JP3783036B2 - 微小重力環境制御装置、植物栽培装置及び動物飼育装置並びに微小重力環境制御方法、植物栽培方法及び動物飼育方法並びに育種方法 - Google Patents

微小重力環境制御装置、植物栽培装置及び動物飼育装置並びに微小重力環境制御方法、植物栽培方法及び動物飼育方法並びに育種方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微小重力環境制御装置、植物栽培装置及び動物飼育装置並びに微小重力環境制御方法、植物栽培方法及び動物飼育方法並びに育種方法に関し、その目的は、無重力或いは微小重力環境において、土壌を使用した植物栽培や動物飼育を可能とし、しかも土壌に供給した水分を回収して再利用することが可能な微小重力環境制御装置、植物栽培装置及び動物飼育装置並びに微小重力環境制御方法、植物栽培方法及び動物飼育方法並びに育種方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
現在、国際宇宙ステーションの建設が行われ、また商業用の宇宙旅行が計画されている。宇宙環境におけるミッションは、従来、少人数による短期間のミッションであったが、今後、多人数による長期間のミッションも積極的に行われていくものと考えられる。搭乗員の宇宙滞在が長期間になるにつれ、また同時に多人数の搭乗員が宇宙滞在するようになるにつれ、食料の確保が重要な課題となる。もちろん必要とされる食料を地上から打ち上げればよいが、大量の食料の打ち上げには莫大な費用が発生する。従って、いずれ宇宙環境において、食料の自供の必要性が生じることは明らかである。
搭乗員及び実験動物の排泄物の処理も宇宙滞在において大きな課題である。排泄物を化学的方法で処理する場合、その装置の打ち上げやメインテナンスのために大きなコストがかかる。一方、土壌や活性汚泥槽の内部でなされる微生物学的な有機物分解で処理する場合、その処理過程で得られる堆肥等の有機物を植物栽培に再利用できるというメリットがある。しかし、宇宙での土壌及び液体の利用は飛散及び流失に対する万全な対策を行う必要があり、そのために必要となる装置や打ち上げのコストを勘案すると現実には利用が困難な状況にある。
【0003】
また無重力や微小重力の環境下では、生物がこれまで思いもよらなかった形質を発現する場合があることが知られている。従って、宇宙環境のような微小重力環境を利用して生物の品種改良、或いは新たな遺伝子の探索が今後本格化していくものと考えられる。地上で利用する生物の育種を宇宙環境で行う場合、重力以外は地上と同じ環境条件すなわち土壌微生物など多数の生物から構成される土壌を用いた栽培条件で生育させることが望ましい。
【0004】
宇宙船や宇宙ステーションなどの微小重力環境や無重力環境において、上述した植物の自給に必要とされる植物栽培装置や、植物を利用した実験装置としては、例えば、以下のような装置が知られている。
特開昭62−29915号公報には、円錐状の筒体と、該筒体の内壁において軸方向に延長する複数条のパレットガイドと、該筒体内に軸方向に延長して配設された光源装置と、前記筒体を回転する手段とを有し、前記筒体内の小径部側より前記パレットガイドに植物を生育するパレットを載置し、前記筒体の回転によって前記パレットを前記パレットガイドに沿って該筒体の大径部側へ移動するようにした宇宙船内における植物栽培装置が記載されている。
【0005】
特開平7−289104号公報には、円筒形基体と、該円筒形基体の内側に突設される植物担体保持部と、該円筒形基体を回転させる駆動源と、該円筒形基体に養水を供給する養水供給管とからなることを特徴とする回転式水耕栽培装置が記載されている。
【0006】
また特開2002−154500号公報には、ケーシングの中央部に設置され両端部又は片方の端部の一辺のいずれかがケーシング側に軸受を介して回転可能に支持され一端がモータに連結した回転軸と、同回転軸に一端が取り付けられ放射状に伸びるアームと、同アーム先端にそれぞれ取り付けられ重量を付加する植物を入れる任意数のボックスとからなる宇宙空間で回転する微小重力回転装置であって、前記軸受は、前記回転軸周囲に近接し前記ケーシング側に取り付けられたコイルを有する電磁軸受であり、前記コイル近辺で前記回転軸周囲に近接して配置され前記ケーシング側に取り付けられた複数の振動センサと、同複数の振動センサからの信号を取り込み、前記回転軸の変位から振動を検知し、前記コイルの励磁電流を制御し、同振動を吸収するように制御する制御装置とを備えてなることを特徴とする微小重力回転装置が記載されている。
【0007】
前述した植物栽培装置は、いずれも回転手段を備えて遠心力を発生させることにより、水や植物の飛散を防止する技術である。
しかしながら、植物を栽培するための栽培室などを回転させるには、大きな動力源が必要とされ、動力の確保とその設置場所の問題が生じ、現実的な方法ではなかった。また遠心力を発生させてしまうために、無重力環境における品種改良の効果の発生が期待できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
回転手段を必要としない植物栽培装置としては、特公平7−63275号公報に記載された植物栽培装置が知られている。特公平7−63275号公報には、人工光源と、この人工光源に対面しかつ保水性を有する栽培床と、栽培床で栽培される植物と動物との間で酸素と炭酸ガスとを循環させるガス循環装置と、前記植物に水及び養分を供給する手段とを備え、前記人工光源は、栽培床で栽培される植物に照射する光の光合成有効光量子密度が、無重力状態におかれた植物の場合にもその生長方向を人工光源に向かう方向に一定させる以上の値のものであることを特徴とする植物栽培装置が記載されている。
【0009】
前述した植物栽培装置のように、回転手段を使用しないことにより、回転手段を有する装置に比べてコンパクトに構成することができる。しかも、回転手段を有しないので、微小重力環境がそのまま維持されるために、例えば植物などの品種改良の面で思わぬ効果が得られることが期待される。しかしながら、以下のような問題が存在した。
【0010】
この植物栽培装置は、植物の栽培のみに使用されるものであり、その他の用途に使用することができず、汎用性の低いものであった。
さらに水耕栽培やゲルを使用した栽培装置であるために、養液の濃度管理や微生物汚染などを防ぐために隔離しなければならず、大きな設置場所とコストがかかるという問題があった。また、水耕栽培やゲルを使用した栽培装置であって土壌を使用することができないために、重力以外は地上と同じ環境条件で生育させることができなかった。
【0011】
また、「ミール」内で行われた小麦の発芽試験では、発芽した300本全ての穂が不稔性であったことが報告されている。その原因はキャビン内に高濃度に蓄積したエチレンガスであることが指摘されている(Journal of Gravitational Physiology, Vol.7(2), pp5-8, 2000)。
宇宙ステーション内のような閉鎖環境における植物栽培では、エチレンなどの有害ガスの蓄積も大きな問題である。
【0012】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、大きな動力源や広い設置場所を必要とせずに、微小重力環境や無重力環境において土壌を使用した植物栽培や動物飼育を行うことができ、しかも有害ガスの高濃度の蓄積を防止することができる汎用性の高い微小重力環境制御装置、植物栽培装置並びに動物飼育装置及び微小重力環境制御方法、植物栽培方法並びに動物飼育方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプとからなり、前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置である。
請求項2に係る発明は、微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段とからなり、前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置である。
請求項3に係る発明は、微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段とからなり、前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置である。
【0014】
請求項4に係る発明は、微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段と、該液体回収手段により回収された水分をチャンバー内の土壌に供給するための液体供給手段とからなり、前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置である。
請求項5に係る発明は、光源が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培装置である。
請求項6に係る発明は、前記空気吸引用パイプの表面には、空気は通過可能であり、且つ実質的に土壌は通過不能な大きさの孔が多数設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の植物栽培装置である。
請求項7に係る発明は、微小重力下において、植物を栽培するためのチャンバー内に土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成しながら植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法である。
請求項7に係る発明は、微小重力下において、植物を栽培するためのチャンバー内に土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成しながら植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法である。
請求項8に係る発明は、微小重力下において、植物を栽培するためのチャンバー内に土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成するとともに、チャンバー内から吸引した空気から水分を分離回収して、回収した水分を土壌に供給して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法である。
【0016】
請求項9に係る発明は、微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、動物を飼育するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプとからなり、前記チャンバー内に土壌が収容され、該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置である。
請求項10に係る発明は、微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、動物を飼育するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段とからなり、前記チャンバー内に土壌が収容され、該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置である。
請求項11に係る発明は、微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、動物を飼育するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段とからなり、前記チャンバー内に土壌が収容され、該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置である。
請求項12に係る発明は、微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、動物を飼育するためのチャンバーと、該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結され、チャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段と、該液体回収手段により回収された水分をチャンバー内に供給するための液体供給手段とからなり、前記チャンバー内に土壌が収容され、該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置である。
請求項13に係る発明は、微小重力下において、動物を飼育するためのチャンバーに土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成しながら動物を飼育することを特徴とする動物飼育方法である。
【0017】
請求項14に係る発明は、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の植物栽培装置により、土壌を用いた植物の育成を実施し、新しい形質を備えた植物の新品種を得ることを特徴とする育種方法である。
請求項15に係る発明は、前記請求項9乃至12のいずれかに記載の動物飼育装置により、土壌を用いた動物の育成を実施し、新しい形質を備えた動物の新品種を得ることを特徴とする育種方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る微小重力環境制御装置を詳細に説明する。図1は、本発明に係る微小重力環境制御装置の概略を示す模式図である。
本発明に係る微小重力環境制御装置(1)は、空気供給孔(21)を備えたチャンバー(2)と、該チャンバー(2)内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプ(3)とから構成される。かかる構成を採用することで、大きな動力源や広い設置場所を必要とせずに宇宙船や宇宙ステーションなどの微小重力環境下においてチャンバー(2)内に収納された収納物を飛散させることなく制御することができる。また、チャンバー(2)内に土壌等を収納して植物を栽培することや動物を飼育することが可能となり、重力以外は地上と略同じ環境で生育させることができる。
【0019】
チャンバー(2)には、微小重力環境において飛散させずに一定の状態に制御する収納物が収納される。チャンバー(2)内に収納される収納物は特に限定されない。
チャンバー(2)の形態は特に限定されず、立方体形状や直方体形状、或いは円筒形状などの形態を例示することができるが、チャンバー(2)内に収納物を収納することができる形態であれば、その形態は特に限定はされず、他のあらゆる形態を採用することができる。またその材質は特に限定されず、例えば、ガラス又はアクリル樹脂などの合成樹脂を例示することができる。
また、チャンバー(2)には、チャンバー(2)内に空気が流入することができるように、空気供給孔(21)がチャンバー(2)の上方部に設けられている。またチャンバー(2)の外からチャンバー(2)内の様子を容易に確認することができるように、チャンバー(2)の少なくとも側面を透明な素材により形成することが好ましい。
尚、図1において、チャンバー(2)は断面図として示している。
【0020】
空気吸引用パイプ(3)は、チャンバー内(2)の下端部近傍に配設され、チャンバー(2)内の空気は空気吸引用パイプ(3)を通じてチャンバー(2)外と流通することができるように構成される。そして空気吸引用パイプ(3)には、空気吸引手段(4)が連通連結され、チャンバー(2)内の空気は空気吸引用パイプ(3)を通じてチャンバー(2)外に吸引されるように構成されている。これにより、チャンバー(2)内においてその上方から下方に向かう気流が形成される。チャンバー(2)内で上方から下方に向かう気流が形成されることにより、チャンバー(2)内に収納された収納物はチャンバー(2)の下方に位置するように制御され、微小重力環境下においても収納物の飛散を防止することができる。
【0021】
空気吸引用パイプ(3)は、チャンバー(2)内の空気がチャンバー(2)外に通過することができるものであれば特に限定されず、例えば、空気吸引用パイプ(3)として、その表面に多数の孔が形成された多孔性の合成樹脂製のパイプを例示することができる。
その表面に多数の孔が設けられた空気吸引用パイプ(3)を用いる場合、表面に設けられる孔の径は空気が通過することができる程度の大きさであれば特に限定されない。しかし、通常の場合、チャンバー(2)内には収納物が収納されているので、収納物は実質的には通過し得ない大きさであることが好ましい。
空気吸引用パイプ(3)は、一本のパイプをチャンバー(2)の下端部近傍に配設してもよく、複数本のパイプを略等間隔で配設しても構わない。
【0022】
また図示例の空気吸引手段(4)は、チャンバー(2)内の空気を吸引する空気吸引装置(42)と、チャンバー(2)内から吸引した空気とチャンバー(2)内から吸引した水等の液体を分離することができる液体分離手段(41)を備え、空気吸引用パイプ(3)と液体分離手段(41)は、連結管(43)により連通連結され、液体分離手段(41)と空気吸引装置(42)は連結管(44)により連通連結されている。
チャンバー(2)内に水分が収納された場合、空気吸引装置(42)によって、水分は空気とともにチャンバー(2)外に吸引されるが、液体分離手段(41)が設けられていることにより、空気とともに吸引された水分や空気中に含まれる水分を分離して回収することが可能となる。
尚、空気吸引手段(4)によって吸引される空気吸引量は、チャンバー(2)内に収納される収納物に応じて、適宜任意に設定される。即ち、微小重力或いは無重力環境下において、収納物をチャンバー内の下方に位置するように制御することができるような吸引量に適宜任意に設定される。
【0023】
さらに、本発明に係る微小重力環境制御装置(1)では、チャンバー(2)内から吸引した空気を浄化することができる空気浄化装置(図示せず)を備えることもできる。チャンバー(2)内から吸引した空気を浄化することができるので、チャンバー(2)内から吸引した空気を、例えば宇宙船や宇宙ステーション内にそのまま排気することが可能となる。
【0024】
さらに、本発明に係る微小重力環境制御装置(1)では、チャンバー(2)内を照らすことができるように光源(5)を設置することができる。用いられる光源としては、白熱灯、LED(近赤外、赤、青、白)などを例示することができるが特に限定されない。
【0025】
また、本発明に係る微小重力環境制御装置(1)では、チャンバー(2)内に水等の液体を供給する液体供給手段(6)を備えることもできる。
図示例の液体供給手段(6)は、液体を収納して、所定量の液体を供給するための液体供給装置(61)と、チャンバー(2)内に配設され、供給された液体をチャンバー内(2)に分散させるためのパイプ(62)とから構成され、液体供給装置(61)とパイプ(62)は連結管(63)により連通連結されている。そして、パイプ(62)の表面には、供給された液体が通過し得る程度の大きさの孔が多数設けられており、これにより、液体をチャンバー(2)内に分散して供給することができる。
尚、液体分離手段(41)によって分離回収された液体を液体供給装置(61)に供給するように構成して、分離回収された水分を再び土壌に供給するようにしても構わない。このように構成することで、水分を循環再利用することができる。
【0026】
本発明に係る微小環境制御装置(1)は、チャンバー(2)内の空気を空気吸引手段(4)により空気吸引用パイプ(3)を通じてチャンバー(2)外に吸引することにより、チャンバー(1)の上方から下方に向かう気流が発生する。これにより、たとえ本発明に係る装置が微小重力環境や無重力環境下におかれた場合であったとしても、チャンバー(2)内に収納された収納物の飛散を防止して、収納物を制御することが可能となる。
【0027】
以上説明した本発明に係る微小環境制御装置(1)の用途は特に限定されず、例えば、植物栽培装置や動物飼育装置として利用することができる。
【0028】
本発明に係る微小環境制御装置を植物栽培装置として利用する場合について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2は本発明に係る植物栽培装置(101)の概略を示す模式図である。本発明に係る植物栽培装置(101)の構成は、上述した微小重力環境制御装置(1)の構成を採用することができ、空気供給孔(21)を備えたチャンバー(2)と、該チャンバー(2)の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプ(3)とから構成される。そして、チャンバー(2)内には、植物栽培に必要な土壌(S)などが収納され、チャンバー(1)は栽培室として利用される。尚、空気供給孔(21)は、土壌(S)表面よりも上方に位置するように設けられていればよいが、チャンバー(2)の上面に設けられていることが好ましい。
そして、空気吸引手段(4)によって土壌(S)中の空気は空気吸引用パイプ(3)を介してチャンバー(2)外に吸引され、チャンバー(2)内の上方から下方に向かう気流が形成される。これにより、チャンバー(2)内に収納された植物や土壌はチャンバー(2)の下方に位置するように制御される。
尚、図3において、チャンバー(2)は断面図として示している。
【0029】
チャンバー(2)内には、植物の栽培に必要な土壌(S)などが収納される。収納される土壌は、表層より細かい粒子の土壌、中程度の粒子の土壌、苔やロックウールなどの繊維状物質、小石というように、表層から下層に向かうにつれ空隙が次第に大きくなるような層を形成して収納することで空気吸引用パイプ(3)の目詰まりを防止することが可能である。
【0030】
また、本発明に係る植物栽培装置(101)では、液体供給手段(6)を備えることができる。これは、チャンバー(2)内に土壌を収納した場合、土壌が乾燥すると本発明に係る植物栽培装置(101)であっても、微小重力環境下では土壌の飛散量が多くなる可能性がある。土壌に水分を含ませると、土壌の飛散を効果的に防止することができるからである。また植物の生育に必要な水分を土壌中に供給する目的で使用することもできる。
図示した液体供給手段(6)は、液体を収納して、所定量の液体を供給するための液体供給装置(61)と、チャンバー(2)内に配設され、供給された液体をチャンバー(2)内に分散させるためのパイプ(62)とから構成され、液体供給装置(61)とパイプ(62)は連結管(63)により連通連結されている。そして、パイプ(62)の表面には供給された液体が通過し得る程度の大きさの孔が多数設けられており、これにより、液体をチャンバー(2)内に分散して供給することができる。そして、パイプ(62)は、チャンバー(2)内に収納された土壌に埋没するような位置に設けられている。これにより、水分を土壌に確実に供給することができる。
尚、植物栽培装置(101)の場合、供給される水分に植物の生長に必要な栄養分を含有させて供給することも可能である。
【0031】
空気吸引手段(4)により吸引する空気量は、チャンバー(2)内に収納する土壌(S)などの種類や栽培する植物の種類に応じて、適宜任意に設定される。また土壌(S)の飛散が観察された場合や、植物の収穫時などに土壌(S)の飛散の発生が予想される場合は吸引する空気量を増加させることもできる。
また本発明に係る植物栽培装置(101)では、空気吸引手段(4)により吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収装置(41)を備えていることが好ましい。液体回収装置(41)を備えていることにより、空気吸引手段(4)によって空気とともに吸引された水分及び吸引された空気に含まれる水分を分離回収することができる。回収した水分は、液体供給装置(61)に供給するように構成することで、水分を循環再利用することが可能となる。
【0032】
チャンバー(2)内においてチャンバーの上方から下方に向かう気流を発生させたとしても、植物の収穫時や振動が発生した場合は、細かい土壌(S)が飛散する場合がある。飛散した土壌(S)を一定の範囲内に留めるために、飛散防止用部材(図示せず)を設けることができる。飛散防止用部材には、空気は通過することができ、収納物は実質的に通過し得ない大きさの孔が多数設けられている。飛散防止用部材を設置する場所は特に限定されないが、土壌表層に接して土壌全面を被覆してもよく、また土壌表層と一定の距離を隔てた箇所に設置しても構わない。
【0033】
本発明に係る植物栽培装置(101)を使用して植物を栽培するには、チャンバー(2)内に土壌を収納するとともに、空気吸引手段(4)により土壌(S)中の空気を連続的に吸引する。土壌(S)の空気を連続的に吸引することにより、チャンバー(2)内の上方から下方に向かう気流が連続的に形成される。これにより、チャンバー(2)内に収納された土壌(S)はチャンバー(2)の下方に常に位置するようになり、チャンバー(2)内の環境を制御することができる。
チャンバー(2)内に収納される土壌(S)の含水率は、特に限定されないが、15%以上、より好ましくは30%程度に調整することが好ましい。この理由は、含水率が15%未満であると、土壌(S)が飛散しやすくなるために、好ましくないからである。ただし、耐乾燥性の品種を育成するなどの目的のため極端な低水分状態で栽培する必要性があるときには、空気の吸引量を増加させるなど、他の手段で土壌の飛散を防止することができる。
【0034】
本発明に係る植物栽培装置(101)は、空気吸引手段(4)によりチャンバー(2)の上方から下方に向かう気流が形成されるので、チャンバー(2)内に収納された植物、植物の種、土壌、水分などはチャンバー(2)の下方に位置するように制御される。これにより、微小重力環境において、土壌を用いた植物栽培が可能となり、宇宙船や宇宙ステーションにおける植物栽培や品種改良などの植物を使用した各種実験を行うことができる。
土壌中の空気を吸引しているので、植物の根に常に新鮮な空気が供給されるようになり、植物の生長を促進するとともに、根腐れ病などの病害を予防することができる。また、土壌から空気を吸引する際に、水分も同時に吸引される。土壌に過剰に水分が供給された場合に、過剰な水分を速やかに吸引することができ、植物の病害を予防するとともに、植物の生長を促進することができる。さらに、空気温度と吸引空気量を調整することで、土壌乾燥を制御することができるため、供給する水の量を調節することで、土壌水分を厳密に管理することが可能である。これにより、例えば、砂漠などの乾燥条件においても生育可能な新品種の選抜を行うことができる。
【0035】
また、土壌を通過した空気は略飽和状態にある水蒸気を含むために、この空気を凝縮することにより蒸留水を回収することができる。回収した水を再び土壌に供給すれば、循環再利用することが可能となる。
チャンバーの外からチャンバー内に吸引された空気は土壌を通過して、再びチャンバーの外に排気されるので、空気中に含まれる塵や埃などは土壌によりろ過されるとともに、空気中に含まれる悪臭成分も土壌の働きにより分解され無臭化される。これにより、空気中に高濃度に有害ガスが蓄積することがない。
【0036】
尚、以上説明した本発明に係る植物栽培装置(101)は、微小重力環境において好適に使用することができるが、当然地上において使用することも可能である。
また、以上説明した以外の構成については、上述した微小重力環境制御装置と同様の構成であり、説明を省略する。
【0037】
次に、本発明に係る微小重力環境制御装置を動物飼育装置として利用する場合について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3は本発明に係る動物飼育装置(102)の概略を示す模式図である。本発明に係る動物飼育装置(102)の構成は、上述した微小重力環境制御装置(1)の構成を採用することができ、空気供給孔(21)を備えたチャンバー(2)と、該チャンバー(2)の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプ(3)とから構成される。そして、チャンバー内には、動物飼育に必要な土壌或いは大鋸屑、わらなど(以下、単に土壌等(S)という。)が収納され、チャンバー(2)は飼育室として利用される。尚、空気供給孔(21)は、土壌等(S)表面よりも上方に位置するように設けられていればよいが、チャンバー(2)の上面に設けられていることが好ましい。
そして、空気吸引手段(4)によって土壌等(S)中の空気は空気吸引用パイプ(3)を介してチャンバー(2)外に吸引され、チャンバー(2)内の上方から下方に向かう気流が形成される。これにより、チャンバー(2)内に収納された土壌等(S)はチャンバー(2)の下方に位置するように制御される。
尚、図3において、チャンバー(2)は断面図として示している。
【0038】
また、本発明に係る動物飼育装置(102)では、液体供給手段(6)を備えることができる。これは、チャンバー(2)内に土壌等(S)を収納した場合、土壌が乾燥すると本発明に係る動物飼育装置(102)であっても、微小重力環境下では土壌の飛散量が多くなる可能性がある。土壌に水分を含ませると、土壌の飛散を効果的に防止することができるからである。また飼育される動物に水分を供給する目的で使用することもできる。
図に示した液体供給手段(6)は、液体を収納して、所定量の液体を供給するための液体供給装置(61)と、チャンバー(2)内に配設され、供給された液体をチャンバー(2)内に分散させるためのパイプ(62)とから構成され、液体供給装置(61)とパイプ(62)は連結管(63)により連通連結されている。そして、パイプ(62)の表面には供給された液体が通過し得る程度の大きさの孔が多数設けられており、これにより、液体をチャンバー(2)内に分散して供給することができる。そして、パイプ(62)は、チャンバー(2)内に収納された土壌に埋没するような位置に設けられている。これにより、水分を土壌に確実に供給することができる。
【0039】
空気吸引手段(4)によってチャンバー(2)内から吸引される空気量は、チャンバー(2)内に収納される収納物や飼育される動物に応じて、適宜任意に設定される。また動物の活動状況に応じて吸引される空気量を変更することもできる。例えば、動物が活発に活動する時間帯は、飛散する土壌などの量も多くなると考えられるので、空気吸引量を増加させ、動物の活動が穏やかになる時間帯には空気吸引量を減少することも可能である。
また本発明に係る動物飼育装置(102)では、空気吸引手段(4)により吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収装置(41)を備えていることが好ましい。液体回収装置(41)を備えていることにより、空気吸引手段(4)によって空気とともに吸引された水分及び吸引された空気に含まれる水分を分離回収することができる。回収した水分は、液体供給装置(61)に供給するように構成することで、水分を循環再利用することが可能となる。
【0040】
また、チャンバー(2)内で激しく動き回る可能性のある動物を飼育する場合は、土壌などの飛散量が増加するために、チャンバー(2)の上方から下方に向かう気流だけでは細かな土壌を制御できない可能性がある。細かな土壌の飛散を防止するために、飛散防止用部材(7)を設置すること好ましい。飛散防止用部材(7)には、空気は通過可能であり、実質的に収納物は通過し得ない程度の大きさの孔が多数設けられている。例えば、ネット等を例示することができる。
飛散防止用部材(7)を設置する箇所は、飼育される動物に応じて適宜任意に変更される。例えば、土壌中でのみ生活するような動物を飼育する場合は、土壌表面と接するように設置すればよい。また土壌の上でも生活するような動物の場合、土壌表面と一定の距離を設けるように設置すればよい。
【0041】
以上説明した本発明に係る動物飼育装置(102)は、チャンバー(2)の上方から下方に向かう気流が形成されるので、チャンバー(2)内に収納された収納物はチャンバー(2)の下方に位置するように制御される。これにより、宇宙環境のような無重力又は微小重力環境におかれたとしても、チャンバー(2)内の収納物の飛散を防止することができ、土壌等を使用した動物の飼育が可能となる。
さらに、チャンバー(2)内に土壌を収納した場合、チャンバー(2)内の空気は土壌を通過した後に、チャンバー(2)の外に排気されるために、動物飼育による悪臭を除去することができる。
【0042】
また本発明に係る動物飼育装置(102)は、飼育する動物の地上における生活様式をある程度維持しながら、重力のみが極めて小さい環境を作り出すことができ、純粋に重力の有無が動物に与える影響を観察することができる。
尚、本発明に係る動物飼育装置(102)は、微小重力環境において好適に使用することができるが、当然地上において使用することもできる。
また以上説明した以外の構成については、上述した微小重力環境制御装置(1)と同様であり、説明を省略する。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(試験例1)
アクリル容器(内径9cm×9cm×9cm)に、植物、土壌、軽石、水分を組み合わせて封入したものを用いて、これらの微小重力環境下における挙動を観察した。また、土壌表面のメッシュ(約7mm穴)による被覆が土壌の飛散防止に役立つかどうかを検証した。
試験方法は、表1に記載される試験区の試料を調製し、飛行実験(パラボリックフライト;放物線軌道に沿って航空機が加速度0で飛行する際に短時間の微小重力環境が形成される。)を5回行い、1回のフライトにつき20秒間の微小重力状態を10数回発生させた。実験中のアクリル容器の挙動をビデオカメラで撮影した後、目視による分析を行った。
土壌としては、市販の腐葉土及び粒径2mm程度の赤玉土を含む培養土を使用した。
また植物を含む試験区では、実験の1ヶ月前に約5cm厚さで入れた土壌にサラダ菜の種を播種、栽培したものを準備した。結果を表1に記載する。
【0044】
【表1】
Figure 0003783036
【0045】
表1に示される結果のとおり、植物が生育している土壌の表面は微小重力下でもほとんど飛散は観察されなかった。また土壌のみの実験では、含水率約30%程度以上に湿潤していれば土壌全体が安定することが分かった。また乾燥した土壌では、微小重力下のわずかな重力変化でも粒子が浮遊し、メッシュにより土壌表面を被覆した場合でも小さな粒はメッシュの隙間から飛散した。
【0046】
(試験例2)
まず、図4に示されるような実施例の実験装置(100)を作成した。図4に示される実験装置(100)は、上端部にエアフィルター(201)を備えたアクリル樹脂製の栽培槽(内径389cm×288cm×169cm)(2)の上部に光源として冷陰極管光源(501)、ハロゲンランプ(502)及びLED(503)を設置した。栽培槽(2)内の上方部にはメッシュ(7)を一面に張った。またメッシュ(7)の近傍にマイナスイオン発生器(M)を設置した。
栽培槽(2)の下端部には多孔性チューブ(300)を配設し、多孔性チューブ(300)の一端は、ボール弁(401)及びサクションチューブ(402)を介してドレインセパレーター(410)に連通連結され、ドレインセパレーター(410)には空気浄化装置(420)を介してブロワー(422)を連通連結した。ブロワー(422)により栽培槽(2)内の空気を、栽培槽(2)の下端部から多孔性チューブ(300)を介して栽培槽(2)外に吸引することにより、栽培槽(2)の上方から下方に向かう気流を形成した(矢印は空気の流れである)。栽培槽(2)内に設置された光センサー(L)で光量を、空気浄化装置(420)とブロワー(422)の間に設置されたマスフローメーター(421)で空気吸引量を測定した。
栽培槽(2)内には、栽培槽(2)の下端部から、軽石、水苔、椰子繊維を敷いた上に培養土を入れ、実験開始15日前に、ニラ、ホウレンソウ、タクト、チンゲンサイ、サニーレタス、バジル、オカヒジキ、チョウホウナ、ツケナ、カラシナ、ミニトマト、モロヘイヤ、イチゴ、マジョラム、セージ、セロリ、キャラウェイ、オレガノの種をそれぞれ20粒ずつ播種して、25℃の室内で上記の装置付属の赤LED(503)及び冷陰極管光源(501)により栽培した。植物が繁茂した状態で飛行実験(パラボリックフライト)を行った。
土壌(S)中からの空気吸引量は、飛行実験中、インバーター(423)によって、50〜120L/min.の範囲でその都度変更した。パラボリックフライトは5回行い、1回のフライトにつき約20秒間の微小重力状態を10数回発生させた。実験中の実験装置(100)の挙動は、ビデオカメラで記録した後、目視による分析を行った。
【0047】
実験の結果、土壌中の空気を吸引することにより、微小重力環境下において土壌は飛散しないことが確認された。
またバラボリックフライトに入る直前には、マイナスG(上方へ重力がかかっている状態)の環境が形成されるが、この環境下でも図5に示すように、土壌表面からマイナスGにより剥離した土塊が吸気により、飛散せずに制御される状態が確認された。
従って、本発明に係る装置は、飼育動物の活動により土壌が巻き上げられた場合や植物の収穫作業により土壌が巻き上げられた場合でも、確実に土壌の飛散を防止することができる。
【0048】
(試験例3)
上記試験例2と同様の装置を用いて、以下の試験を行った。
上記の装置内に試験例2と同様に土壌を入れ、ここに、ジャンガリアンハムスター及びショウジョウバエを入れた。土壌中からの吸気量は、飛行実験中、50〜120L/min.の範囲でその都度変更した。パラボリックフライトは2回行い、1回のフライトにつき約20秒間の微小重力状態を10数回発生させた。実験中の実験装置の挙動は、ビデオカメラで記録した後、目視による分析を行った。
【0049】
試験の結果、ショウジョウバエは微小重力環境では全く飛翔しなかった。ハムスターは土壌中に潜ろうとして土壌の団粒構造を破壊した。土壌が乾燥して砂状になると、非常に飛散しやすくなった。しかし、メッシュから漏れることはなかった。
従って、動物を飼育する場合は、収納物の飛散を防止するために、多孔性のネットを設置することが望まれる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る植物栽培装置及び植物栽培方法は、空気吸引手段によってチャンバー内に上方から下方に向かう気流を形成することで、チャンバー内に収納された植物や植物栽培に必要とされる土壌や水などをチャンバーの下方に位置するように制御することができる。これにより、微小重力環境において、土壌を用いた植物栽培が可能となる。
また土壌中の空気を吸引することによって土壌に空気が供給されるために、好気性細菌の活動を活発化させて、悪臭の原因となる嫌気性細菌の活動を抑制することができる。さらに、土壌に空気が供給されるために、酸素不足になると発症しやすい根腐れ病などの病害の発生を抑制することができる。また吸気流量、空気温度及び湿度により土壌温度及び土壌内酸素濃度を制御することができ、これにより、植物生長や土壌微生物増殖の制御が可能となる。
また土壌から空気を吸引することにより、土壌中の余分な水分も同時に吸引することができ、土壌の水分含有量を厳密に管理することができる。土壌中から吸引した水分は、空気と分離して、これを土壌に供給することで、水分を循環再利用することが可能となる。
さらに、チャンバー内の空気は土壌を通過して排気されるので、土壌を通過する際に空気中に含まれる有害ガス、塵や埃を除去することができる。
【0052】
本発明に係る動物飼育装置及び動物飼育方法は、空気吸引手段によってチャンバー内に上方から下方に向かう気流を形成することで、チャンバー内で飼育される動物及び飼育に必要な土壌などをチャンバーの下方に位置するように制御することができる。これにより、微小重力環境において動物の飼育が可能となる。
また動物飼育では、排泄物の処理が問題となるが、排泄物は土壌中の微生物により処理される。また悪臭は土壌に吸着されるために、臭いは殆どしない。
【0053】
本発明に係る育種方法は、微小重力環境において土壌を用いた育種が可能であるために、重力環境以外は地上と略同じ条件で育種を行うことができ、生物の品種改良や遺伝子の探索に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る微小重力環境制御装置の概略を示す模式図であり、チャンバーについてはその断面が示されている。
【図2】本発明に係る植物培養装置の概略を示す模式図であり、チャンバーについてはその断面が示されている。
【図3】本発明に係る動物飼育装置の概略を示す模式図であり、チャンバーについてはその断面が示されている。
【図4】試験例1及び3で使用した実験装置の概略を示す模式図である。
【図5】試験例2で撮影された栽培槽内の状態を示す写真であり、−Gによって巻き上げられた土塊が吸引によって釣り合った状態が示されている(円内)。
【符号の説明】
1 微小重力環境制御装置
101 植物栽培装置
102 動物飼育装置
2 チャンバー
3 空気吸引用パイプ
4 空気吸引手段
41 液体分離手段
42 空気吸引装置
5 光源
6 液体供給手段
7 飛散防止用部材

Claims (15)

  1. 微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、
    土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプとからなり、
    前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置。
  2. 微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、
    土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、
    該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段とからなり、
    前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置。
  3. 微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、
    土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、
    該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、
    チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段とからなり、
    前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置。
  4. 微小重力下で用いられる植物栽培装置であって、
    土壌を収納して植物を栽培するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、
    該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、
    チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段と、
    該液体回収手段により回収された水分をチャンバー内の土壌に供給するための液体供給手段とからなり、
    前記土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする植物栽培装置。
  5. 光源が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培装置。
  6. 前記空気吸引用パイプの表面には、空気は通過可能であり、且つ実質的に土壌は通過不能な大きさの孔が多数設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の植物栽培装置。
  7. 微小重力下において、植物を栽培するためのチャンバー内に土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成しながら植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
  8. 微小重力下において、植物を栽培するためのチャンバー内に土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成するとともに、チャンバー内から吸引した空気から水分を分離回収して、回収した水分を土壌に供給して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
  9. 微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、
    動物を飼育するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプとからなり、
    前記チャンバー内に土壌が収容され、
    該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置。
  10. 微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、
    動物を飼育するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段とからなり、
    前記チャンバー内に土壌が収容され、
    該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置。
  11. 微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、
    動物を飼育するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、
    該空気吸引用パイプに連通連結されチャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、
    チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段とからなり、
    前記チャンバー内に土壌が収容され、
    該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置。
  12. 微小重力下で用いられる動物飼育装置であって、
    動物を飼育するためのチャンバーと、
    該チャンバー内の下端部近傍に配設された空気吸引用パイプと、
    該空気吸引用パイプに連通連結され、チャンバー内の空気をチャンバー外に吸引するための空気吸引手段と、
    チャンバー外に吸引された空気から水分を分離回収するための液体回収手段と、
    該液体回収手段により回収された水分をチャンバー内に供給するための液体供給手段とからなり、
    前記チャンバー内に土壌が収容され、
    該土壌内に前記空気吸引用パイプが配設されることを特徴とする動物飼育装置。
  13. 微小重力下において、動物を飼育するためのチャンバーに土壌を収納して、土壌中の空気をチャンバー外に吸引することにより該チャンバー内の上方から下方に向かう気流を形成しながら動物を飼育することを特徴とする動物飼育方法。
  14. 前記請求項1乃至6のいずれかに記載の植物栽培装置により、土壌を用いた植物の育成を実施し、新しい形質を備えた植物の新品種を得ることを特徴とする育種方法。
  15. 前記請求項9乃至12のいずれかに記載の動物飼育装置により、土壌を用いた動物の育成を実施し、新しい形質を備えた動物の新品種を得ることを特徴とする育種方法。
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