JP2001318259A - 分散補償光ファイバ - Google Patents

分散補償光ファイバ

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JP2001318259A
JP2001318259A JP2001055956A JP2001055956A JP2001318259A JP 2001318259 A JP2001318259 A JP 2001318259A JP 2001055956 A JP2001055956 A JP 2001055956A JP 2001055956 A JP2001055956 A JP 2001055956A JP 2001318259 A JP2001318259 A JP 2001318259A
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dispersion
core portion
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compensating optical
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JP2001055956A
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Takaaki Suzuki
孝昭 鈴木
Kazuhiko Aikawa
和彦 愛川
Takashi Suzuki
孝至 鈴木
Akira Wada
朗 和田
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】1.53〜1.63μmの全範囲において、
1.3μm用シングルモード光ファイバの波長分散を補
償することができる分散補償光ファイバを提供する。 【解決手段】 波長1.55μmにおいて、波長分散が
−50ps/nm/km以下であり、波長1.53〜
1.63μmの全範囲において、負の分散スロープを有
し、実質的にシングルモード伝搬となるカットオフ波長
を備え、有効コア断面積が20μm2以上であり、かつ
補償対象である1.3μm用シングルモード光ファイバ
の波長分散を補償したときの線路全体の波長分散の絶対
値が15ps/nm/km以下であることを特徴とする
分散補償光ファイバを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は分散補償光ファイバ
に係り、特に従来よりも長い波長帯においても1.3μ
m用シングルモード光ファイバの波長分散を補償できる
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、波長1.3μmにおいて波長分散
がほとんどゼロのシングルモード光ファイバ(以下1.
3μmSMFと記す)と分散補償光ファイバとを組み合
わせて波長1.55μm帯(いわゆるCバンド帯:一般
に1.53〜1.57μm程度の範囲)で伝送する光通
信システムが提案されている。例えば1.3μmSMF
の波長分散は、波長1.55μmにおいて概略+17p
s/nm/km(正の波長分散)程度なので、これを用
いて波長1.55μm帯の光通信を行うと大きな波長分
散を生じることになる。これに対して分散補償光ファイ
バは、波長1.55μm帯で絶対値が比較的大きい負の
波長分散を有するため、上述のようにこれらを組み合わ
せることにより、比較的短い使用長さの分散補償光ファ
イバによって、例えば数km以上の通常の1.3μmS
MFで生じた波長分散を打消すことができる。また、
1.3μmSMFの波長1.55μm帯における分散ス
ロープは+0.06ps/nm2/km程度(正の値)
なので、この分散スロープもあわせて補償するために
は、負の分散スロープを有する分散補償光ファイバを用
いると好ましい。分散スロープを補償することができれ
ば、波長多重伝送(WDM伝送)のように波長の異なる
複数のパルス光を伝送する用途にも使用することができ
る。
【0003】従来の分散補償光ファイバとしては、例え
ば単峰型の屈折率プロファイル(以下単峰型プロファイ
ルと記す)を有するものや、W型の屈折率プロファイル
(以下W型プロファイルと記す)を有するものなどが提
案されている。図2は単峰型プロファイルの一例を示し
たものであり、中心にコア11が位置し、その外周上に
このコア11よりも低屈折率のクラッド12が設けられ
て構成されている。前記コア11は例えばGeO2(酸
化ゲルマニウム)添加SiO2(石英)からなり、クラ
ッド12は純粋SiO2、あるいはF、Cl、Geの少
なくともひとつが添加されたSiO2 などからなる。Δ
1はコア11とクラッド12との比屈折率差である。
【0004】図3はW型プロファイルの一例を示したも
ので、中心に位置する中心コア部21aと、その外周上
に設けられ、この中心コア部21aよりも低屈折率の中
間コア部21bと、この中間コア部21bの外周上に設
けられ、この中間コア部21bよりも高屈折率で、かつ
前記中心コア部21aよりも低屈折率のクラッド22か
らなるものである。前記中心コア部21aは例えばGe
2添加SiO2からなり、中間コア部21bはF(フッ
素)添加SiO2からなり、クラッド22は純粋Si
2、あるいはF、Cl、Geの少なくともひとつが添
加されたSiO2などからなる。なお、2a2は中心コア
部21aの外径(a2は外径の1/2を示す)、2b2
中間コア部21bの外径(b2は外径の1/2を示
す)、Δd2はクラッド22と中間コア部21bとの比
屈折率差、Δf2はクラッド22と中心コア部21aと
の比屈折 率差である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、光ファイバにお
いて、非線形効果が発生すると伝送特性が劣化する。特
に最近盛んに検討されている波長多重伝送や光増幅器を
用いた光通信システムのように高パワーの信号光を伝搬
する場合は非線形効果が発生しやすく、非線形効果の抑
制技術が必要となる。非線形効果を抑制する方法として
は、コアに添加するGe、Fなどのドーパント量を減ら
すことによって光ファイバの非線形屈折率を小さくする
方法、ファイバ母材から紡糸する際に光ファイバの外径
を変化させて非線形効果のひとつであるブリルアン散乱
を抑制する方法などが提案されているが、中でも光ファ
イバの有効コア断面積の拡大は有効な方法のひとつであ
る。
【0006】しかしながら、上述の従来の分散補償光フ
ァイバにおいては、単位損失当たりの波長分散量を示
す、いわゆる性能指数(FOM)の向上を図り、かつ分
散スロープを補償することができるものが開発されてい
るが、これらの特性と有効コア断面積の拡大を同時に実
現することは困難であった。
【0007】また、最近では従来用いられてきたCバン
ド帯よりも長波長のいわゆるLバンド帯(1.57〜
1.63μm)においても光通信を行う方式が検討され
ている。したがって、Cバンド帯のみならずLバンド帯
においても1.3μm用シングルモード光ファイバの波
長分散と分散スロープを補償することができる分散補償
光ファイバが必要とされているが、従来のものでは十分
に対応することができなかった。また、このような波長
帯において、有効コア断面積が大きいことも同時に要求
されているが、従来のものでは十分に対応することがで
きなかった。さらに、分散補償光ファイバにおいては、
使用波長帯においてシングルモード伝搬であることや、
曲げ損失が実用可能な程度に小さいことが要求される。
【0008】本発明は前記事情に鑑てなされたもので、
1.53〜1.63μmの全範囲において、1.3μm
用シングルモード光ファイバの波長分散を補償すること
ができ、かつシングルモード伝搬を補償でき、曲げ損失
が小さい分散補償光ファイバを提供することを課題とす
る。さらに、分散スロープも同時に補償することができ
る分散補償光ファイバを提供することを課題とする。さ
らに、有効コア断面積が大きく、非線形効果を抑制でき
る分散補償光ファイバを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に第1の発明の分散補償光ファイバは、波長1.53〜
1.63μmの全範囲において、1.3μm用シングル
モード光ファイバの波長分散を補償可能な分散補償光フ
ァイバであって、波長1.55μmにおいて、波長分散
が−50ps/nm/km以下であり、波長1.53〜
1.63μmの全範囲において、以下の(A)〜(D)
の条件を満足することを特徴とする。 (A)負の分散スロープを有する。 (B)実質的にシングルモード伝搬となるカットオフ波
長を備えている。 (C)有効コア断面積が20μm2以上である。 (D)補償対象である1.3μm用シングルモード光フ
ァイバの波長分散を補償したときの線路全体の波長分散
の絶対値が15ps/nm/km以下である。第2の発
明の分散補償光ファイバは、第1の発明の分散補償光フ
ァイバにおいて、波長1.53〜1.63μmの全範囲
において、補償対象である1.3μm用シングルモード
光ファイバの波長分散を補償したときの線路全体の波長
分散の絶対値が0.5ps/nm/km以下のものであ
る。第3の発明の分散補償光ファイバは、第1または第
2の発明の分散補償光ファイバにおいて、波長1.53
〜1.63μmの全範囲において、曲げ損失が30dB
/m以下のものである。第4の発明の分散補償光ファイ
バは、第1〜第3のいずれかの発明の分散補償光ファイ
バにおいて、コアとその外周上に設けられたクラッドと
からなり、該コアが、前記クラッドよりも高い屈折率を
備えた中心コア部と、該中心コア部の外周上に設けら
れ、前記クラッドよりも低い屈折率を備えた中間コア部
と、該中間コア部の外周上に設けられ、前記クラッドよ
りも高い屈折率を備えたリング状のリングコア部とから
なる屈折率分布形状を備えているものである。第5の発
明の分散補償光ファイバは、第1〜第3のいずれかの発
明の分散補償光ファイバにおいて、中心コア部と、該中
心コア部の外周上に設けられた該中心コア部よりも低い
屈折率を備えた中間コア部と、該中間コア部の外周上に
設けられた該中間コア部よりも高く、かつ前記中心コア
部よりも低い屈折率を備えたリング状のリングコア部
と、該リングコア部の外周上に設けられた該リングコア
部よりも低く前記中間コア部よりも高い屈折率を備えた
クラッドとからなる屈折率分布形状を備えているもので
ある。第6の発明の分散補償光ファイバは、第4または
第5の発明の分散補償光ファイバにおいて、中心コア部
の外径を2a、リングコア部の内径を2b、リングコア
部の幅をw、クラッドと中間コア部との比屈折率差をΔ
d、クラッドとリングコア部との比屈折率差をΔe、ク
ラッドと中心コア部と比屈折率差をΔfとしたとき、
2.5≦b/a≦5.0、0.3≦w/a≦1.7、Δ
dが−0.2〜−0.5%、Δeが0.1〜1.3%、
Δfが1.5%以下であることを特徴とする分散補償光
ファイバである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の分散補償光ファイバは、波長1.53〜1.6
3μmの全範囲において分散スロープが負の値を有する
ことによって、1.3μmSMFの分散スロープを補償
することができる。分散補償光ファイバの最適な分散ス
ロープの値は補償する1.3μm用SMFの分散スロー
プと使用長さによって変化するため、特に限定するもの
ではないが、例えば−0.15〜−0.45ps/nm
2/km程度であると好ましい。
【0011】また、分散補償光ファイバはシングルモー
ド光ファイバを補償するものなので、波長1.53〜
1.63μmの全範囲において、常にシングルモード伝
搬を行う必要がある。なお、実際の長尺の使用状態にお
いては、CCITTの2m法によるカットオフ波長が
1.53μmよりも長くてもシングルモード伝搬が可能
である。したがって、カットオフ波長は、使用長さなど
を考慮して、実際の使用状態において実質的にシングル
モード伝搬を保証する値でなければならない。
【0012】有効断面積Aeffは、下記関係式で定義
されるものである。
【0013】
【数1】
【0014】波長1.53〜1.63μmの全範囲にお
いて、Aeffが20μm2未満では非線形効果を十分
に低減することができない。なお、非線形効果を抑制す
る観点においては、Aeffが大きい程好ましいため、
その上限値は特に限定することはないが、製造性などの
観点から実質的には30μm2以下とされる。
【0015】そして、本発明の分散補償光ファイバは、
波長1.53〜1.63μmの全範囲において、補償対
象の1.3μmSMFと分散補償光ファイバとを組み合
わせてこの1.3μm用SMFを補償したときの線路全
体(分散補償光ファイバと1.3μm用SMFとを合わ
せた線路全体)の波長分散の絶対値が15ps/nm/
km以下、好ましくは0.5ps/nm/km以下であ
る。その結果、Cバンド帯とLバンド帯の全帯域におい
て、1.3μm用SMFの波長分散を補償することがで
きる。また、本発明の分散補償光ファイバと1.3μm
用SMFとを組み合わせたときの線路全体の伝送速度を
2.5Gbit/s以上、好ましくは10Gbit/s
以上とすることができる。また、前記全体の波長分散の
絶対値が0.5ps/nm/km以下であると、線路全
体の伝送速度を10Gbit/s以上、実質的には40
Gbit/s付近とすることができ、さらに伝送容量の
向上を図ることができる。
【0016】ここで、光通信システムなどに用いられる
1.3μmSMFの長さ、波長分散は用途などによって
様々である。したがって、分散補償光ファイバの好適な
使用長さと波長分散は、補償対象の1.3μmSMFの
使用長さ、波長分散によって適宜定められる。ただし、
本発明の分散補償光ファイバは、波長1.55μmにお
いて、波長分散が−50ps/nm/km以下である必
要がある。波長分散が−50ps/nm/kmよりも大
きく、ゼロに近い場合には、波長1.53〜1.63μ
mの全範囲において1.3μm用SMFを補償する際
に、分散補償光ファイバの使用長さが長くなるなどの不
都合がある。なお、従来の分散補償光ファイバにおいて
は、このように1.3μm用SMFの条件にあわせて分
散補償光ファイバを設計しようとしても、特にLバンド
帯においては満足する特性が得られなかった。これに対
して本発明の分散補償光ファイバは、Lバンド帯におい
ても十分に1.3μm用SMFの波長分散を補償できる
点に特徴がある。
【0017】例えば1.63μmにおける波長分散が+
21ps/nm/kmの1.3μmSMFを10km使
用したとき、分散補償光ファイバの1.63μmにおけ
る波長分散が−74ps/nm/km程度であれば、こ
の分散補償光ファイバを2.84km用いることによっ
て、この1.3μmSMFの波長分散を補償することが
できる。上述のように1.3μm用SMFの波長分散と
使用長さは、用途によって様々であるため、特に限定す
るものではないが、1.53〜1.63μmにおける
1.3μm用SMFの波長分散は通常16〜22ps/
nm/km程度である。また、本発明の分散補償光ファ
イバの使用長さは、1.3μm用SMFの使用長さに対
して1/6〜1/3程度に設定される。1/6未満であ
ると波長分散を十分に補償することができない場合があ
り、1/3をこえると伝送特性が劣化する場合がある。
【0018】このような特性値を満たす分散補償光ファ
イバは、Cバンド帯とLバンド帯とを組み合わせた1.
53〜1.63μmという広い波長帯域においても、
1.3μmSMFの波長分散と分散スロープを補償する
ことができ、非線形効果が発生しにくいものである。特
にLバンド帯においてこれらの特性を満足することが好
ましい。
【0019】また、曲げ損失は曲げ直径(2R)が20
mmの条件の値をいうものとする。本発明の分散補償光
ファイバにおいて、好ましくは波長1.53〜1.63
μmの全範囲において、曲げ損失は30dB/m以下で
ある。曲げ損失が30dB/m以下であると、敷設時な
どに加えられる曲げによっても光学特性が劣化しにく
く、好ましい。特にLバンド帯においてこの特性を満足
することが好ましいことは上述の場合と同様である。
【0020】本発明の分散補償光ファイバが上述の特性
を有するための第1の条件は、図1に示した屈折率プロ
ファイルを有することである。この屈折率分布形状は、
コア31とその外周上に設けられたクラッド32とから
なる。そして、このコア31は、前記クラッド32より
も高い屈折率を備えた中心コア部31aと、この中心コ
ア部31aの外周上に設けられ、前記クラッド32より
も低い屈折率を備えた中間コア部31bと、この中間コ
ア部31bの外周上に設けられ、前記クラッド32より
も高い屈折率を備えたリング状のリングコア部31cと
からなる。以下このような屈折率プロファイルをリング
付きプロファイルとよぶ。さらに好ましくは、このリン
グ付きプロファイルであって、中心コア部31aの外周
上に、この中心コア部31aよりも低い屈折率の中間コ
ア部31bが設けられ、さらにこの中間コア部31bの
外周上に、この中間コア部31bよりも高く、かつ前記
中心コア部31aよりも低い屈折率を備えたリングコア
部31cが設けられ、さらにこのリングコア部31cの
外周上に、このリングコア部31cよりも低く、かつ前
記中間コア部31bよりも高い屈折率を備えたクラッド
32が設けられている屈折率プロファイルが望ましい。
【0021】前記中心コア部31aとリングコア部31
cは、例えばGeO2添加SiO2からなり、GeO2
添加量によって屈折率が調整されている。中間コア部3
1bは、例えばF添加SiO2からなり、クラッド32
は純粋SiO2、あるいはF、Cl、Geの少なくとも
ひとつが添加されたSiO2からなる。また、2aは中
心コア部31aの外径(aは外径の1/2を示す)、2
bはリングコア部31cの内径(bは内径の1/2を示
す)、wはリングコア部31cの幅、Δdはクラッド3
2と中間コア部31bとの比屈折率差、Δeはクラッド
32とリングコア部31cとの比屈折率差、Δfはクラ
ッド32と中心コア部31aとの比屈折率差である。な
お、Δd、Δe、Δfはクラッド32を基準(零)にし
ており、他の層の屈折率がクラッド32の屈折率より大
きい場合には正の値、小さい場合には負の値となる。
【0022】第2の条件は、図1に示したリング付きプ
ロファイルにおいて、2.5≦b/a≦5.0、0.3
≦w/a≦1.7、Δcが1.3%、Δdが−0.2〜
−0.5%、Δeが0.1〜1.3%、Δfが1.5%
以下、好ましくは1.3%以下であることである。これ
らは実験的に求めた数値範囲である。好ましくは、2.
7≦b/a≦3.5、0.3≦w/a≦1.5、Δdが
−0.30〜−0.45%、Δeが0.2%〜1%、Δ
fが0.8%〜1.5%とされる。さらに好ましくは
2.8≦b/a≦3.1、0.5≦w/a≦1、Δdが
−0.30〜−0.42%、Δeが0.4%〜1%、Δ
fが1〜1.5%とされる。
【0023】b/aが2.5よりも小さいと波長分散を
十分に低減することができず、また、5.0よりも大き
いと、単峰型プロファイルの特性に近づくため、Aef
fを拡大することができない。w/aが0.3よりも小
さいとリングコア部31cによる効果が減少し、W型の
特性に近づくため、Aeffを拡大することができな
い。1.7よりも大きいとカットオフ波長が長くなり、
シングルモード伝送を行うことができなくなる。Δdが
−0.2%よりも大きいと、分散スロープを十分に小さ
くすることができず、−0.5%よりも小さいと伝送損
失が悪化し、FOMが劣化する。Δeが0.1%よりも
小さいと、リングコア部31cによる効果が消失し、A
effを拡大することができない。また、1.3%より
も大きいと。カットオフ波長が長くなり、シングルモー
ド伝送が不可能となる。Δfが1.5%よりも大きいと
Aeffを20μm2以上にすることが困難となる。
【0024】なお、Δd、Δe、Δfの好適な値は、b
/aおよびw/aの値によって変化し、上述の実験的に
求めたΔd、Δe、Δfの数値範囲内であっても本発明
の分散補償光ファイバの特性を有するものが得られると
は限らない。このような観点から、本発明では分散補償
光ファイバの構造パラメータの値のみによって発明を特
定することが困難であり、特性値によってその特定を行
うようにしたものである。そして、かかる特性値は、従
来知られている分散補償光ファイバでは取り得ないもの
であることは言うまでもない。
【0025】本発明の分散補償光ファイバは、通常のV
AD法とOVD法との組み合わせや、MCVD法などに
よって製造できる。リング付プロファイルでは、リング
コア部31cの存在により伝送光の光パワーの電界強度
分布がクラッド32側に長く尾を引く形となるため、光
ファイバ母材の製造の際に、クラッドとなるスートのか
なりの部分を中心のコアとなるスートと同時に一括して
合成する方法をとることが望ましい。
【0026】
【実施例】(実施例)図1に示したリング付きプロファ
イルの屈折率プロファイルを有する5種類(No1〜
5)の分散補償光ファイバを作製し、その特性を評価し
た。表1にNo1〜5の分散補償光ファイバのb/a、
w/a、Δd、Δeと、光学特性を示した。なお、カッ
トオフ波長(λC)はCITTの2m法によって測定し
た値である。また、MFDはモードフィールド径であ
る。また、曲げ損失はいずれも30dB/m以下であっ
た。
【0027】
【表1】
【0028】表1より、いずれの分散補償光ファイバ
も、本発明の特性を満たしていた。ついで、これら分散
補償光ファイバを用いて1.3μm用シングルモード光
ファイバ(波長1.55μmにおける波長分散が+17
ps/nm/km、分散スロープが0.06ps/nm
2/km)を補償したところ、表2に示したような結果
となり、1.53〜1.63μmにおいて、1.3μm
用SMFの波長分散と分散スロープを補償することがで
きた。また、NO1〜5の分散補償光ファイバを用いた
場合の線路全体の波長分散は0.5ps/nm/km以
下であり、伝送速度は40Gbit/s付近であり、非
常に良好であった。一方、NO6〜7の分散補償光ファ
イバを用いた場合の線路全体の波長分散は0.5〜15
ps/nm/kmの範囲であり、伝送損失は10Gbi
t/s付近であり、実用には問題ない値であった。
【0029】
【表2】
【0030】(比較例1)図2に示した単峰型プロファ
イルを有する従来の分散補償光ファイバを作製した。な
お、Δf1は2.5%とした。得られた分散補償光ファ
イバの光学特性を表3に示した。
【0031】
【表3】
【0032】(比較例2)図4に示すW型の屈折率プロ
ファイルを有する分散補償光ファイバを作製した。なお
2a2は2.5、b2/a2は2.5、Δd2は0.35、
Δf2は2.5とした。表4に光学特性を示した。なお
1.63μmの光については曲げ損失が大きく、伝送す
ることができなかった。
【0033】
【表4】
【0034】表3、4より、比較例1、2の分散補償光
ファイバは、いずれもAeffの値が小さかった。な
お、実施例、比較例1、2について波長1.62μmに
おける光学特性の測定結果は1.63μmにおける光学
特性の測定結果と同様であった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、1.53〜1.63μmの全範囲において、1.3
μm用シングルモード光ファイバの波長分散と分散スロ
ープを補償することができ、かつシングルモード伝搬を
補償でき、さらに有効コア断面積が大きく、非線形効果
を抑制できる分散補償光ファイバを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分散補償光ファイバの屈折率プロフ
ァイルであるリング付プロファイルの一例を示す図であ
る。
【図2】 従来の分散補償光ファイバに用いられる単峰
型の屈折率プロファイルを示す図である。
【図3】 従来の分散補償光ファイバに用いられるW型
の屈折率プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
31a…中心コア部、31b…中間コア部、31c…リ
ングコア部、32…クラッド、2a…中心コア部の外径
(a…外径の1/2)、2b…リングコア部の内径(b
…内径の1/2)、w…リングコア部の幅、Δd…クラ
ッドと中間コア部との比屈折率差、Δe…クラッドとリ
ングコア部との比屈折率差、Δf…クラッドと中心コア
部との比屈折率差。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 孝至 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 和田 朗 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H050 AC09 AC14 AC15 AC28 AC71 AC73 AC75 AC76

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長1.53〜1.63μmの全範囲に
    おいて、1.3μm用シングルモード光ファイバの波長
    分散を補償可能な分散補償光ファイバであって、 波長1.55μmにおいて、波長分散が−50ps/n
    m/km以下であり、 波長1.53〜1.63μmの全範囲において、以下の
    (A)〜(D)の条件を満足することを特徴とする分散
    補償光ファイバ。 (A)負の分散スロープを有する。 (B)実質的にシングルモード伝搬となるカットオフ波
    長を備えている。 (C)有効コア断面積が20μm2以上である。 (D)補償対象である1.3μm用シングルモード光フ
    ァイバの波長分散を補償したときの線路全体の波長分散
    の絶対値が15ps/nm/km以下である。
  2. 【請求項2】 請求項2に記載の分散補償光ファイバに
    おいて、波長1.53〜1.63μmの全範囲におい
    て、補償対象である1.3μm用シングルモード光ファ
    イバの波長分散を補償したときの線路全体の波長分散の
    絶対値が0.5ps/nm/km以下であることを特徴
    とする分散補償光ファイバ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の分散補償光フ
    ァイバにおいて、波長1.53〜1.63μmの全範囲
    において、曲げ損失が30dB/m以下であることを特
    徴とする分散補償光ファイバ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、コアとその外周上に設けら
    れたクラッドとからなり、 該コアが、前記クラッドよりも高い屈折率を備えた中心
    コア部と、該中心コア部の外周上に設けられ、前記クラ
    ッドよりも低い屈折率を備えた中間コア部と、該中間コ
    ア部の外周上に設けられ、前記クラッドよりも高い屈折
    率を備えたリング状のリングコア部とからなることを特
    徴とする分散補償光ファイバ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の分
    散補償光ファイバにおいて、中心コア部と、該中心コア
    部の外周上に設けられた該中心コア部よりも低い屈折率
    を備えた中間コア部と、該中間コア部の外周上に設けら
    れた該中間コア部よりも高く、かつ前記中心コア部より
    も低い屈折率を備えたリング状のリングコア部と、該リ
    ングコア部の外周上に設けられた該リングコア部よりも
    低く前記中間コア部よりも高い屈折率を備えたクラッド
    とからなることを特徴とする分散補償光ファイバ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の分散補償光フ
    ァイバにおいて、中心コア部の外径を2a、リングコア
    部の内径を2b、リングコア部の幅をw、クラッドと中
    間コア部との比屈折率差をΔd、クラッドとリングコア
    部との比屈折率差をΔe、クラッドと中心コア部と比屈
    折率差をΔfとしたとき、2.5≦b/a≦5.0、
    0.3≦w/a≦1.7、Δdが−0.2〜−0.5
    %、Δeが0.1〜1.3%、Δfが1.5%以下であ
    ることを特徴とする分散補償光ファイバ。
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