JP3780722B2 - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法の一例においては、感光層を有してなる潜像担持体(以下「感光体」ともいう。)に一様な静電荷が付与さた後、像露光により当該感光体の表面に原稿に対応した静電潜像が形成され、この静電潜像が現像剤により現像されてトナー像が形成される。このトナー像は紙等の転写材に転写された後、加熱あるいは加圧されることにより定着されて複写画像が形成される。
【0003】
このような画像形成に供されるトナーとして、従来の混練・粉砕法により得られるトナーに代えて、各種の融着・会合方法により得られるトナー(重合トナー)が用いられている(例えば特開昭60−220358号公報、特開平4−284464号公報等参照)。
【0004】
一方、トナー像の定着法としては、熱効率が高くて安全性の点からも有利な熱ローラ定着法が広く利用されている。然るに、かかる熱ローラ定着法が採用される場合においては、溶融トナーの一部が熱ローラの表面に転移付着し、これが次に送られてくる転写紙に再転移して画像を汚すという、いわゆるオフセット現像が生じやすい。
このため、トナーとしては、良好な離型性(オフセット防止効果)を有し、オフセット現象を発生させることなしに定着を行うことができる温度域(以下、「定着可能温度域」という。)が広いことが望ましい。
【0005】
オフセット現象の発生を防止するための手段として、トナーに離型剤(ワックス)を含有させることにより、当該トナー自体に離型性を付与することが行われている。
しかしながら、離型剤を含有する従来公知の重合トナーにおいては、離型剤が当該重合トナー粒子中に均一に存在しており、離型剤によるオフセット防止効果が十分に発揮されないという問題がある。
すなわち、離型剤による効果を十分に発揮させるためには、トナー粒子中に含有されている離型剤をトナー粒子の表面近傍に存在させることが好ましく、離型剤がトナー粒子中に均一に存在した状態では、トナーに効果的な離型性(オフセット防止効果)を付与することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものである。
本発明の目的は、良好な離型性を有し、定着可能温度域が広い静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、良好な離型性を有し、定着可能温度域が広い静電荷像現像用トナーを製造することができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の静電荷像現像用トナーは、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて得られる着色粒子から構成される静電荷像現像用トナーにおいて、下記により定義される前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、下記式1に示す条件を満足することを特徴とする。
【0008】
【数1】
Figure 0003780722
樹脂微粒子の酸価A:
樹脂微粒子の分散液を固形分5%に希釈し、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を15秒間隔で0.5mlずつ滴下し、伝導度と水酸化ナトリウム水溶液の滴下量とを用いて滴定曲線を測定し、この滴定曲線より変曲点を求め、当該滴定曲線の変曲点より算出される、樹脂微粒子1g中に含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数
離型剤微粒子の酸価B:
離型剤微粒子1g中に含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数
【0009】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、下記の形態が好ましい。
(1)樹脂微粒子が、カルボキシル基、スルフォン基およびフォスフォ基から選ばれる少なくとも一種の酸性極性基を含む熱可塑性共重合体からなること。
(2)離型剤微粒子が、カルボキシル基を含む離型剤からなること。
(3)離型剤微粒子が、酸変性低分子量ポリプロピレン、酸変性低分子量ポリエチレンおよび酸化ワックスから選ばれる少なくとも一種の離型剤からなること。
(4)酸変性低分子量ポリプロピレン、酸変性低分子量ポリエチレンおよび酸化ワックスから選ばれる少なくとも一種の離型剤からなる離型剤微粒子を水相に分散した分散液と、樹脂微粒子の分散液と、着色剤粒子の分散液とを混合することにより、前記樹脂微粒子、前記離型剤微粒子および前記着色剤微粒子を凝集・熱融着させて得られる着色粒子から構成されること。
(5)離型剤微粒子の存在下に単量体を液相中で造粒重合することによって形成された樹脂微粒子、前記離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて得られる着色粒子から構成され、前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、上記式1に示す条件を満足すること。
【0010】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて着色粒子を調製する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、上記式1に示す条件を満足することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、離型剤微粒子の存在下に単量体を液相中で造粒重合することによって形成された樹脂微粒子、前記離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて着色粒子を調製する工程を有し、前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、上記式1に示す条件を満足することを特徴とする。
【0012】
【作用】
(1)液相中における微粒子の分散安定性は、当該微粒子表面に存在する酸性極性基(例えばカルボキシル基)に依存し、微粒子表面に存在する酸性極性基が多い程良好な分散安定性を有する。
従って、離型剤微粒子の酸価を、樹脂微粒子の酸価より高くすることにより、液相中における離型剤微粒子の分散安定性は、樹脂微粒子の分散安定性よりも大きくなる。このため、当該樹脂微粒子および当該離型剤微粒子が分散されている液相中において凝集処理を行うときには、樹脂微粒子が先に凝集し、後から凝集する離型剤微粒子は、得られるトナー粒子中において表面近傍に偏在することになり、この結果、離型性効果が向上する。
(2)離型剤微粒子の酸価(B)と樹脂微粒子の酸価(A)との差が20以下であることにより、離型剤微粒子をトナー粒子中に含有することができる。20を超える場合には、トナー粒子表面に付着しただけの離型剤微粒子が増加し、トナー粒子の帯電に悪影響を及ぼす。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
〔静電荷像現像用トナー〕
本発明の静電荷像現像用トナーは、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、前記離型剤微粒子の酸価(B)と樹脂微粒子の酸価(A)との差(B−A)が0より大きく20以下であり、好ましくは5〜20であることを特徴とする。
【0014】
離型剤微粒子の酸価(B)が樹脂微粒子の酸価(A)以下である場合には、静電荷像現像用トナーに良好な離型性を付与することができず、当該トナーの定着可能温度域が狭くなる。
また、離型剤微粒子の酸価(B)と樹脂微粒子の酸価(A)との差が20を超える場合にも、静電荷像現像用トナーに良好な離型性を付与することができず、当該トナーの定着可能温度域が狭くなる。
【0015】
本発明において「離型剤微粒子の酸価(B)」とは、離型剤微粒子1g中に含まれる酸(分子末端に存在する酸性極性基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
また、「樹脂微粒子の酸価(A)」とは、下記の電気伝導度滴定法により得られる滴定曲線の変曲点より算出される、樹脂微粒子1g中に含まれる酸(分子末端に存在する酸性極性基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
【0016】
(電気伝導度滴定法)
電気伝導度滴定法とは、樹脂微粒子の分散液を固形分5%に希釈し、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を15秒間隔で0.5mlずつ滴下し、伝導度と水酸化ナトリウム水溶液の滴下量とを用いて滴定曲線を測定し、この滴定曲線より変曲点を求める方法である。
【0017】
<樹脂微粒子>
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂微粒子の酸価(A)は、液相中における微粒子としての分散安定性の観点から、2以上であることが好ましく、さらに好ましくは5以上である。
【0018】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)は−10〜120℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0〜90℃の範囲である。
【0019】
また、本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂微粒子の軟化点(Ts)は80〜220℃の範囲であることが好ましい。
【0020】
樹脂微粒子を調製するために使用する単量体組成としては、ガラス転移点(Tg)および軟化点(Ts)が、上記の範囲にあり、酸性極性基を有する構成単位を0.1〜20重量%の割合で含有する熱可塑性共重合体を構成できるものであれば特に限定されるものではない。
【0021】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂微粒子の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が2,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは8,000〜500,000の範囲である。
また、樹脂微粒子の分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表され、当該比(Mw/Mn)は、1.5〜100の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは1.8〜50の範囲である。
【0022】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂微粒子を合成するための重合性単量体としては、例えば疎水性単量体および酸性極性基を有する単量体が用いられ、さらに必要に応じて架橋性単量体が用いられる。
【0023】
(1)疎水性単量体
樹脂微粒子を合成するための『疎水性単量体』としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を好適に用いることができる。
【0024】
モノビニル芳香族系単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0025】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0026】
ビニルエステル系単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等のモノオレフィン系単量体が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0027】
(2)酸性極性基を有する単量体
樹脂微粒子を合成するための『酸性極性基を有する単量体』としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
具体的には、(i)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物、(ii)スルフォン基(−SO3 H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物 (iii) フォスフォ基(−PO2 )を有する不飽和化合物を用いることができる。
【0028】
(i)カルボキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらの金属塩類(例えばNa塩、Zn塩)を挙げることができる。
【0029】
(ii)スルフォン基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の具体例としては、スルフォン化スチレン、スルフォン化スチレンのNa塩、アリルスルフォコハク酸、アリルスルフォコハク酸オクチル、アリルスルフォコハク酸オクチルのNa塩等を挙げることができる。
【0030】
(iii) フォスフォ基(−PO2 )を有する不飽和化合物の具体例としては、モノメタクリルエトキシフォスフェイト等を挙げることがきる。
【0031】
(3)架橋性単量体
さらに、樹脂微粒子の特性を改良するために『架橋性単量体』を添加してもよい。
架橋性単量体としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0032】
本発明において、重合性単量体としては、通常、疎水性単量体が85〜99.9重量%の範囲で用いられ、かつ酸性極性基を有する単量体が0.1〜15重量%の範囲で用いられる。
【0033】
(樹脂微粒子の製造法)
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂微粒子としては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈殿重合法、界面重合法などにより得られる樹脂微粒子および前記の重合法によって得られた合成樹脂(重合体)を粉砕処理して得られる微粒子などを挙げることができ、これらのうち、乳化重合法により製造される樹脂微粒子であることが好ましい。
また、本発明においては、離型剤微粒子を完全にトナー粒子中に含有させる観点から、離型剤微粒子の存在下にて樹脂微粒子を重合させることが好ましい。
【0034】
乳化重合の際に用いることのできる界面活性剤としては、例えばスルフォン酸塩(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルフォン酸ナトリウム、3,3−ジスルフォンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6 −スルフォン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルフォン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)等が挙げられる。
【0035】
また、乳化重合の際に用いられるラジカル重合開始剤としては、水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキサイト化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせてレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
【0036】
さらに、得られる重合体(樹脂微粒子)の初期の分子量を調節するために用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタンが使用される。
【0037】
樹脂微粒子を得るための重合温度は、ラジカル重合開始剤の最低ラジカル成長温度以上であれば特に限定されないが、例えば50℃〜80℃の範囲が用いられる。但し、常温開始のラジカル重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
【0038】
<離型剤微粒子>
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する離型剤微粒子としては、例えば酸変性処理された低分子量ポリエチレン(数平均分子量=1,000〜9,000)、酸変性処理された低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1,000〜9,000)、酸化ワックスが挙げられ、好ましくは酸変性処理された低分子量ポリエチレン、酸変性処理された低分子量ポリプロピレン、酸化ワックス等が挙げられる。ここに、酸化ワックスとしては、例えばサゾールワックス(タイプA1、A2、A3、A14)等が挙げられる。
また、離型剤微粒子は、カルボキシル基を含む離型剤からなることが好ましい。
ここで、上記離型剤微粒子に、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1,500〜9,000)、低分子量ポリエチレン(数平均分子量=1,500〜9,000)を併用することもできる。
当該離型剤微粒子の酸価(B)は、液相中における微粒子としての分散安定性の観点から、好ましくは3以上であり、さらに好ましくは5以上である。
【0039】
離型剤微粒子は、水性媒体(水相)中に分散された状態で用いられる。
離型剤微粒子の分散液は、界面活性剤が溶解されてなる水性媒体(界面活性剤水溶液)中に離型剤微粒子を添加し、加熱下に乳化分散させ、アルカリを添加して水素イオン濃度(pH)を調節することにより調製することができる。
ここに、乳化分散の際の加熱温度としては、離型剤微粒子の軟化点以上とされる。
【0040】
<着色剤微粒子>
樹脂微粒子および離型剤微粒子との熱融着に供される着色剤微粒子としては、無機顔料、有機顔料からなる粒子を挙げることができる。
【0041】
着色剤微粒子を構成する無機顔料としては、従来公知のものを全て用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
黒色の無機顔料としては、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、さらにマグネタイト、フェライト等の磁性粉が用いられる。これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を組み合わせて使用することが可能である。
また、無機顔料からなる着色剤微粒子の添加量は樹脂微粒子100重量部に対して、2〜20重量部とされ、好ましくは3〜15重量部とされる。
【0042】
着色剤微粒子を構成する有機顔料としては、従来公知のものを全て用いることができる。具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0043】
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0044】
オレンジまたはイエロー用の有機顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0045】
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。これらの有機顔料は所望に応じて単独または複数を組み合わせて使用することが可能である。
また有機顔料からなる着色剤微粒子の添加量は樹脂微粒子100重量部に対して、2〜20重量部であり、好ましくは3〜15重量部が選択される。
【0046】
着色剤微粒子の表面改質剤を用いることが可能であり、当該表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シラン化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物が好ましく用いることができる。
【0047】
シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロザン等のシリザン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
チタン化合物としては、例えば味の素社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55,138S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、例えば、味の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
これらの表面改質剤濃度は着色剤微粒子に対して0.01〜20重量%とされ、好ましくは1〜15重量%とされる。
【0048】
本発明の静電荷像現像用トナーには、各種の内添剤および外添剤(後添加剤)が含有されていてもよい。
【0049】
(内添剤)
内添剤としては、例えば荷電制御剤を挙げることができる。
ここに、荷電制御剤としては、従来公知のものが用いられる。但し、樹脂微粒子表面に酸性極性基を有する単量体を共重合させたことにより、内添剤の必要がない場合もある。
具体的には、正帯電性を有する荷電制御剤として、ニグロシン系の電子供与性染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アルキルアミド、金属錯体、顔料、フッ素処理活性剤等、また、負帯電性を有する荷電制御剤として、電子受容性の有機錯体、塩素化パラフィン、塩素化ポリエステル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン等が挙げられる。
【0050】
(外添剤)
外添剤としては、流動化剤、帯電制御剤および滑剤等を挙げることができる。
かかる帯電制御剤としては、ポリフッ化ビニリデン粉末、ポリスチレン粉末、ポリメチルメタクリレート粉末およびポリエチレン微粒子等が挙げられる。
【0051】
流動化剤としては、無機微粉末、例えばシリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等およびこれらの硫化物、窒素物および炭化ケイ素等が挙げられる。
シリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル(株)社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809;ヘキスト(株)社製のHVK−2150、H−200;キャボット(株)社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタン微粒子としては、例えば日本アエロジル(株)社製の市販品T−805、T−604;テイカ(株)社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1;富士チタン(株)社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T;出光興産(株)社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば日本アエロジル(株)社製の市販品RFY−C、C−604;石原産業(株)社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0052】
滑剤としては、例えばステアリン酸のカトミウム、バリウム、ニッケル、コバルト、ストロンチウム、銅、マグネシウム、カルシウム塩等;オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、銅、鉛、マグネシウム塩;パルミチン酸の亜鉛、コバルト、銅、マグネシウム、ケイ素、カルシウム塩;リノール酸の亜鉛、コバルト、カルシウム塩;リシノール酸の亜鉛、カドミウム塩;カプリル酸の鉛塩;カプロン酸の鉛塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
【0053】
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
本発明の製造方法は、樹脂微粒子〔酸価(A)〕、離型剤微粒子〔酸価(B):A<B≦A+20〕および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて着色粒子を調製する工程を有する。
樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させる方法としては、樹脂微粒子の分散液と、離型剤微粒子の分散液と、着色剤微粒子の分散液とを混合し、この混合分散液に凝集剤を添加して加熱する方法を挙げることができる。
【0054】
また、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子の混合分散液は、離型剤微粒子の存在下に単量体を液相中で造粒重合して得られる樹脂微粒子を含有する樹脂微粒子−離型剤微粒子混合分散液と、着色剤微粒子の分散液とを混合することによっても調製することができる。
【0055】
本発明の製造方法の好適な形態としては、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子の混合分散液に、前記樹脂微粒子の臨界凝集濃度以上の凝集剤および水に無限に溶解する有機溶媒を添加する方法を挙げることができる(特開平5−115572号公報参照)。
【0056】
上記の製造方法により、樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を液相中に凝集・熱融着させ、この系から固形物を濾別、乾燥して、着色粒子を得、当該着色粒子に、外添剤を添加することで静電荷像現像用トナーを製造することができる。
【0057】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色粒子の平均粒径(体積平均粒径)としては、通常3〜20μmとされ、好ましくは4〜15μmとされる。
ここに、着色粒子の平均粒径は、「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、樹脂成分の含有割合が97〜78重量%、離型剤の含有割合が2〜10重量%、着色剤の含有割合が1〜12重量%であることが好ましい。
【0058】
本発明の静電荷像現像用トナーは、キャリアと混合せずに一成分現像剤として使用してもよいが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用することが好ましい。
一成分現像剤を構成する本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性粒子を含有しない非磁性トナー、磁性粒子を含有する磁性トナーの何れであってもよい。ここに、磁性粒子の粒径は0.1〜5μm程度とされる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、従来公知のキャリアを使用することができ、例えば鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にLi2 O、MgO、MnOの少なくとも一種を含有するFe2 3 からなる磁性粒子が好ましい。上記磁性粒子の体積平均粒径としては、15〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。
また、キャリアは、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂等の公知の樹脂により前記磁性粒子の表面が被覆されてなることが好ましい。
【0059】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。なお、以下において「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0060】
<着色剤微粒子の分散液の調製>
カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)2000gと、ドデシル硫酸ナトリウム920gとを蒸留水13リットルに添加し、超音波ホモジナイザーおよび加圧型分散機を用いて分散処理を行うことにより、着色剤微粒子の分散液を調製した。この分散液中におけるカーボンブラックの平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は82nmであった。
【0061】
<離型剤微粒子の分散液の調製>
〔調製例(W−1)〕
酸変性低分子量ポリプロピレン(カルボキシル基を含む離型剤、酸価(B)=10、数平均分子量(Mn)=3,300、分子量分布(Mw/Mn)=4.5)250gを、ノニルフェノキシエタノール(エトキシユニット付加モル数:20、HLB=16)の水溶液712gに添加し、水酸化カリウムを用いてpHを9に調整した。
この系を、加圧下において前記酸変性低分子量ポリプロピレンの軟化点以上の温度に昇温して、当該酸変性低分子量ポリプロピレンの乳化分散処理を行うことにより、固形分26重量%の離型剤微粒子の分散液(以下、「離型剤分散液(W−1)」という。)を調製した。
得られた離型剤分散液(W−1)中における離型剤微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は232nmであった。
【0062】
〔調製例(W−2)〕
離型剤として酸変性低分子量ポリプロピレン(カルボキシル基を含む離型剤、、酸価(B)=20、数平均分子量(Mn)=3,300、分子量分布(Mw/Mn)=4.5)250gを用いたこと以外は、調製例(W−1)と同様にして乳化分散処理を行うことにより、固形分26重量%の離型剤微粒子の分散液(以下、「離型剤分散液(W−2)」という。)を調製した。
得られた離型剤分散液(W−2)中における離型剤微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は186nmであった。
【0063】
〔調製例(W−3)〕
離型剤として酸変性低分子量ポリプロピレン(カルボキシル基を含む離型剤、、酸価(B)=30、数平均分子量(Mn)=3,300、分子量分布(Mw/Mn)=4.5)250gを用いたこと以外は、調製例(W−1)と同様にして乳化分散処理を行うことにより、固形分26重量%の離型剤微粒子の分散液(以下、「離型剤分散液(W−3)」という。)を調製した。
得られた離型剤分散液(W−3)中における離型剤微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は206nmであった。
【0064】
〔調製例(W−4)〕
離型剤として酸変性低分子量ポリエチレン(カルボキシル基を含む離型剤、酸価(B)=15、数平均分子量(Mn)=3,500、分子量分布(Mw/Mn)=4.2)250gを用いたこと以外は、調製例(W−1)と同様にして乳化分散処理を行うことにより、固形分26重量%の離型剤微粒子の分散液(以下、「離型剤分散液(W−4)」という。)を調製した。
得られた離型剤分散液(W−4)中における離型剤微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は184nmであった。
【0065】
<ラテックス(樹脂微粒子の分散液)の調製>
〔調製例(L−1)〕
(1)冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管を付けた2リットルの4頭コルベンに、蒸留水986mlと、ドデシル硫酸ナトリウム3.29gと、スチレン229.6gと、n−ブチルアクリレート80gと、メタクリル酸10.4gと、tert−ドデシルメルカプタン0.212gとを仕込み、窒素気流下に攪拌を行いながら加熱した。系の温度が70℃になったところで、重合開始剤の水溶液(過硫酸カリウム4.0148gを蒸留水240mlに溶解させた水溶液)を添加し、窒素気流下、70℃で3時間かけて乳化重合を行った。次いで、この系を室温まで冷却し、高分子量ラテックスを得た。
この高分子量ラテックス中における樹脂微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は85nmであった。
【0066】
(2)冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管を付けた5リットルの4頭コルベンに、蒸留水2463mlと、ドデシル硫酸ナトリウム8.23gと、スチレン632gと、n−ブチルアクリレート144gと、メタクリル酸24gと、tert−ドデシルメルカプタン27.39gとを仕込み、窒素気流下に攪拌を行いながら加熱した。系の温度が70℃になったところで、重合開始剤の水溶液(過硫酸カリウム11.1788gを蒸留水600mlに溶解させた水溶液)を添加し、窒素気流下、内温70℃で3時間かけて乳化重合を行った。次いで、この系を室温まで冷却し、低分子量ラテックスを得た。
この低分子量ラテックス中における樹脂微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は81nmであった。
【0067】
(3)上記(1)で得られた高分子量ラテックスと、上記(2)で得られた低分子量ラテックスとを、固形分の重量換算で20:80となる割合で混合することにより、固形分20重量%のラテックス(以下、「樹脂分散液(L−1)」という。)を調製した。
この樹脂分散液(L−1)中の樹脂微粒子のガラス転移点は56℃、軟化点は134℃、重量平均分子量(Mw)は53,000、数平均分子量(Mn)は8,600、比(Mw/Mn)は6.16であった。
【0068】
(4)上記(3)で得られた樹脂分散液(L−1)を一部分取し、電気伝導度滴定法により、当該樹脂分散液(L−1)中の樹脂微粒子の酸価(A)を求めたところ、当該樹脂微粒子の酸価(A)は5.0であった。
【0069】
〔調製例(L−2)〕
(1)冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管を付けた2リットルの4頭コルベンに、蒸留水986mlと、ドデシル硫酸ナトリウム3.29gと、スチレン219.2gと、n−ブチルアクリレート80gと、メタクリル酸20.8gと、tert−ドデシルメルカプタン0.212gとを仕込み、窒素気流下に攪拌を行いながら加熱した。系の温度が70℃になったところで、重合開始剤の水溶液(過硫酸カリウム4.0148gを蒸留水240mlに溶解させた水溶液)を添加し、窒素気流下、70℃で3時間かけて乳化重合を行った。次いで、この系を室温まで冷却し、高分子量ラテックスを得た。
この高分子量ラテックス中における樹脂微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は73nmであった。
【0070】
(2)冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管を付けた5リットルの4頭コルベンに、蒸留水2463mlと、ドデシル硫酸ナトリウム8.23gと、スチレン608gと、n−ブチルアクリレート144gと、メタクリル酸60gと、tert−ドデシルメルカプタン27.39gとを仕込み、窒素気流下に攪拌を行いながら加熱した。系の温度が70℃になったところで、重合開始剤の水溶液(過硫酸カリウム11.1788gを蒸留水600mlに溶解させた水溶液)を添加し、窒素気流下、70℃で3時間かけて乳化重合を行った。次いで、この系を室温まで冷却し、低分子量ラテックスを得た。
この低分子量ラテックス中における樹脂微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は70nmであった。
【0071】
(3)上記(1)で得られた高分子量ラテックスと、上記(2)で得られた低分子量ラテックスとを、固形分の重量換算で20:80となる割合で混合することにより、固形分20重量%のラテックス(以下、「樹脂分散液(L−2)」という。)を調製した。
この樹脂分散液(L−2)中の樹脂微粒子のガラス転移点は57℃、軟化点は135℃、重量平均分子量(Mw)は58,000、数平均分子量(Mn)は8,900、比(Mw/Mn)は6.52であった。
【0072】
(4)上記(3)で得られた樹脂分散液(L−2)を一部分取し、電気伝導度滴定法により、当該樹脂分散液(L−2)中の樹脂微粒子の酸価(A)を求めたところ、当該樹脂微粒子の酸価(A)は10.0であった。
【0073】
〔調製例(L−3)〕
(1)冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管を付けた2リットルの4頭コルベンに、蒸留水968mlと、ドデシル硫酸ナトリウム3.29gと、離型剤分散液(W−1)73.8gと、スチレン229.6gと、n−ブチルアクリレート80gと、メタクリル酸10.4gと、tert−ドデシルメルカプタン0.212gとを仕込み、窒素気流下に攪拌を行いながら加熱した。系の温度が70℃になったところで、重合開始剤の水溶液(過硫酸カリウム4.0148gを蒸留水240mlに溶解させた水溶液)を添加し、窒素気流下、70℃で3時間かけて乳化重合を行った。次いで、この系を室温まで冷却し、高分子量ラテックスを得た。
この高分子量ラテックス中における樹脂微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は96nmであった。
【0074】
(2)冷却管、温度計、攪拌装置、窒素導入管を付けた5リットルの4頭コルベンに、蒸留水2463mlと、ドデシル硫酸ナトリウム8.23gと、離型剤分散液(W−1)184.6gと、スチレン632gと、n−ブチルアクリレート144gと、メタクリル酸24gと、tert−ドデシルメルカプタン27.39gとを仕込み、窒素気流下に攪拌を行いながら加熱した。系の温度が70℃になったところで、重合開始剤の水溶液(過硫酸カリウム11.1788gを蒸留水600mlに溶解させた水溶液)を添加し、窒素気流下、70℃で3時間かけて乳化重合を行った。次いで、この系を室温まで冷却し、低分子量ラテックスを得た。
この低分子量ラテックス中における樹脂微粒子の平均粒径を光散乱電気泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定したところ、平均粒径は93nmであった。
【0075】
(3)上記(1)で得られた高分子量ラテックスと、上記(2)で得られた低分子量ラテックスとを、固形分の重量換算で20:80となる割合で混合することにより、固形分22重量%のラテックス(以下、「樹脂分散液(L−3)」という。)を調製した。
この樹脂分散液(L−3)中の樹脂微粒子のガラス転移点は55℃、軟化点は133℃、重量平均分子量(Mw)は56,000、数平均分子量(Mn)は8700、比(Mw/Mn)は6.44であった。
【0076】
(4)上記(3)で得られた樹脂分散液(L−3)を一部分取し、電気伝導度滴定法により、当該樹脂分散液(L−3)中の樹脂微粒子の酸価(A)を求めたところ、当該樹脂微粒子の酸価(A)は4.9であった。
【0077】
<実施例1>
樹脂分散液(L−1)500gと、離型剤分散液(W−1)23.08gと、着色剤微粒子の分散液80gと、蒸留水340mlとを予備混合した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを9.5に調整した。
上記のようにして得られた混合分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサーを装着した2リットルの4頭フラスコに仕込み、156rpm(先端周速0.65m/s)で攪拌を行った。
攪拌を継続しながら、この混合分散液中に、電解質水溶液(塩化ナトリウム57.83gを400mlの蒸留水に溶解させた水溶液)を添加し、さらにイソプロピルアルコ−ル104mlと、界面活性剤水溶液(フッ素系ノニオン界面活性剤「フルオラードFC−170C」(住友3M社製)20mgを20mlの蒸留水に溶解した水溶液)を順次添加した。
次いで、この混合分散液を85℃まで昇温させ、6時間にわたり攪拌を継続することにより、樹脂微粒子と、離型剤微粒子と、着色剤微粒子とを液相中に凝集・熱融着させた。
次いで、この液相中の固形物を濾別して、この固形物に蒸留水を加えて再分散させた後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを13に調整し、更に固形物の濾過および水洗を繰り返すことにより、界面活性剤および電解質を除去した後、当該固形物の乾燥処理を行うことにより着色粒子(以下、「着色粒子(1)」という。)を得た。
【0078】
この着色粒子(1)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.53μm、CV=20%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(1)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり5.8部であった。
【0079】
着色粒子(1)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、本発明のトナー(以下、「トナー(1)」という。)を得た。
得られたトナー(1)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(1)」という。)を調製した。
【0080】
<実施例2>
樹脂分散液(L−2)500gと、離型剤分散液(W−2)23.08gと、着色剤微粒子分散液80gと、蒸留水340mlとを予備混合し、これに5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを9.5に調整した。
上記のようにして得られた混合分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサーを装着した2リットルの4頭フラスコに仕込んで、156rpmで攪拌を行った。攪拌を継続しながら、この混合分散液中に、電解質水溶液(塩化ナトリウム96.39gを400mlの蒸留水に溶解させた水溶液)を添加し、さらにイソプロピルアルコール104mlと、界面活性剤水溶液(フッ素系ノニオン界面活性剤「フルオラードFC−170C」(住友3M社製)20mgを20mlの蒸留水に溶解した水溶液)を順次添加した。
次いで、この混合分散液を85℃まで昇温させ、6時間にわたり攪拌を継続することにより、樹脂微粒子と、離型剤微粒子と、着色剤微粒子とを液相中に凝集・熱融着させた。
次いで、この液相中の固形物を濾別して、この固形物に蒸留水を加えて再分散させた後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを13に調整し、更に固形物の濾過および水洗を繰り返すことにより、界面活性剤および電解質を除去した後、当該固形物の乾燥処理を行うことにより着色粒子(以下、「着色粒子(2)」という。)を得た。
【0081】
この着色粒子(2)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.56μm、CV=20%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(2)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり5.5部であった。
【0082】
着色粒子(2)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、本発明のトナー(以下、「トナー(2)」という。)を得た。
得られたトナー(2)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(2)」という。)を調製した。
【0083】
<実施例3>
離型剤分散液(W−2)に代えて離型剤分散液(W−3)23.08gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして着色粒子(3)を得た。
この着色粒子(3)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.48μm、CV=20%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(3)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり5.0部であった。
着色粒子(3)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、本発明のトナー(以下、「トナー(3)」という。)を得た。
得られたトナー(3)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(3)」という。)を調製した。
【0084】
<実施例4>
離型剤分散液(W−1)に代えて離型剤分散液(W−4)23.08gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして着色粒子(4)を得た。
この着色粒子(4)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.57μm、CV=21%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(4)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり5.8部であった。
着色粒子(4)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、本発明のトナー(以下、「トナー(4)」という。)を得た。
得られたトナー(4)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(4)」という。)を調製した。
【0085】
<実施例5>
樹脂分散液(L−1)に代えて樹脂分散液(L−3)500gを用い、離型剤分散液(W−1)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして着色粒子(5)を得た。
この着色粒子(5)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.72μm、CV=21%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(5)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり5.9部であった。
着色粒子(5)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、本発明のトナー(以下、「トナー(5)」という。)を得た。
得られたトナー(5)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(5)」という。)を調製した。
【0086】
<比較例1>
離型剤分散液(W−2)に代えて離型剤分散液(W−1)23.08gを用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較用の着色粒子(C1)を得た。
この着色粒子(C1)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.60μm、CV=20%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(C1)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり5.8部であった。
着色粒子(C1)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、比較用のトナー(以下、「トナー(C1)」という。)を得た。
得られたトナー(C1)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(C1)」という。)を調製した。
【0087】
<比較例2>
離型剤分散液(W−1)に代えて離型剤分散液(W−3)23.08gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較用の着色粒子(C2)を得た。
この着色粒子(C2)の体積平均粒子径(d50)を「コールターマルチサイザーII」(コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径(d50)=6.50μm、CV=28%であった。
また、示差走査熱量計「DSC−50」(島津製作所社製)を用いて、着色粒子(C2)に含まれる離型剤を定量したところ、樹脂成分100部あたり2.4部であった。
着色粒子(C2)に対し、外添剤として疎水シリカ微粒子(一次数平均粒子径=12nm)を2重量%となる割合で添加混合することにより、比較用のトナー(以下、「トナー(C2)」という。)を得た。
得られたトナー(C2)と、スチレン−アクリル樹脂で被覆した体積平均粒子径が30μmのフェライトキャリアとを、当該トナー濃度が7重量%となる割合で混合することにより、二成分の現像剤(以下、「現像剤(C2)」という。)を調製した。
【0088】
<現像剤の評価>
上記の実施例1〜5および比較例1〜2で得られた現像剤の各々を用い、感光体(積層型有機感光体)と、二成分現像剤用の現像器と、熱ローラ定着器とを備え、熱ローラの設定温度を可変調整できるように改造したカラー電子写真複写機「9028」(コニカ(株)製)を用いて、下記の項目について評価した。結果を下記表1に示す。
なお、前記熱ローラ定着器は、線圧7N/cm、ニップ幅3.5mm、線速度210mm/秒で、クリーニング機構は備えていないものである。
【0089】
(1)定着可能温度域の測定:
熱ローラの設定温度を100〜250℃の範囲で段階的(10°刻み)に変化させることにより、定着可能温度域を測定した。
ここに、オフセット現象の発生の確認は、画像の先端部に10mmの幅でベタ黒部を有する原稿を使用して定着トナー像を形成し、その直後、白紙の転写紙を同様の条件下で熱ローラ定着器に送ってこれにトナー汚れが生ずるか否かを目視により観察することにより行った。
【0090】
(2)画像汚れ:
カラー電子写真複写機「9028」(コニカ(株)製)改造機により、下記の条件に従い、画素率が5%の原稿を用いて5万回にわたる連続複写を行い、24時間経過後、白紙原稿を複写して複写画像における汚れの状態を目視にて観察した。
【0091】
〔条件〕
・感光体(積層型有機感光体)表面電位:−550V
・DCバイアス :−250V
・ACバイアス :Vp−p:−50〜−450V
・交番電界周波数:1800Hz
・現像領域の最小間隙(Dsd):300μm
・押圧規制力 :10gf/mm
・押圧規制棒 :SUS416(磁性ステンレス製)/直径3mm
・現像剤層厚 :150μm
・現像スリーブ :20mm
・熱ローラの設定温度:180℃
・環境条件:温度25℃,相対湿度30%
【0092】
【表1】
Figure 0003780722
【0093】
実施例1〜5で得られたトナー(1)〜(5)は、良好な離型性を有し、定着温度域が広いものであった。
一方、比較例1で得られたトナー(C1)は、離型剤微粒子の酸価(B)と、樹脂微粒子の酸価(A)とが等しいために、離型性が低く、定着可能温度域が狭いものであった。また、比較例2で得られたトナー(C2)は、離型剤微粒子の酸価(B)と樹脂微粒子の酸価(A)との差が20を超えるものであるために、離型性が極めて低く、定着可能温度域が狭いものであった。
【0094】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーは、良好な離型性を有し、定着可能温度域が広い。
本発明の製造方法は、良好な離型性を有し、定着可能温度域が広い静電荷像現像用トナーを製造することができる。

Claims (8)

  1. 樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて得られる着色粒子から構成される静電荷像現像用トナーにおいて、
    下記により定義される前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、下記式1に示す条件を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    (式1) 0<B−A≦20
    樹脂微粒子の酸価A:
    樹脂微粒子の分散液を固形分5%に希釈し、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を15秒間隔で0.5mlずつ滴下し、伝導度と水酸化ナトリウム水溶液の滴下量とを用いて滴定曲線を測定し、この滴定曲線より変曲点を求め、当該滴定曲線の変曲点より算出される、樹脂微粒子1g中に含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数
    離型剤微粒子の酸価B:
    離型剤微粒子1g中に含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数
  2. 樹脂微粒子が、カルボキシル基、スルフォン基およびフォスフォ基から選ばれる少なくとも一種の酸性極性基を含む熱可塑性共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 離型剤微粒子が、カルボキシル基を含む離型剤からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 離型剤微粒子が、酸変性低分子量ポリプロピレン、酸変性低分子量ポリエチレンおよび酸化ワックスから選ばれる少なくとも一種の離型剤からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 酸変性低分子量ポリプロピレン、酸変性低分子量ポリエチレンおよび酸化ワックスから選ばれる少なくとも一種の離型剤からなる離型剤微粒子を水相に分散した分散液と、
    樹脂微粒子の分散液と、
    着色剤粒子の分散液と
    を混合することにより、前記樹脂微粒子、前記離型剤微粒子および前記着色剤微粒子を凝集・熱融着させて得られる着色粒子から構成されることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 離型剤微粒子の存在下に単量体を液相中で造粒重合することによって形成された樹脂微粒子、前記離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて得られる着色粒子から構成され、
    前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、下記式1に示す条件を満足することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の静電荷像現像用トナー。
    (式1) 0<B−A≦20
    (ただし、樹脂微粒子の酸価Aおよび離型剤微粒子の酸価Bの定義は請求項1と同じである。)
  7. 樹脂微粒子、離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて着色粒子を調製する工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、
    前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、下記式1に示す条件を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
    (式1) 0<B−A≦20
    (ただし、樹脂微粒子の酸価Aおよび離型剤微粒子の酸価Bの定義は請求項1と同じである。)
  8. 離型剤微粒子の存在下に単量体を液相中で造粒重合することによって形成された樹脂微粒子、前記離型剤微粒子および着色剤微粒子を凝集・熱融着させて着色粒子を調製する工程を有し、
    前記樹脂微粒子の酸価をA、前記離型剤微粒子の酸価をBとするとき、下記式1に示す条件を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
    (式1) 0<B−A≦20
    (ただし、樹脂微粒子の酸価Aおよび離型剤微粒子の酸価Bの定義は請求項1と同じである。)
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