JP3783477B2 - 分電盤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主幹開閉器の二次側に変流器を配設し、この変流器の出力及び主幹開閉器の電源電圧により電力量を測定する電力量計を備えた分電盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電力量計を備えた分電盤として、特開平3−13866号に示すものが存在する。このものは、各分岐開閉器の二次側に各々の通電電流を測定する変流器を配設するとともに、各使用者に対応する電力量計を配設したものであり、各使用者に対応する複数の変流器の電流出力和と主幹開閉器の電源電圧とで電力演算を行い、各使用者に対応する電力量を測定するものである。
【0003】
ここで、各変流器は、分岐開閉器と略同一寸法のケース内に個別に収納されており、分岐開閉器の横並び方向に並設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した分電盤にあっては、各変流器を分岐開閉器と略同一寸法のケース内に個別に収納して分岐開閉器の横並び方向に並設しているので、分岐開閉器の取付スペースに変流器を配設することができる。
【0005】
しかしながら、分電盤を構成する既設の箱体内に設置現場で変流器及び電力量計を配設して電力量を測定し得る仕様に変更する場合、各変流器を個々のケース内に収納している関係上、複数の変流器の一次側の方向性(極性)を設置現場で確かめながら統一させる必要がある。特に、このように個々に変流器を配設している関係上、各変流器を個々に配設したり、各変流器の個々の極性を確かめて配設したりする必要があり、変流器の配設作業が大変煩わしいという問題がある。
【0006】
本発明は、かかる事由に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、設置現場で各変流器を一度に配設したり、各変流器の一次側の方向性(極性)を統一し易く、もって変流器の設置作業が容易となる分電盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の分電盤にあっては、主幹開閉器と、この主幹開閉器に対して複数の導電バーによって接続された分岐開閉器と、これら主幹開閉器及び分岐開閉器間に配設されて主幹開閉器の二次側の電流を測定する複数の変流器と、主幹開閉器の電源電圧及び各変流器の出力により電力量を演算する電力量計と、を備えた分電盤において、前記各変流器は、所定間隔離すとともに互いの一次側の方向性を一致させた状態で同一のケース内に収納され、該ケースに、各導電バーを遊挿する通孔と、この通孔に対して直交する方向に前記各変流器を並設し、各変流器を並設方向に遊挿させた状態で収納する収納部と、を設けた構成としてある。
【0008】
請求項2記載の分電盤にあっては、請求項1のものの導電バーを3つとし、前記ケースの中央の導電バーに対応する上部又は下部に、中央の導電バーを配設し得る凹みを形成した構成としてある。
【0009】
請求項3記載の分電盤にあっては、請求項1又は請求項2のもののケース内に、各変流器に接続されて各変流器の出力を個々に調整する二次抵抗を配設した構成としてある。
【0010】
請求項4記載の分電盤にあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のものの各変流器と電力量計とをコネクタを介して接続する構成としてある。
【0011】
請求項5記載の分電盤にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のもののケース内に、前記変流器に接続されて配設されるリード線が前記ケースと前記変流器との間に挟まれて損傷するのを防止する、損傷防止部を設けた構成としてある。
【0012】
請求項6記載の分電盤にあっては、請求項5のものの損傷防止部は撓み弾力性を備える構成としてある。
【0013】
請求項7記載の分電盤にあっては、請求項6のものの損傷防止部は前記ケースから一体に同等材にて柱状に立設形成される構成としてある。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本実施形態の分電盤を図1乃至図10に基づいて説明する。
【0016】
本実施形態の分電盤は、単相三線式配線路に配設されるものであり、図1乃至図4に示すように、下箱 2及び扉 3からなる箱体 1内に、主幹開閉器 4と、この主幹開閉器 4の二次側に導電バー 6を介して接続された複数の分岐開閉器5,5,……と、主幹開閉器 4及び分岐開閉器5,5,……に配設されて主幹開閉器 4の二次側の電流を測定する複数の変流器 7,8と、主幹開閉器 4及び各変流器 7,8の出力により電力量を演算する電力量計 9とを有している。
【0017】
下箱 2には、略コ字状のフレーム 10,10を四隅に固着されたボルトを介して両側に平行に配置し、これらのフレーム 10,10間に主幹開閉器 4及び複数の分岐開閉器5,5,……を配設する基板 11,12を橋架している。扉 3は、図2に示すように、下箱 2の開口面を塞ぐ中蓋13とこの中蓋13よりも外側で下箱 2に回動自在に蝶着される外蓋14とで構成されている。
【0018】
中蓋13は、その一端側を下箱 2内に配設される一方のフレーム10に支持部材(図示せず)を介して回動自在に支持され、他端側を他方のフレーム10に取着された固定部材 15,15に固定螺子 16,16により閉じた状態に保持することが可能となっている。なお、この中蓋13には、図2に示すように、閉じた状態で主幹開閉器 4、各分岐開閉器5,5,……、電力量計 9等の操作部及び表示部を露見させる開口部17が形成されている。なお、18は各分岐開閉器5,5,……の対応する分岐回路名を表示する表示カードであり、各分岐回路がどの分岐開閉器5,5,……に相当するのが容易に分かるようにしている。
【0019】
外蓋14は、図1に示すように、一端側を下箱 2の一方側に回動自在に蝶着し、他端側に形成された施錠部19をハンドル20操作により下箱 2の開口口縁内面に係止して閉じた状態に保持することができるようになっている。
【0020】
主幹開閉器 4は、この種で公知の三極型の漏電ブレーカであって、図1に示すように、下箱 2外からの入力線を入力端子に接続するとともに出力端子に導電バー 6を接続しており、下箱 2内に配設された基板11の固定部材15側で、入力端子を上側、出力端子を下側として取着されている。
【0021】
分岐開閉器5,5,……は、1Pサイズで2極型のものを用いており、各導電バー 6,6,6のうちの2本に分岐バー21,21,……を介して入力端子が接続され、下箱 2内に配設された基板12に入出力端子方向を主幹開閉器 4の入出力端子方向に対して直交方向となるように取着されている。なお、分岐バー21,21,……には、図5に示すように、下段の導電バー 6,6(図1において両側の導電バー 6,6) に下段の分岐バー21,21,……を接続するための工具挿通孔 21aが形成されており、下段の分岐バー21,21,……の増し締めができる構造となっている。
【0022】
導電バー 6,6,6は、図5に示すように、略Z字状に折曲されて、一方側を主幹開閉器 4の出力端子に各々接続するとともに他方側を分岐開閉器5,5,……の並設方向に延出させている。両側の導電バー 6,6は、図6に示すように、変流器 7,8内を貫通し、これらの導電バー 6,6に流れる電流を測定することができるようになっている。
【0023】
変流器 7,8は、図6乃至図8に示すように、所定間隔離した状態で同一のケース22内に一次側の方向性(極性)を一致(図4参照)させて収納し、正常に2つの電流値の加算ができるようになっており、図5に示すように、基板11における主幹開閉器 4の出力端子側に各変流器 7,8を一体に取着することが可能となっている。従って、各変流器 7,8を一度に配設したり各変流器 7,8の一次側の方向性(極性)を統一させて配設したりすることが容易となり、変流器 7,8を配設する作業の簡素化を図っている。なお、2つの変流器 7,8の一次側の方向性を一致させるということは、各配線路(各導電バー 6,6,6)の電流の向きに合わせて各変流器 7,8を配設することであり、本実施形態1の単相三線式配線路では、両方の変流器 7,8の向きを互いに逆向きに配設している。
【0024】
各変流器 7,8間には、図4及び図7に示すように、各変流器 7,8の出力を個々に調整する二次抵抗23をプリント基板24に実装して配設しており、各変流器 7,8の製造過程における特性誤差を二次抵抗23で調整してケース22内に収納し、ケース22内に変流器 7,8が配設されたときには調整済みとして、設置現場で変流器 7,8の調整を行う必要がなく、変流器 7,8の配設作業が更に容易に行えるようにしている。そして、このプリント基板24からの出力線25をケース22から外部に挿通して電力量計 9に接続する。この出力線25の先端には、図6及び図7に示すように、雄コネクタ26が接続されており、電力量計 9に対してコネクタ接続が行えるようになっている。
【0025】
ケース22は、各導電バー 6,6,6を遊挿する3つの通孔27,27,27及びこれらの通孔27,27,27に対して直交する方向に変流器 7,8を並設し、各変流器 7,8を遊挿させた状態で収納する収納部 28,28を備えたケース本体29と、各導電バー 6,6,6を遊挿する3つの通孔30,30,30を有した蓋体31とを有し、ケース本体29及び蓋体31とを蓋体31からケース本体29方向に螺合する取付ネジ32により取着している。
【0026】
ケース本体29の各通孔27,27,27及び蓋体31の各通孔30,30,30は、各導電バー 6,6,6よりも大きく形成され、大きさや間隔の異なる複数種の導電バー 6でも挿通させることができるようになっている。従って、導電バー 6の大きさや間隔に合わせて各変流器 7,8の位置を可変することで、各変流器 7,8の貫通孔内に収まる複数種の導電バー 6を配設することができるようになっている。
【0027】
なお、図7及び図8において、33はプリント基板24をスライド装着するガイド溝を有した装着部で、蓋体31を装着する開口面側からプリント基板24をスライド装着できるようになっている。また、この装着部33は、各変流器 7,8の移動を規制する突起も兼ねており、各変流器 7,8の移動を両側の通孔 27,27及び 30,30内に臨む位置までとして規制するようになっている。また、図7及び図8において、34はケース22自体を基板11に固定するための脚片であり、ネジによって固定される。
【0028】
なお、ケース22の中央の導電バー 6に対応する上部の凹み35は、各導電バー 6,6,6が大容量のときの絶縁間隔を大きくするために中央の導電バー 6を配設するものであり、後述する(実施形態2)のところで説明する。
【0029】
電力量計 9は、図1乃至図3に示すように、各変流器 7,8の出力及び主幹開閉器 4の二次側の電源電圧を電力演算して所定電力量の発生毎にパルス信号を出力する電力計測器36と、この電力計測器36のパルス信号を計数して電力量として表示するカウンタ37とにより構成され、図1及び図5に示すように、基板11における主幹開閉器 4の側面側に各々取着される。
【0030】
電力計測器36は、図4に示すように、各変流器 7,8からの電流入力値及び主幹開閉器 4の二次側からの電源電圧値により電力量演算を行う演算手段38及びこの演算手段38によって演算された電力量が所定値を越えたときにパルス信号を出力する信号出力手段39を有した電子回路40と、この電子回路40に主幹開閉器 4の二次側から電源を供給する電源回路41と、この電源回路41の電源電圧と安定領域電圧とを比較して電源電圧が安定領域電圧未満のときには信号出力手段39からのパルス信号を出力不可能とし電源電圧が安定領域電圧に達したときには信号出力手段39からのパルス信号を出力可能とする比較回路42と、この比較回路42及び信号出力手段39からの出力により実際にパルス信号を出力する出力制御回路43と、を備えている。
【0031】
この電力計測器36には、図9に示すように、長手方向一方側に導電バー 6,6,6のうちの2本に接続される2つの電源端子 44,44が設けられるとともにパルス信号の第1の出力端子 45,45及び第2の出力端子 46,46が設けられ、長手方向他方側に各変流器 7,8からの出力線25を接続するセンサー端子47,47,47が設けられている。この電力計測器36の中央には、中蓋13の開口部17に臨む表示部48が設けられ、この表示部48に通電状態を表示する第1の発光素子49と、パルス信号の出力毎に発光する第2の発光素子50とが配設されている。
【0032】
なお、図10に示すように、電力計測器36のセンサー端子47,47,47に雌コネクタ51を有した入力線52を予め正しく接続しておけば、各変流器 7,8からの出力線を間違いなく接続することができる。つまり、雄コネクタ26と雌コネクタ51とは逆接続不可能となるよう各3つの接続部のうちの一つを特殊な形状となっており、既設された分電盤の下箱内に、各変流器 7,8を収納したケース22と電力計測器36とを配設してこれらを接続するときに、作業者が各コネクタ 26,51間の接続を行うだけで正しく接続することが可能となり、いちいち各変流器 7,8からの出力線25と電力計測器36のセンサー端子47,47,47との対応位置を確かめる必要がなく、各変流器 7,8と電力計測器36(電力量計 9)との極性間違いを極力無くすことができるのである。また、変流器 7,8と電力計測器36とを接続するときに、設置現場でコネクタ接続部分だけを切り離して後から接続することで、変流器 7,8と電力計測器36との接続作業性を容易にすることができるのである。
【0033】
カウンタ37は、図1及び図2に示すように、基板11における電力計測器36の側面側に取着され、電力計測器36からのパルス信号を積算して電力量を表示するものであり、内部に数年(例えば10年)間連続して記憶する記憶機能を有している。そして、このカウンタ37は、図2に示すように、電力量を表示する部分を中蓋13の開口部17部分から視認できるようになっており、外蓋14のみ開ければ簡単に電力量を読み取ることができるようになっている。
【0034】
なお、実施形態1によれば、単相三線式配線路に適用したものであるが、三相三線式配線路に適用してもよい。また、本実施形態1によれば、変流器2つを同一のケース内に収納しているが、三相四線式配線路等のように変流器を3以上配設するようにしても良い。さらに、本実施形態1によれば、各変流器を収納するケースに複数(3つ)の通孔を形成しているが、全ての導電バーをまとめて挿通するよう、1つの通孔としても良い。
【0035】
また、各変流器を収納したケースに雄コネクタを接続するとともに電力計測器(電力量計)の方に雌コネクタを接続しているが、ケースに雌コネクタを接続するとともに電力計測器(電力量計)に雄コネクタを接続しても良い。また、電力計測器に接続されるコネクタを電源端子に接続するのではなく、電力計測器の器体内部から直接引き出すようにしたものでも良い。
【0036】
また、電力量計は電力計測器とカウンタから構成されたものに限らず、積算電力量を計測できるものであれば、電力計測とカウンタとを一つの器体内に収納した一体型としても良い。また、電力量計を主幹開閉器に対して横並びとして主幹開閉器を取着した基板に取着しているが、分岐開閉器を取着した基板に取着しても良い。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2を図11に基づいて説明する。この実施形態2の実施形態1と異なる点は、ケース22の上部に形成した凹み35位置に、中央の導電バー 6を配設したものであり、これによって導電バー 6,6,6自体の幅方向の長さが長くて3本の導電バー 6,6,6の高さ位置を合わせて配設したのでは絶縁距離が足りない場合の実施形態である。これを図8と比較してみると各変流器 7,8間の間隔が異なるのが一目瞭然であり、容量の小さな導電バー 6,6,6を配設する場合には、各変流器 7,8間の間隔を短くすることができ、容量の大きな導電バー 6,6,6を配設する場合には、各変流器 7,8間の間隔を長くする必要がある。
【0037】
なお、本実施形態2によれば、凹みをケースの上部に形成しているが、下箱との絶縁間隔が十分に取れるものであれば、ケースの下部に形成しても良い。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3を図12及び図13に基づいて説明する。この実施形態3が前述の実施形態1,2と異なり特徴となるのは、損傷防止部に相当する仕切60,60 をケース22の内側にケース22と同材で一体に設けた構成である。仕切60,60 は、脚片34,34 近傍のケース22の内底部から、蓋体31に略当接する高さに壁状に立設されている。
【0038】
仕切60,60 は、変流器7,8 がケース22の収納部28,28 にて踊ることによって、変流器7 から引き出されるリード線70、変流器8 から引き出されるリード線80、各変流器7,8 からの出力線25などが、ケース22と変流器7,8 との間に挟まれ損傷してしまうのを防止する。
【0039】
また、仕切60,60 は、変流器7,8 がケース22の収納部28,28 にて踊ることによって、変流器7 から引き出されるリード線70、変流器8 から引き出されるリード線80、各変流器7,8 からの出力線25などが、導電バー6 を通すための通孔30の方へ飛び出すことによって分電盤の組立性が損なわれるのを防止する。
【0040】
更に、仕切60,60 は薄い壁として設けられ、構成材であるポリカーボネートなどの合成樹脂材料の弾力性を効果的に引き出すことが可能で、変流器7,8 が仕切60,60 に対し衝突したときの衝撃力を緩和することができ、変流器7,8 の損傷を防止する。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4を図14及び図15に基づいて説明する。この実施形態4が前述の実施形態3と異なり特徴となるのは、損傷防止部を仕切60,60 に代えて複数の柱状のピン61, …61として設けた構成である。ピン61, …61は、蓋体31に略当接する高さに、脚片34,34 近傍のケース22の底部から、一体にそれぞれ立設されている。
【0041】
ピン61, …61は、変流器7,8 がケース22の収納部28,28 にて踊ることによって、変流器7 から引き出されるリード線70、変流器8 から引き出されるリード線80、各変流器7,8 からの出力線25などが、ケース22と変流器7,8 との間に挟まれ損傷してしまうのを防止する。
【0042】
また、ピン61, …61は、変流器7,8 がケース22の収納部28,28 にて踊ることによって、変流器7 から引き出されるリード線70、変流器8 から引き出されるリード線80、各変流器7,8 からの出力線25などが、導電バー6 を通すための通孔30の方へ飛び出すことによって分電盤の組立性が損なわれるのを防止する。
【0043】
更に、ピン61, …61は、実施形態3に示すような隔壁状の仕切60,60 とは異なり、細い柱状のものとして形成するので、ケース22と一体成形される構成材であるポリカーボネートなどの合成樹脂材料の撓み弾力性を、少ない材料で簡単に効果的に引き出すことが可能であり、変流器7,8 がピン61, …61に対し衝突したときの衝撃力を緩和することができ、変流器7,8 の損傷を防止する。
【0044】
【発明の効果】
請求項1記載の分電盤にあっては、主幹開閉器と、この主幹開閉器に対して複数の導電バーによって接続された分岐開閉器と、これら主幹開閉器及び分岐開閉器間に配設されて主幹開閉器の二次側の電流を測定する複数の変流器と、主幹開閉器の電源電圧及び各変流器の出力により電力量を演算する電力量計と、を備えた分電盤において、前記各変流器は、所定間隔離すとともに互いの一次側の方向性を一致させた状態で同一のケース内に収納されているので、設置現場で各変流器をケース毎取着することで一度に配設したり、予め各変流器の一次側の方向性を一致させた状態でケース内に収納してブロック化しておけば、変流器の一次側の方向性を一々確かめる必要がなく正しい方向で設置したりすることができ、変流器の設置作業を容易にすることができる。また、ケースに、各導電バーを遊挿する通孔と、この通孔に対して直交する方向に前記各変流器を並設し、各変流器を並設方向に遊挿させた状態で収納する収納部と、を設けているので、各変流器がケースの内部で移動自在となっており、導電バーの大きさや間隔に合わせて各変流器の位置を可変することで、複数種の大きさ又は間隔の導電バーに対応させることができる。
【0045】
請求項2記載の分電盤にあっては、導電バーを3つとし、前記ケースの中央の導電バーに対応する上部又は下部に、中央の導電バーを配設し得る凹みを形成しているので、導電バー自体の幅方向の長さが長くて3本の導電バーの高さ位置を合わせて配設したのでは絶縁距離が足りない導電バーの場合には、凹みに中央の導電バーを配設させて絶縁距離をかせぐことができ、請求項1記載の効果に加え、導電バーの高さ方向を極力低くしながら、更に容量の大きな導電バーにも対応させることができるという効果がある。
【0046】
請求項3記載の分電盤にあっては、ケース内に、各変流器に接続されて各変流器の出力を個々に調整する二次抵抗を配設しているので、各変流器の製造過程における特性誤差を二次抵抗で調整してケース内に収納することで、ケース内に変流器が配設されたときには調整済みとして、設置現場で変流器の特性調整を行う必要がなく、変流器の配設作業を更に容易にすることができる。
【0047】
請求項4記載の分電盤にあっては、各変流器と電力量計とをコネクタを介して接続しているので、電力量計にコネクタの一方側を接続するとともに各変流器の出力線にコネクタの他方側を接続しておけば、既設された箱体内に各変流器と電力量計とを配設して両者を接続するときに、作業者が各コネクタ間の接続を行うだけで正しく接続することが可能となり、いちいち各変流器と電力量計との対応接続関係を確かめる必要がなく、各変流器と電力量計との極性間違いを極力無くすことができる。また、各変流器と電力量計とを接続するときに、設置現場でコネクタ接続部分だけを切り離しておけば、設置現場で工具を使用することなく接続が可能となり、変流器と電力量計との接続作業を容易にすることができる。
【0048】
請求項5記載の分電盤にあっては、ケース内に、前記変流器に接続されて配設されるリード線が前記ケースと前記変流器との間に挟まれて損傷するのを防止する損傷防止部を設けてあるので、輸送時の振動などで、変流器に接続するリード線が、変流器とケースとの間に挟まれて損傷するのを防止できるとともに、導電バーを通すための通孔への飛び出しによる組立性の損ないを防止できるという効果がある。
【0049】
請求項6記載の分電盤にあっては、損傷防止部は撓み弾力性を備えるので、変流器が損傷防止部に衝突したときの衝撃力を緩和することができ、変流器の損傷をも防止できるという効果がある。
【0050】
請求項7記載の分電盤にあっては、損傷防止部は前記ケースから一体に同等材にて柱状に立設形成されるので、同時成形が可能であって生産性に優れるとともに、合成樹脂材料の撓み弾力性を少ない材料で簡単に効果的に引き出すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す正面図である。
【図2】同上の中蓋を取着した状態の正面図である。
【図3】同上の回路図である。
【図4】同上の要部回路図である。
【図5】同上の要部正面図である。
【図6】同上の要部斜視図である。
【図7】同上の分解斜視図である。
【図8】同上の正面図である。
【図9】同上の要部上面図である。
【図10】同上の斜視図である。
【図11】本発明の実施形態2を示す要部正面図である。
【図12】本発明の実施形態3を示す要部斜視図である。
【図13】同上の正面図である。
【図14】本発明の実施形態4を示す要部斜視図である。
【図15】同上の正面図である。
【符号の説明】
1 箱体
2 下箱
3 扉
4 主幹開閉器
5 分岐開閉器
6,6,6 導電バー
7,8 変流器
9 電力量計
13 中蓋
14 外蓋
22 ケース
36 電力計測器
37 カウンタ
60 損傷防止部
61 損傷防止部
70 リード線
80 リード線

Claims (7)

  1. 主幹開閉器と、この主幹開閉器に対して複数の導電バーによって接続された分岐開閉器と、これら主幹開閉器及び分岐開閉器間に配設されて主幹開閉器の二次側の電流を測定する複数の変流器と、主幹開閉器の電源電圧及び各変流器の出力により電力量を演算する電力量計と、を備えた分電盤において、前記各変流器は、所定間隔離すとともに互いの一次側の方向性を一致させた状態で同一のケース内に収納され、該ケースに、各導電バーを遊挿する通孔と、この通孔に対して直交する方向に前記各変流器を並設し、各変流器を並設方向に遊挿させた状態で収納する収納部と、を設けたことを特徴とする分電盤。
  2. 導電バーを3つとし、前記ケースの中央の導電バーに対応する上部又は下部に、中央の導電バーを配設し得る凹みを形成したことを特徴とする請求項記載の分電盤。
  3. 前記ケース内に、各変流器に接続されて各変流器の出力を個々に調整する二次抵抗を配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の分電盤。
  4. 前記各変流器と電力量計とをコネクタを介して接続することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の分電盤。
  5. 前記ケース内に、前記変流器に接続されて配設されるリード線が前記ケースと前記変流器との間に挟まれて損傷するのを防止する、損傷防止部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の分電盤。
  6. 前記損傷防止部は撓み弾力性を備えることを特徴とする請求項記載の分電盤。
  7. 前記損傷防止部は前記ケースから一体に同等材にて柱状に立設形成されることを特徴とする請求項記載の分電盤。
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