JP3782582B2 - 排気ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車に利用する。本発明は、内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御して、車両走行速度を制動する排気ブレーキ装置の改良に関する。本発明は、排気ブレーキの作動に伴い排気に発生する黒煙を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気通路に排気の相当分を閉塞させる開閉弁を設け、走行中にこれを運転席に設けた操作端から制御することにより、内燃機関の回転速度を低くして走行速度を減速させる排気ブレーキ装置が広く利用されている。このような装置では、排気通路が開閉弁により閉塞された状態で、アクセルペダルが踏込まれると、これは制動と加速とが同時に指示される運転操作の矛盾であるとともに、内燃機関は不完全燃焼の状態になり排気に黒煙が発生する。これを防止するために、排気通路の開閉弁が閉塞状態にあるときにアクセルペダルが所定値を越えて踏込まれると、その開閉弁の操作入力にかかわらず開閉弁を開放状態に制御する技術が知られている。これは一般に、アクセルペダルの踏込量が所定量(x1)の位置に達したときに作動する電気スイッチを設け、この電気スイッチが作動したときには、その他の入力にかかわらず排気通路の開閉弁を開状態に制御するように構成されている。
【0003】
実際には、排気通路の開閉弁は閉状態から開状態に変位するまでに時間がかかるため、その間にアクセルペダルが踏込まれて内燃機関への燃料供給が増大することになる。このため、排気に一時的に黒煙が発生する。これを防止するために、従来からアクセルペダルの踏込みが検出されてから実際に内燃機関への燃料供給が行われるまでに遅延時間を設ける技術が知られている。これはアクセルリンクおよびアクセルケーブルによって燃料供給量を加減する燃料制御装置がもつ本来の機械的なアソビを遅延時間相当分増加させるもの(実開昭55−108228号公報参照)、電子的な制御回路を用いて燃料供給を制御する信号の発生を電気的に遅延させるもの(特開平7−238844号公報参照)、さらに電子ガバナの位置制御に複数のパターンを設定して選択的にこれを利用するもの(実用新案登録第2546774号公報(平成9年5月9日発行)参照)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術は、いずれもアクセルペダルの踏込量が所定量(x1)の位置に達したときに排気通路の開閉弁を開状態に制御するとともに、アクセルペダルの踏込情報を開閉弁の作動時間に相当する時間だけ遅らせて内燃機関の燃料制御系に伝達するものである。したがって、機械的アソビを設けるためのリンク機構の新設、あるいは電子制御のためのコンピュータの新設などが必要となり、製造コストを高くしていた。
【0005】
本発明はこのような背景に行われたものであって、アクセルリンクおよびケーブルによって燃料供給をコントロールする機械式燃料供給装置が持つ本来の機械的アソビを増加させることなく、排気ブレーキの作動中に急な加速を必要とするような運転状態となったときに、従来と同等の加速性能を持ち、しかも排気に発生する黒煙を大幅に低減する排気ブレーキの制御装置を提供することを目的とする。本発明は、従来装備されている排気ブレーキの制御装置を本質的に変更することなく、ソフトウエアのわずかな変更により実現することができる装置を安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排気ブレーキによる制動時にアクセルペダルが踏まれ加速操作が行われたときに、アクセルペダルの踏込速度により排気ブレーキによる補助制動を制御することを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明は、操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御する第一の手段と、アクセルペダルの踏込量(x)を電気信号として取込む手段と、前記アクセルペダルと燃料供給量調節手段との間を連結する機械系とを備え、この機械系に前記踏込量の所定量(x1)に対応するアソビを設けた排気ブレーキ制御装置において、前記電気信号からアクセルペダルの踏込速度(dx/dt)を検出する手段と、この踏込速度が所定速度(v1)を越えるとき前記踏込量が所定量(x1)を越えていなくとも前記操作入力にかかわらず前記開閉弁を開状態に制御する第二の手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
前記踏込速度(dx/dt)を検出する手段は、前記電気信号を時間微分する微分回路を含み、前記第二の手段により前記開閉弁が開状態に制御された直後の短い時間(t1)だけ新たな信号による前記開閉弁の制御を禁止する手段を備えることが望ましい。
【0009】
排気ブレーキの操作入力を受けたときに、その操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けられた開閉弁を閉状態にし排気ブレーキを動作させる。
【0010】
この排気ブレーキによる制動状態にあるときに、アクセルペダルが踏まれ加速操作が行われると、アクセルペダルの踏込量(x)を電気信号として取込み、第一の手段がその踏込量(x)とあらかじめ定められた所定量(x1)とを比較し、踏込量(x)が所定量(x1)を越えているときには、車両の加速操作が行われたものとして、排気ブレーキの操作入力が継続されていても、その操作入力にかかわらず開閉弁を開状態にし排気ブレーキによる制動を無効にする。
【0011】
さらに、アクセルペダルが踏込まれたときの踏込速度(v)を検出し、第二の手段がこの踏込速度(v)とあらかじめ定められた所定速度(v1)とを比較し、踏込速度(v)が所定速度(v1)を越えているときは、踏込量(x)が所定量(x1)を越えていなくても、急な加速が行われたものとして、排気ブレーキの操作入力が継続されていても、その操作入力にかかわらず開閉弁を開状態にし排気ブレーキによる制動を無効にする。
【0012】
アクセルペダルの踏込速度(v)は、電気信号として取込まれたアクセルペダルの踏込量(x)を微分回路が時間微分(dx/dt)することにより検出する。
【0013】
第二の手段により排気通路の開閉弁が開状態に制御された直後に、排気ブレーキの操作入力により開閉弁が閉状態になった場合に、排気通路が閉塞された状態で燃料が噴射されて黒煙が発生する。そこで、開閉弁を開状態にした直後から燃料供給が行われるまでの短い時間(t1)だけ新たな信号による開閉弁の制御を禁止する。これにより、時間(t1)にわたって開閉弁が閉状態になることが禁止され黒煙の発生を低減することができる。
【0014】
第一の手段によりアクセルペダルの踏込量(x)が所定量(x1)を越えて開閉弁が開状態に制御されたときには、その踏込量(x)に応じてアクセルペダルと燃料供給量調節手段との間を連結する機械系(例えばアクセルケーブル)によって内燃機関に燃料が供給される。
【0015】
このような制御を行うことにより、排気ブレーキの作動と内燃機関への燃料供給とが同時に行われることが回避されるとともに、排気ブレーキの作動中に急な加速を行うためのアクセル操作が行われたときに、加速の動作遅れがなく、排気に黒煙が発生することを低減することができる。また、この装置はすでに装備されている排気ブレーキの制御装置を本質的に変更することなく、ソフトウェアのわずかな変更により、多くの費用を要せずに実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
【実施例】
次に、本発明実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明実施例の要部の構成を示す図である。
【0018】
本発明実施例は、操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御する第一の手段と、アクセルペダル7の踏込量(x)を電気信号として取込む手段とを含む制御回路1と、アクセルペダル7と燃料供給量調節手段16との間を連結する機械系とが備えられ、この機械系はアクセルリンク14およびアクセルケーブル15により構成され、前記踏込量の所定量(x1)に対応するアソビが設けられる。
【0019】
さらに、本発明の特徴として、制御回路1に、前記電気信号からアクセルペダル7の踏込速度(dx/dt)を検出する手段と、この踏込速度が所定速度(v1)を越えるとき前記踏込量が所定量(x1)を越えていなくとも前記操作入力にかかわらず前記開閉弁5を開状態に制御する第二の手段と、この第二の手段により開閉弁5が開状態に制御された直後の短い時間(t1)だけ新たな信号による開閉弁5の制御を禁止する手段とが備えられ、前記踏込速度(dx/dt)を検出する手段には、前記電気信号を時間微分する微分回路が含まれる。前記短い時間(t1)は例えば50〜200msecさらに望ましくは100msecに設定される。
【0020】
制御回路1にはアクセル・センサ6の検出出力およびアクセル・スイッチ8、クラッチ・スイッチ12の開閉信号と、排気ブレーキ操作スイッチ3の操作入力とが送出される。
【0021】
制御回路1は、電磁弁9を制御しエア・タンク10に蓄積された空気圧のコントロール・シリンダ11への供給または排出を行い開閉弁5を開閉する。この開閉弁5の開閉により排気ブレーキによる制動およびその解除が行われる。排気ブレーキは、排気ブレーキ操作スイッチ3が「オン」に操作され、かつアクセル・スイッチ8および図外のクラッチペダルに連動して開閉するクラッチ・スイッチ12が「オン」状態になったときに作動状態となる。排気ブレーキ操作スイッチ3が「オン」に操作されたときにインジケータ・ランプ13が点灯する。
【0022】
次に、このように構成された本発明実施例の制御動作について説明する。図2は本発明実施例の制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0023】
排気ブレーキ操作スイッチ3、アクセル・スイッチ8、クラッチ・スイッチ12が「オン」に操作されると、制御回路1はその操作により電磁弁9に制御信号を送出する。電磁弁9はその制御信号にしたがって動作しエア・タンク10の空気圧をコントロール・シリンダ11に供給する。コントロール・シリンダ11はその空気圧の供給により排気通路4に設けられた開閉弁5を閉状態にする。これにより排気ガスの流れが阻止され内燃機関の内部抵抗が増加して車両は減速される。
【0024】
制御回路1は、この排気ブレーキによる制動状態にあるときに、アクセルペダル7が踏まれると、アクセル・センサ6からアクセルペダル7の踏込量(x)を取込み踏込速度(v=dx/dt)を演算する。次いで、第二の手段がこの演算された踏込速度(v)と所定速度(v1)とを比較し、踏込速度(v)が所定速度(v1)を越えていれば、アクセルペダル7の踏込量(x)が所定量(x1)を越えていない状態にあっても、急加速が行われたとして、電磁弁9に制御信号を送出しコントロール・シリンダ11への空気圧の供給を停止するとともに、コントロール・シリンダ11内の空気圧を排出し開閉弁5を開状態にして排気ブレーキによる制動を解除する。次いで、第二の手段により開閉弁5が開状態に制御された直後からアクセル・スイッチ8が「オフ」するまでの短い時間(t1)だけ新たに排気ブレーキ操作スイッチ3が「オン」に操作されても開閉弁5の制御を禁止し開状態を維持する。
【0025】
内燃機関への燃料供給は、燃料供給量調節手段16によりアクセルペダル7の踏込量が(x1)を越えたときからその踏込量に応じて供給される。
【0026】
演算したアクセルペダル7の踏込速度(v)が所定速度(v1)に達しないときは、第一の手段がアクセルペダル7の踏込量(x)と所定量(x1)とを比較し、踏込量(x)が大きい場合には加速操作が行われたとして以降同様の制御動作を実行する。
【0027】
アクセルペダル7の踏込速度(v)の演算は微分回路により行われる。図3は本発明第一実施例におけるアクセルペダルの踏込判定を説明する図、図4は本発明第一実施例におけるアクセル・センサ電圧の更新動作の流れを示すフローチャートである。
【0028】
アクセル・センサ6がアクセルペダル7の踏込量(x)を一定時間(t)当たりのアクセル・センサ電圧(E)として検出して、この電圧変化(E)をアクセルペダル7の踏込速度(v)とし、その電圧変化(E)が一定値以上のときにアクセルペダルが踏込まれたと判定する。
【0029】
例えば、一定時間(t)は14msecに設定され、電圧変化(E)は0.02Vに設定される。時間経過にしたがってそれぞれ一定時間(t)について、
E1 =V1 −V0 >0.02V
E2 =V2 −V1 >0.02V
………………………………
である場合に加速されたと判定する。
【0030】
このアクセル・センサ電圧(E)は、一定時間(t)が経過する都度に、前回のアクセル・センサ電圧(En-1 )を保存し、最新のアクセル・センサ電圧(En )に更新する。これによりアクセルペダル7の最新の踏込速度(v)が演算される。
【0031】
図5は本発明第一実施例の動作タイミングチャートである。本第一実施例では前述した動作により、アクセルペダル7の踏込速度(v)が所定速度(v1)を越えて踏込まれた直後に、時間(t1)だけ新たに信号による開閉弁5の制御が禁止されるので、その間開閉弁5は開状態を維持し、その後にアクセルケーブル15のアソビがなくなった位置でアクセル・スイッチ8が「オフ」され燃料噴射が開始される。したがって、アクセルペダル7の踏込みがアクセル・センサ6により検出された後にアクセル・スイッチ8が「オフ」され、開閉弁5が閉じた状態で燃料供給が行われることが回避される。これにより破線で示す従来装置の黒煙発生量に対し実線で示すように黒煙の発生を少なくすることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排気ブレーキの作動中に急な加速を必要とするような運転状態になったときに、加速の動作遅れがなく、しかも排気に発生する黒煙を大幅に低減することができる。本装置は、従来装備されている排気ブレーキの制御装置を本質的に変更することなく、ソフトウェアのわずかな変更により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の要部の構成を示す図。
【図2】本発明実施例の制御動作の流れを示すフローチャート。
【図3】本発明実施例におけるアクセルペダルの踏込判定を説明する図。
【図4】本発明実施例におけるアクセル・センサ電圧の更新動作の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明実施例の動作タイミングチャート。
【符号の説明】
1 制御回路
3 排気ブレーキ操作スイッチ
4 排気通路
5 開閉弁
6 アクセル・センサ
7 アクセルペダル
8 アクセル・スイッチ
9 電磁弁
10 エア・タンク
11 コントロール・シリンダ
12 クラッチ・スイッチ
13 インジケータ・ランプ
14 アクセルリンク
15 アクセルケーブル
16 燃料供給量調節手段
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車に利用する。本発明は、内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御して、車両走行速度を制動する排気ブレーキ装置の改良に関する。本発明は、排気ブレーキの作動に伴い排気に発生する黒煙を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気通路に排気の相当分を閉塞させる開閉弁を設け、走行中にこれを運転席に設けた操作端から制御することにより、内燃機関の回転速度を低くして走行速度を減速させる排気ブレーキ装置が広く利用されている。このような装置では、排気通路が開閉弁により閉塞された状態で、アクセルペダルが踏込まれると、これは制動と加速とが同時に指示される運転操作の矛盾であるとともに、内燃機関は不完全燃焼の状態になり排気に黒煙が発生する。これを防止するために、排気通路の開閉弁が閉塞状態にあるときにアクセルペダルが所定値を越えて踏込まれると、その開閉弁の操作入力にかかわらず開閉弁を開放状態に制御する技術が知られている。これは一般に、アクセルペダルの踏込量が所定量(x1)の位置に達したときに作動する電気スイッチを設け、この電気スイッチが作動したときには、その他の入力にかかわらず排気通路の開閉弁を開状態に制御するように構成されている。
【0003】
実際には、排気通路の開閉弁は閉状態から開状態に変位するまでに時間がかかるため、その間にアクセルペダルが踏込まれて内燃機関への燃料供給が増大することになる。このため、排気に一時的に黒煙が発生する。これを防止するために、従来からアクセルペダルの踏込みが検出されてから実際に内燃機関への燃料供給が行われるまでに遅延時間を設ける技術が知られている。これはアクセルリンクおよびアクセルケーブルによって燃料供給量を加減する燃料制御装置がもつ本来の機械的なアソビを遅延時間相当分増加させるもの(実開昭55−108228号公報参照)、電子的な制御回路を用いて燃料供給を制御する信号の発生を電気的に遅延させるもの(特開平7−238844号公報参照)、さらに電子ガバナの位置制御に複数のパターンを設定して選択的にこれを利用するもの(実用新案登録第2546774号公報(平成9年5月9日発行)参照)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来技術は、いずれもアクセルペダルの踏込量が所定量(x1)の位置に達したときに排気通路の開閉弁を開状態に制御するとともに、アクセルペダルの踏込情報を開閉弁の作動時間に相当する時間だけ遅らせて内燃機関の燃料制御系に伝達するものである。したがって、機械的アソビを設けるためのリンク機構の新設、あるいは電子制御のためのコンピュータの新設などが必要となり、製造コストを高くしていた。
【0005】
本発明はこのような背景に行われたものであって、アクセルリンクおよびケーブルによって燃料供給をコントロールする機械式燃料供給装置が持つ本来の機械的アソビを増加させることなく、排気ブレーキの作動中に急な加速を必要とするような運転状態となったときに、従来と同等の加速性能を持ち、しかも排気に発生する黒煙を大幅に低減する排気ブレーキの制御装置を提供することを目的とする。本発明は、従来装備されている排気ブレーキの制御装置を本質的に変更することなく、ソフトウエアのわずかな変更により実現することができる装置を安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、排気ブレーキによる制動時にアクセルペダルが踏まれ加速操作が行われたときに、アクセルペダルの踏込速度により排気ブレーキによる補助制動を制御することを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明は、操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御する第一の手段と、アクセルペダルの踏込量(x)を電気信号として取込む手段と、前記アクセルペダルと燃料供給量調節手段との間を連結する機械系とを備え、この機械系に前記踏込量の所定量(x1)に対応するアソビを設けた排気ブレーキ制御装置において、前記電気信号からアクセルペダルの踏込速度(dx/dt)を検出する手段と、この踏込速度が所定速度(v1)を越えるとき前記踏込量が所定量(x1)を越えていなくとも前記操作入力にかかわらず前記開閉弁を開状態に制御する第二の手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
前記踏込速度(dx/dt)を検出する手段は、前記電気信号を時間微分する微分回路を含み、前記第二の手段により前記開閉弁が開状態に制御された直後の短い時間(t1)だけ新たな信号による前記開閉弁の制御を禁止する手段を備えることが望ましい。
【0009】
排気ブレーキの操作入力を受けたときに、その操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けられた開閉弁を閉状態にし排気ブレーキを動作させる。
【0010】
この排気ブレーキによる制動状態にあるときに、アクセルペダルが踏まれ加速操作が行われると、アクセルペダルの踏込量(x)を電気信号として取込み、第一の手段がその踏込量(x)とあらかじめ定められた所定量(x1)とを比較し、踏込量(x)が所定量(x1)を越えているときには、車両の加速操作が行われたものとして、排気ブレーキの操作入力が継続されていても、その操作入力にかかわらず開閉弁を開状態にし排気ブレーキによる制動を無効にする。
【0011】
さらに、アクセルペダルが踏込まれたときの踏込速度(v)を検出し、第二の手段がこの踏込速度(v)とあらかじめ定められた所定速度(v1)とを比較し、踏込速度(v)が所定速度(v1)を越えているときは、踏込量(x)が所定量(x1)を越えていなくても、急な加速が行われたものとして、排気ブレーキの操作入力が継続されていても、その操作入力にかかわらず開閉弁を開状態にし排気ブレーキによる制動を無効にする。
【0012】
アクセルペダルの踏込速度(v)は、電気信号として取込まれたアクセルペダルの踏込量(x)を微分回路が時間微分(dx/dt)することにより検出する。
【0013】
第二の手段により排気通路の開閉弁が開状態に制御された直後に、排気ブレーキの操作入力により開閉弁が閉状態になった場合に、排気通路が閉塞された状態で燃料が噴射されて黒煙が発生する。そこで、開閉弁を開状態にした直後から燃料供給が行われるまでの短い時間(t1)だけ新たな信号による開閉弁の制御を禁止する。これにより、時間(t1)にわたって開閉弁が閉状態になることが禁止され黒煙の発生を低減することができる。
【0014】
第一の手段によりアクセルペダルの踏込量(x)が所定量(x1)を越えて開閉弁が開状態に制御されたときには、その踏込量(x)に応じてアクセルペダルと燃料供給量調節手段との間を連結する機械系(例えばアクセルケーブル)によって内燃機関に燃料が供給される。
【0015】
このような制御を行うことにより、排気ブレーキの作動と内燃機関への燃料供給とが同時に行われることが回避されるとともに、排気ブレーキの作動中に急な加速を行うためのアクセル操作が行われたときに、加速の動作遅れがなく、排気に黒煙が発生することを低減することができる。また、この装置はすでに装備されている排気ブレーキの制御装置を本質的に変更することなく、ソフトウェアのわずかな変更により、多くの費用を要せずに実現することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
【実施例】
次に、本発明実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明実施例の要部の構成を示す図である。
【0018】
本発明実施例は、操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御する第一の手段と、アクセルペダル7の踏込量(x)を電気信号として取込む手段とを含む制御回路1と、アクセルペダル7と燃料供給量調節手段16との間を連結する機械系とが備えられ、この機械系はアクセルリンク14およびアクセルケーブル15により構成され、前記踏込量の所定量(x1)に対応するアソビが設けられる。
【0019】
さらに、本発明の特徴として、制御回路1に、前記電気信号からアクセルペダル7の踏込速度(dx/dt)を検出する手段と、この踏込速度が所定速度(v1)を越えるとき前記踏込量が所定量(x1)を越えていなくとも前記操作入力にかかわらず前記開閉弁5を開状態に制御する第二の手段と、この第二の手段により開閉弁5が開状態に制御された直後の短い時間(t1)だけ新たな信号による開閉弁5の制御を禁止する手段とが備えられ、前記踏込速度(dx/dt)を検出する手段には、前記電気信号を時間微分する微分回路が含まれる。前記短い時間(t1)は例えば50〜200msecさらに望ましくは100msecに設定される。
【0020】
制御回路1にはアクセル・センサ6の検出出力およびアクセル・スイッチ8、クラッチ・スイッチ12の開閉信号と、排気ブレーキ操作スイッチ3の操作入力とが送出される。
【0021】
制御回路1は、電磁弁9を制御しエア・タンク10に蓄積された空気圧のコントロール・シリンダ11への供給または排出を行い開閉弁5を開閉する。この開閉弁5の開閉により排気ブレーキによる制動およびその解除が行われる。排気ブレーキは、排気ブレーキ操作スイッチ3が「オン」に操作され、かつアクセル・スイッチ8および図外のクラッチペダルに連動して開閉するクラッチ・スイッチ12が「オン」状態になったときに作動状態となる。排気ブレーキ操作スイッチ3が「オン」に操作されたときにインジケータ・ランプ13が点灯する。
【0022】
次に、このように構成された本発明実施例の制御動作について説明する。図2は本発明実施例の制御動作の流れを示すフローチャートである。
【0023】
排気ブレーキ操作スイッチ3、アクセル・スイッチ8、クラッチ・スイッチ12が「オン」に操作されると、制御回路1はその操作により電磁弁9に制御信号を送出する。電磁弁9はその制御信号にしたがって動作しエア・タンク10の空気圧をコントロール・シリンダ11に供給する。コントロール・シリンダ11はその空気圧の供給により排気通路4に設けられた開閉弁5を閉状態にする。これにより排気ガスの流れが阻止され内燃機関の内部抵抗が増加して車両は減速される。
【0024】
制御回路1は、この排気ブレーキによる制動状態にあるときに、アクセルペダル7が踏まれると、アクセル・センサ6からアクセルペダル7の踏込量(x)を取込み踏込速度(v=dx/dt)を演算する。次いで、第二の手段がこの演算された踏込速度(v)と所定速度(v1)とを比較し、踏込速度(v)が所定速度(v1)を越えていれば、アクセルペダル7の踏込量(x)が所定量(x1)を越えていない状態にあっても、急加速が行われたとして、電磁弁9に制御信号を送出しコントロール・シリンダ11への空気圧の供給を停止するとともに、コントロール・シリンダ11内の空気圧を排出し開閉弁5を開状態にして排気ブレーキによる制動を解除する。次いで、第二の手段により開閉弁5が開状態に制御された直後からアクセル・スイッチ8が「オフ」するまでの短い時間(t1)だけ新たに排気ブレーキ操作スイッチ3が「オン」に操作されても開閉弁5の制御を禁止し開状態を維持する。
【0025】
内燃機関への燃料供給は、燃料供給量調節手段16によりアクセルペダル7の踏込量が(x1)を越えたときからその踏込量に応じて供給される。
【0026】
演算したアクセルペダル7の踏込速度(v)が所定速度(v1)に達しないときは、第一の手段がアクセルペダル7の踏込量(x)と所定量(x1)とを比較し、踏込量(x)が大きい場合には加速操作が行われたとして以降同様の制御動作を実行する。
【0027】
アクセルペダル7の踏込速度(v)の演算は微分回路により行われる。図3は本発明第一実施例におけるアクセルペダルの踏込判定を説明する図、図4は本発明第一実施例におけるアクセル・センサ電圧の更新動作の流れを示すフローチャートである。
【0028】
アクセル・センサ6がアクセルペダル7の踏込量(x)を一定時間(t)当たりのアクセル・センサ電圧(E)として検出して、この電圧変化(E)をアクセルペダル7の踏込速度(v)とし、その電圧変化(E)が一定値以上のときにアクセルペダルが踏込まれたと判定する。
【0029】
例えば、一定時間(t)は14msecに設定され、電圧変化(E)は0.02Vに設定される。時間経過にしたがってそれぞれ一定時間(t)について、
E1 =V1 −V0 >0.02V
E2 =V2 −V1 >0.02V
………………………………
である場合に加速されたと判定する。
【0030】
このアクセル・センサ電圧(E)は、一定時間(t)が経過する都度に、前回のアクセル・センサ電圧(En-1 )を保存し、最新のアクセル・センサ電圧(En )に更新する。これによりアクセルペダル7の最新の踏込速度(v)が演算される。
【0031】
図5は本発明第一実施例の動作タイミングチャートである。本第一実施例では前述した動作により、アクセルペダル7の踏込速度(v)が所定速度(v1)を越えて踏込まれた直後に、時間(t1)だけ新たに信号による開閉弁5の制御が禁止されるので、その間開閉弁5は開状態を維持し、その後にアクセルケーブル15のアソビがなくなった位置でアクセル・スイッチ8が「オフ」され燃料噴射が開始される。したがって、アクセルペダル7の踏込みがアクセル・センサ6により検出された後にアクセル・スイッチ8が「オフ」され、開閉弁5が閉じた状態で燃料供給が行われることが回避される。これにより破線で示す従来装置の黒煙発生量に対し実線で示すように黒煙の発生を少なくすることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、排気ブレーキの作動中に急な加速を必要とするような運転状態になったときに、加速の動作遅れがなく、しかも排気に発生する黒煙を大幅に低減することができる。本装置は、従来装備されている排気ブレーキの制御装置を本質的に変更することなく、ソフトウェアのわずかな変更により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の要部の構成を示す図。
【図2】本発明実施例の制御動作の流れを示すフローチャート。
【図3】本発明実施例におけるアクセルペダルの踏込判定を説明する図。
【図4】本発明実施例におけるアクセル・センサ電圧の更新動作の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明実施例の動作タイミングチャート。
【符号の説明】
1 制御回路
3 排気ブレーキ操作スイッチ
4 排気通路
5 開閉弁
6 アクセル・センサ
7 アクセルペダル
8 アクセル・スイッチ
9 電磁弁
10 エア・タンク
11 コントロール・シリンダ
12 クラッチ・スイッチ
13 インジケータ・ランプ
14 アクセルリンク
15 アクセルケーブル
16 燃料供給量調節手段
Claims (3)
- 操作入力にしたがって内燃機関の排気通路に設けた開閉弁を制御する第一の手段と、アクセルペダルの踏込量(x)を電気信号として取込む手段と、前記アクセルペダルと燃料供給量調節手段との間を連結する機械系とを備え、この機械系に前記踏込量の所定量(x1)に対応するアソビを設けた排気ブレーキ制御装置において、
前記電気信号からアクセルペダルの踏込速度(dx/dt)を検出する手段と、この踏込速度が所定速度(v1)を越えるとき前記踏込量が所定量(x1)を越えていなくとも前記操作入力にかかわらず前記開閉弁を開状態に制御する第二の手段とを備えたことを特徴とする排気ブレーキ制御装置。 - 前記踏込速度(dx/dt)を検出する手段は、前記電気信号を時間微分する微分回路を含む請求項1記載の排気ブレーキ装置。
- 前記第二の手段により前記開閉弁が開状態に制御された直後の短い時間(t1)だけ新たな信号による前記開閉弁の制御を禁止する手段を備えた請求項1記載の排気ブレーキ制御装置。
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