JP3778318B2 - 2サイクル内燃機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、燃焼室内混合気の吹抜けを阻止して、燃費および排気浄化性能を高めた2サイクル内燃機関に関し、さらに詳しくは、燃焼室と該燃焼室に隣接するチャンバー部との連通路に、該連通路を開閉自在に制御する制御弁を配設するとともに、該連通路を介して前記燃焼室に燃料または混合気を、前記チャンバーに高圧縮ガスを、それぞれ噴出もしくは充填する2サイクル内燃機関において、広い回転域にわたって燃料の供給が適正に行なわれるようにした2サイクル内燃機関に関する。
【0002】
【従来技術】
従来の2サイクル内燃機関では、気化器等により供給された燃料が吸入空気と混合され、この混合気がクランク室内に吸入された後、掃気開口を介して燃焼室に供給され、排気開口の開放時期が掃気開口の開放時期よりも早く(排気開口の開口上縁が掃気開口の開口上縁より高い)設定されているため、燃焼室内に供給された混合気が排気通路に排出され、いわゆる、吹抜けが生じ易かった。
【0003】
この吹抜けは、排気チャンバーの排気脈動効果により、抑制されるものの、全運転域に亘っては、抑制は困難であり、その結果、燃費と排気浄化性能とに影響が出ていた。
【0004】
これを解決するものとして、特開平3−100318号公報および特開平5−302521号公報の2サイクル内燃機関があった。
【0005】
特開平3−100318号公報に記載された2サイクル内燃機関では、クランク室に逆止弁を介して高圧室が接続され、該高圧室と燃焼室とは空気通路でもって接続され、該空気通路の下端に電磁弁が介装され、該空気通路の上端には、燃焼室に向って燃料を噴射し得る燃料噴射弁が設けられている。
【0006】
また、特開平5−302521号公報に記載された2サイクル内燃機関では、クランクケースとシリンダブロックとに隣接してチャンバーが配設され、クランク室とチャンバーとの間に吸気制御弁が介装されるとともに、該チャンバーとシリンダの燃焼室との間に掃気制御弁が介装され、該チャンバー内に向って燃料を噴射する燃料噴射弁が設けられている。
【0007】
【解決しようとする課題】
しかしながら、特開平3−100318号公報記載の2サイクル内燃機関においては、シリンダ側壁に燃焼室に臨んで燃料供給用開口を設け、該開口に向けて垂直に直に燃料噴射弁を配設しているため、噴霧は反対側の排気開口側のシリンダ壁に衝突して、そこに付着し易い。
【0008】
また、ピストンと噴霧が干渉しないように、噴霧時期を早めると、排気開口に吹き抜け易くなり、逆に噴霧時期を遅らせるために燃料供給用開口を高い位置に配設すると、燃料噴射弁が直接高温の燃焼ガスに曝され、噴射弁に高い耐熱性が要求される。
【0009】
また、特開平5−302521号公報記載の2サイクル内燃機関においては、掃気制御弁から噴射される混合気は、全ての掃気開口を介して燃焼室に供給される構造とされているため、混合気の排気開口からの吹抜けが避けられない。
【0010】
本出願人は、これら従来のものが有する問題点を解決したものとして、先に特願平8−269366号の出願をした。このものにおいては、図12に図示されるように、燃焼室013 の側方に燃料噴射装置に連なるチャンバー020 が並設され、該チャンバー020 と燃焼室013 との連通路021 に、該連通路021 を開閉自在に制御する制御弁が配設され、該連通路021 を介して燃焼室013 に燃料が、チャンバー020 に高圧縮ガスが、それぞれ供給もしくは充填されるようになっている。
【0011】
そして、前記連通路021 は、共通の1つの連通路021 からなり、前記制御弁は、一定の深さの周方向切欠き032aをもった回転弁032 として構成され、該回転弁032 は、掃気開口015 、041 閉塞時に前記連通路021 を連通させ、圧縮工程途中で前記連通路021 を閉塞させ、該連通路021 の閉塞時点より前に、チャンバー020 と燃焼室013 との圧力バランスに基づいて、燃焼室013 への燃料の流れとチャンバー020 への高圧縮ガスの流れとが入れ替わるようになっている。03はシリンダブロック、017 は排気開口、022 は混合気供給用(燃料供給用)兼高圧縮ガス取入れ用開口である。
【0012】
本出願人による前記出願のものは、前記のように構成されているので、掃気初期に空気のみによる掃気が行なわれ、混合気がそのまま燃焼室013 内を通過して排気通路016 へ排出される吹抜けが未然に阻止される。また、燃焼室013 に供給される燃料(濃混合気)は、燃焼室013 内で適正な濃度の混合気となり、良好な燃焼が得られるので、高水準の燃費と、高い排気浄化性能が達成され得る。
【0013】
しかしながら、本出願人による前記出願のものは、制御弁を構成する回転弁032 の周方向切欠き032aの深さが一定とされていたので、燃焼室013 に燃料が流れる時と、チャンバー020 に高圧縮ガスが流れる時とで、通路断面積は同じであった。
【0014】
この通路断面積は、燃料供給時、燃焼室013 内での燃料の霧化を良くするため、必要以上に大きくすることはできない。そこで、必要量の燃料を供給するのに、この通路断面積で不足する場合には、燃料が供給されている間のクランク回転角度を大きくして、すなわち、燃料供給時間を長くして、燃料供給の時間面積を稼ぐことにより、対処することができた。
【0015】
これに対して、燃焼室013 からチャンバー020 への高圧縮ガスの充填時には、高圧縮ガスが充填されている間のクランク回転角度を大きくとることができず、特に高回転域では、時間面積が足りなくなり、チャンバー020 への高圧縮ガスの充填量が不足することがあった。
【0016】
【課題を解決するための手段および効果】
本願の発明は、前記のような難点を克服した2サイクル内燃機関の改良に係り、その請求項1に記載された発明は、燃焼室と該燃焼室に隣接するチャンバー部との連通路に、該連通路を開閉自在に制御する制御弁を配設するとともに、前記連通路を介して前記燃焼室に燃料または混合気を、前記チャンバーに高圧縮ガスを、それぞれ噴出もしくは充填する2サイクル内燃機関において、前記連通路は、共通の1つの連通路からなり、前記制御弁は、前記連通路に設けられる第1制御弁と第2制御弁とからなり、前記第1制御弁は、圧縮工程途中で前記連通路を閉塞させ、前記第2制御弁は、掃気開口閉塞時に前記連通路を連通させ、前記第1制御弁と前記第2制御弁とは、回転体の周方向に連続して並設された回転弁として構成され、前記第1制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠き深さが、前記第2制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠き深さより深くされたことを特徴とする2サイクル内燃機関である。
【0017】
請求項1に記載された発明は、前記のように構成されているので、第1制御弁を構成する回転弁部の通路断面積を、第2制御弁を構成する回転弁部の通路断面積より大きくすることができ、第1制御弁が連通路を連通させている間のクランク回転角度が、第2制御弁が連通路を連通させている間のクランク回転角度より小さくても、燃焼室からチャンバーへの高圧縮ガスの充填の時間面積を稼ぐことができるので、十分な量の高圧縮ガスがチャンバーに充填されて、燃焼室への燃料供給に必要とされる空気量を広い回転域にわたって確保することができ、適正な燃料の供給と良好な噴霧が得られて、良好な燃焼が行なわれる。
【0018】
また、前記制御弁が設けられる部位は、シリンダ孔に至るシリンダ壁厚が比較的薄い部位であるが、該部位に形成される連通路を必要以上に大きくすることなく、前記のとおり、燃焼室からチャンバーへの高圧縮ガスの充填の時間面積を稼ぐことができるので、各種開口や部品のレイアウト上の自由度が増し、2サイクル内燃機関の製造が容易になる。
【0019】
また、請求項2記載のように請求項1記載の発明を構成することにより、第1制御弁が連通路を連通させている間のクランク回転角度と、第2制御弁が連通路を連通させている間のクランク回転角度とに差が生じて、前者が後者より小さくなっても、第1制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠きにより形成される通路断面積と、第2制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠きにより形成される通路断面積とに差を生じさせて、前者が後者より大きくなるようにすることによって、容積流量に相当する時間面積を、燃料の供給と高圧縮ガスの充填とについて、バランスさせることができるので、十分な量の高圧縮ガスがチャンバーに充填されて、燃焼室への燃料供給に必要とされる空気量に見合った空気量を広い回転域にわたって確保することができ、適正な燃料の供給と良好な噴霧が得られて、良好な燃焼が行なわれる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、先ず、図1ないし図11に図示される本願の請求項1および請求項2に記載された発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における火花点火式2サイクル内燃機関の縦断側面図、図2は図1の要部の拡大図、図3は、図1のIII −III 線で切断した横断側面図であって、混合気供給・高圧縮ガス取入れ用開口部分の横断面を重ねて示す図、図4は回転弁の縦断面図、図5は図4のV−V線で切断した断面図、図6はクランク角とチャンバー圧力との関係を示した線図、図7ないし図10は、本火花点火式2サイクル内燃機関の各工程時の状態を示した図、図11は、本火花点火式2サイクル内燃機関の運転サイクルを示した説明図である。
【0021】
これらの図において、火花点火式2サイクル内燃機関1は、図示されない自動二輪車に搭載されるもので、該火花点火式2サイクル内燃機関1では、クランクケース2の上方にシリンダブロック3およびシリンダヘッド4が順次重ねられて、相互に一体に結合されている。
【0022】
また、シリンダブロック3に形成されたシリンダ孔5にピストン6が上下に摺動自在に嵌装され、該ピストン6とクランク軸8とは連接棒7によって相互に連結されており、ピストン6の昇降に伴なってクランク軸8が回転駆動されるようになっている。
【0023】
さらに、車体後方から前方に指向した吸気通路10がクランクケース2の吸気通路10に接続され、該吸気通路10にはスロットル弁(図示されず)とリード弁12とが直列に介装され、スロットル弁は図示されない連結手段を介してスロットルグリップ(図示されず)に連結されており、スロットルグリップを一方向へ捩ると、スロットル弁の開度が増大するようになっている。
【0024】
さらにまた、クランクケース2およびシリンダブロック3には、シリンダ孔5の上部とクランク室9とを連通する左右2本ずつ、合計4本の空気供給用掃気通路14と、後述する混合気供給用(燃料供給用)兼高圧縮ガス取入れ用開口22下方に開口する後方の空気供給用掃気通路40との、全部で5本の空気供給用掃気通路が形成され、それらのシリンダ孔5側の端部は、開口15、41とされて、該シリンダ孔5に開口している。空気供給用掃気通路40は、リード弁12の後流側のクランクケース2の吸気通路10に直接連なっている。
【0025】
排気通路16のシリンダ孔5側排気開口17は、これら空気供給用掃気通路14、40の開口15、41より高い位置にまで延びて、後述する混合気供給用(燃料供給用)兼高圧縮ガス取入れ用開口22と対抗する位置に配置されている。18は排気通路16の排気開口17上縁近くに設けられた、排気断面積ならびに排気タイミングを可変とする排気制御弁である。
シリンダ孔5の上方の略半球形状の燃焼室13は、排気開口17寄りにオフセットされ、該燃焼室13に点火栓19が配設されている。
【0026】
車体後方寄りに位置して、燃焼室13側方のシリンダブロック3には、チャンバー20が並設されている。そして、該チャンバー20と燃焼室13(シリンダ孔5の上方部分)とを連通する連通路21の途中の弁収納孔23には、回転弁(制御弁)32が回転自在に嵌装され、該回転弁32は、図示されない伝動機構により、クランク軸8と反対方向 (図1で時計方向) に同一回転速度で回転駆動されるようになっている。
【0027】
前記連通路21には、燃焼室13からチャンバー20に高圧縮ガスが、また、チャンバー20から燃焼室13に混合気もしくは高圧縮ガスが流れる。そして、該連通路21における高圧縮ガスと混合気の流れは、回転弁32と、燃焼室13とチャンバー20との圧力バランスとにより、それぞれ所定のタイミングで連通・遮断制御される。
【0028】
図11から明らかなとおり、排気開口17の閉塞後、連通路21が連通されて、燃焼室13からチャンバー20に高圧縮ガスが充填されている間は短く、この間のクランク回転角度は小さいのに対して、掃気開口15、41の閉塞後、連通路21が連通されて、チャンバー20から燃焼室13に混合気が供給されている間は長く、この間のクランク回転角度は大きい。
【0029】
図6には、このように連通路21を各流体が流れ、入れ替わる間の、クランク角とチャンバー20内圧力との関係が図示されている。
【0030】
前記連通路21の燃焼室13との連通部位である混合気供給用(燃料供給用)兼高圧縮ガス取入れ用開口22は、充分な量の高圧縮ガスのチャンバー20への取り込みを容易にするため、また、燃料の霧化をよくするために、その縦方向長さが大きくされ、通路断面積が通路途中のそれよりかなり大きくされて、燃焼室13に向けて大きく広がった形状とされている(図1および図2参照)。
【0031】
前記連通路21は、本実施形態においては、回転弁32の制御部をはさんで、燃焼室13側の連通路21aと、チャンバー20側の斜上方に向いた連通路21bと、該連通路21bに対し直角に折曲され斜上方に向いた連通路21cとの3つの部分から構成されており、該連通路21cの端部が開口42を介してチャンバー20と連接されている(図2および図3参照)。なお、チャンバー20側の連通路21b、連通路21c、開口42からなる連通路系は、該チャンバー20を挟んで左右(図3において上下)対称に一対設けられている。
【0032】
そして、チャンバー20の左右両側に配置された図示されない2つの燃料噴射装置から噴射された燃料は、左右両翼の前記連通路21bを通って、チャンバー20内の高圧縮ガスを連通路21cを介して吸引しながら、濃混合気となって、回転弁32の制御部、連通路21a、開口22を介して燃焼室13へと噴射される。44は前記燃料噴射装置の取付け孔である。
【0033】
図4および図5には、回転弁32の断面図が示されている。
回転弁32の素材をなす回転体(回転弁本体)43の外周には、所定幅、所定長の深さの異なる2つの円弧状の切欠き43a 、43b が、深い方の切欠き43a は回転弁32の回転方向後方に、浅い方の切欠き43b は回転弁32の回転方向前方に、それぞれ位置するようにして、連続して並んで形成されている。
【0034】
そして、深い方の切欠き43a により形成される回転弁部が第1制御弁(高圧縮ガス充填制御弁)32a を、また、浅い方の切欠き43b により形成される回転弁部が第2制御弁(混合気噴射制御弁)32b を、それぞれ構成している。
【0035】
両制御弁32a 、32b の通路断面積は、前記のとおり、切欠き深さの相違により、第1制御弁32a の通路断面積の方が、第2制御弁32b の通路断面積より大きい。第2制御弁32b の先端は、混合気の噴霧が円滑になされるように、段差をなくして形成されている。
【0036】
第1制御弁32a 、第2制御弁32b の開閉、すなわち、連通路21の連通・閉塞のタイミングは、次のようになされる。
図11をも参照して、第2制御弁32b は、掃気開口15、41の閉塞時に連通路21を連通させ、チャンバー20から燃焼室13内に混合気を供給、噴射せしめる。また、第1制御弁32a は、圧縮工程途中所定のタイミングにて連通路21を閉塞させ、燃焼室13からチャンバー20への高圧縮ガスの充填を停止せしめる。
【0037】
この間、連通路21は、連続して連通状態に置かれるが、排気工程の終了後、燃焼室13の圧力とチャンバー20の圧力とが等しくなってバランスして以降は、連通路21内の流れは、チャンバー20から燃焼室13への混合気の供給から、燃焼室13からチャンバー20への高圧縮ガスの充填へと入れ替わる。そして、丁度この時点にて、第2制御弁32b を介した連通路21の連通状態から、第1制御弁32a を介した連通路21の連通状態へと、連通路21の連通状態が切り替わる。
【0038】
前記のとおり、燃焼室13からチャンバー20への高圧縮ガスの充填時間は短く、この間のクランク回転角度は小さいのに対して、チャンバー20から燃焼室13への混合気の供給時間は長く、この間のクランク回転角度は大きい。
【0039】
しかしながら、前記のとおり、第1制御弁32a の通路断面積の方が、第2制御弁32b の通路断面積より大きいので、第1制御弁32a を介した連通路21の連通状態において該連通路21を流れる高圧縮ガスの量は、第2制御弁32b を介した連通路21の連通状態において該連通路21を流れる混合気の量に見合った量となり、容積流量に相当する時間面積でみると、燃焼室13への混合気の供給の時間面積と、チャンバー20への高圧縮ガスの充填の時間面積とを、略バランスさせることができる。
【0040】
図示の火花点火式2サイクル内燃機関1は、前記のように構成されているので、次のように作動する。
図示されないスタータモータにより、クランク軸8が図1にて反時計方向へ回転駆動されると、図11に図示されるように、上死点(TDC)前90°の時点にて排気開口17がピストン6により閉塞されて圧縮工程に入る。
【0041】
そして、上死点(TDC)前略75°の時点にて、燃焼室13の圧力とチャンバー20の圧力とがバランスして、連通路21内の流れが、チャンバー20から燃焼室13への混合気の供給から、燃焼室13からチャンバー20への高圧縮ガスの充填へと入れ替わる。連通路21の連通状態も、前記のとおり、第2制御弁32b を介した連通路21の連通状態から、第1制御弁32a を介した連通路21の連通状態へと切り替わる。高圧縮ガスは、連通路21の燃焼室13側端部の混合気供給用兼高圧縮ガス取入れ用開口22から取り入れられ、連通路21、第1制御弁32a を介してチャンバー20へと充填される。
【0042】
その後、まもなくして開口22がピストン6により閉塞され、チャンバー20への高圧縮ガスの充填が終了する。
さらに燃焼室13が圧縮され、上死点前所定タイミングにて点火栓19が点火され、また、ピストン6の上昇によりクランク室9は膨張を続けて、吸気が続行される(図9)。
【0043】
そして、上死点(TDC)に達した以後、燃焼室13内の混合気が燃焼して膨張するとともに、ピストン6の下降によりクランク室9は圧縮され、クランク室9内の空気は圧縮される(図10)。
さらに、上死点(TDC)から90°経過した時点 (排気制御弁18の上下位置で変動する) で、排気開口17が開放され、燃焼ガスが排気通路16より排出される。
【0044】
さらにまた、上死点(TDC)から約122 °経過した時点で、ピストン6の下降により掃気開口15、41が開口され、クランク室9内の圧縮された空気 (燃料を含んでいない) が空気供給用掃気通路14、40を介して掃気開口15、41より燃焼室13内に流入し、燃焼室13内の既燃焼ガスが排気開口17の方に向って押し出され、空気のみによる掃気が行なわれ、それと同時に燃料噴射装置(図示されず)より燃料が、連通路21bに向けて噴出される(図7)。
【0045】
次に、下死点(BDC)から約58°経過した時点で掃気開口15、41がピストン6の上昇により閉塞され、掃気開口15、41からの空気の流入による掃気が停止されるとともに、ほぼこの時点から、第2制御弁32b が連通路21を開通させ、混合気が開口22から燃焼室13内に噴射され、残留既燃ガスを掃気し、同時に、ピストン6の上昇によるクランク室9の膨張でもって、吸気通路10よりリード弁12を介してクランク室9内に空気が吸入される。なお、前記残留既燃ガスの掃気に際し、混合気の吹抜けはほとんどない(図8)。
【0046】
本実施形態における火花点火式2サイクル内燃機関1は、前記のように構成され、前記のように作動するので、次のような効果を奏することができる。
本火花点火式2サイクル内燃機関1では、掃気初期に空気のみによる掃気が行なわれるので、混合気がそのまま燃焼室13内を通過して排気通路16へ排出される吹抜けが未然に阻止され、燃費の向上と未燃ガスによる大気汚染の防止が達成され得る。
【0047】
また、チャンバー20に充填された空気と燃料噴射装置より噴射された燃料とにより連通路21内において生成される混合気は、濃い混合気であり、これが、空気供給用掃気通路14、40を通過した燃料を含まない空気によって充分に掃気された燃焼室13内に流入するので、該燃焼室13内で適正な濃度の混合気となり、良好な燃焼が得られて、高水準の燃費と、高い排気浄化性能が達成され得る。
【0048】
また、第1制御弁32a を構成する回転弁部の通路断面積を、第2制御弁32b を構成する回転弁部の通路断面積より大きくしているので、第1制御弁32a が連通路21を連通させている間のクランク回転角度(高圧縮ガスの充填時間に相当)が、第2制御弁32b が連通路21を連通させている間のクランク回転角度(混合気の供給時間に相当)より小さくても、燃焼室13からチャンバー20への高圧縮ガスの充填量を増やすことができ、容積流量に相当する時間面積でみた場合、燃焼室13への混合気の供給とチャンバー20への高圧縮ガスの充填とについて、両者の量を略バランスさせることができる。
【0049】
したがって、十分な量の高圧縮ガスがチャンバー20に充填されて、燃焼室13への燃料供給に必要とされる空気量を広い回転域にわたって確保することができることとなり、適正な燃料の供給と良好な噴霧が得られて、良好な燃焼が行なわれる。
【0050】
また、前記回転弁(制御弁)32が設けられる部位は、シリンダ孔5に至るシリンダ壁厚が比較的薄い部位であるが、該部位に形成される連通路21を必要以上に大きくすることなく、前記のとおり、燃焼室13からチャンバー20への高圧縮ガスの充填の時間面積を稼ぐことができるので、各種開口や部品のレイアウト上の自由度が増し、2サイクル内燃機関1の製造が容易になる。
【0051】
本実施形態において、燃焼室13とチャンバー20とを連通する連通路21と、該連通路21に配設される回転弁(制御弁)32との組合せは、一組とされたが、同様の組合せが複数組、収納孔23内に該回転弁32の軸方向に並設されて使用されてもよく、そのために、前記一組が複数組に分割されて、各組間が気密に僅かの距離を隔てて使用されるようにしてもよい。このようにすると、噴霧燃料によりきめの細かな指向性を付与することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1および請求項2に記載された発明の一実施形態における火花点火式2サイクル内燃機関の縦断側面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】図1のIII −III 線で切断した横断側面図であって、混合気供給用兼高圧縮ガス取入れ用開口部分の横断面を重ねて示した図である。
【図4】図1の実施形態において、回転弁の縦断面図である。
【図5】図4のV−V線で切断した断面図である。
【図6】図1の実施形態において、クランク角とチャンバー圧力との関係を示した線図である。
【図7】図1の実施形態において、火花点火式2サイクル内燃機関の運転状態を示した図である。
【図8】図1の実施形態において、火花点火式2サイクル内燃機関の他の運転状態を示した図である。
【図9】図1の実施形態において、火花点火式2サイクル内燃機関のさらに他の運転状態を示した図である。
【図10】図1の実施形態において、火花点火式2サイクル内燃機関のさらに他の運転状態を示した図である。
【図11】図1の実施形態において、火花点火式2サイクル内燃機関の運転サイクルを示した説明図である。
【図12】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1…火花点火式2サイクル内燃機関、2…クランクケース、3…シリンダブロック、4…シリンダヘッド、5…シリンダ孔、6…ピストン、7…連接棒、8…クランク軸、9…クランク室、10…吸気通路、12…リード弁、13…燃焼室、14…空気供給用掃気通路、15…掃気開口、16…排気通路、17…排気開口、18…排気制御弁、19…点火栓、20…チャンバー、21…連通路、22…混合気供給用(燃料供給用)兼高圧縮ガス取入れ用開口、23…弁収納孔、32…回転弁(制御弁)、32a …第1制御弁(高圧縮ガス充填制御弁)、32b …第2制御弁(混合気噴射制御弁)、40…空気供給用掃気通路、41…掃気開口、42…開口、43…回転体(回転弁本体)、43a …円弧状切欠き、43b …円弧状切欠き、44…取付け孔。

Claims (2)

  1. 燃焼室と該燃焼室に隣接するチャンバー部との連通路に、該連通路を開閉自在に制御する制御弁を配設するとともに、前記連通路を介して前記燃焼室に燃料または混合気を、前記チャンバーに高圧縮ガスを、それぞれ噴出もしくは充填する2サイクル内燃機関において、
    前記制御弁は、前記連通路に設けられる第1制御弁と第2制御弁とからなり、
    前記第1制御弁は、圧縮工程途中で前記連通路を閉塞させ、
    前記第2制御弁は、掃気開口閉塞時に前記連通路を連通させ、
    前記第1制御弁と前記第2制御弁とは、回転体の周方向に連続して並設された回転弁として構成され、
    前記第1制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠き深さが、前記第2制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠き深さより深くされたことを特徴とする2サイクル内燃機関。
  2. 前記第1制御弁が連通路を連通させている間のクランク回転角度に相当する時間と、前記第1制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠きにより形成される通路断面積との積が、前記第2制御弁が連通路を連通させている間のクランク回転角度に相当する時間と、前記第2制御弁を構成する回転弁部の周方向切欠きにより形成される通路断面積との積と、略バランスするようにされたことを特徴とする請求項1記載の2サイクル内燃機関。
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