JP2003098287A - インターナルポンプ用電源システム - Google Patents

インターナルポンプ用電源システム

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JP2003098287A
JP2003098287A JP2001287494A JP2001287494A JP2003098287A JP 2003098287 A JP2003098287 A JP 2003098287A JP 2001287494 A JP2001287494 A JP 2001287494A JP 2001287494 A JP2001287494 A JP 2001287494A JP 2003098287 A JP2003098287 A JP 2003098287A
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voltage
inverter
output
rectifier
power supply
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JP2001287494A
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Reina Haruta
玲奈 春田
Hirohisa Satomi
弘久 里見
Tomoaki Hirane
智章 平根
Masashi Sugiyama
政司 杉山
Toshiya Morita
俊也 守田
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】インターナルポンプ用電源システムにおいて、
制御系の異常発生時でもインターナルポンプの運転を継
続可能にする。 【解決手段】交流電源設備2と、交流電源設備2の出力
である交流電圧を直流電圧に変換する整流器4と、整流
器4の出力である直流電圧を平滑化する平滑回路5と、
平滑回路5の出力である直流電圧を任意の電圧/周波数
に変換する電圧型パルス幅変調方式のインバータ6とを
備えているインターナルポンプ用電源システム1におい
て、2重系で設けた整流器制御回路11,12、インバ
ータ制御回路13,14と、これら制御回路のうちの一
方の作動中に異常が発生した時には他方の作動に切り替
える中央操作コントローラ25などの切替手段とを有す
る2重系制御手段を、整流器4及びインバータ6の少な
くとも一方が備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子力発
電所の原子炉内において冷却材をインターナルポンプに
より再循環させるためのインターナルポンプ用電源シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電所の原子炉内におい
て冷却材を再循環させるインターナルポンプの電源シス
テムは、一般的に以下のような構成の主回路を備えてい
る。すなわち原子力発電所所内の交流電源設備から供給
される3相交流電圧を入力変圧器により降圧した後に、
整流器(直流電源)により直流電圧に変換し、その後イ
ンバータにより任意の周波数の交流電圧に変換してか
ら、出力変圧器による昇圧後、インターナルポンプ内の
駆動電動機に交流電圧を供給する構成となっている。そ
してインターナルポンプは、供給された交流電圧の周波
数によってその回転数が制御されるようになっている。
また整流器及びインバータはそれぞれが備える制御回路
により作動が制御されるようになっている。
【0003】整流器について詳しくは、交流電圧をイン
バータが必要とする直流電圧に変換する装置であり、使
用される半導体素子によりダイオード整流器、サイリス
タ整流器、及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Tran
sistor)整流器があるが、インターナルポンプ用電源シ
ステムでは、主にサイリスタ整流器が用いられている。
【0004】インバータについて詳しくは、直流電圧を
三相交流電圧に変換する装置であり、インバータに採用
されるパワー半導体素子は、自己消弧不能デバイスであ
るサイリスタ、及び自己消弧可能デバイスのパワートラ
ンジスタ、GTO(Gate Turn Off Thyristor)、IG
BTに分類されるが、このうち自己消弧可能デバイスの
製作技術の進歩が、インバータの小型化/高性能化に大
きく寄与している。
【0005】従来より実機として使用されているインタ
ーナルポンプ用電源システムでは、上記を考慮して、G
TOを採用した電圧型PAM(Pulse AmplitudeModulat
ion:パルス振幅変調)制御方式のインバータが適用さ
れている。この電圧型PAM制御方式は、出力電圧の大
きさを整流器側で制御した上で、インバータ側にて出力
周波数のみを制御するようになっている。また、電圧型
PAM制御方式の電源システムには、整流器及びインバ
ータの制御回路をそれぞれ2重系で備え、一方の系の制
御回路の作動中にて異常が発生した場合に、他方の系の
制御回路の作動に切替える(制御切替)方式を採用して
おり、これにより信頼性を向上させた制御構成としてい
る。
【0006】しかしながら、上記のPAM制御方式にお
いて、2重系の制御回路の切替方式を採用したことによ
り以下のような問題点がある。すなわち、インバータの
制御系自体に異常が発生する場合や、その他の不具合事
象が発生した場合で、制御切替時にインバータ、整流器
の順で停止し、制御切替後に整流器、インバータの順で
起動するケースがある。このケースでは、インバータ停
止から整流器が停止するまでの間、整流器からの出力電
圧により平滑回路中のコンデンサが充電され続けるた
め、平滑回路の直流電圧、すなわち整流器の出力電圧
が、インバータへの入力に要求される電圧より大きくな
ってしまう。
【0007】電圧型PAM制御方式では、上述したよう
にインバータにて出力電圧の大きさを制御できず、すな
わち平滑回路が出力する直流電圧値がインバータの出力
電圧の大きさに相当する。そのため平滑回路が過大な電
圧を出力している場合、制御切替後にインバータを再起
動した瞬間には、過大な入力電圧に準じた過大な出力電
圧がインバータより出力され、インバータの出力側にあ
る出力変圧器、及びインターナルポンプ内の駆動電動機
に対して過電圧(過励磁)を与えてしまう。その結果、
出力変圧器や駆動電動機は、短時間であるが過大電圧が
付加されたことにより寿命に影響するといった問題があ
る。
【0008】また一方、自己消弧可能デバイスの製作技
術の更なる進歩により、インバータに採用されるパワー
半導体素子の動向はIGBTが主流となっており、電圧
制御で1回当たりのスイッチングロスが低いといったI
GBTのメリットを活かすインバータの制御方式とし
て、電圧型PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅
変調)制御方式が近年提唱されている。
【0009】この電圧型PWM制御方式は、以下の作動
原理に基づいて行われるものである。すなわち、ベクト
ル制御器により形成された交流電圧指令値と、搬送波発
生器19により発生された搬送波が比較器27に入力さ
れ、比較器27が交流電圧指令値と搬送波の振幅の大小
関係を比較することで“1”、“0”の信号を出力す
る。これらの信号がゲートドライバ28を介してインバ
ータに入力されることにより、交流電圧指令値に対応す
る矩形波(幅の異なるパルス)が出力される。そしてこ
の矩形波をACフィルタ等により高調波成分を取り除く
ことで、所望の電圧/周波数をもつ交流波形を駆動電動
機に供給できるようになっている。
【0010】このため、電圧型PWM制御方式は、前記
電圧型PAM制御方式と異なって、出力電圧/出力周波
数ともインバータ側で制御することができ、整流器は一
定の直流電圧を出力すればよいだけとなる。
【0011】このような電圧型PWM制御方式に関する
従来技術としては、例えば特開平10−164883号
公報、特開平11−206185号公報がある。これら
によれば、直流電圧を検出し、この直流電圧検出値に基
づいてベクトル制御器の磁束指令(励磁電流)の調整を
行うことで、インバータ出力電圧の補正を行うようにな
っている。
【0012】また他にも例えば、特開平10−2375
6号公報、特開平9−215399号公報の従来技術が
ある。これらによれば、インバータ出力電圧値と交流電
圧指令値の差分を検出し、その差分を交流電圧指令値に
加算することで、インバータ出力電圧の補正を行うよう
になっている。
【0013】また他にも例えば、特開昭56−4969
3号公報の従来技術がある。これによれば、PWMイン
バータの出力電圧を指令制御する交流電圧指令信号を、
同じインバータの直流入力電圧に応じて変化させること
で、直流電圧に整流リプルが重畳した場合でも、この影
響をインバータ出力側に与えないようになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下のような課題が存在する。
【0015】すなわち、電圧PWM制御方式に関する上
記従来技術では、インバータの制御構成が1重系のみし
か検討されておらず、そのただ1つの制御回路の作動中
に異常が発生した場合には、インターナルポンプの電源
システム全体を長時間停止しなければならなかったとい
う問題がある。
【0016】また、電圧型PWM制御方式に2重系の制
御方式を採用した場合でも、インバータの制御系等の不
具合による制御切替時で、インバータ、整流器の順に停
止させた場合には、上記電圧型PAM制御方式と同様に
インバータ停止から整流器が停止するまでの間、整流器
により平滑回路が過充電されてしまう。
【0017】また上述したように、電圧PWM制御方式
では、インバータは平滑回路からの直流電圧をスイッチ
ング作動によりパルス化するだけである。そのため、上
記停止後にインバータを再起動させた瞬間には、平滑回
路からの直流電圧が高くなっているために、インバータ
の出力電圧も上昇することとなり、前記電圧型PAM制
御方式と同様にインバータ下流側にある出力変圧器、及
びインターナルポンプ内の駆動電動機に対し過電圧(過
励磁)を与えてしまう問題がある。
【0018】上記従来技術のうち、特開平10−164
883号公報、特開平11−206185号公報のもの
は、直流電圧検出値に基づいてインバータ出力電圧の補
正を行うものであるが、この方式の目的はインバータ出
力電圧の波形歪みの補正であり、結果的に直流電圧によ
りインバータ出力電圧の大きさは変化してしまう。
【0019】また特開平10−023756号公報、特
開平9−215399号公報の従来技術については、イ
ンバータ出力電圧値と交流電圧指令値の差分によりイン
バータ出力電圧を補正するものであるが、この方式で
は、直流電圧等の変化により、インバータ出力電圧に変
化が生じてからの補正となるために、補正するまでの
間、インバータの出力側の機器が過電圧(過励磁)状態
になってしまう。
【0020】また特開昭56−49693号公報の従来
技術については、インバータの交流電圧指令信号を、同
じインバータの直流入力電圧に応じて変化させるもので
あるが、この方式は定常の運転状態における制御の場合
を対象としており、2重系制御方式において制御切替時
に発生する直流電圧の大きな変動の抑制に対応できるも
のではない。
【0021】本発明の第1の目的は、制御系の異常発生
時でもインターナルポンプの運転を継続することが可能
なインターナルポンプ用電源システムを提供することに
ある。
【0022】本発明の第2の目的は、制御切替時でもイ
ンバータの出力電圧を大きく変動させることのないイン
ターナルポンプ用電源システムを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的を
達成するために、本発明は、交流電源と、前記交流電源
の出力である交流電圧を直流電圧に変換する整流器と、
前記整流器の出力である直流電圧を平滑化する平滑回路
と、前記平滑回路の出力である直流電圧を任意の電圧/
周波数に変換する電圧型パルス幅変調方式のインバータ
とを備えているインターナルポンプ用電源システムにお
いて、一方の作動中に異常が発生した時には他方の作動
に切り替え可能に2重系で設けた制御回路を、前記整流
器及び前記インバータの少なくとも一方が備える。
【0024】本発明では、通常運転時において整流器及
びインバータがそれぞれ一方の制御回路の作動により制
御されており、それにより整流器は交流電圧を直流電圧
に変換し、インバータは直流電圧を任意の電圧/周波数
に変換して、インターナルポンプの駆動電動機に交流電
圧を供給できるようになっている。
【0025】ここで、運転中に整流器及びインバータの
どちらかの制御回路に異常が発生した場合には、その他
方の制御回路に制御切替することにより、インターナル
ポンプ用電源システムの運転を継続することができる。
【0026】(2)上記第1の目的を達成するために、
本発明は、交流電源と、前記交流電源の出力である交流
電圧を直流電圧に変換する整流器と、前記整流器の出力
である直流電圧を平滑化する平滑回路と、前記平滑回路
の出力である直流電圧を任意の電圧/周波数に変換する
電圧型パルス幅変調方式のインバータとを備えているイ
ンターナルポンプ用電源システムにおいて、2重系で設
けた制御回路と、前記制御回路のうちの一方の作動中に
異常が発生した時には他方の作動に切り替える切替手段
とを有する2重系制御手段を、前記整流器及び前記イン
バータの少なくとも一方が備える。
【0027】これにより、運転中に整流器及びインバー
タのどちらかの制御回路に異常が発生した場合には、切
替手段により他方の制御回路に制御切替して再起動する
ことができ、上記(1)と同様にインターナルポンプ用
電源システムの運転を継続することができる。
【0028】(3)上記第1の目的及び上記第2の目的
を達成するために、本発明は、交流電源と、前記交流電
源の出力である交流電圧を直流電圧に変換する整流器
と、前記整流器の出力である直流電圧を平滑化する平滑
回路と、前記平滑回路の出力である直流電圧を任意の電
圧/周波数に変換する電圧型パルス幅変調方式のインバ
ータとを備えているインターナルポンプ用電源システム
において、2重系で設けた制御回路と、前記制御回路の
うちの一方の作動中に異常が発生した時には他方の作動
に切り替える切替手段とを有する2重系制御手段を、前
記整流器及び前記インバータの少なくとも一方が備えて
おり、前記平滑回路の出力である直流電圧を検出する検
出手段と、前記検出手段により検出された前記直流電圧
が定格直流電圧と異なる場合に、前記インバータの出力
電圧が要求される電圧/周波数に整合するよう、前記イ
ンバータの出力電圧を制御する整合手段とを備える。
【0029】本発明において、通常運転中には、平滑回
路の出力である直流電圧は安定的に定格直流電圧とほぼ
一致しており、この平滑回路からの直流電圧を入力され
たインバータもまた安定した電圧で出力するようになっ
ている。
【0030】ここで、インバータ制御回路の異常発生時
などにより、制御切替が行われて整流器よりも先にイン
バータが停止した場合には、平滑回路中のコンデンサに
過充電が行われ、その結果直流電圧が大きく変動し、定
格直流電流と異なると判断される。このときインバータ
の再起動時には、整合手段により、インバータの出力電
圧が、要求される電圧/周波数に整合され、インバータ
出力側の機器に対する影響を抑えることができる。
【0031】したがって、制御切替後、瞬時に、インバ
ータの出力電圧を大きく変動させることがなくなる。
【0032】(4)上記(3)において、好ましくは、
前記整合手段が、前記定格直流電圧として前記平滑回路
の出力電圧に要求される直流電圧指令値と、前記検出手
段により前記平滑回路から前記直流電圧とを検出して、
前記直流電圧指令値を前記直流電圧の検出値で除算した
値を前記インバータの制御回路中の交流電圧指令値に乗
算する補正回路であるものとする。
【0033】このように、インバータへの入力に要求さ
れる定格直流電圧と、実際に検出された直流電圧の比を
取り、その逆数を交流電圧指令値に掛けることで直流電
圧の増減変化と反対に、交流電圧指令値が増減変化する
よう補正される。
【0034】すなわち常に一定である定格直流電圧に対
して、実際に検出された直流電圧が増加した場合には、
交流電圧指令値は同じ比率で減少され、結果的にインバ
ータの出力電圧の増減変化が相殺される。また実際に検
出された直流電圧が定格直流電圧に対して減少した場合
には、対応する比率で交流電圧指令値が増加され、結果
的にインバータの出力電圧の増減変化が相殺される。
【0035】したがって、実際の直流電圧の変化に対応
して交流電圧指令値が増減補正され、その結果、インバ
ータの出力電圧がほぼ一定に整合維持される。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。
【0037】以下に、本発明の実施の形態によるインタ
ーナルポンプ用電源システムを図1〜図5により説明す
る。
【0038】図1は、本実施の形態によるインターナル
ポンプ用電源システムの全体構成図である。この図1に
おいて、本実施の形態のインターナルポンプ用電源シス
テム1は、3相交流電力を供給する交流電源設備2と、
この交流電源設備2に接続して交流電圧を降圧する入力
変圧器3と、この入力変圧器3の2次側に接続して交流
電圧を直流電圧に変換する整流器4と、この整流器4の
出力側から得られた直流電圧をより滑らかな直流電圧に
する平滑回路5と、この平滑回路5の出力側から得られ
た直流電圧を矩形波(幅の異なるパルス)に変換するイ
ンバータ6と、このインバータ6から得られた矩形波か
ら高調波成分を取り除いて交流電圧とするACフィルタ
7と、このACフィルタ7から得られた交流電圧を昇圧
してインターナルポンプ8の駆動電動機9に供給する出
力変圧器10とを備えている。
【0039】一方、本実施の形態のインターナルポンプ
用電源システム1はまた、整流器4に対して2重系で接
続し、どちらか一方に接続を切り替えて整流器4を制御
する2つの整流器制御回路11,12と、同じくインバ
ータ6に対して2重系で接続し、どちらか一方に接続を
切り替えてインバータ6を制御する2つのインバータ制
御回路13,14とを備えている。
【0040】2つの整流器制御回路11,12は、それ
ぞれ、自動電圧調整器15と、自動電流調整器16と、
ゲート回路17とを備えており、また2つのインバータ
制御回路13,14は、それぞれ、交流電圧指令値を発
生するベクトル制御器18と、搬送波発生器19と、P
WM制御器20と、周波数切替制御器21と、入力切替
器22とを備えている。
【0041】その他に、本実施の形態が備える構成要素
として、直流電圧指令値と平滑回路5からの直流電圧検
出値とで除算する除算器31と、除算器31からの算出
値をベクトル制御器18から出力される交流電圧指令値
に乗算してPWM制御器20に入力する乗算器32とを
備えている。
【0042】交流電源設備2は、原子力発電所内におい
て独立して3相交流電力を供給する電源設備である。
【0043】入力変圧器3は、交流電源設備2から供給
される高い交流電圧を、出力側の整流器4に対して適当
となる入力電圧にまで降圧するようになっている。
【0044】整流器4は、サイリスタ半導体素子で構成
された整流器であり、整流器制御回路11,12からの
制御信号により駆動されることで、入力変圧器3の2次
側から供給される交流電圧を直流電圧に変換するように
なっている。
【0045】平滑回路5は、直流リアクトル5aと平滑
コンデンサ5bと直流電圧検出器5cから構成されるも
のであり、整流器4から供給される直流電圧から、まだ
若干含まれている交流波成分を取り除き、より滑らかな
直流電圧に修正して出力するようになっている。また直
流電圧検出器5cは平滑コンデンサ5bに付加されてい
る直流電圧を直流電圧検出値として検出するようになっ
ている。
【0046】インバータ6は、IGBT半導体素子で構
成されたものであり、インバータ制御回路13,14か
らのON/OFFゲートパルス信号により駆動されるこ
とで、平滑回路5から供給される直流電圧をスイッチン
グして矩形波に変換(詳細は後述)するようになってい
る。
【0047】ACフィルタ7は、積分回路として機能す
るものであり、インバータ6より供給される矩形波から
高調波成分を取り除いて正弦波を出力するようになって
いる。
【0048】出力変圧器10は、ACフィルタ7から所
望の電圧/周波数で供給された交流電圧を、インターナ
ルポンプ8の駆動電動機9に整合する入力電圧にまで昇
圧するようになっている。
【0049】自動電圧調整器15は、制御回路の内部設
定値である直流電圧指令値と、平滑回路5からの直流電
圧フィードバック値との差分が入力されて、平滑回路5
から出力される直流電圧と直流電圧指令値とを一致させ
るよう、すなわち入力された差分をほぼ零に補正できる
よう、整流器4の入力電流に対応した制御信号を出力す
るようになっている。
【0050】自動電流調整器16は、自動電圧調整器1
5からの制御信号と整流器4の入力側からの整流器入力
電流フィードバック値(交流実効値)との差分が入力さ
れ、この差分をほぼ零に補正できるよう、制御信号を出
力するようになっている。
【0051】ゲート回路17は、自動電流調整器16か
らの制御信号を、整流器4の構成要素であるサイリスタ
を駆動できる信号に変換するようになっている。
【0052】ベクトル制御器18は、制御回路の内部設
定値である励磁電流指令値と、上位制御装置である中央
操作コントローラ25等から入力切替器22を介して送
られてくる周波数指令値と、ACフィルタ7の出力側か
らCT42(Current Transfer)により検出された出力
電流フィードバック値とを入力されることにより、所望
の電圧/周波数をもつ2相の交流電圧指令値を発生する
ようになっている。
【0053】搬送波発生器19は、交流電圧指令値の数
倍以上の周波数を持つ3相の三角波を発生するようにな
っている。
【0054】PWM制御器20は、交流電圧指令値と搬
送波を入力することにより、インバータ6を駆動可能で
あってかつ後述するように幅調整されたゲートパルス信
号を出力するようになっている。
【0055】周波数切替制御器21は、位相検出器24
を備えており、2つのインバータ制御回路13,14の
制御切替時において、駆動電動機9の慣性運転によりイ
ンバータ6の出力側から検出される交流電圧から対応す
る駆動電動機9の位相を位相検出器24により検出した
後に周波数指令値を発生し、それを非常時における周波
数指令値として入力切替器22を介しベクトル制御器1
8に入力するようになっている。
【0056】入力切替器22は、その切替作動により、
中央操作コントローラ25からの周波数指令値、又は周
波数切替制御器21からの周波数指令値のどちらか一方
だけをベクトル制御部に入力するようになっている。
【0057】除算器31は、定格直流電圧である直流電
圧指令値を、直流電圧検出器5cにより平滑回路5から
検出された直流電圧検出値で除算するようになってい
る。
【0058】乗算器32は、除算器31からの算出値
を、ベクトル制御器18から出力される交流電圧指令値
に乗算してPWM制御器20に入力するようになってい
る。
【0059】図2は、インターナルポンプ8及びその電
源システム1を備えた原子炉の全体概略構成図である。
図2において示すようにインターナルポンプ8は、原子
炉内で冷却材を再循環させるものであり、各インターナ
ルポンプ8の駆動電動機9は、それぞれ備える電源シス
テム1により駆動が制御されている。
【0060】次に、上記のように構成した本実施の形態
によるインターナルポンプ用電源システム1の作動を以
下順を追って説明する。
【0061】まず、インターナルポンプ用電源システム
1のうちの、交流電源設備2から駆動電動機9までの間
の主要部の作動について説明する。
【0062】原子力発電所内の交流電源設備2は、交流
電源電圧を入力変圧器3により降圧された後に整流回路
に供給している。このとき入力変圧器3の2次電圧は、
整流器4の出力電圧Ed(=所望の直流電圧値)を出力
可能な電圧値に設定される。整流器4により整流された
出力電圧は、平滑回路5に供給されてより滑らかな直流
電圧に平滑された後にインバータ6への入力される。イ
ンバータ6は制御回路のPWM制御により直流電圧を矩
形波に変換し、その出力電圧はACフィルタ7により含
有する高調波成分を取り除かれて所望の電圧/周波数の
正弦波として出力される。この交流電圧は、出力変圧器
10によりインターナルポンプ8の駆動電動機9に整合
する電圧にまで昇圧されてから該駆動電動機9に入力さ
れ、所望の回転数での駆動制御が行われる。
【0063】次に整流器4及びインバータ6を駆動制御
する制御回路の作動について説明する。図1において、
整流器4及びインバータ6はどちらも2重系で備えてい
るうちのそれぞれ第1系の制御回路に接続され、制御が
行われている。
【0064】まず上記整流器4の駆動を制御する整流器
制御回路11,12について説明する。整流器制御回路
11,12の内部であらかじめ直流電圧指令値が設定さ
れており、その他方で平滑回路5中の直流電圧検出器5
cにより平滑コンデンサ5bの電圧、すなわち直流電圧
検出値が検出され、それらの差分が自動電圧調整器15
に入力される。自動電圧調整器15はこの差分をほぼ零
に補正するよう、整流器4の入力電流に対応した制御信
号を出力する。また整流器4の入力側からCT41によ
り整流器入力電流フィードバック値が検出され、自動電
圧調整器15からの制御信号との差分が自動電流調整器
16に入力される。自動電流調整器16はこの差分をほ
ぼ零に補正するよう整流器4への制御信号を出力し、ゲ
ート回路17はこの出力信号を整流器4の駆動信号に変
換して整流器4に入力する。以上のようにして整流器制
御回路11,12は、整流器4からインバータ6に供給
される直流電圧を、内部設定値の直流電圧指令値とほぼ
一致するよう整流器4を制御している。
【0065】また本実施の形態のインターナルポンプ用
電源システム1は、前述したようにインバータ6が電圧
型PWM制御方式で作動しており、そのため入力された
直流電圧に基づいて所望の電圧/周波数をもつ交流波形
を形成するようになっている。したがって、整流器4及
び平滑回路5に求められる機能は、直流電圧指令値によ
り示される定格直流電圧を安定して供給するのみとな
る。
【0066】次にインバータ6の駆動を制御するインバ
ータ制御回路13,14について説明する。インバータ
制御回路13,14の内部にはあらかじめ励磁電流指令
値が設定されており、この励磁電流指令値は、中央操作
コントローラ25から入力切替器22を介して送られて
くる周波数指令値とともにベクトル制御器18に入力さ
れている。入力切替器22は、後述するような異常が発
生した場合の制御切替時以外では、常に中央操作コント
ローラ25からの周波数指令値をベクトル制御器18に
入力するように回路接続している。またベクトル制御器
18は、ACフィルタ7の出力側からCT42により検
出されたインバータ出力電流フィードバック値が入力さ
れており、上記の励磁電流指令値と周波数指令値ととも
にこのインバータ出力電流フィードバック値に基づいて
所望の電圧/周波数の波形の交流電圧指令値を発生して
いる。この交流電圧指令値は、後述する乗算器32によ
りその振幅を補正された後、他方で搬送波発生器19か
ら出力された搬送波とともにPWM制御器20に入力さ
れる。PWM制御器20は、交流電圧指令値と搬送波と
の大小関係の比較結果に対応したON/OFFゲートパ
ルス信号を出力し、インバータ6を駆動する。以上のよ
うにしてインバータ制御回路13,14がインバータ6
を駆動することにより、整流器4から供給される直流電
圧が、交流電圧指令値の電圧/周波数に対応する矩形波
に変換される。
【0067】以下、PWM制御器20の構成とその作動
について図3を参照しつつ詳しく説明する。図3は、本
実施の形態におけるインバータ制御回路13,14につ
いての詳細を説明する図である。なお、本方式では3相
交流を形成するU相、V相、W相の各相とも時間的位相
差が異なるのみで、それぞれの位相構成は同一のとなる
ため、以下、1相分に限定して説明する。
【0068】図3において、PWM制御器20は、2相
−3相変換器26と、3つの比較器27と、ゲートドラ
イバ28とを備えている。(図中、交流電圧指令値の入
力側に接続する乗算器32及び除算器31については後
述する)PWM制御器20は、2相で入力された交流電
圧指令値を2相−3相変換器26により3相交流に変換
した後、搬送波発生器19からの三角波の搬送波ととも
に比較器27に入力して大小関係の比較結果に対応した
“1”、“0”の信号を発生し、ゲートドライバ28で
それら信号をIGBTの駆動電圧相当に変換してインバ
ータ6を駆動可能なゲートパルス信号を出力する。
【0069】図4は、搬送波と交流電圧指令値とゲート
パルス信号の関係を説明する図である。図4に示すよう
に、交流電圧指令値が搬送波の電圧より高い間は、比較
器27の出力が"1"(ゲートパルス信号がON)となっ
てインバータ6は直流電圧を導通し、また交流電圧指令
値が搬送波の電圧より低い間は、比較器27の出力が"
0"(ゲートパルス信号がOFF)となってインバータ
6は直流電圧を遮断し、このON/OFFスイッチング
を繰り返すことで交流電圧指令値の電圧/周波数に対応
する矩形波(インバータ出力波形)が形成される。この
矩形波は、ACフィルタ7に入力されることにより、高
調波成分が除去されて交流電圧指令値と電圧/周波数が
ほぼ一致する正弦波が出力される。
【0070】上記矩形波について、より詳細に説明すれ
ば、このように幅の異なるパルス信号の集合である矩形
波全体の粗密の変化周期により、ACフィルタ7通過後
の交流波形の周波数が決定され、また各パルス信号の幅
の大きさにより交流波形全体の振幅が決定される。すな
わちインバータ6は、供給された一定の定格直流電圧を
このように幅調整してON/OFFスイッチングするだ
けで、後に形成される交流波形の電圧/周波数を制御す
ることができ、しかもこのPWM制御方式によれば波形
に歪みの少ない交流波形を形成することができる。
【0071】以上のようにして、インバータ制御回路1
3,14は、中央操作コントローラ25からのインター
ナルポンプ8の回転数(周波数)指令により、所望の交
流波形を形成できるようインバータ6を制御することが
できる。
【0072】また図1に戻り、本実施の形態では、2つ
の整流器制御回路11,12間の制御切替及びインバー
タ制御回路13,14間の制御切替は各制御回路どうし
の相互連絡によって行われる。
【0073】なお、上記のような制御切替構成に限られ
ず、2つの整流器制御回路11,12間の切替制御又は
2つのインバータ制御回路13,14間の切替制御が、
中央操作コントローラ25により行われる構成とするこ
とも可能である。
【0074】また制御切替中には、ACフィルタ7の出
力側からPT43(Power Transfer)により検出された
インバータ出力電圧に基づいて、周波数切替制御器21
中の位相検出器24が慣性回転中のインターナルポンプ
8の駆動電動機9の実回転数を検出し、対応する制御切
替中周波数指令値を発生する。制御切替中には、入力切
替器22が中央操作コントローラ25からの周波数指令
値の入力を遮断し、この制御切替中周波数指令値をベク
トル制御器18に入力するよう回路接続を切り替える。
これにより、制御切替が完了して駆動電動機9を再起動
する際には、駆動電動機9の実回転数に適合する周波数
で立ち上げることができ、制御が安定した後には再び入
力切替器22の接続を切り替えることで、中央操作コン
トローラ25からの周波数指令値によりベクトル制御器
18が安定制御される。
【0075】なお、以上において、交流電源設備2が特
許請求の範囲各項記載の交流電源を構成している。
【0076】また、整流器制御回路11,12及びイン
バータ制御回路13,14が2重系で設けた制御回路を
構成し、前述した整流器制御回路11,12間及びイン
バータ制御回路13,14間の相互連絡による切替機能
が、制御回路のうちの一方の作動中に異常が発生した時
には他方の作動に切り替える切替手段を構成し、これら
全部が2重制御手段を構成する。
【0077】また、直流電圧検出器5cが、特許請求の
範囲各項記載の平滑回路の出力である直流電圧を検出す
る検出手段を構成している。
【0078】また、除算器31及び乗算器32が、特許
請求の範囲3項記載の検出手段により検出された直流電
圧が定格直流電圧と異なる場合に、インバータの出力電
圧が要求される電圧/周波数に整合するよう、インバー
タの出力電圧を制御する整合手段を構成すると共に、特
許請求の範囲4項記載の定格直流電圧として平滑回路の
出力電圧に要求される直流電圧指令値と、検出手段によ
り平滑回路から直流電圧とを検出して、直流電圧指令値
を直流電圧の検出値で除算した値をインバータの制御回
路中の交流電圧指令値に乗算する補正回路をも構成して
いる。
【0079】次に比較例として従来技術のポンプ用電源
システム101及びその問題点について説明する。
【0080】図5は、従来技術によるポンプ用電源シス
テム101の全体概略構成図である。図5において、従
来技術の電源システム101は、整流器4とインバータ
6の各制御回路を1つずつのみ(1重系で)備えている
だけの構成となっており、両制御回路間には何も設けて
いない構成となっている。このため、どちらか一方の制
御回路自体に、又はその他の原因により異常が発生し、
制御回路を停止した場合には、必然的に電源システム1
01全体の運転が継続できなくなる。
【0081】しかし、図1に示す本実施の形態では、整
流器4及びインバータ6の両方の制御回路はともに2重
系で設けられており、また上述したように整流器4及び
インバータ6のどちらに異常が発生しても、待機してい
る他方の系の制御回路に制御切替してすぐに再起動する
ことができる。
【0082】したがって本実施の形態のインターナルポ
ンプ用電源システム1によれば、制御系の異常発生時で
もインターナルポンプ8の運転を継続することが可能と
なり、結果的に電源システム1の作動の信頼性を向上さ
せることができる。
【0083】しかしながら、上記従来技術の電源システ
ム101において、上述のような2重系の制御回路を設
けただけでは、制御切替時に整流器4の出力直流電圧が
定格電圧以上となる場合があり、その結果インバータ6
の出力側の機器に過電圧(過励磁)を与えてしまうケー
スがある。
【0084】制御回路が1重系の従来技術の構成を示す
図5において、制御切替が必要となる設備の不具合は種
々あるが、一般にインバータ6に不具合が発生した場合
おいては、インバータ6を先に停止した後、整流器制御
回路11,12はその制御可能範囲の最低値に調整(制
御角をシフト)してから整流回路を停止(サプレス)す
ることになる。制御回路を2重系で設けた場合(図5中
では不図示)にはその後に制御切替を行い、整流器4、
インバータ6の順序で再起動する。このため、インバー
タ6の停止により、インターナルポンプ用電源システム
101の出力は停止するが、整流回路3が停止するまで
の間、平滑回路5中の平滑コンデンサ5bは整流回路に
より充電され続け、平滑回路5から出力される直流電圧
は定格直流電圧値(直流電圧指令値)以上に上昇する。
【0085】しかしながら図5に示すようにインバータ
6の出力側からは電流のみをフィードバックしているだ
けであり、励磁電流指令値及び周波数指令値は、このイ
ンバータ出力電流フィードバック値のみにより補正され
てからベクトル制御器18に入力され、ベクトル制御器
18から交流電圧指令値が算出される。すなわち直流電
圧フィードバック値は検出されていないことから、上述
した平滑回路5から出力される直流電圧の上昇分は認知
されず、この結果インバータ6はこの上昇した直流電圧
に対して定格直流電圧と同様にON/OFFスイッチン
グを行うことになる。
【0086】これによりインバータ出力電圧は、直流電
圧の上昇分だけ交流電圧指令値より大きくなり、インバ
ータ6の再起動の瞬間から短時間の間ではあるが、過剰
な電圧がACフィルタ7出力側の出力変圧器10および
駆動電動機9に印加されてしまう。その後は時間が経過
することにより、駆動電動機9が直流電圧の上昇分を消
費し、またインバータ出力電流フィードバック値によっ
ても補正に反映されるようになるため、次第にインバー
タ出力電圧は交流電圧指令値に整合するようになる。結
果的に、出力変圧器10や駆動電動機9は、短時間であ
るが過大電圧を付加されるために損傷が進んでしまうこ
とになる。
【0087】しかし、上記問題点に対して、図1に示す
本実施の形態のインターナルポンプ用電源システム1に
おいては、上述したように平滑回路5内の平滑コンデン
サ5bから直流電圧検出値を検出する直流5cと、直流
電圧指令値と直流電圧検出値とを比較演算する除算器3
1と、除算器31の算出値を交流電圧指令値に掛け合わ
せる乗算器32を備えていることにより、インバータ6
から上記の過大電圧が発生するのを防ぐことができる。
【0088】つまり、図3に示すように、直流電圧検出
器5cが常に直流電圧検出値Yを検出しており、除算器
31が直流電圧指令値Xを直流電圧検出値Yで除算する
演算を続けている。これにより算出された値X/Yは、
いわば直流電圧に関してインバータ6に入力すべき所望
の指令値と、実際にインバータ6に入力される実際の検
出値との比であり、整流器4及び平滑回路5の作動が正
常であれば算出値はほぼ1に近い値で算出される。
【0089】また乗算器32は、この除算器31からの
算出値X/Yを、ベクトル制御器18から出力される交
流電圧指令値に常に掛け合わせた後にPWM制御器20
に入力している。以上の作動の結果、ベクトル制御器1
8からPWM制御器20に入力される交流電圧指令値
は、その周波数は何ら変化されることなく、振幅の大き
さのみが下式(式1)に示されるように直流電圧検出値
の増減変化に対応して補正されるようになる。
【0090】 補正後の交流電圧指令値={(直流電圧指令値)/(直流電圧検出値)}×( 交流電圧指令値)…(式1) すなわち常に一定である直流電圧指令値に対して、実際
に検出された直流電圧検出値が増加した場合には、交流
電圧指令値が同じ比率で減少されように補正され、結果
的にインバータ6の出力電圧の増減変化が相殺される。
しかもこの補正は直流電圧の上昇時に瞬時に行われる。
【0091】以上の作動を具体的に説明すると、他方の
系への制御切替中に、直流電圧が定格直流電圧より大き
くなっている場合には、制御切替の直後に交流電圧指令
値が同じ比率で小さくなるよう補正される。このためイ
ンバータ6には定格直流電圧よりも大きい直流電圧が供
給されるが、他方でPWM制御器20から出力されるゲ
ートパルス信号がそれぞれの幅が絞られることになり、
結果的にインバータ6の出力電圧は最初の交流電圧指令
値に相当一致するよう整合維持される。またその後に直
流電圧も定格値に収束し、通常の作動に戻るようにな
る。
【0092】したがって、本実施の形態のインターナル
ポンプ用電源システム1によれば、制御切替時でもイン
バータ6の出力電圧を大きく変動させることがなくな
り、インバータ6の出力側のACフィルタ、出力変圧器
10、及びインターナルポンプ8の駆動用電動機9に過
電圧(過励磁)が付加されるのを防ぐことができる。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、運転中に整流器及びイ
ンバータのどちらかの制御回路に異常が発生した場合に
は、切替手段により他方の制御回路に制御切替して再起
動することができ、電源システム全体を長期間停止させ
ることなく、インターナルポンプ用電源システムの運転
を継続することができる。
【0094】また本発明によれば、異常発生時に制御切
替が行われたことにより直流電圧が大きく変動しても、
整合手段によりインバータの出力電圧が要求される電圧
/周波数に整合されるため、制御切替時でもインバータ
の出力電圧を大きく変動させることがなくなり、インバ
ータ出力側の機器に対する影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインターナルポン
プ用電源システムの全体構成図である。
【図2】インターナルポンプ及びその電源システムを備
えた原子炉の全体概略構成図である。
【図3】本発明の一実施の形態において、インバータ制
御回路についての詳細を説明する図である。
【図4】搬送波と交流電圧指令値とゲートパルス信号の
関係を説明する図である。
【図5】従来技術によるポンプ用電源システムの全体概
略構成図である。
【符号の説明】
1 本発明のインターナルポンプ用電源システ
ム 2 交流電源設備(交流電源) 3 入力変圧器 4 整流器 5 平滑回路 5c 直流電圧検出手段(検出手段) 6 インバータ 7 ACフィルタ 8 インターナルポンプ 9 駆動電動機 10 出力変圧器 11,12 整流器制御回路(制御回路) 13,14 インバータ制御回路(制御回路) 18 ベクトル制御器 19 搬送波発生器 20 PWM制御器 21 周波数切替制御器 22 入力切替器 25 中央操作コントローラ 31 除算器(整合手段、補正回路) 32 乗算器(整合手段、補正回路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 里見 弘久 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所情報制御システム事業部 内 (72)発明者 平根 智章 茨城県日立市幸町三丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 杉山 政司 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 守田 俊也 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源と、前記交流電源の出力である交
    流電圧を直流電圧に変換する整流器と、前記整流器の出
    力である直流電圧を平滑化する平滑回路と、前記平滑回
    路の出力である直流電圧を任意の電圧/周波数に変換す
    る電圧型パルス幅変調方式のインバータとを備えている
    インターナルポンプ用電源システムにおいて、 一方の作動中に異常が発生した時には他方の作動に切り
    替え可能に2重系で設けた制御回路を、前記整流器及び
    前記インバータの少なくとも一方が備えていることを特
    徴とするインターナルポンプ用電源システム。
  2. 【請求項2】交流電源と、前記交流電源の出力である交
    流電圧を直流電圧に変換する整流器と、前記整流器の出
    力である直流電圧を平滑化する平滑回路と、前記平滑回
    路の出力である直流電圧を任意の電圧/周波数に変換す
    る電圧型パルス幅変調方式のインバータとを備えている
    インターナルポンプ用電源システムにおいて、 2重系で設けた制御回路と、前記制御回路のうちの一方
    の作動中に異常が発生した時には他方の作動に切り替え
    る切替手段とを有する2重系制御手段を、前記整流器及
    び前記インバータの少なくとも一方が備えていることを
    特徴とするインターナルポンプ用電源システム。
  3. 【請求項3】交流電源と、前記交流電源の出力である交
    流電圧を直流電圧に変換する整流器と、前記整流器の出
    力である直流電圧を平滑化する平滑回路と、前記平滑回
    路の出力である直流電圧を任意の電圧/周波数に変換す
    る電圧型パルス幅変調方式のインバータとを備えている
    インターナルポンプ用電源システムにおいて、 2重系で設けた制御回路と、前記制御回路のうちの一方
    の作動中に異常が発生した時には他方の作動に切り替え
    る切替手段とを有する2重系制御手段を、前記整流器及
    び前記インバータの少なくとも一方が備えており、 前記平滑回路の出力である直流電圧を検出する検出手段
    と、 前記検出手段により検出された前記直流電圧が定格直流
    電圧と異なる場合に、前記インバータの出力電圧が要求
    される電圧/周波数に整合するよう、前記インバータの
    出力電圧を制御する整合手段とを備えていることを特徴
    とするインターナルポンプ用電源システム。
  4. 【請求項4】請求項3記載のインターナルポンプ用電源
    システムにおいて、 前記整合手段が、前記定格直流電圧として前記平滑回路
    の出力電圧に要求される直流電圧指令値と、前記検出手
    段により前記平滑回路から前記直流電圧とを検出して、
    前記直流電圧指令値を前記直流電圧の検出値で除算した
    値を前記インバータの制御回路中の交流電圧指令値に乗
    算する補正回路であることを特徴とするインターナルポ
    ンプ用電源システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007244079A (ja) * 2006-03-08 2007-09-20 Fuji Electric Holdings Co Ltd 整流器の制御装置
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JP2015109757A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 株式会社明電舎 高周波電力変換装置

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