JP3834014B2 - 動画像符号化方法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像を高能率に圧縮符号化する代表的な方式の一つとして、動き補償フレーム間予測符号化方式が知られている。この符号化方式は、動画像の動きを示す動きベクトルを用いて前フレームの画像から現フレームの画像を予測し、この予測画像と現フレームの画像との差分である予測誤差を符号化する方式である。この場合、予測誤差の符号とは別に動きベクトルの符号を伝送するため、動きベクトルの符号量もできるだけ削減する必要がある。
【0003】
動きベクトルの符号量を削減する方法として、従来より、カメラ操作によるパン・チルト・ズーム・回転等の画面全体の動きを表すパラメータ(グローバル動きパラメータ)を検出してそれを伝送し、画像を定められた大きさに分割した小ブロック毎に動きベクトルを展開して動き補償フレーム間予測を行う方式が考えられている。その一例として、例えば特開平4−3595号「動画像の動き情報検出方式および動画像の動き補償フレーム間予測符号化方式」には、画面全体の動きを記述したアフィン変換を特徴づける動きパラメータを、小ブロック毎に検出した動きベクトルから検出する方式が示されている。
【0004】
この方式では、検出した動きパラメータから画素毎または小ブロック毎の動きベクトルを展開し、その動きベクトルを用いて動き補償フレーム間予測符号化を行うことにより、動きベクトルの符号量を削減している。また、展開した動きベクトルを基準値として画素毎または小ブロック毎の動きベクトルを検出し、該動きベクトルを用いて動き補償フレーム間予測を行うことにより、誤りの少ない動きベクトルの検出を可能とすることも示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
画像フレーム全体に対してグローバル動き補償を行って予測画像を生成すると、予測画像の一部分に対して対応する参照画像が存在しないために予測画像が欠落することがある。このような場合、予測画像と入力動画像との予測誤差の符号化(残差符号化)に必要な符号量が増大してしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、画像フレーム全体に対してグローバル動き補償を行って予測画像を生成する場合に予測画像の欠落が少なく、残差符号化に必要な符号量が増大しない動画像符号化方法及び装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る動画像符号化装置は、画像フレーム全体の動きを示す動きパラメータ(グローバル動きパラメータ)を検出する動きパラメータ検出手段と、前記画像フレーム内の画像信号とその周辺部の画像信号を参照画像信号として記憶する記憶手段と、前記動きパラメータを用いて前記記憶手段に記憶されている参照画像信号全体に対して動き補償フレーム間予測を行うことにより予測画像信号を生成するとともに、該予測画像信号によって前記記憶手段の内容を更新する予測画像信号生成手段と、前記予測画像信号と入力動画像信号との差分を予測誤差として検出する予測誤差検出手段と、前記前記動きパラメータおよび前記予測誤差を符号化する符号化手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、画像メモリに画像フレームよりも大きく、画像フレームの画素間を補間して得られる画像信号およびその周辺部の画像信号を記憶するようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明では、画像フレームとその周辺の画像を記憶することができる画像メモリを備え、グローバル動き補償予測を行う際に必要な参照画像信号として画像フレームの画像信号とその周辺部の画像信号からなる画像フレームよりも広い範囲の参照画像信号を記憶するため、予測画像の欠落が少なくなり、残差符号化に必要な符号量が削減される。
【0013】
ここで、1画素よりも細かい精度でグローバル動き補償を行う場合は、まず画像フレーム内の画素間を補間して得られる画像信号とその周辺部の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号を、拡大した参照画像信号として生成して画像メモリに記憶し、その参照画像信号を用いてグローバル動きパラメータの検出を行う。
【0014】
次に、拡大した参照画像信号に対してグローバル動き補償を行って予測画像信号を生成し、この予測画像信号をサブサンプリングにより元の大きさに戻して画像メモリに記憶されている参照画像信号を更新する。この場合、グローバル動きパラメータによっては、拡大する際に補間した画素をサンプリングすることとなり、画像メモリ内の画像の解像度が低下するが、画像メモリに補間した参照画像信号を記憶しているため、その画像メモリの内容を更新する際に、画像信号の拡大・縮小処理を行う必要がなく、解像度の低下は生じない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例に係る動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。この動画像符号化装置は、減算器11、グローバル動き補償回路12、加算器13、フレームメモリ14、および符号変換回路15により構成され、また入力として符号化すべき入力動画像信号101、第1回目にグローバル動き補償を行う領域を示す領域情報103および領域分割の基準となる閾値109が与えられている。
【0017】
グローバル動き補償回路12は、入力動画像信号101、フレームメモリ13から出力される参照画像信号102、第1回目にグローバル動き補償を行う領域を示す領域情報103および領域分割の基準となる閾値109を入力として、グローバル動きパラメータ106と、このグローバル動きパラメータ106によって第2回目以降に動き補償を行う領域を示す領域情報110および予測画像信号107を出力する。
【0018】
一方、減算器12は入力動画像信号101と予測画像信号107との差分を予測誤差として検出し、予測誤差信号111を出力する。加算器13は、予測画像信号107と予測誤差信号111を加算して局部再生信号112を出力する。フレームメモリ14は、局部再生信号112を1フレーム分記憶保持し、それを参照画像信号102として出力する。符号化回路15は、予測誤差信号111とグローバル動きパラメータ106および領域情報110を符号化して符号113を出力する。
【0019】
図2は、図1におけるグローバル動き補償回路12の詳細な構成を示すブロック図である。このグローバル動き補償回路12は、グローバル動きパラメータ検出回路21、スイッチ22、予測画像生成回路23、加算器24、および領域分割回路25からなる。
【0020】
グローバル動きパラメータ検出回路21には、入力動画像信号101と参照画像信号102が入力される。スイッチ22は、第1回目にグローバル動きパラメータの検出を行う際には、領域情報103を選択する。
【0021】
グローバル動き検出回路21では、画像フレーム内の領域情報110によって指定された領域全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を入力動画像信号101および参照画像信号102から検出し、予測画像生成回路23に供給する。
【0022】
予測画像生成回路23は、グローバル動きパラメータ106に従って参照画像信号102に動き補償を行い、スイッチ22で選択された領域情報105により指定された領域の予測画像信号107を生成して出力する。
【0023】
領域分割回路25は、予測画像信号107と入力動画像信号101との差分である予測誤差信号108から、閾値109を用いてスイッチ22で選択された領域情報105により指定された領域を誤差の大きい領域(誤差が閾値109以上の領域)と、誤差の小さい領域(誤差が閾値109に満たない領域)とに分割して、誤差の大きい領域を示す領域情報104と誤差の小さい領域を示す領域情報110を出力する。
【0024】
第2回目以降は、スイッチ22は誤差の大きい領域を示す領域情報104を選択し、上記と同様の動作を繰り返す。そして、最終的に得られたグローバル動きパラメータ106と予測誤差信号111および領域情報110を符号化回路15で符号化して符号113として出力する。
【0025】
このように本実施例では、第1回目のグローバル動きパラメータの検出に際しては、画像フレーム内の領域情報103で指定された領域全体のグローバル動きパラメータ106を検出し、このグローバル動きパラメータ106を用いて動き補償フレーム間予測を行う。
【0026】
次に、予測画像信号107と入力動画像信号101との差分である予測画像信号108から領域分割を行うことによって、第1回目に検出されたグローバル動きパラメータ106によって動きが記述される領域を除く領域、つまり誤差の大きい領域を抽出し、領域情報104を出力する。
【0027】
さらに、この領域情報104で指定された領域に対して第2回目のグローバル動きパラメータの検出・動き補償フレーム予測・領域分割を行う。以下、同様の動作を適切な回数だけ繰り返すことによって、画像の複雑な動きを少ないパラメータで記述することができる。
【0028】
(実施例2)
本実施例では、図1および図2の構成において、領域情報103によって指定される第1回目にグローバル動き補償を行う領域を画像フレーム全体とする。
【0029】
(実施例3)
本実施例では、図1および図2の構成において、グローバル動きパラメータの検出・予測画像の生成・領域分割を少なくとも1回繰り返した後、グローバル動きパラメータの検出と予測画像信号の生成のみを行う。
【0030】
(実施例4)
図3は、本実施例に係る動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置のブロック図である。この動画像符号化装置は、減算器11、グローバル動き補償回路12、加算器13、画像メモリ16、および符号変換回路15により構成されている。画像メモリ16は、画像フレーム内の画像信号とその周辺部の画像信号を参照画像信号として記憶するものであり、通常のフレームメモリとは画像フレームの周辺部の画像信号をも記憶する点で異なる。
【0031】
減算器11は、入力動画像信号101と予測画像信号107の画像フレーム内の部分との差分を予測誤差として検出し、予測誤差信号111を出力する。グローバル動き補償回路12は、入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号107を生成するとともに、予測画像信号107によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23により構成される。
【0032】
加算器13は、予測画像信号107の画像フレーム内の部分と、予測誤差信号111を加算して局部再生信号112を出力する。画像メモリ16は、局部再生信号112を画像フレーム内画像信号とし、これとその周辺部の画像の画像信号を参照画像信号として記憶保持し、参照画像信号102として出力する。符号化回路15は、予測誤差信号111および画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を符号化して符号113を出力する。
【0033】
次に、本実施例の具体的な動作例を図4および図5を用いて説明する。
従来のグローバル動き補償では、図5(a)に示す参照画像信号501に対して、次に入力された画像が左下に動いていた場合、グローバル動き補償を行うと図5(b)に示す予測画像信号502が得られる。ここで、斜線部503は参照画像が存在しないために予測画像信号を作ることができない部分である。この斜線部503は残差符号化(予測誤差信号の符号化)により再生され、図5(c)に示す参照画像信号504が得られる。
【0034】
一方、次に入力された画像が上に動いていた場合、グローバル動き補償を行うと図5(d)に示す予測画像信号505が得られ、斜線部506で表される予測画像信号の欠落が再び生じる。このため、残差符号化に必要な符号量が増大する。
【0035】
これに対して、本実施例では画像メモリ16に図4(a)に示すような画像フレーム402内の画像信号とその周辺部403の画像信号が参照画像信号401として記憶されている。従って、画像メモリ16内の画像フレーム402の部分に記憶されている画像信号に対して、図5(a)の参照画像信号501に対して行ったのと同様のグローバル動き補償を行った場合、図4(b)の画像フレーム内に相当する画像信号404が得られ、破線で囲まれた領域で表される画像フレームの外に出た画像信号405は画像メモリ16に記憶される。
【0036】
次に、画像信号404に残差符号化を行って再生された画像信号を用いて画像メモリ16の内容を更新し、図4(c)に示す参照画像信号406を得る。さらに、この参照画像信号406に対して、図5(c)の再生画像信号504に対して行ったのと同じグローバル動き補償を行った場合、図4(d)に示すような画像フレーム内に相当する画像信号407が得られる。
【0037】
このように本実施例では、画像フレーム内の画像信号402とその周辺部の画像信号403を参照画像信号401として記憶する画像メモリ16を用いたことにより、図4(d)の画像信号407の欠落408は、図5(d)の予測画像信号505の欠落506と比較して小さくなる。従って、画像信号の欠落が減少した分だけ残差符号化に必要な符号量が減少し、符号化効率が向上するという利点がある。
【0038】
(実施例5)
図6は、実施例4を変形した本実施例に係る補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置の要部のみ示すブロック図である。本実施例は、図3に示した実施例4における減算器11および加算器13を取り除いた以外、実施例4と同様である。
【0039】
すなわち、本実施例は入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号107を生成するとともに、予測画像信号107によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23と、予測画像信号107を画像フレーム内画像信号とし、これとその周辺部の画像の画像信号を参照画像信号として記憶保持し、参照画像信号102として出力する画像メモリ16を有する。そして、画像メモリ16は予測画像信号107によってその内容が更新される。
【0040】
(実施例6)
図7は、本実施例に係る動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置のブロック図である。この動画像符号化装置は、減算器11、グローバル動き補償回路12、加算器13、画像メモリ16、符号変換回路15、補間回路31、およびサブサンプリング回路32により構成されている。画像メモリ16は、画像フレーム内の画素間を補間して得られる画像信号と、その周辺部の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号を参照画像信号として記憶するものである。
【0041】
減算器11は、入力動画像信号101と予測画像信号107の画像フレーム内の部分との差分を予測誤差として検出し、予測誤差信号111を出力する。グローバル動き補償回路12は、入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号123を生成するとともに、予測画像信号123によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23により構成される。
【0042】
サブサンプリング回路32は、予測画像生成回路23で生成される予測画像信号123に対しサブサンプリングを行って、画像フレームの大きさの予測画像信号107を生成し、減算器11に供給する。
【0043】
加算器13は、サブサンプリング回路32からの予測画像信号107と減算器11からの予測誤差信号111を加算して画像フレームの大きさの局部再生信号112を出力する。
【0044】
補間回路31は、加算器13からの局部再生信号112の画素間を補間することにより、拡大された局部再生信号121を生成し、この局部再生信号121によって画像メモリ16に記憶されている参照画像信号中の画像フレームの部分をを更新する。
【0045】
本実施例によると、実施例5の効果に加えて次の効果が得られる。すなわち、本実施例では1画素よりも細かい精度でグローバル動き補償を行う場合、まず画像フレーム内の画素間を補間して得られる画像信号とその周辺部の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号を、拡大した参照画像信号として補間回路31で生成して画像メモリ16に記憶し、その参照画像信号を用いてグローバル動きパラメータの検出を行う。
【0046】
次に、拡大した参照画像信号に対してグローバル動き補償を行って予測画像信号を生成し、この予測画像信号をサブサンプリング回路32により元の大きさに戻して画像メモリ16に記憶されている参照画像信号を更新する。この場合、グローバル動きパラメータによっては、拡大する際に補間した画素をサンプリングすることとなり、画像メモリ16内の画像の解像度が低下するが、画像メモリ16に補間した参照画像信号を記憶しているため、その画像メモリ16の内容を更新する際に、画像信号の拡大・縮小処理を行う必要がなく、解像度の低下は生じないという効果が得られる。
【0047】
(実施例7)
図8は、実施例6を変形した本実施例に係る補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置の要部のみ示すブロック図である。本実施例は、図7に示した実施例6における減算器11、加算器13および補間回路31を取り除いた以外、実施例6と同様である。
【0048】
すなわち、本実施例は入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号123を生成するとともに、予測画像信号123によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23と、予測画像信号123を画像フレーム内画像信号とし、これとその周辺部の画像の画像信号を参照画像信号として記憶保持し、参照画像信号122として出力する画像メモリ16と、予測画像信号123に対してサブサンプリングを行って画像フレームの大きさの予測画像信号107を生成して出力するサブサンプリング回路32を有する。
【0049】
そして、画像メモリ16は予測画像信号123によってその内容が更新される。ただし、画像メモリ16には画像フレームの大きさの画像信号の画素間を補間して得られる画像信号と、その周辺の画像の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号とが記憶されているものとする。
【0050】
(実施例8)
図9は、本実施例に係る動画像の動き情報検出装置のブロック図である。この動き情報検出装置は、予測画像生成回路41、グローバル動きパラメータ発生回路42、減算器43、画素数検出回路44、領域数検出回路45、評価関数演算回路46、および歪み評価回路47により構成され、参照画像信号202と入力動画像信号204と画素毎の誤差情報の閾値(第1の閾値)206と小領域毎の誤差情報の閾値(第2の閾値)208とを入力とし、グローバル動きパラメータの探索を行って、グローバル動きパラメータ212を出力する。
【0051】
予測画像生成回路41では、グローバル動きパラメータ発生回路42より供給されたグローバル動きパラメータ201に従って参照画像信号202を変換し、予測画像信号203を生成する。
【0052】
差分画像生成回路43では、予測画像信号203と入力動画像信号204の差分画像信号205を生成する。
画素数検出回路44では、差分画像信号205の画素の中で、その誤差情報が閾値206よりも大きくなるような画素数を示す画素数信号207を検出する。領域数検出回路45では、差分画像信号205を小ブロックあるいは小領域に分割して小ブロックあるいは小領域毎の誤差情報を求め、誤差情報が閾値208よりも大きくなるような小領域数を示す領域数信号209を検出する。
【0053】
評価関数演算回路46では、画素数信号207および領域数信号209の関数である歪み評価関数値210を計算する。
歪み評価回路47では、現在までに評価された中で評価関数の値が最小であったグローバル動きパラメータ211とその時の評価関数の値とを記憶しており、新たに供給された歪み評価関数値210と記憶していた値を比較して、歪み評価関数値210の方が小さければ、グローバル動きパラメータ201および歪み評価関数値210によって記憶内容を更新する。
【0054】
グローバル動きパラメータの探索が終了した場合は、現在までに評価された中で評価関数の値が最小であったグローバル動きパラメータ211を探索結果のグローバル動きパラメータ212として出力し、終了していない場合はグローバル動きパラメータ211を参照してグローバル動きパラメータ発生回路42より発生されたグローバル動きパラメータ201について探索を繰り返す。
【0055】
本実施例によれば、グローバル動きパラメータの探索を行う際の歪みの評価関数として、誤差情報が第1の閾値以上となる画素数と、誤差情報が第2の閾値以上となる小領域数を用いているため、誤差情報が閾値以下となる面積が最大となるときに値が最小となるような歪みの評価関数を設定することが可能であり、動き補償の対象とする領域内で最も広い範囲の動きを記述するグローバル動きパラメータを他の領域の画像の動きの影響を受けずに検出することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、グローバル動き補償によってフレームの外に出た画像を画像メモリに記憶しておくことによって、グローバル動き補償に伴う予測画像の欠落を小さくすることが可能となり、符号化効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図
【図2】 図1におけるグローバル動き補償回路の詳細な構成を示すブロック図
【図3】 実施例4に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図
【図4】 実施例4におけるグローバル動き補償を説明するための図
【図5】 従来のグローバル動き補償の問題点を説明するための図
【図6】 実施例5に係る動画像符号化装置の要部の構成を示すブロック図
【図7】 実施例6に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図
【図8】 実施例7に係る動画像符号化装置の要部の構成を示すブロック図
【図9】 実施例8に係る動画像の動き検出装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
11…減算器、12…グローバル動き補償回路、13…加算器、14…フレームメモリ、15…符号変換回路、16…画像メモリ、21…グローバル動きパラメータ検出回路、22…スイッチ、23…予測画像生成回路、24…減算器、25…領域分割回路、31…補間回路、32…サブサンプリング回路、41…予測画像生成回路、42…グローバル動きパラメータ発生回路、43…減算器、44…画素数検出回路、45…領域数検出回路、46…評価関数演算回路、47…歪み評価回路、101…入力動画像信号、102…参照画像信号、103…領域情報、104…領域情報、105…領域情報、106…グローバル動きパラメータ、107…予測画像信号、108…予測画像信号、109…閾値、110…領域情報、111…予測誤差信号、112…局部再生信号、113…符号、121…局部再生信号、122…参照画像信号、123…予測画像信号、201…グローバル動きパラメータ、202…参照画像信号、203…予測画像信号、204…入力動画像信号、205…差分画像信号、206…閾値、207…画素数信号、208…閾値、209…領域数信号、210…歪み評価関数値、211…グローバル動きパラメータ、212…グローバル動きパラメータ、401…参照画像信号、402…画像フレーム、403…周辺部、404…予測画像信号、405…画像フレーム外画像信号、406…参照画像信号、407…予測画像信号、408…欠落。
【発明の属する技術分野】
本発明は、動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像を高能率に圧縮符号化する代表的な方式の一つとして、動き補償フレーム間予測符号化方式が知られている。この符号化方式は、動画像の動きを示す動きベクトルを用いて前フレームの画像から現フレームの画像を予測し、この予測画像と現フレームの画像との差分である予測誤差を符号化する方式である。この場合、予測誤差の符号とは別に動きベクトルの符号を伝送するため、動きベクトルの符号量もできるだけ削減する必要がある。
【0003】
動きベクトルの符号量を削減する方法として、従来より、カメラ操作によるパン・チルト・ズーム・回転等の画面全体の動きを表すパラメータ(グローバル動きパラメータ)を検出してそれを伝送し、画像を定められた大きさに分割した小ブロック毎に動きベクトルを展開して動き補償フレーム間予測を行う方式が考えられている。その一例として、例えば特開平4−3595号「動画像の動き情報検出方式および動画像の動き補償フレーム間予測符号化方式」には、画面全体の動きを記述したアフィン変換を特徴づける動きパラメータを、小ブロック毎に検出した動きベクトルから検出する方式が示されている。
【0004】
この方式では、検出した動きパラメータから画素毎または小ブロック毎の動きベクトルを展開し、その動きベクトルを用いて動き補償フレーム間予測符号化を行うことにより、動きベクトルの符号量を削減している。また、展開した動きベクトルを基準値として画素毎または小ブロック毎の動きベクトルを検出し、該動きベクトルを用いて動き補償フレーム間予測を行うことにより、誤りの少ない動きベクトルの検出を可能とすることも示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
画像フレーム全体に対してグローバル動き補償を行って予測画像を生成すると、予測画像の一部分に対して対応する参照画像が存在しないために予測画像が欠落することがある。このような場合、予測画像と入力動画像との予測誤差の符号化(残差符号化)に必要な符号量が増大してしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、画像フレーム全体に対してグローバル動き補償を行って予測画像を生成する場合に予測画像の欠落が少なく、残差符号化に必要な符号量が増大しない動画像符号化方法及び装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る動画像符号化装置は、画像フレーム全体の動きを示す動きパラメータ(グローバル動きパラメータ)を検出する動きパラメータ検出手段と、前記画像フレーム内の画像信号とその周辺部の画像信号を参照画像信号として記憶する記憶手段と、前記動きパラメータを用いて前記記憶手段に記憶されている参照画像信号全体に対して動き補償フレーム間予測を行うことにより予測画像信号を生成するとともに、該予測画像信号によって前記記憶手段の内容を更新する予測画像信号生成手段と、前記予測画像信号と入力動画像信号との差分を予測誤差として検出する予測誤差検出手段と、前記前記動きパラメータおよび前記予測誤差を符号化する符号化手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、画像メモリに画像フレームよりも大きく、画像フレームの画素間を補間して得られる画像信号およびその周辺部の画像信号を記憶するようにしたことを特徴とする。
【0012】
本発明では、画像フレームとその周辺の画像を記憶することができる画像メモリを備え、グローバル動き補償予測を行う際に必要な参照画像信号として画像フレームの画像信号とその周辺部の画像信号からなる画像フレームよりも広い範囲の参照画像信号を記憶するため、予測画像の欠落が少なくなり、残差符号化に必要な符号量が削減される。
【0013】
ここで、1画素よりも細かい精度でグローバル動き補償を行う場合は、まず画像フレーム内の画素間を補間して得られる画像信号とその周辺部の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号を、拡大した参照画像信号として生成して画像メモリに記憶し、その参照画像信号を用いてグローバル動きパラメータの検出を行う。
【0014】
次に、拡大した参照画像信号に対してグローバル動き補償を行って予測画像信号を生成し、この予測画像信号をサブサンプリングにより元の大きさに戻して画像メモリに記憶されている参照画像信号を更新する。この場合、グローバル動きパラメータによっては、拡大する際に補間した画素をサンプリングすることとなり、画像メモリ内の画像の解像度が低下するが、画像メモリに補間した参照画像信号を記憶しているため、その画像メモリの内容を更新する際に、画像信号の拡大・縮小処理を行う必要がなく、解像度の低下は生じない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例に係る動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。この動画像符号化装置は、減算器11、グローバル動き補償回路12、加算器13、フレームメモリ14、および符号変換回路15により構成され、また入力として符号化すべき入力動画像信号101、第1回目にグローバル動き補償を行う領域を示す領域情報103および領域分割の基準となる閾値109が与えられている。
【0017】
グローバル動き補償回路12は、入力動画像信号101、フレームメモリ13から出力される参照画像信号102、第1回目にグローバル動き補償を行う領域を示す領域情報103および領域分割の基準となる閾値109を入力として、グローバル動きパラメータ106と、このグローバル動きパラメータ106によって第2回目以降に動き補償を行う領域を示す領域情報110および予測画像信号107を出力する。
【0018】
一方、減算器12は入力動画像信号101と予測画像信号107との差分を予測誤差として検出し、予測誤差信号111を出力する。加算器13は、予測画像信号107と予測誤差信号111を加算して局部再生信号112を出力する。フレームメモリ14は、局部再生信号112を1フレーム分記憶保持し、それを参照画像信号102として出力する。符号化回路15は、予測誤差信号111とグローバル動きパラメータ106および領域情報110を符号化して符号113を出力する。
【0019】
図2は、図1におけるグローバル動き補償回路12の詳細な構成を示すブロック図である。このグローバル動き補償回路12は、グローバル動きパラメータ検出回路21、スイッチ22、予測画像生成回路23、加算器24、および領域分割回路25からなる。
【0020】
グローバル動きパラメータ検出回路21には、入力動画像信号101と参照画像信号102が入力される。スイッチ22は、第1回目にグローバル動きパラメータの検出を行う際には、領域情報103を選択する。
【0021】
グローバル動き検出回路21では、画像フレーム内の領域情報110によって指定された領域全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を入力動画像信号101および参照画像信号102から検出し、予測画像生成回路23に供給する。
【0022】
予測画像生成回路23は、グローバル動きパラメータ106に従って参照画像信号102に動き補償を行い、スイッチ22で選択された領域情報105により指定された領域の予測画像信号107を生成して出力する。
【0023】
領域分割回路25は、予測画像信号107と入力動画像信号101との差分である予測誤差信号108から、閾値109を用いてスイッチ22で選択された領域情報105により指定された領域を誤差の大きい領域(誤差が閾値109以上の領域)と、誤差の小さい領域(誤差が閾値109に満たない領域)とに分割して、誤差の大きい領域を示す領域情報104と誤差の小さい領域を示す領域情報110を出力する。
【0024】
第2回目以降は、スイッチ22は誤差の大きい領域を示す領域情報104を選択し、上記と同様の動作を繰り返す。そして、最終的に得られたグローバル動きパラメータ106と予測誤差信号111および領域情報110を符号化回路15で符号化して符号113として出力する。
【0025】
このように本実施例では、第1回目のグローバル動きパラメータの検出に際しては、画像フレーム内の領域情報103で指定された領域全体のグローバル動きパラメータ106を検出し、このグローバル動きパラメータ106を用いて動き補償フレーム間予測を行う。
【0026】
次に、予測画像信号107と入力動画像信号101との差分である予測画像信号108から領域分割を行うことによって、第1回目に検出されたグローバル動きパラメータ106によって動きが記述される領域を除く領域、つまり誤差の大きい領域を抽出し、領域情報104を出力する。
【0027】
さらに、この領域情報104で指定された領域に対して第2回目のグローバル動きパラメータの検出・動き補償フレーム予測・領域分割を行う。以下、同様の動作を適切な回数だけ繰り返すことによって、画像の複雑な動きを少ないパラメータで記述することができる。
【0028】
(実施例2)
本実施例では、図1および図2の構成において、領域情報103によって指定される第1回目にグローバル動き補償を行う領域を画像フレーム全体とする。
【0029】
(実施例3)
本実施例では、図1および図2の構成において、グローバル動きパラメータの検出・予測画像の生成・領域分割を少なくとも1回繰り返した後、グローバル動きパラメータの検出と予測画像信号の生成のみを行う。
【0030】
(実施例4)
図3は、本実施例に係る動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置のブロック図である。この動画像符号化装置は、減算器11、グローバル動き補償回路12、加算器13、画像メモリ16、および符号変換回路15により構成されている。画像メモリ16は、画像フレーム内の画像信号とその周辺部の画像信号を参照画像信号として記憶するものであり、通常のフレームメモリとは画像フレームの周辺部の画像信号をも記憶する点で異なる。
【0031】
減算器11は、入力動画像信号101と予測画像信号107の画像フレーム内の部分との差分を予測誤差として検出し、予測誤差信号111を出力する。グローバル動き補償回路12は、入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号107を生成するとともに、予測画像信号107によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23により構成される。
【0032】
加算器13は、予測画像信号107の画像フレーム内の部分と、予測誤差信号111を加算して局部再生信号112を出力する。画像メモリ16は、局部再生信号112を画像フレーム内画像信号とし、これとその周辺部の画像の画像信号を参照画像信号として記憶保持し、参照画像信号102として出力する。符号化回路15は、予測誤差信号111および画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を符号化して符号113を出力する。
【0033】
次に、本実施例の具体的な動作例を図4および図5を用いて説明する。
従来のグローバル動き補償では、図5(a)に示す参照画像信号501に対して、次に入力された画像が左下に動いていた場合、グローバル動き補償を行うと図5(b)に示す予測画像信号502が得られる。ここで、斜線部503は参照画像が存在しないために予測画像信号を作ることができない部分である。この斜線部503は残差符号化(予測誤差信号の符号化)により再生され、図5(c)に示す参照画像信号504が得られる。
【0034】
一方、次に入力された画像が上に動いていた場合、グローバル動き補償を行うと図5(d)に示す予測画像信号505が得られ、斜線部506で表される予測画像信号の欠落が再び生じる。このため、残差符号化に必要な符号量が増大する。
【0035】
これに対して、本実施例では画像メモリ16に図4(a)に示すような画像フレーム402内の画像信号とその周辺部403の画像信号が参照画像信号401として記憶されている。従って、画像メモリ16内の画像フレーム402の部分に記憶されている画像信号に対して、図5(a)の参照画像信号501に対して行ったのと同様のグローバル動き補償を行った場合、図4(b)の画像フレーム内に相当する画像信号404が得られ、破線で囲まれた領域で表される画像フレームの外に出た画像信号405は画像メモリ16に記憶される。
【0036】
次に、画像信号404に残差符号化を行って再生された画像信号を用いて画像メモリ16の内容を更新し、図4(c)に示す参照画像信号406を得る。さらに、この参照画像信号406に対して、図5(c)の再生画像信号504に対して行ったのと同じグローバル動き補償を行った場合、図4(d)に示すような画像フレーム内に相当する画像信号407が得られる。
【0037】
このように本実施例では、画像フレーム内の画像信号402とその周辺部の画像信号403を参照画像信号401として記憶する画像メモリ16を用いたことにより、図4(d)の画像信号407の欠落408は、図5(d)の予測画像信号505の欠落506と比較して小さくなる。従って、画像信号の欠落が減少した分だけ残差符号化に必要な符号量が減少し、符号化効率が向上するという利点がある。
【0038】
(実施例5)
図6は、実施例4を変形した本実施例に係る補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置の要部のみ示すブロック図である。本実施例は、図3に示した実施例4における減算器11および加算器13を取り除いた以外、実施例4と同様である。
【0039】
すなわち、本実施例は入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号107を生成するとともに、予測画像信号107によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23と、予測画像信号107を画像フレーム内画像信号とし、これとその周辺部の画像の画像信号を参照画像信号として記憶保持し、参照画像信号102として出力する画像メモリ16を有する。そして、画像メモリ16は予測画像信号107によってその内容が更新される。
【0040】
(実施例6)
図7は、本実施例に係る動き補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置のブロック図である。この動画像符号化装置は、減算器11、グローバル動き補償回路12、加算器13、画像メモリ16、符号変換回路15、補間回路31、およびサブサンプリング回路32により構成されている。画像メモリ16は、画像フレーム内の画素間を補間して得られる画像信号と、その周辺部の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号を参照画像信号として記憶するものである。
【0041】
減算器11は、入力動画像信号101と予測画像信号107の画像フレーム内の部分との差分を予測誤差として検出し、予測誤差信号111を出力する。グローバル動き補償回路12は、入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号123を生成するとともに、予測画像信号123によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23により構成される。
【0042】
サブサンプリング回路32は、予測画像生成回路23で生成される予測画像信号123に対しサブサンプリングを行って、画像フレームの大きさの予測画像信号107を生成し、減算器11に供給する。
【0043】
加算器13は、サブサンプリング回路32からの予測画像信号107と減算器11からの予測誤差信号111を加算して画像フレームの大きさの局部再生信号112を出力する。
【0044】
補間回路31は、加算器13からの局部再生信号112の画素間を補間することにより、拡大された局部再生信号121を生成し、この局部再生信号121によって画像メモリ16に記憶されている参照画像信号中の画像フレームの部分をを更新する。
【0045】
本実施例によると、実施例5の効果に加えて次の効果が得られる。すなわち、本実施例では1画素よりも細かい精度でグローバル動き補償を行う場合、まず画像フレーム内の画素間を補間して得られる画像信号とその周辺部の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号を、拡大した参照画像信号として補間回路31で生成して画像メモリ16に記憶し、その参照画像信号を用いてグローバル動きパラメータの検出を行う。
【0046】
次に、拡大した参照画像信号に対してグローバル動き補償を行って予測画像信号を生成し、この予測画像信号をサブサンプリング回路32により元の大きさに戻して画像メモリ16に記憶されている参照画像信号を更新する。この場合、グローバル動きパラメータによっては、拡大する際に補間した画素をサンプリングすることとなり、画像メモリ16内の画像の解像度が低下するが、画像メモリ16に補間した参照画像信号を記憶しているため、その画像メモリ16の内容を更新する際に、画像信号の拡大・縮小処理を行う必要がなく、解像度の低下は生じないという効果が得られる。
【0047】
(実施例7)
図8は、実施例6を変形した本実施例に係る補償フレーム間予測符号化方式による動画像符号化装置の要部のみ示すブロック図である。本実施例は、図7に示した実施例6における減算器11、加算器13および補間回路31を取り除いた以外、実施例6と同様である。
【0048】
すなわち、本実施例は入力動画像信号101について画像フレーム全体の動きを示すグローバル動きパラメータ106を検出するグローバル動きパラメータ検出回路21と、グローバル動きパラメータ106を用いて画像メモリ16に記憶されている参照画像信号に動き補償フレーム間予測を行って予測画像信号123を生成するとともに、予測画像信号123によって画像メモリ16の内容を更新する予測画像生成回路23と、予測画像信号123を画像フレーム内画像信号とし、これとその周辺部の画像の画像信号を参照画像信号として記憶保持し、参照画像信号122として出力する画像メモリ16と、予測画像信号123に対してサブサンプリングを行って画像フレームの大きさの予測画像信号107を生成して出力するサブサンプリング回路32を有する。
【0049】
そして、画像メモリ16は予測画像信号123によってその内容が更新される。ただし、画像メモリ16には画像フレームの大きさの画像信号の画素間を補間して得られる画像信号と、その周辺の画像の画像信号の画素間を補間して得られる画像信号とが記憶されているものとする。
【0050】
(実施例8)
図9は、本実施例に係る動画像の動き情報検出装置のブロック図である。この動き情報検出装置は、予測画像生成回路41、グローバル動きパラメータ発生回路42、減算器43、画素数検出回路44、領域数検出回路45、評価関数演算回路46、および歪み評価回路47により構成され、参照画像信号202と入力動画像信号204と画素毎の誤差情報の閾値(第1の閾値)206と小領域毎の誤差情報の閾値(第2の閾値)208とを入力とし、グローバル動きパラメータの探索を行って、グローバル動きパラメータ212を出力する。
【0051】
予測画像生成回路41では、グローバル動きパラメータ発生回路42より供給されたグローバル動きパラメータ201に従って参照画像信号202を変換し、予測画像信号203を生成する。
【0052】
差分画像生成回路43では、予測画像信号203と入力動画像信号204の差分画像信号205を生成する。
画素数検出回路44では、差分画像信号205の画素の中で、その誤差情報が閾値206よりも大きくなるような画素数を示す画素数信号207を検出する。領域数検出回路45では、差分画像信号205を小ブロックあるいは小領域に分割して小ブロックあるいは小領域毎の誤差情報を求め、誤差情報が閾値208よりも大きくなるような小領域数を示す領域数信号209を検出する。
【0053】
評価関数演算回路46では、画素数信号207および領域数信号209の関数である歪み評価関数値210を計算する。
歪み評価回路47では、現在までに評価された中で評価関数の値が最小であったグローバル動きパラメータ211とその時の評価関数の値とを記憶しており、新たに供給された歪み評価関数値210と記憶していた値を比較して、歪み評価関数値210の方が小さければ、グローバル動きパラメータ201および歪み評価関数値210によって記憶内容を更新する。
【0054】
グローバル動きパラメータの探索が終了した場合は、現在までに評価された中で評価関数の値が最小であったグローバル動きパラメータ211を探索結果のグローバル動きパラメータ212として出力し、終了していない場合はグローバル動きパラメータ211を参照してグローバル動きパラメータ発生回路42より発生されたグローバル動きパラメータ201について探索を繰り返す。
【0055】
本実施例によれば、グローバル動きパラメータの探索を行う際の歪みの評価関数として、誤差情報が第1の閾値以上となる画素数と、誤差情報が第2の閾値以上となる小領域数を用いているため、誤差情報が閾値以下となる面積が最大となるときに値が最小となるような歪みの評価関数を設定することが可能であり、動き補償の対象とする領域内で最も広い範囲の動きを記述するグローバル動きパラメータを他の領域の画像の動きの影響を受けずに検出することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、グローバル動き補償によってフレームの外に出た画像を画像メモリに記憶しておくことによって、グローバル動き補償に伴う予測画像の欠落を小さくすることが可能となり、符号化効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図
【図2】 図1におけるグローバル動き補償回路の詳細な構成を示すブロック図
【図3】 実施例4に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図
【図4】 実施例4におけるグローバル動き補償を説明するための図
【図5】 従来のグローバル動き補償の問題点を説明するための図
【図6】 実施例5に係る動画像符号化装置の要部の構成を示すブロック図
【図7】 実施例6に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図
【図8】 実施例7に係る動画像符号化装置の要部の構成を示すブロック図
【図9】 実施例8に係る動画像の動き検出装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
11…減算器、12…グローバル動き補償回路、13…加算器、14…フレームメモリ、15…符号変換回路、16…画像メモリ、21…グローバル動きパラメータ検出回路、22…スイッチ、23…予測画像生成回路、24…減算器、25…領域分割回路、31…補間回路、32…サブサンプリング回路、41…予測画像生成回路、42…グローバル動きパラメータ発生回路、43…減算器、44…画素数検出回路、45…領域数検出回路、46…評価関数演算回路、47…歪み評価回路、101…入力動画像信号、102…参照画像信号、103…領域情報、104…領域情報、105…領域情報、106…グローバル動きパラメータ、107…予測画像信号、108…予測画像信号、109…閾値、110…領域情報、111…予測誤差信号、112…局部再生信号、113…符号、121…局部再生信号、122…参照画像信号、123…予測画像信号、201…グローバル動きパラメータ、202…参照画像信号、203…予測画像信号、204…入力動画像信号、205…差分画像信号、206…閾値、207…画素数信号、208…閾値、209…領域数信号、210…歪み評価関数値、211…グローバル動きパラメータ、212…グローバル動きパラメータ、401…参照画像信号、402…画像フレーム、403…周辺部、404…予測画像信号、405…画像フレーム外画像信号、406…参照画像信号、407…予測画像信号、408…欠落。
Claims (4)
- 画像フレーム全体の動きを示す動きパラメータを検出するステップと、
前記画像フレーム内の画像信号とその周辺部の画像信号を参照画像信号として記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段に記憶されている参照画像信号のうち前記画像フレーム内に相当する部分の画像信号に対して前記動きパラメータを用いた動き補償フレーム間予測を行うことにより予測画像信号を生成するステップと、
前記予測画像信号のうちの前記画像フレーム内に相当する画像信号と入力動画像信号との差分を予測誤差として検出するステップと、
前記動きパラメータおよび前記予測誤差を符号化するステップと、
前記予測画像信号を用いて前記記憶手段に記憶された前記参照画像信号を更新するステップと、
を具備することを特徴とする動画像符号化方法。 - 前記更新するステップは、前記予測画像信号のうち前記周辺部に相当する部分の画像信号と前記予測誤差の符号化データの局部再生信号とを用いて更新することを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
- 画像フレーム全体の動きを示す動きパラメータを検出する動きパラメータ検出手段と、
前記画像フレーム内の画像信号とその周辺部の画像信号を参照画像信号として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている参照画像信号のうち前記画像フレーム内に相当する部分の画像信号に対して前記動きパラメータを用いた動き補償フレーム間予測を行うことにより予測画像信号を生成する予測画像信号生成手段と、
前記予測画像信号のうちの前記画像フレーム内に相当する画像信号と入力動画像信号との差分を予測誤差として検出する予測誤差検出手段と、
前記動きパラメータおよび前記予測誤差を符号化する符号化手段と、
前記予測画像信号を用いて前記記憶手段に記憶された前記参照画像信号を更新する手段と、
を具備することを特徴とする動画像符号化装置。 - 前記更新する手段は、前記予測画像信号のうち前記周辺部に相当する部分の画像信号と前記予測誤差の符号化データの局部再生信号とを用いて更新することを特徴とする請求項3記載の動画像符号化装置。
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