JP3785062B2 - 温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法 - Google Patents

温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ状の温度検出素子を収納する温度センサ用保護管のレーザパルス溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置では、パターンの微細化やウエハの大型化に伴いきわめて高精度な温度制御が求められてきている。現在一般的に使用されている温度センサは、Pt抵抗温度センサで、その抵抗値は100Ω程度である。このため、高精度に温度を計測しようとすると、回路技術の限界(高速サンプリングやAD分解能や小型化などの限界)から、Pt線に1〜2mAの測定電流を流す必要がある。その場合、温度センサは、高速応答性を高めるために小型化された形状であるので、制御温度範囲よりも大きな温度上昇が生じる。すなわち、半導体などの温度制御範囲は±0.01℃であるが、形状によってはPt抵抗温度センサの温度上昇(測定電流による発熱)は0.1℃にもなり、制御温度範囲の10倍以上にもなっている場合がある。そうした場合、制御対象の気体の流れが一定であれば、一定の温度上昇のままであるため、制御性に問題は起きないが、気体の流れは微視的に見れば、常に変動しているために、Pt抵抗温度センサの温度上昇は、常に変動していることになり(流速により熱放散が変わるため)、真の対象温度を測定できていないことになる。例えば、他の条件が何も変動していないで気体の流れが10%だけ変われば、検出温度は温度上昇0.1℃の10%(約0.01℃)変動し、その温度を真の温度として制御することになる。それ故、高精度な制御ができず、半導体製造装置においては抵抗値が大きくて温度上昇が少なく、より高精度に温度測定することができる温度センサが要望されてきている。
【0003】
温度センサの抵抗値が高くなると、同じ温度を検出するために必要な測定電流は少なくてすむ。温度センサの測定電流による温度上昇は、電流の2乗に比例するので小さくなる。すなわち、抵抗値が1kΩになると、測定電流は、Pt100Ωの場合の1/10、つまり0.1〜0.2mAになり、温度上昇は1/10になるので、0.01℃の温度上昇になる。この場合、流れが変動しても制御温度以内の変動になり、高精度の制御が可能となる。
【0004】
現在のPt抵抗温度センサは、極細のPt線をガラス管に巻回してPt抵抗温度センサ素子を製作しているために、小型で高抵抗値な素子を製作することはできない。例えば、1kΩの抵抗値を製作するには10倍の長さのPt線を巻回することになり、素子自体が大型化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように従来のPt抵抗温度センサは、巻き線タイプで抵抗値が低いため、以下に述べるような問題があった。
【0006】
▲1▼ Pt線の抵抗値は通常100Ω程度と低いため、微小な温度変化を測定する場合は大きな測定電流を供給する必要がある。しかし、この場合は必然的に自己発熱による熱的影響が大きくなるため、高精度な測定ができなくなる。
【0007】
例えば、抵抗値が100Ωの抵抗体を用いた場合、温度が1℃変化したときに抵抗値が約0.4Ω変化し、その時の電流を1mAとすると、信号電圧は0.4mVとなる。したがって、このときの消費電力は10-4W(W=RI2 =100×10-3 ×10-3 )となり、直径が1.5〜2mmの保護管であると、約0.1〜0.2m℃温度上昇する。それ故、このような温度センサを半導体製造装置に用いて10m℃の温度制御を行おうとすると、センサ自体の発熱量(消費電力)が大きく、制御を乱してしまう。したがって、上記した大口径のウエハにパターン幅約0.1μm程度のパターンをフォトエッチングによって形成する場合は、センサ自体の発熱により温度センサの温度がずれたり温度制御の邪魔をすることにより十分な制御ができなくなる。
【0008】
▲2▼ Pt線と、これを収納する保護管との絶縁を図るために絶縁チューブを用いているため、保護管の外径が一層大きくなり、温度変化に対して感度(レスポンス)が低い。
【0009】
そこで、本発明者らは上記した問題▲1▼,▲2▼について鋭意検討し、種々のセンサを製作して実験を行った結果、Pt線の代わりにNi等の金属箔抵抗体を用いると、半導体のリソグラフィ技術によって抵抗パターンを微細化することができるため、高抵抗で消費電力を少なくすることができ、上記▲1▼の問題を完全に解決することができた。
【0010】
また、金属箔抵抗体を基板に設け、この基板を保護管に挿入すればガラス管と絶縁チューブを必要としないため、保護管を肉厚が0.05mm程度で直径1.4mm以下に小径化することができ、温度変化に対するレスポンスが速い温度センサが得られ、上記▲2▼の問題を解決することができた。この場合、保護管は、温度検出素子を収納する先端部側が小径(1mm程度)で、リード線が挿入される基端部側が大径の薄肉異径管となる。
【0011】
薄肉異径管の製作方法としては、
(1)絞り加工によって異径管を製作する方法
(2)絞り加工によって外径が異なり肉厚が等しい2種類のパイプを製作し、これらをロー付けまたは連続レーザ溶接によって接合して異径の保護管とする方法の2通りが考えられる。
【0012】
しかしながら、(1)の絞り加工によって異径の保護管を一気に製作する方法は、肉厚が不均一になり、温度変化に対するレスポンスにばらつきが生じるため採用できない。例えば、直径が1.4mm程度で、肉厚が薄くて長い細管を絞り加工によって製作することは、非常に難しい。
【0013】
(2)の製作方法によれば肉厚が均一な異径保護管が得られる。ただし、小径パイプと大径パイプをロー付けによって接合すると、接合温度が低いため肉厚の薄保護管が溶けることはないが、高純度な水を使用する半導体製造装置の温度測定に用いた場合、ロー材中に含まれている不純物が溶けだして半導体の製造に悪影響を及ぼすため採用できない。
【0014】
連続レーザ溶接の場合は、レーザ光を連続的に照射して溶接すると、加熱温度が高くなり過ぎて穴が明く等の溶接不良が発生するため好ましくない。すなわち、連続レーザ溶接は、重ね合わされた2つの部材の接合部が溶融して両者が融合することが必要である。保護管の溶接箇所にレーザ光を連続的に照射すると、溶接初期は保護管の温度が低いので、ある程度大きなエネルギを必要とするが、次第に保護管の温度が上昇するため初期のレーザエネルギでは大きくなり過ぎ、溶接箇所が溶け過ぎて穴が明いてしまう。特に、保護管が細管で肉厚が薄い場合は熱の放散が不十分で熱が溜まり易く、急速に温度上昇して溶けてしまうものである。また、溶接箇所を加熱溶融すると、垂れ下がって固化するため、溶接部の内径が溶接前の内径より大幅に小径化し、内部に挿入しようとする部品が挿入できなくなるおそれがある。さらに、溶接時の溶け方や固まり方が異なるため、保護管が曲がってしまうこともあった。
【0015】
そこで、パルスレーザ溶接方法を採用し、パルスレーザ光を溶接箇所に照射して加熱溶融し、1ショットの溶接が終了すると当該溶接箇所を十分に冷却して固化させた後、次の溶接箇所をレーザ照射すると、1ショット毎の溶接条件が略一定となるため、保護管が溶融し過ぎて穴が明いたりすることがなく良好に溶接することができた。また、溶接箇所の小径化については、保護管内部にピンを予め挿入しておき、この状態でパルスレーザ溶接すると、溶けた部分の垂れ下がりをピンが阻止するため、溶接部の小径化、さらには保護管の曲がりを良好に防止することができた。
【0016】
本発明は上記した従来の問題、検討結果および実験結果に基づいてなされたもので、その目的とするところは、溶接箇所に穴が明いたり内径が小さくなるなどの溶接不良が発生せず、良好に溶接することができるようにした温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために第1の発明は、温度検出素子を収納した温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法であって、前記保護管が前記温度検出素子を収納する小径パイプと、この小径パイプが溶接される大径パイプとからなり、前記大径パイプは内部において前記温度検出素子の回路と外部リード線とが接続され、一端に前記小径パイプが嵌挿される筒状のボス部を有し、このボス部の肉厚を前記小径パイプより厚くし、該ボス部の溶接箇所をパルスレーザ光の照射によって加熱溶融し、1ショット毎に溶接が終了すると、当該溶接部を一定時間冷却して固化させるとともに、次の溶接箇所の一部が前記溶接箇所と周方向に重なるように保護管を所要角度回動させてパルスレーザ溶接を繰り返し行うことにより、前記ボス部を全周にわたって前記小径パイプに溶接するものである。
第1の発明においては、パルスレーザ溶接が終了すると、当該溶接部は十分に冷却されて固化する。しかる後、次のパルスレーザ溶接が行われる。すなわち、1ショット毎に溶接箇所を冷却、固化させる。したがって、温度上昇を抑えることができ、肉厚の薄い保護管であっても溶け過ぎて穴が明くことがない。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明において、熱伝導性のよい材料からなり、小径パイプの内径と略等しい外径を有するピンを前記小径パイプ内に差し込んで前記小径パイプと大径パイプとの溶接部に位置させ、この状態でパルスレーザ溶接を行うものである。
第2の発明において、ピンは溶接部の熱を放熱し、温度上昇を抑える。また、溶接箇所が溶けて保護管の内部側に膨出したり、保護管が曲がるのを防止する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るパルスレーザ溶接方法によって溶接された保護管を備えた温度センサの一実施の形態を示す断面図、図2は保護管の断面図、図3は温度検出素子の平面図、図4は保護管の溶接部の顕微鏡写真、図5は同溶接部の理解を容易にするための平面図、図6は同溶接部を断面した顕微鏡写真、図7は同溶接部の理解を容易にするための断面図である。先ず、温度センサ1の構成についてその概略を説明すると、この温度センサ1は、素子ユニット2と、この素子ユニット2を収納する金属製パイプ3とからなり、4線式の温度センサを構成している。
【0020】
前記素子ユニット2は、フレキシブルプリント基板5の先端部に取付けられた温度検出素子4と、この温度検出素子4を前記フレキシブルプリント基板5とともに収納する細長い保護管6とからなり、前記フレキシブルプリント基板5が外部リード線7にハーメチック部品8を介して電気的に接続されている。
【0021】
前記温度検出素子4は、アルミナ等のセラミック基板10と、このセラミック基板10の表面に接着剤によって接合されたNi箔抵抗体11とで構成されている。セラミック基板10は、幅が0.7〜1mm、長さが8〜10mm、厚さが0.4mm程度の薄くて細長いシート状に形成されている。
【0022】
前記Ni箔抵抗体11は、図3に示すように抵抗パターンがセラミック基板10の長手方向に蛇行するように形成され、かつセラミック基板10の先端側で折り返えされることにより、往路パターン11Aと復路パターン11Bが半ピッチずれて互いに非接触状態で噛み合うように形成されており、各端部にそれぞれ2つずつ合計4つのパッド部13(13a〜13d)を有している。また、Ni箔抵抗体11は、厚さが約3μm、幅が約10μm、抵抗値が約1,000Ωで、表面全体が絶縁膜によって覆われている。14はトリミング用の抵抗パターンで、例えば1Ω、2Ω、3Ω等の抵抗値が異なるものが数種類形成されている。この抵抗パターン14は、Ni箔抵抗体11をエッチングによって所定のパターンに形成した時点ではNi箔抵抗体11に全て電気的に接続されており、抵抗値の調整時に適宜切り離される。すなわち、Ni箔抵抗体11の抵抗値が例えば995Ωとすると、所望の抵抗値1,000Ωより抵抗値が5Ω小さいため、1Ωの抵抗パターン1つと、2Ωの抵抗パターン2つを切り離し、1,000ΩのNi箔抵抗体11とする。なお、実際のトリミングはもっと細かな値で調整される。
【0023】
前記フレキシブルプリント基板5は、ポリイミド等によって細長い帯状に形成されることにより、前記セラミック基板10と略同一の幅を有し、表面に4本の回路パターン16が平行に形成され、その一端側が前記ハーメチック部品8を介して前記外部リード線7にそれぞれ接続され、他端側に前記Ni抵抗体11の各パッド部13がバンプ接合されている。4本の回路パターン16のうち、例えば両側2本が前記Ni箔抵抗体11に電流を供給する電流線として用いられ、内側2本がNi箔抵抗体11に通電したときの電圧を検出する信号検出線として用いられる。このようなフレキシブルプリント基板5は、前記ハーメチック部品8とともに保護管6に挿入され、前記温度検出素子4を保護管6の先端部内壁面に押し付けている。
【0024】
前記外部リード線7は4本(図1においては2本のみ示す)からなり、そのうちの2本が電流線用、残り2本が信号検出線用で、一端が前記ハーメチック部品8の端子(リード線)20に半田21によってそれぞれ接続され、他端が前記回路パターン16に同じく半田によってそれぞれ接続されている。22は外部リード線7を保護するステンレス編線である。
【0025】
前記ハーメチック部品8は、4本からなる前記端子20と、両端開放の筒状に形成されたコバール等の金属製リング23と、この金属製リング23内に前記端子20を封着する封着用ガラス24とからなり、前記保護管6の開口部を気密に封止している。各端子20と前記リード線7、回路パターン16との半田接続部は、それぞれ合成樹脂25によって封止されている。また、各端子20には合成樹脂26がポッティングされている。
【0026】
前記保護管6は、SUS304、SUS316等からなる2本の異径パイプ、すなわち小径パイプ6Aおよび大径パイプ6Bを軸線を互いに一致させて溶接することにより製作されており、内部にアルゴン、窒素、乾燥空気等の不活性ガスまたはオイルが封止されている。
【0027】
前記小径パイプ6Aは、先端側が閉塞し、基端側が開放する真っ直ぐなパイプからなり、外径が1.0〜1.4mm、肉厚が0.05mm、長さが20〜30mm程度で、内部に前記温度検出素子4とフレキシブルプリント基板5が組み込まれている。このような小径パイプ6Aは、パイプ素材の絞り加工によって容易に製作することが可能である。
【0028】
前記大径パイプ6Bは、両端開放のパイプからなり、前記金属製パイプ3に嵌挿されるもので、外径が3.0mm、長さが7〜8mm程度で、前端面中央には小径パイプ6Aとの接続部を形成する筒状のボス部30が一体に突設されている。ボス部30は、外径が1.2〜1.8mm、肉厚が0.1〜0.2mm程度で、大径パイプ6Bと同一の肉厚を有している。このような大径パイプ6Bは、前記小径パイプ6Aと同様にパイプ素材の絞り加工によって容易に製作することが可能である。
【0029】
前記金属製パイプ3は、SUS316等によって形成された両端開放のパイプからなり、外径が4.0mm、内径が3.0mm、長さが30〜50mm程度で、両端開口部に前記大径パイプ6Bと外部リード線7のステンレス編線22が嵌挿され、また内部には合成樹脂(熱硬化性樹脂)31が充填されている。
【0030】
次に、本発明による保護管6の溶接方法について説明する。
小径パイプ6Aの基端部は、大径パイプ6Bのボス部30に前方から嵌挿され、レーザ溶接機によってパルスレーザ溶接される。図5において、41は1ショット毎の溶接箇所(特に、溶けて固まった跡を指すときはナゲット部という)である。保護管6の溶接部Aは、ボス部30の先端部と、この先端部に対応する小径パイプ6Aの外周部である。溶接に当たっては、レーザ光源よりパルスレーザ光PLを図5に示すようにボス部30の先端部に照射して溶接箇所41と小径パイプ6Aを加熱溶融して溶接する。なお、レーザ光の照射時は、酸化を防止するためにアルゴン等のイナートガスを吹き付けている(溶接の直前、最中、直後の冷却まで)。
【0031】
パルスレーザ光PLは、小径パイプ6Aの外径が1.0mmでボス部30の外径が1.4mmの場合、パルス幅6ms、エネルギ1.8J、スポット径0.3〜0.5mm程度である。小径パイプ6Aの外径が1.0mmでボス部30の外径が1.25mmの場合は、パルス幅6ms、エネルギ1.0J、スポット径0.3〜0.5mm程度である。1ショットの溶接が終了すると、当該溶接箇所41を一定時間(T=2〜3秒)冷却して完全に固化させると、保護管6を軸線周りに約10〜20度回転させて次の溶接箇所にパルスレーザ光PLを照射する。そして、このようなパルスレーザ溶接を繰り返し行うことにより、前記ボス部30先端部を全周にわたって前記小径パイプ6Aに溶接する。
【0032】
溶接箇所41が冷えて固まったことの確認は、パルスレーザ光PLの断続時間(T)で管理する。溶接箇所41の冷却は、自然冷却または強制冷却のいずれであってもよい。隣り合うナゲット部41のラップ率は、保護管6の回転角度によっても異なるが30〜70%程度で、望ましくは約50%である。
【0033】
上記溶接条件によって小径パイプ6Aと大径パイプ6Bのボス部30をパルスレーザ溶接すると、肉厚が薄い小径パイプ6Aに穴が明くことがなく良好に溶接することができる。ただし、小径パイプ6Aの溶接箇所も加熱されて内周面まで溶融するため、ナゲット部41が小径パイプ6Aの内部側に膨出して固化する。このため、小径パイプ6Aの内径は、溶接部Aにおいて図5に示すように小さくなり膨出部42ができる。例えば、外径1.0mm、内径0.9mmの小径パイプ5Aをパルスレーザ溶接した場合、内径が0.76mmに縮小した。しかし、内径が縮小しても、この小径部の内径が小径パイプ6A内に挿入される前記温度センサ素子4とフレキシブルプリント基板5の幅より大きい場合は何ら問題ないので、温度センサ1の保護管6として使用することができる。
【0034】
図8は、本発明の他のパルスレーザ溶接方法を示す図である。図9はパルスレーザ溶接した溶接部の顕微鏡写真、図10は同溶接部の理解を容易にするための断面図である。
このパルスレーザ溶接方法は、小径パイプ6Aの内径と略等しい外径を有するピン50を前記小径パイプ6Aに差し込んで前記小径パイプ6Aとボス部30との溶接部Aに位置させ、この状態でパルスレーザ光PLを照射してボス部30の先端部と小径パイプ6Aを加熱溶融して溶接するものである。
【0035】
パルスレーザ光PLの照射条件、断続時間T、保護管6の回転角度は上記したパルスレーザ溶接方法と全く同じである。すなわち、1ショットの溶接が終了すると、当該溶接箇所を一定時間冷却して完全に固化させると、保護管6を軸線周りに約10〜20度回転させて次の溶接箇所41にパルスレーザ光PLを照射する。そして、このようなパルスレーザ溶接を繰り返し行うことにより、前記ボス部30先端部を全周にわたって前記小径パイプ6Aに溶接する。溶接が終了すると前記ピン50を前記小径パイプ6Aから抜き取る。ピン50は、溶接部Aの熱を放散させるために銅、銅合金等の熱伝導率の大きな材料によって中空または中実に形成される。
【0036】
図10から明らかなように、ピン50を用いてパルスレーザ溶接を行うと、加熱溶融された金属が小径パイプ6Aの内部側に膨出して固化するのをピン50が阻止するので、小径パイプ6Aの溶接箇所が小径化することがなく、良好に溶接することができる。また、ピン50は、ナゲット部41の膨出阻止機能に加えて、溶接部Aの熱を放散するヒートシンクとしての機能をも有し、ナゲット部41の冷却、固化時間を短縮させることができる。さらに、溶接箇所41の溶け方や固まり方の違いによって小径パイプ6Aが曲がるのを防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法は、肉厚が0.05mm程度のきわめて薄い細管であっても溶け過ぎて穴が明いたりすることがなく、良好に溶接することができる。したがって、特に高精度な温度制御が要求される半導体製造装置などの温度測定に用いて好適な温度センサを提供することができる。
また、ピンを小径パイプ内に挿入してパルスレーザ溶接を行うと、溶けた金属が垂れ下がってパイプ内に膨出、固化するのを防止できるため、溶接部の内径が小径化することがなく、良好な溶接品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るパルスレーザ溶接方法によって溶接された保護管を備えた温度センサの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 保護管の断面図である。
【図3】 温度検出素子の平面図である。
【図4】 保護管の溶接部の顕微鏡写真である。
【図5】 同溶接部の理解を容易にするための平面図である。
【図6】 同溶接部を断面した顕微鏡写真である。
【図7】 同溶接部の理解を容易にするための断面図である。
【図8】 本発明の他のパルスレーザ溶接方法を示す断面図である。
【図9】 溶接部を断面した顕微鏡写真である。
【図10】 同溶接部の理解を容易にするための断面図である。
【符号の説明】
1…Ni箔抵抗体温度センサ、2…素子ユニット、3…金属製パイプ、4…温度検出素子、5…フレキシブルプリント基板、6…保護管、6A…小径パイプ、6B…大径パイプ、7…外部リード線、10…セラミック基板、11…Ni箔抵抗体、30…ボス部、41…溶接箇所、50…ピン、A…溶接部。

Claims (2)

  1. 温度検出素子を収納した温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法であって、
    前記保護管が前記温度検出素子を収納する小径パイプと、この小径パイプが溶接される大径パイプとからなり、
    前記大径パイプは内部において前記温度検出素子の回路と外部リード線とが接続され、一端に前記小径パイプが嵌挿される筒状のボス部を有し、このボス部の肉厚を前記小径パイプより厚くし、該ボス部の溶接箇所をパルスレーザ光の照射によって加熱溶融し、1ショット毎に溶接が終了すると、当該溶接部を一定時間冷却して固化させるとともに、次の溶接箇所の一部が前記溶接箇所と周方向に重なるように保護管を所要角度回動させてパルスレーザ溶接を繰り返し行うことにより、前記ボス部を全周にわたって前記小径パイプに溶接することを特徴とする温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法。
  2. 請求項1記載の温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法において、
    熱伝導性のよい材料からなり小径パイプの内径と略等しい外径を有するピンを前記小径パイプ内に差し込んで前記小径パイプと大径パイプとの溶接部に位置させ、この状態でパルスレーザ溶接を行うことを特徴とする温度センサ用保護管のパルスレーザ溶接方法。
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