JP3786761B2 - 低分散光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

低分散光ファイバ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、低分散光ファイバに関し、特に非線形効果のひとつである4光波混合(Four Wave Mixing 以下FWMと略記する)を低減した低分散光ファイバとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られているように、石英系光ファイバの低損失波長帯は1.4〜1.7μm、望ましくは1.55μmである。
分散シフト光ファイバ(以下DSFと記す)は、石英系光ファイバの損失が最小である波長1.55μm付近(以下波長1.55μm帯と記す)で実質的にシングルモード伝搬となって、波長分散がゼロもしくはほぼゼロである光ファイバである。
このようなDSFは、その屈折率分布をデュアルコア型、リングコア型などの様々な屈折率分布形状(以下屈折率プロファイルという。)とすることで構造分散を変え、上述の波長域における波長分散を小さくしようとするものである。
【0003】
一方、近年、高出力光ブースターアンプなどを用いて高パワー密度の光を発生させ、この高パワー密度の光を光ファイバによって伝送することによって、無中継伝送の長スパン化を図ることが検討されている。
しかしながら従来のDSFにおいては、通常入射する光のパワーが数mW以上となるとFWMなどの非線形効果が発生し、伝送特性が劣化することが知られている。したがって高パワー密度の光を有効に伝送することができず、光信号の伝送距離をのばすことができないという問題がある。
【0004】
以下、FWMの発生の仕組みについて説明する(文献2参照)。
波長が必ずしも一致しない3つの光波i,j,kが光ファイバ中を伝搬していると仮定する。
このときこれらの3波の相互作用により、あらたに4番目の光波ijkが発生する。この4番目の光波ijkのパワーは以下の式1で示される。
【0005】
【数1】
Figure 0003786761
【0006】
前記式1における縮退係数Dは3つの光波i,j,kの波長の一致、不一致に対応して以下の式2で示される。
【0007】
【数2】
Figure 0003786761
【0008】
前記式1における有効長Leffは伝送損失αとファイバ長Lを用いて以下の式3のように表される。
【0009】
【数3】
Figure 0003786761
【0010】
前記式1における発生効率ηは以下の式4のように表される。
【0011】
【数4】
Figure 0003786761
【0012】
前記式4においてΔβは以下の式5で表される4つの光波のそれぞれの伝搬定数βijk,βi,βj,βkから求められる値である。
【0013】
【数5】
Figure 0003786761
【0014】
前記式4より、Δβがゼロのとき発生効率ηは最大となる。Δβが増加するにしたがって発生効率ηは減少し、ゼロに近づく。
Δβはさらに、以下の式6のように書き換えられる。
【0015】
【数6】
Figure 0003786761
【0016】
前記式6において導波路の波長分散Dcがゼロに近い場合を除くと、括弧内の第2項はほとんど無視することができる。
このため、ΔβはDcがゼロのとき最小となり、Dcの絶対値が大きくなるにしたがって増加する。
すなわち、FWMの発生効率ηは光導波路(光ファイバ)の波長分散に依存し、光導波路(光ファイバ)の波長分散がゼロのときに最大になる。
【0017】
このように、FWMを抑制するためには、光ファイバの波長分散をゼロからずらしてその絶対値を大きくすることが有効であることがわかる。
ところが、DSFは波長1.55μm帯における波長分散をゼロに近づけた光ファイバなので、必然的に波長1.55μm帯において使用するとFWMの発生効率ηは高くなる。
【0018】
一方、一般に広く使用されている1.3μm帯用シングルモード光ファイバ(以下1.3μmSMFを略記する)は、波長1.3μm付近では波長分散がほとんどゼロとなるが、波長1.55μm帯においては+17ps/km/nm程度の波長分散をもつので、波長1.55μm帯で使用する場合にはFWMの発生効率ηは低い。
しかしながら、このような大きな波長分散をもつDSFを波長1.55μm帯の光を伝送する用途に使用すると、その全長において群速度分散による波形歪みが生じて伝送特性が劣化する。
したがって低損失の波長1.55μm帯において、FWMの発生効率ηが低く、かつ全長における波長分散が小さく、伝送特性が劣化しにくいものが求められている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明における課題は、使用波長帯において、全長における波長分散が小さく、かつFWMの発生を抑制することができる低分散光ファイバを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1の発明は、コア径とクラッド径が長さ方向に一定のファイバ母材を、そのクラッド径が長さ方向に変化するように線引きすることによって製造されるシングルモード光ファイバであって、その波長分散が長さ方向に変化し、その長さ方向において、その使用波長帯における波長分散が正の一定値になる部分Bまたは、波長分散が負の一定値になる部分Aをそれぞれ1以上有し、これらの正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aとが相互の波長分散を打ち消しあうようになっており、波長分散が正の一定値になる部分Bから負の一定値になる部分Aへ移行する部分C、あるいは、波長分散が負の一定値になる部分Aから正の一定値になる部分Bへ移行する部分Cにおいて、波長分散の絶対値が0.1ps/km/nm未満の部分が存在し、この部分の長さがファイバ全長に対して0.08%以下であり、全長にわたって波長分散の絶対値を平均した値が0.5〜1.5ps/km/nmであり、かつ、デュアルコア型の屈折率分布形状を有することを特徴とする低分散光ファイバである。
第1の発明においては、全長にわたって波長分散の絶対値を平均した値が0.3〜3ps/km/nm、好ましくは0.5〜1.5ps/km/nmであると望ましい。
また、波長分散の絶対値は5ps/km/nm以下、好ましくは3ps/km/nm以下とすると望ましい。
また、第1の発明においては、波長分散が正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aとによって波長分散が打ち消されて、その全長において平均化されるようになっているため、光ファイバ全長における波長分散を小さくすることができる。
具体的にはこの全長における波長分散が、好ましくは1ps/km/nm以下、さらに好ましくは0.5ps/km/nm以下になるように設計されていると好適である。
また、本発明の第2の発明は、コア径とクラッド径の比が長さ方向に一定のファイバ母材を、線引き工程において、そのクラッド径が長さ方向に変化するように線引きすることによって、そのコア径を長さ方向に変化させる光ファイバの製造方法であって、当該光ファイバの波長分散が長さ方向に変化し、その長さ方向において、その使用波長帯における波長分散が正の一定値になる部分Bまたは、波長分散が負の一定値になる部分Aをそれぞれ1以上有し、これらの正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aとが相互の波長分散を打ち消しあうようになっており、波長分散が正の一定値になる部分Bから負の一定値になる部分Aへ移行する部分C、あるいは、波長分散が負の一定値になる部分Aから正の一定値になる部分Bへ移行する部分Cにおいて、波長分散の絶対値が0.1ps/km/nm未満の部分が存在し、この部分の長さがファイバ全長に対して0.08%以下であり、全長にわたって波長分散の絶対値を平均した値が0.5〜1.5ps/km/nmであり、かつ、デュアルコア型の屈折率分布形状を有する光ファイバを得ることを特徴とする低分散光ファイバの製造方法である。
【0021】
この低分散光ファイバは、次の方法によって製造することができる。
即ち、コア径とクラッド径の比が長さ方向に一定のファイバ母材を、線引き工程において、そのクラッド径が長さ方向に変化するように線引きすることによって、そのコア径を長さ方向に変化させ、コア径が長さ方向に変化している光ファイバを形成することを特徴とする低分散光ファイバの製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、本発明に先だって特願平7−13218号において、シングルモード光ファイバであって、その長さ方向にコア径が変化しており、このコア径の変化にともなって伝搬モードに対する等価屈折率が変化しており、この等価屈折率の変化にともなって波長分散が正になる部分と、負になる部分とを有することを特徴とする低分散光ファイバを提案している。
この低分散光ファイバは、前記波長分散が正になる部分と負になる部分とにおいて、ファイバの長さ方向で波長分散が打ち消しあって平均化され、その全長における波長分散がゼロもしくはほとんどゼロとなるものである。
本発明において単に波長分散という場合には、光ファイバの一部分における波長分散の値をいうものとする。
【0023】
また、この低分散光ファイバは、その長さ方向にそったコア径の変化によって誘導ブリルアン散乱が発生しにくくなっているものである(文献1参照)。
誘導ブリルアン散乱はブリルアン周波数シフトに依存する。ブリルアン周波数シフトはコア径の変化や、コアに添加されるドーパントの添加量の変化に伴って変化する。そして光ファイバの長さ方向においてブリルアン周波数シフトが変化していると誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することができる。
さらに、波長分散が正になる部分から負になる部分(あるいは負になる部分から正になる部分)にまたがって変化する部分において、波長分散の絶対値が小さくなってゼロ付近になる部分があり、この部分ではFWMが発生しやすくなる。
しかし反対に、波長分散の絶対値がゼロ付近以外の部分ではFWMを抑制することができる。
このように、この低分散光ファイバは、その一部分ではFWMの発生を抑制することができるものの、その全長においてFMWの発生を抑制する検討はなされていなかった。
そこで本発明は、前記低分散光ファイバを改良し、発展させて全長においてFWMの発生を抑制できるようにしたものである。
【0024】
本発明の低分散光ファイバの使用波長帯とは、通常波長1.55μm帯のことであり、1525〜1575nmの波長域をいうものとする。
本発明の低分散光ファイバ(以下単に光ファイバということがある)の全長は特に限定されないが、通常数kmから数十kmとされる。
また、シングルモード光ファイバであって、屈折率形状はステップスインデックス型、階段コア部を有するデュアルコア型などとされるが、デュアルコア型が曲げ損失を低く抑えることができ、好ましい。
【0025】
また、本発明の低分散光ファイバは、伝播モードに対する等価屈折率が長さ方向に変化し、この等価屈折率の変化にともなって波長分散が変化している。
伝播モードに対する等価屈折率は、コア径を変化させることによって変化させることができる。
【0026】
この低分散光ファイバは、伝播モードに対する等価屈折率の変化にともなって波長分散が長さ方向に正の一定値になる部分Bから負の一定値になる部分A、あるいは負の一定値になる部分から正の一定値になる部分Bに変化するようになっている。
そしてこれらの波長分散が正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aによって、その長さ方向で波長分散が打ち消しあって平均化され、全長における波長分散を小さくできるようになっている。
具体的にはこの全長における波長分散を1ps/km/nm以下にすることが可能で、さらに好ましくは0.5ps/km/nm以下になるように設計されていることが好適である。
【0027】
このとき波長分散が正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aは、光ファイバの長さ方向において、少なくとも1つずつ隣り合って存在していればよい。
また波長分散が正の一定値になる部分Bあるいは負の一定値になる部分Aの長さは特に限定せず、所望の光学特性が得られるように調整することができるが、通常それぞれ数百m〜数km程度とされる。
【0028】
この低分散光ファイバにおいては、その長さ方向にそって、波長分散が正の一定値になる部分Bから負の一定値になる部分Aに移行する部分Cと、あるいは負の一定値になる部分Aから正の一定値になる部分Bに移行する部分Cにおいて、波長分散の絶対値が0.1ps/km/nm未満の部分が存在し、この部分の長さが全長の1%以下とされている。
すなわちFWMが発生しやすい波長分散の絶対値が小さい部分の割合が小さいので、全長においてFWMの発生を抑制することができる。この長さが1%をこえるとFWMの発生を十分に抑制することが難しい。
また、この低分散光ファイバは、コア径の変化に伴って変化するブリルアン周波数シフトが長さ方向に変化しているので誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することができる。
【0029】
また好ましくは、全長にわたって波長分散の絶対値を平均した値は0.3〜3ps/km/nm、好ましくは0.5〜1.5ps/km/nmとされる。
このようにすると0.3ps/km/nm以上の、FWMが発生しにくい範囲に波長分散が平均して分布するので、FWMをさらに抑制することができる。
また、3ps/km/nmをこえないようにすることにより、全長における波長歪みを抑制し、伝送特性の劣化を抑制することができる。
【0030】
波長分散の絶対値は5ps/km/nm以下、好ましくは3ps/km/nm以下とすると望ましい。
波長分散の絶対値が5ps/km/nmをこえる部分が存在しても、波長分散が正になる部分と負になる部分とによって打ち消すことができれば、全長としての波長分散を小さくすることができる。
しかし、波長分散が必要以上に大きい部分の長さが長いと、この部分で大きな波長歪みを生じ、この波長歪みを打ち消すことが困難となる場合がある。
【0031】
このように、上述の低分散光ファイバにおいては、波長分散が正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aとによって、その長さ方向において波長分散が打ち消しあって平均化されるようになっているため、全長における波長分散を小さくすることができ、群速度分散による波長歪みを抑制することができる。
そしてこれと同時に、波長分散が0.1ps/km/nm以下の部分の長さが全長の1%以下になっているので、FWMの発生を抑制することができる。
また、ブリルアン周波数シフトがその長さ方向にそって変化しているので、誘導ブリルアン散乱の発生を同時に抑制することができる。
【0032】
(文献1)Y.Miyajima,M.Ohashi and K.Nakajima,"Novel dispersion-managed fiber for suppressing FWM and an evaluation of its dispersion
distribution ",OFC'96.PD7-1,1996
(文献2)N.Shibata,R.P.Braun,and R.G.Waarts,"Phase-mismacth dependence of efficiency of wave generation through four-wave mixing in a single-mode optical
fiber",J.Quantum electron.,QE-23,1205-1210,1987
【0033】
【実施例】
(実施例)
以下実施例を示してその製造方法とともに具体的に説明する。
まずファイバ母材(以下母材と略記する)として、図1に示す屈折率プロファイルを有するデュアルコア型分散シフト光ファイバ用のものを用意した。
図中符号1は中心コア部であり、この中心コア部1と、その外周に設けられた階段コア部2とによってコア3が形成されている。そしてこのコア3の外周にはクラッド4が設けられている。
中心コア部1と階段コア部2はゲルマニウムが添加されたSiO2からなり、中心コア部1のほうが階段コア部2よりもゲルマニウムの添加量が多く、高屈折率となっている。クラッド4は純SiO2からなり、前記階段コア部2よりも低屈折率のものである。
【0034】
Δ1はクラッド4と中心コア部1との比屈折率差、Δ2は階段コア部2とクラッド4との比屈折率差、2aは中心コア部1の外径、2bは階段コア部2の外径(コア3の外径)を示す。
本実施例においては、b/aは3.1、Δ1は0.85%、Δ2は0.085%であった。
クラッド4の外径は40.0mm、コア3の外径は5.8mm、(クラッド4の外径)/(コア3の外径)の比は6.9であり、その寸法は母材の長さ方向で一定であった。
【0035】
さらに前もって前記母材を線引きしたときの、クラッド4の外径(クラッド径)とコア3の外径(コア径)との関係と、コア3の外径と波長分散との関係を求めておき、これらの関係にしたがって前記母材を線引きし、クラッド4の外径が長さ方向に変化するように光ファイバを作製した。
すなわち、クラッド4の外径を長さ方向に変化させるようにすると、これにともなってクラッド4に接して設けられているコア3の外径を変化させることができる。
そしてこのコア3の外径の変化にともなって等価屈折率が変化し、この結果、波長分散が長さ方向に変化している光ファイバとすることができる。
【0036】
図2はこの光ファイバを、軸心にそう側断面図として模式的に示したものである。
この光ファイバは、クラッド4の外径が約132μmの太径部Aと、外径122μmの細径部Bとが、長さ方向にそってそれぞれ概略10kmごとに交互に配されるように、クラッド4の外径を長さ方向に増減させながら全長約40kmになるように線引きしたものである。
図中符号Cは太径部Aから細径部B、あるいは細径部Bから太径部Aに至る移行部を示している。また外径約132μmの光ファイバの端部をE端、外径約122μmのもう一方の端部をS端とする。
この光ファイバにおいては、クラッド4の外径の増減にともなって、その長さ方向においてコア3の外径も変化しており、太径部Aにおけるコア3の外径は約19.2μm、細径部Bにおけるコア3の外径は17.7μmとなった。
【0037】
図3は、クラッド4の外径と光ファイバの長さ方向の位置との関係を示したグラフであり、図4は、図3に示す太径部Aから細径部Bに至る移行部Cにおけるクラッド4の外径の変化を拡大して示したものである。
図5は、この光ファイバのE端とS端のそれぞれから1kmずつ切り出して波長分散を測定した測定値と、図3に示すクラッド4の外径の変化とから予測される光ファイバの長さ方向の波長分散の変化を示したグラフである。
図5のグラフを図3のクラッド4の外径の変化とともにみていくと、太径部Aでは波長分散が+1(正の波長分散)付近となり、細径部Bでは波長分散が−0.8(負の波長分散)付近となり、これらが移行部Cを介して長さ方向に交互に位置している。
【0038】
そして移行部Cにおいては、波長分散がゼロに近づいて、その絶対値が0.1ps/km/nm未満となる部分が存在している。
本発明の低分散光ファイバにおけるひとつの条件は、波長分散が0.1ps/km/nm未満となる部分の長さを全体の1%未満とすることである。
したがって移行部Cにおいて、できるだけ長さあたりの波長分散の変化量を大きくすると好ましいことがわかる。
【0039】
本実施例において、具体的には波長分散の絶対値が0.1ps/km/nm未満の部分の長さは全長に対して0.08%、波長分散の絶対値は1.05ps/km/nm以下、波長分散の絶対値をその全長40kmにわたって平均した平均値は0.92ps/km/nmであった。
【0040】
(比較例)
実施例に用いた母材と同様のものを、波長1.55μm帯において波長分散がほとんどゼロで、長さ方向に一定になるように線引きした。
【0041】
表1に実施例と比較例の設計条件と光学特性を示す。表1においてモードフィールド径、伝送損失、曲げ損失、全長における波長分散、S端,E端の波長分散は波長1.55μmにおける測定値である。
【0042】
【表1】
Figure 0003786761
【0043】
また、これらのFWMの発生効率ηを、FWM光を発生させるためのプロープ光とポンプ光の周波数差と発生効率ηとの関係のグラフとして図6に示す。
図中▲は実施例の測定値であり、●は比較例の測定値である。また、曲線Aは実施例の計算値(理論値)、曲線Bは比較例の計算値(理論値)である。
表1、図6の結果より、本発明に係る実施例の光ファイバは、全長における波長分散が小さく、比較例のものと同等の光学特性が得られ、かつFWMの発生効率ηが小さい低分散光ファイバとなっていることが明らかである。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の低分散光ファイバは、波長分散が正になる部分と負になる部分により、波長分散が打ち消されて平均化され、全長における波長分散を小さくすることができ、この結果群速度分散による波長歪みを抑制することができるとともに、波長分散が0.1ps/km/nm以下の部分の長さが全長に対して1%以下になっているので、FWMの発生を抑制することができる。また、ブリルアン周波数シフトが長さ方向に変化しているので、誘導ブリルアン散乱の発生を抑制することができる。
このように使用波長帯が1.55μm帯であっても、全長における波長分散が小さく、さらに非線形効果である誘導ブリルアン散乱とFWMを抑制することができるので、伝送特性の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に使用したデュアルコア型分散シフト光ファイバ用のファイバ母材の屈折率プロファイルを示したグラフである。
【図2】 実施例の光ファイバを模式的に示した軸心にそう側断面図である。
【図3】 実施例の光ファイバのクラッドの外径と光ファイバの長さ方向の位置との関係を示したグラフである。
【図4】 図3の要部を拡大したグラフである。
【図5】 実施例の光ファイバの長さ方向の波長分散の変化を予測して示したグラフである。
【図6】 実施例と比較例のFWMの発生効率の測定結果を示したグラフである。
【符号の説明】
3,3A…コア、4,4A…クラッド

Claims (2)

  1. コア径とクラッド径が長さ方向に一定のファイバ母材を、そのクラッド径が長さ方向に変化するように線引きすることによって製造されるシングルモード光ファイバであって、その波長分散が長さ方向に変化し、その長さ方向において、その使用波長帯における波長分散が正の一定値になる部分Bまたは、波長分散が負の一定値になる部分Aをそれぞれ1以上有し、これらの正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aとが相互の波長分散を打ち消しあうようになっており、波長分散が正の一定値になる部分Bから負の一定値になる部分Aへ移行する部分C、あるいは、波長分散が負の一定値になる部分Aから正の一定値になる部分Bへ移行する部分Cにおいて、波長分散の絶対値が0.1ps/km/nm未満の部分が存在し、この部分の長さがファイバ全長に対して0.08%以下であり、全長にわたって波長分散の絶対値を平均した値が0.5〜1.5ps/km/nmであり、かつ、デュアルコア型の屈折率分布形状を有することを特徴とする低分散光ファイバ。
  2. コア径とクラッド径の比が長さ方向に一定のファイバ母材を、線引き工程において、そのクラッド径が長さ方向に変化するように線引きすることによって、そのコア径を長さ方向に変化させる光ファイバの製造方法であって、当該光ファイバの波長分散が長さ方向に変化し、その長さ方向において、その使用波長帯における波長分散が正の一定値になる部分Bまたは、波長分散が負の一定値になる部分Aをそれぞれ1以上有し、これらの正の一定値になる部分Bと負の一定値になる部分Aとが相互の波長分散を打ち消しあうようになっており、波長分散が正の一定値になる部分Bから負の一定値になる部分Aへ移行する部分C、あるいは、波長分散が負の一定値になる部分Aから正の一定値になる部分Bへ移行する部分Cにおいて、波長分散の絶対値が0.1ps/km/nm未満の部分が存在し、この部分の長さがファイバ全長に対して0.08%以下であり、全長にわたって波長分散の絶対値を平均した値が0.5〜1.5ps/km/nmであり、かつ、デュアルコア型の屈折率分布形状を有する光ファイバを得ることを特徴とする低分散光ファイバの製造方法。
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