JP3784385B2 - 玩具銃 - Google Patents

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本願の特許請求の範囲に記載された発明は、装弾室に装填された弾丸を、トリガー部の操作に連動するピストン部の移動によって圧縮される気体の気体圧によって発射させる、気体圧を利用した玩具銃に関する。
遊戯銃の一種に、精密射撃に用いられる射撃競技用の実銃を模したものがある。このような遊戯銃は、実銃の世界とは切り離された遊戯銃の世界における精密射撃に用いられることが多く、それゆえ、他の各種の遊戯銃に比して極めて高い命中精度が要求される。
精密射撃に用いられることが多いとは言えども、射撃競技用の実銃を模した遊戯銃(以下、精密射撃用玩具銃という。)も、弾丸の発射原理は、他の各種の遊戯銃の場合と同様であって、装弾室に装填したプラスチック製の中空の弾丸(通常、BB弾と呼ばれる。)を、それに圧縮エアーもしくはエアー以外のガスを作用させて、そのエアー圧もしくはガス圧によってBB弾を発射させるものとされる。圧縮エアーを利用してBB弾の発射を行う精密射撃用玩具銃の具体的構造としては、例えば、バレル部の後端部分に設けられた装弾室の後方に圧力室を形成する圧力室形成部が前後動可能に配されて、その圧力室形成部の一部が、スプリングによって前方側へと付勢されて前後方向に移動可能なピストン部によって構成されるものとされ、圧力室形成部の前後動によってのBB弾の装弾室への装填が行われ、その後、トリガー部が引かれると、それに応じてピストン部がスプリングの付勢力によって装弾室に近接すべく前方に移動せしめられ、それにより圧力室内のエアーが圧縮されて、装弾室に装填されたBB弾に圧縮エアーによるエアー圧が作用するようにされたものが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
非特許文献1に見られる具体的構造を有した精密射撃用玩具銃にあっては、コイルスプリングによって付勢されたピストン部を内蔵して圧力室形成部を構成し、前端部にノズルが設けられたボルトと称される可動部材と、トリガー部に係合するもとで圧力室形成部の一部を成すピストン部の位置を規制する位置規制状態を選択的にとり、トリガー部の操作により位置規制状態から解放されるシアーと称される可動係合部材とが備えられる。そして、可動部材が、それに設けられたハンドルが操作されて後退せしめられ、また、それに続いて前進せしめられることにより、バレルの後端部分に設けられたラバーチャンバーと称される装弾室に対して離隔あるいは近接せしめられる。可動部材の前端部を形成するノズルは、可動部材が前進するとき、弾倉(マガジン)からのBB弾を装弾室へと搬送するとともに、可動部材内に形成される圧力室と装弾室とを連通させる。
可動部材がこのように前進して前進位置をとるとき、ピストン部は、可動係合部材による位置規制を受けて、コイルスプリングによる付勢力に抗して可動部材内における後方位置に静止するものとされ、可動部材内における圧力室が大なる容積を有するものとされる。斯かるもとで、トリガー部が引かれる操作が行われると、それに連動して可動係合部材によるピストン部に対する位置規制が解除され、ピストン部がコイルスプリングの付勢力によって可動部材内を前進して、可動部材内における圧力室の容積を急激に縮小させる。それにより、可動部材内における圧力室内のエアーが圧縮され、装弾室に装填されたBB弾に圧縮エアーによるエアー圧が作用して、BB弾を装弾室から発射させる。
斯かる非特許文献1に見られるような具体的構造を有した精密射撃用玩具銃は、装弾室に装填されたBB弾がそれに作用する気体圧によって発射される毎に、ハンドル操作による可動部材の後退とそれに続く前進とが行われて、可動部材に内蔵されたピストン部が可動係合部材による位置規制を受けて可動部材内における後方位置に置かれるとともに、BB弾が装弾室に装填される。
このような精密射撃用玩具銃において、可動部材に内蔵されたピストン部を可動部材内に形成される圧力室の容量を急激に縮小させるべく前進させるコイルスプリングの付勢力は、比較的大なるものとされる。それに伴い、ピストン部をコイルスプリングによる付勢力に抗して可動部材内における後方位置に静止させるべく位置規制する可動係合部材には、ピストン部を介して、コイルスプリングの比較的大とされる付勢力が作用する。従って、可動係合部材に係合し、引かれる操作が行われるとき、可動係合部材にピストン部に対する位置規制を解除させるトリガー部には、コイルスプリングによる付勢力が可動係合部材を介して荷重として作用し、トリガー部を引く操作に比較的大なる操作力が要されることになる。
トリガー部を引く操作に要される操作力が大とされることは、トリガー部を引く操作に伴う銃全体の動揺が増大されることにつながり、その結果、発射されるBB弾についての命中精度の低下がきたされることになってしまう。このことは、高い命中精度が要求される精密射撃用玩具銃にあっては、大きな問題である。
こうしたもとで、発射されるBB弾についての命中精度を向上させるべく、トリガー部を引く操作に要される操作力を軽減することができるものとして、トリガー部に係合するもとで、ピストン部をコイルスプリングによる付勢力に抗して位置規制する位置規制状態を選択的にとるとともに、トリガー部の操作に連動してピストン部に対する位置規制を解除するものとされた、例えば、図11に示される如くの連動機構が提案されている。
図11に示される連動機構は、軸1を支軸とする回動が可能とされ、後端部をトリガー部2に当接させる第1の回動部材4と、軸5を支軸とする回動が可能とされ、下端部を第1の回動部材4の前端部に当接させるとともに、上端部をピストン部9の後端部に設けられた環状フランジ部9Aに当接させて、ピストン部9を、それに作用するコイルスプリング10の比較的大なる付勢力に抗して静止する位置に規制する、位置規制状態を選択的にとる第2の回動部材11とを含んで構成される。トリガー部2は、それに対する引く操作が行われるとき、軸15を支軸として、図11において反時計回りに回動する。そして、トリガー部2に対して、それに図11において実線により示される位置をとらせるべく付勢力を作用させる、コイルスプリング20が設けられるとともに、第1の回動部材4に対して、それに図11において実線により示される位置をとらせるべく付勢力を作用させる、コイルスプリング21が設けられている。
トリガー部2が、それを引く操作が行われて、図11において実線により示される位置から一点鎖線により示される位置へと変位せしめられるとき、第1の回動部材4は、軸1を支軸として、図11において反時計回りに回動せしめられる。それにより、図11において実線により示される位置から一点鎖線により示される位置へと変位せしめられ、第1の回動部材4の前端部が、第2の回動部材11の下端部から下方に離隔して、第1の回動部材4と第2の回動部材11とが相互係合状態から解放される。それにより、第2の回動部材11によるピストン部9に対する位置規制が解除され、ピストン部9は、それに作用するコイルスプリング10の付勢力により、第2の回動部材11に軸5を支軸とする図12において反時計回りの回動を行わせて前進する。
斯かるもとで、ピストン部9をコイルスプリング10の付勢力に抗して静止する位置に規制する位置規制状態をとる第2の回動部材11は、ピストン部9を介して伝達されるコイルスプリング10の付勢力によって、軸5を支軸とした図11において反時計回りの回動を生じる方向に付勢されており、その回動が第1の回動部材4によって阻止されている状態にある。このとき、第1の回動部材4の前端部は、第2の回動部材11の下端部による軸1に向かう方向の押圧力を受けている。そして、トリガー部2は、それを引く操作が行われるとき、第1の回動部材4に、軸1を支軸とする図11において反時計回りの回動を生じさせ、それにより、その前端部を、第2の回動部材11の下端部による押圧力の方向とは交差する方向である下方に移動させて、第2の回動部材11の下端部との係合から解放し、第2の回動部材11の軸5を支軸とした回動を許容する状態をとらせることになる。その結果、トリガー部2を引く操作に要される操作力が、ピストン部をそれに対するコイルスプリングの付勢力に抗して静止する位置に規制する位置規制状態をとる部材がトリガー部に直接的に係合する場合における、トリガー部を引く操作に要される操作力に比して、軽減されることになる。
「月刊アームズ・マガジン」 発行所:株式会社ホビージャパン 1994年5月号、p56ー57
上述の図11に示されるような連動機構を備えた精密射撃用玩具銃においては、トリガー部2を引く操作に要される操作力が、例えば、前述の非特許文献1に見られるような具体的構造を有した精密射撃用玩具銃におけるトリガー部を引く操作に要される操作力に比して、軽減されることになる。しかしながら、図11に示されるような連動機構を備えた精密射撃用玩具銃の場合、ピストン部9をコイルスプリング10の付勢力に抗して静止する位置に規制する位置規制状態をとる第2の回動部材11の下端部が、第1の回動部材4の前端部に軸1に向かう方向の押圧力を加えるが、その際、第2の回動部材11の下端部と第1の回動部材4の前端部とは平面接触による相互係合状態にあり、相互接触する第2の回動部材11の下端部及び第1の回動部材4の前端部の夫々における平面は、第2の回動部材11の下端部が第1の回動部材4の前端部に加える押圧力に略直交することになる。
それゆえ、トリガー部2が、それを引く操作が行われることにより、第1の回動部材4に、軸1を支軸とする図11において反時計回りの回動を生じさせ、それにより、その前端部を第2の回動部材11の下端部から離隔させる際において、相互接触する第2の回動部材11の下端部及び第1の回動部材4の前端部の夫々における平面間における摩擦力は、相当に大なるものとされる。そして、トリガー部2は、このような相互接触する第2の回動部材11の下端部及び第1の回動部材4の前端部の夫々における平面間における大なる摩擦力に打ち勝って、第1の回動部材4に軸1を支軸とする図11において反時計回りの回動を生じさせることになる。従って、図11に示されるような連動機構を備えた精密射撃用玩具銃の場合であっても、トリガー部2を引く操作に要される操作力が十分に低減されることになるとは言い難い。
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、装弾室と圧力室を形成する圧力室形成部とが配されて、圧力室形成部の一部が付勢手段によって付勢されたピストン部によって構成され、弾丸の装弾室への装填が行われた後トリガー部が操作されると、それに応じてピストン部が付勢手段の付勢力によって移動せしめられ、それにより圧力室形成部によって形成される圧力室内の気体による気体圧が装弾室に装填された弾丸に作用するものとなるようにされたもとで、暴発等の不所望な事態がまねかれる虞れなく、トリガー部の操作に要される操作力が十分に低減されることになる玩具銃を提供する。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃は、装弾室に装填された弾丸に気体圧を作用させる圧力室を形成する圧力室形成部の一部を成すピストン部と、ピストン部を付勢する付勢手段と、ピストン部を付勢手段の付勢力に抗して静止する位置に維持する規制状態を選択的にとる位置規制部材と、規制状態をとる位置規制部材をその規制状態から解放すべく操作されるトリガー部と、トリガー部及び位置規制部材に係合し、トリガー部の操作に連動して位置規制部材を変位させる連動機構部とを備え、連動機構部が、規制状態をとる位置規制部材を介して加えられる付勢手段の付勢力を、位置が固定されたローラ部材とローラ部材に当接する傾斜面部とによって方向分散し、方向分散分散された付勢力に基づく力をトリガー部に荷重として作用させるものとされて、構成される。
特に、本願の特許請求の範囲における請求項3に記載された発明に係る玩具銃は、連動機構部が、位置規制部材に連結されるとともに傾斜面部が形成されて位置規制部材に連結された可動連結部材と、その可動連結部材とトリガー部との両者に係合する可動係合部材とを含んで構成されるものとされる。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃にあっては、ピストン部を付勢手段の付勢力に抗して静止する位置に維持する規制状態を選択的にとる位置規制部材と規制状態をとる位置規制部材をその規制状態から解放すべく操作されるトリガー部との両者に係合し、トリガー部の操作に連動して位置規制部材を変位させる連動機構部が、規制状態をとる位置規制部材を介して加えられる付勢手段の付勢力を、位置が固定されたローラ部材とローラ部材に当接する傾斜面部とによって方向分散し、方向分散された付勢力に基づく、例えば、それをさらに方向分散して得られる力を、トリガー部に荷重として作用させるものとされる。それにより、位置規制部材がピストン部を付勢手段の付勢力に抗して静止する位置に維持する規制状態をとるもとにおいてトリガー部に作用する荷重が、方向分散された付勢力に基づく力とされるので、位置規制部材をその規制状態から解放するためのトリガー部の操作が、著しく低減された操作力をもって行えるものとされる。
しかも、このような位置規制部材がピストン部を付勢手段の付勢力に抗して静止する位置に維持する規制状態をとるもとにおいてトリガー部に作用する荷重が、方向分散された付勢力に基づく力とされる状態は、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項3に記載された発明に係る玩具銃が備える、傾斜面部が形成されて位置規制部材に連結された可動連結部材とその可動連結部材とトリガー部との両者に係合する可動係合部材とを含んで構成される連動機構部のような、確実な動作を行う構成によってとられるので、例えば、暴発等の不都合がまねかれる虞はない。
従って、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃によれば、装弾室と圧力室を形成する圧力室形成部とが配されて、圧力室形成部の一部が付勢手段によって付勢されたピストン部によって構成され、弾丸の装弾室への装填が行われた後トリガー部が操作されると、それに応じてピストン部が付勢手段の付勢力によって移動せしめられ、それにより圧力室形成部によって形成される圧力室内の気体による気体圧が装弾室に装填された弾丸に作用するものとなるようにされたもとで、例えば、暴発等の不所望な事態をまねく虞れなく、トリガー部の操作に要される操作力を十分に低減できることになる。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明は、装弾室に装填された弾丸に気体圧を作用させる圧力室を形成する圧力室形成部の一部を成すピストン部に対する位置規制部材とトリガー部との両者に係合し、トリガー部の操作に連動して位置規制部材を変位させる連動機構部が、トリガー部を引く操作に要される操作力を低減させる玩具銃に係るものであるが、その実施にあたっての最良の形態は、以下に述べられる実施例をもって説明される。
図2及び図3は、本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃の一例(玩具銃40)の外観を示す。
図2及び図3に示される玩具銃40にあっては、バレル部41の後方に可動部材42が備えられるとともに、可動部材42の下方にトリガー部44が備えられたものとされている。可動部材42は、その後端部分42Aに設けられたハンドル部45を利用しての操作により、バレル部41に沿う方向に移動させることができるものとされている。さらに、玩具銃40には、グリップ部46より後方に延びるショルダーストック48が備えられるとともに、図示が省略されたスコープを取り付けるためのスコープ取付部49が備えられている。
バレル部41は、図4に示されるように、アウターバレル41Aとインナーバレル41Bとを有して構成され、インナーバレル41Bの後端部に装弾室50が設けられたものとされている。装弾室50は、インナーバレル41Bに係合する環状部材50Aによって形成されている。
図4に示されるように、トリガー部44は、軸54を支軸として回動し得るものとされており、上方部分には、上方に向けて突出する突起部44Aが設けられている。さらに、トリガー部44における上方部分には、前方(バレル部41の先端部である銃口に向かう方向)に伸びる可動突出部55とその可動突出部55に付勢力を作用させるコイルスプリング56とが配されている。可動突出部55は、コイルスプリング56の付勢力により、その先端部分をトリガー部44から外部に突出させている。斯かるトリガー部44は、図4に示される位置が、操作開始位置とされており、その下方部分をグリップ部46に近接させる方向に引く操作により、操作開始位置から回動せしめられる。
可動部材42は、その前端部分にノズル部60が設けられており、ノズル部60の後方に環状部61が配されている。そして、可動部材42内には、前端部分がノズル部60と環状部61とにより形成された圧力室63が設けられており、この圧力室63は、ノズル部60と環状部61とを貫通する通路状空間を通じて、可動部材42の外部に連通している。
このような可動部材42は、ノズル部60の先端部分を、装弾室50を形成する環状部材50Aに係合させた、図4に示される位置が基準位置とされている。可動部材42のそれに設けられたハンドル部45を利用しての操作によるバレル部41に沿う方向の移動は、装弾室50から離隔する後退あるいは装弾室50に近接する前進とされる。そして、基準位置をとる可動部材42が装弾室50から離隔せしめられることにより、図5に示されるように、圧力室63が装弾室50から切り離され、一方、装弾室50から離隔した位置をとる可動部材42が装弾室50に近接せしめられて基準位置に復帰することにより、図4に示されるような、圧力室63が、ノズル部60及び環状部61を貫通する通路状空間を通じて、装弾室50に連通せしめられる。
可動部材42内の圧力室63の後端部分は、可動部材42に内蔵されてバレル部41に沿う方向に伸びるものとされた、ピストン部67によって形成されている。ピストン部67は、可動部材42内において前後に、即ち、ノズル部60及び環状部61に近接する方向及びノズル部60及び環状部61から離隔する方向に移動可能とされており、ピストン部67の先端部には、可動部材42に配された環状部61に係合する状態をとる突出部67Aが設けられている。
ピストン部67には、ガイド部材68に巻装されたコイルスプリング69が係合しており、コイルスプリング69は、ピストン部67をノズル部60及び環状部61に近接する方向に付勢する付勢手段を構成している。ガイド部材68は、可動部材42内において、例えば、玩具銃40のフレーム部に固定配置されている。
このようなもとで、可動部材42内の圧力室63は、可動部材42の一部,ノズル部60及び環状部61及びピストン部67によって形成されている。即ち、可動部材42の一部,ノズル部60及び環状部61及びピストン部67は、圧力室63を形成する圧力室形成部を構成しているのであり、ピストン部67は圧力室形成部の一部を成している。
ピストン部67は、図4に示されるように、位置規制部材70による位置規制を受けて、コイルスプリング69の付勢力に抗して静止する位置に維持される状態をとる。このように、ピストン部67が、位置規制部材70による位置規制のもとにとる、装弾室50から後方への離隔距離が大とされた位置が、ピストン部67の基準位置とされる。
玩具銃40におけるトリガー部44より前方となる部分には、内部に弾倉75が設けられたケース76が、弾倉75に設けられた弾丸排出口75Aを装弾室50の近傍に位置させるものとして、着脱可能に装着されている。弾倉75内には、それに装填されたBB弾77に対し、弾丸排出口75Aに向かわせる方向の付勢力を作用させるコイルスプリング78が配されている。
装弾室50の近傍に位置する弾丸排出口75Aは、図4に示される如く、可動部材42が基準位置をとるときには、その可動部材42のノズル部60によって閉塞され、また、基準位置をとる可動部材42がハンドル部45を利用した操作により、図5に示される如くに装弾室50から後退せしめられることにより開状態にされる。弾丸排出口75Aが開状態にされると、コイルスプリング78の付勢力により、弾丸排出口75AからBB弾77が1つ押し出される。弾丸排出口75Aから押し出されたBB弾77は、ケース76における弾丸排出口75Aの近傍に設けられた係止部により係止される。
そして、玩具銃40にケース76が装着されたもとでの、空の状態にある装弾室50への弾倉75からのBB弾77の供給は、ハンドル部45を利用した操作による、基準位置をとる可動部材42の装弾室50からの後退と、その後の可動部材42の基準位置に復帰する前進とによって行われる。即ち、基準位置をとる可動部材42が一旦装弾室50から後退して、弾倉75の弾丸排出口75Aが開状態とされ、それにより弾丸排出口75AからBB弾77が押し出されて係止されたもとで、装弾室50から離隔せしめられた可動部材42が前進して基準位置に戻るとき、弾丸排出口75Aから押し出されて係止されたBB弾77が、ノズル部60により装弾室50へと搬送され、可動部材42の基準位置への到達に伴って装弾室50に装填される。このようにして装弾室50に装填されたBB弾77は、装弾室50を形成する環状部材50Aとノズル部60の先端部とによって、位置決めされる。
ピストン部67をコイルスプリング69の付勢力に抗して静止する位置に維持し、ピストン部67に基準位置をとらせる規制状態を選択的にとる位置規制部材70は、トリガー部44に係合する連動機構部79に係合したものとされている。連動機構部79は、図1に明瞭に示される如く、軸74を介して位置規制部材70に連結されて移動可能とされた可動連結部材80,軸81を支軸とする揺動が可能とされて、可動連結部材80とトリガー部44との両者に係合する可動係合部材82、及び、位置規制部材70に対して設けられたコイルスプリング83及び可動当接部材84をを含んで構成されている。軸74は玩具銃40のフレーフ部からは切り離されているが、軸81は玩具銃40のフレーフ部に立設されている。このようにして、連動機構部79は、可動係合部材82がトリガー部44に係合し、可動連結部材80が軸74を介して位置規制部材70に連結されたものとされることによって、トリガー部44及び位置規制部材70の両者に係合しているのである。
位置規制部材70は、軸74が貫通する平板状部分70Aと、その平板状部分70Aより厚みが大とされた突出板状部分70Bとを有し、平板状部分70Aにおける軸74より下方となる部位には、係合ピン85が設けられている。この位置規制部材70は、図1に示される位置を基準回動位置としており、その基準回動位置において、突出板状部分70Bを、ピストン部67の後端部を成す環状フランジ部67Bにその前方側から当接させて、ピストン部67を基準位置に維持する規制状態をとる。位置規制部材70の平板状部分70Aに設けられた係合ピン85には、コイルスプリング83によって付勢された可動当接部材84が当接している。
連動機構部79を構成する可動連結部材80は、軸86が貫通する長孔80Aが設けられた部分と長孔80Aより後方に位置して軸74が貫通する部分とを含む前方部分、及び、前方部分にその後方へと連なり、上方に向けて開口する凹部を形成する凹部形成部80Bと凹部形成部80Bから後上方に傾斜して伸びる傾斜面部80Cとが設けられた後方部分を有しており、後端部には、傾斜面部80Cとは別の係合傾斜面部80Dが設けられている。そして、可動連結部材80は、その全体が、位置規制部材70を伴っての移動、及び、位置規制部材70との相対的回動を行うことができるものとされている。
可動連結部材80に設けられた傾斜面部80Cは、玩具銃40のフレーム部に回転可能に取り付けられたローラ部材90にその後方側から当接しており、また、可動連結部材80における後端部には、係合傾斜面部80Dによる傾斜段部が形成されている。このような可動連結部材80は、それに設けられた長孔80Aとそれに係合する軸86とにより移動範囲が規制されるもとで、傾斜面部80Cがローラ部材90に当接する状態が維持されるように移動するものとされ、図1に示される位置を基準位置としている。
そして、可動連結部材80が基準位置をとるとともに位置規制部材70が基準回動位置をとるもとにおいては、可動連結部材80は、その長孔80Aが設けられた部分を、位置規制部材70の突出板状部分70Bにその前方側から当接させ、さらに、凹部形成部80Bが設けられた部分を、位置規制部材70の平板状部分70Aにその後方側から当接させる状態におかれる。
連動機構部79を構成する可動係合部材82は、軸81が貫通する第1の部分82Aと、その第1の部分82Aから伸びる第2の部分82Bとを有している。可動係合部材82の第1の部分82Aは、可動連結部材80の係合傾斜面部80Dが形成する傾斜段部に対応する傾斜面部82aが設けられた上方端部と、軸81の周囲とされる下方端部とを有しており、軸81を支軸として揺動可能とされている。そして、この第1の部分82Aには、トリガー部44から先端部分を突出させた可動突出部55が当接しており、それにより、可動係合部材82が可動突出部55を介してトリガー部44に係合していることになる。また、可動係合部材82の第2の部分82Bには、トリガー部44に設けられた突起部44Aに対応する形状を有した係止部82bが設けられている。
このような第1の部分82A及び第2の部分82Bを有した可動係合部材82は、第1の部分82Aに当接する可動突出部55を介して作用するコイルスプリング56の付勢力により、その全体が、第1の部分82Aの上方端部を可動連結部材80の後端部に近接させる方向に押圧されている。
そして、トリガー部44が操作開始位置にあるとき、可動係合部材82は、その第2の部分82Bに設けられた係止部82bを、操作開始位置をとるトリガー部44に設けられた突起部44Aにその前方側から当接させるとともに、第1の部分82Aにおける上方端部を、基準位置をとる可動連結部材80の係合傾斜段部80Dが形成する傾斜段部にその後方側から当接させて、トリガー部44と可動連結部材80との両者を位置規制する。それにより、可動係合部材82は、トリガー部44に、確実に操作開始位置を維持させるとともに、基準位置に位置規制された可動連結部材80に位置規制部材70に対する位置規制を行わせて、位置規制部材70に、ピストン部67に基準位置をとらせる基準回動位置を維持させる。
ピストン部67は、その基準位置をコイルスプリング69の付勢力に抗して静止することによりとるものとされ、それにより、ピストン部67を基準位置に規制する位置規制部材70に当接する可動連結部材80には、位置規制部材70を介して、ピストン部67に作用するコイルスプリング69の付勢力が荷重として加えられることになる。
このような位置規制部材70と可動連結部材80及び可動係合部材82を含んで構成される連動機構部79とを備えた玩具銃40にあっては、図1及び図4に示される如く、ハンドル部45を利用した操作により、可動部材42が、空の状態にある装弾室50から離隔する後退及びそれに続く装弾室50に近接する前進を行って、弾倉75からのBB弾77を装弾室50に装填し、圧力室63を装弾室50に連通させる基準位置に復帰するものとされるとともに、連動機構部79によって位置規制部材70がピストン部67に基準位置をとらせるものとされたもとで、装弾室50に装填されたBB弾77を発射させるべくトリガー部44が引かれる操作が行われる。
トリガー部44が引かれると、トリガー部44は、軸54を支軸として操作開始位置から図1における反時計回りに回動する。このトリガー部44の軸54を支軸とする回動は、トリガー部44に設けられた突起部44Aによって、可動係合部材82を可動連結部材80に押しつける状態をもって開始される。そして、斯かるトリガー部44の回動は、図6に示される如く、トリガー部44に設けられた突起部44Aが可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bから外れることになる状態を生じる。
それによりトリガー部44に設けられた突起部44Aと第2の部分82Bに設けられた係止部82bとの相互当接状態から解放された可動係合部材82は、その第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dが及ぼす荷重が加えられることにより、図7に示されるように、軸81を支軸として図7における時計回りに回動する。斯かる軸81を支軸とする可動係合部材82の回動により、可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aが、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dから離隔し、それにより可動連結部材80が可動係合部材82による位置規制状態から解放される。
斯かる際に、可動連結部材80を可動係合部材82による位置規制状態から解放するため、トリガー部44に設けられた突起部44Aが可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bから外れることになる状態を生じさせるべくトリガー部44を引く操作に要される操作力は、以下に述べられる理由によって低減された比較的小なるものとされる。
トリガー部44に設けられた突起部44Aが可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bから外れることになる状態を生じさせるべくトリガー部44を引く操作には、可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bによりトリガー部44に設けられた突起部44Aに加えられる荷重、即ち、可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに加えられる、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dが及ぼす力に基づく荷重、に打ち勝つ操作力が要される。
可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに加えられる、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dが及ぼす力は、その根源が、位置規制部材70によって基準位置に位置規制されたピストン部67に作用するコイルスプリング69の付勢力である。そして、このピストン部67に作用するコイルスプリング69の付勢力が、ピストン部67からそれに係合した位置規制部材70に伝えられ、さらに、位置規制部材70から可動連結部材80へと伝えられる。
位置規制部材70及び可動連結部材80に伝えられるコイルスプリング69の付勢力は、位置規制部材70及び可動連結部材80を、コイルスプリング83の付勢力に抗して前方側に移動させようとする力となる。そして、位置規制部材70及び可動連結部材80に伝えられたコイルスプリング69の付勢力は、可動連結部材80に設けられた傾斜面部80Cをローラ部材90に押し付けることになり、それによって、可動連結部材80に設けられた傾斜面部80Cにおいて、前方に向かう方向と下方に向かう方向とに方向分散された力とされる。
可動連結部材80に設けられた傾斜面部80Cにおいて前方に向かう方向と下方に向かう方向とに方向分散された力のうちの下方に向かう方向の力が、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dを通じてそれに当接する可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに伝えられる。その際、可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに伝えられる力は、上述の下方に向かう方向の力が、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dにおいて、係合傾斜面部80Dに平行な方向と係合傾斜面部80Dに直交する方向とに方向分散されて得られる、係合傾斜面部80Dに直交する方向の力とされる。即ち、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dにおいて得られる係合傾斜面部80Dに直交する方向の力が、可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに加えられる、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dが及ぼす力とされるのである。
そして、さらに、可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aに加えられる、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dが及ぼす力が、傾斜面部82aにおいて後方に向かう方向と下方に向かう方向とに方向分散され、それにより得られる後方に向かう方向の力が、可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bによりトリガー部44に設けられた突起部44Aに加えられる荷重とされるのである。
従って、可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bによりトリガー部44に設けられた突起部44Aに加えられる荷重は、位置規制部材70によって基準位置に位置規制されたピストン部67に作用するコイルスプリング69の付勢力が、先ず、可動連結部材80に設けられた傾斜面部80Cにおいて方向分散され、次に、それにより得られる下方に向かう方向の力が、可動連結部材80の後端部に設けられた係合傾斜面部80Dにおいて方向分散され、さらに、それにより得られる係合傾斜面部80Dに直交する方向の力が、可動係合部材82の第1の部分82Aの上方端部に設けられた傾斜面部82aにおいて方向分散されて得られる、後方に向かう方向の力とされることになる。斯かる後方に向かう方向の力は、実質的に、位置規制部材70によって基準位置に位置規制されたピストン部67に作用するコイルスプリング69の付勢力についての方向分散が繰り返されて得られるものとされ、それゆえ、比較的小なるものである。
それゆえ、このような比較的小なるものである、可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bによりトリガー部44に設けられた突起部44Aに加えられる荷重に打ち勝つことが必要とされる、トリガー部44に設けられた突起部44Aが可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bから外れることになる状態を生じさせるべくトリガー部44を引く操作に要される操作力も、低減された比較的小なるものとされることになる。
また、このような位置規制部材70がピストン部67をコイルスプリング69の付勢力に抗して静止する基準位置に維持する規制状態をとるもとにおいて、可動係合部材82の第2の部分82Bに設けられた係止部82bによりトリガー部44に設けられた突起部44Aに加えられる荷重が、実質的に、位置規制部材70によって基準位置に位置規制されたピストン部67に作用するコイルスプリング69の付勢力についての方向分散が繰り返されて得られる比較的小なる力とされる状態は、傾斜面部80Cが形成されて位置規制部材70に連結された可動連結部材80とその可動連結部材80とトリガー部44との両者に係合する可動係合部材82とを含んで構成されて、確実な動作を行う連動機構部79を備えた構成によってとられる。それゆえ、例えば、不所望にトリガー部44が引かれる操作が行われてしまい、暴発等の不都合がまねかれるという虞はなく、操作の安全性も確保されている。
上述のようにして、トリガー部44が引かれる操作が行われ、可動連結部材80が可動係合部材82との相互当接状態から解放されると、それに伴って、位置規制部材70が、ピストン部67を基準位置に位置規制する規制状態から解放される。その結果、ピストン部67が、それに作用するコイルスプリング69の付勢力に従う移動を行うものとなって、先端部に設けられた突出部67Aにより、圧力室63内の空気を圧縮しつつ装弾室50に近接する前進を開始する。このようなピストン部67のコイルスプリング69の付勢力に従う前進により、ピストン部67の環状フランジ部67Bにその前方側から当接する位置規制部材70、及び、位置規制部材70に当接する可動連結部材80も、可動連結部材80に設けられた長孔80Aとその長孔80Aを貫通する軸86とによって規制される移動範囲内での前進を開始する。
可動連結部材80の前進は、図7において一点鎖線により示されるように、可動連結部材80に当接する可動当接部材84により規制されるもとでの、その前進によりローラ部材90を回転させつつ移動する傾斜面部80Cに起因する回動を伴って行われる。斯かる可動連結部材80の回動は、位置規制部材70に、それに設けられた係合ピン85により可動当接部材84を通じてコイルスプリング83を圧縮する方向の回動を行わせるものとされる。このようにして、ピストン部67の前進に伴う前進と回動とを可動連結部材80と共に行う位置規制部材70は、ピストン部67の前進を妨げるものとなることなく、図8に示される如く、その突出板状部分70Bがピストン部97に設けられた環状フランジ部67Bから外れて、ピストン部67との係合を解除するものとなる。それにより、図8において一点鎖線により示される如くに、ピストン部67が前進を継続し、一方、位置規制部材70及び可動連結部材80の回動を伴う前進が停止される。
ピストン部67との係合を解除した位置規制部材70に連結されている可動連結部材80は、係合ピン85を可動当接部材84に当接させた位置規制部材70を介して作用するコイルスプリング83の付勢力により、長孔80Aとその長孔80Aを貫通する軸86とにより規制される移動範囲内での後退と、その後退によりローラ部材90を回転させつつ移動する傾斜面部80Cに起因する回動とを行って、基準位置に復帰する。そして、斯かる可動連結部材80の後退及び回動に伴って、位置規制部材70も基準回動位置に復帰する。
一方、図9に示されるように、コイルスプリング69の付勢力により、圧力室63内の空気を突出部67Aにより圧縮しつつ前進するピストン部67は、突出部67Aが、ノズル部60の先端部分を環状部材50Aに係合させる基準位置をとる可動部材42に設けられた環状部61に係合することにより、前進を停止する。そして、ピストン部67に設けられた突出部67Aが環状部61に係合する過程において、圧力室63内の圧縮された空気がノズル部60を通じて装弾室50に急激に押し出されることにより、環状部50Aにより形成される装弾室50に装填されたBB弾77に極めて大なる気体圧(空気圧)が急激に作用する。
このようにして装弾室50に装填されたBB弾77に作用する空気圧は、図9において一点鎖線により示される如くに、BB弾77を装弾室50からバレル部41内へと急速に移動させて、BB弾77の装弾室50からの発射を生じさせる。斯かる際、装弾室50に装填されたBB弾77を発射させるためのトリガー部44を引く操作が、それに要される操作力が低減されて比較的小なるものとされていることにより、装弾室50に装填されたBB弾77の発射時に玩具銃40に生じる振れが効果的に抑制され、BB弾77についての標的に対する命中精度の向上が図られる。
また、装弾室50からBB弾77が発射される時期と略同時期において、トリガー部44がそれを引く操作から解放されるとともに、可動係合部材82により圧縮状態におかれたコイルスプリング56が、伸長状態に移行し、可動突出部55に可動係合部材82を押圧する状態をとらせつつ、トリガー部44に軸54を支軸として操作開始位置に復帰する回動を行わせる。
圧縮状態から伸長状態に移行するコイルスプリング56の押圧力を可動突出部55を通じて受ける可動係合部材82は、軸81を支軸として、第1の部分82Aにおける傾斜面部82aが設けられた上方端部を、可動連結部材80における係合傾斜面部80Dが設けられた後端部に近接させる方向に回動する。そして、その回動を、図10に示されるように、基準位置に復帰した可動連結部材80における係合傾斜面部80Dが形成する傾斜段部に、その後方側から、第1の部分82Aにおける傾斜面部82aが設けられた上方端部を当接させて、停止する。なお、斯かる際において、可動係合部材82の回動が、可動係合部材82に設けられた係止部82bとトリガー部44に設けられた突起部44Aとによる接触をまねくことなく円滑に行われるべく、係止部82bと突起部44Aとの形状,寸法等が選定されており、係止部82bは、可動係合部材82の回動により、突起部44Aの前方側に移動する。
回動を停止した可動係合部材82は、それに設けられた係止部82bを、トリガー部44に設けられた突起部44Aにその前方側から当接させた状態をもって、操作開始位置に復帰したトリガー部44と基準位置に復帰した可動連結部材80との両者に係合した状態をとり、トリガー部44及び可動連結部材80を、夫々、操作開始位置及び基準位置に位置規制する。
さらに、図9に示されるような基準位置をとる可動部材42は、ハンドル部45を利用した操作により、装弾室50から離隔する後退とそれに続く装弾室50に近接する前進とを行って、空の状態になった装弾室50へのBB弾77の装填を行うが、斯かる際における可動部材42の後退に伴って、突出部67Aを環状部61に係合させたピストン部67も、それに作用するコイルスプリング69の付勢力に抗して後退せしめられる。
このような可動部材42の後退に伴って後退するピストン部67は、それに設けられた環状フランジ部67Bが、基準回動位置に復帰した位置規制部材70の突出板状部分70Bをその前方側から押圧して、図10において実線により示されるように、位置規制部材70を、それに係合ピン85及び可動当接部材84を介して作用するコイルスプリング83の付勢力に抗する方向に回動させることにより、その位置規制部材70を乗り越え、図10において一点鎖線により示されるように、ガイド部材68の後端部を成す環状フランジ部68Aに当接するものとされる。また、ピストン部67の環状フランジ部67Bにより回動せしめられた位置規制部材70は、それを環状フランジ部67Bが乗り越えた後、係合ピン85及び可動当接部材84を介して作用するコイルスプリング83の付勢力に従った回動を行うが、その回動が、基準位置をとる可動連結部材80により規制され、それにより、図10において一点鎖線により示される如くに、再び基準回動位置に復帰する。
ピストン部67の後退は、それに設けられた環状フランジ部67Bがガイド部材68に設けられた環状フランジ部68Aに当接する最後退位置へ到達したとき停止する。最後退位置に到達したピストン部67は、可動部材42の後退に続く前進により、コイルスプリング69の付勢力に従う前進を開始するが、そのピストン部67の前進は、基準回動位置に復帰した位置規制部材70の突出板状部分70Bに、その後方側から環状フランジ部67Bが当接することにより停止される。その結果、図1に示される如く、ピストン部67が、それに作用するコイルスプリング69の付勢力に抗して、基準回動位置をとる位置規制部材70により、装弾室50からの離隔距離が大とされる基準位置を維持するものとされる。
その後、可動部材42が、ハンドル部45を利用した操作による後退とそれに続く前進とによって装弾室50に弾丸BBを装填して基準位置に復帰したもとで、トリガー部44が引かれる操作が行われることにより、上述の動作が繰り返される。
上述のような本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃は、ピストン部が基準位置をとるとき、操作開始位置をるトリガー部がその操作開始位置を確実に維持するものとされて、操作の安全性が確保されるもとで、BB弾を発射させるべく行われるトリガー部を操作開始位置から引く操作に要される操作力が、低減された比較的小なるものとされるので、例えば、高い命中精度が要求される精密射撃用玩具銃としての使用に供され得るものである。
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃の一例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃の一例の外観を示す側面図である。 本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項5までのいずれかに記載された発明に係る玩具銃の一例の外観を示す側面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 図2及び図3に示される例の要部の構成及び動作の説明に供される断面図である。 従来提案されている玩具銃の一例の説明に供される部分断面である。 従来提案されている玩具銃の一例の説明に供される部分断面である。
符号の説明
40・・・玩具銃, 41・・・バレル部, 42・・・可動部材, 44・・・トリガー部, 44A・・・突起部, 50・・・装弾室, 55・・・可動突出部, 56,69,83・・・コイルスプリング, 63・・・圧力室, 67・・・ピストン部, 70・・・位置規制部材, 75・・・弾倉, 79・・・連動機構部, 80・・・可動連結部材, 80C・・・・傾斜面部, 80D・・・係合傾斜面部, 82・・・可動係合部材, 82a・・・傾斜面部. 82b・・・係止部, 84・・・可動当接部材, 85・・・係合ピン, 90・・・ローラ部材

Claims (5)

  1. 装弾室に装填された弾丸に気体圧を作用させる圧力室を形成する圧力室形成部の一部を成すピストン部と、
    該ピストン部を付勢する付勢手段と、
    上記ピストン部を上記付勢手段の付勢力に抗して静止する位置に維持する規制状態を選択的にとる位置規制部材と、
    上記規制状態をとる上記位置規制部材を該規制状態から解放すべく操作されるトリガー部と、
    該トリガー部及び上記位置規制部材に係合し、上記トリガー部の操作に連動して上記位置規制部材を変位させる連動機構部と、
    を備え、
    上記連動機構部が、上記規制状態をとる上記位置規制部材を介して加えられる上記付勢手段の付勢力を、位置が固定されたローラ部材と該ローラ部材に当接する傾斜面部とによって方向分散し、方向分散された付勢力に基づく力を上記トリガー部に荷重として作用させることを特徴とする玩具銃。
  2. 上記圧力室形成部が、上記ピストン部を内蔵した可動部材によって形成され、該可動部材の上記装弾室から離隔する移動と上記装弾室に近接する移動とによって、上記装弾室に弾丸が装填されるとともに上記圧力室形成部による圧力室が形成される状態がとられることを特徴とする請求項1記載の玩具銃。
  3. 上記連動機構部が、上記位置規制部材に連結されるとともに上記傾斜面部が形成されて上記位置規制部材に連結された可動連結部材と、該可動連結部材と上記トリガー部との両者に係合する可動係合部材とを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の玩具銃。
  4. 上記可動係合部材が、上記可動連結部材と上記トリガー部との間に揺動可能に設けられたことを特徴とする請求項3記載の玩具銃。
  5. 上記可動連結部材が、上記傾斜面部に加えて、上記可動係合部材に当接して該可動係合部材に加えられる力を方向分散させる係合傾斜面部が設けられたものとされることを特徴とする請求項3記載の玩具銃。
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