JP2523940Y2 - 排気装置用フィルタ - Google Patents

排気装置用フィルタ

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JP2523940Y2
JP2523940Y2 JP1990000303U JP30390U JP2523940Y2 JP 2523940 Y2 JP2523940 Y2 JP 2523940Y2 JP 1990000303 U JP1990000303 U JP 1990000303U JP 30390 U JP30390 U JP 30390U JP 2523940 Y2 JP2523940 Y2 JP 2523940Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は排気装置用フィルタに関し、詳しくは、フィ
ルタとして網の目状の開口部を有するラスメタル板を積
層して用いるタイプのフィルタに関するものである。
〔従来の技術〕
厨房で発生する油分を含んだエアの排出手段として、
フードと換気扇とを一体にしたレンジフードや、天井に
換気扇を埋め込んだ天井扇等の排気装置がある。上記排
気装置下面の吸入孔となる開口部には、通常、エア内の
油分を捕捉するためのフィルタが装着してあり、排気装
置本体や、その周辺及びダクト内に油分が付着しないよ
うにしている。上記排気装置に装着するフィルタとして
は、網の目状の開口部を有するラスメタル板を長方形状
をした枠体によって保持してなるフィルタが主に使用さ
れる。上記ラスメタル板(A)は、第9図乃至第11図に
示す如く、網の目状の開口部(B)を形成する各ストラ
ンド(C)が所定の角度をもって傾斜しているため、こ
の開口部(B)内を、油分、即ちオイルミストを含んだ
空気が通過しようとすると、空気はストランド(C)の
傾斜した表面で反射屈折すると共に、この反射屈折によ
って空気同士が衝突し、このことによって、空気中のオ
イルミストがストランド(C)の表面に凝着捕集されて
行く。従って、このラスメタル板(A)をフィルタとし
て使用すれば、ラスメタル板(A)の開口部(B)の大
きさ、即ち開口率を、排気装置による吸い込み圧力の損
失があまりなく、かつ、油膜による目詰まりを防止する
のに十分な大きさにとっても、上記理由からオイルミス
トを十分捕捉することが可能となるため、上記した如
く、厨房に使用する排気装置用フィルタとして使用され
ている。又、この種のフィルタは、上記ラスメタル板
(A)を複数板、通常は2〜3枚積層した状態で枠体に
よって保持する構造を取ることにより、ストランド
(C)の傾斜による流体の流れの変化を増大させると共
に、ストランド(C)全体の表面積を増加させることに
よりオイルミストの捕捉率を向上させ、フィルタ効果が
十分に発揮できるようにしてある。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記した如く、ラスメタル板(A)によって排気装置
用フィルタを形成する場合に於いて、ラスメタル板
(A)を複数枚積層すると、フィルタ効果は十分に確保
できるようになるが、フィルタを所定期間使用した後、
排気装置から取り外し、洗浄する場合、洗浄が十分に行
えないといった問題があった。即ち、ラスメタル板
(A)を2枚積層してなるフィルタをそのままの状態で
洗浄しようとすると、各ラスメタル板(A)の表裏両面
の内、フィルタの外方側を向く面は比較的容易に洗浄で
きるが、フィルタの内方側を向いている面を充分に洗浄
するのは非常に困難である。又、ラスメタル板(A)を
3枚積層してなるフィルタでは、中間に位置するラスメ
タル板(A)はほとんど洗浄できないのが現状である。
このため、フィルタに一旦所定量以上の油分が付着して
しまうと、以後は、フィルタをいくら洗浄しても目詰ま
りを完全に解消できないといった問題があった。
このような問題点を考慮したものとして、実開昭60−
176221号公報等に記載されたレンジフード用グリスフィ
ルタがある。このフィルタは、フィルタエレメントを積
層状態で保持する矩形状の保持枠を具備するもので、保
持枠の一部を断面L字形の抜き差し部とすると共に、他
の部分を断面コ字型の保持部としたものである。
しかしながら、この構成では、フィルタエレメントの
挿入部が保持枠の上面に形成されるため、フィルタエレ
メントを斜めに傾けて保持枠に挿入しなければならず、
組立に手間がかかる。即ち、組立時には、各フィルタエ
レメントをその弾性力に抗して湾曲させ、この状態を保
持して抜き差し部に挿入しなければならず、フィルタエ
レメントの剛性が高い場合等には挿入が困難となり、無
理に挿入すればフィルタエレメントや保持枠が変形する
おそれがある。また、同様の問題はフィルタの分解時に
も生じる。
そこで、本考案は、各フィルタエレメントを個々に分
離した状態で洗浄でき、しかも容易に組立・分解可能な
排気装置用フィルタの提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、矩形状のラスメタル板の周囲に帯状板を装
着してなるフィルタエレメントを複数枚積層して構成し
たフィルタであって、 上記各フィルタエレメントの内の1枚のフィルタエレ
メントに、その周囲3辺の各全長にわたって断面コ字状
をした樋状部材からなる支持フレームを被せて当該フィ
ルタエレメントに固定し、 このフィルタエレメント上に、周囲3辺をそれぞれ支
持フレームに嵌挿して1又は複数のフィルタエレメント
を積層し、 最上層のフィルタエレメントの4辺のうち、支持フレ
ームに嵌挿されていない残りの1辺に、当該1辺とほぼ
同じ長さを有する断面コ字状の蓋体を被せて当該フィル
タエレメントに固定し、 この蓋体を、最上層を除く各フィルタエレメントの支
持フレームに嵌挿されていない1辺に被嵌して、蓋体
の、最下層フィルタエレメントの縁部下面との対向面
を、この対向面の全長にわたって当該フィルタエレメン
トにほぼ密着させたものである。
〔作用〕
各フィルタエレメントの内の1枚のフィルタエレメン
トに、その周囲3辺の各全長にわたって断面コ字状をし
た樋状部材からなる支持フレームを被嵌すると、支持フ
レームの一側面に開口部が形成され、この開口部をフィ
ルタエレメントの挿入部とすることができる。この開口
部を介して支持フレームにフィルタエレメントを順次挿
入し、最後に蓋体を最下層のフィルタエレメントのうち
支持フレームに嵌挿されていない1辺にほぼ密着させて
嵌合すれば、フィルタ装置を組み立てることができる。
このように、開口部(フィルタエレメントの挿入部)
が支持フレームの一側面に形成される結果、各フィルタ
エレメントは水平方向にスライドさせるだけで支持フレ
ームに挿入可能となる。従って、フィルタエレメントを
その弾性力に抗して湾曲させる必要もないので、無理な
く組み立て可能となる。また、蓋体を最下層のフィルタ
エレメントのうち支持フレームに嵌挿されていない1辺
にほぼ密着させて嵌合しているので、蓋体の裏面に油分
を含んだエアが回り込むこともなく、この部分の清掃頻
度を低減させることができる。
〔実施例〕
第1図乃至第8図は、本考案に係るフィルタの実施例
を示すものであり、この図に示すフィルタ(1)は、第
1乃至第3のフィルタエレメント(2)(3)(4)を
組合せることにより、1つのフィルタ(1)を構成して
いる。
第1のフィルタエレメント(2)は、第3図及び第4
図に示す如く、ラスメタル板(A)の周囲4辺に断面コ
字型の帯状板(7)を被嵌して構成され、その周囲3辺
には、断面コ字状をした樋状部材をコ字状に折曲して一
辺が開口部(6)となるように形成した支持フレーム
(5)が装着されている。この第1のフィルタエレメン
ト(2)は、支持フレーム(5)内への挿入後、支持フ
レーム(5)の内側面(5a)に上記帯状板(7)を接触
させ、この状態で両者をリベット(8)により結合する
ことにより、支持フレーム(5)と一体化されている。
この時、支持フレーム(5)は、第1のフィルタエレメ
ント(2)の周囲三辺の各全長にわたって断面コ字型に
形成されている。
第2のフィルタエレメント(3)は、第5図及び第6
図に示すよう、支持フレーム(5)内に挿入可能な外寸
を有するラスメタル板(A)によって構成されている。
このラスメタル板(A)の周囲には、断面コ字型の帯状
板(9)が被嵌されており、第2のフィルタエレメント
(3)の支持フレーム(5)への出し入れが容易となる
ようにすると共に、使用者がラスメタル板(A)の周囲
で手等を引っ掻かないようにしてある。
第3のフィルタエレメント(4)は、第7図及び第8
図に示すように、支持フレーム(5)内に挿入可能な外
寸を有するラスメタル板(A)の周囲に断面コ字型の帯
状板(10)を被嵌させて構成され、その内の1辺には、
支持フレーム(5)の開口部(6)と嵌合する、断面コ
字状をした樋状部材からなる蓋体(11)が取り付けられ
ている。この蓋体(11)は、第3のフィルタエレメント
(4)と当該蓋体(11)を取付ける1辺とほぼ同じ長さ
を有する。尚、この蓋体(11)の帯状板(10)への取付
けは、リベット(12)を用いて行えばよい。
上記構成に於いて、本考案に係るフィルタ(1)を使
用するには、先ず、支持フレーム(5)内に第2のフィ
ルタエレメント(3)を挿入し、第1のフィルタエレメ
ント(2)上に第2のフィルタエレメント(3)を積み
重ねる。次に、第2のフィルタエレメント(3)の支持
フレーム(5)との間に第3のフィルタエレメント
(4)を挿入し、蓋体(11)を第1及び第2フィルタエ
レメント(2)(3)の端縁に被嵌すると共に、支持フ
レーム(5)の両端部に嵌合させ、蓋体(11)のうち第
1のフィルタエレメント(2)の縁部下面との対向面
を、この対向面の全長にわたって当該フィルタエレメン
ト(2)の帯状板(7)にほぼ密着させる。これによ
り、第1乃至第3のフィルタエレメント(2)(3)
(4)が一体化され、3枚のラスメタル板(A)を積層
してなるフィルタ(1)が構成される。後は、この状態
でフィルタ(1)を排気装置にセットして使用する。
この状態で所定の使用期間が経過し、フィルタとして
作用しているラスメタル板(A)に一定量以上の油分が
付着すると、フィルタ(1)を排気装置から取外し、先
ず、蓋体(11)と支持フレーム(5)とを水平方向に引
き離して、第3のフィルタエレメント(4)を支持フレ
ーム(5)内から抜き取る。次に、第2のフィルタエレ
メント(3)を水平方向に引っ張ってこれを支持フレー
ム(5)から抜き取る。このようにして、第1乃至第3
のフィルタエレメント(2)(3)(4)を1枚ずつに
分離した状態で別個に洗浄した後、再度第1乃至第3の
フィルタエレメント(2)(3)(4)を上述したのと
同様の手順で組合せ一体化し、後は、この洗浄を終えた
フィルタ(1)を再び排気装置にセットする。
このように、本考案に係るフィルタ(1)は、フィル
タ洗浄時、ラスメタル板(A)からなる第1乃至第3の
フィルタエレメント(2)(3)(4)を1枚ずつに分
離した状態で洗浄できるため、ラスメタル板(A)に付
着した油分を簡単、かつ、確実に洗い落すことができ
る。また、フィルタ装置の組立・分解に際しては、第2
及び第3のフィルタエレメント(3)(4)を水平方向
に挿入し或いは水平方向に抜き取ればよく、従来装置
(実開昭60−176221号公報参照)のように当該フィルタ
エレメント(3)(4)を湾曲させながら挿入・抜き取
りを行なう必要もないので、誰でも簡単に無理なく組立
・分解することができる。
しかも、蓋体(11)と第1のフィルタエレメント
(2)とがほぼ密着状態であるので、蓋体(11)の裏面
に油分を含んだエアが回り込むことはなく、この部分へ
の油分の付着を防止して洗浄労力の軽減を図ることがで
きる。なお、厳密にいえば、第2図に示すように、蓋体
(11)と第1のフィルタエレメント(12)との間には隙
間があり、非密着状態であるといえるが、これは、蓋体
(11)を支持フレーム(5)の両先端部に嵌合させてい
るからであり、この隙間の幅は支持フレーム(5)の板
厚と等しいかそれ以下となるため、実質的には両者間の
隙間は0であって密着状態であるといえる。もちろん、
蓋体(11)を、支持フレーム(5)と嵌合させずに第1
のフィルタエレメント(2)の縁部のみに嵌合させても
よく、この場合には、蓋体(11)と第1のフィルタエレ
メント(2)とを完全に密着させてエアの回り込みを完
全に防止することが可能となる。
尚、上記実施例はラスメタル板(A)を3枚積層して
フィルタ(1)を形成する場合について説明したが、ラ
スメタル板(A)を2枚積層してフィルタ(1)を形成
する場合には、第1のフィルタエレメント(2)に第2
のフィルタエレメント(3)を挿入し、この状態で、第
1のフィルタエレメント(2)の開口部(6)に位置す
る帯状板(7)と、第2のフィルタエレメント(3)の
帯状板(9)とを、クリップ等の挾持手段によって挾
み、両者を一体化することにより、フィルタ(1)を形
成すればよい。
〔考案の効果〕
上述した如く、本考案によれば、フィルタ洗浄時に、
各フィルタエレメントを1枚ずつ分離した状態で洗浄で
きるので、各フィルタエレメントを構成するラスメタル
板の洗浄を容易、かつ、確実に行なえるようになる。ま
た、フィルタエレメントを水平方向に挿入し又は抜き取
るだけで誰でも簡単にフィルタを組立・分解することが
でき、しかもこの挿入・抜き取り時に、フィルタエレメ
ントを湾曲させる必要もないので、フィルタエレメント
が剛性を有する場合でも簡単に組立・分解可能となる。
さらに、各フィルタエレメントの四方を拘束する構造で
あるから、積み重ねたフィルタエレメントが位置ずれを
起こしたり脱落するおそれもない。また、蓋体を最下層
のフィルタエレメントに密着させているので、蓋体の裏
面に油分を含んだエアが回り込むことはなく、当該裏面
への油分の付着を防止して洗浄労力の軽減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るフィルタの平面図、第2図は第1
図I−I線に沿う拡大断面図、第3図は第1のフィルタ
エレメントの平面図、第4図は第3図II−II線に沿う拡
大断面図、第5図は第2のフィルタエレメントの平面
図、第6図は第5図III−III線に沿う拡大断面図、第7
図は第3のフィルタエレメントの平面図、第8図は第7
図IV−IV線に沿う拡大断面図、第9図はラスメタル板の
一例を示す平面図、第10図はラスメタル板の部分拡大平
面図、第11図は、第10図V−V線断面図である。 (1)…フィルタ、(2)…第1のフィルタエレメン
ト、(3)…第2のフィルタエレメント、(4)…第3
のフィルタエレメント、(5)…支持フレーム、(6)
…開口部、(7)(9)(10)…帯状板、(A)…ラス
メタル板。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】矩形状のラスメタル板の周囲に帯状板を装
    着してなるフィルタエレメントを複数枚積層して構成し
    たフィルタであって、 上記各フィルタエレメントの内の1枚のフィルタエレメ
    ントに、その周囲3辺の各全長にわたって断面コ字状を
    した樋状部材からなる支持フレームを被せて当該フィル
    タエレメントに固定し、 このフィルタエレメント上に、周囲3辺をそれぞれ支持
    フレームに嵌挿して1又は複数のフィルタエレメントを
    積層し、 最上層のフィルタエレメントの4辺のうち、支持フレー
    ムに嵌挿されていない残りの1辺に、当該1辺とほぼ同
    じ長さを有する断面コ字状の蓋体を被せて当該フィルタ
    エレメントに固定し、 この蓋体を、最上層を除く各フィルタエレメントの支持
    フレームに嵌挿されていない1辺に被嵌して、蓋体の、
    最下層フィルタエレメントの縁部下面との対向面を、こ
    の対向面の全長にわたって当該フィルタエレメントにほ
    ぼ密着させたことを特徴とする排気装置用フィルタ。
JP1990000303U 1990-01-05 1990-01-05 排気装置用フィルタ Expired - Lifetime JP2523940Y2 (ja)

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JPS5553522U (ja) * 1978-10-02 1980-04-10
JPS60176222U (ja) * 1984-04-25 1985-11-21 富士工業株式会社 レンジフ−ド用グリスフイルタ
JPS60176221U (ja) * 1984-04-25 1985-11-21 富士工業株式会社 レンジフ−ド用グリスフイルタ

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