JP2001311849A - 低分散光ファイバおよびその低分散光ファイバを用いた光伝送システム - Google Patents

低分散光ファイバおよびその低分散光ファイバを用いた光伝送システム

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JP2001311849A
JP2001311849A JP2001046925A JP2001046925A JP2001311849A JP 2001311849 A JP2001311849 A JP 2001311849A JP 2001046925 A JP2001046925 A JP 2001046925A JP 2001046925 A JP2001046925 A JP 2001046925A JP 2001311849 A JP2001311849 A JP 2001311849A
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optical fiber
side core
dispersion
core
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JP2001046925A
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Inventor
Shinichi Arai
慎一 荒井
Ryuichi Sugizaki
隆一 杉崎
Keiichi Aiso
景一 相曽
Naoto Koyama
直人 小山
Atsushi Terada
淳 寺田
Hisashi Koaizawa
久 小相澤
Katsunori Inoue
克徳 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用波長域における低波長分散化と実効コア
断面積の拡大とを両立できる低分散光ファイバを提供す
る。 【解決手段】 センタコア1の外周側を第1サイドコア
2で覆い、該第1サイドコア2の外周側を第2サイドコ
ア3で覆い、該第2サイドコア3の外周側をクラッド5
で覆い、センタコア1の最大屈折率をn1、第1サイド
コア2の最小屈折率をn2、第2サイドコア3の最大屈
折率をn3、クラッド5の屈折率をncとしたとき、n
1>n3>nc>n2と成す。センタコア1の最大屈折
率、第1サイドコア2の最小屈折率、第2サイドコア3
の最大屈折率のクラッド5に対するそれぞれの比屈折率
差Δ1、Δ2、Δ3を、0.4%≦Δ1≦0.7%、−
0.30%≦Δ2≦−0.05%、0.2%≦Δ3とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば波長1.5
μm帯において波長分割多重光伝送を行なうときに用い
る低分散光ファイバおよびその低分散光ファイバを用い
た光伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の発展により、通信情報量が
飛躍的に増大する傾向にあり、光ファイバ通信における
高速大容量化は、必要かつ、不可欠の課題となってい
る。この高速大容量化へのアプローチとして、Er3+
を添加したエルビウム添加光ファイバ(EDF)などの
希土類添加光ファイバを用いることにより、光信号を光
のまま増幅できる光ファイバアンプタイプの光増幅器が
開発され、この光ファイバアンプタイプの光増幅器の開
発によって信号光の大電力化が急速に発展しつつある。
【0003】また、その一方で、光通信における通信容
量の拡大のために、異なる波長を持つ光信号を1本の光
ファイバで伝送する波長分割多重光伝送方式による通信
の開発が行われており、この波長分割多重光伝送方式を
用いた光通信システム(波長分割多重光伝送システム)
に前記光ファイバアンプタイプの光増幅器を適用するこ
とにより、さらなる通信容量の拡大および長距離伝送の
実現化が期待される。
【0004】前記光ファイバアンプタイプの光増幅器の
代表例として、上記EDFを有するEDFA(エルビウ
ム添加光ファイバ型アンプ)があり、このEDFAを用
い、例えばEDFAの利得帯域である波長1.5μm帯
(波長1520nm〜1620nm)の波長を伝送帯域
として上記波長分割多重光伝送を行なうことが検討され
ている。
【0005】そして、上記波長1.5μm帯のうち、特
に波長1550nm近傍の波長帯(波長1.55μm
帯)を伝送帯域(使用波長域)とした波長分割多重光伝
送用の光ファイバとして、従来、図6の(a)に示すよ
うな階段型の屈折率プロファイルや、同図の(b)に示
すようなW型の屈折率プロファイルを有する光ファイバ
が用いられている。
【0006】階段型屈折率プロファイルの光ファイバ
は、クラッド5より屈折率が大きいセンタコア1の外周
側に、センタコア1よりも屈折率が小さく、かつ、クラ
ッド5よりは屈折率が大きい第1サイドコア2を設けて
形成されている。一方、W型屈折率プロファイルの光フ
ァイバは、クラッド5よりも屈折率が大きいセンタコア
1の外周側に、クラッド5よりも屈折率が小さい第1サ
イドコア2を設けて形成されている。
【0007】上記階段型屈折率プロファイルの光ファイ
バのうち、波長1.55μm近傍に零分散波長を有する
光ファイバは分散シフト光ファイバと呼ばれている。こ
の分散シフト光ファイバは、波長1.55μm帯の中心
波長である波長1.55μm近傍に零分散波長を有して
いることから、波長1.55μm近傍における分散によ
る信号光波形の歪みを抑制できる反面、非線形現象の一
つである4光波混合の発生が顕著となり、発生した4光
波混合光によって信号光の波形に歪みが生じてしまい、
高品質の波長分割多重光伝送を実現することができな
い。
【0008】そこで、上記階段型屈折率プロファイルの
光ファイバのうち、零分散波長を波長1.55μm帯か
らずらした光ファイバも開発されているが、この種の光
ファイバは波長1.55μm帯の分散勾配が大きいこと
が知られており、それゆえ、波長分割多重光伝送での使
用波長域内での波長分散偏差(使用波長域における波長
分散の最大値と最小値との差)を小さくすることが困難
である。したがって、この種の光ファイバを用いた場
合、波長分割多重光伝送用として用いる使用波長域を広
くすることができない。
【0009】一方、前記W型屈折率プロファイルの光フ
ァイバは、上記波長分散偏差が小さいため分散フラット
光ファイバとして機能するが、上記階段型屈折率プロフ
ァイルの光ファイバの実効コア断面積(実効的に光が伝
搬する領域:Aeff)が約45μmであるのに対
し、W型屈折率プロファイルの光ファイバの実効コア断
面積が例えば約30μmであり、実効コア断面積が2
/3程度と小さい。このように、実効コア段面積が小さ
いと、波長分割多重光伝送において、光ファイバ内で生
じる非線形現象により伝送信号が劣化してしまうといっ
た問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、図6の(c)
に示すようなセグメントコア型の屈折率プロファイルを
有する光ファイバにより実効コア断面積を拡大する提案
されている。なお、図6の(c)において、1はセンタ
コア、2は第1サイドコア、3は第2サイドコア、5は
クラッドである。しかしながら、この種の光ファイバ
は、波長1.5μm帯の波長分散勾配が大きく、同波長
域での波長分散偏差が大きいため、この提案の光ファイ
バを波長分割多重伝送に適用した場合、波長分散による
信号光波形劣化が顕著になってしまうといった問題が生
じる。
【0011】また、光ファイバを波長分割多重伝送シス
テムに適用するためには、光ファイバをケーブル化しな
ければならず、そのためには、光ファイバの曲げや側圧
による損失増加を低減できる特性を有するものが求めら
れるので、これらの曲げ特性が良好であることも波長分
割多重伝送用の光ファイバには求められる。しかしなが
ら、上記の如く、高品質な波長分割多重伝送システムを
実現するために必要な実効コア断面積の拡大と波長分散
偏差の低減を両立できる光ファイバは未だ実現されてお
らず、加えて、上記曲げ損失特性も良好な光ファイバを
実現することは困難であった。
【0012】さらに、近年、光増幅器として、ラマン増
幅器が実用化されようとしている。ラマン増幅器は従来
のEDFAと比較して増幅可能な波長帯域が拡大し、例
えば波長1450nm〜1650nmの範囲内の設定波
長帯の光信号を増幅することが可能となるが、この波長
範囲における光ファイバの検討はまだ進んでいない。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、例えば使用波長域におい
て、実効コア断面積の拡大と使用波長域における波長分
散偏差の低減とを両立することができ、しかも、ケーブ
ル化したときの曲げや側圧による損失増加を低減できる
低分散光ファイバおよびその低分散光ファイバを用いた
光伝送システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、低分散光ファイバの第
1の発明は、センタコアの外周側を第1サイドコアで覆
い、該第1サイドコアの外周側を第2サイドコアで覆
い、該第2サイドコアの外周側をクラッドで覆って形成
される分散シフト光ファイバであって、前記センタコア
の最大屈折率をn1、前記第1サイドコアの最小屈折率
をn2、前記第2サイドコアの最大屈折率をn3、前記
クラッドの屈折率をncとしたとき、n1>n3>nc>
n2と成し、前記センタコアの最大屈折率の前記クラッ
ドに対する比屈折率差Δ1が0.4%≦Δ1≦0.7%
であり、前記第1サイドコアの最小屈折率の前記クラッ
ドに対する比屈折率差Δ2が−0.30%≦Δ2≦−
0.05%であり、前記第2サイドコアの最大屈折率の
前記クラッドに対する比屈折率差Δ3が0.2%≦Δ3
と成し、前記センタコアの直径a1と前記第1サイドコ
アの直径a2との比(a1/a2)が0.4以上0.7
以下と成し、前記第2サイドコアの直径a3と前記第1
サイドコアの直径a2との比(a3/a2)が1.6以
下と成している構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0015】また、低分散光ファイバの第2の発明は、
上記第1の発明の構成に加え、第2サイドコアにはSi
の屈折率を上昇させる添加物がドープされており、
該第2サイドコアにドープされている前記添加物の光フ
ァイバ径方向の濃度分布は極大部を有して該極大部の位
置が前記第2サイドコアの径方向中心部よりも第1サイ
ドコア側と成している構成をもって課題を解決する手段
としている。
【0016】さらに、低分散光ファイバの第3の発明
は、上記第2の発明の構成に加え、前記添加物がGeO
である構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】さらに、低分散光ファイバの第4の発明
は、上記第1又は第2又は第3の発明の構成に加え、前
記クラッドと第2サイドコアとの間に前記クラッドより
も屈折率が小さい低屈折率クラッド部が設けられている
構成をもって課題を解決する手段としている。
【0018】さらに、低分散光ファイバの第5の発明
は、上記第1乃至第4のいずれか一つの発明の構成に加
え、波長1450nm〜1650nmの波長域に含まれ
る使用波長域に零分散を有していない構成をもって課題
を解決する手段としている。
【0019】さらに、低分散光ファイバの第6の発明
は、上記第1乃至第5のいずれか一つの発明の構成に加
え、波長1450nm〜1650nmの波長域に含まれ
る任意の30nmの帯域を有する波長域における分散値
の最大値と最小値との偏差が2ps/nm/km以下で
ある構成をもって課題を解決する手段としている。
【0020】さらに、本発明の光伝送システムは、上記
第1乃至第6のいずれか一つの発明の低分散光ファイバ
を含んで構成された光伝送路と、波長1450nm〜1
650nmの波長域における波長分散勾配が負の分散補
償デバイスとを設け、前記波長域における前記光伝送路
の正の波長分散勾配を前記分散補償デバイスによって低
減する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】なお、本明細書において、上記各比屈折率
差Δ1、Δ2、Δ3は、以下の式(1)〜(3)により
定義している。
【0022】 Δ1={(n1−nc)/2nc}×100・・・・・(1)
【0023】 Δ2={(n2−nc)/2nc}×100・・・・・(2)
【0024】 Δ3={(n3−nc)/2nc}×100・・・・・(3)
【0025】上記構成の本発明の低分散光ファイバは、
例えば波長1450nm〜1650nmの範囲内の設定
波長域において、実効コア断面積の拡大と使用波長域に
おける波長分散偏差の低減とを両立することを第1の目
的とし、この第1の目的を達成し、かつ、ケーブル化し
たときの曲げや側圧による損失増加を低減することがで
きるように、屈折率分布および各コア径の比を最適化し
たものである。したがって、本発明の低分散光ファイバ
は、実効コア断面積の拡大と使用波長域における波長分
散偏差の低減とを両立し、しかも、ケーブル化したとき
の曲げや側圧による損失増加を低減することが可能とな
る(なお、具体的な例については後述する)。
【0026】特に、本発明の低分散光ファイバにおい
て、波長1450nm〜1650nmの範囲内の使用波
長域、例えば波長1530nm〜1560nmの波長域
に零分散を有していない構成とすると、この波長域にお
いて例えば波長分割多重光伝送を行なったときに、4光
波混合の発生を抑制できるので非線形現象による波形の
歪みが抑制可能となる。なお、上記使用波長域は、波長
1450nm〜1650nmの範囲内で任意に設定する
ことが可能である。
【0027】さらに、本発明の低分散光ファイバにおい
て、上記波長域における分散値の最大値と最小値との偏
差を2ps/nm/km以下とすると、この波長域にお
いて例えば波長分割多重光伝送を行なったときに、波長
分散による波形の歪みがより確実に抑制可能となる。
【0028】また、本発明の光伝送システムにおいて
は、上記低分散光ファイバを含む光伝送路を構成し、し
かも、この低分散光ファイバを含む光伝送路の波長14
50nm〜1650nmの波長域における正の波長分散
勾配を分散補償デバイスの負の波長分散勾配により低減
することにより、上記波長帯における波長分散勾配を零
に近づけ、波長分散の影響をより一層抑制可能となり、
高品質な波長分割多重伝送可能な光伝送システムを構築
可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。図1には、本発明に係る低分散光フ
ァイバの第1実施形態例の屈折率プロファイル(屈折率
分布構造)が示されている。
【0030】同図に示すように、本実施形態例の低分散
光ファイバは、センタコア1の外周側を第1サイドコア
2で覆い、該第1サイドコア2の外周側を第2サイドコ
ア3で覆い、該第2サイドコア3の外周側をクラッド5
で覆って形成されている。また、前記センタコア1の最
大屈折率をn1、前記第1サイドコア2の最小屈折率を
n2、前記第2サイドコア3の最大屈折率をn3、前記
クラッド5の屈折率をncとしたとき、n1>n3>nc
>n2と成している。
【0031】本実施形態例の最も特徴的なことは、第2
サイドコア3の最大屈折率のクラッド5に対する比屈折
率差Δ3を0.2%以上として、第2サイドコア3の屈
折率の最大値n3をクラッド5の屈折率ncよりも遥か
に大きくしたことである。また、本実施形態例におい
て、前記センタコア1の最大屈折率のクラッド5に対す
る比屈折率差Δ1を0.4%以上0.7%以下(0.4
%≦Δ1≦0.7%)とし、前記第1サイドコア2の最
小屈折率のクラッド5に対する比屈折率差Δ2を−0.
30%以上−0.05%以下(−0.30%≦Δ2≦−
0.05%)としたことも本実施形態例の特徴としてい
る。
【0032】なお、本実施形態例において、前記センタ
コア1の最大屈折率のクラッド5に対する比屈折率差Δ
1を0.42%以上0.62%以下(0.42%≦Δ1
≦0.62%)とし、前記第1サイドコア2の最小屈折
率のクラッド5に対する比屈折率差Δ2を−0.25%
以上−0.05%以下(−0.25%≦Δ2≦−0.0
5%)とすることが望ましい。
【0033】また、本実施形態例において、センタコア
1の直径a1と第1サイドコア2の直径a2との比(a
1/a2)は0.4以上0.7以下、第2サイドコア3
の直径a3と第1サイドコア2の直径a2との比(a3
/a2)は1.6以下と成している。なお、第2サイド
コア3の直径a3と第1サイドコア2の直径a2との比
(a3/a2)は1.5以下であることが望ましい。
【0034】また、本実施形態例の低分散光ファイバに
おいて、光ファイバを形成する組成等は特に限定される
ものではないが、例えば、上記屈折率プロファイルを有
する光ファイバとするために、センタコア1と第2サイ
ドコア3にはGeOをドープし、第1サイドコア2に
はFをドープしている。なお、第2サイドコア3にドー
プされる添加物は、GeOに限らず、SiOの屈折
率を上昇させる添加物、例えばAlなどであって
もよい。
【0035】前記センタコア1にドープされているGe
の光ファイバ径方向の濃度分布は、センタコア1の
中心部に極大部を有しており、また、第2サイドコア3
にドープされているGeOの光ファイバ径方向の濃度
分布も第2サイドコア3の径方向中心部に極大部を有し
ている。なお、センタコア1の中心部以外にGeO
光ファイバ径方向の濃度分布の極大部を有していてもよ
い。
【0036】本実施形態例は、屈折率プロファイルおよ
び、センタコア1と第1サイドコア2と第2サイドコア
3のコア径の比を上記のように特定することにより、実
効コア断面積の拡大と使用波長域における波長分散偏差
の低減とを両立できるようにした。また、本実施形態例
の低分散光ファイバは、使用波長域において、曲げによ
る損失が小さく、ケーブル化した際に良好な特性を得る
ことができるものである。
【0037】本実施形態例の低分散光ファイバは、具体
的には、実効コア断面積を45μm 以上とし、かつ、
波長1530nm〜波長1560nmにおける分散の絶
対値(単位ps/nm/km)を2以上12以下として
使用波長帯に零分散波長を有しないようにし、さらに、
使用波長域における分散勾配を0.05ps/nm
km以下として、使用波長域における分散の最大値と最
小値との差(分散偏差)を2ps/nm/km以下とし
ている。
【0038】なお、本発明者は、上記屈折率プロファイ
ルおよびコア径比を特定するにあたり、様々な光ファイ
バを試作又はシミュレーションし、その特性を求めた。
その結果、前記比屈折率差Δ1が0.4%未満の場合、
実効コア断面積の拡大および波長分散の低勾配化は実現
できるものの、光ファイバの曲げ損失が大きくなる傾向
にあり、ケーブル化したときに良好な特性を維持するこ
とが困難であることが分かった。
【0039】一方、比屈折率差Δ1が0.7%を越える
と、波長分散勾配が大きくなり、波長分散偏差が前記階
段型屈折率プロファイルの光ファイバよりも大きくなっ
たり、実効コア断面積が階段型屈折率プロファイルの光
ファイバ程度になってしまうことが分かった。そこで、
前記の如く、比屈折率差Δ1を0.4%以上0.7%以
下とした。
【0040】なお、比屈折率差Δ1は、上記範囲内で適
宜設定されるものであるが、センタコア1の屈折率プロ
ファイルがα乗プロファイルの場合(屈折率形状が、コ
アの中心部を中心としたy=−xαの曲線形状を呈して
いる場合)、αが大きいときには比屈折率差Δ1を小さ
めにし、αが小さいときには比屈折率差Δ1を大きめに
するとよい。代表的な例として、αが4〜6の場合、比
屈折率差Δ1を0.53%〜0.60%とすることが好
ましい。
【0041】また、比屈折率差Δ2を−0.30%未満
とすると、波長分散勾配が小さくなるものの、実効コア
断面積も小さくなってしまい、比屈折率差Δ2を−0.
05%より大きくすると、実効コア断面積が大きくなる
ものの、波長分散勾配が従来の階段型屈折率プロファイ
ル光ファイバと同程度に大きくなってしまうので、本実
施形態例では、前記の如く、比屈折率差Δ2を、−0.
30%≦Δ2≦−0.05%とした。
【0042】さらに、上記屈折率プロファイルの光ファ
イバにおいて、センタコア1の直径a1と第1サイドコ
ア2の直径a2との比(a1/a2)が小さくなるに従
い、波長1450nm〜1650nmの波長域で低い曲
げ損失を得難くなる傾向があり、また、実効遮断波長が
長波長化して光ファイバをシングルモード動作させるこ
とが難しくなる傾向がある。そして、前記比(a1/a
2)が0.4未満のときには、波長1450nm〜16
50nmの波長域における曲げ損失の増大が顕著にな
り、ケーブルに適さない。
【0043】一方、前記比(a1/a2)が0.7より
大きくなると、波長分散を低分散の値とすることが困難
となり、波長1450nm〜1650nmの波長域にお
ける波長分割多重光伝送に適さなくなる。そこで、本実
施形態例では、前記の如く、前記比(a1/a2)を
0.4以上0.7以下とした。
【0044】また、第2サイドコア3の径が大きくな
り、第2サイドコア3の直径a3と第1サイドコア2の
直径a2との比(a3/a2)が1.6を越えると、実
効遮断波長が長波長化してしまいシングルモード動作し
なくなってしまうことから、本実施形態例では、前記比
(a3/a2)は1.6以下とした。
【0045】本実施形態例は、上記検討に基づいて低分
散光ファイバの屈折率プロファイルおよびコア径比を特
定したものであるから、実効コア断面積の拡大と使用波
長域における波長分散偏差の低減とを両立し、かつ、4
光波混合の発生を抑制し、さらに、使用波長帯におい
て、曲げによる損失が小さく、ケーブル化した際に良好
な特性を得ることができる。
【0046】例えば、表1には、本実施形態例の具体例
として、実施例1〜実施例9における比屈折率差Δ1、
Δ2、Δ3および、前記コア径の比(a1/a2)、
(a2/a3)と、コア径(a3)、各実施例1〜9の
特性が示されている。なお、表2には、本実施形態例の
比較例の特性が示されている。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】なお、表1、2において、波長分散と分散
勾配と実効コア断面積(Aeff)、曲げ損失の各値
は、いずれも波長1550nmにおける値である。ま
た、表1には示していないが、実施例1〜9のいずれの
光ファイバも、実効遮断波長が波長1450nm〜16
50nmの範囲内の使用波長域よりも短波長側となって
おり、シングルモード動作可能と成している。
【0050】特に、実施例8、9では、曲げ損失が1d
B/m以下となり、ケーブル化したときの曲げや側圧に
よる損失増加だけでなく、微小な曲げによる損失の増加
を低減することができる。
【0051】また、表2において、比較例1は、図6の
(b)に示したW型屈折率プロファイルの光ファイバ、
比較例2は同図の(a)に示した階段型屈折率プロファ
イルの光ファイバをそれぞれ示している。表2において
も、比屈折率差Δ1は、上記実施形態例と同様にして求
めたものであり、比屈折率差Δ2は、比較例1について
は上記実施形態例と同様にして求めた。なお、比較例2
について、比屈折率差Δ2は第1サイドコア2の最大屈
折率のクラッド5に対する比屈折率差を示すものとし、
第1サイドコア2の最大屈折率をn2、クラッド5の屈
折率をncとして前記式(2)より求めた。
【0052】表1、2に示す特性を比較すると明らかな
ように、実施例1〜9のいずれにおいても、実効コア断
面積は比較例1、2よりも大きく、分散勾配は比較例
1、2よりも小さい。このように、本実施形態例では、
実効コア断面積の拡大と使用波長域における波長分散偏
差の低減とを両立し、さらに、使用波長域において、光
ファイバに20φの曲げを与えたときの曲げによる損失
が20dB/m以下で小さく、ケーブル化した際に良好
な特性を得られることが確認できた。
【0053】次に、本発明に係る低分散光ファイバの第
2実施形態例について説明する。本第2実施形態例の低
分散光ファイバの屈折率プロファイルは、図2の(a)
に示すものであり、本第2実施形態例は上記第1実施形
態例とほぼ同様に構成されている。本第2実施形態例が
上記第1実施形態例と異なる特徴的なことは、第2サイ
ドコア3の屈折率が最大値となる屈折率極大部を第2サ
イドコア3の径方向中心部よりも第1サイドコア2側に
形成したことである。なお、屈折率極大部は、できる限
り第1サイドコア2側にあることが好ましい。
【0054】本第2実施形態例では、上記屈折率プロフ
ァイルを達成するために、第2サイドコア3にドープさ
れているSiOの屈折率を上昇させる添加物としての
GeOの光ファイバ径方向濃度分布の極大部の位置が
前記第2サイドコア3の径方向中心部よりも第1サイド
コア2側としている。
【0055】本第2実施形態例は以上のように構成され
ており、本第2実施形態例は、上記屈折率プロファイル
を有することから、実効遮断波長を短波長化する効果を
奏することができ、確実に使用波長域全域でシングルモ
ード動作できる光ファイバとすることができる。
【0056】例えば、表3には、本第2実施形態例の具
体例としての実施例10の構成および特性が示されてお
り、また、表3には、実施例10とほぼ同様の構成で、
図2の(b)に示すように、第2サイドコア3にドープ
するGeOの濃度分布を光ファイバ径方向にほぼ均一
とした試作例1の構成および特性が示されている。
【0057】
【表3】
【0058】さらに、表4には、実施例10と異なるパ
ラメータを有する光ファイバについて、第2サイドコア
3にドープされているGeOの光ファイバ径方向濃度
分布の極大部の位置を第1サイドコア2側にした実施例
としての実施例11および実施例12の構成および特性
が示されている。なお、表4においては、GeOの光
ファイバ径方向濃度分布の極大部の位置を、第1サイド
コア2側を0、クラッド5側を1として示している。
【0059】また、表4には、実施例11および実施例
12とほぼ同様のパラメータを有し、第2サイドコア3
にドープされているGeOの光ファイバ径方向濃度分
布の極大部の位置をクラッド5側にして試作した試作例
である試作例2および試作例3の構成および特性が示さ
れている。
【0060】
【表4】
【0061】これらの表から明らかなように、第2サイ
ドコア3にドープするGeOの濃度分布の違いによっ
て実効遮断波長が大きく異なっている。
【0062】ここで、表4の例では、曲げ損失を約1d
B/mとした場合の諸特性の変化を示しており、第2サ
イドコア3の屈折率極大部を第2サイドコア3の径方向
中心部よりも第1サイドコア2側とすることにより、例
えば分散値および分散勾配がわずかに増大する傾向があ
るが、分散値および分散勾配の値は第2サイドコア3の
屈折率極大部を移動させる以外の手法で調整が可能であ
る。たとえば、センタコア1または第1サイドコア2の
屈折率などを変化させればよい。
【0063】好ましくは、第2サイドコア3の屈折率極
大部の位置を第2サイドコアの幅の1/3よりも第1サ
イドコア側になるようにすると、分散値や分散勾配の調
整効果がある。また、このようにすると、製造性や製造
時のばらつきの観点からも良好であった。
【0064】本発明者は、上記比屈折率差Δ1、Δ2、
Δ3および、センタコア1の直径a1と第1サイドコア
2の直径a2との比(a1/a2)、第2サイドコア3
の直径a3と第1サイドコア2の直径a2との比(a3
/a2)を、上記第1実施形態例で特定した範囲内で設
定することにより、実効コア断面積をより一層拡大し、
かつ、使用波長域における波長分散偏差を低減しようと
したときに、設定値によっては(例えば試作例1のよう
に)実効遮断波長が長波長側になってしまう場合もある
ことを知った。
【0065】すなわち、一般に、光ファイバに第2サイ
ドコア3を設けることにより実効コア断面積Aeff
大きくしようとすると、カットオフ波長が長波長側に移
動する。そして、例えば表3の試作例1のように波長1
450nm〜1650nmの範囲内の使用波長域でシン
グルモード動作しないような光ファイバとなってしまう
場合がある。
【0066】そこで、本発明者は、実効遮断波長を短波
長側にしてシングルモード動作可能とするために、様々
な検討を行ない、本第2実施形態例のように第2サイド
コア3の屈折率分布を例えば図2の(a)に示すような
分布にすると、実施例10、実施例11、実施例12の
ように、実効遮断波長を短波長側にして、実効コア断面
積の拡大と使用波長域における波長分散偏差の低減をよ
り一層高レベルに実現することができることを見出し
た。
【0067】すなわち、図2(a)および表3、表4に
示した実施例10、実施例11、実施例12のように、
第2サイドコア3の屈折率極大部を第2サイドコア3の
径方向中心部よりも第1サイドコア2側とすることによ
り、カットオフ波長を短波長側に移動させ、波長145
0nm〜1650nmの範囲内の使用波長域でシングル
モード動作する光ファイバとすることが可能となる。
【0068】この理由を、本発明者は以下のように考察
している。すなわち、光ファイバの伝搬モードのうち、
LPOm(m=2、3・・・)あるいはLP11モード
は光ファイバ径方向の広い範囲に電界分布を有するもの
であるため、第2サイドコア3の屈折率極大部を第2サ
イドコア3の径方向中心部よりも第1サイドコア2側と
することにより、光ファイバを伝搬する光のLPO1
ードへの影響を小さくとどめながら、上記LPOmモー
ドやLP11モードへの光が伝搬しないようにして、シ
ングルモード動作できるようになる。
【0069】本第2実施形態例は、この検討に基づいて
上記の如く構成を特定したものであるから、表3、表4
に示したように、上記優れた効果を奏することができ
る。
【0070】次に、本発明に係る低分散光ファイバの第
3実施形態例について説明する。本第3実施形態例の低
分散光ファイバの屈折率プロファイルは、図3に示すも
のであり、本第3実施形態例が上記第1実施形態例と異
なる特徴的なことは、クラッド5と第2サイドコア3と
の間にクラッド5よりも屈折率が小さい低屈折率クラッ
ド部4が設けられていることである。
【0071】本実施形態例は以上のように構成されてお
り、本第3実施形態例の構成を特定するにあたり、本発
明者は上記第2実施形態例の構成を特定する際の検討と
同様の検討を行なった。本第3実施形態例の構成はこの
検討に基づいて特定したものであり、本第3実施形態例
も上記第2実施形態例と同様の効果を奏することができ
る。
【0072】例えば、表5には、本第3実施形態例の具
体例としての実施例13の構成および特性と、該実施例
13とほぼ同様の構成で低屈折率クラッド部4を省略し
て形成した試作例4の構成および特性が示されており、
この表から明らかなように、クラッド5と第2サイドコ
ア3との間に低屈折率クラッド部4を設けることによ
り、実効遮断波長を短波長側にすることができる。
【0073】
【表5】
【0074】次に、本発明に係る光伝送システムの一実
施形態例について説明する。本実施形態例の光伝送シス
テムは、上記第1又は第2又は第3実施形態例の低分散
光ファイバを含んで構成された光伝送路と、波長145
0nm〜1650nmの波長域における波長分散勾配が
負の分散補償デバイスとを有し、上記低分散光ファイバ
を含んで構成された光伝送路の正の波長分散勾配を前記
分散補償デバイスによって低減する構成としたことを特
徴としている。
【0075】一例として、表1に示した構成および特性
を有する実施例7の低分散光ファイバと、負の分散と負
の波長分散勾配を有する分散補償デバイスとを接続して
光伝送システムを構築した。
【0076】なお、上記分散補償デバイスは、図5の
(a)に示すような屈折率プロファイルを有し、センタ
コア1の外周側を第1サイドコア2で覆い、該第1サイ
ドコア2の外周側を第2サイドコア3で覆い、該第2サ
イドコア3の外周側をクラッド5で覆って形成された分
散補償光ファイバである。
【0077】この分散補償光ファイバは、上記第1実施
形態例の低分散光ファイバと同様に、前記センタコア1
の最大屈折率をn1、前記第1サイドコア2の最小屈折
率をn2、前記第2サイドコア3の最大屈折率をn3、
前記クラッド5の屈折率をncとしたとき、n1>n3>
nc>n2と成しているが、前記比屈折率差Δ1、Δ
2、Δ3の各値が上記低分散光ファイバと異なり、例え
ばΔ1が約2.85%、Δ2が約−1%、Δ3が約1.
28%と成している。また、コア径比a1/a2/a3
が1/3/3.7程度である。
【0078】また、上記分散補償デバイスは、同図の
(b)に示すように、波長1450nm〜1650nm
の波長域における分散特性が負の分散(例えば波長15
50nmにおいて、約−150ps/nm/km以下)
と負の波長分散勾配(約−2.18ps/nm/k
m)を有しており、かつ、これらの絶対値が共に大き
い。そこで、上記光伝送システムにおいて、実施例7の
低分散光ファイバ7の長さと上記分散補償デバイスの長
さの比を98対2とした。
【0079】この光伝送システムの波長1530nm〜
1600nmの波長域における分散特性が図4の特性線
aに示されている。また、同図の特性線bには、上記実
施例7の低分散光ファイバ7の波長1530nm〜16
00nmの波長域における分散特性が示されている。
【0080】同図から明らかなように、低分散光ファイ
バ7に、例えば図5の(b)に示したような、負の波長
分散勾配を有する分散補償デバイスを接続して光伝送シ
ステムを構築すると、光伝送システム全体における使用
波長域(この場合波長1450nm〜1650nmの範
囲内の波長域)の分散偏差をより一層低減できる。
【0081】また、この光伝送システムに適用する分散
補償デバイスは、上記のように負の波長分散勾配の絶対
値が大きいデバイスとすると、上記のように、デバイス
の長さを短くすることができ、分散特性以外の、非線形
特性等に影響を及ぼす割合を小さくし、上記各実施形態
例の低分散光ファイバの良好な特性を持つ、高品質の波
長分割多重光伝送可能な光伝送システムとすることがで
きる。
【0082】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、
本発明の光伝送システムは、上記各実施形態例の低分散
光ファイバを含んで構成された光伝送路と、使用波長域
の波長分散勾配が負の分散補償デバイスとを組み合わせ
て使用波長域における分散偏差を小さくするものである
から、上記各実施形態例の低分散光ファイバに他の光フ
ァイバ、例えば使用波長域においてシングルモード動作
可能な光ファイバを接続した光伝送路を構成してもよ
い。
【0083】また、適用する分散補償デバイスの構成は
特に限定されるものではなく、適宜設定されるものであ
る。ただし、分散補償デバイスを上記のように分散補償
光ファイバにより形成すると、デバイスの形成および低
分散光ファイバを含んで構成された光伝送路との接続等
を行ないやすい。
【0084】また、低分散光ファイバの上記各実施形態
例では、センタコア1と第2サイドコア3にGeO
ドープし、第1サイドコア2にFをドープしたが、第1
サイドコア2にGeOとFをドープし、これらのドー
プ量を調整することにより、図1から図3に示すような
屈折率プロファイルとしてもよいし、その他の組成とし
てもよく、低分散光ファイバの組成は様々に設定される
ものである。
【0085】さらに、低分散光ファイバの上記各実施形
態例では、1530nm〜1560nmの波長域におい
て零分散を有さない構成としたが、波長1450nm〜
1650nmの波長域に含まれる使用波長域に零分散を
有さない構成とすると、使用波長域において波長分割多
重伝送を行なったときの4光波混合の発生を抑制できる
ために、より広帯域の波長分割多重伝送に適した低分散
光ファイバとすることができる。
【0086】
【発明の効果】本発明の低分散光ファイバによれば、実
効コア断面積の拡大と使用波長域における波長分散偏差
の低減とを両立することを第1の目的とし、この第1の
目的を達成し、かつ、ケーブル化したときの曲げや側圧
による損失増加を低減することができるように、屈折率
プロファイルおよび各コア径の比を最適化したものであ
るから、実効コア断面積の拡大と使用波長域における波
長分散偏差の低減とを両立し、しかも、ケーブル化した
ときの曲げや側圧による損失増加を低減することができ
る。
【0087】また、本発明の低分散光ファイバにおい
て、第2サイドコアにはSiOの屈折率を上昇させる
添加物がドープされており、該第2サイドコアにドープ
されている前記添加物の光ファイバ径方向の濃度分布は
極大部を有して該極大部の位置が前記第2サイドコアの
径方向中心部よりも第1サイドコア側と成している構成
のものや、クラッドと第2サイドコアとの間に前記クラ
ッドよりも屈折率が小さい低屈折率クラッド部が設けら
れている構成のものにおいては、実効遮断波長を短波長
化することが可能である。
【0088】そのため、この構成によれば、実効コア断
面積のより一層の拡大と使用波長域における波長分散偏
差のより一層の低減を図り、かつ、シングルモード動作
可能な優れた低分散光ファイバとすることができる。
【0089】さらに、、第2サイドコアにはSiO
屈折率を上昇させる添加物がドープされており、該第2
サイドコアにドープされている前記添加物の光ファイバ
径方向の濃度分布は極大部を有して該極大部の位置が前
記第2サイドコアの径方向中心部よりも第1サイドコア
側と成している構成において、前記添加物をGeO
すると、従来の光ファイバ製造技術を生かして上記光フ
ァイバを容易に形成することができる。
【0090】さらに、本発明の低分散光ファイバにおい
て、波長1520nm〜1620nmの波長域に零分散
を有していない構成のものによれば、上記いずれかの波
長域において例えば波長分割多重光伝送を行なったとき
に、その波長域における4光波混合の発生を抑制し、非
線形現象による波形の歪みを抑制できる。
【0091】さらに、波長1450nm〜1650nm
の波長域に含まれる任意の30nmの帯域を有する波長
域における分散値の最大値と最小値との偏差を2ps/
nm/km以下とした構成のものによれば、この波長域
において例えば波長分割多重光伝送を行なったときに、
波長分散による波形の歪みをより確実に抑制できる。
【0092】さらに、本発明の光伝送システムにおいて
は、上記低分散光ファイバを含む光伝送路を用い、しか
も、この低分散光ファイバを含む光伝送路の波長145
0nm〜1650nmの波長域における正の波長分散勾
配を分散補償デバイスの負の波長分散勾配により低減す
ることにより、上記波長帯における波長分散勾配を零に
近づけ、波長分散の影響をより一層抑制できるために、
高品質な波長分割多重伝送可能な光伝送システムを構築
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低分散光ファイバの第1実施形態
例の光ファイバ径方向に対する屈折率分布(横断面上の
屈折率分布)を示す要部構成図である。
【図2】本発明に係る低分散光ファイバの第2実施形態
例の光ファイバ径方向に対する屈折率分布(a)と第2
実施形態例の比較のために試作した光ファイバの光ファ
イバ径方向に対する屈折率分布(b)を示す要部構成図
である。
【図3】本発明に係る低分散光ファイバの第3実施形態
例の光ファイバ径方向に対する屈折率分布を示す要部構
成図である。
【図4】本発明に係る低分散光ファイバを用いた光伝送
システムの一実施形態例の分散特性を、この光伝送シス
テムに適用した低分散光ファイバの分散特性と共に示す
グラフである。
【図5】上記光伝送システムの一実施形態例に適用した
分散補償デバイスの屈折率分布を示す説明図(a)と分
散特性を示すグラフ(b)である。
【図6】従来波長分割多重光伝送用として提案されてい
る光ファイバの光ファイバ径方向に対する屈折率分布
(横断面上の屈折率分布)を示す説明図である。
【符号の説明】
1 センタコア 2 第1サイドコア 3 第2サイドコア 4 低屈折率クラッド部 5 クラッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相曽 景一 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 小山 直人 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 寺田 淳 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 小相澤 久 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 井上 克徳 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H050 AB03Y AB05X AB07X AB10X AC15 AC28 AC38 AC73 AC76 AC81 AD01 5K002 CA01 DA02 FA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センタコアの外周側を第1サイドコアで
    覆い、該第1サイドコアの外周側を第2サイドコアで覆
    い、該第2サイドコアの外周側をクラッドで覆って形成
    される分散シフト光ファイバであって、前記センタコア
    の最大屈折率をn1、前記第1サイドコアの最小屈折率
    をn2、前記第2サイドコアの最大屈折率をn3、前記
    クラッドの屈折率をncとしたとき、n1>n3>nc>
    n2と成し、前記センタコアの最大屈折率の前記クラッ
    ドに対する比屈折率差Δ1が0.4%≦Δ1≦0.7%
    であり、前記第1サイドコアの最小屈折率の前記クラッ
    ドに対する比屈折率差Δ2が−0.30%≦Δ2≦−
    0.05%であり、前記第2サイドコアの最大屈折率の
    前記クラッドに対する比屈折率差Δ3が0.2%≦Δ3
    と成し、前記センタコアの直径a1と前記第1サイドコ
    アの直径a2との比(a1/a2)が0.4以上0.7
    以下と成し、前記第2サイドコアの直径a3と前記第1
    サイドコアの直径a2との比(a3/a2)が1.6以
    下と成していることを特徴とする低分散光ファイバ。
  2. 【請求項2】 第2サイドコアにはSiOの屈折率を
    上昇させる添加物がドープされており、該第2サイドコ
    アにドープされている前記添加物の光ファイバ径方向の
    濃度分布は極大部を有して該極大部の位置が前記第2サ
    イドコアの径方向中心部よりも第1サイドコア側と成し
    ていることを特徴とする請求項1記載の低分散光ファイ
    バ。
  3. 【請求項3】 添加物はGeOであることを特徴とす
    る請求項2記載の低分散光ファイバ。
  4. 【請求項4】 クラッドと第2サイドコアとの間に前記
    クラッドよりも屈折率が小さい低屈折率クラッド部が設
    けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又
    は請求項3記載の低分散光ファイバ。
  5. 【請求項5】 波長1450nm〜1650nmの波長
    域に含まれる使用波長域に零分散を有していないことを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載
    の低分散光ファイバ。
  6. 【請求項6】 波長1450nm〜1650nmの波長
    域に含まれる任意の30nmの帯域を有する波長域にお
    ける分散値の最大値と最小値との偏差が2ps/nm/
    km以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれか一つに記載の低分散光ファイバ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに
    記載の低分散光ファイバを含んで構成された光伝送路
    と、波長1450nm〜1650nmの波長域における
    波長分散勾配が負の分散補償デバイスとを設け、前記波
    長域における前記光伝送路の正の波長分散勾配を前記分
    散補償デバイスによって低減する構成としたことを特徴
    とする低分散光ファイバを用いた光伝送システム。
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