JP3780633B2 - 画像信号処理装置及び方法並びに画素移動パターンの学習方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、標準解像度の画像信号を画素移動により高解像度の画像信号に変換する画像信号処理装置及び方法並びに画素移動のパターンを学習する画素移動パターンの学習方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像信号としては、標準解像度(standard definition; SD)のテレビジョン受像器に対応するSD信号と共に、高解像度(high definition; HD)のテレビジョン受像器(以下、HDTVと称する。)に対応するHD信号が提供されている。
【0003】
ところで、上記HDTVに対してSD信号が与えられる場合がある。このような場合には、SD信号をHD信号に変換する信号変換、いわゆるアップコンバートが施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このアップコンバートの際には、線形補間によって画素を増やす処理を行っていた。しかし、線形補間によるアップコンバートによっては、解像度を向上させることは不可能であった。
【0005】
この発明は、上述の課題に鑑みてなされるものであって、解像度を向上させる画像信号処理装置及び方法並びに解像度を向上させる際に用いられる予測パラメータを学習する予測パラメータの学習方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、第1の解像度の第1の画像信号を第1の解像度よりも高解像度の第2の解像度の第2の画像信号に変換する画像信号処理装置において、上記第1の画像信号から所定時間毎にブロック化して抽出する領域抽出手段と、上記領域抽出手段にて抽出された上記第1の画像信号のブロックをこのブロック化された信号の波形パターンに基づいて分類する分類手段と、上記分類手段にて取得した分類に対応した上記第1の解像度から上記第2の解像度への変換を行う際の画像信号の時間軸パターンの変換を画素の位置の移動により行う画素移動パターンが読み出される変換テーブルと、上記変換テーブルから読み出した画素移動パターンに基づいて上記第1の画像信号の画素を移動する画素移動手段と、上記画素移動手段にて画素が移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより上記第2の解像度の画像信号を生成する生成手段とを有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る画像処理方法は、第1の解像度の第1の画像信号を第1の解像度よりも高解像度の第2の解像度の第2の画像信号に変換する画像信号処理方法において、
上記第1の画像信号から所定時間毎にブロック化して抽出する領域抽出工程と、上記領域抽出工程にて抽出された上記第1の画像信号のブロックをこのブロック化された信号の波形パターンに基づいて分類する分類工程と、上記分類工程にて取得した分類に対応した上記第1の解像度から上記第2の解像度への変換を行う際の画像信号の時間軸パターンの変換を画素の位置の移動により行う画素移動パターンを変換テーブルから読み出す読み出し工程と、上記変換テーブルから読み出した画素移動パターンに基づいて上記第1の画像信号の画素を移動する画素移動工程と、上記画素移動工程にて画素が移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより上記第2の解像度の画像信号を生成する生成工程とを有することを特徴としている。
【0008】
この発明に係る画像移動パターンの学習方法は、第1の画像信号から領域を抽出する領域抽出工程と、上記領域抽出工程にて抽出された上記第1の画像信号を分類する分類工程と、上記分類工程にて取得した上記第1の画像信号の分類に応じて、上記第1の画像信号と同一の対象を撮像した、上記第1の画像信号よりも高解像度の第2の画像信号を基準として、上記第1の画像信号の画素移動パターンを算出する算出工程とを有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る画像信号処理装置及び方法並びに画素移動パターンの学習方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
画像信号処理装置は、図1に示すように、入力する画像信号を時間軸方向にブロック化する領域抽出手段であるブロック化部1を有している。
【0011】
このブロック化部1は、例えば525本の走査線を有する標準テレビジョン受像機相当の画素数及び画質を有する標準解像度の画像信号であるSD信号を、例えば所定時間毎に抽出したり、或いはトランジェント部分のような変化部分を抽出することによりブロック化する。ここでは、このブロック化部1は、図2中のBに示すSD信号から、点a1、点b1及び点c1にて構成されるトランジェント部を抽出している。なお、点a1、点b1及び点c1にて構成されるSD信号のトランジェント部は、対応するHD信号にあっては同図中Aに示す点a0、点b0及び点c0にて構成されるトランジェント部に対応している。
【0012】
ここで、説明を簡略化するために、図中BのSD信号のサンプリング周期は、図中Aに示す例えば1125本の走査線を有するハイビジョンのテレビジョン受像器に対応するHD信号のサンプリング周期の2倍となっている。
【0013】
また、上記画像信号処理装置は、上記ブロック化部1にてブロック化された画像信号を波形パターンによりクラス分類してクラスを導出する分類部2と、上記クラスに対応する画素移動パターンを読み出される変換テーブル3と、上記画素移動パターンに応じて画像信号の画素を移動する画素移動部4とを有している。
【0014】
上記分類部2は、上記ブロック化部1からブロック化された信号を与えられ、このブロック化された信号を波形パターンによりクラス分類する。
【0015】
本発明に係る画素移動パターンの学習方法は、第1の解像度の第1の画像信号から第1の解像度よりも高解像度の第2の解像度の第2の画像信号への変換を第1の画像信号の画素の位置の移動により行う画素移動パターンを学習する画素移動パターンの学習方法であって、上記第1の画像信号から所定時間毎にブロック化して抽出する領域抽出工程と、上記領域抽出工程にて抽出された上記第1の画像信号のブロックをこのブロック化された信号の波形パターンに基づいて分類する分類工程と、上記分類工程にて取得した上記第1の画像信号の分類毎に、上記第1の画像信号と同一の対象を撮像した上記第2の画像信号と、上記第1の画像信号の画素を全ての画素移動パターンにより移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより生成された上記第2の解像度の信号との誤差を計算し、この誤差が最小となる画素移動パターンのカウント値をインクリメントし、上記第1の画像信号の分類毎に計算した全ての画素移動パターンのカウント値が最大値をとる画素移動パターンを当該分類における画素移動パターンとする計算工程とを有することを特徴としている。
【0016】
このADRCによるクラス分類は、本来VTR向け高能率符号化用に開発された適応的再量子化法であり、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現することができる。
【0017】
ここで、1ビットADRCを例に取って、ADRCを説明する。ADRC回路の一例を図3に示す。このADRC回路は、図4に示すように、第1行に図中左から右に画素P1〜P3、第2行に同じく画素P4〜P6、第3行に同じく画素P7〜P9の(3×3)の計9個の画素が配置されたブロックBに対しADRCを施すものである。
【0018】
即ち、上記ADRC回路は、入力端子101からのブロックの順序に変換されたデータに関して、検出回路102がブロック毎に最大値MAX、最小値MINを検出する。減算回路103に対してMAX及びMINが供給され、その出力にダイナミックレンジDRが発生する。入力データ及びMINが減算回路104に供給され、減算回路104から最小値が除去されることで、正規化された画素データが発生する。
【0019】
ダイナミックレンジDRが減算回路105に供給され、正規化された画素データがダイナミックレンジDRで割算され、割算回路105の出力データが比較回路106に供給される。比較回路106では、中央画素P5以外の8個の画素の割算出力が0.5を基準として、より大きいか、より小さいかが判断される。この結果に応じて、“0”又は“1”のデータDTが発生する。この比較出力DTが出力端子107に取り出される。この1ビットADRCを用いてクラス分割を行えば(3×3)のブロックBが9ビットのクラスコードで表現される。
【0020】
上記変換テーブル3は、SD信号の波形パターンをクラス分類することにより取得したクラスと、画素移動パターンとの対応関係を保持するテーブルである。この変換テーブル3は、後述するように、SD信号を波形パターンによりクラス分類することにより取得したクラスと、SD信号をこのSD信号を同一の対象を撮像したHD信号を比較することにより取得した画素移動パターンとの対応関係を解析することにより予め設定される。
【0021】
上記画素移動部4は、上記変換テーブル3から読み出した画素移動パターンに応じて、上記ブロック化部1から与えられる画像信号の画素を時間軸上で移動させる。
【0022】
画像信号の画素の時間軸上での移動は、図5中のBの上側に示す時間軸上での時刻t01、時刻t02及び時刻t03に見られる一様なサンプリング周期を、同図中のBの下側の時刻t11、時刻t12及び時刻t13に見られるように時間軸パターンを変換することにより達成される。即ち、同図中Bの上側の時間のサンプリング周期を単位にすると、時刻t01は1周期進んで時刻t11に、時刻t02は半周期進んで時刻t12にそれぞれ移動している。時刻t03は、移動しないまま時刻t13に留まっている。
【0023】
この時間パターンの変換により、図中Aのトランジェント部の画素である点u0、点v0及び点w0は、図中Cのトランジェント部の点u1、点v1及び点w1にそれぞれ移動される。その結果、画素移動後の図中Cのトランジェント部の傾斜は画素移動前の図中Aのトランジェント部の傾斜よりも急峻になっている。
【0024】
このように、上記画素移動部4は、画像信号のトランジェント部の傾斜がより急峻に変化するように画素を移動することにより、この画像信号の解像度を向上させている。
【0025】
上記図2の例では、SD信号の画素である同図中の点a1、点b1及び点c1にて構成するトランジェント部を含むブロックにおいて、上記変換テーブル3から読み出した画素移動パターンに応じて上記点a1、点b1及び点c1を、図中Cに示す点a2、点b2及び点c2にそれぞれ時間軸上で移動させる。
【0026】
ここで、図中Cにおいては、図中Bのサンプリング周期の中点に新たにサンプリング点を設けている。従って、図中Cのサンプリング周期は、図中Bにおけるサンプリング周期の1/2倍となっている。この結果、図中Cに示す画素が移動されたSD信号のサンプリング周期は、図中AのHD信号と同じになった。
【0027】
そして、画素の時間軸方向の位置については、図中B及びCを比較すると、図中Cにおいて、点a1は1サンプリング周期進んで点a2に、点b1は1サンプリング周期進んで点b2にそれぞれ移動されるが、点c1は移動されずに点c2として留まり、同様に他の点も元の位置に留まっている。なお、この画素移動部4においては、サンプリング周期を1/2倍して、元のサンプリングの間に新たなサンプリング点を挿入したため、画素が存在しないサンプリング点がある。
【0028】
さらに、上記画像信号処理装置は、上記ブロック部1から与えられる画像信号と、上記画素移動部4から与えられる画像信号とに基づいて画像信号を補間する補間部5とを有している。
【0029】
上記補間部5は、上記画素移動部4から与えられる画像信号を補間する。即ち、上記画素移動部4から与えられる画像信号は、上述のように、画素の存在しないサンプリング点を含んでいる。この補間部5においては、画素の存在しないサンプリング点に対して、他のサンプリング点の画素を同じレベルで時間軸方向に複写することにより画像信号の補間を行う。
【0030】
例えば、図2中のDの点p0は1サンプリング周期進んだ点p1に、点q0は1サンプリング周期進んだ点q1及び2サンプリング周期進んだ点q2に、点a3は1サンプリング周期進んだ点a4に、点r0は1サンプリング周期遅れた点r1に、点s0は1サンプリング周期遅れた点s1に、それぞれレベルを保ったまま時間軸方向に複写されている。点b3及び点c3は、時間軸上にて複写されてはいない。なお、図中の点a3、b3及びc3は図中Dの点a2、点b2及び点c2にそれぞれ対応している。
【0031】
このように、画素移動及び補間を施されたSD信号は、図中Dに示すように、図中AのHD信号にほぼ同じ形となっている。従って、この画像信号処理装置によって、SD信号からHD信号に解像度の向上を図ることができる。
【0032】
続いて、画像信号処理方法に係る一連の工程について、図6を参照しながら説明する。この一連の工程は、ステップS1からステップS5までの5工程から構成される。
【0033】
ステップS1においては、入力するSD信号を、例えば所定時間毎に1ブロックとすることがある。或いは、図2中のBに示すような、点a1、点b1及び点c1をが構成するトランジェント部分を含むSD信号から、このトランジェント部を含む領域を取り出してブロック化することもある。そして、これに続くステップS2に進む。
【0034】
ステップS2においては、ステップS1にてブロック化された画像信号を与えられ、この画像信号を波形パターンにより、例えばADRCによりクラス分類し、ステップS3に進む。上記クラス分類については、上述の画像信号処理装置において詳述したので説明を省略する。
【0035】
ステップS3においては、変換テーブル3を参照する。この変換テーブル3は、SD信号の波形パターンをクラス分類することにより取得したクラスと、画素移動パターンとの対応関係を保持するテーブルである。このステップS3では、上記ステップS2にて画像信号の波形パターンをクラス分類することにより取得したクラスに対応する画素移動パターンを、上記変換テーブルから読み出し、次のステップS4に進む。
【0036】
ステップS4においては、ステップS3にて変換テーブルから読み出した画素移動パターンに応じて、上記ステップS1にてブロック化された画像信号の画素を移動し、ステップS5に進む。この画像信号の画素の移動については、上述の画像信号処理装置にて詳述したので、ここでの説明を省略する。
【0037】
ステップS5においては、ステップS5にて画素を移動された画像信号の画素の存在しない区間について、画素のレベルは維持したままで時間軸方向に複写することによって、上記画像信号を補間し、この一連の工程を終了する。
【0038】
以上説明したように、上記画像信号処理装置及び方法は、SD信号を波形パターンによるクラス分類により導出したクラスに対応する画素移動パターンを変換テーブルから読み出し、上記SD信号の画素を上記画素移動パターンに応じて移動させ、この画素を移動させたSD信号にさらに補間処理を施すことにより、HD信号を出力している。このように、この画像信号処理装置及び方法は、入力されたSD信号より解像度を向上させた画像信号を得ることができる。この画像信号の処理により、SD信号より高解像度でより細かい表現をすることができるHD信号を、SD信号から生成することが可能になる。ここでは、入力するSD信号から、トランジェント部分を抽出し、このトランジェント部分を改善した画像信号を出力している。
【0039】
続いて、上記変換テーブル3を学習により設定する画素移動パターンの学習方法について説明する。上述したように、この変換テーブル3は、クラスと画素移動パターンの対応関係を保持するテーブルである。
【0040】
この変換テーブル3を作成するための一連の手順は、図7に示すように、SD信号をブロック化部1にて領域を抽出してブロック化した後に分類部2にてクラス分類すると共に、画素移動パターン計算部13にて、上記SD信号と同一の対象を撮像したHD信号を基準として最小二乗法にて画素移動パターンを計算し、この画素移動パターンを判断部14にて判断した後にメモリ15に記憶するものである。
【0041】
ここで、上記ブロック化部1に入力するSD信号はSDカメラにて、上記画素移動パターン計算部13に入力するHD信号はHDカメラにて、同一の対象をそれぞれ撮像したものである。但し、上記HD信号にサブサンプリングやローパスフィルタを用いて処理することによって、同一の対象をSDカメラにて撮像したものと同等のSD信号を得ることができる。
【0042】
上記ブロック化部1は、入力するSD信号を、例えば所定時間毎に抽出したり、或いは、トランジェント部分のような変化部分を抽出して1ブロックとする。
【0043】
上記信号分類部2は、上記ブロック化部1からブロック化された信号を与えられ、このブロック化された信号2を波形パターンに基づいて、例えばADRCによってクラス分類する。
【0044】
上記画素移動パターン計算部13は、上記ブロック化部からはブロック化されたSD信号を、上記分類部2からはクラス分類のクラスを、また、上記SD信号と同一の対象を撮像したHD信号を与えられ、これらに基づいて画素移動パターンを計算する。
【0045】
即ち、この画素移動パターン計算部13は、上記分類部2から与えられるクラスに応じて、上記ブロック部1から与えられるブロック化されたSD信号の可能な画素移動を調べ、この画素を移動されたブロック化されたSD信号のHD信号を基準とした最小二乗法を利用して画素移動パターンを導出する。
【0046】
このような画素移動パターンを導出する一連の工程について、図8を参照しながら説明する。この一連の工程は、ステップS11からステップS20までの10個の工程から構成される。
【0047】
最初のステップS11においては、画像パターン番号iを1とする。ここで、画像パターンはm通り存在するとすると、上記画像パターン番号iは1からmまでの整数値を取る。画像パターン番号iを1に設定すると、次のステップS12に進む。
【0048】
ステップS12においては、画素移動番号jを1とする。ここで、画素移動番号jは、画素移動のパターンの数がn通り存在する場合には、1からnまでの整数値を取る。また、上記画素移動のパターンの数に対応して存在するメモリを初期化する。即ち、画素移動番号hに対応するメモリM(h)を、hについて1からnまで0に設定する。そして、これに続くステップS13に進む。
【0049】
ここで、SD信号の波形パターンを構成する画素数をkとすると、対応するHD信号の画素数は2k−1であるから、画素順序を変えないような画素移動のパターンの数nは、
【0050】
【数1】
【0051】
にて与えられる。
【0052】
ステップS13においては、画素移動番号jについての最小二乗誤差の和を計算する。即ち、画素移動番号jに応じて画素を移動したSD信号と、このSD信号と同一の対象を撮像したHD信号との二乗誤差を算出し、次のステップS14に進む。
【0053】
ステップS14においては、画素移動番号jが1であるか否かについて判断する。そして、画素移動番号jが1場合には“YES”としてステップS16に進み、そうでない場合には“NO”としてステップS15に進む。
【0054】
ステップS15においては、ステップS15で算出した画素移動番号jについての最小二乗誤差Xjが、最小二乗誤差の最小値Xminよりも小さいか否かについて判断する。そして、画素移動番号jについての最小二乗誤差Xjが最小二乗誤差の最小値Xminよりも小さい場合には“YES”としてステップS16に進み、そうでない場合には“NO”としてステップS17に進む。
【0055】
ステップS16においては、最小二乗誤差の最小値Xminを画素移動番号jについての最小二乗誤差Xjに設定し、上記Xminに対応する画素移動番号Jminを上記画素移動番号jに設定する。
【0056】
ステップS17においては、全ての画素移動が終了したか否かについて判断する。即ち、画素移動番号jが画素移動のパターンの総数nとに等しいか否かについて判断する。そして、画素移動番号jが画素移動のパターンの総数nに等しい場合には“YES”としてステップS17に進み、そうでない場合には“NO”として画素移動番号jを1増加させてステップS13に戻る。
【0057】
ステップS18においては、ステップS16にて求めた最小二乗誤差の最小値Xminの画素移動番号Jminに対応するメモリM(Jmin)に1を加算して、ステップS19に進む。
【0058】
ステップS19においては、画像パターン番号iが画像パターンの総数mに等しいか否かについて判断する。そして、画像パターン番号iが画像パターンの総数mに等しい場合には“YES”としてステップS20に進み、そうでない場合には“NO”として画像パターン番号iに1を加算してステップS12に戻る。
【0059】
ステップS20においては、上記メモリMについて最大値を検索する。そして、最大値を取る移動パターンを、その分類における移動パターンとする。
【0060】
このように、上記画素移動パターン計算部13は、画素移動パターンをHD信号を基準として最小二乗法を利用して計算している。
【0061】
上記図7中の判断部14は、上記図7中の画素移動パターン算出部13にて算出された、クラスと画素移動パターンとの対応関係について判断を行う。そして、所定の基準を充足するものを上記メモリ15に送る。
【0062】
上記メモリ15は、上記判断部14にて決定されたクラスと画素移動パターンの対応関係を記憶する。このメモリ14に記憶されたクラスと画素移動パターンとの対応関係は、必要な場合に読み出されて上記変換テーブル3に設定される。
【0063】
以上説明したように、クラスと画素移動パターンとの対応関係は、SD信号から導出した、例えばADRCのようなクラス分類によるクラスと、上記SD信号と同一の対象を撮像したHD信号から最小二乗法を利用して導出した画素移動パターンとから学習によって得ることができる。
【0064】
このような学習により、SD信号に対応するクラスと、このクラスに応じてSD信号をHDに変換する画素移動パターンが得られ、この対応関係を利用することにより、SD信号をHD信号に変換することが可能になる。
【0065】
なお、この具体例においては、SD信号からHD信号へのアップコンバージョンについて説明したが、この発明はこれに限定されない。例えば、SD信号からSD信号への変換において、水平画素数を向上させることもできる。
【0066】
また、上述の説明においては、水平方向についての変換について説明したが、この発明は水平方向への変換に限定されずに、水平方向及び垂直方向について提供することができる。
【0067】
そして、上述の説明においては、SD信号の解像度を向上させてHD信号に変換する具体例について述べたが、この発明はこの具体例に限られず、画像信号の解像度を高めて画質を向上させる用途に広く利用することができる。
【0068】
【発明の効果】
上述したように、上記画像信号処理装置は、SD信号を波形パターンによりクラス分類して導出したクラスについて、このクラスに対応する画素移動パターンを変換テーブルから読み出し、この画素移動パターンに応じてSD信号を画素移動して補間することにより、HD信号に変換している。従って、この画像信号処理装置は、入力されたSD信号から、このSD信号よりも解像度の高いHD信号を得ることができる。
【0069】
また、上記画像信号処理方法は、SD信号を波形パターンによりクラス分類して導出したクラスについて、このクラスに対応する画素移動パターンに応じてSD信号を画素移動して補間することにより、HD信号に変換している。従って、この画像信号処理方法は、入力されたSD信号から、このSD信号よりも解像度の高いHD信号を得ることができる。
【0070】
さらに、上記画素移動パターンの学習方法は、同一の対象を撮像したSD信号及びHD信号について、上記SD信号の画素移動パターンと上記HD信号との最小二乗誤差を算出することにより、画素移動パターンを決定している。従って、この学習方法は実際の撮像信号に基づいて、SD信号からHD信号に変換する画素移動パターンを導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像信号処理装置の概略的な構造を示すブロック図である。
【図2】画像信号の画素移動の一例を示すタイムチャートである。
【図3】適応型ダイナミックレンジ符号化(ADRC)回路の回路図である。
【図4】画像信号のブロックの一例を示すブロック図である。
【図5】時間軸パターンの変換を示す概念図である。
【図6】画像信号処理方法の一連の手順を示すフローチャートである。
【図7】画素移動パターンの学習方法の手順を示すブロック図である。
【図8】画素移動パターンの学習方法における画像信号から画素移動を導出する一連の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 分類部、3 変換テーブル、4 画素移動部、5 補間部
Claims (5)
- 第1の解像度の第1の画像信号を第1の解像度よりも高解像度の第2の解像度の第2の画像信号に変換する画像信号処理装置において、
上記第1の画像信号から所定時間毎にブロック化して抽出する領域抽出手段と、
上記領域抽出手段にて抽出された上記第1の画像信号のブロックをこのブロック化された信号の波形パターンに基づいて分類する分類手段と、
上記分類手段にて取得した分類に対応した上記第1の解像度から上記第2の解像度への変換を行う際の画像信号の時間軸パターンの変換を画素の位置の移動により行う画素移動パターンが読み出される変換テーブルと、
上記変換テーブルから読み出した画素移動パターンに基づいて上記第1の画像信号の画素を移動する画素移動手段と、
上記画素移動手段にて画素が移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより上記第2の解像度の画像信号を生成する生成手段と
を有することを特徴とする画像信号処理装置。 - 上記変換テーブルは、上記分類手段にて取得した上記第1の画像信号の分類毎に、上記第1の画像信号と同一の対象を撮像した上記第2の画像信号と、上記第1の画像信号の画素を全ての画素移動パターンにより移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより生成された上記第2の解像度の信号との誤差を計算し、この誤差が最小となる画素移動パターンのカウント値をインクリメントし、上記第1の画像信号の分類毎に計算した全ての画素移動パターンのカウント値が最大値をとる画素移動パターンを当該分類における画素移動パターンとすることにより取得した、上記第1の画像信号から上記第2の画像信号への変換に用いる画素移動パターンを保持することを特徴とする請求項1記載の画像信号処理装置。
- 第1の解像度の第1の画像信号を第1の解像度よりも高解像度の第2の解像度の第2の画像信号に変換する画像信号処理方法において、
上記第1の画像信号から所定時間毎にブロック化して抽出する領域抽出工程と、
上記領域抽出工程にて抽出された上記第1の画像信号のブロックをこのブロック化された信号の波形パターンに基づいて分類する分類工程と、
上記分類工程にて取得した分類に対応した上記第1の解像度から上記第2の解像度への変換を行う際の画像信号の時間軸パターンの変換を画素の位置の移動により行う画素移動パターンを変換テーブルから読み出す読み出し工程と、
上記変換テーブルから読み出した画素移動パターンに基づいて上記第1の画像信号の画素を移動する画素移動工程と、
上記画素移動工程にて画素が移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより上記第2の解像度の画像信号を生成する生成工程と
を有することを特徴とする画像信号処理方法。 - 第1の解像度の第1の画像信号から第1の解像度よりも高解像度の第2の解像度の第2の画像信号への変換を第1の画像信号の画素の位置の移動により行う画素移動パターンを学習する画素移動パターンの学習方法であって、
上記第1の画像信号から所定時間毎にブロック化して抽出する領域抽出工程と、
上記領域抽出工程にて抽出された上記第1の画像信号のブロックをこのブロック化された信号の波形パターンに基づいて分類する分類工程と、
上記分類工程にて取得した上記第1の画像信号の分類毎に、上記第1の画像信号と同一の対象を撮像した上記第2の画像信号と、上記第1の画像信号の画素を全ての画素移動パターンにより移動された各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めることにより生成された上記第2の解像度の信号との誤差を計算し、この誤差が最小となる画素移動パターンのカウント値をインクリメントし、上記第1の画像信号の分類毎に計算した全ての画素移動パターンのカウント値が最大値をとる画素移動パターンを当該分類における画素移動パターンとする計算工程と
を有することを特徴とする画素移動パターンの学習方法。 - 上記計算工程は、画素が移動された第1の画像信号の各画素に基づいて上記第2の解像度の各サンプリング位置の画素を補間により求めた信号と、第2の画像信号との二乗誤差が最小になる画素移動パターンのカウント値を上記分類毎に計算することを特徴とする請求項4記載の画素移動パターンの学習方法。
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