JP3782739B2 - 選択陽極接合法および全面陽極接合法 - Google Patents

選択陽極接合法および全面陽極接合法 Download PDF

Info

Publication number
JP3782739B2
JP3782739B2 JP2002040310A JP2002040310A JP3782739B2 JP 3782739 B2 JP3782739 B2 JP 3782739B2 JP 2002040310 A JP2002040310 A JP 2002040310A JP 2002040310 A JP2002040310 A JP 2002040310A JP 3782739 B2 JP3782739 B2 JP 3782739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
glass substrate
bonded
anodic bonding
glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002040310A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002348149A (ja
Inventor
正剛 赤池
隆行 八木
正弘 伏見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002040310A priority Critical patent/JP3782739B2/ja
Publication of JP2002348149A publication Critical patent/JP2002348149A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3782739B2 publication Critical patent/JP3782739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Pressure Sensors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス基板と導電体基板との陽極接合に於いて、接着するべき個所のガラスの厚さを、接着してはいけない個所に比較して薄くしたり、接着部分に対応する部分のみに電極を作ることによって生ずる電界強度の差、すなわち静電引力の差を利用して接着個所だけを接着する方法、及び加速度センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス基板と、Si基板との接着は、通常ジョージウォーリス等(George Wallis and Daniel I.Pomerantz(Journal of Applied Physics,Vol 40,No.10,September,1969 :Received 2 January 1969)が開示しているように、ガラス基板をガラスの軟化点に近い約 400℃に保持しながら、該ガラス基板と該Si基板との間に約300Vの電圧を印加する構成によって行なわれていた。
【0003】
しかしながら、上記従来例では同一のガラス基板とSi基板との陽極接合に於いて、それぞれ接着個所、及び非接着個所を意識的に選択しながら接着することは困難であり、かつ次の様な欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(1)接着しない様に予め数μmの深さの凹状部を意識的に形成したSi基板あるいはガラス基板と、平面状のガラス基板あるいはSi基板とのそれぞれの接着に於いて、これらの該ガラス基板と該Si基板の接着面を互いに突き合せて陽極接合を行った場合、該凹部の深さが単位長さに対して小さい時、上記非接着個所となるべき該凹部で接着が余儀なく生ずる。
【0005】
(2)ガラス基板及びSi基板の表面は、微視的に見た場合、うねりあるいは凹凸の存在のため、完全に平滑でない。従って、接着してはいけない個所に予め数μmの深さの凹状部を形成した場合に於いても、接着は最初に、希望通りに該凹状部以外の個所で均一にかつ同時に生ずるとは限らず、実際には該接着面同士の間隙が最も狭くなる個所で生ずる。すなわち、接着しない様に予め意識的に加工した該数μmの深さの凹状部で、接着が余儀なく生ずる場合もある。
【0006】
更に、非接着部として凹状部を意識的に形成した場合に於いても、上記該うねりあるいは凹凸の存在のために、まず、最初に該凹状部以外の個所で接着が生ずるとは限らず、該凹状部に於いても該ガラス基板と該Si基板との間の間隙が小さい個所では接着が始まる場合もある。この様な場合、ガラス基板あるいはSi基板のいずれか一方で、あるいは両方の基板で曲げモーメントを生ずる。該曲げモーメントによって、該凹部の周囲に位置している本来接着するべき表面での接着を妨げ、結果として、接触してはならない個所で接着を生じ、又接着するべき個所で接着を生じない現象が起きる。
【0007】
(3)平板状のガラス基板と平板状のSi基板との間の接着の時、接着面間隔の小さい個所で接着が生ずることから、もし接着が最初該接着基板面の外周部で生じた場合、該基板面の中心部で生じないことが多い。すなわち、接着ムラを生ずる。
【0008】
一方、米国出願特許明細書第4,384,899号には次のことが記載されている。容量型圧力センサーエリメントの製作に於いて、窪みを設けた領域、すなわちメンブレンを形成した領域と該窪み領域の周囲を取り囲んでいる平面とから成っている表面を有するSi基板の該平面をガラス(Pyrexガラス;7740)基板に陽極接合する場合、まず接合に先だってSi基板上の該窪み領域に相対向しているガラス基板表面上に予め導電膜を成膜し、さらに該ガラス基板にスルーホールを形成し、その後該ガラス基板表面上の該導電膜と電気的に連結する様に該スルーホールの内面に導電膜を成膜する。そして、上記の該Si基板に該ガラス基板を陽極接合する時、該スルーホールの入口に設けた電極を用いて、ガラス基板上の該導電膜と該Si基板とを同電位にすることによって、Si基板上の該メンブレンを湾曲することなく接合可能としている。
【0009】
しかしながら、米国出願特許明細書第4,384,899号に記載のものでは次のような不都合が生ずる。
【0010】
ガラス基板にスルーホールを形成し、かつスルーホール内に導電膜を形成しなければならないので、微小なエリメントを製作することは困難である。
【0011】
又、米国出願特許明細書第4,875,134号には、次のことが記載されている。
【0012】
容量型圧力センサーの製作に於いて、凹状のメンブレンを形成している領域と該凹状メンブレンの周囲を取り囲んでいる平面とから成っている表面を有するSi基板の該平面をガラス基板に陽極接合する場合、まず接合に先だって、接合面に対して反対側のガラス基板表面上に該メンブレンに相対向している領域と該平面に相対向している領域の2つに接合面に直角なガラス壁で分割し、さらに該ガラス壁で分割したガラス基板上の2つの凹部内に該ガラス壁の高さまでSiを埋め込む。
【0013】
そして、Si基板の該平面にガラス基板を陽極接合する時、Si基板とSi基板該平面に相対向している領域のガラス基板上の上記該ガラス壁で分割した埋め込みSi層との間に電圧を印加することによって接合している。
【0014】
しかしながら、米国出願特許明細書第4,875,134号に記載したのものでは次のような不都合が生ずる。
【0015】
ガラス基板上に、ガラス壁から成る凹状部を形成し、さらに該凹状部内に該ガラス壁の高さまでSi層を形成することは幾つかのプロセスを必要とし、かつ該メンブレンの面積を微小化して行った場合、製作上困難となる。
【0016】
本発明はこれらの課題点を解決した選択陽極接合法及び全面陽極接合法を提案することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ガラス基板と導電体基板との陽極接合に於いて、予め接着するべき個所のガラスの厚さを、接着しない個所に比較して薄く加工することによって、該接着物間に電圧を印加した時、すなわち陽極接合の時、接着するべき個所に電界強度を大きく作用させるものである。該接着物間の静電引力は、上記電界強度の増加に従って大きくなることから、接着面間の電界強度の違いは、同時に接着面間に作用する静電引力の大きさの違いとなる。そこで、ガラス基板と導電体基板との陽極接合の場合、接着するべき個所のガラス面を出来るだけ薄くなる様に、該ガラス面の背面を凹状に加工することによって、結果として該凹状個所での静電引力を他の平面個所に比較して増加させることが出来、これにより被接着基板面に於いて、該凹状個所のみを選択的に接着させるものである。
【0018】
更に、本発明によればSi基板とガラス基板との陽極接合に於いて、新たなアース電極を非接着個所にするべきガラス基板上に設けることにより、局所的な非接着個所を意識的に選択しながら接着する事を可能にするものである。すなわち、Si基板とガラス基板との陽極接合に於いて、非接着部にするべき個所のガラス側基板の面上に新たに設けた電極とSi基板との間を同電位にし、あるいは接着するべき個所のガラス側基板とSi基板との間に、該Si基板を陽極とした電圧を印加する事によって、それぞれ非接着個所あるいは接着個所を同一基板上に同時に形成する事が可能となる。
【0019】
即ち、本発明は、
接合するべき領域と非接合にするべき領域とを有するガラス基板と導電体基板又は半導体基板とを接合する選択陽極接合法において、まず前記ガラス基板の接合面の反対面に接合領域に対応する凹部を形成することにより接合領域の前記ガラス基板の厚さを非接合領域よりも薄く形成すると共に反対面全面に電極を形成し、次いで前記両基板を重ねて所定温度に加熱すると共に前記形成した電極と導電体基板又は半導体基板との間に同一電圧を印加することにより、両基板間の接合するべき領域を選択的に接合させるもので、
凹部の深さが漸次変化することを含む。
【0020】
また本発明は、ガラス基板と導電体基板又は半導体基板とを全面にわたって接合する全面陽極接合法において、まず前記ガラス基板の接合面と反対面に反対面上の少なくとも一方向に沿って中心方向に漸深の凹部を形成すると共に凹部を形成した反対面に電極を形成し、次いで前記両基板を重ねて所定温度に加熱すると共に前記形成した電極と導電体基板又は半導体基板との間に同一電圧を印加し、その後印加している電圧を増加するものである。
【0021】
更に、本発明は、
接合するべき領域と非接合にするべき領域とを有するガラス基板と導電体基板又は半導体基板とを接合する選択陽極接合法において、まず前記ガラス基板の非接合とするべき領域又は非接合とするべき領域に対応する反対面に電極を形成し、次いで両基板を重ねて所定温度に加熱すると共に前記電極と導電体基板又は半導体基板とを同電位に保持しながらガラス基板と導電体基板又は半導体基板との間に電圧を印加することにより、両基板間の接合すべき領域を選択的に接合させる方法に関連し、電極が蒸着膜、箔膜、又は平板で形成された導電体であること、
電極の材料がAl,Au,Mo,W,Cr,Si,又はITOであること、
電極が非接合領域のガラス基板の全面に電気的に連結された、又は非接合領域のガラス基板の外周で電気的に連結されたものであることなどに関連する
【0022】
また、本発明は、
上面に照射光量の変化を検出して出力する変位検出固定センサーを配設した第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板上に積重したシリコン基板であって前記基板には貫通孔を形成すると共に、前記貫通孔内に揺動自在に第1スリットを有する重り部を板バネ部を介して一体に形成してなるシリコン基板と、シリコン基板上に積重してなり第2スリットを有する第2ガラス基板とからなり、かつ固定センサーと第1スリットと第2スリットとを直線状に配設してなる加速度センサーに関連する。
【0023】
更に、本発明は、
重りと、該重りの重心あるいは該重心の近傍を通る該重り面の法線上に、該法線に対して直角にそれぞれ短軸及び長軸を有するスリットを、該重りの重心あるいは該重心の近傍点を点対称とした該重りの外周端の2ケ所にそれぞれ該重りを支える板バネの一端を、そして該重りの重心あるいは該重心の近傍点を中心に該板バネの一端から角度225度の位置のSi基板上に該板バネの他端を有する、すなわち前記2枚の板状バネで該重りを支える可動要素をそれぞれSi基板上に一体で形成し、さらに一方のガラス基板の片面あるいは両面に遮光薄膜を成膜後上記該スリットを通過する光軸線上の該遮光薄膜面内にスリットを、他方のガラス基板の片面に遮光薄膜を、他の片面に上記該重りに形成した該スリットからの入射光に対して光導電性を示す薄膜すなわち加速度によって生ずる上記Si基板上に形成した該スリットの変位に対応して電気抵抗変化を生ずる形状に該光導電性薄膜からなる固定センサーをそれぞれ形成し、これら該Si基板を挟む様に上記2枚の該ガラス基板を互いに相対向した状態に、前記接合個所選択陽極接合法を用いて接着することによって、該光導電性薄膜から成る固定センサーの電気抵抗変化から前記重りに加わる加速度を検出する検出手段とを有することを特徴とする加速度センサーに関連する。
【0024】
【発明の実施の形態】
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例につき、図面を参照して説明する。
【0026】
(実施例1)
図1〜5は第1の本発明の実施例を示す。
【0027】
これらの図に於いて、1はSi基板、2はSi基板1に加工した振り子、3はSi基板1に加工して形成した振り子2の円弧運動中心となる軸梁(縦 10μm,横 15μmの直方体状梁)、4はSi基板1に加工した空隙、5はガラス基板、6はガラス基板5の非接着にするべき個所に加工した深さ3μmの凹状の溝、7は6と同様に非接着にするべき個所のガラス基板5に加工した深さ3μmの凹状の溝、8は接着するべき個所のガラス基板5に加工した溝(接着面までの厚さは 0.2mm)、10 は陽極接合時に電界を印加するため接着面に対して反対側のガラス5の表面に成膜した導電膜から成る電極、11 は針電極、12 は直流電源、13 はヒーター付プラテンである。
【0028】
つぎに、上記構成に於いてSi基板1とガラス基板5との接着をする前に、接着するべき個所と接着してはいけない個所との整合を、Si基板1とガラス基板5との間で行なう。すなわちSi基板1に加工した可動要素となる振り子2がガラス基板5に加工した溝6に相対向する様に、それぞれSi基板1及びガラス基板5を突き合せる。次いで、プラテン 13 によって被接着物を 400℃に加熱保持した状態で、針電極 11 を薄膜電極 10 に電気的に連結し、直流電源 12 によってSi基板1及びガラス基板5がそれぞれ陽極及び陰極になる様に電圧を印加する。
【0029】
この操作によって、接着するべき個所、すなわち溝8のガラス表面と接着するべきSi基板表面間の電界強度は、非接着とするべき個所と比較して大きくなる。従って、ガラス基板とSi基板1との間で陽極接合を行なう場合、直流電源 12によって電圧を次第に増加して行くと、接着は最も大きな電界強度を生ずる溝8の個所で生ずる。そして、上記の様な操作によって接着するべき個所で接着が生じた時点で、ガラス基板5とSi基板1との間に印加している電圧を一定に保持した場合、溝6及び溝7での接着(Si基板1とガラス基板5との間の接着)を防止できる。すなわち、上記の電界差を利用することによって、選択した個所のみを陽極接合する事が可能となる。
【0030】
なお、上記実施例においては被接着物を 400℃に加熱したがこれに限られない。
【0031】
(実施例2)
図6,7は第2の本発明の実施例を示すものである。これらの図に於いて1はSi基板、5はガラス基板、9はガラス基板5の中心近傍で最も薄く、外周で厚くなる凹状溝、10 はガラス基板5上の溝9の表面に成膜したAl薄膜電極、11 はAl薄膜電極 10 に電気的に連結している針電極、12 はガラス基板5とSi基板1との間に電圧を印加するための直流電源、13 はヒータ付プラテンである。
【0032】
つぎに上記構成に於いて、Si基板1とガラス基板5とを接着をするに際しては、まずSi基板1と溝9に対して反対側のガラス基板5との表面同士を互いに突き合せる。次いで、ヒーター付プラテン 13 によって該被接着物を 400℃に加熱及び保持しながら、直流電源 12 によってSi基板1及びガラス基板5がそれぞれ陽極及び陰極になる様に電圧を印加し、そして直流電源 12 を操作して、該電圧を次第に増加して行く。従って、ガラス基板5とSi基板1の接着面との間に生ずる電界強度は、該溝9の中心近傍で最も大きくなる。
【0033】
電界強度の増加に従って静電引力は増加するため、該静電引力によって、接着は最初に、該溝9の中心近傍で生ずる。そして、該印加電圧を次第に増加して行くに従って、該接着は該接着基板の中心部から外周部へと進行して行く。この上記接着方法によって、すなわち接着は該接着物の中心部でまず生じ、次第に外周方向に向かって生ずることから、該中心部分での接着漏れを防止することが可能となり、結果として、全面に渡って一様な接着を容易な操作で行なうことが出来る。
【0034】
(参考例1)
図8〜10は本発明の関連発明に係る参考例を示すものである。
【0035】
図8は本関連発明の特徴を最も良く表わす図面であり、図9及び図10は図8に於けるそれぞれA矢視図及びB矢視図である。上記のこれらの図に於いて、21は接着用Si基板、22はSi基板21に加工した円弧運動する振り子、23は振り子22の軸梁、24は空隙、25はガラス(パイレックス #7740)基板、26はガラス基板25に加工した深さ3μmの凹状の溝、27はSi基板21とガラス基板25を陽極接合する場合の非接着個所であるところの溝26の直上のガラス基板25の表面に電気的に連結しており、溝26の大きさと同等な、かつ同様な形状を有するアース電極である。28はヒータ付プラテン、29は陽極接合用直流電源、30はガラス基板25の表面に接触し、電気的に連結している針電極、31はアース電極27に接触し、電気的に連結している針電極である。
【0036】
つぎに上記構成に於いて、両基板 22,25 の接合を説明する。まず、プラテン 28 によりSi基板 21 及びガラス基板 25 を 400℃に加熱後、針状電極 30 を介して電源 29 によってSi基板 21 とガラス基板 25 との間に電圧を印加する。一方、同時に針状電極 31 を介してアース電極 27 をSi基板 21 と同電位になる様にする。すなわち本実施例の場合、アースに接続する。この状態で直流電源 29 を 200Vで 10分間保持したところ、接着してはならない個所、すなわち溝 26 の個所以外の全ての個所で希望通りに接着した。
【0037】
本陽極接合過程に於いて、振り子 22 とガラスの溝 26 との間での接着は生じなく、かつ可動要素とするべき軸梁 23 の破損もなく、期待通りの接着が可能であった。すなわち、アース電極 27 によって、ガラス溝 26 と振り子 22 との間に静電引力が作用しない効果が認められた。本方法によって、軸梁 23 の径が極めて微小(縦 10μm、横 15μm)な振り子 22 を有するSi基板 21 とガラス基板 25 との間の接着を、各要素を破壊することなくできた。尚、アース電極 27 は、薄板ガラス板にアルミホイールを巻いたものを使用したが、必ずしもアルミホールである必要はなく、上記のアース電極としての作用をする導電膜(例えば、Al,Au,Mo,W,Cr,Si薄膜、ITO透明膜)であっても良い。更に、形成方法として蒸着法等も用いられる。
【0038】
(参考例2)
図11,12は前記関連発明の他の形態に係る参考例を示すものである。図11は本参考例の特徴を最も良く表わす図面であり、図12は図11のC矢視図である。上記のこれらの図に於いて、21はSi基板、25は深さ3μmの溝26を有するガラス基板、27はアース電極で、Si基板21とガラス基板25を陽極接合する場合の非接着個所であるところの溝26の直上のガラス基板25の表面に電気的に連結し、溝26の大きさと同等な、かつ同様な形状を有する。28はヒータ付プラテン、29は陽極接合用直流電源、30はガラス基板25の表面に接触し、電気的に連結している針電極、31,32,33はそれぞれアース電極27に接触し、電気的に連結している針電極である。
【0039】
つぎに、上記構成に於いて、プラテン28によりSi基板21及びガラス基板25を400℃に加熱し、保持しながら電源29によってSi基板21とガラス基板25の表面との間に針状電極30を介して電圧を印加する。一方、同時に針状電極31を介してアース電極27をSi基板21と同電位にする。すなわち、本参考例の場合、アースに接続する。この状態で直流電源29を200Vに10分間保持したところ、接着してはならない個所、すなわち溝26の個所以外の全ての平面で基板21,25は接着した。
【0040】
これに対し、アース電極 27 及び針電極 31,32,33 を取り外した以外は上記と同様に操作した場合、該Si基板と該ガラス基板との陽極接合に於いて、接着してはならない溝6で接着が余儀なく生じた。すなわち、非接着にするべき個所で接着を生じた事になる。このため、ガラス基板 25 は波状に反り返り、結果として接着するべき個所で接着出来ない現象も同時に生じた。
【0041】
従って該アース電極の使用により、接着してはならない個所と接着するべき個所とを事前に選択する、すなわち選択的な接着が可能であった。
【0042】
(参考例3)
図13〜17は前記関連発明を用いた加速度センサーの例を示すもので、図13はこの加速度センサーの特徴を最も良く表わす図面であり、図14は図13のD矢視図であり、図15は図13のF矢視図であり、図16は図13のE矢視図であり図17は信号のピック・アップを表わす図である。上記のこれらの図に於いて101はSi基板、102はSi基板101に形成した重り部、103は重り部102の梁を形成する板バネ部、104は重り部102及び板バネ部103を形成した時に生ずる空隙である。105及び106は第1及び第2ガラス基板(パイレックス #7740)である。
【0043】
107 はアース電極で、Si基板 101 とガラス基板 106 とをそれぞれ陽極接合する(Si基板 101 と第1ガラス基板 105 を接合、その後第2ガラス基板 106 とSi基板 101 を接合する。)時、非接着個所であるところの溝 115 の直上の第2ガラス基板 106 の表面に電気的に連結しており、溝 115 の大きさと同等な、かつ同様な形状を有する。110 は第2ガラス基板 106 の表面に接触し、電気的に連結している針電極、111 はアース電極 107 に接触し、電気的に連結している針電極、114 は第2ガラス基板 106 の下面に成膜した遮光用金属薄膜(蒸着Al膜)、115 は溝で、Si基板 101 とガラス基板 105,106 とを接着する場合、接着してはいけない部分であるところの可動部、すなわち重り部 102 と梁であるバネ板 103 がガラス基板に接着しない様に、Si基板 101 に設けたものである。溝 116 は重り部 102 の中央部に設けた深溝である。
【0044】
117 は第2ガラス板 106 の上面にある細長い光導入用の第2スリットで、遮光用金属薄膜 114 に対して反対側の表面上のアース電極 107 の中央部に形成してある。118 は遮光用金属薄膜 114 の中央部に形成した小さな細長い形状の光導入用スリットである。119 は重り部 102 の中央部に形成した小さな細長い形状の光導入用第1スリットであり、尚重り部 102 が静止状態の時、上記の 117,118,119 の各スリットは入射光の光軸が一致する位置にある。
【0045】
図15 において、120,121,122,123 はいずれも光導電薄膜(CdS)である。124,125,126,127,128,129,130,131 は導電体から成る電極である。また、図17 中 132 は交流電源であり、133 は各光電変換薄膜 120,121,122,123 によってブリッジ回路を組んだ場合の出力を検出する電圧計である。なお、図15,16 中a〜hは各光電変換膜 120〜123 の端子である。
【0046】
次に、上記構成に於いて、図13 に見る様な紙面に平行な加速度αxが生じた時、重り部 102 は次の様な力Fを受ける。すなわち、
F=mα ────(1)
ここで、F:重り部 102 が受ける力、m:重り部 102 の質量、α:重り部 102 が受ける加速度、重り部が受ける力Fは、重り部が受ける加速度αの方向に対して反対方向に作用する。そこで、今図 14 に見る様に加速度αxによって重り部 102 に生じた力Fxにより、重り部 102 の変位ξxは力Fxの方向に生じ次の様になる。すなわち、
x=kxξx────(2)
【0047】
ここで、kx:図14 に於いてX軸方向の変位によって生ずるバネ板 103 のバネ定数。従って、図16 に見る様に重り部 102 に形成したスリット 119 がX軸方向にξxだけ変位することによって、それぞれ光導電薄膜 120,122 の電気抵抗は大きく、光導電薄膜 121,123 の電気抵抗は小さくなるため、図17 に於ける光導電薄膜 121,122,123,124 によって構成したブリッジ回路の出力電圧は、加速度αxの増加と共に大きくなる。すなわち、
x ∝ αx─────(3)
ここで、Vx:加速度αxによって生じた出力電圧。
【0048】
今、上記の加速度センサーを2個用いる事によって、すなわちX方向の加速度αx及びY方向の加速度αyを同時に検出することによって、X-Y平面内の加速度αxyを求める事ができる。すなわち、
αxy=(αx 2+αy 2)1/2─────(4)
本実施例に於いて、厚さ 0.53mmのSi基板に6mm×6mm×0.5mm寸法の重り部及び断面形状が 0.1mm×0.5mmのバネ板を形成した場合、X軸方向の加速度αx=10Gの時、約200mVの出力電圧の変化を得た。
【0049】
なお、上記実施例において光量変化の検出に上記構成のセンサーを用いたがこれに限られず各種の光センサーを使用することができ、更に、電圧の検出も上記回路に限られるものではない。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した様に、第1の発明においてはガラス基板と導電体との陽極接合に於いて、ガラス基板の厚さを接着個所で薄く、あるいは接着してはいけない個所で厚く加工することにより、同一電圧を印加した時被接着物間に働く静電引力をそれぞれ大きく、あるいは小さく作用させることができ、このため選択した個所のみを接着できる効果がある。
【0051】
さらに、第2の発明においてはガラス基板と導電体との間で全面に渡って陽極接合する場合、ガラス基板の厚さを接着面の中心近傍で薄くなる様に、あるいは外周部で厚くなる様に加工することにより、(すなわち、ガラス基板を凹状に加工することによって)印加電圧を次第に増加して行った場合、被接着物間に働く静電引力が該接着基板の中心近傍で最も大きく、そして半径方向である外周部に進むに従って次第に小さくなる様に作用させることが可能となり、該接着が中心から外周部に向って次第に連続的に生ずるので接着ムラを防止する効果がある。
【0052】
また、関連する発明においては、(1)ガラス基板とSi基板との陽極接合に於いて、非接着とするべき個所のガラス基板表面上に電極を形成し、該電極とSi基板との間の電位を零に保持しながら陽極接合することによって、非接着個所及び接着個所を意識的に選択することを可能にする効果がある。
【0053】
(2)意識的に凹形状の溝を有したガラス基板とSi基板との陽極接合に於いて、凹形状溝部を非接着個所、及び他の平面個所を接着個所とする場合、非接着個所のガラス基板表面上に、ガラス基板とSi基板間を同電位にするような電極あるいは電極膜を構成することによって、陽極接合後、被接着部材の曲げモーメントによる歪、あるいは引張りによる要素の破壊等を防止できる効果がある。
【0054】
更に、本発明並びに関連発明の接合個所選択陽極接合法を用いて製造した加速度センサにおいては、微細に構成したので、微小な加速度を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の本発明を実施して基板を接合している状態を示す説明図である。
【図2】 図1中の矢印A方向断面平面図である。
【図3】 図1中の矢印B方向断面平面図である。
【図4】 図1中の矢印C方向断面平面図である。
【図5】 図1の第2基板を除去した状態を示す斜視図である。
【図6】 第2の本発明を実施している状態を示す説明図である。
【図7】 図6中の矢印E方向断面平面図である。
【図8】 本発明の関連発明を実施して基板を接合している状態を示す説明図である。
【図9】 図8中の矢印A方向断面平面図である。
【図10】 図8中の矢印B方向断面平面図である。
【図11】 本発明の関連発明の他の実施状態を示す説明図である。
【図12】 図11中の矢印C方向断面平面図である。
【図13】 本発明の関連発明の接合個所選択陽極接合法を用いて製造した加速度センサの例を示す断面側面図である。
【図14】 図13中の矢印D方向断面平面図である。
【図15】 図13中の矢印F方向部分断面平面図である。
【図16】 図13中の矢印E方向部分断面平面図である。
【図17】 図13中のセンサ部の出力回路の一例を示す配線図である。
【符号の説明】
1 Si基板
2 振り子
3 軸梁
4 空隙
5 ガラス基板
6 溝
7 溝
8 溝
9 溝
10 電極
11 針電極
12 直流電源
13 ヒータ付プラテン
21 Si基板
22 振り子
23 軸梁
24 空隙
25 ガラス基板
26 溝
27 アース電極
28 ヒータ付プラテン
29 直流電源
30,31,32,33 針電極
101 Si基板
102 重り部
103 バネ板部
104 空隙
105 第1ガラス基板
106 第2ガラス基板
107 アース電極
108 ヒータ付プラテン
110 針電極
111 針電極
117 第2スリット
119 第1スリット

Claims (3)

  1. 接合するべき領域と非接合にするべき領域とを有するガラス基板と導電体基板又は半導体基板とを接合する選択陽極接合法において、まず前記ガラス基板の接合面の反対面に接合領域に対応する凹部を形成することにより接合領域の前記ガラス基板の厚さを非接合領域よりも薄く形成すると共に反対面全面に電極を形成し、次いで前記両基板を重ねて所定温度に加熱すると共に前記形成した電極と導電体基板又は半導体基板との間に同一電圧を印加することにより、両基板間の接合するべき領域を選択的に接合させることを特徴とする選択陽極接合法。
  2. 凹部の深さが漸次変化する請求項1に記載の選択陽極接合法。
  3. ガラス基板と導電体基板又は半導体基板とを全面にわたって接合する全面陽極接合法において、まず前記ガラス基板の接合面と反対面に反対面上の少なくとも一方向に沿って中心方向に漸深の凹部を形成すると共に凹部を形成した反対面に電極を形成し、次いで前記両基板を重ねて所定温度に加熱すると共に前記形成した電極と導電体基板又は半導体基板との間に同一電圧を印加し、その後印加している電圧を増加させることを特徴とする全面陽極接合法。
JP2002040310A 2002-02-18 2002-02-18 選択陽極接合法および全面陽極接合法 Expired - Fee Related JP3782739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002040310A JP3782739B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 選択陽極接合法および全面陽極接合法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002040310A JP3782739B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 選択陽極接合法および全面陽極接合法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28434192A Division JP3300060B2 (ja) 1992-10-22 1992-10-22 加速度センサー及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002348149A JP2002348149A (ja) 2002-12-04
JP3782739B2 true JP3782739B2 (ja) 2006-06-07

Family

ID=19192687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002040310A Expired - Fee Related JP3782739B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 選択陽極接合法および全面陽極接合法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3782739B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007102210A1 (ja) * 2006-03-08 2007-09-13 Fujitsu Limited 陽極接合用の加熱集中治具、陽極接合方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002348149A (ja) 2002-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3300060B2 (ja) 加速度センサー及びその製造方法
US6263735B1 (en) Acceleration sensor
US6291932B1 (en) Stacked piezoelectric element and producing method therefor
JP3782739B2 (ja) 選択陽極接合法および全面陽極接合法
US5734156A (en) Optical device assembly and its preparation using metallic bump bonding and a stand-off for bonding together two planar optical components
CA2989441C (en) Multi-plate capacitive transducer
JP2728237B2 (ja) 静電容量式加速度センサ
WO2011111732A1 (ja) Pzt膜を備えたセンサ素子の製造方法
US5689106A (en) Optical device assembly having a metallic bump bonding together two planar optical components, and its preparation
JP5130151B2 (ja) 静電容量型半導体物理量センサの製造方法及び静電容量型半導体物理量センサ
JP2007304019A (ja) 静電容量型力学量センサ
JP4356217B2 (ja) 電子部品の製造方法及び電子部品
JPH08279444A (ja) 微小構造体およびその製造方法
JP4345907B2 (ja) 半導体センサの製造方法
JPS62259475A (ja) 半導体圧力変換器及びその製造方法
JPS63266338A (ja) 圧電振動子
JPH06310615A (ja) 半導体容器形成方法と半導体基板積載圧電体振動子
JPH03155176A (ja) 積層型圧電素子の製造方法
JP2001185737A (ja) 加速度センサの製造方法
JP2023179048A (ja) 圧電モジュール
JPH11281668A (ja) 半導体センサのダイアフラムと電極基板の陽極接合方法
TW202232887A (zh) 石英振盪器的製作方法與結構
JPH10170374A (ja) 静電容量型トランスデューサの製造方法および静電容量型トランスデューサ
JP2004198519A (ja) 光スイッチ及びその製造方法
JP2591319B2 (ja) 静電容量式圧力検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051117

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20051117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060310

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100317

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100317

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110317

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120317

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees