JP3783692B2 - 回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラム及び画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法 - Google Patents
回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラム及び画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−R(Compact Disk-Recordable)等の円盤印刷媒体に印刷を行うシステム、装置およびプログラム、並びに方法に係り、特に、回転座標系の画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラムおよび画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CD−R等の円盤印刷媒体に印刷を行う技術としては、例えば、特許文献1に開示されている光ディスク装置(以下、第1の従来例という。)、および特許文献2に開示されている回転印刷装置(以下、第2の従来例という。)があった。
【0003】
第1の従来例は、印字ヘッド、印字ヘッド駆動部およびスピンドルモータを備え、ホストコンピュータから供給される直交座標系印刷用画像データを、スピンドルの軸を中心とする極座標表示のドットイメージである極座標系印刷用画像データに変換し、印字ヘッド駆動部およびスピンドルモータを制御して印字ヘッドを走査することにより、変換した極座標系印刷用画像データに基づいて円盤印刷媒体に印刷を行うようになっている。
【0004】
第2の従来例は、円盤印刷媒体の半径方向に沿った主走査方向に印刷するサーマルヘッドと、円盤印刷媒体の円周方向に沿った副走査方向に円盤印刷媒体を回転させるステッピングモータと、ホストコンピュータから供給される直交座標系印刷用画像データを、円盤印刷媒体の主走査方向および副走査方向に配列する複数の画素で構成される回転座標系印刷用画像データに変換するCPUとで構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−265760号公報
【特許文献2】
特開2000−135853号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、第1の従来例および第2の従来例にあってはいずれも、直交座標系印刷用画像データを極座標系印刷用画像データまたは回転座標系印刷用画像データに変換するようになっている。
しかしながら、何らの工夫を施すことなく単に、直交座標系の画像データを極座標系または回転座標系の画像データに変換すると、変換した極座標系または回転座標系の画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な既存の画像補正処理(例えば、誤差拡散処理)を適用することが難しい。そのため、極座標系または回転座標系の画像データに適用可能な画像補正プログラムを新たに作成しなければならず、効率的ではなかった。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、回転座標系の画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラムおよび画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記目的を達成するために、発明1の回転印刷システムは、
円盤印刷媒体に印刷を行うシステムであって、
前記円盤印刷媒体の半径方向に沿った第1走査方向に移動する印刷ヘッドと、
前記円盤印刷媒体の円周方向に沿った第2走査方向に前記円盤印刷媒体を回転させる媒体回転手段と、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段と、
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データに基づいて、前記印刷ヘッドおよび前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う印刷制御手段とを備え、
前記回転座標系における画素の形状は、当該画素の前記円盤印刷媒体の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の前記円盤印刷媒体の半径方向の長さdを4w/πとして定義したことを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、画像データ変換手段により、直交座標系画像データが回転座標系画像データに変換される。ここで、回転座標系における画素の形状は、その画素の円盤印刷媒体の円周方向の長さをwとしたときに、その画素の円盤印刷媒体の半径方向の長さdを4w/πとして定義されているので、半径方向外側に1座標進むごとに、円周上の画素数が8個ずつ増加することになり、各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができる。したがって、このような階段状の画素列に対しては、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる。そして、印刷制御手段により、変換された回転座標系画像データに基づいて、印刷ヘッドおよび媒体回転手段が制御されて円盤印刷媒体に印刷が行われる。
【0010】
これにより、回転座標系画像データの各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができるので、回転座標系画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができるという効果が得られる。
ここで、円盤印刷媒体の回転座標系とは、第1走査方向および第2走査方向を軸方向とした座標系をいう。以下、発明6の画像データ処理装置、発明7の回転印刷プログラム、発明8の画像データ処理装置用プログラム、および発明9の回転印刷方法において同じである。
【0011】
また、本システムは、単一の装置、端末その他の機器として実現するようにしてもよいし、複数の装置、端末その他の機器を通信可能に接続したネットワークシステムとして実現するようにしてもよい。後者の場合、各構成要素は、それぞれ通信可能に接続されていれば、複数の機器等のうちいずれに属していてもよい。
〔発明2〕
さらに、発明2の回転印刷システムは、発明1の回転印刷システムにおいて、
前記画像データ変換手段は、
前記円盤印刷媒体の印刷面のうち前記円盤印刷媒体の回転中心から最も近い点までの距離をrminとしたときに、
(1)前記直交座標系画像データにおける対象画素の座標(x,y)を下式に代入してr,θを算出し、
r=√(x2+y2)
θ=tan-1(x/y)
(2)算出したr,θを下式に代入して前記回転座標系画像データにおける前記対象画素の座標(nr,mθ)を算出し、
nr=(r−rmin)/d
mθ=(8r/d)×θ/2π
(3)前記直交座標系画像データにおける前記対象画素の画素値p(x,y)を、前記回転座標系画像データにおける前記対象画素の座標(nr,mθ)にマッピングし、
(4)(1)〜(3)の変換処理を、前記直交座標系画像データにおけるすべての画素について行うようになっていることを特徴とする。
【0012】
このような構成であれば、画像データ変換手段により、直交座標系画像データにおける対象画素の座標(x,y)が上式に代入されてr,θが算出され、算出されたr,θが上式に代入されて回転座標系画像データにおける対象画素の座標(nr,mθ)が算出される。次いで、直交座標系画像データにおける対象画素の画素値p(x,y)が、回転座標系画像データにおける対象画素の座標(nr,mθ)にマッピングされる。そして、このような一連の変換処理が、直交座標系画像データにおけるすべての画素について行われる。
【0013】
これにより、直交座標系画像データを回転座標系画像データに比較的確実に変換することができるとともに、変換した回転座標系画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができるという効果も得られる。
〔発明3〕
さらに、発明3の回転印刷システムは、発明1および2のいずれかの回転印刷システムにおいて、
さらに、前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正手段を備えることを特徴とする。
【0014】
このような構成であれば、画像補正手段により、変換された回転座標系画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理が適用される。
〔発明4〕
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、円盤印刷媒体への印刷においては、原画像データを印刷用画像データに変換する処理(以下、印刷変換処理という。)よりも、直交座標系の画像データを回転座標系の画像データに変換する処理(以下、座標変換処理という。)の方が処理時間を要することを見出した。そして、印刷変換処理にあっても座標変換処理にあっても、変換元の画像データを構成する画素数が少ないほど処理時間が短くなるという性質に着目し、座標変換処理を行ってから印刷変換処理を行う方が全体の処理時間を短縮することができるという結論に達した。
【0015】
かかる結論に基づき、発明4の回転印刷システムは、発明1ないし3のいずれかの回転印刷システムにおいて、
前記画像データ変換手段は、原画像を構成する複数の画素を直交座標系に配列した直交座標系原画像データを、前記原画像を構成する複数の画素を前記円盤印刷媒体の回転座標系に配列した回転座標系原画像データに変換するようになっており、
さらに、前記画像データ変換手段で変換した回転座標系原画像データを、前記印刷ヘッドの移動精度および前記媒体回転手段の回転精度に応じた回転座標系印刷用画像データに変換する第2画像データ変換手段を備え、
前記印刷制御手段は、前記第2画像データ変換手段で変換した回転座標系印刷用画像データに基づいて、前記印刷ヘッドおよび前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行うようになっていることを特徴とする。
【0016】
このような構成であれば、画像データ変換手段により、直交座標系原画像データが回転座標系原画像データに変換され、第2画像データ変換手段により、変換された回転座標系原画像データが回転座標系印刷用画像データに変換される。そして、印刷制御手段により、変換された回転座標系印刷用画像データに基づいて、印刷ヘッドおよび媒体回転手段が制御されて円盤印刷媒体に印刷が行われる。
【0017】
これにより、座標変換処理(画像データ変換手段による変換処理)を行ってから印刷変換処理(第2画像データ変換手段による変換処理)を行うので、座標変換処理に要する時間を低減することができる。したがって、円盤印刷媒体への印刷において印刷時間を低減することができるという効果も得られる。
〔発明5〕
一方、上記目的を達成するために、発明5の画像データ処理装置は、
画像データの座標系を変換する装置であって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段を備え、
前記回転座標系における画素の形状は、当該画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義したことを特徴とする。
【0018】
このような構成であれば、画像データ変換手段により、直交座標系画像データが回転座標系画像データに変換される。ここで、回転座標系における画素の形状は、その画素の円周方向の長さをwとしたときに、その画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義されているので、半径方向外側に1座標進むごとに、円周上の画素数が8個ずつ増加することになり、各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができる。したがって、このような階段状の画素列に対しては、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる。
【0019】
これにより、回転座標系画像データの各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができるので、回転座標系画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができるという効果が得られる。
〔発明6〕
さらに、発明6の画像データ処理装置は、
発明1の回転印刷システムにおける前記印刷ヘッド、前記媒体回転手段および前記印刷制御手段を備える回転印刷装置に対して印刷を要求する装置であって、直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段と、
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データを前記回転印刷装置に出力する画像データ出力手段とを備え、
前記回転座標系における画素の形状は、当該画素の前記円盤印刷媒体の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の前記円盤印刷媒体の半径方向の長さdを4w/πとして定義したことを特徴とする。
【0020】
このような構成であれば、画像データ変換手段により、直交座標系画像データが回転座標系画像データに変換される。ここで、回転座標系における画素の形状は、その画素の円周方向の長さをwとしたときに、その画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義されているので、半径方向外側に1座標進むごとに、円周上の画素数が8個ずつ増加することになり、各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができる。したがって、このような階段状の画素列に対しては、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる。そして、画像データ出力手段により、変換された回転座標系画像データが回転印刷装置に出力される。
【0021】
これにより、回転座標系画像データの各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができるので、発明1の回転印刷システムと同等の効果が得られる。
〔発明7〕
一方、上記目的を達成するために、発明7の回転印刷プログラムは、
円盤印刷媒体に印刷を行うプログラムであって、
前記円盤印刷媒体の半径方向に沿った第1走査方向に移動する印刷ヘッドと、前記円盤印刷媒体の円周方向に沿った第2走査方向に前記円盤印刷媒体を回転させる媒体回転手段とを利用可能なコンピュータに対して、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段、並びに
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データに基づいて、前記印刷ヘッドおよび前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う印刷制御手段として実現される処理を実行させるためのプログラムであり、
前記回転座標系における画素の形状は、当該画素の前記円盤印刷媒体の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の前記円盤印刷媒体の半径方向の長さdを4w/πとして定義したことを特徴とする。
【0022】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、発明1の回転印刷システムと同等の作用および効果が得られる。
〔発明8〕
一方、上記目的を達成するために、発明8の画像データ処理装置用プログラムは、
発明1の回転印刷システムにおける前記印刷ヘッド、前記媒体回転手段および前記印刷制御手段を備える回転印刷装置に対して印刷を要求するプログラムであって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段、並びに
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データを前記回転印刷装置に出力する画像データ出力手段として実現される処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、
前記回転座標系における画素の形状は、当該画素の前記円盤印刷媒体の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の前記円盤印刷媒体の半径方向の長さdを4w/πとして定義したことを特徴とする。
【0023】
このような構成であれば、コンピュータによってプログラムが読み取られ、読み取られたプログラムに従ってコンピュータが処理を実行すると、発明6の画像データ処理装置と同等の作用および効果が得られる。
〔発明9〕
一方、上記目的を達成するために、発明9の回転印刷方法は、
円盤印刷媒体の半径方向に沿った第1走査方向に移動する印刷ヘッドと、前記円盤印刷媒体の円周方向に沿った第2走査方向に前記円盤印刷媒体を回転させる媒体回転手段とを制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う方法であって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換ステップと、
前記画像データ変換ステップで変換した回転座標系画像データに基づいて、前記印刷ヘッドおよび前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う印刷制御ステップとを含み、
前記回転座標系における画素の形状は、当該画素の前記円盤印刷媒体の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の前記円盤印刷媒体の半径方向の長さdを4w/πとして定義したことを特徴とする。
【0024】
これにより、発明1の回転印刷システムと同等の効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図11は、本発明に係る回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラムおよび画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法の実施の形態を示す図である。
【0026】
本実施の形態は、本発明に係る回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラムおよび画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法を、図1に示すように、光ディスク装置100により光ディスク1の印刷面9に画像の印刷を行うとともに光ディスク1の記録面8に情報の記録を行う場合について適用したものである。
【0027】
まず、本発明に係る光ディスク装置100の構成を図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。光ディスク装置100は、図1に示すように、光学的に情報の書込および読出が可能なCD−R等の光ディスク1が装着されたときに、光ディスク1の印刷面9に画像の印刷を行うとともに光ディスク1の記録面8に情報の記録を行うようになっている。具体的には、光ディスク1の記録面8に情報の記録を行う光ヘッド2と、光ディスク1の半径方向に光ヘッド2を移動させるリードスクリュー14および光ヘッド駆動部3と、光ディスク1の印刷面9に画像の印刷を行う印刷ヘッド4と、光ディスク1の半径方向に印刷ヘッド4を移動させるリードスクリュー16および印刷ヘッド駆動部5と、光ディスク1の円周方向に光ディスク1を回転させるスピンドルモータ6と、それらを制御する制御回路7(不図示)と、スピンドルモータ6の回転軸であって光ディスク1の回転中心となる主軸19と、主軸19と光ディスク1の脱着可能な結合部であるチャッキング部20とで構成されている。
【0028】
光ヘッド2は、光ディスク1の記録面8に対向して配置され、光ディスク1にレーザ光を照射し光学的物性を変化させて情報を記録する一方、光ディスク1から反射したレーザ光から情報を再生するようになっている。
光ヘッド駆動部3は、送りモータ等からなり、リードスクリュー14を回転させることにより、光ディスク1の半径方向に光ヘッド2を移動させ、光ヘッド2を目的のトラック位置に導くようになっている。
【0029】
印刷ヘッド4は、光ディスク1の印刷面9に対向して配置され、光ディスク1にインクを吹き付けて印刷を行うようになっている。
印刷ヘッド駆動部5は、送りモータ等からなり、リードスクリュー16を回転させることにより、光ディスク1の半径方向に印刷ヘッド4を移動させ、印刷ヘッド4を目的の印刷位置に導くようになっている。
【0030】
スピンドルモータ6は、光ディスク1を情報の記録・再生に適正な回転数で回転させる一方、光ディスク1上の任意の点を印刷ヘッド4と相対的にタンジェンシャル方向に移動させるようになっている。
次に、光ディスク1の構造を図2を参照しながら詳細に説明する。
図2は、光ディスク1の構造を示す図である。
【0031】
光ディスク1は、図2に示すように、片面がユーザによって任意の情報が記録可能である記録面8であり、反対側の片面が文字情報等をインクを用いて印刷可能な印刷面9となっている。中心には、スピンドルモータ6にチャッキング部20において連結するための中心穴10を備えている。
次に、制御回路7の構成を図3を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
図3は、制御回路7の構成を示すブロック図である。
制御回路7は、図3に示すように、ホストコンピュータ(不図示)からの印刷要求および記録要求を受けて、光ヘッド2、光ヘッド駆動部3、印刷ヘッド4、印刷ヘッド駆動部5およびスピンドルモータ6を制御するようになっている。具体的には、図3に示すように、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU30と、所定領域にあらかじめCPU30の制御プログラム等を格納しているROM32と、ROM32等から読み出したデータやCPU30の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM34と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F38とで構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス39で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0033】
I/F38には、外部装置として、光ヘッド2と、光ヘッド駆動部3と、印刷ヘッド4と、印刷ヘッド駆動部5と、スピンドルモータ6と、ホストコンピュータと接続するための信号線とが接続されている。
なお、ホストコンピュータは、光ディスク装置100専用のドライバを有し、ドライバにより、画像データおよび記録データを印刷要求および記録要求とともに光ディスク装置100に送信するようになっている。
【0034】
CPU30は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)等からなり、ROM32の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図4のフローチャートに示すメイン処理を実行するようになっている。
初めに、メイン処理を図4を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図4は、メイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理は、ホストコンピュータからの印刷要求および記録要求を受けて光ディスク1への印刷および記録を行う処理であって、CPU30において実行されると、図4に示すように、まず、ステップS100に移行するようになっている。
【0036】
ステップS100では、印刷要求および記録要求を受信したか否かを判定し、印刷要求および記録要求を受信したと判定したとき(Yes)は、ステップS102に移行するが、そうでないと判定したとき(No)は、印刷要求および記録要求を受信するまでステップS100で待機する。
ステップS102では、直交座標系原画像データをホストコンピュータから受信し、ステップS104に移行して、受信した直交座標系原画像データをRAM34に格納し、ステップS106に移行する。
【0037】
ステップS106では、光ディスク1の記録面8に記録するための記録データをホストコンピュータから受信し、ステップS108に移行して、受信した記録データをRAM34に格納し、ステップS110に移行する。
ステップS110では、RAM34の直交座標系原画像データに基づいて光ディスク1の印刷面9に印刷を行う印刷処理を行い、ステップS112に移行して、印刷処理による印刷と同期して光ディスク1の記録面8にRAM34の記録データを記録する記録処理を行い、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0038】
次に、ステップS110の印刷処理を図5を参照しながら詳細に説明する。
図5は、印刷処理を示すフローチャートである。
印刷処理は、ステップS110において実行されると、図5に示すように、まず、ステップS200に移行するようになっている。
ステップS200では、直交座標系原画像データをRAM34から読み込み、ステップS202に移行する。
【0039】
ステップS202では、読み込んだ直交座標系原画像データを回転座標系原画像データに変換する。ステップS202の具体的な処理を図6ないし図11を参照しながら説明する。
図6は、直交座標系を示す図である。
直交座標系原画像データは、原画像を構成する複数の画素を直交座標系に配列したものであり、直交座標系とは、図6に示すように、互いに直交するX方向およびY方向を軸方向とした座標系である。
【0040】
図7は、回転座標系を示す図である。
回転座標系原画像データは、原画像を構成する複数の画素を光ディスク1の回転座標系に配列したものであり、光ディスク1の回転座標系とは、図7に示すように、光ディスク1の半径方向および円周方向を軸方向とした座標系である。
図8は、直交座標系を回転座標系に変換する場合を示す図である。
【0041】
直交座標系原画像データを回転座標系原画像データに変換する場合は、図8に示すように、直交座標系原画像データにおいて画素p1(x1,y1)、p2(x2,y2)を定義したとき、画素p1については、x1,y1を下式(1),(2)に代入してr1,θ1を算出し、回転座標系における画素p1’(r1,θ1)に変換する。画素p2については、x2,y2を下式(1),(2)に代入してr2,θ2を算出し、回転座標系における画素p2’(r2,θ2)に変換する。そして、同様の変換処理を直交座標系原画像データにおけるすべての画素について行う。
【0042】
【数1】
【0043】
【数2】
図9は、回転座標系における画素の構造を示す図である。
図10は、回転座標系の画素を矩形に変形して再配列した図である。
回転座標系における画素の形状は、図9に示すように、その画素の光ディスク1の円周方向の長さをwとしたときに、その画素の光ディスク1の半径方向の長さdを4w/πとして定義する。このように画素の形状を定義すると、半径方向外側に1座標進むごとに、円周上の画素数が8個ずつ増加することになり、各画素を矩形に変形し再配列した場合は、図10に示すように、階段状に配列することができる。
【0044】
図11は、回転座標系の画素を矩形に変形して再配列した図である。
図11に示すように、回転座標系原画像データにおける画素のマッピングは、均等な4つの扇状領域に分割することができる。各扇状領域の画素はいずれも、wおよびdにより特定される扇台形状(図9)をしている。まず、各扇状領域について各画素を長方形に変形する。画素の変形は、長方形の一方の辺の長さが台形の下辺に当たる弧の長さとなるようにかつ長方形の他方の辺の長さがdとなるように行う。このように変形を行うと、各扇状領域は、両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形することができる。これら台形状領域は、斜辺の段差角度が同一であるので、斜辺同士を重ね合わせることで密接に結合が可能である。
【0045】
図12は、画像処理を行う前の準備の流れを示す図である。
次いで、図12に示す要領で各台形状領域を結合する。回転座標系原画像データにおける画素のマッピングを均等な4つの扇状領域に分割するには、直交座標系のy=xまたはy=−xの直線で分けると、計算が分かりやすくなる。
図12(a)は、色変換後の一部のセルのY(yellow)の数値が表示されている状態であり、光ディスク1の上方および左方の扇状領域をそれぞれ台形状領域に変形した様子を示している。また、図12(b)は、上方および左方の扇状領域に対応する台形状領域を結合した様子を示している。
【0046】
まず、下方の扇状領域に対応する台形状領域の右斜辺と、右方の扇状領域に対応する台形状領域の左斜辺とを重ね合わせてそれら台形状領域を結合し、右方の扇状領域に対応する台形状領域の右斜辺と、上方の扇状領域に対応する台形状領域の左斜辺とを重ね合わせてそれら台形状領域を結合する。同様に、上方の扇状領域に対応する台形状領域の右斜辺と、左方の扇状領域に対応する台形状領域の左斜辺とを重ね合わせてそれら台形状領域を結合し、左方の扇状領域に対応する台形状領域の右斜辺と、下方の扇状領域に対応する台形状領域の左斜辺とを重ね合わせてそれら台形状領域を結合する。
【0047】
このように4つの台形状領域を結合すると、図11に示すように、光ディスク1の全領域に対応する正方形の領域から中心穴10に対応する正方形領域をくり抜いた形状に、回転座標系原画像データの各画素を再配列することができる。したがって、任意の画素からみて上下左右のいずれかに隣接する画素が存在することとなるので、直交座標系の画像データに適用可能な既存の画像補正処理(例えば、誤差拡散処理)を、回転座標系の画像データにそのまま適用することができる。
【0048】
具体的に、ステップS202では、画素のサイズw,dを定義し、印刷面9のうち光ディスク1の中心から最も近い点までの距離をrminとし、印刷面9のうち光ディスク1の中心から最も遠い点までの距離をrmaxとする。次いで、変数x,yを初期化し、直交座標系原画像データから画素値p(x,y)を取得し、変数x,yを上式(1),(2)に代入してr,θを算出し、算出したr,θを下式(3),(4)に代入してnr,mθを算出し、回転座標系原画像データにおける座標(nr,mθ)に画素値p(x,y)をマッピングする。そして、直交座標系原画像データにおけるすべての座標を網羅するように変数x,yの値を変化させながら、同様の変換処理を直交座標系原画像データにおけるすべての画素について行う。
【0049】
【数3】
【0050】
【数4】
次いで、ステップS204に移行して、変換した回転座標系原画像データに対してRGBデータをYMCデータに変換する色変換処理を行い、ステップS206に移行して、色変換した回転座標系原画像データを、印刷ヘッド4の移動精度およびスピンドルモータ6の回転精度に応じた回転座標系印刷用画像データに変換し、ステップS208に移行する。
【0051】
ステップS208では、変換した回転座標系印刷用画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な既存の画像補正処理(例えば、誤差拡散処理)を適用する画像補正処理を行う。画像補正処理には、様々な手法がある。ここでは、「Floyd&Steinberg型」のマトリックを使った誤差拡散処理を例示する。
図13は、回転座標系印刷用画像データに対して行う誤差拡散処理の手順を示す図である。
【0052】
図13(a)は、誤差拡散処理を適応させる画素データの例である。
図13(b)は、誤差拡散処理に必要なマトリックスで「Floyd&Steinberg型」と呼ばれているマトリックスである。
ここで、2値としては、「0」および「255」 のいずれかをとり、その判定閾値を「128」とする。
【0053】
図13(c)に示すように、まず、対象画素の値を閾値と比較する。ここで、対象画素の値「64」が閾値以下であるので、2値化の判定は「0」となる。対象画素の元値「64」が判定で「0」となったので、誤差は「+64」となる。この誤差を図13(b)のマトリックを使って、図13(d)に示すように、周辺画素へ分配する。
【0054】
図13(b)のマトリクスによれば、対象画素の右隣の画素には、「7/16」だけ誤差を分配するので、64×(7/16)=28が対象画素の右隣への分配値となる。その他の周辺画素に対しても同様の処理を行うと、誤差値の分配は、図13(e)に示すようになる。図示されている数値をすべて加算すると、ゼロになる。画素がない部分は、ゼロとして計算する。分配すべき誤差値(図13(e))を誤差拡散処理の元データ(図13(c))に加算する。その様子が図13(f)に示されている。誤差を考慮して得られた結果は、図13(g)に示すようになる。
【0055】
そして、図13(c)〜図13(g)の一連の処理を、回転座標系印刷用画像データにおけるすべての画素に対して行うことにより、回転座標系印刷用画像データに対して誤差拡散処理を行うことができる。
画素のサイズを適切に設定し、さらにこのように画素の並びを変形することにより、回転座標系印刷用画像データであっても、直交座標系の画像データに適用可能な既存の画像補正処理をそのまま適用することができる。
【0056】
次いで、ステップS210に移行して、画像補正した回転座標系印刷用画像データに基づいて、光ヘッド2、光ヘッド駆動部3、印刷ヘッド4、印刷ヘッド駆動部5およびスピンドルモータ6を制御して光ディスク1の印刷面9に画像の印刷を行う印刷制御処理を行い、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
【0057】
ホストコンピュータにおいて、ユーザは、まず、光ディスク装置100に光ディスク1を装着するとともに、印刷面記録用のアプリケーションを起動し、印刷面9に記録するタイトル、ファイル内容等を記述する活字や背景に挿入する絵柄等を組み合わせた印刷イメージをデザインする。また、光ディスク1の記録面8に記録するための記録データも用意しておく。
【0058】
印刷イメージが確定すると、ユーザは、アプリケーションに対して印刷および記録を要求する。アプリケーションでは、印刷および記録が要求されると、印刷イメージを示す直交座標系原画像データおよび記録データが光ディスク装置100専用のドライバに出力される。そして、ドライバにより、直交座標系原画像データおよび記録データが印刷要求および記録要求とともに光ディスク装置100に送信される。
【0059】
光ディスク装置100では、印刷要求および記録要求を受信すると、ステップS102〜S108を経て、直交座標系原画像データおよび記録データを受信し、受信した直交座標系原画像データおよび記録データがRAM34に格納される。
次いで、ステップS200,S202を経て、直交座標系原画像データがRAM34から読み込まれ、読み込まれた直交座標系原画像データが回転座標系原画像データに変換される。ここで、回転座標系における画素の形状は、その画素の光ディスク1の円周方向の長さをwとしたときに、その画素の光ディスク1の半径方向の長さdを4w/πとして定義されているので、光ディスク1の半径方向外側に1座標進むごとに、円周上の画素数が8個ずつ増加することになり、各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができる。したがって、このような階段状の画素列に対しては、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる。
【0060】
次いで、ステップS204〜S208を経て、変換された回転座標系原画像データに対して色変換処理が行われ、色変換された回転座標系原画像データが補完されて高画素の回転座標系印刷用画像データに変換され、変換された回転座標系印刷用画像データに対して画像補正処理が行われる。
そして、ステップS210を経て、画像補正された回転座標系印刷用画像データに基づいて、光ヘッド2、光ヘッド駆動部3、印刷ヘッド4、印刷ヘッド駆動部5およびスピンドルモータ6が制御されて光ディスク1の印刷面9に画像の印刷が行われる。具体的には、この制御により、印刷ヘッド駆動部5が作動し、印刷ヘッド4が光ディスク1の印刷面9上の印刷位置に移動する。その後、印刷ヘッド4が制御されて印刷動作が開始される。
【0061】
印刷ヘッド4は、印刷ヘッド駆動部5により、光ディスク1のr方向に動くことができる。また、スピンドルモータ6は、光ディスク1を回転させ、相対的に光ディスク1のθ方向に印刷ヘッド4を走査することができる。この2つの動作を組み合わせ、光ディスク1を回転させながら印刷ヘッド4を駆動するように制御することにより、印刷ヘッド4は、光ディスク1の印刷面9を全域に渡り自由に走査することができる。
【0062】
印刷ヘッド4は、ドットを打とうとする位置に達すると、そこにインクを吹き付け、微小ドットを形成する。インクの噴射は、スピンドルモータ6のインデックス信号を用いて、光ディスク1の回転に同期して行われる。すなわち、ある位置でθ=0と定義したら、あとはインデックス信号をカウントすることによりθ値を求めることができる。インデックス信号の周期が、印刷ヘッド4の制御精度に対して粗すぎる場合は、PLL(Phase locked loop)回路等を用いて補完すればよい。印刷ヘッド4の移動、光ディスク1の回転、インクの噴射の動作を高速で繰り返すことにより、あらゆる画像を光ディスク1上に印刷することができる。
【0063】
一方、ステップS112を経て、印刷処理による印刷と同期して光ディスク1の記録面8にRAM34の記録データが記録される。具体的には、この制御により光ヘッド駆動部3が作動する。光ヘッド2は光ディスク1上の目的のトラックに向かって移動する。また一方で、スピンドルモータ6は、光ディスク1の回転数が光ヘッド2の光ディスク1上での位置に応じた適正な回転数になるように制御される。そして、光ヘッド2から光ディスク1に弱いレーザ光を照射して、アドレスその他の記録に必要な情報が読み込まれる。その後、光ディスク1に強いレーザ光を照射し、記録動作が行われる。
【0064】
このようにして、本実施の形態では、回転座標系における画素の形状は、その画素の光ディスク1の円周方向の長さをwとしたときに、その画素の光ディスク1の半径方向の長さdを4w/πとして定義した。
これにより、回転座標系原画像データの各画素を矩形に変形し再配列した場合は、階段状に配列することができるので、回転座標系原画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる。
【0065】
さらに、本実施の形態では、直交座標系原画像データにおける対象画素の座標(x,y)を上式(1),(2)に代入してr,θを算出し、算出したr,θを上式(3),(4)に代入して回転座標系原画像データにおける対象画素の座標(nr,mθ)を算出し、直交座標系原画像データにおける対象画素の画素値p(x,y)を、回転座標系原画像データにおける対象画素の座標(nr,mθ)にマッピングし、このような一連の変換処理を、直交座標系原画像データにおけるすべての画素について行うようになっている。
【0066】
これにより、直交座標系原画像データを回転座標系原画像データに比較的確実に変換することができるとともに、変換した回転座標系原画像データに対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用することができる。
さらに、本実施の形態では、直交座標系原画像データを回転座標系原画像データに変換し、変換した回転座標系原画像データを回転座標系印刷用画像データに変換し、変換した回転座標系印刷用画像データに基づいて、印刷ヘッド4、印刷ヘッド駆動部5およびスピンドルモータ6を制御して光ディスク1に印刷を行うようになっている。
【0067】
これにより、座標変換処理を行ってから印刷変換処理を行うので、座標変換処理に要する時間を低減することができる。したがって、光ディスク1への印刷において印刷時間を低減することができる。また、ホストコンピュータからは、直交座標系原画像データを光ディスク装置100に送信するだけでよいので、転送するデータ量が少なくてすみ、印刷時間をさらに低減することができる。
【0068】
上記実施の形態において、スピンドルモータ6は、発明1、4、7または9の媒体回転手段に対応し、ステップS202は、発明1ないし5若しくは7の画像データ変換手段、または発明9の画像データ変換ステップに対応し、ステップS206は、発明4の第2画像データ変換手段に対応している。また、ステップS208は、発明3の画像補正手段に対応し、ステップS210は、発明1、4若しくは7の印刷制御手段、または発明9の印刷制御ステップに対応し、光ディスク1は、発明1、2、4、7または9の円盤印刷媒体に対応している。
【0069】
また、上記実施の形態において、半径方向は、発明1、7または9の第1走査方向に対応し、円周方向は、発明1、7または9の第2走査方向に対応し、直交座標系原画像データは、発明1、2、5、7または9の直交座標系画像データに対応し、回転座標系原画像データは、発明1ないし3、5、7または9の回転座標系画像データに対応している。
【0070】
なお、上記実施の形態においては、ステップS202の変換処理を光ディスク装置100で行うように構成したが、これに限らず、ステップS202の変換処理をホストコンピュータで行うように構成することもできる。この場合、例えば、光ディスク装置100専用のドライバは、直交座標系原画像データを回転座標系原画像データに変換し、変換した回転座標系原画像データおよび記録データを光ディスク装置100に送信する。
【0071】
このような構成であっても、上記実施の形態と同等の効果が得られる。
この場合において、ホストコンピュータは、発明5または6の画像データ処理装置に対応し、ステップS202は、発明1ないし8の画像データ変換手段、または発明9の画像データ変換ステップに対応し、光ディスク装置100は、発明6または8の回転印刷装置に対応している。また、スピンドルモータ6は、発明1、4、6ないし9の媒体回転手段に対応し、ステップS206は、発明4の第2画像データ変換手段に対応し、ステップS208は、発明3の画像補正手段に対応し、ステップS210は、発明1、4、6ないし8の印刷制御手段、または発明9の印刷制御ステップに対応している。
【0072】
また、光ディスク1は、発明1、2、4、6ないし9の円盤印刷媒体に対応し、半径方向は、発明1、7または9の第1走査方向に対応し、円周方向は、発明1、7または9の第2走査方向に対応し、直交座標系原画像データは、発明1、2、5ないし9の直交座標系画像データに対応している。また、回転座標系原画像データは、発明1ないし3、5ないし9の回転座標系画像データに対応している。
【0073】
また、上記実施の形態においては、ステップS202,S206の変換処理を光ディスク装置100で行うように構成したが、これに限らず、ステップS202,S206の変換処理をホストコンピュータで行うように構成することもできる。この場合、例えば、光ディスク装置100専用のドライバは、直交座標系原画像データを回転座標系原画像データに変換し、変換した回転座標系原画像データを回転座標系印刷用画像データに変換し、変換した回転座標系印刷用画像データおよび記録データを光ディスク装置100に送信する。
【0074】
このような構成であっても、上記実施の形態と同等の効果が得られる。ただし、ホストコンピュータからは、回転座標系印刷用画像データを光ディスク装置100に送信するので、転送するデータ量は従来とほぼ同じとなる。
また、上記実施の形態においては、光ディスク1の印刷面9に画像を印刷するとともに光ディスク1の記録面8に記録データを記録するように構成したが、これに限らず、光ディスク1の印刷面9に画像を印刷するだけの構成とすることもできる。
【0075】
また、上記実施の形態において、図4および図5のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM32にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM34に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0076】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0077】
また、上記実施の形態においては、本発明に係る回転印刷システム、画像データ処理装置、回転印刷プログラムおよび画像データ処理装置用プログラム、並びに回転印刷方法を、図1に示すように、光ディスク装置100により光ディスク1の印刷面9に画像の印刷を行うとともに光ディスク1の記録面8に情報の記録を行う場合について適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】 光ディスク1の構造を示す図である。
【図3】 制御回路7の構成を示すブロック図である。
【図4】 メイン処理を示すフローチャートである。
【図5】 印刷処理を示すフローチャートである。
【図6】 直交座標系を示す図である。
【図7】 回転座標系を示す図である。
【図8】 直交座標系を回転座標系に変換する場合を示す図である。
【図9】 回転座標系における画素の構造を示す図である。
【図10】 回転座標系の画素を矩形に変形して再配列した図である。
【図11】 回転座標系の画素を矩形に変形して再配列した図である。
【図12】 画像処理を行う前の準備の流れを示す図である。
【図13】 回転座標系印刷用画像データに対して行う誤差拡散処理の手順を示す図である。
【符号の説明】
100…光ディスク装置,1…光ディスク,2…光ヘッド,3…光ヘッド駆動部,4…印刷ヘッド,5…印刷ヘッド駆動部,6…スピンドルモータ,7…制御回路,8…記録面,9…印刷面,10…中心穴,14…リードスクリュー,16…リードスクリュー,19…主軸,20…チャッキング部,30…CPU,32…ROM,34…RAM,38…I/F,39…バス
Claims (8)
- 円盤印刷媒体に印刷を行うシステムであって、
前記円盤印刷媒体の半径方向に沿った第1走査方向に移動する印刷ヘッドと、
前記円盤印刷媒体の円周方向に沿った第2走査方向に前記円盤印刷媒体を回転させる媒体回転手段と、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段と、
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データに基づいて、前記印刷ヘッド及び前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う印刷制御手段とを備え、
前記画像データ変換手段は、前記回転座標系における画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義し、前記直交座標系における画素を、前記回転座標系において前記円盤印刷媒体の印刷面に相当する領域にマッピングし、マッピングした画素群を、前記回転座標系の中心から等角度に分割してなる均等な4つの扇状領域に区分し、前記回転座標系における画素を矩形状と見立てて前記各扇状領域を両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形し、前記各台形状領域の隣接する斜辺同士を結合して正方形領域を構成し、
さらに、前記画像データ変換手段で構成した正方形領域の画素群に対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正手段を備えることを特徴とする回転印刷システム。 - 請求項1記載の回転印刷システムにおいて、
前記画像データ変換手段は、
前記円盤印刷媒体の印刷面のうち前記円盤印刷媒体の回転中心から最も近い点までの距離をrminとしたときに、
(1)前記直交座標系画像データにおける対象画素の座標(x,y)を下式に代入してr,θを算出し、
r=√(x2+y2)
θ=tan-1(x/y)
(2)算出したr,θを下式に代入して前記回転座標系画像データにおける前記対象画素の座標(nr,mθ)を算出し、
nr=(r−rmin)/d
mθ=(8r/d)×θ/2π
(3)前記直交座標系画像データにおける前記対象画素の画素値p(x,y)を、前記回転座標系画像データにおける前記対象画素の座標(nr,mθ)にマッピングし、
(4)(1)〜(3)の変換処理を、前記直交座標系画像データにおけるすべての画素について行うようになっていることを特徴とする回転印刷システム。 - 請求項1又は2のいずれか1項に記載の回転印刷システムにおいて、
前記画像データ変換手段は、原画像を構成する複数の画素を直交座標系に配列した直交座標系原画像データを、前記原画像を構成する複数の画素を前記円盤印刷媒体の回転座標系に配列した回転座標系原画像データに変換するようになっており、
さらに、前記画像データ変換手段で変換した回転座標系原画像データを、前記印刷ヘッドの移動精度及び前記媒体回転手段の回転精度に応じた回転座標系印刷用画像データに変換する第2画像データ変換手段を備え、
前記印刷制御手段は、前記第2画像データ変換手段で変換した回転座標系印刷用画像データに基づいて、前記印刷ヘッド及び前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行うようになっていることを特徴とする回転印刷システム。 - 画像データの座標系を変換する装置であって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段を備え、
前記画像データ変換手段は、前記回転座標系における画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義し、前記直交座標系における画素を、前記回転座標系において円盤印刷媒体の印刷面に相当する領域にマッピングし、マッピングした画素群を、前記回転座標系の中心から等角度に分割してなる均等な4つの扇状領域に区分し、前記回転座標系における画素を矩形状と見立てて前記各扇状領域を両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形し、前記各台形状領域の隣接する斜辺同士を結合して正方形領域を構成し、
さらに、前記画像データ変換手段で構成した正方形領域の画素群に対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正手段を備えることを特徴とする画像データ処理装置。 - 請求項1記載の回転印刷システムにおける前記印刷ヘッド、前記媒体回転手段及び前記印刷制御手段を備える回転印刷装置に対して印刷を要求する装置であって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段と、
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データを前記回転印刷装置に出力する画像データ出力手段とを備え、
前記画像データ変換手段は、前記回転座標系における画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義し、前記直交座標系における画素を、前記回転座標系において前記円盤印刷媒体の印刷面に相当する領域にマッピングし、マッピングした画素群を、前記回転座標系の中心から等角度に分割してなる均等な4つの扇状領域に区分し、前記回転座標系における画素を矩形状と見立てて前記各扇状領域を両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形し、前記各台形状領域の隣接する斜辺同士を結合して正方形領域を構成し、
さらに、前記画像データ変換手段で構成した正方形領域の画素群に対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正手段を備えることを特徴とする画像データ処理装置。 - 円盤印刷媒体に印刷を行うプログラムであって、
前記円盤印刷媒体の半径方向に沿った第1走査方向に移動する印刷ヘッドと、前記円盤印刷媒体の円周方向に沿った第2走査方向に前記円盤印刷媒体を回転させる媒体回転手段とを利用可能なコンピュータに対して、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段、並びに
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データに基づいて、前記印刷ヘッド及び前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う印刷制御手段として実現される処理を実行させるためのプログラムを含み、
前記画像データ変換手段は、前記回転座標系における画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義し、前記直交座標系における画素を、前記回転座標系において前記円盤印刷媒体の印刷面に相当する領域にマッピングし、マッピングした画素群を、前記回転座標系の中心から等角度に分割してなる均等な4つの扇状領域に区分し、前記回転座標系における画素を矩形状と見立てて前記各扇状領域を両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形し、前記各台形状領域の隣接する斜辺同士を結合して正方形領域を構成し、
さらに、前記画像データ変換手段で構成した正方形領域の画素群に対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正手段として実現される処理を実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする回転印刷プログラム。 - 請求項1記載の回転印刷システムにおける前記印刷ヘッド、前記媒体回転手段及び前記印刷制御手段を備える回転印刷装置に対して印刷を要求するプログラムであって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換手段、並びに
前記画像データ変換手段で変換した回転座標系画像データを前記回転印刷装置に出力する画像データ出力手段として実現される処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを含み、
前記画像データ変換手段は、前記回転座標系における画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義し、前記直交座標系における画素を、前記回転座標系において前記円盤印刷媒体の印刷面に相当する領域にマッピングし、マッピングした画素群を、前記回転座標系の中心から等角度に分割してなる均等な4つの扇状領域に区分し、前記回転座標系における画素を矩形状と見立てて前記各扇状領域を両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形し、前記各台形状領域の隣接する斜辺同士を結合して正方形領域を構成し、
さらに、前記画像データ変換手段で構成した正方形領域の画素群に対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正手段として実現される処理を実行させるためのプログラムを含むことを特徴とする画像データ処理装置用プログラム。 - 円盤印刷媒体の半径方向に沿った第1走査方向に移動する印刷ヘッドと、前記円盤印刷媒体の円周方向に沿った第2走査方向に前記円盤印刷媒体を回転させる媒体回転手段とを制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う方法であって、
直交座標系に画素を配列した直交座標系画像データを、前記円盤印刷媒体の回転座標系に画素を配列した回転座標系画像データに変換する画像データ変換ステップと、
前記画像データ変換ステップで変換した回転座標系画像データに基づいて、前記印刷ヘッド及び前記媒体回転手段を制御して前記円盤印刷媒体に印刷を行う印刷制御ステップとを含み、
前記画像データ変換ステップは、前記回転座標系における画素の円周方向の長さをwとしたときに、当該画素の半径方向の長さdを4w/πとして定義し、前記直交座標系における画素を、前記回転座標系において前記円盤印刷媒体の印刷面に相当する領域にマッピングし、マッピングした画素群を、前記回転座標系の中心から等角度に分割してなる均等な4つの扇状領域に区分し、前記回転座標系における画素を矩形状と見立てて前記各扇状領域を両方の斜辺が階段状となる台形状領域に変形し、前記各台形状領域の隣接する斜辺同士を結合して正方形領域を構成し、
さらに、前記画像データ変換ステップで構成した正方形領域の画素群に対して、直交座標系の画像データに適用可能な画像補正処理を適用する画像補正ステップを含むことを特徴とする回転印刷方法。
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