JP3783906B2 - 警報ブザー誤吹鳴防止回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のホイールパークブレーキ(駐車ブレーキ)の作動状態を検出して、駐車ブレーキ作動時には警報ブザーの吹鳴を停止させる警報ブザー回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の自動車用警報用回路としては、例えば図2(a)に示すものが使用されている。即ち、該回路は、ホイールパークブレーキ(駐車ブレーキ)の作動有無を検出して、警報ブザーであるBZ58を作動ないし作動停止させる警報装置作動停止用リレー52と、ストップランプ点灯用リレー53の両者を同時に連動作動させる制御回路で、前記BZ58に接続するNC接点52aと該接点を作動させるリレーコイル52bとの入力側のコモン端子に、バッテリー50よりキースイッチのON接点51を介して電圧を印加する構成にしてある。
図2(b)にキースイッチのキー差込側からみた図を示す。通常、キーの差し込み位置であるLOCK位置もしくはOFF位置から、右回転方向にACC位置(接点)、ON位置(接点)、S(接点)が配置されており、最後のS接点のところでエンジンのスタータが駆動されるようになっている。途中のACC接点では主にラジオや一部のコントロールユニット等に電源が供給され、ON接点ではACC接点に加えてエンジンおよび車両の制御用コントロールユニットのほとんどに電源が供給されるように構成されている。尚、図2(a)に示すキースイッチ・ON接点51が、図2(b)のONの位置に対応している。
また、接点59はBZ58の警報対象装置の状態に応じてON・OFFする異常検出スイッチであって、例えば図示しないエンジンの油圧が、所定圧力以下に低下した場合にON作動する油圧スイッチとして構成されるものである。
ところで、上記のように構成された警報回路装置において、駐車ブレーキが作動している状態(スイッチ54がONの状態)で、キースイッチのON接点51をONにした場合、前記警報装置作動停止用リレー52によりNC接点52aがON接点に切り換えられるのに時間の遅れを伴う。そのため、この時間遅れの間前記BZ58の作動回路に電圧が印加され、駐車ブレーキの作動時中は本来吹鳴してはならない警報ブザーがキースイッチ・ON接点51の投入時に一瞬吹鳴する問題がある。
【0003】
なお、駐車ブレーキの作動の有無の検出は圧力スイッチ54により行い、駐車ブレーキの作動時は圧力スイッチ54はONされ、警報装置作動停止用リレー52及びストップランプ点灯用リレー53は作動し、前記リレー52においてはNC接点52aはOFFに切り換わりBZ58の警報回路は遮断されブザーは吹鳴しない構成にしてある。
ところが、前記したように切り換えに時間の遅れを伴うため、キースイッチ・ON接点51の投入時に僅かの時間であるが誤吹鳴する。
【0004】
また、前記のようにして作動したリレー53においては、メーク接点53aがONされる結果ストップランプリレー55が作動状態に入り、該リレーのメーク接点55aを介してストップランプ57が点灯する。この場合は支障を与えるような問題は起きない。
【0005】
上記警報ブザーの誤吹鳴については、特開平8−310381号公報開示の提案において、図3に示す自動車用警報装置用回路における上記と同様な問題点解決のための提案が開示されている。
即ち、図3に見るように、正常時ONとなつている警報スイッチ67と液圧ブースタ警報リレー63のリレーコイル63bとよりなる直列回路と、BZ(ブザー)64と副リレー65のリレーコイル65bの並列回路と前記液圧ブースタ警報リレー63のNC接点63a(リレー接点)とよりなる直列の警報回路Bとよりなる並列回路に、バッテリー60よりイグニッションリレー62のメーク接点62a(リレー接点)を介して電圧を印加する場合、前記NC接点63aの応答遅れにより、NC接点63aがOFFとなって警報回路Bが遮断される前にブザー64及び副リレー65のリレーコイル65b等に通電されブザー及び副リレー等が一瞬作動する問題がある。
上記問題点解決のため、図4に示すように、警報手段であるブザー65、及び警報リレー63のNC接点63aをイグニッションリレー62のメーク接点62aを介してバッテリー60に接続するとともに、警報スイッチ67及び前記警報リレー63のリレーコイル63bをイグニッションスイッチ61とイグニッションリレーコイル62bとの間に接続するようにした回路構成が提案されている。
【0006】
上記提案においては、警報スイッチ67がON状態においてイグニッションスイッチをOFF側に切り換えた場合に、リレーコイル63bとリレーコイル62bへの通電が遮断されて、NC接点63aとメーク接点62aとが切り換わるが、この時のNC接点63aとメーク接点62aとの切り換わりの応答状況によってはブザーが一瞬吹鳴する可能性がある。例えばリレーの温度や劣化等によりリレーの応答速度に差が生じて、リレー62の方がリレー63よりも応答性が劣るような場合には、一瞬ではあるがブザーが吹鳴する結果となる。したがって、上記提案はイグニッションスイッチをONにする場合のブザーの誤吹鳴は防止できるものの、イグニッションスイッチをOFFにする場合においては、確実に誤吹鳴を防止しうるものではなかった。
【0007】
また、図2に示すように、駐車ブレーキ作動時に、警報装置作動停止用リレー52に連動して、駐車ブレーキ作動時ONになる圧力スイッチ54を介してストップランプ点灯用リレー53を作動させた場合、上記警報装置の誤吹鳴を防止するとともに前記ストップランプ点灯用リレー53の作動によるストップランプの点灯も確保できる構成を有するものでもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明は、駐車ブレーキ作動状態において、キースイッチのON接点が閉鎖された時に警報装置の作動を確実に停止させる警報ブザー誤吹鳴防止回路の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の警報ブザー誤吹鳴防止回路は、バッテリーに直列にキースイッチを設け、該キースイッチにはキーの差し込み位置であるLOCK位置(OFF位置)と、該LOCK位置からON方向に回したときの後段に設けられ一部の車載コントロールユニットへ電源を供給するACC接点と、該ACC接点が投入された後に投入可能であり前記ACC接点に加えてさらに残りの車載コントロールユニットへ電源を供給するON接点とを備え、警報対象装置に異常があったときに作動する異常検出スイッチと、該異常検出スイッチによる異常発生時に警報を発する警報ブザーと、該警報ブザーの作動を停止せしめる警報装置作動停止用リレーのリレー接点とを直列に接続して前記ON接点の出力側と接続して警報回路を形成し、前記警報装置作動停止用リレーのリレーコイルと駐車ブレーキが作動している状態を検出する駐車ブレーキ作動スイッチとを直列に接続して前記ACC接点の出力側と接続し、前記駐車ブレーキが作動状態にあるときに、前記キースイッチを前記LOCK位置からON方向に回したときに前記ON接点に接続された前記リレー接点よりも先に前記ACC接点に接続された前記リレーコイルに通電せしめて前記警報回路を遮断し、前記キースイッチをON位置からLOCK方向に回したときに前記ACC接点に先行して前記ON接点を開放するように構成したことを特徴とする。
【0010】
上記構成により、警報装置に接続する警報装置作動停止用リレーのNC接点を、バッテリー電源接続回路のキースイッチの後段側に設けられるON接点を介して接続する一方、上記NC接点をOFFにする警報装置作動停止用リレーのリレーコイルを前記バッテリー電源接続回路のキースイッチの前段側に設けられるACC接点を介して接続させて、ON接点の投入前に前記ACC接点を介してリレーコイルに先に通電させ、前記時間遅れを回避するようにした。
上記ACC接点による先行通電により、警報装置に接続する警報回路を確実に遮断して、ブザーの誤吹鳴を防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の警報ブザー誤吹鳴防止回路に係る回路図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の警報ブザー誤吹鳴防止回路は、バッテリー10と、ACC接点12とON接点13とを含むキースイッチ11と、警報装置作動停止用リレー18のNC接点18aとBZ(ブザー)19及び、接点25(接点59と同機能)とを含む警報回路15と、ストップランプリレー22とストップランプスイッチ23とストップランプ24とを含むストップランプ回路16と、警報装置作動停止用リレー18とストップランプ点灯用リレー20とを含む制御回路17と、メインパワーリレー14とより構成する。
即ち、バッテリー10に直列にキースイッチ11を設け、該キースイッチ11にはACC接点12とON接点13を内蔵させ、且つON接点13はACC接点12の後段に設けACC接点12が投入された後にON接点13が初めて投入可能に構成してある。
【0013】
また、上記ON接点13の出力側には警報回路15とメインパワーリレー14のリレーコイル14bとを接続し、警報回路15はそれが含む警報装置作動停止用リレー18のNC接点18aを介して警報装置であるBZ19を作動させる構成にしてある。
メインパワーリレー14は該リレーのメーク接点14aを介してストップランプ回路16を後記するACC接点12の出力側に接続する構成にしてある。
上記ストップランプ回路16はそれが含むストップランプスイッチ23のメーク接点または後記するストップランプ点灯用リレー20のメーク接点20aを介してストップランプリレー22を作動させストップランプ24を点灯する構成にしてある。
なお、上記ストップランプスイッチ23は図示していないブレーキペタルの作動を検出するメーク接点である。
【0014】
また、ACC接点12の出力側は前記したようにメインパワーリレー14のメーク接点14aに接続するとともに、制御回路17を介してそれが含む警報装置作動停止用リレー18のリレーコイル18b及びストップランプ点灯用リレー20のリレーコイル20bに接続する構成にしてある。
なお、上記リレーコイル18b、20bは駐車ブレーキ作動時にONするスイッチ21を介してアース側に接続され、駐車ブレーキ作動時にはリレー18、20は制御回路17を介してACC接点12の投入と同時に作動状態に入るようにしてある。
【0015】
即ち、ON接点13の投入に先立ちACC接点12が投入され、その結果警報装置作動停止用リレー18は作動しNC接点18aはOFF状態に切り換えられる。暫時にして後段のON接点13が投入されても、警報回路15は作動せず、BZ19は吹鳴することはない。
一方ストップランプ点灯用リレー20も前記ACC接点12の投入とともに作動してストップランプ点灯用リレー20のメーク接点20aはON状態に切り換えられるため、ON接点13が投入されるとストップランプリレー22が作動し、ブレーキペタルを踏んでいなくてもストップランプ24が点灯する。
【0016】
【発明の効果】
上記構成により、駐車ブレーキが作動状態にある車両において、ON接点に接続されたリレー接点よりもACC接点に接続されたリレーコイルの方に先に通電されることにより警報回路が遮断されるので、ブザーが吹鳴することはない。
また、リレー接点に電源供給するキースイッチ位置と、リレーコイルに電源供給するキースイッチ位置を別々なキースイッチ位置としたので、キースイッチをLOCK側(OFF側)に切り換える場合でも、ブザーが吹鳴することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の警報ブザーの誤吹鳴防止回路の概略の構成を示す回路図である。
【図2】(a)は従来の誤吹鳴を起こす警報ブザー吹鳴用回路の概略の構成を示す回路図、(b)はキースイッチの配置構成図である。
【図3】図2に示す従来の警報ブザー吹鳴回路の別の実施例を示す回路図である。
【図4】図3に示す警報ブザー吹鳴回路に対する誤吹鳴防止回路を示す回路図である。
【符号の説明】
10 バッテリー
11 キースイッチ
12 ACC接点
13 ON接点
14 メインパワーリレー
15 警報回路
16 ストップランプ回路
17 制御回路
18 警報装置作動停止用リレー
19 BZ
20 ストップランプ点灯用リレー
21 駐車ブレーキ作動検出スイッチ
22 ストップランプリレー
23 ストップランプスイッチ
24 ストップランプ

Claims (1)

  1. バッテリーに直列にキースイッチを設け、該キースイッチにはキーの差し込み位置であるLOCK位置(OFF位置)と、該LOCK位置からON方向に回したときの後段に設けられ一部の車載コントロールユニットへ電源を供給するACC接点と、該ACC接点が投入された後に投入可能であり前記ACC接点に加えてさらに残りの車載コントロールユニットへ電源を供給するON接点とを備え、警報対象装置に異常があったときに作動する異常検出スイッチと、該異常検出スイッチによる異常発生時に警報を発する警報ブザーと、該警報ブザーの作動を停止せしめる警報装置作動停止用リレーのリレー接点とを直列に接続して前記ON接点の出力側と接続して警報回路を形成し、前記警報装置作動停止用リレーのリレーコイルと駐車ブレーキが作動している状態を検出する駐車ブレーキ作動スイッチとを直列に接続して前記ACC接点の出力側と接続し、前記駐車ブレーキが作動状態にあるときに、前記キースイッチを前記LOCK位置からON方向に回したときに前記ON接点に接続された前記リレー接点よりも先に前記ACC接点に接続された前記リレーコイルに通電せしめて前記警報回路を遮断し、前記キースイッチをON位置からLOCK方向に回したときに前記ACC接点に先行して前記ON接点を開放するように構成したことを特徴とする警報ブザー誤吹鳴防止回路。
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