JP3782858B2 - 温水循環接続具用のフイルターキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽と給湯装置との間で温水を循環させるために、浴槽の側面部に形成された孔の部分に取り付けられる温水循環接続具の一部品であるフイルターキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8に示すように一般に各家庭等に設置されている浴槽Aは、給湯装置Bに温水循環接続具C等を介して接続されている。この温水循環接続具Cの内部には、温水往路と温水戻り路が形成され、給湯装置Bに設けられた循環ポンプ(図示せず)を作動させて浴槽A内の温水(または水)を温水循環接続具Cの温水戻路から給湯装置B側に戻すと共に、給湯装置B側に戻された温水(または水)を給湯装置Bの燃焼加熱部(図示せず)で加熱し、温水循環接続具Cの温水往路を介して浴槽A内に吐出している。温水は上記のように循環ポンプによって浴槽Aと給湯装置Bとの間を温水循環接続具Cを介して強制循環されている。
【0003】
そこで、上記のように温水を強制的に循環させるために使用される温水循環接続具としては、例えば図9に示すような温水循環接続具Cや、実開平5ー19859号公報に記載のようなものなど、従来から種々のものが開発されている。これらの温水循環接続具C(便宜上、図8、図9に示す温水循環接続具Cを参照する)は、施工時に、浴槽Aの側面部Dに形成した孔Eの部分に、吐出口Fと吸込口Gが浴槽A内に臨むようにして取り付けられ、最後に浴槽A内からフイルターキャップHが取り付けられる。
【0004】
上記のフイルターキャップHは、フイルターキャップ本体IとフイルターカバーJと円形面用網体Kおよび各開口用網体Lとからなり、これらのフイルターキャップ本体IおよびフイルターカバーJの外周面部の同一位置には、上記した吐出口F並びに吸込口Gと一致する位置にプレス等の打抜きで開口Mが形成されている。そして図10、図11に示すようにフイルターカバーJに形成した開口Mには、内側からフイルターとなる開口用網体Lがスポット溶接N等によって取り付けられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、使用中に面積の小さい開口用網体Lに水垢や塵等が付着して目詰まりを起こした場合には、この開口用網体Lだけを取り外して水垢等を除去するといったことは出来ず、フイルターキャップH全体を取り外して開口用網体Lの掃除をしなければならず、その間は浴槽Aを使用することが出来ないといった問題があった。また、フイルターカバーJは金属材によって形成されている場合が殆どであり、浴槽内に打抜きによる開口Mの鋭利な内周縁Oが露出した状態となっているため、入浴中などにこの部分に触れると怪我をしてしまうといった懸念があった。
【0006】
本発明は上記のような点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、フイルターキャップに形成した開口に簡単に開口用通水カバーを着脱出来ると共に、開口用通水カバーのみを外して簡単に掃除することが出来、またフイルターカバーの開口の鋭利な内周縁で怪我をするといったことを防止出来る温水循環接続具用のフイルターキャップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を有効に達成するために、次のような構成にしてある。すなわち、請求項1記載の本発明の温水循環接続具用のフイルターキャップは、有底短円筒状で外周壁面部8に温水吐出用の開口9並びに温水戻り用の開口10を形成したフイルターキャップ本体2と、このフイルターキャップ本体2の外周壁面部8および円形面部6からなる外面を被覆するようにして取り付け出来、且つフイルターキャップ本体2の上記温水吐出用の開口9並びに温水戻り用の開口10と一致する位置に開口15,16を形成したフイルターカバー3と、上記フイルターカバー3の外周壁面部14の上記各開口15,16に着脱自在に取り付け出来る開口用通水カバー4とからなり、上記開口用通水カバー4は、合成樹脂によって一体形成されたものであって、フイルターカバー3の外周壁面部8に沿うように円弧状に形成すると共にフイルターカバー3の上記開口15,16の周縁部24を被覆出来るように形成した枠部20と、上記枠部20の両端部の内側に突出するように楔状に形成すると共にフイルターカバー3の上記開口15,16の両端側の周縁部24に嵌め合わすことが出来る凹溝27を上記楔状の部分の根元部分26の外側に形成した係止突片部25とによって構成されている。
【0008】
また、請求項2記載の本発明の温水循環接続具用のフイルターキャップは、請求項1の温水循環接続具用のフイルターキャップの構成において、枠部20の内側開口部分21に網体19を設けたことを特徴とする構成にしてある。
【0009】
また、請求項3記載の本発明の温水循環接続具用のフイルターキャップは、請求項1または2記載の温水循環接続具用のフイルターキャップの構成において、フイルターキャップ本体2は円形面部6に放射状に所定間隔を以て形成した略三角形状の複数の開口部7を有し、フイルターカバー3は上記フイルターキャップ本体2の略三角形状の複数の開口部7と一致する位置に開口部13を有し、上記フイルターキャップ本体2の円形面部6と上記フイルターカバー3の円形面部12との間に設けて、上記各開口9、10、15,16 を通水自在に覆う円形状網体5を備えていることを特徴とする構成にしてある。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付の図1〜図7に基づいて説明する。図1に示すように本発明に係る一例の温水循環接続具用のフイルターキャップ1は、フイルターキャップ本体2と、フイルターカバー3と、2つの開口用通水カバー4と、円形状網体5とによって構成されている。
【0012】
より具体的に説明すると、フイルターキャップ本体2は合成樹脂によって全体が有底短円筒状に形成され、有底部分である円形面部6には放射状に所定間隔を以て略三角形状の複数の開口部7が形成されている。また、このフイルターキャップ本体2の外周壁面部8には、温水吐出用の長方形状の開口9並びに温水戻り用の長方形状の開口10が形成されている。各開口9、10の外面側の内周部にはフイルターキャップ本体2の肉厚を薄くするようにして段差部9a、10aが形成されている。この段差部9a、10aは、フイルターキャップ本体2と後述するフイルターカバー3との間に開口用通水カバー4を係止出来る隙間を確保するために形成されたものである。また、両開口9,10は同じ大きさである。さらにこのフイルターキャップ本体2の外周壁面部8の均等な三箇所には、フイルターカバー3を係止するための係止凸部11が外方に突出形成してある。
【0013】
フイルターカバー3は、ステンレスによってフイルターキャップ本体2の外面、すなわち、円形面部6および外周壁面部8の外面部分を被覆出来るように全体が有底短円筒状に形成されている。このフイルターカバー3の底部分である円形面部12(図6参照)にも、フイルターキャップ本体2の円形面部6の開口部7と同様の開口部13が同一位置に形成されている。また、フイルターカバー3の外周壁面部14には、フイルターキャップ本体2の各開口9、10と一致する位置に温水吐出用の開口15(図1参照)並びに温水戻り用の開口16が形成され、さらに、このフイルターカバー3には、フイルターキャップ本体2の係止凸部11を係止させるための孔17が三箇所に形成してある。
【0014】
次に開口用通水カバー4は、上記のフイルターカバー3の開口15、16に着脱自在に取り付けられるように形成されたものである。
【0015】
開口用通水カバー4には、枠体18だけの構成のもの(図2、図3参照)と、この枠体18に網体19を設けたもの(図4、図5参照)とがある。図2、図3に示す枠体18だけの構成の開口用通水カバー4は、全体が合成樹脂によって一体的に形成され、枠部20はフイルターカバー3の各開口15、16より少し大きめの長方形状に形成され、フイルターカバー3の外周壁面部14に沿うように円弧状に形成されている。枠部20の内側は各開口15、16と略同じ位の大きさの角孔21になっており、この枠部20の裏側には、角孔21を囲繞するようにしてリブ22が形成されている。この開口用通水カバー4をフイルターカバー3の各開口15、16に嵌めたとき、このリブ22の外周面23がフイルターカバー3の各開口15、16の周縁部24(図1参照)に沿うようにして嵌まり込むようにしてある。さらに、この枠部20の裏面の両端には、裏面から突出するようにして係止突片部25が夫々形成されている。各係止突片部25は楔状であって根元部分26には凹溝27が形成され、この開口用通水カバー4をフイルターカバー3の各開口15、16に嵌めたとき、この凹溝27にフイルターカバー3の各開口15、16の両端周縁部24a(図1、図6参照)が嵌まり込み、開口用通水カバー4をフイルターカバー3の各開口15、16に係止出来るようになっている。
【0016】
また、図4、図5に示すもう一方の開口用通水カバー4は、枠体18の構成については上記構成と同様であり説明を省略する。この枠体18の角孔21は、網体19で覆われている。すなわち、網体19は角孔21より少し大きめの長方形状であって、網体19の外周部29は枠部20の裏面とリブ22との間に位置するようにして設けてある。網体19は金属材、例えばステンレスによって形成された目の細かい格子状のものである。勿論、フイルターとしての機能を有するのであれば、網体19の網目形状を格子状以外の他の形状にしてもよい。また網体19はステンレス以外の金属材によって形成するも、或いは耐蝕メッキを施した金属材であってもよい。さらに、網体19は合成樹脂によって形成してもよい。
【0017】
また、図示のフイルターキャップ1(図1参照)においては、上記のフイルターキャップ本体2と、このフイルターキャップ本体2を嵌着するフイルターカバー3との間に、円形面部5、6の各開口部7、13を1枚で覆うフイルターとしての円形状網体5が設けてある。円形状網体5は金属材によって形成されている。勿論、合成樹脂によって形成したものであってもよい。
【0018】
なお、本発明に係るフイルターキャップ1は、フイルターキャップ本体2およびフイルターカバー3の円形面部6、12に開口部7、13の形成されていない閉塞されたものであってもよい。
【0019】
上記のような構成からなる本発明に係るフイルターキャップ1にあっては、通常は網体19を設けた開口用通水カバー4(図1、図4〜図6参照)を、フイルターカバー3の各開口15に取り付けて図8に示す従来からの使用例と同様にして使用する。そして長期使用中に開口用通水カバー4の網体19に湯垢や塵等が付着して目詰まりが生じた場合、フイルターカバー3の開口15から開口用通水カバー4を外し網体19に付着した塵等を除去し、再びフイルターカバー3の開口15に取り付ける。
【0020】
取り付ける場合は(最初の取り付けの場合も同様である。図3、図5、図6参照)、開口用通水カバー4の枠部20の短辺側両端を指で挟んで枠部20を少し撓ませ、一方の係止突片部25の根元部分26に形成した凹溝27をフイルターカバー3の開口15の一端の周縁部24aに嵌め込む。さらに他方の係止突片部25の凹溝27を反対側の開口15の他端周縁部24aに嵌め込んで、開口用通水カバー4をフイルターカバー3の開口15に取り付ける。なお、網体19のない枠体18のみの枠部20を着脱する場合も同様にして行われる。
【0021】
また、湯垢や塵等により温水循環接続具の内部の圧力損失が大きくなった場合は、網体19付きの開口用通水カバー4を外し、この外したフイルターカバー3の開口15(16)に、上記と同様にして枠体18だけの構成の開口用通水カバー4を取り付ける。この開口用通水カバー4をフイルターカバー3の開口15(16)に取り付けることにより、フイルターカバー3の開口15(16)の鋭利な周縁部24は外部に露出せず、この周縁部24によって怪我をするといったこともない。
【0022】
なお、本発明に係るフイルターキャップは、図8、図9に示すタイプの温水循環接続具に使用が限定されるものではなく、温水循環接続具内で吐出通路と戻り通路を逆にすることが出来る通路切換え手段を有する温水循環接続具をはじめ、あらゆる種類の温水循環接続具に使用することが出来ることは勿論のことである。
【0023】
【発明の効果】
このように請求項1記載の本発明のフイルターキャップでは、フイルターキャップ本体の外面を被覆するフイルターカバーの各開口に、開口用通水カバーを着脱自在に取り付け出来るようにしてあるので、この開口用通水カバーを各開口に取り付けることによってフイルターカバーの開口の鋭利な内周縁を覆うことが出来、この内周縁に触れて怪我をするといったことを確実に防止することが出来る。
【0024】
また、請求項2記載の本発明のフイルターキャップでは、開口用通水カバーの枠部がフイルターカバーの外周壁面部に沿うように円弧状に形成してあるので、フイルターカバーの開口に開口用通水カバーを嵌め込むときに少し枠部を撓ませるだけで簡単に取り付けることが出来る。また、枠部に係止突片部が形成してあるので、この両係止突片部をフイルターカバーの開口の周縁部に係止することにより、確実に且つ強固に開口用通水カバーをフイルターカバーの開口に取り付けることが出来る。
【0025】
また、請求項3記載の本発明のフイルターキャップでは、開口用通水カバーが枠部と係止突片部、および枠部の内側開口部分に設けた網体とからなる構成であるので、請求項2と同様の効果を有すると共に、網体によって温水循環接続具内への塵等の侵入を防止することが出来る。
【0026】
また、請求項4記載の本発明のフイルターキャップでは、上記した請求項1〜請求項3の効果を有すると共に、フイルターキャップ本体およびフイルターカバーの円形面部に開口部を形成しこの開口部を網体で被覆した構成であるので、より多くの量の温水をこの開口部を介して浴槽と給湯装置との間を循環させることが出来る。また、開口部から温水循環接続具内に流入しようとする塵等も網体によって防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフイルターキャップの一部分解斜視図である。
【図2】開口用通水カバーの平面図である。
【図3】図2の一部切欠断面を示す正面図である。
【図4】他の開口用通水カバーの平面図である。
【図5】図4の一部切欠断面を示す正面図である。
【図6】本発明に係るフイルターカバーに開口用通水カバーを取り付けた状態の説明図である。
【図7】フイルターカバーの開口への開口用通水カバーの取り付け部分を拡大した説明図である。
【図8】フイルターキャップの使用状態を示す説明図である。
【図9】一例の温水循環接続具の分解斜視図である。
【図10】従来のフイルターカバーの説明図である。
【図11】従来のフイルターカバーの開口への網体の取り付けた状態を示す要部拡大説明図である。
【符号の説明】
1 フイルターキャップ
2 フイルターキャップ本体
3 フイルターカバー
4 開口用通水カバー
6 円形面部
7 円形面部の開口
8 外周壁面部
9 温水吐出用の開口
10 温水戻り用の開口
12 円形面部
13 円形面部の開口部
14 フイルターカバーの外周壁面部
15 温水吐出用の開口
16 温水戻り用の開口
18 枠体
19 網体
20 枠部
21 枠体の内側開口
24 フイルターカバーの開口の周縁部
25 係止突片部
Claims (3)
- 有底短円筒状で外周壁面部8に温水吐出用の開口9並びに温水戻り用の開口10を形成したフイルターキャップ本体2と、このフイルターキャップ本体2の外周壁面部8および円形面部6からなる外面を被覆するようにして取り付け出来、且つフイルターキャップ本体2の上記温水吐出用の開口9並びに温水戻り用の開口10と一致する位置に開口15,16を形成したフイルターカバー3と、上記フイルターカバー3の外周壁面部14の上記各開口15,16に着脱自在に取り付け出来る開口用通水カバー4とからなり、
上記開口用通水カバー4は、合成樹脂によって一体形成されたものであって、フイルターカバー3の外周壁面部8に沿うように円弧状に形成すると共にフイルターカバー3の上記開口15,16の周縁部24を被覆出来るように形成した枠部20と、上記枠部20の両端部の内側に突出するように楔状に形成すると共にフイルターカバー3の上記開口15,16の両端側の周縁部24に嵌め合わすことが出来る凹溝27を上記楔状の部分の根元部分26の外側に形成した係止突片部25とによって構成されていることを特徴とする温水循環接続具用のフイルターキャップ。 - 枠部20の内側開口部分21に網体19を設けたことを特徴とする請求項1記載の温水循環接続具用のフイルターキャップ。
- フイルターキャップ本体2は円形面部6に放射状に所定間隔を以て形成した略三角形状の複数の開口部7を有し、フイルターカバー3は上記フイルターキャップ本体2の略三角形状の複数の開口部7と一致する位置に開口部13を有し、
上記フイルターキャップ本体2の円形面部6と上記フイルターカバー3の円形面部12との間に設けて、上記各開口9、10、15,16を通水自在に覆う円形状網体5を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の温水循環接続具用のフイルターキャップ。
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1997
- 1997-01-31 JP JP01925397A patent/JP3782858B2/ja not_active Expired - Lifetime
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