JP3783292B2 - 産業車輌のガスボンベ保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばフォークリフトに代表される産業車輌において、燃料用のプロパンガスを機台に搭載するためのガスボンベ保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業車輌では、機台内にガスボンベを収納するに充分なスペースを確保することが難しいので、ガスボンベは外付けされることが多い。
フォークリフトにあって、ガスボンベの外付け手段としては、例えば図7に示す如く、機台におけるカウンタウエイトWの後端部を揚げ降ろし位置P2とし、その揚げ降ろし位置P2で、機台の後端縁と平行な軸を支点としてボンベ保持用フレーム6を機台の後方に回動し、ガスボンベの着脱操作を可能とする一方、その揚げ降ろし位置にボンベ保持用フレーム6を固定して搭載位置としても利用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ガスボンベを機台の後部位置に搭載すると、前記図7の如くガスボンベBによって後方視界が遮られ、運転席から機台後部の様子を確認しずらい。
従って搭載位置は運転席から広い後方視界が確保できる運転席により近い位置とすることが望ましいが、搭載位置として好ましいこの位置は揚げ降ろし位置として不適当である
揚げ降ろし位置と搭載位置とに異なる位置を選択すれば、ボンベ保持用フレームを一方の位置から他方の位置に移動し、ボンベ保持用フレームを定姿勢に固定する状態と回動自在とする2態様の切り換え操作を要するばかりか、揚げ降ろし位置に移動させた際に位置ずれがあったとき、ボンベ保持用フレームを回動させるとボンベ保持用フレームと機台との位置関係が適合せず、機台を傷つけたりボンベ保持用フレームを変形させてしまう虞れがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ボンベ搭載時に広い後方視界を確保し、交換時には正確な揚げ降ろし位置でボンベ保持用フレームを回動させ、確実な動作を約束する産業車輌のガスボンベ保持装置(以下単にガスボンベ保持装置という)であって、その構成は、ボンベ保持用フレームを、運転席から後方に対して広い視界を確保できる搭載位置と、機台の端縁と平行な軸を中心に機台から外れる方向に回動して位置を下げることによりガスボンベの着脱操作を可能とする揚げ降ろし位置との間を定姿勢にて移動自在に設け、前記ボンベ保持用フレームを定姿勢に保つ固定機構に、ボンベ保持用フレームが揚げ降ろし位置にあるとき、自動的に解除する固定解除手段を設け、前記ボンベ保持用フレームを、搭載位置と揚げ降ろし位置間を結ぶように設けられたレールに沿って移動する台車に取り付け、前記固定機構に、前記台車に回動可能に設けられ、前記ボンベ保持用フレームを係止するフック部を備えた係止アームと、その係止アームを前記ボンベ保持用フレームが係止する方向へ常時付勢すると共に、そのボンベ保持用フレームが前記揚げ降ろし位置に移動されたときには前記付勢方向と逆の方向に回動させて固定を解除する固定解除手段とを設けたことにある。
そして前記搭載位置は、機台の両サイドに設けられたピラーとピラーとの間を含ませることができる。
【0005】
【作用】
ボンベ保持用フレームを搭載位置から揚げ降ろし位置に移動させるだけで、固定解除手段により固定機能が解除されてボンベ保持用フレームは回動自在となり、又その際にボンベ保持用フレームの位置合わせは不要である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係るガスボンベ保持装置をフォークリフトに実施した形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2はフォークリフトのカウンタウエイトW上に装備されたガスボンベ保持装置を示したもので、カウンタウエイトW上にはベース1が固着され、そのベース1には、前後方向にレール2,2が配設されていて、そのレール2,2に沿って、台車3が左右のピラー4とピラー4と間を含み、広い後方視界を確保できる搭載位置P1と、カウンタウエイトWの後部にあたるガスボンベの着脱操作を可能とする揚げ降ろし位置P2との間を移動自在に組み付けられている。
前記レール2,2は夫々コ字状断面の開口側を外方に向け、台車3の底面に水平軸を中心に回動するよう取り付けられた移動用ローラ5をコ字状内に組み入れると共に、同じく台車3の底面に、垂直軸を中心に転動するよう取り付けられたガイドローラ5aが前記レール2の対向する背面に当接せられ、台車3がレール2,2に対して前後方向のみにしか動けないように規制されている。
【0007】
前記台車3には、ボンベ保持用フレーム6が台車3の後端縁を支点として前後に回動自在に取り付けられており、前方へいっぱいに回動すると、ボンベ保持部6aが台車3の前部に固着されたボンベ受け座7によって安定支持される一方、揚げ降ろし位置P2にて後方に回動させると、ボンベ保持部6aはカウンタウエイトWから後方に外れた低い位置に移動される(図3参照)。
【0008】
ボンベ保持用フレーム6には、図4に例示するように、前方にいっぱいまで回動させて前記ボンベ受け座7により保持された状態で定姿勢に保つ固定機能を有したストッパSが設けられており、そのストッパSは、上部先端がコイルスプリング8aによって前方側に付勢された状態で台車3に取り付けられている係止アーム8のフック部8bを、ボンベ保持用フレーム6のヒンジ部6b側方から突出したロッド9に係止させることによってボンベ保持用フレーム6の回動を阻止するように構成されて成る。
又、台車3を後方の揚げ降ろし位置P2に移動すると、前記係止アーム8の下端の掛合部8cに掛合して係止アーム8を付勢方向と逆の方向に押し返し、前記フック部8bをロッド9から外してボンベ保持用フレーム6を回動自在とする固定解除手段としてのロック解除部材10が設けられている。
従ってボンベ保持用フレーム6は、揚げ降ろし位置P2以外では定姿勢が保たれ、揚げ降ろし位置P2のみで回動自在となる。
言い換えれば、ボンベ保持用フレーム6を正確な揚げ降ろし位置P2に移動させるだけで、自動的に回動可能な状態になるのである。
【0009】
このように形成されたガスボンベ保持装置は、台車を搭載位置に移動すると、ボンベは左右のピラーとピラーとの間に支持され、後方に対する視野には殆ど影響しない(図5参照)。
そして台車を後方に移動させ、台車が揚げ降ろし位置に到達すると、ストッパの係止アームが自動的に外れ、ボンベ保持用フレームは後方への回動が可能となる。
ここでボンベ保持用フレームが揚げ降ろし位置からずれているにも拘わらず、作業者がボンベ保持用フレームが揚げ降ろし位置にあると勘違いしてボンベ保持用フレームを後方へ回動させようとしても回動させることはできないから、ストッパはインタロックとしての機能を併せ持つことになる。
【0010】
尚、本実施例においては、ベース1上にレールを配設しているが、これに限定されず、例えばウエイト上にレールを直接設けても良いし、前後へのボンベ保持用フレーム6の移動も、レールを用いた構造に限定されず、例えばベアリング機構を用いた構造などの他の構造を用いることができる。
又、係止構造も、実施例における係止アームのフック部8bとロッド9を組み合わせた構造に限定されず、ボンベ保持用フレーム6を係止可能であれば、他の構造、例えば、ヒンジ部をより側方へ延長し、ヒンジ部自体に係止される穴を設け、フック部を挿入させるような構造を採用してもかまわない。
更に、掛合部は必ずしも実施例における8cのような凹部を有するフック形状である必要はなく、ロック解除部材に当接し、係止アームを回動させ、ロック解除ができれば他の形状であっても良い。
そしてロック解除手段も実施例に限定されず、係止アームに当接し、ロックを解除できれば他の周知手段を利用でき、固定機能も、回動するアーム以外に、例えば上下にスライド動作する部材を利用して係止させる構造によって具現化するようにしても差し支えない。
【0011】
前記実施の態様は1本のボンベを左右横置き姿勢でピラー間に搭載するタイプであるが、2本のボンベを前後横置き姿勢で並列に搭載する機種にも適用でき、次にその実施形態について説明する。
図6の(a),(b)において、カウンタウエイトW上には前後方向に二本づつ計4本のレール2,2,・・が配設されており、左右夫々2本づつのレール2上には夫々台車3,3がレール2に沿って前側の搭載位置P1と後側の揚げ降ろし位置P2との間を移動可能に設けられている。
そして各台車3,3には、ボンベ保持用フレーム6、6が右側は右方向に、左側は左方向に夫々回動自在に取り付けられており、図示は省略するが、各台車には、前記実施の態様で示したガスボンベ保持装置と同様、台車が揚げ降ろし位置にあるとき以外はボンベ保持用フレームを定姿勢で固定するストッパが設けられている。
【0012】
この様に形成されたガスボンベ保持装置では、ボンベの小細径頭部をピラーとピラーとの間に位置するよう各ボンベ保持用フレームを前方の搭載位置に移動して後方視界を確保でき、ピラーが邪魔にならない揚げ降ろし位置に移動すれば、ストッパが自動的にはずれ、側方に回動可能となる。
【0013】
尚解除手段は、機械的或いは電気的を問わず、前記実施の態様に示したストッパ以外を採用しても差し支えなく、移動機構や回動機構、ボンベ保持用フレームの形態などは、本発明の意図する範囲内で変更実施される。
又本発明のガスボンベ保持装置は他の産業車輌にも適用される。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスボンベの搭載による後方視界の低下をできるだけ少なくでき、ボンベ保持用フレームを揚げ降ろし位置に移動すると、ボンベ保持用フレームが回動自在となってガスボンベを低い位置に降ろすことができ、ボンベ保持用フレームを揚げ降ろし位置から搭載位置側に移動させると、ボンベ保持用フレームは定姿勢に固定されるので、交換作業にあっては煩わしい操作が必要なく、而もボンベ保持用フレームを揚げ降ろし位置からずれた位置で回動することができないから、ボンベ保持用フレームが機台に接触することもない。
又、搭載位置をピラーとピラーの間を含ませることにより、ピラーにボンベを保護する役割を持たせることができるし、後方視界の確保にも有利となる。
更に、ボンベ保持用フレームをレールに沿って移動する台車に設けることによって、重いボンベも楽に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るガスボンベ保持装置をフォークリフトに実施した形態を側部から見た状態にて示す説明図である。
【図2】 同じくガスボンベ保持装置の実施形態を後部より見た状態の説明図である。
【図3】 ボンベ揚げ降ろし位置でボンベを機台後方の低い位置に移動させた状態を示す説明図でる。
【図4】 (a),(b)はストッパの説明図である。
【図5】 ボンベ搭載時における後方視界の説明図である。
【図6】 2本のガスボンベを搭載するタイプのフォークリフトにおける実施の態様を示す説明図である。
【図7】 従来のボンベ搭載時における後方視界の説明図である。
【符号の説明】
1・・ベース、2・・レール、3・・台車、4・・ピラー、5・・移動用ローラ、5a・・ガイドローラ、6・・ボンベ保持用フレーム、6a・・ボンベ保持部、6b・・ヒンジ部、7・・ボンベ受け座、8・・係止アーム、8a・・コイルスプリング、8b・・フック部、8c・・掛合部、9・・ロッド、10・・解除部材、W・・カウンタウエイト、S・・ストッパ、P1・・搭載位置、P2・・揚げ降ろし位置、B・・ガスボンベ。
Claims (2)
- ボンベ保持用フレームを、運転席から後方に対して広い視界を確保できる搭載位置と、機台の端縁と平行な軸を中心に機台から外れる方向に回動して位置を下げることによりガスボンベの着脱操作を可能とする揚げ降ろし位置との間を定姿勢にて移動自在に設け、前記ボンベ保持用フレームを定姿勢に保つ固定機構に、ボンベ保持用フレームが揚げ降ろし位置にあるとき、自動的に解除する固定解除手段を設け、前記ボンベ保持用フレームを、搭載位置と揚げ降ろし位置間を結ぶように設けられたレールに沿って移動する台車に取り付け、前記固定機構に、前記台車に回動可能に設けられ、前記ボンベ保持用フレームを係止するフック部を備えた係止アームと、その係止アームを前記ボンベ保持用フレームが係止する方向へ常時付勢すると共に、そのボンベ保持用フレームが前記揚げ降ろし位置に移動されたときには前記付勢方向と逆の方向に回動させて固定を解除する固定解除手段とを設けた産業車輌のガスボンベ保持装置。
- 前記搭載位置が、機台の両サイドに設けられたピラーとピラーとの間を含む請求項1に記載した産業車輌のガスボンベ保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24076796A JP3783292B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 産業車輌のガスボンベ保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24076796A JP3783292B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 産業車輌のガスボンベ保持装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1081143A JPH1081143A (ja) | 1998-03-31 |
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Family Applications (1)
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JP24076796A Expired - Fee Related JP3783292B2 (ja) | 1996-09-11 | 1996-09-11 | 産業車輌のガスボンベ保持装置 |
Country Status (1)
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1996
- 1996-09-11 JP JP24076796A patent/JP3783292B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1081143A (ja) | 1998-03-31 |
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