JP3786959B2 - 自由ピストン機械用の一方向弁付き中心合わせシステム - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、スターリングエンジン又はヒートポンプのような自由ピストン機械の出力ピストンの、希望平均作動位置における中心合わせ用の装置に関する。1態様においては、本発明は、スターリングエンジンの後方空間から作動空間へのような、ピストンの一方の端部の空間からピストンの他方の端部の空間にガスを周期的に通気させるが、逆方向におけるガスの故意の通気を防ぐ中心合わせ用ポートシステムに関する。
背景技術
自由ピストン式スターリング機械は、通常、直線的に往復するパワーピストンと直線的に往復するディスプレーサーとを備える。ピストンはハウジング内部を2個のガス空間に分割する。一方の空間はピストンのディスプレーサー側でピストンにより区切られ作動空間であり、他方の空間はピストンの他方の側により区切られた後方空間又はバウンス空間である。作動空間内のガスに熱が供給され、ピストンとディスプレーサーとが共同作用して内部のガスを周期的に圧縮膨張させ、供給された熱の一部分を仕事に変換する。作動空間内のガスはバネとして作用しエンジンの出力行程中のピストンの運動を限定し、かつピストン及びディスプレーサーの往復運動を、位相が異なった場合でも整合された相互関係にあるように保持する。熱は、要求のように作り出された仕事と供給された熱量との差に等しい量だけ、熱力学の第1及び第2法則により作業空間内のガスから取り出される。供給された熱の一部をあるサイクルから次のサイクルに再生するために再生装置が使用される。エンジン内の作動ガスは、これを空気、水素、ヘリウム、その他の気体、蒸気又は液体、あるいは同等物質とすることができる。
自由ピストン式スターリングエンジンにおいては、出力ピストンは、エンジンで作られる機械仕事を電気エネルギーに変換する発電機巻線内でピストンにより往復させられる磁石と組み合わせることができる。この運転方式の原理的な長所は、エンジンが他の装置との外部的な機械式リンク装置を必要とせず、従ってエンジン全体を密封できることである。これによりエンジンの信頼性と寿命の増すことは勿論である。
本発明はスターリングエンジンを引用するが、ヒートポンプ及び冷凍機のようなその他の自由ピストンスターリングエンジン、並びに自由ピストン圧縮機のようなその他の自由ピストン機械に等しく適用できる。かかるスターリング用途においては、熱と仕事エネルギーの相互作用の方向は逆である。用語スターリングエンジンは、スターリングエンジン、ヒートポンプ、及び冷凍機を呼ぶことが意図される。
作動空間を後方空間から実質的に遮断するために、出力ピストンとハウジングの内壁との間にシール用手段が設けられる。このシール用手段は、これをリング形式又は単なる高精度の嵌合とすることができる。いずれの場合も、ハウジング内でピストンが自由に往復できなけらばならないため、熱膨張のような影響を考慮してピストンとハウジングとの間には小さな環状の隙間が存在することは避け難い。このため、作動ガスは高圧側から低圧側に流れる方向で間の環状の隙間を通って作動空間と後方空間との間を流れることができる。作動ガスは、作動空間内の圧力が後方空間内の圧力より高くなった場合は作動空間から後方空間に漏洩し、また圧力差が逆の場合は逆方向に漏洩するであろう。環状の隙間を通過する流量は、この隙間の両側の圧力差の二乗に比例する非線形関数、又はその他の非線形の関係である。
スターリング機械の後方空間は、一般に比較的大きな容積を有するように設計され、従って後方空間内のガス圧力は、運転中ほぼ一定に保たれる。しかし、作動空間内の圧力は、サイクル中に大きな振幅の変動を受ける。時間の関数として見たときの作動空間の圧力は、後方空間の圧力以上に急速に上昇する一連のピーク値を有する圧力波として現れる。ピークに続く長い経過時間中、作動空間圧力は、次のピークが生ずるまでは後方空間圧力より僅かに小さい。圧力波は、後方空間圧力に関して非対称的に増減する。圧力波のピークはサイクルの全体時間に関して短時間だけであるが圧力と流量の非線形な関係のため、ガスの作動空間から後方空間への(外向きの)漏洩の可能性が大きい。ピークに続く後方空間圧力が作動空間圧力より高い期間は、流れは反対方向(内向き)であろうがガス流量の非線形のためにこの期間中における、流量はピーク中よりもかなり小さいであろう。サイクルの期間を通して見れば、流量の一部は内向きであり、また流量の一部は外向きであるが、流量の非線形効果のため、通常は、作動空間から後方空間へのガスの正味の移動がある。このため、あるいは何らかの別の非線形の原因のため、漏洩は、後方空間内のガス体積を増加させ作動空間内のガス体積を減少させて、ピストンをその設計の平均位置から内側にずらす。
ピストンとハウジングとの適合の不完全はピストンを外向きにずらすであろう。しかし、精密に形成されたエンジンにおいては、圧力と流量との間の非線形な関係は、一般に内向きのずれを生ずる。いずれの方向のずれもピストン位置の制御を困難とし、かつエンジン性能を低下させる可能性がある。別の自由ピストン機械においては、作動空間における別の非対称圧力波がピストンの内向き又は外向きのずれを発生させる可能性がある。
自由ピストンスターリングエンジンのピストンの自動的な中心合わせのための最近の研究には、非対称的に漏洩したガスを後方空間から作動空間内に周期的に戻すためのガスポートシステムが含まれる。例えば、米国特許第4583364号は、中央ポート及び出力ピストンにより周期的に開かれる通路を備え、これにより外向きの非対称な漏洩を相殺するようにガスの内向きの修正流を許す方法及び装置を教示する。この特許は、更に、ピストンの戻り(外向き)行程におけるガスの外向きの流れを阻止するように、通路に沿ったポートと周期的に一致するシール面を有するディスプレーサーの使用を教示する。外向き行程中のガスの流れの阻止は、こうしなければ生ずるであろう作動空間から後方空間へのガスの移動を無くし、これにより出力を向上させる。
米国特許第4404802号は、一致するように動くスプール弁を形成しているポートにより開閉される中心合わせ用ポートシステムの使用を示す。ピストンの内向き及び外向きの行程中、作動空間と後方空間とは連通状態にされ、このため中心合わせ用ポートシステムを通る両方向のガスの流れがある。この方式においては、内向きと外向きの両方のずれが相殺される。この特許では、1方向式の中心合わせ用ポートは、これを考えていない。説明されたこの形式の中心合わせ用ポートシステムは、一般にハウジングのシリンダー部分の一部に形成され、そしてピストン内の通路及びポートを含む。更に、ピストンに連結され、ピストンの設計平均作動位置又はその付近で開く弁も備える。典型的には、この弁は中心合わせ用通路における流れを中断するように形成され、そして、ピストンがその中央位置付近にあるときに作動空間と第2の空間とを連通させるようにピストンがシリンダー又は中央ポストの1個又は複数個のポートを開閉するスプールとして機能するスプール弁装置である。
従って、概説すれば、自由ピストンスターリングサイクル機械においては、作動空間内の非対称圧力波により、作動空間からピストン後方の後方空間への方向又は逆方向の選択的な漏洩の結果としてピストンを中央に保持するという問題が生ずる。これは、幾分かの流体が一方の空間から他方に空間に移動した結果として、ピストンの平均位置のその望ましい中央位置からのずれを生ずる。この内向きのずれを防止する通常の方法は、流体の流れが2個の空間の間で得られかつ2個の空間内の平均質量が一定に止まりピストンが中央に止まり得るように、行程の中心と一致する位置に来るピストンに取り付けられ又は連結されたスプール弁相当品が、ポートを通る作動空間と後方空間との間の連絡を許すことである。これは、中央に置かれたピストンを保持するための容認できる方法であるが、ガスが中央ポートを通って出入するときにピストンの各通路を出入して流れるという事実による出力損失の不利を招く。
発明の簡単な開示
有効であることが見いだされた方法は、量の少なくなりそうな空間に向かう1方向のみの流れが生ずるように、中央ポートに逆止め弁を置くことである。これが入出流を、従って出力損失を無くす。正味の入出流を克服するには中心合わせ用の流れを要するのみであり、その中心合わせ作用には損失の最小な頑丈な非常に大きいポートを使用できる。理論上は、このポートは、その作用がシステムの非対象的な漏洩を相殺する流れを許すだけのことであるため、適宜の大きさのものを使うことができ、かつポートによる戻り通路における余分な漏洩は無くされる。加えて、作動空間に直近の面上での逆止め弁の設置が、中央ポートと組み合わせられたデッドスペースを無くし、更にまたこの不必要な容積の膨張と圧縮に伴う熱力学的損失も減らす。
本発明は、エンジン、ヒートポンプ、及び冷凍機などに使用されるスターリング機械のような自由ピストン機械のピストンの中心合わせ用の改良された1方向式中心合わせ用ポートである。本発明は、周期的に後方空間と作動空間とを連絡し、両者間にガスの補正流を発生させるための中心合わせ用ポートシステムを使用する。この流れが、非対象的な作動空間圧力の変動、及び圧力と流量との非線形な相互関係より生ずるガスの不均一な漏洩を相殺し、これによりピストンを中央に留まらせる。
本発明は中心合わせ用流路を使用し、この流路は作動空間及び後方空間のような第2の空間の間を連絡し、更にピストンに形成されたスプール弁のような弁を有し、この弁はピストンがその往復運動の両限界点の中心付近にあるときそのピストンに応答して開く。改良点は、流路内に置かれかつピストンとシリンダーとの間の環状の隙間を通る正味漏洩流と反対の方向での両空間の間の作動ガスの通過を許し更に逆方向における実質的な流れを防ぐように方向が決められた圧力応答式の1方向弁である。
ディスプレーサーの位置及び構造に依存しない1方向作用は、出力損失を減らすことにより動力出力を大幅に改善する。中心合わせ用システムを通る不必要な流れが阻止されない場合に発生するであろうような、外向き行程中の作動空間から後方空間へのガスの不必要な移動を防止することにより出力損失が減らされる。この1方向弁は大きな中心合わせ用ポート及び流路の使用も許す。これは、小さな流れ抵抗及びより迅速な応答を提供し、一方ではより信頼できかつより正確な中心合わせ作用をもたらす。
本発明の基本的な目的は、自由ピストンスターリング機械の出力ピストン又はその他の自由ピストン機械のピストンの中心合わせのための信頼できかつ安価な1方向式の中心合わせ用システムを提供することである。ピストン中心合わせは迅速な応答を有しより信頼をもってより密な許容差限度間に維持されるので、エンジンの総合信頼性が改良される。また外部制御器を使用する場合は、これによりピストン位置の制御を簡単化できる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一方向式中心合わせ用ポートシステムの設けられた自由ピストンスターリングエンジンの線図的な断面図である。
図2はこの一方向式中心合わせ用ポートシステムの逆止め弁を示している線図的な断面図である。
図3はピストン位置の関数としての作動空間内及び後方空間内の圧力変動のグラフである。
図4は時間の関数としての作動空間内圧力のグラフである。
図5はフローポート及び出力ピストンの流路の部分を含んだ自由ピストンスターリングエンジンの線図的な断面図である。
図6は本発明の好ましい実施例の線図的な断面図である。
図7は図1の実施例と同様であるが、作動空間から第2の空間への作動ガスの通過を許すように向けられた1方向弁を有する自由ピストンスターリングエンジンの線図的な断面図である。
図面に示された本発明の好ましい実施例の説明においては、明瞭のために特定の用語が使用されるであろう。しかし、本発明を選定されたこれら特定の用語に限定することは意図せず、かつ特定の用語の各は、同様な目的を達成するための同様な方法で作動する総ての技術的同等品を含むことを理解すべきである。例えば、語「連結」又は同様な用語がしばしば使用される。これらはその直接連結には限定されず、同業者により同等であると認められるその他の部材による連結を含む。
詳細説明
図1を参照すれば、自由ピストンスターリングエンジン10は、ハウジング11、往復運動している出力ピストン12、及び往復運動しているディスプレーサー13を備える。ピストン12は作動空間14の境界となり、ハウジング11の内部と組み合ってピストンのディスプレーサー側に作動空間14を定める。ピストンの反対側は、同様に後方空間16の境界となる。作動空間と後方空間とは同じ作動ガスを収容する。このガスは、空気、水素、ヘリウム又はその他の流体とすることができる。エンジンを駆動するためには熱を作動空間の高温端部17に供給し、低温端部18から取り去る。ディスプレーサーの往復運動と組み合わせられた熱の流れが、作動空間内のガスを交互に膨張圧縮し、これによりピストン12及びディスプレーサー13がハウジング11内で往復し、公知の熱力学の原理に従って機械的な仕事を作る。同様に本技術においてよく知らせているように、スターリングエンジン10には再生器19が設けられ、これがエンジン内においてサイクルから次のサイクルに熱を再生する。出力ピストン12の作動空間14の方への運動は内向き運動と呼ばれ、一方、後方空間16に戻るピストン運動は外向き運動と呼ばれる。従来技術の好ましい方式においては、ピストン12は磁石(図示せず)に機械的に結合され、この磁石は交流発電機内で往復運動し、ピストンで作られた往復運動を多くの用途のための電気エネリギーに変換する。
ディスプレーサー13の内部には、ディスプレーサーロッド25に形成された導管24により後方空間16と連通された内部室23が形成される。しかし、後方空間と連通している内部室の使用は必須ではない。ディスプレーサーロッド25はピストンの中央の穴26によりピストン12を滑って通過する。運転中、後方空間16内のガスはピストン12の外側面27上及びディスプレーサー13の内側面28上に圧力を加え、これによりガスはバネとして作用しピストンとディスプレーサーの往復運動を整合した関係に保つ。このため、後方空間16は、しばしばバウンス空間と呼ばれる。
出力ピストン12及びディスプレーサー13には、それぞれ、希望の往復周波数でピストンと共振する機械式のバネ33及び34を設けることができる。図1及び2を参照すれば、ピストンの内側面35において測定されたピストン12の最小内側位置がXMINで示され、最大外側位置がXMAXで示される。ピストンの設計平均位置はXCで示される。
往復ピストン12の外壁36は、ハウジング11の内壁137で定められたシリンダー内に精密に適合するような寸法にされる。摺動往復を許す精密な嵌合は、それらの間に環状の隙間38を必要とする。図示されないが、ピストン12には潤滑のために隙間38に加圧ガスの薄い層が設けられることが好ましい。寸法は機械の大きさにより異なるが、定格5kWのエンジンについては、隙間38の隙間幅は20から30ミクロンの間であることが好ましい。同様に、ディスプレーサー13には、ハウジング内のディスプレーサーの運動の潤滑のためのガス軸受手段、並びにディスプレーサーロッド25とピストンの穴26との間のガス軸受手段が設けられる。当業者のよく知るように、他の代置可能な潤滑手段が可能である。
図3は、作動空間圧力及び後方空間圧力の変動をエンジンサイクル中のピストン位置の関数としてグラフで示す。後方空間は、典型的には作動空間よりかなり大きい容積を有するように設計されるので、後方空間圧力はサイクルを通してほぼ一定値を保つ。しかし、作動空間圧力はサイクルを通して大きな変動を受け、点P4においてピーク圧力が生ずる。点P5及びP6は、サイクル中における作動空間圧力と後方空間圧力とが等しい点を表す。図1を参照し説明されたように、希望の平均ピストン作動点はXCで示され、また往復運動の設計限界点はXMIN及びXMAXで示される。
図4は作動空間内及び後方空間内の圧力を時間の関数として示し、この図において、作動空間圧力は周期Tでありかつピーク状波形を有することが見られる。この圧力波は、更に、ピークP4を有する副区間TP、及び作動空間圧力が後方空間圧力より僅かに低い副区間TBを有し、区間TPはTBよりも持続時間が短い。作動ガスは、高圧から低圧の方に流れるという公知の原理に従って、区間TP中は、作動空間から環状の隙間38を通って後方空間に(外向きに)流れ、一方、区間TB中は逆に(内向きに)流れるであろう。環状の隙間38を通る流れは、流量が隙間両側の圧力差の二乗に比例する非線形である。このため、区間TP中は、外向きの流れに対して、区間TB中に逆方向の流れに作用するよりも強力な駆動力を作る非線形二次効果がある。区間TPは区間TBより持続時間が短く、またエンジンサイクルを通して見ると両方向にガスが流れるが、この非線形効果のため、ガスの外向きの正味の非対称漏洩が生ずる。漏洩の非対称性から生ずる正味の漏洩流が後方空間内のガス量を増加させ、同時にピストンを内向きにずらす。内向きのずれは図3のサイクルグラフに破線で示される。中心合わせ用システムがピストン12の平均位置を自動的かつより正確にXCに維持でき、これによりピストン位置の精密な制御を与えると同時に出力損失を減らす1方向弁を提供することが本発明の主目的である。
図1及び2を参照すれば、ハウジング11のシリンダーに、作動空間14に開口している中心合わせ用ポート41、及び後方空間16内に開口している中心合わせ用ポート42が設けられる。中心合わせ用ポート41及び42は、ハウジングに形成された流路43により互いに連絡される。(図2に寸法Aで示される)ポート41と42の中心線間の距離は、(図2の寸法Bで示される)ピストン12の高さより僅かに大きいことが必要ではないが好ましい。ポート41及び42は、ピストンがその行程に沿って動く際に、ピストン12が両ポートの間にある時間中、両ポートが覆われない(開いている)ように十分に離れた間隔を空けなければならない。これは、図3に見られるように、サイクル内でピストン12が平均位置XCに置かれた2点P1及びP2において生ずるであろう。点P1はピストン行程の内向きに動いている部分に相当し、点P2はピストン行程の外向きに動いている部分に相当する。特定方向における中心合わせ用ポートの流れを制御するために使用する手段が何もない通常の中心合わせ用ポートでは、流体は、ポート41及び42がピストンにより覆われないときに、作動空間14と後方空間16との間に存在する圧力差の関数として(ポート41及び42を経て)この両空間の間を流れるであろう。
図3を参照すれば、P1においては、後方空間圧力が作動空間圧力より僅かに高く、従って流体は後方空間16からポート42に流れ込み、更に通路43、ポート41を通って作動空間14内に流入しようとするであろう。これは、例えば、後方空間圧力と作動空間圧力とが等しい点P6の前0.1mmの距離において発生する。ピストン12は位置P1において非常に早く内向きに動いているので、ポート41及び42は、ピストンがポート間にあってガスがポートを通って僅かに動ける間の短時間しか開かれないであろう。このガスの僅かな流れが、説明されたガスの環状隙間38を通る外向きの非対称な漏洩を相殺し、このため各空間内のガスの体積は各サイクルの開始時と終了時とで同じであり、これによりピストンは中央に留まる。ピストン12が点P1から内向き行程を継続すると、ピストン面46(図2参照)がポート41を覆い、更にハウジング内のピストンの精密な適合により、面46がスプール弁式にポート41の実質的な封鎖を確立し、中心合わせ用ポートを通る流れは遮断される。ピストンの高さBはXCとXMINとの間の距離より大きいため、ポート41は、これがピストン面46により閉じられると、XMINにおいて終了する内向き行程、並びに次の外向き行程においてピストン12が再びポート41と42との間で中央にくるまでの初期部分の継続時間中、閉じられたままとなる。
図3を参照すれば、点P1においては、作動空間と後方空間との間の圧力差が小さく、従ってP1においてポートの開口により生ずる動力損失は小さい。更に、後方空間から作動空間へのガスの流れを駆動するには、小さな圧力差が存在しなければならないため、点P1はエンジンのための安定したピストン作動点である。P1における作動空間と後方空間との間の小さな圧力差が、外向きの漏洩とちょうど釣り合った正確な量の流れの駆動力を与える。
中心合わせ用ポート41及び42は、ピストンの外向き行程中に、点P2において1サイクル中の2回目の開口が行われる。図3及び4より、P2においては作動空間内の圧力は後方空間の圧力よりかなり高く、通常の中心合わせ用システムのポート41及び42の開口は作動空間から後方空間に大量の流体を流すであろうということが分かる。この流れは、作動空間から後方空間への作動流体の移動に基づくエネルギーの損失(絞り損失と呼ばれる)を生じ、その結果は出力損失となるであろう。ピストン12はP2から外向きに動き続け、これにより面46がポート42を覆ってこのポートを通るガスのいかなる流れも遮断する。ポート42はXMAXにおいて終了する外向き行程の継続時間中は閉じられたままである。ピストンの中心合わせのため、ポート41及び42を通る通路はピストンに内向き行程中は開かれることが望ましいが、出力の損失を小さくするため、これらポートを通る通路は外向き行程中は閉じられることが望ましい。
以前は、この望ましくない絞り損失を軽減するために、外向き行程中のガスの流れを制限するように小直径の中心合わせ用ポートが使用されていた。これは、言うまでもなく、内向き行程中のガスの望ましい中心合わせ用の流れも制限し、中心合わせ用ポートシステムの有効性を低下させる。ピストンを通過する正味の漏洩を補償しかつ総ての原因による両空間の間の正味の流れを迅速に安定平衡状態にするより大きなガス流量を提供するためには、内向き行程中のガスの大量かつ急速な移動がより望ましい。本発明により、通路及びポートは、中心合わせ用に通常使用されてきたものよりも3倍から4倍大きい直径とすることができ、これにより従来技術のシステムにおいて「ふらつき」として現れる不安定性を大きく減らし又は無くす。絞り損失を防ぐために外向き行程中の流れを防止することもまた望ましく、更に、正味の漏洩として中心合わせ用システムを通る同じ方向の流れは、ピストンとシリンダーとの間の漏洩に加わる追加の漏洩を表すので内向き行程中に中心合わせ用システムにより、これを補償しなければならない。
ピストンの強力な中心合わせ作用、並びにピストンの外向き行程中のガスの流れを無くすためのポートを通る1方向流を提供するために、中心合わせ用ポート42に連結された通路に1方向式逆止め弁組立体50が設けられる。従来技術は逆止め弁又は流体ダイオードとしばしば呼ばれる1方向弁をよく知っている。当業者の知るように、1方向弁は圧力感応弁であり、流体の一方の方向の流れには大きな抵抗、理想的には無限の抵抗を有し、反対方向の流体の流れには小さい抵抗、理想的には抵抗ゼロである。本発明は、現存の、又は将来知られるようになる適宜の種類の1方向弁を使うことができる。しかし、説明のために以下の弁が説明される。
逆止め弁50は取付け用部材51を備え、これに柔軟な閉鎖用部材52と制限用部材53とが固定される。弁50は、これをボルト55によりハウジング11に固定することができる。ボルト55は制限用部材53、柔軟部材52及び取付け用部材51を通過し、これら3個の構成要素を一緒に弁組立体の一方の端部で把持するように作用する。弁50の着脱のために、ハウジング11を実質的に2個の半分体11a及び11bで形成し、これらをボルト59の使用により連結することができる。分離している半分体11aと11bとは弁への接近路を提供する。関連技術の通常の技術者に明らかであろうように、弁50への接近路を提供するその他の方法が可能である。
取付け用部材51及び制限用部材53は、好ましくは、高品質鋼のような金属で構成された強固な部材である。柔軟部材52はリード形の部材であり、弁の端部56において両部材51と53との間に把持される。しかし、柔軟部材52の末端57は撓むことができ、取付け用部材51と制限用部材53との間の手前側の空間内で自由に変形する。部材53は変形の振幅を限定するように作用し、このため柔軟部材52はその弾性変形状態内に留まり、柔軟部材が過剰変形及び/又は塑性変形により損傷を受けることは確実にないであろう。柔軟部材52は、好ましくは厚さが50から150ミクロンの間である柔軟材料の平らな片より構成される。
作動空間14と後方空間16との間の圧力差が柔軟部材52の位置を決めることにより、弁50が開かれるか又は閉じられるかが決まる。再び図3を参照すれば、P1においては、後方空間の圧力が作動空間の圧力より高いことが見られる。この例では、後方空間16内のガスにより柔軟部材52に加えられる力は、(ポート41及び通路43を経て作用している)作動空間内のガスにより柔軟部材に加えられる力よりも大きい。従って、柔軟部材52上の力は後方空間から作動空間に向かう方向である。この正味の力が柔軟部材をこの方向に曲げて開口58を作り、このとき後方空間16内のガスはポート42内に流れ込み、開口58を通り、流路43に入り、ポート41を通過し、そして作動空間14内に流入する。P2におけるように、作動空間内の圧力が後方空間内の圧力より高い場合は、作動ガスによる柔軟部材52上の正味の力が作動空間から後方空間に向かって作動し、柔軟部材を取付け用部材51の座面61上に座らせ、これにより開口58を閉じる(図2に破線で示された閉鎖位置)。閉鎖位置においては、柔軟部材52と面61との間に流体シールが確立され、1方向弁50が無ければ発生するであろう作動空間から後方空間へのガスの流れは無い。作動空間14と後方空間16との間の圧力差が大きくなると、柔軟部材52は座面61上により強く押し付けられ、これによりシール作用を強化する。説明されたように、この1方向性の作用は、弁50が閉鎖位置にある間の外向き行程中の作動空間からの望ましくない外向きの流れを避けることにより出力をかなり増進させる。
以上より、ガスがこの中心合わせ用装置を通って後方空間と作動空間との間を流れることに適合すべき二つの条件があることが分かる。第1は、ピストン12をポート41と42との間の中央に配置してポートを塞がない(開く)ことである。この条件が満たされない場合は、ピストン面46は、これが内側にあるか外側にあるかにより、前述のようにポート41又は42のどちらかを覆いこれを閉鎖するであろう。第2の条件は、流路開口58を開くように柔軟部材52をシール面61から離すために、後方空間圧力が作動空間圧力よりも大きくなければならないことである。もし第2の条件が満たされないならば(即ち、作動空間内圧力が後方空間内圧力より高い場合は)、弁50の柔軟部材52は座面61に押し付けられ、流路開口58を閉鎖するであろう。従って、点P1においては両条件が満たされ、1方向弁50は後方空間16から作動空間14へのガスの補正流を許し、これが説明されたような環状隙間38を通る非対称漏洩を補償することによりピストン12を中心合わせするように作用する。しかし、点P2においては、第1の条件は満たすが第2の条件は満たさず、従って作動空間から後方空間へのガスの流れは無く、このため上述されたような付随する出力の損失は無い。
この1方向式中心合わせ用ポートシステムは、ピストンがXCの中心位置から内側又は外側にずれたときの自動中心合わせ作用を提供する。ピストンが外向きにずれたときは、ピストンとシリンダーとの間の非対称的な外向き漏洩がピストンを中央位置に戻すように作用するであろう。図3に破線で示されるようにピストンが内側にずれたときは、安定した弁開口点P1がP2に動き、空間14と16との間の圧力差が大きくなる。増加した圧力差は、弁50が開かれたときに増加した内向き補正流を作り、これによりピストン12を安定中央点P1に向かって外向きに動かすであろう。
柔軟部材52は非常に柔らかな部材であるが、その運動は取付け用部材51と制限用部材53との間に限定される。制限用部材53は、弁が完全に開かれたとき、柔軟部材52の運動をその弾性変形範囲内に限定するように位置決めされる。柔軟な部材52は、弁が完全に閉じられた場合(即ち、作動空間内圧力が後方空間内圧力よりも高い場合)、これがポート42を通って吹き出されないような十分な強度を持つ。更に、柔軟部材52は、閉鎖位置においては原理的に剪断負荷が加えられ、一方、開口位置においては曲げ負荷が加えられる。
本発明の1方向弁の使用は、比較的大きな流量のポート41と42及び流路43を使用でき、これらが後方空間から作動空間へのガスの迅速かつ比較的拘束されない移動を与えることにより極めて強固な中心合わせ性能を提供することが重要である。大きな流路とポートとを設けることにより、中心合わせ用システムを通るように流体を強制するための仕事は、より少なくしか要求されず従ってより少ない仕事が失われるだけである。本発明では、実質的にピストン直径の3%に等しいか又はこれ以上の最小直径を有するポート及び流路を使用できる。この大きさのポート及び流路は非常に大きくて通常の中心合わせ用システムでは受け入れ難い損失のあるものと考えられていた。流路及びポートの断面は必ずしも円形である必要は無く、ポートを含んだ流路の最小断面積はピストンの断面積の少なくも0.09%とすることができる。
図5は本発明の別の好ましい実施例を示し、これにおいては、後方空間116の中心合わせ用ポート142は流路163を経てポート162と連通している。ピストン112にポート164が設けられ、このポートは内部流路166及びポート165を経て作動空間114と連通する。ピストンポート164はピストンの中央位置XC又はその付近においてポート162と一致し、これにより後方空間116と作動空間114との間の流体導管を確立する。一致した点において、作動空間114内のガス圧力は実質的に通路166と163とを経て(ポート164と163とを通って)伝達され弁150上に作用する。ピストンの内向き行程中は、空間16内の圧力は空間14内の圧力より高く、これにより図1及び2に関して説明されたように、柔軟部材153が変形し流路開口158を形成する。ガスの内向きの補正量は、空間116からポート142、通路163、ポート162、ポート164、及び通路166を通り、ポート165を経て空間114内に排出される。ピストンの外向き行程中は、ピストンポート164は再びポート162と一致するが、空間114内の高圧が柔軟部材153を座面161上に押し付け、これにより外向きの流れ及びこれに伴う出力損失を阻止するであろう。ピストンが内側又は外側に置かれると、ピストンのシール面167がポート162を塞ぎ、空間114と116との間には流れが無いであろう。好ましい変更例として、図6に示される弁234と同じ方法でポート65に1方向弁を置くことができる。
図1及び5の上述実施例から、ピストンがその往復の中心付近にあるときに好ましい方向におけるガスの補正流を許すために両空間の流路内に配置された1方向弁を備えるという本発明の新規な概念から離れることなく作動空間と後方空間とを周期的に連結する多くの流路構成が可能であることが分かる。自由ピストンエンジンのための好ましい方向は通常は内向きであり、ピストンの内向き行程中に実行されるであろう。
図7はガスの補正流の方向が外向きである別の実施例を示す。図1の1方向弁50と構造的に同様な1方向弁350が、作動空間314から後方空間又は第2の空間316への作動ガスの通過を許すように向けられる。
図6は図5に示されたものと同様なスターリングエンジンを示すが、本発明の別の実施例を備えている。ピストン218の第1の端部216内に形成されかつピストン218を完全に通って伸びている穴214に、中空管210がその近い方の端部212において取り付けられる。この管は、ピストン218から更に第2の空間220内に伸び、そして管の末端222において弁本体226の穴224と滑り組合をする。弁本体と管とは、一緒に、管内のポート228と弁本体内のポート230とを有するスプール弁を形成する。これらポートは、管がピストンの往復の両限界の中心の付近にあるときに一致する。ピストンの穴、管の中空流路、及び滑り弁のポートは一緒に流路を形成し、更にピストンがその中心位置の付近にあるときにスプール弁を開くことにより、ピストンの中心合わせ用の弁は、第2の空間220と作動空間232との間の流体の通過を許す。
1方向弁は、ピストンを通る穴214に隣接してピストン218の第1の端部216に取り付けられた柔軟なシール用部材234により形成される。
1方向弁を中心合わせ用システム流路の作動空間側の端部に位置決めすることは特に有利である。これにより、そうでない場合には流体の交互の圧縮・膨張の際に本来生ずる中心合わせ用ポートシステムの流路におけるヒステリシス損失が避けられる。例えば、図6の実施例は流路の全くの端部に柔軟なシール用部材234を持つ。
ここに明らかにされる本発明の概念から離れることなく適用可能なその他の1方向弁があり、本発明をここに説明された特定の実施例により限定する意図はない。本発明は自由ピストンスターリングエンジンに適用するとして説明されたが、ヒートポンプ及び冷凍機として使用されるその他のスターリング機械に、また通常の技術者により理解されるであろうその他の自由ピストン機械に等しく適用できる。この自由ピストンスターリング機械は同じハウジング構造11内で往復するピストン及びディスプレーサーを有する機械として以上説明されたが、この対象物についての多くの論文及びテキストにより証言されたようにその他の多くの代置可能でありかつ同等の構成があることがよく知られている(ジー・ウォーカー、スターリングエンジン、オクスフォード大学プレス、1980を参照)。例えば、ピストン及びディスプレーサーを、連通している2個の実質的に異なったシリンダー内に収容し得ることが本技術においてよく知られている。本発明はこれらよく知られた代置可能でかつ同等の構造のいずれも対象とする。
本発明のある好ましい実施例が詳細に説明されたが、本発明の精神又は以下の請求項の範囲から離れることなく種々の変更を採用し得ることを理解すべきである。
本発明は、スターリングエンジン又はヒートポンプのような自由ピストン機械の出力ピストンの、希望平均作動位置における中心合わせ用の装置に関する。1態様においては、本発明は、スターリングエンジンの後方空間から作動空間へのような、ピストンの一方の端部の空間からピストンの他方の端部の空間にガスを周期的に通気させるが、逆方向におけるガスの故意の通気を防ぐ中心合わせ用ポートシステムに関する。
背景技術
自由ピストン式スターリング機械は、通常、直線的に往復するパワーピストンと直線的に往復するディスプレーサーとを備える。ピストンはハウジング内部を2個のガス空間に分割する。一方の空間はピストンのディスプレーサー側でピストンにより区切られ作動空間であり、他方の空間はピストンの他方の側により区切られた後方空間又はバウンス空間である。作動空間内のガスに熱が供給され、ピストンとディスプレーサーとが共同作用して内部のガスを周期的に圧縮膨張させ、供給された熱の一部分を仕事に変換する。作動空間内のガスはバネとして作用しエンジンの出力行程中のピストンの運動を限定し、かつピストン及びディスプレーサーの往復運動を、位相が異なった場合でも整合された相互関係にあるように保持する。熱は、要求のように作り出された仕事と供給された熱量との差に等しい量だけ、熱力学の第1及び第2法則により作業空間内のガスから取り出される。供給された熱の一部をあるサイクルから次のサイクルに再生するために再生装置が使用される。エンジン内の作動ガスは、これを空気、水素、ヘリウム、その他の気体、蒸気又は液体、あるいは同等物質とすることができる。
自由ピストン式スターリングエンジンにおいては、出力ピストンは、エンジンで作られる機械仕事を電気エネルギーに変換する発電機巻線内でピストンにより往復させられる磁石と組み合わせることができる。この運転方式の原理的な長所は、エンジンが他の装置との外部的な機械式リンク装置を必要とせず、従ってエンジン全体を密封できることである。これによりエンジンの信頼性と寿命の増すことは勿論である。
本発明はスターリングエンジンを引用するが、ヒートポンプ及び冷凍機のようなその他の自由ピストンスターリングエンジン、並びに自由ピストン圧縮機のようなその他の自由ピストン機械に等しく適用できる。かかるスターリング用途においては、熱と仕事エネルギーの相互作用の方向は逆である。用語スターリングエンジンは、スターリングエンジン、ヒートポンプ、及び冷凍機を呼ぶことが意図される。
作動空間を後方空間から実質的に遮断するために、出力ピストンとハウジングの内壁との間にシール用手段が設けられる。このシール用手段は、これをリング形式又は単なる高精度の嵌合とすることができる。いずれの場合も、ハウジング内でピストンが自由に往復できなけらばならないため、熱膨張のような影響を考慮してピストンとハウジングとの間には小さな環状の隙間が存在することは避け難い。このため、作動ガスは高圧側から低圧側に流れる方向で間の環状の隙間を通って作動空間と後方空間との間を流れることができる。作動ガスは、作動空間内の圧力が後方空間内の圧力より高くなった場合は作動空間から後方空間に漏洩し、また圧力差が逆の場合は逆方向に漏洩するであろう。環状の隙間を通過する流量は、この隙間の両側の圧力差の二乗に比例する非線形関数、又はその他の非線形の関係である。
スターリング機械の後方空間は、一般に比較的大きな容積を有するように設計され、従って後方空間内のガス圧力は、運転中ほぼ一定に保たれる。しかし、作動空間内の圧力は、サイクル中に大きな振幅の変動を受ける。時間の関数として見たときの作動空間の圧力は、後方空間の圧力以上に急速に上昇する一連のピーク値を有する圧力波として現れる。ピークに続く長い経過時間中、作動空間圧力は、次のピークが生ずるまでは後方空間圧力より僅かに小さい。圧力波は、後方空間圧力に関して非対称的に増減する。圧力波のピークはサイクルの全体時間に関して短時間だけであるが圧力と流量の非線形な関係のため、ガスの作動空間から後方空間への(外向きの)漏洩の可能性が大きい。ピークに続く後方空間圧力が作動空間圧力より高い期間は、流れは反対方向(内向き)であろうがガス流量の非線形のためにこの期間中における、流量はピーク中よりもかなり小さいであろう。サイクルの期間を通して見れば、流量の一部は内向きであり、また流量の一部は外向きであるが、流量の非線形効果のため、通常は、作動空間から後方空間へのガスの正味の移動がある。このため、あるいは何らかの別の非線形の原因のため、漏洩は、後方空間内のガス体積を増加させ作動空間内のガス体積を減少させて、ピストンをその設計の平均位置から内側にずらす。
ピストンとハウジングとの適合の不完全はピストンを外向きにずらすであろう。しかし、精密に形成されたエンジンにおいては、圧力と流量との間の非線形な関係は、一般に内向きのずれを生ずる。いずれの方向のずれもピストン位置の制御を困難とし、かつエンジン性能を低下させる可能性がある。別の自由ピストン機械においては、作動空間における別の非対称圧力波がピストンの内向き又は外向きのずれを発生させる可能性がある。
自由ピストンスターリングエンジンのピストンの自動的な中心合わせのための最近の研究には、非対称的に漏洩したガスを後方空間から作動空間内に周期的に戻すためのガスポートシステムが含まれる。例えば、米国特許第4583364号は、中央ポート及び出力ピストンにより周期的に開かれる通路を備え、これにより外向きの非対称な漏洩を相殺するようにガスの内向きの修正流を許す方法及び装置を教示する。この特許は、更に、ピストンの戻り(外向き)行程におけるガスの外向きの流れを阻止するように、通路に沿ったポートと周期的に一致するシール面を有するディスプレーサーの使用を教示する。外向き行程中のガスの流れの阻止は、こうしなければ生ずるであろう作動空間から後方空間へのガスの移動を無くし、これにより出力を向上させる。
米国特許第4404802号は、一致するように動くスプール弁を形成しているポートにより開閉される中心合わせ用ポートシステムの使用を示す。ピストンの内向き及び外向きの行程中、作動空間と後方空間とは連通状態にされ、このため中心合わせ用ポートシステムを通る両方向のガスの流れがある。この方式においては、内向きと外向きの両方のずれが相殺される。この特許では、1方向式の中心合わせ用ポートは、これを考えていない。説明されたこの形式の中心合わせ用ポートシステムは、一般にハウジングのシリンダー部分の一部に形成され、そしてピストン内の通路及びポートを含む。更に、ピストンに連結され、ピストンの設計平均作動位置又はその付近で開く弁も備える。典型的には、この弁は中心合わせ用通路における流れを中断するように形成され、そして、ピストンがその中央位置付近にあるときに作動空間と第2の空間とを連通させるようにピストンがシリンダー又は中央ポストの1個又は複数個のポートを開閉するスプールとして機能するスプール弁装置である。
従って、概説すれば、自由ピストンスターリングサイクル機械においては、作動空間内の非対称圧力波により、作動空間からピストン後方の後方空間への方向又は逆方向の選択的な漏洩の結果としてピストンを中央に保持するという問題が生ずる。これは、幾分かの流体が一方の空間から他方に空間に移動した結果として、ピストンの平均位置のその望ましい中央位置からのずれを生ずる。この内向きのずれを防止する通常の方法は、流体の流れが2個の空間の間で得られかつ2個の空間内の平均質量が一定に止まりピストンが中央に止まり得るように、行程の中心と一致する位置に来るピストンに取り付けられ又は連結されたスプール弁相当品が、ポートを通る作動空間と後方空間との間の連絡を許すことである。これは、中央に置かれたピストンを保持するための容認できる方法であるが、ガスが中央ポートを通って出入するときにピストンの各通路を出入して流れるという事実による出力損失の不利を招く。
発明の簡単な開示
有効であることが見いだされた方法は、量の少なくなりそうな空間に向かう1方向のみの流れが生ずるように、中央ポートに逆止め弁を置くことである。これが入出流を、従って出力損失を無くす。正味の入出流を克服するには中心合わせ用の流れを要するのみであり、その中心合わせ作用には損失の最小な頑丈な非常に大きいポートを使用できる。理論上は、このポートは、その作用がシステムの非対象的な漏洩を相殺する流れを許すだけのことであるため、適宜の大きさのものを使うことができ、かつポートによる戻り通路における余分な漏洩は無くされる。加えて、作動空間に直近の面上での逆止め弁の設置が、中央ポートと組み合わせられたデッドスペースを無くし、更にまたこの不必要な容積の膨張と圧縮に伴う熱力学的損失も減らす。
本発明は、エンジン、ヒートポンプ、及び冷凍機などに使用されるスターリング機械のような自由ピストン機械のピストンの中心合わせ用の改良された1方向式中心合わせ用ポートである。本発明は、周期的に後方空間と作動空間とを連絡し、両者間にガスの補正流を発生させるための中心合わせ用ポートシステムを使用する。この流れが、非対象的な作動空間圧力の変動、及び圧力と流量との非線形な相互関係より生ずるガスの不均一な漏洩を相殺し、これによりピストンを中央に留まらせる。
本発明は中心合わせ用流路を使用し、この流路は作動空間及び後方空間のような第2の空間の間を連絡し、更にピストンに形成されたスプール弁のような弁を有し、この弁はピストンがその往復運動の両限界点の中心付近にあるときそのピストンに応答して開く。改良点は、流路内に置かれかつピストンとシリンダーとの間の環状の隙間を通る正味漏洩流と反対の方向での両空間の間の作動ガスの通過を許し更に逆方向における実質的な流れを防ぐように方向が決められた圧力応答式の1方向弁である。
ディスプレーサーの位置及び構造に依存しない1方向作用は、出力損失を減らすことにより動力出力を大幅に改善する。中心合わせ用システムを通る不必要な流れが阻止されない場合に発生するであろうような、外向き行程中の作動空間から後方空間へのガスの不必要な移動を防止することにより出力損失が減らされる。この1方向弁は大きな中心合わせ用ポート及び流路の使用も許す。これは、小さな流れ抵抗及びより迅速な応答を提供し、一方ではより信頼できかつより正確な中心合わせ作用をもたらす。
本発明の基本的な目的は、自由ピストンスターリング機械の出力ピストン又はその他の自由ピストン機械のピストンの中心合わせのための信頼できかつ安価な1方向式の中心合わせ用システムを提供することである。ピストン中心合わせは迅速な応答を有しより信頼をもってより密な許容差限度間に維持されるので、エンジンの総合信頼性が改良される。また外部制御器を使用する場合は、これによりピストン位置の制御を簡単化できる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の一方向式中心合わせ用ポートシステムの設けられた自由ピストンスターリングエンジンの線図的な断面図である。
図2はこの一方向式中心合わせ用ポートシステムの逆止め弁を示している線図的な断面図である。
図3はピストン位置の関数としての作動空間内及び後方空間内の圧力変動のグラフである。
図4は時間の関数としての作動空間内圧力のグラフである。
図5はフローポート及び出力ピストンの流路の部分を含んだ自由ピストンスターリングエンジンの線図的な断面図である。
図6は本発明の好ましい実施例の線図的な断面図である。
図7は図1の実施例と同様であるが、作動空間から第2の空間への作動ガスの通過を許すように向けられた1方向弁を有する自由ピストンスターリングエンジンの線図的な断面図である。
図面に示された本発明の好ましい実施例の説明においては、明瞭のために特定の用語が使用されるであろう。しかし、本発明を選定されたこれら特定の用語に限定することは意図せず、かつ特定の用語の各は、同様な目的を達成するための同様な方法で作動する総ての技術的同等品を含むことを理解すべきである。例えば、語「連結」又は同様な用語がしばしば使用される。これらはその直接連結には限定されず、同業者により同等であると認められるその他の部材による連結を含む。
詳細説明
図1を参照すれば、自由ピストンスターリングエンジン10は、ハウジング11、往復運動している出力ピストン12、及び往復運動しているディスプレーサー13を備える。ピストン12は作動空間14の境界となり、ハウジング11の内部と組み合ってピストンのディスプレーサー側に作動空間14を定める。ピストンの反対側は、同様に後方空間16の境界となる。作動空間と後方空間とは同じ作動ガスを収容する。このガスは、空気、水素、ヘリウム又はその他の流体とすることができる。エンジンを駆動するためには熱を作動空間の高温端部17に供給し、低温端部18から取り去る。ディスプレーサーの往復運動と組み合わせられた熱の流れが、作動空間内のガスを交互に膨張圧縮し、これによりピストン12及びディスプレーサー13がハウジング11内で往復し、公知の熱力学の原理に従って機械的な仕事を作る。同様に本技術においてよく知らせているように、スターリングエンジン10には再生器19が設けられ、これがエンジン内においてサイクルから次のサイクルに熱を再生する。出力ピストン12の作動空間14の方への運動は内向き運動と呼ばれ、一方、後方空間16に戻るピストン運動は外向き運動と呼ばれる。従来技術の好ましい方式においては、ピストン12は磁石(図示せず)に機械的に結合され、この磁石は交流発電機内で往復運動し、ピストンで作られた往復運動を多くの用途のための電気エネリギーに変換する。
ディスプレーサー13の内部には、ディスプレーサーロッド25に形成された導管24により後方空間16と連通された内部室23が形成される。しかし、後方空間と連通している内部室の使用は必須ではない。ディスプレーサーロッド25はピストンの中央の穴26によりピストン12を滑って通過する。運転中、後方空間16内のガスはピストン12の外側面27上及びディスプレーサー13の内側面28上に圧力を加え、これによりガスはバネとして作用しピストンとディスプレーサーの往復運動を整合した関係に保つ。このため、後方空間16は、しばしばバウンス空間と呼ばれる。
出力ピストン12及びディスプレーサー13には、それぞれ、希望の往復周波数でピストンと共振する機械式のバネ33及び34を設けることができる。図1及び2を参照すれば、ピストンの内側面35において測定されたピストン12の最小内側位置がXMINで示され、最大外側位置がXMAXで示される。ピストンの設計平均位置はXCで示される。
往復ピストン12の外壁36は、ハウジング11の内壁137で定められたシリンダー内に精密に適合するような寸法にされる。摺動往復を許す精密な嵌合は、それらの間に環状の隙間38を必要とする。図示されないが、ピストン12には潤滑のために隙間38に加圧ガスの薄い層が設けられることが好ましい。寸法は機械の大きさにより異なるが、定格5kWのエンジンについては、隙間38の隙間幅は20から30ミクロンの間であることが好ましい。同様に、ディスプレーサー13には、ハウジング内のディスプレーサーの運動の潤滑のためのガス軸受手段、並びにディスプレーサーロッド25とピストンの穴26との間のガス軸受手段が設けられる。当業者のよく知るように、他の代置可能な潤滑手段が可能である。
図3は、作動空間圧力及び後方空間圧力の変動をエンジンサイクル中のピストン位置の関数としてグラフで示す。後方空間は、典型的には作動空間よりかなり大きい容積を有するように設計されるので、後方空間圧力はサイクルを通してほぼ一定値を保つ。しかし、作動空間圧力はサイクルを通して大きな変動を受け、点P4においてピーク圧力が生ずる。点P5及びP6は、サイクル中における作動空間圧力と後方空間圧力とが等しい点を表す。図1を参照し説明されたように、希望の平均ピストン作動点はXCで示され、また往復運動の設計限界点はXMIN及びXMAXで示される。
図4は作動空間内及び後方空間内の圧力を時間の関数として示し、この図において、作動空間圧力は周期Tでありかつピーク状波形を有することが見られる。この圧力波は、更に、ピークP4を有する副区間TP、及び作動空間圧力が後方空間圧力より僅かに低い副区間TBを有し、区間TPはTBよりも持続時間が短い。作動ガスは、高圧から低圧の方に流れるという公知の原理に従って、区間TP中は、作動空間から環状の隙間38を通って後方空間に(外向きに)流れ、一方、区間TB中は逆に(内向きに)流れるであろう。環状の隙間38を通る流れは、流量が隙間両側の圧力差の二乗に比例する非線形である。このため、区間TP中は、外向きの流れに対して、区間TB中に逆方向の流れに作用するよりも強力な駆動力を作る非線形二次効果がある。区間TPは区間TBより持続時間が短く、またエンジンサイクルを通して見ると両方向にガスが流れるが、この非線形効果のため、ガスの外向きの正味の非対称漏洩が生ずる。漏洩の非対称性から生ずる正味の漏洩流が後方空間内のガス量を増加させ、同時にピストンを内向きにずらす。内向きのずれは図3のサイクルグラフに破線で示される。中心合わせ用システムがピストン12の平均位置を自動的かつより正確にXCに維持でき、これによりピストン位置の精密な制御を与えると同時に出力損失を減らす1方向弁を提供することが本発明の主目的である。
図1及び2を参照すれば、ハウジング11のシリンダーに、作動空間14に開口している中心合わせ用ポート41、及び後方空間16内に開口している中心合わせ用ポート42が設けられる。中心合わせ用ポート41及び42は、ハウジングに形成された流路43により互いに連絡される。(図2に寸法Aで示される)ポート41と42の中心線間の距離は、(図2の寸法Bで示される)ピストン12の高さより僅かに大きいことが必要ではないが好ましい。ポート41及び42は、ピストンがその行程に沿って動く際に、ピストン12が両ポートの間にある時間中、両ポートが覆われない(開いている)ように十分に離れた間隔を空けなければならない。これは、図3に見られるように、サイクル内でピストン12が平均位置XCに置かれた2点P1及びP2において生ずるであろう。点P1はピストン行程の内向きに動いている部分に相当し、点P2はピストン行程の外向きに動いている部分に相当する。特定方向における中心合わせ用ポートの流れを制御するために使用する手段が何もない通常の中心合わせ用ポートでは、流体は、ポート41及び42がピストンにより覆われないときに、作動空間14と後方空間16との間に存在する圧力差の関数として(ポート41及び42を経て)この両空間の間を流れるであろう。
図3を参照すれば、P1においては、後方空間圧力が作動空間圧力より僅かに高く、従って流体は後方空間16からポート42に流れ込み、更に通路43、ポート41を通って作動空間14内に流入しようとするであろう。これは、例えば、後方空間圧力と作動空間圧力とが等しい点P6の前0.1mmの距離において発生する。ピストン12は位置P1において非常に早く内向きに動いているので、ポート41及び42は、ピストンがポート間にあってガスがポートを通って僅かに動ける間の短時間しか開かれないであろう。このガスの僅かな流れが、説明されたガスの環状隙間38を通る外向きの非対称な漏洩を相殺し、このため各空間内のガスの体積は各サイクルの開始時と終了時とで同じであり、これによりピストンは中央に留まる。ピストン12が点P1から内向き行程を継続すると、ピストン面46(図2参照)がポート41を覆い、更にハウジング内のピストンの精密な適合により、面46がスプール弁式にポート41の実質的な封鎖を確立し、中心合わせ用ポートを通る流れは遮断される。ピストンの高さBはXCとXMINとの間の距離より大きいため、ポート41は、これがピストン面46により閉じられると、XMINにおいて終了する内向き行程、並びに次の外向き行程においてピストン12が再びポート41と42との間で中央にくるまでの初期部分の継続時間中、閉じられたままとなる。
図3を参照すれば、点P1においては、作動空間と後方空間との間の圧力差が小さく、従ってP1においてポートの開口により生ずる動力損失は小さい。更に、後方空間から作動空間へのガスの流れを駆動するには、小さな圧力差が存在しなければならないため、点P1はエンジンのための安定したピストン作動点である。P1における作動空間と後方空間との間の小さな圧力差が、外向きの漏洩とちょうど釣り合った正確な量の流れの駆動力を与える。
中心合わせ用ポート41及び42は、ピストンの外向き行程中に、点P2において1サイクル中の2回目の開口が行われる。図3及び4より、P2においては作動空間内の圧力は後方空間の圧力よりかなり高く、通常の中心合わせ用システムのポート41及び42の開口は作動空間から後方空間に大量の流体を流すであろうということが分かる。この流れは、作動空間から後方空間への作動流体の移動に基づくエネルギーの損失(絞り損失と呼ばれる)を生じ、その結果は出力損失となるであろう。ピストン12はP2から外向きに動き続け、これにより面46がポート42を覆ってこのポートを通るガスのいかなる流れも遮断する。ポート42はXMAXにおいて終了する外向き行程の継続時間中は閉じられたままである。ピストンの中心合わせのため、ポート41及び42を通る通路はピストンに内向き行程中は開かれることが望ましいが、出力の損失を小さくするため、これらポートを通る通路は外向き行程中は閉じられることが望ましい。
以前は、この望ましくない絞り損失を軽減するために、外向き行程中のガスの流れを制限するように小直径の中心合わせ用ポートが使用されていた。これは、言うまでもなく、内向き行程中のガスの望ましい中心合わせ用の流れも制限し、中心合わせ用ポートシステムの有効性を低下させる。ピストンを通過する正味の漏洩を補償しかつ総ての原因による両空間の間の正味の流れを迅速に安定平衡状態にするより大きなガス流量を提供するためには、内向き行程中のガスの大量かつ急速な移動がより望ましい。本発明により、通路及びポートは、中心合わせ用に通常使用されてきたものよりも3倍から4倍大きい直径とすることができ、これにより従来技術のシステムにおいて「ふらつき」として現れる不安定性を大きく減らし又は無くす。絞り損失を防ぐために外向き行程中の流れを防止することもまた望ましく、更に、正味の漏洩として中心合わせ用システムを通る同じ方向の流れは、ピストンとシリンダーとの間の漏洩に加わる追加の漏洩を表すので内向き行程中に中心合わせ用システムにより、これを補償しなければならない。
ピストンの強力な中心合わせ作用、並びにピストンの外向き行程中のガスの流れを無くすためのポートを通る1方向流を提供するために、中心合わせ用ポート42に連結された通路に1方向式逆止め弁組立体50が設けられる。従来技術は逆止め弁又は流体ダイオードとしばしば呼ばれる1方向弁をよく知っている。当業者の知るように、1方向弁は圧力感応弁であり、流体の一方の方向の流れには大きな抵抗、理想的には無限の抵抗を有し、反対方向の流体の流れには小さい抵抗、理想的には抵抗ゼロである。本発明は、現存の、又は将来知られるようになる適宜の種類の1方向弁を使うことができる。しかし、説明のために以下の弁が説明される。
逆止め弁50は取付け用部材51を備え、これに柔軟な閉鎖用部材52と制限用部材53とが固定される。弁50は、これをボルト55によりハウジング11に固定することができる。ボルト55は制限用部材53、柔軟部材52及び取付け用部材51を通過し、これら3個の構成要素を一緒に弁組立体の一方の端部で把持するように作用する。弁50の着脱のために、ハウジング11を実質的に2個の半分体11a及び11bで形成し、これらをボルト59の使用により連結することができる。分離している半分体11aと11bとは弁への接近路を提供する。関連技術の通常の技術者に明らかであろうように、弁50への接近路を提供するその他の方法が可能である。
取付け用部材51及び制限用部材53は、好ましくは、高品質鋼のような金属で構成された強固な部材である。柔軟部材52はリード形の部材であり、弁の端部56において両部材51と53との間に把持される。しかし、柔軟部材52の末端57は撓むことができ、取付け用部材51と制限用部材53との間の手前側の空間内で自由に変形する。部材53は変形の振幅を限定するように作用し、このため柔軟部材52はその弾性変形状態内に留まり、柔軟部材が過剰変形及び/又は塑性変形により損傷を受けることは確実にないであろう。柔軟部材52は、好ましくは厚さが50から150ミクロンの間である柔軟材料の平らな片より構成される。
作動空間14と後方空間16との間の圧力差が柔軟部材52の位置を決めることにより、弁50が開かれるか又は閉じられるかが決まる。再び図3を参照すれば、P1においては、後方空間の圧力が作動空間の圧力より高いことが見られる。この例では、後方空間16内のガスにより柔軟部材52に加えられる力は、(ポート41及び通路43を経て作用している)作動空間内のガスにより柔軟部材に加えられる力よりも大きい。従って、柔軟部材52上の力は後方空間から作動空間に向かう方向である。この正味の力が柔軟部材をこの方向に曲げて開口58を作り、このとき後方空間16内のガスはポート42内に流れ込み、開口58を通り、流路43に入り、ポート41を通過し、そして作動空間14内に流入する。P2におけるように、作動空間内の圧力が後方空間内の圧力より高い場合は、作動ガスによる柔軟部材52上の正味の力が作動空間から後方空間に向かって作動し、柔軟部材を取付け用部材51の座面61上に座らせ、これにより開口58を閉じる(図2に破線で示された閉鎖位置)。閉鎖位置においては、柔軟部材52と面61との間に流体シールが確立され、1方向弁50が無ければ発生するであろう作動空間から後方空間へのガスの流れは無い。作動空間14と後方空間16との間の圧力差が大きくなると、柔軟部材52は座面61上により強く押し付けられ、これによりシール作用を強化する。説明されたように、この1方向性の作用は、弁50が閉鎖位置にある間の外向き行程中の作動空間からの望ましくない外向きの流れを避けることにより出力をかなり増進させる。
以上より、ガスがこの中心合わせ用装置を通って後方空間と作動空間との間を流れることに適合すべき二つの条件があることが分かる。第1は、ピストン12をポート41と42との間の中央に配置してポートを塞がない(開く)ことである。この条件が満たされない場合は、ピストン面46は、これが内側にあるか外側にあるかにより、前述のようにポート41又は42のどちらかを覆いこれを閉鎖するであろう。第2の条件は、流路開口58を開くように柔軟部材52をシール面61から離すために、後方空間圧力が作動空間圧力よりも大きくなければならないことである。もし第2の条件が満たされないならば(即ち、作動空間内圧力が後方空間内圧力より高い場合は)、弁50の柔軟部材52は座面61に押し付けられ、流路開口58を閉鎖するであろう。従って、点P1においては両条件が満たされ、1方向弁50は後方空間16から作動空間14へのガスの補正流を許し、これが説明されたような環状隙間38を通る非対称漏洩を補償することによりピストン12を中心合わせするように作用する。しかし、点P2においては、第1の条件は満たすが第2の条件は満たさず、従って作動空間から後方空間へのガスの流れは無く、このため上述されたような付随する出力の損失は無い。
この1方向式中心合わせ用ポートシステムは、ピストンがXCの中心位置から内側又は外側にずれたときの自動中心合わせ作用を提供する。ピストンが外向きにずれたときは、ピストンとシリンダーとの間の非対称的な外向き漏洩がピストンを中央位置に戻すように作用するであろう。図3に破線で示されるようにピストンが内側にずれたときは、安定した弁開口点P1がP2に動き、空間14と16との間の圧力差が大きくなる。増加した圧力差は、弁50が開かれたときに増加した内向き補正流を作り、これによりピストン12を安定中央点P1に向かって外向きに動かすであろう。
柔軟部材52は非常に柔らかな部材であるが、その運動は取付け用部材51と制限用部材53との間に限定される。制限用部材53は、弁が完全に開かれたとき、柔軟部材52の運動をその弾性変形範囲内に限定するように位置決めされる。柔軟な部材52は、弁が完全に閉じられた場合(即ち、作動空間内圧力が後方空間内圧力よりも高い場合)、これがポート42を通って吹き出されないような十分な強度を持つ。更に、柔軟部材52は、閉鎖位置においては原理的に剪断負荷が加えられ、一方、開口位置においては曲げ負荷が加えられる。
本発明の1方向弁の使用は、比較的大きな流量のポート41と42及び流路43を使用でき、これらが後方空間から作動空間へのガスの迅速かつ比較的拘束されない移動を与えることにより極めて強固な中心合わせ性能を提供することが重要である。大きな流路とポートとを設けることにより、中心合わせ用システムを通るように流体を強制するための仕事は、より少なくしか要求されず従ってより少ない仕事が失われるだけである。本発明では、実質的にピストン直径の3%に等しいか又はこれ以上の最小直径を有するポート及び流路を使用できる。この大きさのポート及び流路は非常に大きくて通常の中心合わせ用システムでは受け入れ難い損失のあるものと考えられていた。流路及びポートの断面は必ずしも円形である必要は無く、ポートを含んだ流路の最小断面積はピストンの断面積の少なくも0.09%とすることができる。
図5は本発明の別の好ましい実施例を示し、これにおいては、後方空間116の中心合わせ用ポート142は流路163を経てポート162と連通している。ピストン112にポート164が設けられ、このポートは内部流路166及びポート165を経て作動空間114と連通する。ピストンポート164はピストンの中央位置XC又はその付近においてポート162と一致し、これにより後方空間116と作動空間114との間の流体導管を確立する。一致した点において、作動空間114内のガス圧力は実質的に通路166と163とを経て(ポート164と163とを通って)伝達され弁150上に作用する。ピストンの内向き行程中は、空間16内の圧力は空間14内の圧力より高く、これにより図1及び2に関して説明されたように、柔軟部材153が変形し流路開口158を形成する。ガスの内向きの補正量は、空間116からポート142、通路163、ポート162、ポート164、及び通路166を通り、ポート165を経て空間114内に排出される。ピストンの外向き行程中は、ピストンポート164は再びポート162と一致するが、空間114内の高圧が柔軟部材153を座面161上に押し付け、これにより外向きの流れ及びこれに伴う出力損失を阻止するであろう。ピストンが内側又は外側に置かれると、ピストンのシール面167がポート162を塞ぎ、空間114と116との間には流れが無いであろう。好ましい変更例として、図6に示される弁234と同じ方法でポート65に1方向弁を置くことができる。
図1及び5の上述実施例から、ピストンがその往復の中心付近にあるときに好ましい方向におけるガスの補正流を許すために両空間の流路内に配置された1方向弁を備えるという本発明の新規な概念から離れることなく作動空間と後方空間とを周期的に連結する多くの流路構成が可能であることが分かる。自由ピストンエンジンのための好ましい方向は通常は内向きであり、ピストンの内向き行程中に実行されるであろう。
図7はガスの補正流の方向が外向きである別の実施例を示す。図1の1方向弁50と構造的に同様な1方向弁350が、作動空間314から後方空間又は第2の空間316への作動ガスの通過を許すように向けられる。
図6は図5に示されたものと同様なスターリングエンジンを示すが、本発明の別の実施例を備えている。ピストン218の第1の端部216内に形成されかつピストン218を完全に通って伸びている穴214に、中空管210がその近い方の端部212において取り付けられる。この管は、ピストン218から更に第2の空間220内に伸び、そして管の末端222において弁本体226の穴224と滑り組合をする。弁本体と管とは、一緒に、管内のポート228と弁本体内のポート230とを有するスプール弁を形成する。これらポートは、管がピストンの往復の両限界の中心の付近にあるときに一致する。ピストンの穴、管の中空流路、及び滑り弁のポートは一緒に流路を形成し、更にピストンがその中心位置の付近にあるときにスプール弁を開くことにより、ピストンの中心合わせ用の弁は、第2の空間220と作動空間232との間の流体の通過を許す。
1方向弁は、ピストンを通る穴214に隣接してピストン218の第1の端部216に取り付けられた柔軟なシール用部材234により形成される。
1方向弁を中心合わせ用システム流路の作動空間側の端部に位置決めすることは特に有利である。これにより、そうでない場合には流体の交互の圧縮・膨張の際に本来生ずる中心合わせ用ポートシステムの流路におけるヒステリシス損失が避けられる。例えば、図6の実施例は流路の全くの端部に柔軟なシール用部材234を持つ。
ここに明らかにされる本発明の概念から離れることなく適用可能なその他の1方向弁があり、本発明をここに説明された特定の実施例により限定する意図はない。本発明は自由ピストンスターリングエンジンに適用するとして説明されたが、ヒートポンプ及び冷凍機として使用されるその他のスターリング機械に、また通常の技術者により理解されるであろうその他の自由ピストン機械に等しく適用できる。この自由ピストンスターリング機械は同じハウジング構造11内で往復するピストン及びディスプレーサーを有する機械として以上説明されたが、この対象物についての多くの論文及びテキストにより証言されたようにその他の多くの代置可能でありかつ同等の構成があることがよく知られている(ジー・ウォーカー、スターリングエンジン、オクスフォード大学プレス、1980を参照)。例えば、ピストン及びディスプレーサーを、連通している2個の実質的に異なったシリンダー内に収容し得ることが本技術においてよく知られている。本発明はこれらよく知られた代置可能でかつ同等の構造のいずれも対象とする。
本発明のある好ましい実施例が詳細に説明されたが、本発明の精神又は以下の請求項の範囲から離れることなく種々の変更を採用し得ることを理解すべきである。
Claims (11)
- シリンダーを有するハウジング及びこのシリンダー内で気密に往復し得るピストンを有し、ハウジングはピストンの第1の端部により境界の決められた作動空間を囲み更にピストンの反対側の端部により境界の決められた第2の空間を囲み、両空間は作動ガスを収容し、第2の空間内の圧力は平均圧力を有し作動空間内の圧力は前記平均圧力より両方向に周期的に変動し、前記圧力変動は非対象的であってこのためピストンとシリンダーとの間の隙間を通り空間の一方から他方に至る作動ガスの正味漏洩流を生ずる、自由ピストン機械のための改良されたピストン中心合わせ用の装置であって、
(a)作動空間と第2の空間との間を連絡し、かつピストンがピストン往復運動の両限界点の中心の付近にあることに応答して開くようにピストンにリンクされたピストン位置応答弁を有する流路、及び
(b)流路に連結され、かつ前記正味漏洩流と反対方向における両空間の間の作動ガスの通過を許しそして逆方向における実質的な流れを防ぐように方向が決められる圧力応答式の1方向弁
の組合せを備えたことを特徴とする装置。 - 流路の少なくも一部分がシリンダーを通って伸び、更にピストン位置応答弁がピストンとシリンダーとにより形成されかつシリンダーに少なくも1個のポートを有するスプール弁であり、前記位置応答弁を閉じるためにこのポートがピストンにより時々覆われる請求項1のピストン中心合わせ用装置。
- 1方向弁が作動ガスの第2の空間から作動空間への通過を許すように向けられる請求項2のピストン中心合わせ用装置。
- 流路がシリンダーを通って2個のポート間を伸び、これらポートは少なくも実質的にピストンの両端間の距離だけ離される請求項3のピストン中心合わせ用装置。
- 1方向弁が作動ガスの作動空間から第2の空間への通過を許すように向けられる請求項2のピストン中心合わせ用装置。
- 流路がシリンダーを通って2個のポート間を伸び、これらポートは少なくも実質的にピストンの両端間の距離だけ離される請求項5のピストン中心合わせ用装置。
- 中空管がピストンの前記第1の端部内に形成された相手穴にその管の近い方の端部において取り付けられかつピストンから第2の空間内に伸び、更に管の末端において弁本体の相手穴と滑り組合いするように伸び、弁本体と管とは、ピストンがその往復運動の両限界点の中心の付近にあるときに一致するポートを持ったスプール弁を形成し、ピストンの穴、中空管、及び滑り弁ポートが前記流路及び前記ピストン位置応答弁を形成している請求項1のピストン中心合わせ用装置。
- 1方向弁が実質的にピストンの前記第1の端部に位置決めされる請求項7のピストン中心合わせ用装置。
- 1方向弁が、ピストンの前記穴に隣接してピストンの前記第1の端部に取り付けられた柔軟なシール用部材で形成される請求項8のピストン中心合わせ用装置。
- 前記1方向弁が実質的に前記流路の作動空間側の端部に位置決めされる請求項1のピストン中心合わせ用装置。
- 流路の最小断面積が実質的にピストンの断面積の少なくも0.09%である請求項1のピストン中心合わせ用装置。
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