JP3783595B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、窓の車内側を覆うように展開するエアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、上記構成の頭部保護エアバッグ装置としては、例えば、特開平10−138857号公報に開示される構成の乗員保護装置があった。
【0003】
この乗員保護装置は、車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、窓の車内側を覆うように展開するエアバッグと、エアバッグ内に膨張用ガスを供給するインフレーターと、を備えて構成されていた。そして、エアバッグの上縁側における後端には、インフレーターと連結される接続口部が形成されていた。
【0004】
この種の乗員保護装置では、展開膨張したエアバッグで乗員を的確に保護するために、エアバッグに車両前後方向に沿うようにテンションを発生させることが望まれている。そして、従来の乗員保護装置では、エアバッグの展開膨張時に、接続口部付近からエアバッグの前端にかけて、大きなテンションを発生させるように、エアバッグにおける車両への取付部分と非膨張部とを除いた大部分を、膨張用ガスを流入させる膨張部とするとともに、エアバッグにおける後端側を非膨張部として、接続口部に向かって狭幅となる略三角形状のテンション用三角板部としていた。
【0005】
しかし、従来の乗員保護装置では、エアバッグにおける膨張部と非膨張部とが一体的に形成されていることから、エアバッグ形成時に、大きな面積のエアバッグ用基材を裁断する必要があり、エアバッグ用基材に対しての歩留まりが良好ではなかった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアバッグ形成時におけるエアバッグ用基布の使用量を低減できて、エアバッグ用基布を効果的に利用することができる頭部保護エアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る頭部保護エアバッグ装置は、車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、窓の車内側を覆うように展開するエアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置であって、
エアバッグが、
窓の車内側を覆うように展開膨張する膨張遮蔽部と、膨張遮蔽部の上縁側における前後方向の一端から突出して形成されて、インフレーターから吐出される膨張用ガスを膨張遮蔽部に案内するガス供給路部と、を有するエアバッグ本体と、
エアバッグ本体と別体とされて、ガス供給路部の下方の膨張遮蔽部の縁から、ガス供給路部に沿って突出するように、一端を膨張遮蔽部におけるガス供給路部形成側の縁部付近に結合させ、かつ、他端を車両の上縁側に固定させて、エアバッグの展開膨張時に、膨張遮蔽部に、車両前後方向に沿うようにテンションを発生させるテンションクロスと、
を備えて構成され、
テンションクロスが、一端を膨張遮蔽部の縁部における上下方向の寸法と略同一として、他端を一端より狭幅とされた略三角形状に形成されて、
ガス供給路部若しくはテンションクロスには、エアバッグの折り畳み時に、折り畳まれたガス供給路部と折り畳まれたテンションクロスとの周囲を覆って結束可能な突出部が、形成されて、
エアバッグの折り畳み時に、ガス供給路部とテンションクロスとが、一体的に結束されて収納されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグにおけるエアバッグ本体とテンションクロスとが、別体で形成されていることから、エアバッグ形成時において、エアバッグ用基材を裁断する際に、エアバッグ本体を構成する部材とテンションクロスを構成する部材とに分割して裁断できる。すなわち、エアバッグの形成時に、シート状のエアバッグ用基材から、小さな面積の部材を複数裁断することとなり、エアバッグの全体を一体的に形成する場合に比して、エアバッグ用基材を効率的に裁断できて、エアバッグ用基材に対しての歩留まりが良好となる。
【0010】
従って、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグ形成時におけるエアバッグ用基布の使用量を低減できて、エアバッグ用基布を効率的に利用することができる。
【0011】
また、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグにおいて、エアバッグ本体とテンションクロスとが別体とされていることから、多数の膨張遮蔽部を袋織りして連続的に形成し、テンションクロスを通常の平織り等の織布で形成して裁断することも可能となって、エアバッグの軽量化や低コスト化も可能となる。
【0012】
さらに、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、エアバッグの折り畳み時に、折り畳まれたガス供給路部とテンションクロスとが、一体的に結束される構成であることから、車両搭載時に、折り畳まれたテンションクロスを、ガス供給路部とともに折り畳まれたエアバッグ本体と一体的に取り扱うことが可能となって、テンションクロスが窓の上縁側から垂れる等の事態を防止することができ、車両組付時の作業性が良好となる。
【0013】
さらに、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、ガス供給路部とテンションクロスとを折り畳んだ状態で、ガス供給路部若しくはテンションクロスのどちらか一方に形成される突出部を、他方の周囲を覆うように巻き付ければ、ガス供給路部とテンションクロスとを結束させることができるとともに、突出部自体が、ガス供給路部若しくはテンションクロスの一方に取り付けられて、突出部の配設された側の部材自体への突出部の連結を考慮しなくてもよいことから、ガス供給路部とテンションクロスとの結束時における作業性が良好となる。
【0014】
さらにまた、本発明の頭部保護エアバッグ装置では、テンションクロスを略三角形状に形成していることから、エアバッグの展開膨張時に、テンションクロスにより、窓の車内側を広く覆うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
実施形態の頭部保護エアバッグ装置(以下「エアバッグ装置」と省略する)Mは、図1に示すように、エアバッグ11を、車両Vの車内側におけるセンターピラー部CPを間にしたドアに形成される窓W(W1・W2)の上縁側周縁におけるフロントピラー部FPの下縁側及びルーフサイドレール部RRの下縁側にわたって、折り畳まれて収納させている。
【0017】
このエアバッグ装置Mは、エアバッグ11、インフレーター40、取付ブラケット37・41、及び、エアバッグカバー8、を備えて構成されている。
【0018】
エアバッグカバー8は、図1〜3に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5と、のそれぞれの下縁側から構成されている。そして、エアバッグカバー8は、折り畳まれて収納されたエアバッグ11の車内側Iを覆うように配設されるとともに、展開膨張時のエアバッグ11を車内側Iへ突出可能とするために、エアバッグ11に押されて車内側Iへ開き可能な構成とされている。
【0019】
エアバッグ11は、図1〜7に示すように、インフレーター40からの膨張用ガスGを流入させて展開膨張するエアバッグ本体12と、エアバッグ本体12と別体とされて、エアバッグ11の展開膨張時に、車両前後方向に沿うようにテンションを発生させるテンションクロス28・29と、を備えて構成されている。
【0020】
エアバッグ本体12は、ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されており、図1〜7に示すように、インフレーター40からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、センターピラー部CPにおけるピラーガーニッシュ7の車内側Iと、センターピラー部CPを間にした窓W1及び窓W2の前方側における車内側Iと、を覆うように展開膨張する構成である。また、エアバッグ本体12は、車内側壁部13aと車外側壁部13bとを離すようにして、膨張用ガスGを内部に流入可能なガス流入部13と、膨張用ガスGを流入させない非流入部22と、から構成されている。
【0021】
ガス流入部13は、実施形態の場合、膨張遮蔽部15とガス供給路部19とから構成されている。膨張遮蔽部15は、エアバッグ11の展開膨張時、車両Vの前席の側方に配置されて、センターピラー部CPの車内側Iと、センターピラー部CPを間にした窓W1及び窓W2の前方側における車内側Iと、を覆うように膨張する構成である。ガス供給路部19は、膨張遮蔽部15の上縁側における後端から突出して形成されて、インフレーター40から吐出される膨張用ガスGを膨張遮蔽部15に案内する構成である。
【0022】
ガス供給路部19は、後端を開口させて、膨張遮蔽部15の後端上部から後方へ突出するように略円筒形状に形成されている。そして、ガス供給路部19は、後端付近をインフレーター40に外装させ、図1・8に示すように、クランプ36を外装させることにより、インフレーター40に固定されている。
【0023】
膨張遮蔽部15は、ガス案内部16と複数の膨張部17とを備えている。ガス案内部16は、エアバッグ本体12の上縁12a側で、ガス供給路部19と連続的に、車両の前後方向に沿って直線状に配設される構成である。膨張部17は、ガス案内部16の下方に配置されて、後述する区画結合部25で区画されて、上下方向に延びるように、車両の前後方向に沿って複数並設されている。ガス案内部16は、膨張用ガスGを流入させた際に、エアバッグカバー8を押し開き易くするように、ガス供給路部19より幅広に形成されている。膨張部17は、展開膨張時に、窓W1及び窓W2の前方側の車内側Iを覆う窓側膨張部17A・17B・17C・17Eと、センターピラーガーニッシュ7の車内側Iを覆うピラー部側膨張部17Dと、を備える構成である。
【0024】
そして、窓側膨張部17A・17B・17C・17Eの上端は、それぞれ、ガス案内部16に連通されており、下端側で相互に連通されている。また、ピラー部側膨張部17Dの上端は、区画結合部25により閉塞されており、下端側で、窓側膨張部17A・17B・17C・17Eと連通される構成である。
【0025】
非流入部22は、車内側壁部13aと車外側壁部13bとを結合させたように構成されて、取付部22、周縁結合部24、区画結合部25、及び、突出部26、を備える構成である。
【0026】
周縁結合部24は、ガス流入部13の周囲で、ガス流入部13と接する部位に配置されて、ガス漏れが生じないように密に織成されている。
【0027】
取付部22は、エアバッグ本体12の上縁12a側における周縁結合部24の上縁24a側から上方に突出するように、複数配設されている。各取付部22には、インナパネル2に取り付けるための取付ブラケット37が固着されることとなり、各取付部22には、取付ボルト38を挿通させるための取付孔22aが形成されている。
【0028】
区画結合部25は、膨張遮蔽部15の領域内で、各膨張部17A・17B・17C・17D・17Eを区画するように、車両Vの前後方向に複数並設されている。窓側膨張部17A・17B間に配置される区画結合部25Aは、略長円状に形成されて、上下方向に沿って2箇所に分離されて配設されている。窓側膨張部17B・17C間に配置される区画結合部25Bは、上端を前後方向に突出させた略「T」字形状に形成されている。そして、窓側膨張部17C・17Eとピラー部側膨張部17Dとを区画するように配置される区画結合部25Cは、略逆「U」字形状に形成されている。
【0029】
突出部26は、ガス供給路部19の前後方向における略中間部位におけるガス供給路部19の上縁側である周縁結合部24の上縁24a側から上方に突出するように配設されている。この突出部26は、エアバッグ11の折り畳み時に、折り畳まれたガス供給路部19と折り畳まれたテンションクロス29との周囲を略全周にわたって、巻き付けて覆い可能な長さ寸法を備える構成である。
【0030】
テンションクロス28・29は、エアバッグ11の展開膨張時に、膨張遮蔽部15に、車両前後方向に沿うようにテンションを発生させるもので、エアバッグ本体12の前端側と後端側とに、それぞれ、配置されており、エアバッグ本体12と別体に、ポリアミド糸・ポリエステル糸等を使用した平織り等の織布で形成されている。そして、テンションクロス28・29は、それぞれ、周縁結合部24の前縁24b側と後縁24c側とに縫着されている。
【0031】
テンションクロス28は、略台形状の本体部28aと、本体部28aの前端側から前方側に突出するベルト部28bと、を備えて構成されている。そして、ベルト部28bの先端と本体部28aの前端側の上縁側には、取付ブラケット37を固着させるための取付部28cが形成されている。そして、各取付部28cには、取付ボルト38を挿通させるための取付孔28dが形成されている。
【0032】
テンションクロス29は、略三角形状の本体部29aと、本体部29aの後端側から後方側に突出するベルト部29bと、を備えて構成されている。本体部29aは、底辺を周縁結合部24の後縁24cの長さ寸法と略同一としている。また、ベルト部29bの先端には、取付ブラケット37を固着させるための取付部29cが形成されている。取付部29cには、取付ボルト38を挿通させるための取付孔29dが形成されている。
【0033】
インフレーター40は、図1・8に示すように、略円柱形状のシリンダタイプとして、ガス供給路部19の後端付近を外装させている。そして、インフレーター40は、板金製の取付ブラケット41と取付ボルト42とを利用して、ルーフサイドレール部RRの車内側におけるボディ1側のインナパネル2に取付固定されている。
【0034】
取付ブラケット37は、図1・2・8に示すように、板金製として、各取付部23・28c・29cを挟持するもので、それぞれ、車内側Iの内プレート37aと車外側Oの外プレート37bとを備えて構成されている。内・外プレート37a・37bには、各取付部23・28c・29cの取付孔23a・28d・29dに対応する取付孔37cが貫通されている。そして、取付ボルト38を、それぞれ、取付孔23a・28d・29d・37cに挿通させて、インナパネル2の取付孔2a周縁に固着されたナット2bに螺合させることにより、各取付部23・28c・29cがインナパネル2に取り付けられることとなる。
【0035】
次に、実施形態のエアバッグ装置Mの車両Vへの搭載について説明する。まず、平らに展開したエアバッグ本体12を、テンションクロス28・29とともに、図4の二点鎖線に示すように、順次、山折りと谷折りとの折り目Cを入れて、エアバッグ本体12の下縁12b側を上縁12a側に接近させるように、蛇腹折りする(図2参照)。このとき、展開膨張時に、センターピラーガーニッシュ7の車内側を覆うこととなる部位付近は、図3に示すように、エアバッグ本体12の下縁12b側の折り畳み部位45が、折り畳まれたエアバッグ本体12の車内側Iを覆って、下縁12bが下端側となるように、折り畳まれている。
【0036】
そして、ガス供給路部19から突出して形成されている突出部26で、それぞれ、折り畳まれたガス供給路部19とテンションクロス29との周囲を覆うように、突出部26を、図9に示すように、折り畳まれたガス供給路部19とテンションクロス29とに巻き付け、ガス供給路部19とテンションクロス29とを一体的に結束させる。
【0037】
そして、折り畳んだエアバッグ11の周囲と突出部26の周囲とに、折り崩れ防止用の破断可能なテープ34を巻き付けて、エアバッグ11の所定箇所をくるむとともに、インフレーター40・取付ブラケット37・41を取り付けて、図8に示すようにエアバッグ組付体32を形成する。
【0038】
その後、各取付部23・28c・29cを、取付ボルト38を使用して、インナパネル2に取付固定するとともに、取付ブラケット41を、取付ボルト42を使用してインナパネル2に取付固定すれば、エアバッグ組付体32を車両Vのボディ1に取り付けることができる。次いで、インフレーター40に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、センターピラーガーニッシュ7をボディ1に取り付ければ、エアバッグ装置Mを車両Vに搭載させることができる。
【0039】
エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後、インフレーター40が作動されれば、膨張用ガスGが、図4に示すように、ガス供給路部19を経て、ガス案内部16内を前方に流れる。そして、膨張用ガスGは、ガス案内部16から下方に流れて、膨張部17が折りを解消させつつ膨張し始める。次いで、エアバッグ本体12は、くるんでおいたテープ34を破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5の下縁側のエアバッグカバー8を押し開いて、図1〜3の二点鎖線で示すように、下方へ突出しつつ、センターピラー部CPにおけるセンターピラーガーニッシュ7の車内側Iと、センターピラー部CPを間にした窓W1及び窓W2の前方側と、を覆うように、大きく膨張することとなる。そして、エアバッグ11の展開膨張時に、テンションクロス28・29は、エアバッグ本体12における膨張遮蔽部15の部位に、取付部28cから取付部29cにかけて、車両前後方向に沿うように、大きなテンションを発生させることとなる。このとき、センターピラー部CP近傍の部位では、図3に二点鎖線で示すように、折り畳まれたエアバッグ12の車内側Iを覆うように配置される折り畳み部位45が、エアバッグ本体12の展開に伴って車内側Iに押し出されるように展開することから、エアバッグ本体12は、下縁12b側を、センターピラーガーニッシュ7から突出するように配置されているベルトアンカーBに引っ掛からせることなく、円滑に車内側Iへ突出する。
【0040】
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ11におけるエアバッグ本体12とテンションクロス28・29とが、別体で形成されていることから、エアバッグ11形成時において、エアバッグ用基材を裁断する際に、エアバッグ本体12を構成する部材とテンションクロス28・29を構成する部材とに分割して裁断できる。すなわち、エアバッグ11形成時に、シート状のエアバッグ用基材から小さな面積の部材を複数裁断することとなり、エアバッグ全体を一体的に形成する場合に比して、エアバッグ用基材を効率的に裁断できて、エアバッグ用基材に対しての歩留まりが良好となる。
【0041】
従って、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ形成時におけるエアバッグ用基布の使用量を低減できて、エアバッグ用基布を効率的に利用することができる。
【0042】
特に、実施形態のエアバッグ装置Mでは、テンションクロス28・29を、エアバッグ本体12を構成する袋織りされた基布とは別の平織り等の織布で形成していることから、エアバッグ11における袋織りされた基布の使用量を減らすことができると同時に、エアバッグ本体12を構成する袋織りされた基布の歩留まりを、一層、良好にすることができて、エアバッグ11の製造コストを低減させることができる。また、テンションクロス28・29を構成する織布は、エアバッグ本体12を構成する基布に比して薄いことから、エアバッグ11をコンパクトに折り畳むことができる。
【0043】
そして、実施形態では、図4に示すように、織布を構成する経糸VT若しくは緯糸HTが、それぞれ、各ベルト部28b・29bと略平行となるように、テンションベルト28・29を、それぞれ、形成している。そのため、エアバッグ11の展開膨張時に、ベルト部28b・29bによって、エアバッグ本体12に、車両前後方向に沿うように、一層、大きなテンションを生じさせることができて、エアバッグ本体12が車内側Iや車外側Oへの押圧力を受けても、大きく動揺せず、好ましい。
【0044】
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ11の折り畳み時に、折り畳まれたガス供給路部19とテンションクロス29とが、一体的に結束される構成であることから、車両搭載時に、折り畳まれたテンションクロス29を、ガス供給路部19とともに折り畳まれたエアバッグ本体12と一体的に取り扱うことが可能となって、折り畳まれたテンションクロス29が窓W2周縁の上縁側から垂れる等の事態を防止することができ、車両V組付時の作業性が良好となる。
【0045】
さらに、実施形態では、ガス供給路部19に突出部26が形成されていることから、ガス供給路部19とテンションクロス29とを折り畳んだ状態で、ガス供給路部19に形成される突出部26を、折り畳まれたテンションクロス29の周囲を覆うように巻き付ければ、ガス供給路部19とテンションクロス29とを結束させることができるとともに、突出部26自体が、ガス供給路部19に取り付けられて、ガス供給路部19自体への突出部26の連結を考慮しなくてもよいことから、ガス供給路部19とテンションクロス29との結束時における作業性が良好となる。突出部26は、勿論、テンションクロス29に形成する構成としてもよく、上記点を考慮しなければ、突出部を設けない構成としてもよい。
【0046】
さらに、実施形態のエアバッグ装置Mでは、テンションクロス29の本体部29aを略三角形状に形成していることから、エアバッグ11の展開膨張時に、本体部29aにより、窓W2の車内側を広く覆うことができる。勿論、テンションクロス29の形状はこれに限られるものではなく、例えば、ベルト状のものを配置させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である頭部保護エアバッグ装置の使用態様を示す車内側から見た概略正面図である。
【図2】図1のII−II部位概略拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III部位概略拡大断面図である。
【図4】同実施形態で使用するエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。
【図5】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す部分拡大横断面図であり、図4のV−V部位が膨張した状態を示す。
【図6】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す部分拡大縦断面図であり、図4のVI−VI部位が膨張した状態を示す。
【図7】同実施形態のエアバッグの膨張時を示す部分拡大縦断面図であり、図4のVII−VII部位が膨張した状態を示す。
【図8】同実施形態のエアバッグ組付体を示す正面図である
【図9】図8のIX−IX部位概略拡大断面図である。
【符号の説明】
11…エアバッグ、
12…エアバッグ本体、
13…ガス流入部、
13a…車内側壁部、
13b…車外側壁部、
15…膨張遮蔽部、
19…ガス供給路部、
26…突出部、
28・29…テンションクロス、
40…インフレーター、
G…膨張用ガス、
W(W1・W2)…窓、
M…頭部保護エアバッグ装置。
Claims (1)
- 車両の車内側における窓の上縁側に折り畳まれて収納されて、膨張用ガスの流入時に、前記窓の車内側を覆うように展開するエアバッグを備えた頭部保護エアバッグ装置であって、
前記エアバッグが、
前記窓の車内側を覆うように展開膨張する膨張遮蔽部と、該膨張遮蔽部の上縁側における前後方向の一端から突出して形成されて、前記インフレーターから吐出される膨張用ガスを前記膨張遮蔽部に案内するガス供給路部と、を有するエアバッグ本体と、
該エアバッグ本体と別体とされて、前記ガス供給路部の下方の前記膨張遮蔽部の縁から、前記ガス供給路部に沿って突出するように、一端を前記膨張遮蔽部における前記ガス供給路部形成側の縁部付近に結合させ、かつ、他端を前記車両の上縁側に固定させて、前記エアバッグの展開膨張時に、前記膨張遮蔽部に、車両前後方向に沿うようにテンションを発生させるテンションクロスと、
を備えて構成され、
前記テンションクロスが、前記一端を前記膨張遮蔽部の縁部における上下方向の寸法と略同一として、他端を前記一端より狭幅とされた略三角形状に形成されて、
前記ガス供給路部若しくは前記テンションクロスには、前記エアバッグの折り畳み時に、折り畳まれた前記ガス供給路部と折り畳まれた前記テンションクロスとの周囲を覆って結束可能な突出部が、形成されて、
前記エアバッグの折り畳み時に、前記ガス供給路部と前記テンションクロスとが、一体的に結束されて収納されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
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