JP3782769B2 - 蒸気加減弁 - Google Patents

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  • Details Of Valves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所の運転時間の大部分を占める高負荷領域下、および低負荷領域下における配管装置の振動を抑制する蒸気加減弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧蒸気が流動する蒸気タービン等では、蒸気の流量調整のために絞り要素を備える蒸気加減弁が使用されている。
【0003】
この蒸気加減弁において、蒸気の流量を調整するために弁体の開度が調整されるが、弁体の開度が中間開度の場合、蒸気が、弁体側と弁座側との隙間の絞り部において、弁体側と弁座側に対して交互に剥離・付着を繰り返す流れ、すなわち不安定流となり、弁体表面に時間的に不規則、かつ安定時に対し広いレンジでの圧力変動が生じ、蒸気加減弁の弁体に強制振動を引き起こす可能性があった。
【0004】
加えて、弁体側と弁座側とによって形成される絞り部において、絞り部流入前後の圧力比が臨界圧力以上になると、流速が超音速となることで、衝撃波による高周波の圧力変動が発生し、蒸気加減弁の弁体に振動を引き起こす可能性があった。
【0005】
火力発電所の蒸気加減弁に備わる弁体の振動を抑制することを目的として、特公昭58−44909号公報(特許文献1参照。)では、弁体の曲率をR,弁座の曲率をr、および弁体と弁座との接続点を基点に弁座口径をDとするとき、それぞれ、
【数6】
Figure 0003782769
の曲率関係を成立させることで、蒸気を弁座付着流の傾向とし、弁体側と弁座側に対して交互に剥離・付着を繰り返す流れ、すなわち不安定流を抑制させる蒸気加減弁がある。
【0006】
一方、蒸気加減弁に備わる弁体の振動を抑制することを目的として、特開平9−72430号公報(特許文献2参照。)では、弁体の曲率をR,弁座の曲率をr、および弁体と弁座との接続点を基点に弁座口径をDとするとき、それぞれ、
【数7】
Figure 0003782769
の曲率関係を成立させることで、蒸気を弁体付着流の傾向とし、弁体側と弁座側に対して交互に剥離・付着を繰り返す流れ、すなわち不安定流を抑制させる蒸気加減弁がある。
【0007】
また、原子力発電所の蒸気加減弁では、不安定流および衝撃波による蒸気流の乱れが蒸気加減弁本体から下流側配管に伝播され、下流側配管が振動する虞があった。さらに蒸気流の乱れは、配管内を下流方向へ進むにつれて減衰するが、蒸気流の乱れには幅広いレンジの周波数成分が混在し、管壁の振動モードと一致・整数倍の関係にある周波数成分は減衰せず、管壁の振動モードと連成した連成振動により、下流側配管の振動を引き起こす虞もあった。
【0008】
この圧力変動と管壁の振動モードによる連成振動の抑制を目的として特開平10−318430号公報(特許文献3参照。)に開示された蒸気加減弁を図6に示す。
【0009】
図6の蒸気加減弁1には、その下流側に下流側配管3が接続されており、この下流側配管3は、配管サポート4によって支持される。
【0010】
図6の蒸気加減弁1には、弁ケーシング5が備えられ、この弁ケーシング5内に球体曲面を有する弁体6が弁座8に向かって進退自在に収納される。弁体6は駆動装置(図示せず)に連結された弁棒7にて駆動せしめられる。
【0011】
蒸気加減弁1は、弁体6を弁座8から進退させることで絞り部の開度が調整される。弁体6を着座させる弁座8は、その下流側が徐々に拡開するスカート形状に構成される。
【0012】
図6に示された蒸気加減弁1においては、蒸気が方向Faにて弁ケーシング5内に流入し、絞り部から弁体後流領域9を経て、弁座8のスカート形状部から方向Fbに流出する。
【0013】
図6に示された蒸気加減弁1によると、振動防止要素として弁座8にスカート形状部を設けることにより、蒸気流をスカート形状部に沿って流れさせるため、蒸気流を安定した弁座付着流の傾向にする。
【0014】
加えて、図6に示された蒸気加減弁1によると、スカート形状部によって内径が緩やかに増大されることで連成振動数が連続して変化し、特定の周波数成分が残ることなく減衰させることができる。したがって、下流側配管3自身の連成振動数の成分も、蒸気加減弁1から下流側配管3にかけて伝播し難いため、原子力発電所における配管サポート4のクラック等の損傷を抑制できる。
【0015】
【特許文献1】
特公昭58−44909号公報(第3−4頁、第6図)
【0016】
【特許文献2】
特開平9−72430号公報(第2−3頁、図1−6)
【0017】
【特許文献3】
特開平10−318430号公報(第4−5頁、図10)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
火力発電所に備わる蒸気加減弁の振動は、蒸気加減弁に備わる弁体の振動のみが問題となる一方、原子力発電所に備わる蒸気加減弁の振動は、その健全性を保持する見地から、弁体の振動と同様に、圧力変動と管壁の振動モードによる連成振動の問題も大きい。
【0019】
例えば、特公昭58−44909号公報で説明した火力発電所の蒸気加減弁を、原子力発電所の蒸気加減弁に適用した場合を考慮する。この公報の蒸気加減弁では下流側配管の連成振動については開示されてないが、原子力発電所の蒸気加減弁として用いると、結果的に下流側配管に伝播される連成振動についても、二次的にある程度抑制することができる。ただし、この場合、弁座側で蒸気流の境界層剥離が生起されるため、連成振動の伝播による振動を充分に抑制できないことが確認されている。
【0020】
すなわち、特公昭58−44909号公報の蒸気加減弁を原子力発電所の蒸気加減弁としてそのまま適用しても、蒸気加減弁の弁体および下流側配管の健全性を保持することは困難である。火力発電所と原子力発電所とでは、蒸気加減弁に流入する蒸気の圧力、温度等の運転条件に差異があり、この差異によって、蒸気加減弁および弁体の振動をもたらす複数の原因の内、最も重点を置くべき原因が異なるため、振動抑制の対策も異なるためである。
【0021】
一方、特開平10−318430号公報によると、弁座にスカート形状部を設置することにより連成振動の伝播による振動を抑制できる。ただし、連成振動の原因である蒸気の不安定流および衝撃波の抑制については開示されておらず、原子力発電所の健全性を保持するために、配管サポートのクラック等の損傷の危機管理の負荷が大きい。
【0022】
原子力発電所の蒸気加減弁の振動抑制に関しては、振動生起の原理から、蒸気の不安定流および衝撃波の抑制、並びに連成振動の伝播の抑制を兼ね備えて、効率的な原子力発電所の運転を行う必要がある。
【0023】
また、弁体および下流側配管の振動を引き起こす他の原因として、蒸気加減弁内の構造による渦流がある。例えば、蒸気加減弁内の段差部等により断面積変化があると、断面積変化に伴い蒸気流が渦流を形成し、振動を引き起こす。
【0024】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、蒸気の不安定流、衝撃波および渦流を抑制し、並びに適切な広がり角度を有するスカート形状部により弁座付着流を促進させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体の健全性を保持できる蒸気加減弁を提供することを目的とする。
【0025】
本発明の他の目的は、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体に対する抵抗力を増大させ、蒸気流の弁体剥離を促進させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体の健全性を保持できる蒸気加減弁を提供することにある。
【0026】
本発明の別の目的は、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体後流領域での渦流の発生を抑制させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体の健全性を保持できる蒸気加減弁を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蒸気加減弁は、上述した課題を解決するために請求項1に記載したように、弁体の曲率をR、弁座の曲率をr、前記弁体および前記弁座との接触点における弁座口径をDとするとき、
【数8】
R=(0.52〜0.6)D
r>0.6D
の曲率関係が成立する前記弁体および前記弁座を弁ケーシング内に有し、前記弁体の球体曲面下端に形成された凹湾部の端面にエッジ部を備え、このエッジ部は蒸気流の弁体側境界層剥離が生起する点よりも上流側に形成され、前記弁座に下流側配管に向かって漸次拡開するスカート形状部を備え、前記スカート形状部の広がり角度をθとするとき、
【数9】
θ≦6°
としたことを特徴とする
【0028】
また、本発明の蒸気加減弁は、請求項2に記載したように、弁体の曲率をR、弁座の曲率をr、前記弁体および前記弁座との接触点における弁座口径をDとするとき、
【数10】
R=(0.52〜0.6)D
r>0.6D
の曲率関係が成立する前記弁体および前記弁座を弁ケーシング内に有し、前記弁体の下端に形成された凹湾部の端面にエッジ部を備え、前記弁座に下流側配管に向かって拡開するスカート形状部を備え、前記弁体の弁座側球体表面の所定の位置を蒸気流の弁体剥離を促進させるディンプル構造としたことを特徴とする。
【0029】
さらに、本発明の蒸気加減弁は、請求項3に記載したように、弁ケーシング内に弁体および弁座を有する蒸気加減弁において、前記弁体の球体曲面下端に形成された凹湾部の端面にエッジ部を備え、このエッジ部は蒸気流の弁体側境界層剥離が生起する点よりも上流側に形成され、前記弁体下部空間の弁体後流領域に、下流側配管に向って先細となる円錐形状のボスを設置する一方、前記弁座に下流側配管に向って拡開するスカート形状部を備え、上記スカート形状部とボスとの間に環状流路を形成したことを特徴とする。
【0030】
また、本発明の蒸気加減弁は、請求項4に記載したように、前記弁体の軸方向をxとし、軸方向xにおけるスカート形状部と前記ボスによって構成される環状流路面積をA(x)、軸方向平均流速をw、および体積流量をQとすると、
【数11】
w=Q/A
d(1/A)/dx=d(w)/dx=定数
の関係から環状流路面積A(x)を算出することで得られる形状の前記ボスを備えたことを特徴とする。
【0031】
最後に、本発明の蒸気加減弁は、請求項5に記載したように、前記弁体の軸方向をxとし、軸方向xにおけるスカート形状部とボスによって構成される環状流路面積をB(x)とすると、
【数12】
d(1/B)/dx=定数
の関係から環状流路面積B(x)を算出することで得られる形状の前記ボスを備えたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る蒸気加減弁の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明に係る蒸気加減弁の第1実施の形態を示す概略図である。
【0034】
図1は蒸気加減弁51を示し、蒸気加減弁51の下流側には下流側配管3が接続されており、この下流側配管3は、配管サポート4によって支持される。
【0035】
図1の蒸気加減弁51には、弁ケーシング5が備えられ、弁ケーシング5内に球体曲面を有する弁体56が軸方向xに沿って進退自在に収納される。弁体56には駆動装置(図示せず)に連結された弁棒7が備えられ、加えて、弁体56には弁体56および弁棒7を結合させるピン(図示せず)が備えられる。なお、弁体56の球体曲面は先端部が凹湾状のエッジ部56aが形成される。
【0036】
また、蒸気加減弁51の弁ケーシング5に弁座58が備えられ、弁体56の軸心の基点をO、弁体56と弁座58の接続点をPとすると、基点Oと接続点Pの距離、すなわち弁体56の曲率をR、接続点Pにおける弁座58の曲率をr、さらに、接続点Pを基点に弁座口径をDとすると、弁体56の曲率Rと弁座58の曲率rとは、それぞれ、
【数13】
Figure 0003782769
の関係が成立する。
【0037】
これらの数値範囲は、実験によって求められた最適な適用範囲であり、これらの数値範囲から外れた場合、蒸気流を安定した弁座付着流にすることができないことが確認されている。
【0038】
さらに、球体曲面を有する弁体56は、接続点Pから下流側に位置し、かつ蒸気流の弁体56側の境界層剥離が生起する点よりも上流側にエッジ部を形成し、このエッジ部の頂点を境として、内側に凹湾部を形成させる。
【0039】
最後に、下流側配管3に向かって拡開する弁座58のスカート形状部の広がり角度は、スカート形状部の片側の広がり角度をθとするとき、
【数14】
θ≦6°
の関係が成立する。弁座58のスカート形状部は軸方向xに沿って弁座口径が拡開し、スカート形状部の最下流部と下流側配管3の最上流部とが同一口径を保つように構成される。すなわち、スカート形状部の最下流部と弁ケーシング5とが滑らかに接続される。
【0040】
図1に示された蒸気加減弁51においては、蒸気が方向Faにて弁ケーシング5内に流入し、弁棒7を上下に移動させることで弁体56側と弁座58側との絞り部の開度を調整することにより、蒸気の流量が調整される。次いで、絞り部を通過した蒸気は、弁体後流領域59に進入し、徐々に拡開する弁座58に従って下流側へ流れ、弁座58のスカート形状部から下流側配管3を介して方向Fbに流出する。
【0041】
図1の蒸気加減弁51に備える弁体56において、弁体56に付着して流れる蒸気流が剥離する点、すなわち境界層剥離点より上流側にエッジ部56aを設けたため、蒸気流の流線は境界層剥離点よりも上流側において弁体56表面から離れる。したがって、弁体56が中間リフト領域にあっても蒸気流を弁体56側に引き付ける力が弁座58側に引き付ける力よりも常に小さく、蒸気の弁座付着流を促進させるので、エッジ部56aを備える弁体56は、低振動型弁としての効果が大きい。
【0042】
さらに、低振動型弁では、蒸気加減弁51の弁体56および弁座58で形成される絞り部での衝撃波の発生に伴う高周波の圧力振動が抑制される。
【0043】
また、蒸気加減弁51に備える弁座58の上流部での蒸気流は安定した弁座付着流であるから、弁体56側の剥離防止の効果は高い。加えて、弁座口径の拡開により連成振動数が連続して変化し、特定の周波数成分が残ることなく減衰することで、下流側配管3自身の連成振動数の成分も蒸気加減弁51から下流側配管3にかけての伝播が抑制される。
【0044】
図2は蒸気加減弁51の振動抑制効果を示すグラフである。
【0045】
図2に示されたグラフは、蒸気加減弁51の下流側配管の振動抑制効果を示し、図1に示す蒸気加減弁51のエッジ部56aを備える弁体56である低振動型弁、および弁座58のスカート形状部の片側の広がり角度θによる振動抑制効果を示す。
【0046】
図2に示されたグラフには、弁体56の下部が球体曲面を有するのみの従来弁を使用し、弁座58下流側の広がりがないときの振動加速度曲線aと、低振動型弁を使用し、弁座58下流側のスカート形状部の広がり角度θ=3°のときの振動加速度曲線bと、低振動型弁を使用し、弁座58下流側のスカート形状部の広がり角度θ=4°のときの振動加速度曲線cと、低振動型弁を使用し、弁座58下流側のスカート形状部の広がり角度θ=5°のときの振動加速度曲線dとをそれぞれ示し、それぞれの条件における規格化質量流量(kg/sec.)と規格化振動加速度(G)の関係を示す。
【0047】
図2に示された振動加速度曲線aおよびbを比較する。低振動型弁および弁座58下流側のスカート形状部の広がり角度θ=3°を採用することで、規格化振動加速度が1/4程度にまで低減され、下流側配管の振動抑制効果が大きいことがわかる。
【0048】
さらに、振動加速度曲線b、cおよびdから、スカート形状部の広がり角度θ≦5°のときは、規格化振動加速度の差異が測定誤差の範囲内と推定され、同様の振動抑制効果を示す。
【0049】
加えて、図2に示されてないが、低振動型弁を使用し、スカート形状部の広がり角度θ=6°のときの振動加速度曲線においても、振動加速度曲線b、cおよびdと同様の振動抑制効果が得られている。
【0050】
なお、低振動型弁を使用し、スカート形状部の広がり角度θ>6°のときも同様に、数種類の広がり角度θのときの規格化質量流量と規格化振動加速度の関係を解析したが、規格化振動加速度の値が極めて大きくなる結果であったので、図2には記載しない。
【0051】
規格化質量流量と規格化振動加速度の関係を解析することによって、図1の蒸気加減弁51に備える弁体56として低振動型弁を備えること、および蒸気加減弁51に備える弁座58のスカート形状部の広がり角度θが特にθ≦6°のとき、下流側配管3の振動抑制効果が大きい。
【0052】
蒸気加減弁51によれば、蒸気の不安定流、衝撃波および渦流を抑制し、並びに適切な広がり角度を有するスカート形状部により弁座付着流を促進させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【0053】
図3は、本発明に係る蒸気加減弁の第2実施の形態を示す概略図である。
【0054】
図3の蒸気加減弁51Aは、弁体56表面の弁座側表面、少なくとも球体表面にディンプル56bを形成させる。
【0055】
また、蒸気加減弁51Aに備える弁体56はエッジ部56aを形成するときに限らず、また、蒸気加減弁51Aに備える弁座56下流側のスカート形状部の広がり角度θは特に限定しないし、弁座56の形状についても限定しない。
【0056】
なお、図3において、図1と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
図3に示された蒸気加減弁51Aにおいては、蒸気が方向Faにて弁ケーシング5内に流入し、弁棒7を上下に移動させることで弁体56側と弁座58側との絞り部の開度を調整することにより、蒸気の流量が調整される。次いで、絞り部を通過した蒸気は、弁体後流領域59に進入し、徐々に拡開する弁座58に従って下流側へ流れ、弁座58のスカート形状部から下流側配管3を介して方向Fbに流出する。
【0058】
また、図3に示された蒸気加減弁51Aにおいては、弁体56表面のディンプル56bにより蒸気流と弁体56との抵抗力を増大させることができる。
【0059】
さらに、図3に示す蒸気加減弁51Aのディンプル56aを図1に示す蒸気加減弁51に適用させることにより、より弁座付着流を促進させることができる。
【0060】
蒸気加減弁51Aによれば、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体に対する抵抗力を増大させ、蒸気流の弁体剥離を促進させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【0061】
図4は、本発明に係る蒸気加減弁の第3実施の形態を示す概略図である。
【0062】
図4(a)の蒸気加減弁51Bは、蒸気流の弁体剥離を促進させ、弁体後流領域59での渦流を抑制させる目的で、弁体56の下部空間の弁体後流領域59にボス60が設置される。
【0063】
弁体56の軸方向をx、軸方向xにおける弁座58のスカート形状部とボス60によって構成される環状流路面積をA(x)、軸方向平均流速をw、および体積流量をQとすると、
【数15】
Figure 0003782769
の関係から軸方向xに対し環状流路面積A(x)を算出し、ボス60の形状を決定する。
【0064】
また、蒸気加減弁51Bに備える弁体56はエッジ部56aを形成するときに限らず、また、蒸気加減弁51Bに備える弁座56下流側のスカート形状部の広がり角度θは特に限定しないし、弁座56の形状についても限定しない。
【0065】
なお、図4(a)において、図1と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
図4(b)は、図4(a)で示す蒸気加減弁51BのY−Y矢視に沿う断面図である。
【0067】
図4(b)の最外部は弁ケーシング5であり、内側に弁座58が備えられる。加えて、弁座58の内側の弁体後流領域59にボス60が備えられる。なお、ボス60は、ボス本体60aと支持脚60bから構成され、ボス本体60aから放射状に延設された支持脚60bの先端を弁座58または弁ケーシング5に備える。なお、図4(b)のボス60は放射状の3点の支持脚60bによって備えられるが、必ずしも3点でなくてもよい。
【0068】
図4(a)に示された蒸気加減弁51Bにおいては、蒸気が方向Faにて弁ケーシング5内に流入し、弁棒7を上下に移動させることで弁体56側と弁座58側との絞り部の開度を調整することにより、蒸気の流量が調整される。次いで、絞り部を通過した蒸気は、弁座58のスカート形状部とボス60との間の流路に進入し、徐々に拡開する弁座58とボス60との流路に従って下流側へ流れ、弁座58のスカート形状部から下流側配管3を介して方向Fbに流出する。
【0069】
また、図4に示された蒸気加減弁51Bにおいては、弁体後流領域59に設置されるボス60により弁体後流領域59での渦流の発生を抑制させることができる。
【0070】
さらに、図4に示す蒸気加減弁51Bのボス60を図1に示す蒸気加減弁51に適用させることにより、より弁座付着流を促進させることができる。
【0071】
蒸気加減弁51Bによれば、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体後流領域での渦流の発生を抑制させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【0072】
図5は、本発明に係る蒸気加減弁の蒸気加減弁の第4実施の形態を示す概略図である。
【0073】
図5の蒸気加減弁51Cは、蒸気流の弁体剥離を促進させ、弁体後流領域59での渦流を抑制させる目的で、弁体56の下部空間の弁体後流領域59にボス60が設置される。なお、弁体後流領域59に備えるボス60は、図4(b)と同様に弁座58または弁ケーシング5に固定される。
【0074】
弁体56の軸方向をx、軸方向xにおける弁座58のスカート形状部とボス60によって構成される環状流路面積をB(x)、軸方向平均流速をw、および体積流量をQとすると、
【数16】
d(1/B)/dx=定数
の関係から軸方向xに対し環状流路面積B(x)を算出し、ボス60の形状を決定する。すなわち、ボス60の形状を図4(A)に明示するように下流側配管3に向って先細となる円錐形状とする。
【0075】
また、蒸気加減弁51Cに備える弁体56はエッジ部56aを形成するときに限らず、また、蒸気加減弁51Cに備える弁座56下流側のスカート形状部の広がり角度θは特に限定しないし、弁座56の形状についても限定しない。
【0076】
なお、図5において、図1と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0077】
図5に示された蒸気加減弁51Cにおいては、蒸気が方向Faにて弁ケーシング5内に流入し、弁棒7を上下に移動させることで弁体56側と弁座58側との絞り部の開度を調整することにより、蒸気の流量が調整される。次いで、絞り部を通過した蒸気は、弁座58のスカート形状部とボス60との間の流路に進入し、徐々に拡開する弁座58とボス60との流路に従って下流側へ流れ、弁座58のスカート形状部から下流側配管3を介して方向Fbに流出する。
【0078】
また、図5に示された蒸気加減弁51Cにおいては、弁体後流領域59に設置されるボス60により弁体後流領域59での渦流の発生を抑制させることができる。
【0079】
加えて、ボス60の形状が円錐形状であり、ボス60の最下流部(円錐形状の頂点)では断面積変化を極小まで抑えられるので、ボス60の下流側での渦流の発生を回避できる。
【0080】
さらに、図5に示す蒸気加減弁51Cのボス60を図1に示す蒸気加減弁51に適用させることにより、より弁座付着流を促進させることができる。
【0081】
蒸気加減弁51Cによれば、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体後流領域での渦流の発生を抑制させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、蒸気の不安定流、衝撃波および渦流を抑制し、並びに適切な広がり角度を有するスカート形状部により弁座付着流を促進させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【0083】
また、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体に対する抵抗力を増大させ、蒸気流の弁体剥離を促進させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【0084】
さらに、蒸気を安定した弁座付着流とし、更に弁体後流領域での渦流の発生を抑制させることによって、弁体および下流側配管の振動を効果的に抑制し、蒸気加減弁本体および配管サポートの健全性を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蒸気加減弁の第1実施の形態を示す概略図。
【図2】 本発明に係る蒸気加減弁の第1実施の形態の振動抑制効果を示すグラフ。
【図3】 本発明に係る蒸気加減弁の第2実施の形態を示す概略図。
【図4】 (a)は本発明に係る蒸気加減弁の第3実施の形態を示す概略図、(b)は図4(a)で示す蒸気加減弁のY−Y矢視に沿う断面図。
【図5】 本発明に係る蒸気加減弁の第4実施の形態を示す概略図。
【図6】 従来の原子力発電所の蒸気加減弁を示す概略図。
【符号の説明】
1,51,51A,51B,51C 蒸気加減弁
3 下流側配管
4 配管サポート
5 弁ケーシング
6 弁体
7 弁棒
8 弁座
9 弁体後流領域
56 弁体
56a エッジ部
56b ディンプル
58 弁座
59 弁体後流領域
60 ボス
60a ボス本体
60b 支持脚

Claims (5)

  1. 弁体の曲率をR、弁座の曲率をr、前記弁体および前記弁座との接触点における弁座口径をDとするとき、
    Figure 0003782769
    の曲率関係が成立する前記弁体および前記弁座を弁ケーシング内に有し、前記弁体の球体曲面下端に形成された凹湾部の端面にエッジ部を備え、このエッジ部は蒸気流の弁体側境界層剥離が生起する点よりも上流側に形成され、前記弁座に下流側配管に向かって漸次拡開するスカート形状部を備え、前記スカート形状部の広がり角度をθとするとき、
    Figure 0003782769
    としたことを特徴とする蒸気加減弁。
  2. 弁体の曲率をR、弁座の曲率をr、前記弁体および前記弁座との接触点における弁座口径をDとするとき、
    Figure 0003782769
    の曲率関係が成立する前記弁体および前記弁座を弁ケーシング内に有し、前記弁体の下端に形成された凹湾部の端面にエッジ部を備え、前記弁座に下流側配管に向かって拡開するスカート形状部を備え、前記弁体の弁座側球体表面の所定の位置を蒸気流の弁体剥離を促進させるディンプル構造としたことを特徴とする蒸気加減弁。
  3. 弁ケーシング内に弁体および弁座を有する蒸気加減弁において、前記弁体の球体曲面下端に形成された凹湾部の端面にエッジ部を備え、このエッジ部は蒸気流の弁体側境界層剥離が生起する点よりも上流側に形成され、前記弁体下部空間の弁体後流領域に、下流側配管に向って先細となる円錐形状のボスを設置する一方、前記弁座に下流側配管に向って拡開するスカート形状部を備え、上記スカート形状部とボスとの間に環状流路を形成したことを特徴とする蒸気加減弁。
  4. 前記弁体の軸方向をxとし、軸方向xにおけるスカート形状部と前記ボスによって構成される環状流路面積をA(x)、軸方向平均流速をw、および体積流量をQとすると、
    Figure 0003782769
    の関係から環状流路面積A(x)を算出することで得られる形状の前記ボスを備えたことを特徴とする請求項3記載の蒸気加減弁。
  5. 前記弁体の軸方向をxとし、軸方向xにおけるスカート形状部とボスによって構成される環状流路面積をB(x)とすると、
    Figure 0003782769
    の関係から環状流路面積B(x)を算出することで得られる形状の前記ボスを備えたことを特徴とする請求項3記載の蒸気加減弁。
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