JP3782984B2 - 排水路網を有する地下構造物用蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓋本体の表裏を貫通した排水口を有する地下構造物用蓋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マンホール蓋等の地下構造物蓋には、降った雨水を排水する地中雨水管路に流入させるため、マンホール蓋に小開口を設けたものがある。小開口として蓋表面にグレーチングのような貫通口を形成しているだけのものは、貫通口縁に僅かながら引っ掛かりが得られるとしても、表面は平滑であるからスリップ事故の原因となる可能性がある。そこで凸部を併設することを考えるが、この種の蓋に関する最近の発明には特開2000−257103号がある。
【0003】
また蓋表面の貫通口は、そこに落ち込んだ水を排水することはできるが、蓋表面の水を積極的に排水する機能を有している訳ではない。このため蓋表面を水滴が流動する場合、表面張力により転がるだけで貫通口に落ち込まず、蓋表面に残留し易いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、蓋本体の表面に排水路網を形成し、排水口からマンホール内への排水を促進するとともに、蓋表面に水が残留しないようにし、かつまた排水路網を構成する溝等の凹凸模様によってスリップ防止効果が高められるようにすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明は、排水口の周りに細水路を設けるとともに、細水路の水を排水口へ導く傾斜底を有する導水部を設け、さらに、多数の細水路同士を連絡路で相互に連絡し全体として網状の排水路を形成し、蓋本体表面の水が細水路及び導水部を経て最寄りの排水口より排水されるようにするという手段を講じたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の地下構造物用蓋は、蓋本体の表裏を貫通する多数の排水口を有している。排水口の開口形状や大きさ及び蓋本体表面に設ける開口パターン等については自由に設計することができる。
【0007】
蓋本体の表面には滑り止め模様が設けられるのが普通である。一定パターンの模様を形成する多数の排水口が滑り止めを兼ねることは当然であるが、ここで言うところの滑り止め模様には排水口の機能を有していないものも含まれる。言い換えると、蓋本体の表面には蓋本体を貫通する排水口と貫通しない凹部とから構成される模様があり、これらの模様構成要素は共に滑り止め模様として機能するということである。
【0008】
本発明では、排水口の周りに細水路を設ける。細水路は同様に凹部の周りにも設けられる。本発明における細水路は、相対的に細い凹構造の水路を意味しており、従って凹溝及び凸部間の相対的に低い凹所を含む。細水路が排水口や滑り止め模様の全周を囲んでいることは必要ではなく一部を囲んでいれば良い。このような細水路の中の水を排水口へ導くために、傾斜底を有する導水部が設けられている。導水部は、いわば排水口への落とし口であり、水捌けの向上を目的として設けられるものである。
【0009】
多数の細水路同士は連絡路で相互に連絡しており、これにより全体として網状の排水路、つまり排水路網が形成される。排水路網は多数の細水路同士を通じることによって構成されているものであるが、蓋本体表面の全部の細水路が連絡路でつながっていなければならない訳ではない。例えば排水口及び滑り止め模様構成要素のパターンが複数の部分に分かれている場合(図1参照)、各部分の範囲内で出来るだけ多くの細水路が連結路でつながっていればそれで十分である。
【0010】
また蓋本体上の水はできるだけ短い経路で排水口へ到達できることが望ましいので、蓋本体表面のあらゆる箇所から最寄りの排水口までの距離が短くて済むように排水路網を設計する。従って、前記のように、複数の部分に分かれている排水口及び滑り止め模様のパターンから成る場合でも、隣接部分により近い排水口がある場合にはその排水口を利用できるように連絡路を設けることができる。図1において符号21はそのような連絡路の例を示している。
【0011】
蓋本体の表裏を連絡する多数の排水口を有する地下構造物用蓋の場合、排水口が凹部として蓋本体の表面にあらわれるとともに、排水口間は相対的に凸部となると言えなくもない。しかし従来のこのような凹凸構造では平面の占める割合が大きく、滑り止め効果は不十分なものであった。これに対して本発明の場合、排水口及び滑り止め模様の周りに多数の細水路と、多数の細水路を連絡する多数の連結路とが設けてあるため、平面の割合が減少する一方で無数の凹凸が蓋本体の表面に出現することになり、滑り止め効果は著しく向上する。
【0012】
【実施例】
以下図示の実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。図1は本発明の地下構造物用蓋に関するもので、特に蓋本体11の表面の模様が示されている。
【0013】
蓋本体11の表面には、表裏を貫通した多数の排水口12が一定のパターンで配列され、開口している。例示の蓋本体表面の模様は、円形蓋本体11の中心から3重の同心円状に模様構成要素13を配列して形成されており、模様構成要素13は蓋本体11を貫通した排水口12と、貫通していない凹部14とを含んでいる。凹部14は図1、図2に斜線で示されている。
【0014】
例示の蓋本体11の場合、その全面に均等に排水口を設けるべきであるが、蓋裏に補強リブのような構造部分15を設ける必要があり(図3)、その結果、該当部分の模様構成要素13を貫通していない凹部14とせざるを得ないために、貫通、非貫通の要素が混在しているものである。従って、模様構成要素13の1個分に排水口12と凹部14が併存している場合もある(図2)。
【0015】
多数の排水口12及び凹部14を夫々取り囲むように細水路16が設けられている。3重の同心円状に並んだ模様構成要素13の内、内側の2重のものは全周を細水路で取り囲んでいるが、最外側のものはほぼU字形に囲んでいるだけである。これらの細水路16により、隣接する排水口間等に2列の凹溝が形成されかつ、3列の凸部がそれらの間に形成されることになるので、蓋本体全体に占める凹凸の割合は著しく増加する。
【0016】
細水路16の水を排水口12へ導くために、低斜底17を有する導水部18が設けられている。導水部18は、1箇所の排水口12について何箇所設けても良く、具体的な形態は自由に決めることができる。また、水を排水口12へ少しでも多量に落とし込み易くするために排水口12の上半部は開口範囲を次第に拡げたテーパ状の壁面19となっている。
【0017】
さらに多数の細水路16同士は連絡路20によって相互に連絡し、全体として網状に排水路が形成されるように図られている。連絡路20は、図1の場合、1箇所の排水口12又は凹部14を囲む細水路16同士を連絡路20という1筋の溝で通じているように図示されているが、連絡路20を複数箇所にしても良いことは内側の円形模様部分にある模様構成要素に図示されているように当然のことである。
【0018】
また、例示のものの模様構成要素は3重の同心円状部分が互いに独立したものとなっている。しかしそれらを連絡路21によって連絡し、至近の排水口12へ水を落とし込むことは排水性を高める上で有効である。このような連絡路21は排水口12から遠く離れてしまう凹部14の排水のために特に有効である(図1参照)。
【0019】
このような構成を有する本発明の地下構造物用蓋は、マンホールなどを覆う蓋として路面などの一部を構成する。その状況において降雨等によって蓋本体11の表面にもたらされた水は随時排水口12から地下構造物内に流れ込み、路面に水溜まりを作ることはない。
【0020】
蓋本体11の表面に水が残ると、そこを足で踏んばったり、2輪車や自動車の車輪が乗って加速度の変化を生じさせたりしたときに、従来は滑って事故が誘発されるようなことになった。しかし、本発明によれば、蓋本体の表面に残ろうとする水も排水路網によって随時排水される状況が作り出されており、かつ排水口近くに達した水は、傾斜底17やテーパ状の壁面19によって、直ちに排水口12へ落とし込まれるので、蓋本体表面の残存水分はいち早く排水されることとなる。
【0021】
また細水路16や連絡路20、21及び導水部18が排水口12及び凹部14の周囲に網目状に設けられていて、凹凸状構造を呈している。このため蓋本体11の表面における摩擦抵抗が高められ、このことによっても滑り止め効果が増すので、安全性が一層高められる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、地下構造物用蓋の蓋本体表面に形成した排水路網によって排水口からマンホール内への排水が著しく促進され、蓋本体表面は速やかに乾燥状態になるとともに、排水路網を構成する溝等の凹凸模様によって摩擦抵抗が高められ、全体としてスリップ防止効果を著しく向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排水路網を有する地下構造物用蓋の実施例を示す平面図。
【図2】同上要部の拡大図。
【図3】図2と同様の部分の斜視図。
【図4】排水口部分を拡大して示す斜視図。
【図5】(a)図2のA−A線断面図。
(b)図2のB−B線断面図。
(c)図2のC−C線断面図。
(d)図2のD−D線断面図。
【符号の説明】
11 蓋本体
12 排水口
13 模様構成要素
14 凹部
16 細水路
17 傾斜底
18 導水部
20、21 連絡路
Claims (3)
- 蓋本体の表裏を貫通した多数の排水口を有する地下構造物用蓋であって、排水口の周りに細水路を設けるとともに、細水路の水を排水口へ導く傾斜底を有する導水部を設け、さらに、多数の細水路同士を連絡路で相互に連絡し全体として網状の排水路を形成し、蓋本体表面の水が細水路及び導水部を経て最寄りの排水口より排水されることを特徴とする排水路網を有する地下構造物用蓋。
- 蓋本体の表面には、蓋本体を貫通した排水口と貫通していない凹部とから成る模様構成要素があり、それらの模様構成要素の周りに細水路を設け、それらの細水路同士が少なくとも1個以上の連絡路で相互に連絡し、排水口へつながる排水路網を構成するようにした請求項1記載の排水路網を有する地下構造物用蓋。
- 蓋本体表面に開口する排水口は、上部の開口範囲が次第に拡がったテーパ状の壁面を有している請求項1記載の排水路網を有する地下構造物用蓋。
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