JP3780265B2 - 土木機械のバケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木機械のアームの先端に取り付けられたバケットの本体に投入バケットを揺動可能に設け、この投入バケットを介してバケットの本体に原料を投入する土木機械のバケットに関する。又、本発明は、バケット本体にコンクリート廃材等の原料を破砕する破砕装置を備えた土木機械のバケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
道路補修や建物等の解体に、アスファルトのガラやコンクリート廃材で代表される種々の産業廃棄物が数多く排出され社会問題になっている。従来は埋め立て用に多く処分されていたが、いまや環境保全の観点から再利用されるものが多い。特にコンクリート等の廃材は、量が多く、かつ、殆どは再利用のできるものであるため、その再利用が強く望まれている。
【0003】
これらの廃材を直接処理する土木機械のバケットの役目は大きい。廃材等の原料を単に収集して他の場所に運搬し置換するのみでなく、バケットでの収集過程で原料を破砕する機能を有する土木機械もある。しかし、バケットに補助的に第2のバケットを設けた構成のものはない。バケット内で廃材を破砕する簡易な方法の例として、バケット内に種々の破砕装置が設けられたものが提案されている。
【0004】
これらの例として、バケットに掬い取ったコンクリート塊等廃材を挟圧粉砕する一対の破砕盤を接離可能に対設し、廃材を掬い取ってそのまま破砕し排出するものが知られている(例えば、特許文献1)。また、バケットに破砕歯を供えた作動体を往復運動可能に設け、バケットに設けられた固定破砕歯との間でコンクリート廃材を破砕するものも知られている(例えば、特許文献2)。さらに、バケット内の掬い器内に一対の回転軸を設け、各回転軸に大中小の破砕歯板を取り付け、回転軸を回転させることにより歯板群でコンクリート塊を小さく砕くものも知られている(例えば、特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−121748号公報
【特許文献2】
特開平9−316912号公報
【特許文献3】
特開平10−30247号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した特許文献に記載された技術では、被破砕物等の原料を破砕する駆動モータ等の駆動に、大きな駆動トルク等が必要であった。しかし、駆動モータ等の駆動体はバケットに取り付け可能なものでなければならず大きな駆動トルク等を有する大型の駆動体を使用することは困難であった。また、バケットの大きさに合わせた駆動モータ等の駆動体を使用した破砕装置では、被破砕物等の原料を破砕する能力が低いものとなってしまうという問題点があった。
【0007】
そのため、バケット内で被破砕物等の原料を効率よく破砕するのに適した破砕装置を内蔵したバケットの開発が望まれていた。また、破砕盤等が内蔵されたバケットで被破砕物を直接掬い上げているため、バケット内に被破砕物を投入する効率が悪い、投入量を制御できない、操作性がよくないなどの問題点もあった。更に、被破砕物は移送する過程でバケットからこぼれることも多く、運搬効率の面でも問題があった。
【0008】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、バケット内に原料を効率よく投入することができ、原料を確実に保持できる構成にした土木機械のバケットを提供することにある。
本発明の他の目的は、大きな駆動トルク等を有する駆動体を使用することなく、バケット内で被破砕物等原料を効率よく破砕することができる土木機械のバケットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明1の土木機械のバケットは、土木機械のアームの先端に揺動可能に設けられ、原料が投入される投入口と破砕された前記原料を排出するための排出口が形成されバケット本体と、このバケット本体内に回転可能に設けられ、原料を破砕するために外周に1以上の破砕歯が設けられた破砕ロータと、この破砕ロータを回転駆動するための駆動装置と、前記バケット本体に揺動可能に設けられ、前記原料を掬い上げるとともに掬い上げた前記原料を前記バケット本体に投入するための投入バケットとを備えている。
【0010】
本発明2の土木機械のバケットは、本発明1の土木機械のバケットにおいて、前記バケット本体の内壁に設けられ前記破砕ロータの外周方向に沿って配置された1以上の反撥部材が配置されていることを特徴とする。
本発明3の土木機械のバケットは、本発明1又は2の土木機械のバケットにおいて、前記アームに対する前記バケット本体の揺動動作と、前記バケット本体に対する前記投入バケットの揺動動作とを連動させる連動手段が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明4の土木機械のバケットは、本発明1又は2の土木機械のバケットにおいて、前記破砕歯は、前記原料を主に打撃作用により破砕する打撃部材であることを特徴とする。
本発明5の土木機械のバケットは、本発明1又は2の土木機械のバケットにおいて、前記バケット本体と前記投入バケットとの間に、前記投入バケットを揺動させるための揺動用駆動装置を設けたことを特徴とする。
本発明6の土木機械のバケットは、本発明3の土木機械のバケットにおいて、前記連動手段は、前記アーム、前記バケット本体、前記投入バケットを連結している4節リンク機構で構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明7の土木機械のバケットは、土木機械のアームの先端に揺動可能に設けられ、原料が投入される投入口と破砕された前記原料を排出するための排出口が形成されバケット本体と、このバケット本体内に回転可能に設けられ、原料を破砕するために外周に1以上の破砕歯が設けられた破砕ロータと、前記バケット本体に、一端側を中心に揺動可能に設けられ、前記バケット本体に投入された原料を前記破砕ロータ側に押し付ける押し付け部材とを備えたものである。
【0013】
本発明8の土木機械のバケットは、本発明7の土木機械のバケットにおいて、前記押し付け部材は、前記原料を押し付ける部位が格子状に形成されていることを特徴とする。
本発明9の土木機械のバケットは、本発明7又は8の土木機械のバケットにおいて、前記押し付け部材は、前記一端側と反対側に位置する他端側が前記バケット本体外に突き出し揺動する構成になっていることを特徴とする。
本発明10の土木機械のバケットは、本発明7又は8の土木機械のバケットにおいて、前記バケット本体の内壁に設けられ前記破砕ロータの外周方向に沿って配置された1以上の反撥部材が配置されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用するバックホー(土木機械)の全体図、図2は、本発明のバケットの断面図、図3は、本発明のバケットの正面図で被破砕物等である原料を掬い上げている状態を示す図、図4は、本発明のバケットの正面図で投入バケットから破砕バケットに被破砕物等である原料を投入している状態を示す図である。
【0015】
バックホー1は、パワーショベルと同系統の土木機械で、公知の土木掘削機である。一般に機械より低い位置の地盤の掘削に適用され、穴掘り、溝堀り等の作業に適する。機械の容量は、バケット容量で表される。バックホー1は、自走式でクローラ2を介してどの位置へも移動可能である。基体3に第1旋回アーム4が支軸(図示せず)を介して設けられ、第1シリンダ(起伏シリンダ)5により支軸を中心に矢印A方向(上下方向)に起伏される。
【0016】
第1旋回アーム4の先端には、支軸6aを介して第2旋回アーム6が設けられ、第1旋回アーム4に設けられた第2シリンダ7により支軸6aを中心に矢印B方向に旋回動作する。第2旋回アーム6の先端には、支軸15を介してバケット9の端部が揺動可能に設けられている。バケット9は破砕バケット10と投入バケット11とから構成されている。第2旋回アーム6には、バケットシリンダ8が設けられ、バケットシリンダ8のピストンロッドの先端部が軸18を介して相対回転(揺動)可能に破砕バケット10のバケット本体10aに取り付けられている。すなわち、バケットシリンダ8の伸縮駆動力によりバケット本体10aは、支軸15を中心に矢印C方向に揺動する。
【0017】
また、基体3は、水平方向に旋回できる構成になっている。従って、バケット9は、旋回範囲のどの位置にも移動可能であり、向きも変えることができる。破砕バケット10のバケット本体10aには、支軸16を介して投入バケット11が矢印D方向に揺動可能に設けられている。投入バケット11は、アスファルトのガラやコンクリートの塊等の被破砕物(被掘削物)を掬い上げ、バケット本体10aの内部に収集するためのものである。
【0018】
破砕バケット10のバケット本体10aは、必ずしも全ての原料を、投入バケット11を介して投入する訳ではない。底部が開口していない通常のバケット構成で、例えば、山状に積み上げられた原料を掬い上げる場合は、2つのバケットを同時に使用することになり、多量の原料を運搬できるので効率的である。また、バケット本体10aに収集した原料をこぼさないように運搬する場合には、投入バケット11を蓋として使用することも可能である。
【0019】
以下、バケット本体10aの底部は排出口を有し、投入された原料を破砕するバケットとして、実施の形態1を説明する。排出口には、格子、網等のロストルが配置されている(図示せず)。このロストルは、一定以下の粒度のみを排出させ、破砕されないものはバケット本体10aの破砕室28内に残留して再度破砕される。第2旋回アーム6と、投入バケット11との間には、支軸14、支軸17で回転可能に連結されたリンク13が設けられている。
【0020】
第2旋回アーム6、破砕バケット10のバケット本体10a、投入バケット11、リンク13は、支軸14、15、16、17を節とする4節リンク機構からなる連動手段を構成するものであり、バケットシリンダ8の駆動力により破砕バケット10のバケット本体10aが支軸15を中心に矢印C方向に揺動するのに連動して、投入バケット11が支軸16を中心に矢印D方向に揺動する。
【0021】
破砕バケット10のバケット本体10aの投入バケット11側上部には、投入口26が設けられている。ロータ軸20は、破砕バケット10のバケット本体10aに回転可能に設けられ、バケット本体10aの外部に配置される図示しない駆動モータまたは駆動モータに駆動される減速機を介して駆動される。ロータ軸20にはロータディスク22が固定され、ロータ軸20とロータディスク22は破砕ロータを構成するもので一体に回転する。
【0022】
ロータディスク22の外周には、一つまたは複数(この実施の形態1では円周4等分の等角度間隔)の打撃部材21が着脱可能に固定されている。この打撃部材21は、硬質、かつ、耐摩耗性を有する材料で形成されているものである。打撃部材21は、形状が角ブロック状をなし、打撃面が磨耗すると、取り外し反転させて取り付け面を打撃面にすることが可能となっている。なお、打撃部材は、ハンマ型のものなどであってもよい。
【0023】
破砕バケット10のバケット本体10aの内部は、区画された空間で投入された被破砕物30を破砕処理するための破砕室28を構成している。この破砕室28の内壁は対磨耗性のある硬質材で被覆されている。この内壁の一部に第1反撥部材24、第2反撥部材25が着脱可能に固定されている。第1反撥部材24、第2反撥部材25は、破砕ロータの外周に沿って配置されている。
【0024】
打撃部材21が取り付けられた破砕ロータ、第1反撥部材24、第2反撥部材25等は、いわゆる衝撃型の破砕装置(衝撃型クラッシャ)を構成するものであり、インパクトクラッシャ、ハンマクラッシャなどとも呼ばれているものである。なお、この実施の形態1では、反撥部材を2個設けた例で説明を行っているが、反撥部材が一つまたは複数個設けてあればよい。
【0025】
第1反撥部材24、第2反撥部材25は硬質、かつ、耐摩耗性を有する材料で構成されている。また、第1反撥部材24、第2反撥部材25は一体でなく分割されているものであってもよい。分割されて構成された反撥部材は、著しく磨耗が生じた部分のみ交換することが可能となる。また、この実施の形態1では、第1反撥部材24、第2反撥部材25を平板状のものとして説明を行っているが、曲面状のものであってもよい。破砕バケット10のバケット本体10aの下部には、破砕された被破砕物30aを排出するために形成された開口部である排出口27が設けられている。
【0026】
[破砕方法]
次に、本発明のバケット9における被破砕物の破砕方法の説明を行う。被破砕物は、図3に示すように、投入バケット11によって掬い上げられ、収集される。ロータ軸20、ロータディスク22等より構成される破砕ロータを駆動モータの駆動によって所定の回転速度で矢印E方向に回転させる。破砕バケット10をバケットシリンダ8の駆動力で矢印C’方向に揺動させると、投入バケット11も4節リンク機構によって矢印D’方向に揺動する(図4参照)。
【0027】
すると、投入バケット11内に収集された被破砕物30は、図4に示すように破砕バケット10のバケット本体10aの投入口26から破砕室28に投入される。被破砕物30は打撃部材21にぶつかり、打撃加速される。加速された被破砕物30は、第1反撥部材24に衝突し反撥される。この打撃過程の衝撃力、衝突過程の衝撃力で被破砕物30に対する破砕処理が行われ、被破砕物30は破砕される。
【0028】
また、被破砕物30は、次の打撃部材21で打撃加速された他の被破砕物30と破砕室28内で衝突して互いに破砕される。同様の破砕処理が、打撃部材21が取り付けられた破砕ロータと第2反撥部材25との間でも行われる。このように、被破砕物30を衝撃力で破砕するため、効率のよい破砕ができる。即ち、破砕ロータを駆動する駆動モータはそれほど大きなものを必要とせず、破砕バケット10に内蔵される破砕装置として好適なものとすることができる。
【0029】
このようにして、所定の大きさ以下に破砕された被破砕物30aは、排出口27から排出される。排出口27にはロストルが配置されているので、一定以下の粒度のみを排出させ、破砕されないものはバケット本体10aの破砕室28内に残留して破砕ロータと共に回転して再度破砕される。もし、何らかの理由で、所定の大きさ以下に破砕できなかった場合には、第1旋回アーム4、第2旋回アーム6、バケット9等を旋回又は揺動させて、投入口26を下側に向かせ、被破砕物を上部の投入口26側から排出するとよい。
【0030】
なお、この実施の形態1では、連動手段を4節リンク機構として説明したが、支軸15、支軸16間にチェーン・スプロケット機構、歯車列等を配設し、連動させるものであってもよい。また、バケット9を、底部に開口部(排出口)を有する破砕バケット10と投入バケット11とで構成されているものとして説明をしたが、底部に開口部のない破砕バケット10と投入バケット11で構成されたものであってもよい。
【0031】
[実施の形態2]
図5、6は、土木機械のバケットの実施の形態2を示す図である。前述した実施の形態1は、破砕バケット10と投入バケット11を4節リンク機構で連動させるものであった。図5、6に示す土木機械のバケットは、投入バケット11を揺動用駆動装置で揺動させるものである。図5は、実施の形態2のバケットの正面図で被破砕物等である原料を投入バケットで掬い上げ可能な状態を示す図である。図6は、実施の形態2のバケットの正面図で投入バケットから破砕バケットに被破砕物等である原料を投入させる状態を示す図である。なお、実施の形態1と同一の部材に関しては、同一の番号を付与し、重複する説明を省略する。
【0032】
バケット9は、破砕バケット10と投入バケット11とから構成されている。破砕バケット10のバケット本体10aには、支軸16を介して投入バケット11が矢印D方向に揺動可能に設けられている。バケット本体10aには、投入口26と排出口27が設けられている。排出口27には、格子、網等のロストルが配置されている(図示せず)。バケット本体10aの破砕室28には、ロータ軸、ロータディスク22aからなる破砕ロータが回転可能に設けられている。ロータディスク22aの外周には、複数個(この実施の形態2では円周12等分の角度間隔)の破砕歯21aが着脱可能に固定されている。
【0033】
この破砕歯21aは、前述の打撃部材21とは異なり打撃ではなくて主に圧縮、曲げ、楔作用で破砕するものである。従って、破砕歯21aは、前述した打撃部材21とは歯の形状等も異なり、配置される個数が異なり、かつ運転するときの回転数も異なる。また、破砕室28の一部に反撥部材24aが着脱可能に固定されている。破砕室28の投入された被破砕物は、図示しない駆動モータの駆動により所定の回転数で回転している破砕ロータに取り付けられた破砕歯21aと反撥部材24aによって破砕処理される。すなわち、破砕歯21aとバケット本体10a、又は破砕歯21aと反撥部材24aとの間での相互作用による投入原料への圧縮、曲げ、楔作用等で被破砕物の破砕処理が行われる。
【0034】
バケット本体10aの外側には、取り付け部10bが形成されている。また、投入バケット11の外側にも、取り付け部11aが形成されている。取り付け部10bと取り付け部11aとの間には、クレビス型の流体圧シリンダ(駆動体)51が設けられている。すなわち、流体圧シリンダ51の本体部は取り付け部10bに対して相対的に揺動回転可能に取り付けられている。また、流体圧シリンダ51のピストンロッド52が取り付け部11aに対して相対的に揺動回転可能に取り付けられている。
【0035】
流体圧シリンダ51のピストンロッド52を進退移動させることにより、投入バケット11は支軸16を中心に矢印D方向に揺動する。すなわち、投入バケット11は、ピストンロッド52を縮小方向に移動させた被破砕物を掬い上げる位置(図5の状態)と、ピストンロッド52を伸長方向に移動させたバケット本体10aに被破砕物を投入する位置(図6の状態)とに揺動する。このように、投入バケット11の揺動用駆動装置50を別途設けると、投入バケット11の動作の自由度が増加し、掬い上げ作業、投入作業等の操作が容易となる。
【0036】
図7、8は、投入バケット11の揺動用駆動装置の他の例を示した図である。図7は、バケットの正面図で被破砕物等である原料を投入バケットで掬い上げ可能な状態を示す図である。図8は、バケットの正面図で投入バケットから破砕バケットに被破砕物等である原料を投入可能な状態を示す図である。
【0037】
バケット本体10aに対して支軸16aが回転可能に設けられている。支軸16aと投入バケット11は、一体に回転するように設けられている。支軸16aには、一体に回転するクランク部16bが形成されている。クランク部16bと取り付け部10bとの間に、クレビス型の流体圧シリンダ51が設けられている。すなわち、流体圧シリンダ51の本体部は取り付け部10bに対して相対回転可能に取り付けられている。また、流体圧シリンダ51のピストンロッド52がクランク部16bに対して相対回転可能に取り付けられている。流体圧シリンダ51のピストンロッド52を進退移動させることにより、投入バケット11が支軸16aを中心に矢印D方向に揺動する。この例は、バケット本体10a内の一部を仕切り流体圧シリンダ51を内装する状態で示している。
【0038】
なお、この実施の形態2では、投入バケット揺動用の駆動装置を、流体圧シリンダを利用したものとして説明を行ったが、駆動モータ、揺動型アクチュエータ(トルクアクチュエータ)等他の駆動体を利用したものが適用できることはいうまでもない。
【0039】
[実施の形態3]
図9、10は、土木機械のバケットの実施の形態3を示す図である。前述した実施の形態1、及び2は、被破砕物等である原料は、その重量で自然落下することで破砕室に投入され、落下してきた被破砕物等である原料が回転している打撃部材で打撃されるものであった。図9、10に示す土木機械のバケットは、被破砕物等である原料を打撃部材が取り付けられた破砕ロータ側に、強制的に押し付ける押し付け部材を設けたものである。図9は、押し付け部材が設けられたバケットの正面図、図10は、図9の側面図である。なお、実施の形態3は、実施の形態2とバケットの基本形態は同じとしている。実施の形態2と同一の部材に関しては、同一の番号を付与し詳細な説明を省略する。
【0040】
バケット9のバケット本体110には、押し付け部材60が揺動可能に設けられている。バケット本体110の底部側には、ストッパ部65が形成され、押し付け部材60が破砕ロータ側に揺動できる範囲を規制している。押し付け部材60が一端側を軸部61に支持され、バケット本体110に揺動可能に設けられている。押し付け部材60は、他端側の一部がバケット本体110より外方に突出するようになっており、突出した他端が先端部62となっている。
【0041】
押し付け部材60は、軸部61を中心に矢印E方向に一部がバケット本体110より突出した状態でバケット本体110内を揺動する。押し付け部材60の中間部は、被破砕物(原料)30と当接して押圧する原料押圧部63であり、図10に示すように格子状に形成されている。この格子の間隔より大きい被破砕物30が、破砕歯21aが取り付けられた破砕ロータ側に押圧される。
【0042】
すなわち、押し付け部材60の先端部62が、作業者によるバックホー(土木機械)1の操縦によって、押し付け部材60がフリーな状態(図9の2点鎖線で示した状態)から、先端部62を地面G等固定面に当接させると、図9の実線で示した状態に揺動する。このように、押し付け部材60が被破砕物30を破砕ロータ側に強制的に押し付けた状態で、破砕歯21aが被破砕物30を打撃するので、効率よく確実に破砕処理することができる。
【0043】
なお、実施の形態3では、押し付け部材を、地面G等固定面に先端部62を当接させることによって破砕室28内に投入された被破砕物30を破砕ロータ側に押し付けるものとして説明を行ったが、これに限定されることはない。駆動体によって押し付け部材を揺動させ、破砕ロータ側に被破砕物を押し付けるものであってもよい。
【0044】
また、押し付け部材の原料押圧部の形状を格子状のものとして説明を行ったが、所定の大きさ以上の被破砕物(原料)を押し付け可能で、それ以下の被破砕物(原料)が通過できる形状のものであればよい。さらに、投入バケットが設けられていないバケットに適用した例で説明を行ったが、投入バケットを有するバケットに適用できることはいうまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明は破砕バケットに投入バケットを設けたので、原料の運搬効率が向上したことに加え、破砕装置を内蔵した破砕バケットに効率よく原料を供給することができた。また、投入バケットを設けることで、破砕装置を有する破砕バケットに最適な量の原料を投入することができる。
【0046】
さらに、破砕処理能力を超えた場合等には、投入口側から戻すことができるので取り扱い、メンテナンスが容易となった。また、破砕バケットと投入バケットの連動手段を設けたものでは、投入バケットの駆動に駆動体を必要とせず、簡素な構成とすることができ、メンテナンスも容易となった。さらに、投入バケットを揺動用駆動装置で揺動させるものでは、投入バケットの動作の自由度が増し、操作が容易となった。
【0047】
バケットに押し付け部材を設けたものは、原料を破砕ロータ側に強制的に押し付けた状態で、打撃部材に打撃させて破砕処理させるので、さらに効率よく破砕処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用する土木機械の全体図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1のバケットの断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1のバケットの正面図で、被破砕物等である原料を投入バケットで掬い上げている状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1のバケットの正面図で、投入バケットから破砕バケットに被破砕物等である原料を投入している状態を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2のバケットの正面図で、被破砕物等である原料を投入バケットで掬い上げ可能な状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2のバケットの正面図で、投入バケットから破砕バケットに被破砕物等である原料を投入可能な状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2の他の例のバケットの正面図で、被破砕物等である原料を投入バケットで掬い上げ可能な状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2の他の例のバケットの正面図で、投入バケットから破砕バケットに被破砕物等である原料を投入可能な状態を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3の押し付け部材が設けられたバケットの正面図である。
【図10】図10は、図9の側面図である。
【符号の説明】
1…バックホー
3…基体
4…第1旋回アーム
5…第1シリンダ
6…第2旋回アーム
7…第2シリンダ
8…バケットシリンダ
9…バケット
10…破砕バケット
10a,110…バケット本体
11…投入バケット
13…リンク
20…ロータ軸
21…打撃部材
21a…破砕歯
24…第1反撥部材
24a…反撥部材
25…第2反撥部材
28…破砕室
30…原料(被破砕物)
50…投入バケット揺動用駆動装置
60…押し付け部材
Claims (10)
- 土木機械のアームの先端に揺動可能に設けられ、原料が投入される投入口と破砕された前記原料を排出するための排出口が形成されバケット本体と、
このバケット本体内に回転可能に設けられ、原料を破砕するために外周に1以上の破砕歯が設けられた破砕ロータと、
この破砕ロータを回転駆動するための駆動装置と、
前記バケット本体に揺動可能に設けられ、前記原料を掬い上げるとともに掬い上げた前記原料を前記バケット本体に投入するための投入バケットと
を備えている土木機械のバケット。 - 請求項1に記載された土木機械のバケットにおいて、
前記バケット本体の内壁に設けられ前記破砕ロータの外周方向に沿って配置された1以上の反撥部材が配置されている
ことを特徴とする土木機械のバケット。 - 請求項1又は2に記載された土木機械のバケットにおいて、
前記アームに対する前記バケット本体の揺動動作と、前記バケット本体に対する前記投入バケットの揺動動作とを連動させる連動手段が設けられていることを特徴とする土木機械のバケット。 - 請求項1又は2に記載された土木機械のバケットにおいて、
前記破砕歯は、前記原料を主に打撃作用により破砕する打撃部材である
ことを特徴とする土木機械のバケット。 - 請求項1又は2に記載された土木機械のバケットにおいて、
前記バケット本体と前記投入バケットとの間に、前記投入バケットを揺動させるための揺動用駆動装置を設けたことを特徴とする土木機械のバケット。 - 請求項3に記載された土木機械のバケットであって、
前記連動手段は、前記アーム、前記バケット本体、前記投入バケットを連結している4節リンク機構で構成されていることを特徴とする土木機械のバケット。 - 土木機械のアームの先端に揺動可能に設けられ、原料が投入される投入口と破砕された前記原料を排出するための排出口が形成されバケット本体と、
このバケット本体内に回転可能に設けられ、原料を破砕するために外周に1以上の破砕歯が設けられた破砕ロータと、
前記バケット本体に、一端側を中心に揺動可能に設けられ、前記バケット本体に投入された原料を前記破砕ロータ側に押し付ける押し付け部材と
を備えている土木機械のバケット。 - 請求項7に記載された土木機械のバケットであって、
前記押し付け部材は、前記原料を押し付ける部位が格子状に形成されていることを特徴とする土木機械のバケット。 - 請求項7又は8に記載された土木機械のバケットであって、
前記押し付け部材は、前記一端側と反対側に位置する他端側が前記バケット本体外に突き出し揺動する構成になっていることを特徴とする土木機械のバケット。 - 請求項7又は8に記載された土木機械のバケットにおいて、
前記バケット本体の内壁に設けられ前記破砕ロータの外周方向に沿って配置された1以上の反撥部材が配置されている
ことを特徴とする土木機械のバケット。
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