巻き回す導入ガイド部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の収容トレイ。
  4. 前記光ファイバ用コンセントは、前記光コネクタを複数有しており、前記収容トレイは、前記複数の光コネクタそれぞれに対応する前記光ファイバ導入部を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の収容トレイ。
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