JPH10299909A - 蒸気加減弁 - Google Patents

蒸気加減弁

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JPH10299909A
JPH10299909A JP10908697A JP10908697A JPH10299909A JP H10299909 A JPH10299909 A JP H10299909A JP 10908697 A JP10908697 A JP 10908697A JP 10908697 A JP10908697 A JP 10908697A JP H10299909 A JPH10299909 A JP H10299909A
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valve
contact
valve seat
valve body
spherical
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Application number
JP10908697A
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English (en)
Inventor
Osamu Yokota
修 横田
Fumio Kato
文雄 加藤
Haruyuki Yamazaki
晴幸 山崎
Nobuyoshi Tsuboi
信義 坪井
Shigeki Senoo
茂樹 妹尾
Hideaki Kaneda
英明 兼田
Kazunori Yamanaka
和典 山中
Takanori Muroboshi
孝徳 室星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸気加減弁内の蒸気の流れを安定した蒸気流と
なし、弁開口時であっても弁体に騒音や振動が発生する
ことがなく弁体の損傷また弁棒の折損や弁棒を結合する
ピンに損傷を与えことのない蒸気加減弁を提供する。 【解決手段】弁体5の先端部が球面状に形成され、その
球面状部で弁座6と接触するように形成されている蒸気
加減弁において、前記弁体5の先端部を、弁座6と接す
る接触点の下流側で平坦面に形成するとともに、前記接
触点と前記弁体平坦面部間の距離を、弁体と弁座が接触
する部分の径の1/10以下となるように形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば蒸気タービ
ンなどに採用されている蒸気加減弁の改良に係わり、特
に弁体と弁座の接合面が球面に形成されている蒸気加減
弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力プラント,特に蒸気タービンなどに
採用されているこの種の蒸気加減弁は、高温・高圧(5
38℃、24.2MPa)の蒸気を絞り制御することか
ら、騒音・振動の発生ポテンシャルが高く、また弁開口
時において蒸気の流れが不安定であると弁機構が損傷す
る恐れがある。
【0003】図14にはこの従来における蒸気加減弁の
要部構成が断面で示されている。この蒸気加減弁の主な
構成としては、ケーシング1内に弁体5および弁座6が
納められており、弁体5はスリーブ2によりガイドされ
ている。また、弁体5内には子弁4を兼ねた弁棒3が設
けられている。この弁棒3と弁体5とは連結されてお
り、この弁棒3が上下動することにより、弁体5も同じ
方向に移動し、弁の開閉が行われるように形成されてい
る。
【0004】なおこの場合、弁体の先端面,すなわち弁
体の弁座と接合する面および最先端面が球面の場合の例
が示されているが、最近になりこの弁体の最先端面(弁
座との接合面より先端側)を、例えば図15に示されて
いるように、蒸気流の乱流を防止する目的で弁体5の先
端側を平坦5aに形成したものも出現している。
【0005】このように弁体5内に子弁4を備えている
蒸気加減弁において、起動時はまず子弁4が開き、供給
された蒸気7のうち、弁体5内に流れ込んだ蒸気8は弁
体底部の蒸気流出口10を通過して弁下流側へ流れる。
この子弁4は、弁体5が開く前のバイパス弁として用い
られ、弁体5が開く際に生じる衝撃的な力を緩和するも
のである。その後、弁体5が徐々に開き始め、弁体5と
弁座6の間を蒸気9が通過しながら蒸気タービン(図示
なし)に供給され、定格負荷に至る。
【0006】なお、この種の蒸気加減弁に関連するもの
としては、例えば特開昭56−109954号公報ある
いは特開昭58−44909号公報などが挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように形成されて
いる蒸気加減弁においては、弁開口時に、弁体と弁座の
間を流れる蒸気が局所的に超音速もしくは亜音速と非常
に高流速となるため、騒音の増大傾向を招いたり、ま
た、その流体力によって弁体に激しい振動が加えられ、
弁棒の折損や弁棒を結合するピンに損傷を生ずる場合が
ある。
【0008】これら騒音および振動の問題は、図2およ
び図3にも示されているように、流体の加速領域の存
在、蒸気のフローパターンの違いにより引き起こされて
いるものと考えられる。すなわち、図2に示すような従
来型の弁形状は、接触点下流側に沿って広がるような空
間が形成されるため、圧縮性流体においては加速領域が
存在する結果となり、この領域における流速は最小弁開
口部の流速よりも速くなり、騒音を増大させていると考
えられる。
【0009】また、振動に関しては図3に示すように、
弁の開度が微少なときは、弁前後の圧力差が高いため、
流れる蒸気のフローパターンは中央に流れる自由噴流b
となり、比較的安定な流れが得られる。しかし、弁の開
度が中間開度になると、弁の圧力差が少なくなるため、
蒸気のフローパターンは弁体に付着して流れるaあるい
はbとなる流れが交互に繰り返される乱流となる。この
乱流は、弁体5に動的な流体力を与え、弁体5に激しい
振動を与えることになる。さらに弁の開度を大きくする
と、乱流発生の現象はなくなり、弁座側に沿って流れる
安定した流れcが得られる。
【0010】図4は図3に示す弁の開度と弁前後の圧力
比との関係を示す運転特性であり、弁の開度の領域がそ
れぞれの流れのフローパターンa・b・cに対応してい
る。
【0011】ここで、従来型の弁形状が乱流を発生させ
やすい理由について、もう少し詳しく述べると、弁の開
度が微少なときは、弁前後の圧力差が高いため、流れの
慣性力が高く中央に流れる自由噴流となる。しかし、弁
の開度が中間開度になると、弁の圧力差が少なくなるた
め、コアンダ現象により蒸気が弁体側に付着して流れた
り、離れたりする不安定な流れが発生すると考えられ
る。このコアンダ現象とは、二円柱間において、R1>
R2の場合では、流体の遠心力の差により曲率半径の大
きいR1に沿って流れやすくなることである。
【0012】この点前述した弁体の最先端を平坦にした
ものは、弁体先端側中央に流れる自由噴流が減少し、多
少改善はされるものの、やはり弁開口時における蒸気流
が弁体側に付着したり、離れたりする不安定な流れが以
前として残り、やはり弁体が激しく振動する恐れがあっ
た。
【0013】このように従来の蒸気加減弁においては、
弁の開口時に騒音の増大また弁体が激しく振動し、弁棒
の折損や弁棒を結合するピンに損傷を与える恐れがあっ
た。
【0014】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、蒸気加減弁内の蒸気の流れを安定
した蒸気流となし、弁開口時であっても弁体に騒音や振
動が発生することがなく弁体の損傷また弁棒の折損や弁
棒を結合するピンに損傷を与えことのないこの種の蒸気
加減弁を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、弁体
の先端部が球面状に形成され、その球面状部で弁座と接
触するように形成されている蒸気加減弁において、前記
弁体の先端部を、弁座と接する接触点の下流側で平坦面
に形成するとともに、前記接触点と前記弁体平坦面部間
の距離を、弁体と弁座が接触する部分の径の1/10以
下,すなわち前記接触点と前記弁体平坦面部間の距離を
h、弁体と弁座が接触する部分の径を弁称呼径Doとす
るときh<Do/10に形成するようになし所期の目的
を達成するようにしたものである。
【0016】また、弁体の先端部が球面状に形成され、
その球面状部で球面状をなした弁座と接触するように形
成されている蒸気加減弁において、前記弁体の先端部
を、弁座と接する接触点の下流側で平坦面に形成すると
ともに、前記接触点と前記弁体平坦面部間の距離を、弁
体と弁座が接触する部分の径の1/10以下となるよう
に形成し、かつ前記弁体若しくは弁座若しくは両者の球
面状部を、楕円若しくは放物曲線状に形成するようにし
たものである。
【0017】また、弁体の先端部が球面状に形成され、
その球面状部で球面状をなした弁座と接触するように形
成されている蒸気加減弁において、前記弁体の先端部を
平坦面に形成するとともに、この平坦面の周縁に突堤を
設け、かつ弁体の前記弁座との接触点とこの突堤頂部と
の距離を、弁体と弁座が接触する部分の径の1/10以
下となるように形成したものである。
【0018】また、弁体の先端部が球面状に形成され、
その球面状部で球面状をなした弁座と接触するように形
成されている蒸気加減弁において、前記弁体若しくは弁
座若しくは両者の球面状部を、楕円若しくは放物曲線状
に形成し蒸気の流れが弁座側に沿うように形成したもの
である。
【0019】すなわちこのように形成された蒸気加減弁
であると、弁体に沿って流れる蒸気ははく離され、乱流
の発生が抑制され、蒸気の流れが安定し、弁開口時であ
っても弁体に騒音や振動の発生が抑制されるのである。
すなわち、一般に騒音は、流速との相関関係にあること
が認められており、本発明のように形成された加減弁で
あると、弁を流れる蒸気の流速が低くなり騒音および振
動を低減させることができるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図1(a),(b)にはその蒸
気加減弁の弁体および弁座の要部が断面で示されてい
る。5が弁体であり、6が弁座である。図から明らかな
ように弁体5の先端部は、弁座6と接する接触点の下流
側で平坦面に形成されている。この場合接触点と弁体5
の平坦面部間の距離hは、弁体5と弁座6が接触する部
分の径の1/10以下に形成されている。
【0021】この弁体の突き出し長さhは、実験および
流れ解析より得られた結果から、それぞれの弁開度にお
いて、弁開口部での最大流速と弁体突き出し長さhの関
係を求め、おおよそhがDo/10の点以下が有効であ
り、実験の結果でも最大流速が最も小さくなることが確
かめられた。
【0022】このように弁体の底面を弁体と弁座6が接
する接触点の下流側直後(h<Do/10)でカットす
ることにより、弁を流れる蒸気において加速領域の存在
をなくし、騒音の増大を抑制することができるのであ
る。さらに、弁体の底面が平面状であることから、弁体
に沿った蒸気の流れをはく離させ、衝突噴流による乱流
の発生を抑制し、流れの安定化にも効果がある。
【0023】また、応用例として、図1(b)のように
弁体5の底部に突起(突提)を付けることにより、主流
と循環流との合流損失を低減させ、スムーズな合流によ
って流れの乱れを抑制し、騒音の低減効果を得るもので
ある。このときの突起の形状は、実験および解析結果よ
り、H=(1/3〜1/4)Ho、θ1=54〜64
°、θ2=22〜32°が望ましい。勿論この場合も、
弁体の弁座との接触点とこの突堤頂部との距離は、弁体
と弁座が接触する部分の径の1/10以下となるように
形成される。なお、弁体底部に突起を付ける構造は、本
提案である球面形状を用いた弁体においても適用するこ
とができる。
【0024】図9と図10には本発明のもう一つの実施
例が示されている。この実施例は、弁体5および弁座6
の球面形状にだ円を用いた場合の実施例である。ここで
は、円径によって形成された弁体および弁座の球面が、
低騒音・低振動に効果のある考え方、すなわち、R2≧
R1の関係において円の曲率半径で得られた形状に対
し、その弁体および弁座の形状に相当するだ円の球面を
用いた例である。弁体5側のだ円の曲率半径をR1、弁
座6側のだ円の曲率半径をR2、弁体と弁座が接する接
触点の径を弁称呼径Doとする。
【0025】図9の場合は、一例として、だ円の球面を
用い、R2>R1(R1=1としたとき、R2=1.2
R1)の関係において形成された弁体および弁座の例で
ある。ここで、弁体と弁座が接触した接点座標をO点
(0,0)としたとき、弁体のだ円の中心座標を、弁座
のだ円の中心座標以下とする。
【0026】弁体を形成するだ円の方程式は
【0027】
【数1】
【0028】であり、弁座を形成するだ円の方程式は
【0029】
【数2】
【0030】である。
【0031】このときの弁体5および弁座6の曲率半径
R1,R2は、R1=(0.12〜0.24)Do、R
2=(0.45〜0.6)Doの数値範囲で得られた。
【0032】図10の場合は、だ円の球面を用い、R2
<R1(R1=1とする)の関係において形成された弁
体および弁座の例である。
【0033】弁体を形成するだ円の方程式は
【0034】
【数3】
【0035】であり、弁座を形成するだ円の方程式は
【0036】
【数4】
【0037】である。このときの弁体5および弁座6の
曲率半径は、R1=(1.77〜2.0)Do,R2=
(0.17〜0.35)Doの数値範囲で得られた。
【0038】これら本提案の形状によると、蒸気のフロ
ーパターンは弁の開度全域において安定した流れcが得
られ(図3,4参照)、当然ながら低騒音・低振動化に
効果がある。
【0039】また、図11は本発明の他の一例として、
放物線の曲線を用いた例である。
【0040】弁体および弁座を形成する放物線の式は
【0041】
【数5】
【0042】である。このときの弁体5および弁座6の
形状は、だ円によって得られた形状とほとんど同じであ
り、低騒音化の効果はだ円と同程度である。
【0043】ここで、だ円等の2次曲線で形成された弁
体および弁座において、逆に形状からだ円を判別する方
法について述べる。一般2次曲線は
【0044】
【数6】 ax2+bxy+cy2+dx+ey=1 …(1) で表せる。式(1)は点や線に縮退することを除けば、
放物線、だ円、円、双曲線のいずれかを示す。それぞれ
は、判別式D=b2−4acによって分類される。b2
4ac=0は放物線、b2−4ac>0は双曲線、b2
4ac<=0で、a=cかつb=0のとき円、それ以外
はだ円。
【0045】いま、弁体もしくは弁座が形成されている
曲線形状がだ円かどうかを判別するために、曲線形状を
座標にのせて、曲線上の任意の5点をとり、定数(a,
b,c,d,e)を、
【0046】
【数7】
【0047】を解くことにより求める。これにより、与
えられた5点より2次曲線(1)は一意に決まる。そこ
で、まず求めた[a,b,c]より判別式Dの値がだ円
の条件を満たすかを確認し、条件が満たされた場合、弁
体もしくは弁座の曲線形状と数6および数7から決まる
2次曲線を比較することにより、判別することができ
る。
【0048】次にこれらの作用についてもう少し詳しく
述べる。図6は縮流流れ場での各形状と損失係数の関係
を示したもので、この図から、円形状においては曲率半
径rを大きくすると損失係数は小さくなり、蒸気は流れ
やすくなる。これに対し、だ円を用いた形状では損失が
少ないことが分かる。それは、円を用いた形状では流れ
角(θ)が大きくなり、流れがはく離して損失が大きく
なるからである。しかし、だ円を用いた形状では滑らか
な球面によりスムーズな流れとなり、はく離領域の存在
が小さくなるからである。
【0049】また、だ円の形状においても弁座の曲率半
径R2を弁体の曲率半径R1より大きくすると(R2>
R1)、先のコアンダ現象により蒸気は弁座側に沿うよ
うに流れるため、安定した流れが得られることが容易に
推定できる。
【0050】また、図8(a),(b)では、弁形状の
違いによる、弁開度と流れ角(θ)の関係、そして、流
れ角(θ)と騒音、振動との関係について示す。まず、
円を用いた従来型では、流れ角(θ)は大きくなりやす
くはく離領域が存在し、弁体底部において、衝突噴流の
発生による流れの乱れ、せん断渦の生成などにより、騒
音、振動を大きくさせる原因となっている。これに対
し、本発明によるだ円形状を用いた場合では、流れ角
(θ)が小さいスムーズな流れとなり、弁座付着流とな
る。その結果、衝突噴流が回避され、安定したフローパ
ターンの形成が得られ、騒音、振動も低減することが可
能となる。
【0051】図7は、一般的なだ円の変数方程式と、弁
座において、円を用いた従来の形状と本発明によるだ円
を用いたときの、形状の比較を示す。それによると、円
を用いた従来の形状に比べてだ円による球面の形状は、
より滑らかな面が得られることが分かる。また、だ円の
形状によっては、弁座の水平面部と球面部とにできる角
がない弁座形状となり、良好な流量特性が得られ、容易
な運転制御が実現できる。このだ円を用いる考え方は弁
座6に限られることなく、弁体5にも応用でき、以下、
図12,図13で詳しく説明する。
【0052】図12(a)は従来型(R1>R2)およ
び(R1=R2)のときの、蒸気の流れ角(θ)につい
て示している。蒸気は、弁開口面積が最小スロート部に
おいて、弁体5および弁座6の球面の垂直線に対して直
角に流れようとする。従来型(R1>R2)における蒸
気の流れ角(θ)は、弁体と弁座の曲率半径の違いか
ら、角度のズレΔθが生ずるものの約50°であり、弁
体側に沿う不安定な流れとなる。一方、(R1=R2)
における蒸気の流れ角(θ)は、約35°であり、自由
噴流、もしくは、やや弁座側に沿う比較的安定な流れと
なる。
【0053】図12(b)は本発明の球面(一例とし
て、だ円を用いた)による(R1>R2)の場合におけ
る蒸気の流れ角(θ)は、弁体と弁座の曲率半径の違い
から、角度のズレΔθが生ずるものの約30°であり、
より弁座側に沿う安定した流れとなる。このように、弁
体、弁座の球面形状にだ円や放物線等の曲線を用いると
曲率半径が急激に変化するため、円に比べて弁座側に沿
う流れとすることができ、より安定したフローパターン
の形成によって、騒音、振動を低減することが可能とな
る。
【0054】以上説明してきたようにこのように形成さ
れた蒸気加減弁であると、球面で形成された弁体の底面
が、弁体と弁座が接する接触点の下流側直後でカットさ
れているので、弁を流れる蒸気の加速領域がなくなり、
加速損失の低減とともに、低騒音化することができる。
またさらに、弁体の底面が平面状に形成されているの
で、弁体に沿って流れる蒸気ははく離され乱流の発生が
抑制され、流れの安定化に効果がある。
【0055】また、弁体および弁座の球面形状におい
て、だ円や放物線等の曲線を用いることにより、弁座の
形状はより滑らかとなり、流れの損失係数が少なくなる
ため良好な流量特性を得、かつ、弁座側に沿う安定した
流れにより低振動化の信頼性の高い蒸気加減弁とするこ
とができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、蒸気加減弁内の蒸気流は安定した流れとなり、弁開
口時であっても弁体に騒音や振動が発生することがなく
弁体の損傷また弁棒の折損や弁棒を結合するピンに損傷
を与えことのないこの種の蒸気加減弁を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】従来の蒸気加減弁の形状における流れの加速領
域の存在を示す断面図である。
【図3】従来の蒸気加減弁の形状における流れのフロー
パターンの違いを示す断面図である。
【図4】弁の開度と圧力比の関係を表す特性図である。
【図5】本発明による蒸気加減弁の要部断面図である。
【図6】弁座における形状特性と損失係数の関係を示す
特性図である。
【図7】本発明による蒸気加減弁の低振動化の概念図で
ある。
【図8】流れ角と騒音、振動の関係を示す特性図であ
る。
【図9】本発明による低振動化の概念図である。
【図10】本発明による低振動化の概念図である。
【図11】本発明による低振動化の概念図である。
【図12】従来の蒸気加減弁の要部を示す断面図であ
る。
【図13】本発明の蒸気加減弁の要部の作用を示す断面
図である。
【図14】従来の蒸気加減弁を示す縦断側面図である。
【図15】従来のもう一つの蒸気加減弁を示す縦断側面
図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…スリーブ、3…弁棒、4…子弁、
5…弁体、6…弁座、7…蒸気、8…蒸気、9…蒸気、
10…蒸気流出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 信義 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 妹尾 茂樹 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 兼田 英明 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 山中 和典 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 室星 孝徳 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体の先端部が球面状に形成され、その
    球面状部で弁座と接触するように形成されている蒸気加
    減弁において、 前記弁体の先端部を、弁座と接する接触点の下流側で平
    坦面に形成するとともに、前記接触点と前記弁体平坦面
    部間の距離を、弁体と弁座が接触する部分の径の1/1
    0以下に形成するようにしたことを特徴とする蒸気加減
    弁。
  2. 【請求項2】 弁体の先端部が球面状に形成され、その
    球面状部で弁座と接触するように形成されている蒸気加
    減弁において、 前記弁体と弁座が接触する部分の径を弁称呼径Doとす
    るとき、弁体の底面を弁体と弁座が接する接触点の下流
    側直後(h<Do/10)でカットして、弁体の底面を
    平面状としたことを特徴とする蒸気加減弁。
  3. 【請求項3】 弁体の先端部が球面状に形成され、その
    球面状部で球面状をなした弁座と接触するように形成さ
    れている蒸気加減弁において、 前記弁体の先端部を平坦面に形成するとともに、この平
    坦面の周縁に突堤を設け、かつ弁体の前記弁座との接触
    点とこの突堤頂部との距離を、弁体と弁座が接触する部
    分の径の1/10以下となるように形成したことを特徴
    とする蒸気加減弁。
  4. 【請求項4】 弁体の先端部が球面状に形成され、その
    球面状部で球面状をなした弁座と接触するように形成さ
    れている蒸気加減弁において、 前記弁体の先端部を、弁座と接する接触点の下流側で平
    坦面に形成するとともに、前記接触点と前記弁体平坦面
    部間の距離を、弁体と弁座が接触する部分の径の1/1
    0以下となるように形成し、かつ前記弁体若しくは弁座
    若しくは両者の球面状部を、楕円若しくは放物曲線状に
    形成するようにしたことを特徴とする蒸気加減弁。
  5. 【請求項5】 弁体の先端部が球面状に形成され、その
    球面状部で球面状をなした弁座と接触するように形成さ
    れている蒸気加減弁において、 前記弁体若しくは弁座若しくは両者の球面状部を、楕円
    若しくは放物曲線状に形成し蒸気の流れが弁座側に沿う
    ように形成したことを特徴とする蒸気加減弁。
JP10908697A 1997-04-25 1997-04-25 蒸気加減弁 Pending JPH10299909A (ja)

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