JP3786940B2 - 既存木造住宅の基礎改修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既存木造住宅の基礎改修方法に関し、特に、コンクリート劣化により基礎の耐震強度が不十分であり、かつ地耐力が不足している既存木造住宅を主な対象とした基礎改修方法に関する。
建物の重量を支え、特に地震によって建物に生じた力を地盤に伝える基礎は、その建物の耐震性を決定する大きな要素の1つである。したがって、その強度が不十分であると、いくら建物を丈夫に建築・補強したとしても地震等によりその建物は変形あるいは崩壊する危険性が高くなる。
阪神淡路大震災について、当時の建設省(現国土交通省)は、倒壊などの被害にあった木造住宅の多くが現行の新耐震設計基準(1981年(昭和56年))以前に建築されたものであったと報告している。もちろん、被害の原因が基礎の強度のみにあるわけではないが、それが大きな要因の1つであることは、実際に上記基準以前に建築された木造住宅の基礎の大部分がその内部に鉄筋が配設されていない、いわゆる無筋のコンクリート基礎であることから容易に推測することができる。したがって、現在では、圧縮には強いが曲げや引っ張りといった力には弱いコンクリートの弱点をカバーするための異形鉄筋が内部に配筋された鉄筋コンクリート基礎を採用することが常識になっている。しかし、過去に建築され、上記のような無筋コンクリート基礎を有する既存木造住宅の大半はいまだに補強や改修が為されていないのが現状である。
一方、各自治体は、耐震診断や補強改修に補助や融資を実施することで耐震住宅への転換を促している。また、近年では、例えば、特許文献1および2に開示されるような木造住宅の耐震性を向上させるための様々な補強改修方法が開発されている。これらの文献には、基礎と土台もしくは柱との接合を強固にする方法や特別な筋交いなどを用いる方法が開示されており、基本的には建物または建物と基礎の関係に着目して住宅を補強改修しようとするものである。また、基礎そのものを補強する方法としては、図1に示すように古い基礎1に対してコンクリートを打ち増しする方法などがある。
特開2001−90352号公報 特開2003−13613号公報
しかしながら、上記各文献の方法は、確かに木造住宅の耐震性を高める補強改修方法として有効な手段の1つではあるが、対象となる木造住宅の基礎が十分な強度を有している場合においてその効果を最大限に発揮することができるものであり、強度が十分ではない基礎に対して上記各文献の方法のみにより補強改修を行った既存木造住宅は、その耐震性が十分なレベルに達しない恐れがある。
また、コンクリートを打ち増しする方法は、打ち増しをするスペースや打ち増し分のコンクリート重量を支えるだけの地耐力を必要とし、これらの条件が揃わない限り施工することができない。また、コンクリートの打ち増しは、基礎外周の内側に対して行うことが多く、その場合、内装の撤去・復旧に手間やコストがかかり、さらには居住者が一時的に引っ越さなければならない。一方、基礎外周の内側に施工しない場合でも、補強施行後の基礎外観が良くないといった課題がある。さらに、上記のような手間やコストに見合った耐震性が得られるかどうかについて疑問が残る。
上記を鑑みて、本発明は、強度が不十分であると思われる既存木造住宅の基礎を容易かつ経済的に強度の優れた鉄筋コンクリート基礎に改修する方法を提供することを目的とする。
また、基礎改修時の居住者の負担、施行後の基礎外観等、従来技術が有する課題を解決することを目的とする。
本発明は、既存木造住宅の基礎を対象とした優れた改修方法が未だ開発・実施されていないことに鑑み為されたものであり、下記(1)〜(5)に記載の事項をその特徴とする。
(1)既存木造住宅の基礎を第1期改修工区と第2期改修工区とに区分けする工程、前記第1期改修工区の基礎を解体撤去する工程、基礎が解体撤去された前記第1期改修工区に内部に配筋が為された第1の基礎を形成する工程、前記第2期改修工区の基礎を解体撤去する工程、基礎が解体撤去された前記第2期改修工区に内部に配筋が為された第2の基礎を形成する工程、を含むことを特徴とする、既存木造住宅の基礎改修方法。
(2)既存木造住宅の基礎を第1期改修工区と第2期改修工区とに区分けする工程、前記第1期改修工区の基礎を解体撤去する工程、基礎が解体撤去された前記第1期改修工区に対し、根切り、砕石地業、捨てコンクリート打設、墨だし、配筋組み立てを順次行う工程、前記第1期改修工区における既存の土台もしくは柱と新たな基礎とを緊結するための金物を該土台または柱の所定箇所に固定する工程、前記配筋に沿って型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設する工程、所定期間養生後に前記型枠を外して第1の基礎を形成する工程、前記第2期改修工区の基礎を解体撤去する工程、基礎が解体撤去された前記第2期改修工区に対し、根切り、砕石地業、捨てコンクリート打設、墨だし、配筋組み立てを順次行う工程、前記第2期改修工区における既存の土台もしくは柱と新たな基礎とを緊結するための金物を該土台または柱の所定箇所に固定する工程、前記配筋に沿って型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設する工程、所定期間養生後に前記型枠を外して第2の基礎を形成する工程、を含むことを特徴とする、既存木造住宅の基礎改修方法。
(3)前記第2期改修工区に対する配筋組み立て時、該配筋のヨコ配筋の端部と前記第1の基礎内部に配設されたヨコ配筋の端部とを接合する工程を含むことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の既存木造住宅の基礎改修方法。
(4)前記接合は、あらかじめ前記第1期改修工区および前記第2期改修工区に使用するヨコ配筋端部に形成されたねじ構造を利用して行うことを特徴とする、上記(3)に記載の既存木造住宅の基礎改修方法。
(5)前記第1期改修工区および前記第2期改修工区は、それぞれの単位工区の幅が750〜1500mmの範囲で交互に区分けされることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の既存木造住宅の基礎改修方法。
本発明は、既存木造住宅の基礎、特に鉄筋が内部に配設されていない基礎やその他の理由で強度が不十分である基礎をその対象とし、これを容易かつ経済的に強度の優れた鉄筋コンクリート基礎に改修する方法を提供することができる画期的な発明である。つまり、本発明によれば、基礎を区分けして順番にその改修を行うため建物全体または床壁回りをそのままの状態に保ったまま基礎の根本的な改修を行うことができ、基礎強度向上と共に工期短縮とコスト低減をも実現することができる。具体的には工期およびコストが共に従来の1/3程度で済む。したがって、居住者の負担は大幅に軽減され、さらに、施行後の基礎外観等、従来技術が有するその他の課題をも解決することができる。また、本発明の方法に加え、筋交い、耐力壁、緊結金具などを新たに追加するなど建物に対する従来公知の補強工事を併せて行うことにより、対象となる既存木造住宅の耐震性能は、現行の新耐震設計基準を満たす新築の木造住宅に勝るとも劣らないものとなる。
本発明は、既存木造住宅の基礎を第1期改修工区と第2期改修工区とに区分けする工程、前記第1期改修工区の基礎を解体撤去する工程、基礎が解体撤去された前記第1期改修工区に内部に配筋が為された第1の基礎を形成する工程、前記第2期改修工区の基礎を解体撤去する工程、基礎が解体撤去された前記第2期改修工区に内部に配筋が為された第2の基礎を形成する工程、を含むことを特徴とする既存木造住宅の基礎改修方法である。なお、本発明においては、区分けされた複数の単位工区のうち、最初に改修を行う単位工区の集まりを第1期改修工区、該第1期改修工区についで改修を行う単位工区の集まりを第2期改修工区とする。
以下、本発明の基礎改修方法を適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図2には第1期改修工区5と第2期改修工区6とに区分けした場合の基礎伏図の一例を示す。このような区分けを行うにあたっては、一方の改修工区の基礎が解体撤去された場合に他方の改修工区の基礎のみで建物の荷重を支えることができるように区分け設計を行う必要があり、基礎のある一点に過大な荷重がかかったり、撤去された基礎上にある土台が過剰に変形したりすることのないようにすることが重要である。このような観点から、第1期改修工区と第2期改修工区は、それぞれの単位工区幅が750〜1500mmの範囲で交互になるように区分けすることが好ましい。もちろん、建物の築年数、形状や重量等により単純に区分けできず上記条件の範囲に含まれないこともありうるが、その場合には適宜正確な構造計算を行った上で区分けを行うことが望ましく、必ずしも図2のように各単位工区を同幅、等間隔に区分けする必要はない。
区分けを行った後に第1期改修工区5の基礎の解体撤去を行う。第1期改修工区の基礎を解体撤去する際には、その影響により第2期改修工区の基礎強度が低下しないように、また、第2期改修工区の基礎を解体撤去する際には、その影響により第1期改修工区に新たに形成される第1の基礎の強度が低下しないように行うことが重要である。このような基礎の解体撤去方法としては、特に限定されないが、例えば、各改修工区境界を予めコンクリートカッターによりカットし、その後、コンプレッサーブレーカーにより該当改修工区の基礎を解体撤去する方法が挙げられる。
ついで、図3に示すような新たな基礎を形成すべく、解体撤去された当該改修工区に対して、根切り8、砕石地業9、捨てコンクリート10の打設、墨だし、配筋11の組み立てを順次行う。これら各工程は周知の方法により行えばよい。また、本発明による改修後の基礎形状は、施工性および経済性の観点から図3のような布基礎であること好ましいが、地盤や建物の状態等を考慮して決定すればよく特に限定されない。
また、新たな基礎となるコンクリート打設前に、第1期改修工区5における既存の土台または柱と新たな基礎とを緊結するための金物を該土台または柱の所定箇所に固定する。この工程は、基礎解体撤去後、コンクリート打設前であればいつ行ってもよく、上記の配筋組み立て工程より先でも後でもよい。なお、対象工区の土台や柱に取り付ける緊結金物の数や位置は、単位工区ごとに適宜決定すべき事項である。例えば、改修対象の単位工区幅が750〜1500mmの場合には当該工区に2〜4個使用することが好ましく、幅が著しく狭い工区においては不要となる場合もある。また、使用する緊結金物は、既存の土台または柱と新たな基礎と強固に緊結することができるものであれば特に限定されず、例えば、アンカーボルトやホールダウン金物など一般的に使用されているものでよい。なお、本発明では、すでに存在する土台や柱に対して基礎を新たに形成するので、通常の新築工事の基礎形成時のように緊結金物を基礎に突設し、後に土台や柱をこれに固定して互いを緊結するという手順とはならず、図4に示すように、先に改修対象工区における土台2にアンカーボルト12をぶらさげるように取り付け、ついでその基礎となる側に突き出ている部分を配筋とともにコンクリート打設により埋設・固定することで、土台と基礎を緊結するという手順となる。土台2にアンカーボルト12を取り付ける方法としては、土台上部から取り付けても、土台下部から取り付けても良いが、上部から取り付ける場合には、壁を一部除去する必要が生じるため、下部から取り付けることが好ましい。
次に、前記配筋11に沿って型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設して、これを所定期間養生後、該型枠を外すことで、鉄筋コンクリート造の第1の基礎を形成することができる。ここで、本発明の方法では型枠組み立て時に対象改修工区上部に既存の土台が存在するため、例えば、図5(a)に示すように、コンクリート注入用の隙間16を30〜50mm程度あけて型枠13を組み立てることが好ましい。また、図5(b)に示すように型枠にコンクリート注入口となる「あご」を取り付けた、あご付き型枠15を使用してコンクリート打設を行っても良い。さらに、新たな基礎完成後、その立ち上がり部と既存の土台とは接している必要があるが、コンクリートは固まるときに凝縮するため、基礎立ち上がり部となるコンクリートは、後の凝縮を考慮に入れて、その上面が土台下面を多少越える程度に少し多めに打設することが好ましい(図5参照)。したがって、基礎立ち上がり部を形成する型枠は、その上端部が土台下面より上側になるようなものを使用して組み立てることが好ましい。また、基礎コンクリートの打設は基礎ベース部14と立ち上がり部の2度に分けて行ってもよい(図5参照)。また、上記型枠は、第1の基礎となるコンクリートの養生後であればいつ外しても構わないが、好ましくは第2期改修工区の基礎を解体撤去した後に外す。これによれば、第2期改修工区から床下に潜り込んで上記型枠の内側を外すことができるため、室内の床を撤去する必要がなくなる。さらには、新たに形成した第1の基礎を型枠により保護しつつ、第2期改修工区の基礎の解体撤去を行うことができる。ただし、第2期改修工区においてコンクリート養生後に型枠の内側を外す際には、比較的容易に外すことのできる和室の畳下地板を外し、床下に潜り込んで行うことが望ましい。
第1の基礎が完成した後、第2期改修工区6についても上記第1期改修工区と同様に基礎の改修を行う。つまり、第2期改修工区6の基礎の解体撤去を行い、解体撤去された当該工区に対し、根切り、砕石地業、捨てコンクリートの打設、墨だし、配筋の組み立てを定法に従い順次行い、緊結金物を上記と同様に土台や柱の所定箇所に固定し、前記配筋に沿って型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設して、所定期間養生後、型枠を外し、第2の基礎を完成させる。その後、埋め戻し整地等の仕上げ作業を経て、本発明による基礎の改修が完了する。
また、本発明の方法において、床下の換気を行うための換気口は新たな基礎の所望の箇所に型抜き等の手段により適宜形成すればよい。なお、換気口の形成場所および上記緊結金物の固定場所は各工区の境を含まない位置に設計することが新たな基礎の強度を確保する上で好ましい。
また、本発明によれば、建物の外周となる基礎に対してのみ改修を行うだけでも格段に耐震性が向上し、工期やコストも最小限で済むが、建物外周基礎以外の、建物内部にある基礎についても本発明による基礎改修を行う場合には、建物外周基礎に接していない、内部基礎のみに接する床7(図2)や壁を撤去する必要が生じる。しかし、その場合においても従来技術と比較してその割合は著しく低減される。
また、第2期改修工区において配筋の組み立てを行う際に、該配筋のヨコ配筋の端部と第1の基礎内部に配設されたヨコ配筋の端部とを接合することが、各改修工区間をより強固に連結し、基礎全体の強度を向上させる上で好ましい。
各改修工区のヨコ配筋端部同士を接合する方法としては、特に限定されないが、例えば、鉄筋端部にねじ構造あるいはかみ合わせ構造を形成しこれを利用して機械的に接合する方法等により行うことができる。施工の容易性と接合強度の観点からは、ねじ構造を利用した接合方法であることが好ましい。このねじ構造は、もちろん建築用部材として許可を得ている必要があり、例えば、図6(a)に示すように、第1期改修工区において使用するヨコ配筋の端部があらかじめ雌ねじ21が内部壁に形成されたスリーブ形状を有し、他方、図6(b)のように、第2期改修工区に使用するヨコ配筋の端部があらかじめ雄ねじ22が形成された形状を有し、接合時には図6(b)のヨコ配筋を回転させて各改修工区のヨコ配筋同士を接合するものがある。また、図6(c)のように、各改修工区で使用するヨコ配筋の端部があらかじめ雌ねじ21が内部壁に形成されたスリーブ形状を有し、接合時には雄ねじを有する中継ボルト23を介して接合するものもある。また、図6(c)の中継ボルト23にナット24を組み合わせることで、図6(d)のように、単位工区の幅に応じてヨコ配筋端部同士の接合位置を微調整して接合することもできる。図7(a)は、一方端部に上記スリーブを有する異形鉄筋2本を第2期改修工区のヨコ配筋として用い、図6(c)に示す方法により第2期改修工区のヨコ配筋端部と第1の基礎内のヨコ配筋端部とを接合部18において接合している状態を示す図であり、スリーブを有さない他方端部同士は結束線19を用いた一般的な鉄筋継ぎ手である。また、図7(b)は、両端部に上記スリーブを有する異形鉄筋1本を第2期改修工区のヨコ配筋として用い、図6(d)に示す方法により第2期改修工区のヨコ配筋端部と第1の基礎内のヨコ配筋端部とを接合部18において接合している状態を示す図である。
また、基礎が直角に交差する箇所、特に基礎外周のコーナー部について、図2に示すような区分けを行った場合、各改修工区のヨコ配筋端部同士を上記のように接合しようとすると、その接合箇所はコーナー角付近となってしまい、基礎の強度上好ましいとはいえない。そこで、コーナー部においては、図8に示すように、コーナーを形成する二辺の基礎を一工区として区分けし、その上で上記のような接合を行うことが好ましい。つまり、コーナー部やT字部等の基礎が直角に交差する箇所における区分け単位をL字型とすることで、各改修工区のヨコ配筋端部の接合がコーナー角付近にならずに済み、さらには、コーナーの角度に合わせてヨコ配筋を折り曲げたり、コーナー部付近のヨコ配筋を二重にすることができるため、基礎の施工性や強度が向上する。また、L字型となる単位工区の長さは、これを一直線にしたとき750〜1500mmとなることが好ましい。図9には、コーナー部をL字型に区分けした上で上記のような接合を行った場合のヨコ配筋の好ましい状態の一例を示す。
なお、コーナー部をL字型に区分けせず、図2のように区分けした場合には、例えば、第1期改修工区の配筋組み立て時にコーナー側となるヨコ配筋を第1の基礎からはみ出るように余分に長さをとっておき、第2期改修工区の配筋組み立て時に、これを折り曲げて第2期改修工区のヨコ配筋と重ねて一般的な鉄筋継ぎ手とするか、もしくは上記のように端部同士を接合させることで各工区のヨコ配筋同士を固定させることができ、この方法でも十分基礎の強度を保つことができる。
また、本発明において対象となるような既存木造住宅は築年数がかなり経過している場合が多く、その床下は防湿処理が十分に為されていないと推測される。そこで、本発明の基礎改修時、古い基礎を解体撤去後、床下に入り込みやすい状態となっているときに、床下の防湿・除湿処理、シロアリ駆除等を同時に行うことが好ましい。このような処理により土台等の木材の腐食を防止し、これを長持ちさせることができ、ひいては耐震性の向上につながる。
以上の通り、本発明の方法によれば、基礎を第1期改修工区と第2期改修工区に区分けし、順番に改修することで、容易かつ経済的に基礎強度を向上させることができるものである。勿論、本発明は、対象となる既存木造住宅の状態によってさらに第3期改修工期を設けるなど、上記を超える改修工区数に区分けし、その数に応じて上記と同様の工程を順次繰り返すことで基礎の改修を行うことも可能であるが、対象となる既存木造住宅のほとんどは上記のように第1期と第2期に分けることで十分対応可能であり、なおかつ改修の工期短縮およびコスト低減の効果も最大となる。
従来の基礎補強方法を示す断面図。 第1期改修工区と第2期改修工区とに区分けされた基礎伏図。 本発明により新たに形成される布基礎の断面図。 基礎コンクリート打設前にアンカーボルトを土台に取り付けた状態を示す概略図。 基礎立ち上がり部形成時の好ましい状態を示す断面図。 ヨコ配筋端部に形成されるねじ構造の一例を示す概略図。 各改修工区のヨコ配筋端部が接合された状態を示す概略図。 L字型に区分された基礎コーナー部およびT字部を示す基礎伏図。 L字型に区分された基礎コーナー部におけるヨコ配筋の好ましい配設状態を示す斜視図。
符号の説明
1 古い無筋コンクリート基礎
2 土台
3 打ち増しコンクリート
4 配筋
5 第1期改修工区
6 第2期改修工区
7 必要に応じて撤去される床
8 根切り
9 割栗石
10 捨てコンクリート
11 配筋
12 アンカーボルト
13 型枠
14 基礎ベース部
15 あご付き型枠
16 コンクリート注入口
17 異形鉄筋
18 接合部
19 結束線
20 スリーブ
21 雌ねじ
22 雄ねじ
23 中継ボルト
24 ナット
25 L字型に区分けされたコーナー部
26 既存の基礎または第1の基礎

Claims (5)

  1. 既存木造住宅の基礎を第1期改修工区と第2期改修工区とに区分けする工程、
    前記第1期改修工区の基礎を解体撤去する工程、
    基礎が解体撤去された前記第1期改修工区に内部に配筋が為された第1の基礎を形成する工程、
    前記第2期改修工区の基礎を解体撤去する工程、
    基礎が解体撤去された前記第2期改修工区に内部に配筋が為された第2の基礎を形成する工程、
    を含むことを特徴とする、既存木造住宅の基礎改修方法。
  2. 既存木造住宅の基礎を第1期改修工区と第2期改修工区とに区分けする工程、
    前記第1期改修工区の基礎を解体撤去する工程、
    基礎が解体撤去された前記第1期改修工区に対し、根切り、砕石地業、捨てコンクリート打設、墨だし、配筋組み立てを順次行う工程、
    前記第1期改修工区における既存の土台もしくは柱と新たな基礎とを緊結するための金物を該土台または柱の所定箇所に固定する工程、
    前記配筋に沿って型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設する工程、
    所定期間養生後に前記型枠を外して第1の基礎を形成する工程、
    前記第2期改修工区の基礎を解体撤去する工程、
    基礎が解体撤去された前記第2期改修工区に対し、根切り、砕石地業、捨てコンクリート打設、墨だし、配筋組み立てを順次行う工程、
    前記第2期改修工区における既存の土台もしくは柱と新たな基礎とを緊結するための金物を該土台または柱の所定箇所に固定する工程、
    前記配筋に沿って型枠を組み立て、該型枠内にコンクリートを打設する工程、
    所定期間養生後に前記型枠を外して第2の基礎を形成する工程、
    を含むことを特徴とする、既存木造住宅の基礎改修方法。
  3. 前記第2期改修工区に対する配筋組み立て時、該配筋のヨコ配筋の端部と前記第1の基礎内部に配設されたヨコ配筋の端部とを接合する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の既存木造住宅の基礎改修方法。
  4. 前記接合は、あらかじめ前記第1期改修工区および第2期改修工区に使用するヨコ配筋端部に形成されたねじ構造を利用して行うことを特徴とする、請求項3に記載の既存木造住宅の基礎改修方法。
  5. 前記第1期改修工区および前記第2期改修工区は、それぞれの単位工区の幅が750〜1500mmの範囲で交互に区分けされることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の既存木造住宅の基礎改修方法。

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