JP3777850B2 - 図形データ転送装置及び図形出力システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字フォントやグラフィックスなど制御点の組によって形状が規定される図形の図形データを、その図形データを保持する装置から図形画像を出力する装置まで転送する際の転送データ量の低減のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータで作成した文書を印刷装置で印刷する場合、文字フォントとして印刷装置が持つネイティブフォントを利用する方式と、コンピュータが持つフォントを印刷装置にダウンロードして利用する方式とがある。近年では、印刷装置側に搭載できるフォントデータ量の制限や、コンピュータ側の画面で見たそのままの印刷結果が欲しいという要望から、後者のダウンロードフォント印刷方式がよく用いられるようになっている。
【0003】
フォントのデータ形式は、ビットマップ形式とアウトライン形式の2種類に大別できる。ビットマップ形式は、文字の形をドットの集まりとして表現する方式である。一方、アウトライン形式は、文字の輪郭を規定する複数の制御点により文字形状を表現する方式であり、アウトラインフォントはベクタフォントとも呼ばれる。アウトラインフォントは、印刷装置側で制御点情報に基づきフォントをレンダリングする処理が必要となるが、データ量は一般にビットマップフォントより小さく、しかも1つのアウトラインフォントで広い文字サイズの範囲に対応できるという利点がある。
【0004】
近年のコンピュータでは、ワードプロセッサやDTPなどに対応するために極めて多くのフォントセットの情報を持つ必要があるため、フォントセットをビットマップ形式でそろえるのは記憶容量その他の点から見て困難である。このため、多くのフォントデータは、アウトライン形式で格納されているのが通常である。
【0005】
アウトライン形式のフォントを用いる場合、コンピュータ側では、印字対象の文字のアウトラインフォントの元データから、指定された文字サイズに適合した制御点の座標を求め、これら制御点の情報をフォントデータとして印刷装置にダウンロードすることになる。
【0006】
制御点の座標は、予め定められた文字の原点からの相対座標で表され、その座標値は、予め定められたデータ形式で表現される。例えば、マイクロソフト(Microsoft)社のオペレーティングシステム(OS)、WINDOWS95(商標)などが提供するTrueType(商標)フォントはアウトラインフォントであるが、このOSから提供されるアウトラインフォントの制御点の座標値は、整数部16ビット、小数部16ビット、合計32ビット(4バイト)の固定小数点数で表される。1つの制御点にはx、yの2つの座標があるので、1制御点当たり8バイトのデータ量となる。
【0007】
このWINDOWS環境でアウトラインフォントを用いて印刷を行う場合、プリンタドライバは、アプリケーションから印字対象の文字の書体やサイズなどの情報を受け取り、WINDOWSに対し、それに適合したアウトラインフォントデータの作成を依頼することになる。この依頼に対して、WINDOWSは、指示された書体、文字サイズ等の条件に適したフォントの各制御点の座標値を求め、これを上述の座標データ形式で表現してフォントデータを作成し、これをプリンタドライバに返す。プリンタドライバは、このフォントデータを、印刷指示データに埋め込んで印刷装置にダウンロードする。ここで、従来のプリンタドライバは、WINDOWSから提供されたフォントの制御点座標値をそのままダウンロードするか、あるいはデータ長の同じ32ビットの浮動小数点数に変換してからダウンロードするかのいずれかであった。後者は、印刷装置側が固定小数点数に対応していない場合である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の整数部16ビット、小数部16ビットという座標データのデータ形式は、非常に大きな文字も想定した余裕のあるフォーマットであり、通常よく用いられる大きさの文字では使用しないビットも多い。したがって、従来のように、そのデータ形式のデータをそのまま又は同じデータ長の浮動小数点形式でダウンロードしたのでは、不必要に大きなデータ幅を消費することになりかねない。
【0009】
この問題は、アウトラインフォントに限ったことではなく、また上記特定のOSに限ったことでもない。描画系のソフトウエアが扱う図形(グラフィックス)やCADソフトウエアが扱う図形のデータも制御点によって規定される場合が多く、その制御点の座標のデータ形式も大きなサイズを扱うことを考慮して余裕を持ったデータ長となっていることが多い。したがって、そのようなソフトウエアで生成された図形データについても、上記データ転送時の無駄の問題が当てはまる。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、文字フォントやグラフィックスなど制御点で表される図形のデータを、印刷装置などの画像出力装置に転送する際に、その転送データ量を削減するための技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る図形データ転送装置は、所定データ長の座標値の組で表される複数の制御点によって図形を規定した図形データを保持し、ユーザからの指示に応じて、図形出力装置に図形データを転送する装置であって、図形のサイズに応じて段階的にデータ長の異なる複数の座標データ形式を保持する手段と、転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段と、転送対象の図形データの制御点の座標値を、サイズ取得手段で求めたサイズに応じたデータ形式に変換して前記図形出力装置に転送する手段とを有する。
【0012】
ここで、「図形」には文字のフォントも含まれる。制御点により図形の形状を規定する図形データの場合、図形が小さければ、制御点の座標の値も小さくなるので、より小さいデータ長で座標を表現できる。この構成では、図形データを図形出力装置に転送する際、その図形のサイズに応じた無駄の少ないデータ形式を用いて制御点の座標値を表すことにより、転送する図形データのデータ量を低減することができる。
【0013】
また本発明は、図形データの制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換する変換手段と、転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段と、サイズ取得手段で求めたサイズが、制御点の座標値が前記小図形用データ形式に収容しうる範囲のサイズの場合は、転送対象の図形データの制御点の座標値を前記データ形式変換手段にて小図形用データ形式に変換し、小図形用座標データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に前記画像出力装置に転送する転送制御手段とを有する。
【0014】
この構成によれば、図形サイズが小さい場合は、図形データの制御点の座標値を、元のデータ形式よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換して転送するので、転送データ量を低減できる。
【0015】
また、本発明は、コンピュータを、上記の各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。ここで、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、フロッピーディスク、CD−ROM(コンパクトディスク−リード・オンリー・メモリ)、ハードディスク、ROM(リード・オンリー・メモリ)など、プログラムをコンピュータ読み取り可能な形態・方式で記録するすべての情報記録媒体が含まれる。このような記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのメインメモリ上にロードされ、CPU(中央処理装置)にて実行されることにより、上記各機能を達成する。なお、上記プログラムを通信媒体を経由して、コンピュータに付属した固定ディスク装置にインストール又はメインメモリにロードして実行するような形態も本発明の態様に含まれる。
【0016】
また、本発明に係る図形出力システムは、所定データ長の座標値の組で表される制御点によって図形を表現する図形データを保持する図形データ管理装置と、この装置から転送された図形データから前記図形の画像を形成して出力する画像出力装置とを有するシステムであって、前記図形データ管理装置は、前記図形データに表現された図形のサイズを取得する手段と、取得した図形サイズが所定のしきい値より小さい場合、前記図形データの制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長が短い所定の小図形用データ形式に変換し、小図形用データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に画像出力装置に転送する手段とを有し、前記画像出力装置は、受け取った図形データが、前記識別情報を伴っているか否かを判別する手段と、該図形データが前記識別情報を伴っていると判別された場合は、該図形データの制御点の座標値を、前記小図形用データ形式で解釈して描画処理を行う手段とを有することを特徴とする。
【0017】
このシステムによれば、図形サイズが小さい場合は、図形データの制御点の座標値を、元のデータ形式よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換して転送するので、転送データ量を低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。以下では、ダウンロードフォント印刷方式に従ってコンピュータから印刷装置へアウトラインフォントデータを転送する場合の構成を例にとって説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の制御点座標フォーマットの変換方式を説明するための図である。この図は、印刷装置に印刷を依頼する側のコンピュータのプリンタドライバ又はそれに類する手段で行われる処理を表している。プリンタドライバは、ダウンロードフォント方式を用いる場合、フォントのデータを所定のソース(供給源)から取得する。図示の例では、フォントのソースはオペレーティングシステム(OS)であり、OSから供給されるアウトラインフォントの制御点の座標値は、X,Y座標各々が整数部16ビット、小数部16ビットの固定小数点形式で表現されている。このデータ形式をここではソースフォーマット10と呼ぶ。
【0020】
制御点の座標値は、予め定められたフォントの基準点(文字枠の左下隅など)からみた相対座標である。フォントをページ上にレンダリングする際には、ページ上での基準点の座標に、フォントデータ内の制御点の座標値が加えられ、各制御点のページ上での絶対座標が定まる。このようなフォーマットのフォント制御点座標情報を供給するOSとしては、例えば前述のマイクロソフト社のWINDOWS(商標)がある。
【0021】
このソースフォーマット10に対し、プリンタドライバは、制御点の座標データの転送(ダウンロード)の際のデータ形式として、大サイズ用転送フォーマット12及び小サイズ用転送フォーマット14の2種類のフォーマットを用意している。大サイズ用転送フォーマット12は、X,Y座標各々を32ビットの浮動小数点形式で表現する形式であり、これは従来のプリンタドライバ・印刷装置間の座標データ転送形式として用いられていたものである。なお、このフォーマットで浮動小数点形式を採用するのは、主として従来の印刷装置との互換性のためであり、大サイズ用転送フォーマット12としては、ソースフォーマット10をそのまま用いてももちろん良い。
【0022】
一方、小サイズ用転送フォーマット14は、X,Y座標各々を整数部10ビット、小数部6ビットの固定小数点形式で表現する形式である。この小サイズ用転送フォーマット14は、ソースフォーマット10や大サイズ用転送フォーマット12と比べるとデータ長が半分となっている。したがって、このフォーマットを用いれば、制御点データを従来の約半分に減らすことができる。ただし、このようにデータ長を削減した結果、小サイズ用転送フォーマット14で表現可能なフォントのサイズは制限されることになる。すなわち、このフォーマットでは、基準点から見た制御点の座標が、このフォーマットで表せる最大値以下となる範囲の文字しか表現できない。もっとも、この整数部10ビット、小数部6ビットというフォーマットは、例えばWINDOWSシステムで約40ポイントのサイズの文字まで表すことができ、通常よく用いられる文字サイズの範囲をカバーしている。また、このフォーマットは小数部が6ビットなので、厳密に言えば、16ビットの小数部を有するソースフォーマット10と比べて座標の精度が落ちることになるが、実際のフォントではそれほど精密な座標値が定められていることはほとんどなく、6ビット長の小数部でも実用上精度の問題はほとんど生じない。
【0023】
本実施形態に係るプリンタドライバは、制御点座標をソースフォーマット10で表したフォントデータをOSから取得し、そのフォントの文字サイズが小サイズ用転送フォーマット14に収まるサイズの場合は、各制御点座標を小サイズ用転送フォーマット14に変換し、印刷装置に送信する。この変換は、基本的に、整数部の上位6ビット、小数部の下位10ビットを削除することにより行える。制御点座標が小サイズ用転送フォーマット14に収まらないような大きな文字サイズの場合は、従来の方法で各制御点座標を32ビット浮動小数点形式に変換し、印刷装置に送信する。
【0024】
図2は、本実施形態を適用した印刷システムの一例を示す機能ブロック図である。このシステムは、印刷対象の文書を作成するホストコンピュータ100(以下単にホストと呼ぶ)と、印刷処理を行う印刷装置200がネットワーク300を介して接続された構成を採っている。ホスト100や印刷装置200には様々な構成要素が含まれ、またその中の構成要素、例えばプリンタドライバ、にも様々な構成要素が含まれるが、図2では本発明に概念に関係の少ない構成要素については図示を省略している。
【0025】
ホスト100において、ワードプロセッサやDTPなどのアプリケーション120にて、作成した原稿の印刷がユーザから指示された場合、プリンタドライバ110がその原稿のデータから、印刷装置200で扱える形式の印刷指示データを作成し、ネットワーク300を介して印刷装置200に送信する。印刷指示データは、例えばPostScript(登録商標)などのページ記述言語で記述される。この印刷指示データの作成の際、使用フォントに関する設定として、フォントをダウンロードして用いる旨の設定があった場合、フォントデータを印刷指示データの中に組み込む。この処理を行うのがフォント処理部112である。フォント処理部112では、出力フォント情報生成部114が、アプリケーション120の原稿データ全体又は個々の文字や文字列に対して設定された、書体や文字サイズなどの指定値を読み取り、これに適合するフォントをOS130に要求する。これに応じ、OS130は、保持しているフォント情報132に基づき、要求された条件を満たすフォントデータを作成し、出力フォント情報生成部114に変える。ここまでの処理は、ビットマップフォントを用いる場合もアウトラインフォントを用いる場合も同様である。もっとも、本実施形態の座標データ形式の変換制御は、制御点で形状を規定したアウトラインフォントを対象としたものなので、以下ではダウンロードフォントの形式としてアウトライン形式が選択された場合について、説明する。
【0026】
この場合、OS130から出力フォント情報生成部114に返されてくるアウトラインフォントデータは、制御点の座標が前述のソースフォーマット10で表されている。本実施形態では、この制御点座標のデータ量を削減するために、制御点データ調整部116を設けている。この制御点データ調整部116の処理を図3を参照して説明する。
【0027】
まず、制御点データ調整部116は、転送対象の文字の文字サイズの指定値を原稿データから取得する(S10)。そして、この文字サイズを、所定のしきい値と比較する(S12)。このしきい値は、文字サイズがこのしきい値より小さければ、制御点座標が小サイズ用転送フォーマット14に収まることが確実に保証できるような値として、予め例えば多数のフォントデータの解析などを行って定めている。
【0028】
S12の判定の結果、文字サイズがしきい値より小さい場合は、制御点データ調整部116は、OS130から得たアウトラインフォントの制御点座標を、小サイズ用転送フォーマットの形式に変換し、出力フォント情報生成部114に渡す(S14)。一方、文字サイズがしきい値以上の場合は、OS130から得たフォントの制御点座標を、大サイズ用転送フォーマットに変換し、出力フォント情報生成部114に渡す(S16)。
【0029】
制御点データ調整部116からフォーマット変換されたフォントデータを得た出力フォント情報生成部114は、そのフォントデータの制御点座標が小サイズ用転送フォーマット14又は大サイズ用転送フォーマット12のいずれで表されているかを識別するための識別情報を付加した上で、そのフォントデータを印刷指示データに組み込む。そして、プリンタドライバ110は、このようにしてフォントデータを組み込んだ印刷指示データをネットワーク300を介して印刷装置200に送信する。
【0030】
印刷装置200では、ページ記述言語のインタプリタ210が印刷指示データの記述を解釈し、原稿の各ページの画像を形成する。そして、形成されたページ画像が用紙上に印刷されることになる。ここで、インタプリタ210では、アウトラインフォントのレンダリングの際に、座標形式判定部212にてそのフォントの制御点座標のデータ形式が小サイズ用転送フォーマット14又は大サイズ用転送フォーマット12のいずれであるかを判別し、そのデータ形式に従ってフォントデータの制御点部分のデータを解釈する。データ形式の判別は、前述の識別情報により行う。このような一連の処理により、印刷が完了する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、文字サイズが小さい場合は、フォントの制御点座標を、ソースフォーマット10よりもデータ長の小さい所定のフォーマットに変換するので、フォントデータのサイズが小さくなり、フォントを組み込んだ印刷指示データの転送時間やネットワーク300の負荷を低減することができる。なお、制御点座標のフォーマット変換は、ソフトウエア的に実装することもできるし、ハードウエア的に実装することもできる。
【0032】
制御点座標のフォーマット変換は、文字サイズ属性が設定された文字列ごとに行ってもよいし、もっと大きい単位、例えばページ単位、文書単位で行ってもよい。前者(文字列単位)の場合、印刷装置200で各文字列ごとに制御点座標のフォーマットを識別する必要があるため、印刷装置200の処理負担が大きくなるが、転送するフォントデータのデータ量は大幅に低減できる。これに対し、後者(ページ単位又は文書単位)は、ページ単位の場合は当該ページ、文書単位の場合は文書の中に、1つでもしきい値を超える文字サイズの文字があった場合には、大サイズ用転送フォーマット12を採用するという方式である。この方式では、文字列単位の場合ほどデータ量の削減効果は得られないが、印刷装置200の処理負担は軽減できる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態についてその構成及び効果を説明した。以上では、制御点座標のデータ形式は2種類であったが、データ長が段階的に異なるもっと多くのデータ形式を用意し、文字サイズに応じてデータ形式を選択するようにすれば、転送するフォントのデータ量を更に削減することができる。
【0034】
また、以上では文字のアウトラインフォントを例にとって説明したが、これに限らず、本発明は、制御点の組で図形を規定する描画系のソフトウエアやCADソフトウエアなどにも適用することができる。この場合、図形のサイズに応じてデータ形式を選択することになるが、図形データでは文字のようにサイズが属性として与えられていない場合が多い。そのような場合には、制御点の座標値の最大値からサイズを判別するなどの処理が必要となる。
【0035】
また、以上では、文字や図形のデータをプリンタドライバから印刷装置に転送する場合を例にとって説明したが、本発明は、このような場合に限らず、制御点の組で表された文字や図形のデータに基づきその文字や図形の可視的出力を形成できる画像出力装置に対し、コンピュータからそれら文字や図形のデータを転送する場合一般に適用可能である。
【0036】
以上に説明した制御点座標のデータ形式を文字や図形のサイズに応じて変換する機能を持つプリンタドライバその他の制御ソフトウエアは、例えばフロッピーディスクやCD−ROMなどの記録媒体の形態、あるいは通信回線を介して供給され、これを例えばコンピュータに付属する固定ディスク装置にインストールすることにより、所定の機能を果たすようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の制御点座標フォーマットの変換方式を説明するための図である。
【図2】 実施形態の印刷システムの一例を示す機能ブロック図である。
【図3】 制御点データ調整部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ソースフォーマット、12 大サイズ用転送フォーマット、14 小サイズ用転送フォーマット、100 ホストコンピュータ、110 プリンタドライバ、112 フォント処理部、114 出力フォント情報生成部、116 制御点データ調整部、120 アプリケーション、130 OS(オペレーティングシステム)、132 フォント情報、200 印刷装置、210 インタプリタ、212 座標形式判定部、300 ネットワーク。
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字フォントやグラフィックスなど制御点の組によって形状が規定される図形の図形データを、その図形データを保持する装置から図形画像を出力する装置まで転送する際の転送データ量の低減のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータで作成した文書を印刷装置で印刷する場合、文字フォントとして印刷装置が持つネイティブフォントを利用する方式と、コンピュータが持つフォントを印刷装置にダウンロードして利用する方式とがある。近年では、印刷装置側に搭載できるフォントデータ量の制限や、コンピュータ側の画面で見たそのままの印刷結果が欲しいという要望から、後者のダウンロードフォント印刷方式がよく用いられるようになっている。
【0003】
フォントのデータ形式は、ビットマップ形式とアウトライン形式の2種類に大別できる。ビットマップ形式は、文字の形をドットの集まりとして表現する方式である。一方、アウトライン形式は、文字の輪郭を規定する複数の制御点により文字形状を表現する方式であり、アウトラインフォントはベクタフォントとも呼ばれる。アウトラインフォントは、印刷装置側で制御点情報に基づきフォントをレンダリングする処理が必要となるが、データ量は一般にビットマップフォントより小さく、しかも1つのアウトラインフォントで広い文字サイズの範囲に対応できるという利点がある。
【0004】
近年のコンピュータでは、ワードプロセッサやDTPなどに対応するために極めて多くのフォントセットの情報を持つ必要があるため、フォントセットをビットマップ形式でそろえるのは記憶容量その他の点から見て困難である。このため、多くのフォントデータは、アウトライン形式で格納されているのが通常である。
【0005】
アウトライン形式のフォントを用いる場合、コンピュータ側では、印字対象の文字のアウトラインフォントの元データから、指定された文字サイズに適合した制御点の座標を求め、これら制御点の情報をフォントデータとして印刷装置にダウンロードすることになる。
【0006】
制御点の座標は、予め定められた文字の原点からの相対座標で表され、その座標値は、予め定められたデータ形式で表現される。例えば、マイクロソフト(Microsoft)社のオペレーティングシステム(OS)、WINDOWS95(商標)などが提供するTrueType(商標)フォントはアウトラインフォントであるが、このOSから提供されるアウトラインフォントの制御点の座標値は、整数部16ビット、小数部16ビット、合計32ビット(4バイト)の固定小数点数で表される。1つの制御点にはx、yの2つの座標があるので、1制御点当たり8バイトのデータ量となる。
【0007】
このWINDOWS環境でアウトラインフォントを用いて印刷を行う場合、プリンタドライバは、アプリケーションから印字対象の文字の書体やサイズなどの情報を受け取り、WINDOWSに対し、それに適合したアウトラインフォントデータの作成を依頼することになる。この依頼に対して、WINDOWSは、指示された書体、文字サイズ等の条件に適したフォントの各制御点の座標値を求め、これを上述の座標データ形式で表現してフォントデータを作成し、これをプリンタドライバに返す。プリンタドライバは、このフォントデータを、印刷指示データに埋め込んで印刷装置にダウンロードする。ここで、従来のプリンタドライバは、WINDOWSから提供されたフォントの制御点座標値をそのままダウンロードするか、あるいはデータ長の同じ32ビットの浮動小数点数に変換してからダウンロードするかのいずれかであった。後者は、印刷装置側が固定小数点数に対応していない場合である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の整数部16ビット、小数部16ビットという座標データのデータ形式は、非常に大きな文字も想定した余裕のあるフォーマットであり、通常よく用いられる大きさの文字では使用しないビットも多い。したがって、従来のように、そのデータ形式のデータをそのまま又は同じデータ長の浮動小数点形式でダウンロードしたのでは、不必要に大きなデータ幅を消費することになりかねない。
【0009】
この問題は、アウトラインフォントに限ったことではなく、また上記特定のOSに限ったことでもない。描画系のソフトウエアが扱う図形(グラフィックス)やCADソフトウエアが扱う図形のデータも制御点によって規定される場合が多く、その制御点の座標のデータ形式も大きなサイズを扱うことを考慮して余裕を持ったデータ長となっていることが多い。したがって、そのようなソフトウエアで生成された図形データについても、上記データ転送時の無駄の問題が当てはまる。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、文字フォントやグラフィックスなど制御点で表される図形のデータを、印刷装置などの画像出力装置に転送する際に、その転送データ量を削減するための技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る図形データ転送装置は、所定データ長の座標値の組で表される複数の制御点によって図形を規定した図形データを保持し、ユーザからの指示に応じて、図形出力装置に図形データを転送する装置であって、図形のサイズに応じて段階的にデータ長の異なる複数の座標データ形式を保持する手段と、転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段と、転送対象の図形データの制御点の座標値を、サイズ取得手段で求めたサイズに応じたデータ形式に変換して前記図形出力装置に転送する手段とを有する。
【0012】
ここで、「図形」には文字のフォントも含まれる。制御点により図形の形状を規定する図形データの場合、図形が小さければ、制御点の座標の値も小さくなるので、より小さいデータ長で座標を表現できる。この構成では、図形データを図形出力装置に転送する際、その図形のサイズに応じた無駄の少ないデータ形式を用いて制御点の座標値を表すことにより、転送する図形データのデータ量を低減することができる。
【0013】
また本発明は、図形データの制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換する変換手段と、転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段と、サイズ取得手段で求めたサイズが、制御点の座標値が前記小図形用データ形式に収容しうる範囲のサイズの場合は、転送対象の図形データの制御点の座標値を前記データ形式変換手段にて小図形用データ形式に変換し、小図形用座標データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に前記画像出力装置に転送する転送制御手段とを有する。
【0014】
この構成によれば、図形サイズが小さい場合は、図形データの制御点の座標値を、元のデータ形式よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換して転送するので、転送データ量を低減できる。
【0015】
また、本発明は、コンピュータを、上記の各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。ここで、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、フロッピーディスク、CD−ROM(コンパクトディスク−リード・オンリー・メモリ)、ハードディスク、ROM(リード・オンリー・メモリ)など、プログラムをコンピュータ読み取り可能な形態・方式で記録するすべての情報記録媒体が含まれる。このような記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのメインメモリ上にロードされ、CPU(中央処理装置)にて実行されることにより、上記各機能を達成する。なお、上記プログラムを通信媒体を経由して、コンピュータに付属した固定ディスク装置にインストール又はメインメモリにロードして実行するような形態も本発明の態様に含まれる。
【0016】
また、本発明に係る図形出力システムは、所定データ長の座標値の組で表される制御点によって図形を表現する図形データを保持する図形データ管理装置と、この装置から転送された図形データから前記図形の画像を形成して出力する画像出力装置とを有するシステムであって、前記図形データ管理装置は、前記図形データに表現された図形のサイズを取得する手段と、取得した図形サイズが所定のしきい値より小さい場合、前記図形データの制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長が短い所定の小図形用データ形式に変換し、小図形用データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に画像出力装置に転送する手段とを有し、前記画像出力装置は、受け取った図形データが、前記識別情報を伴っているか否かを判別する手段と、該図形データが前記識別情報を伴っていると判別された場合は、該図形データの制御点の座標値を、前記小図形用データ形式で解釈して描画処理を行う手段とを有することを特徴とする。
【0017】
このシステムによれば、図形サイズが小さい場合は、図形データの制御点の座標値を、元のデータ形式よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換して転送するので、転送データ量を低減できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。以下では、ダウンロードフォント印刷方式に従ってコンピュータから印刷装置へアウトラインフォントデータを転送する場合の構成を例にとって説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の制御点座標フォーマットの変換方式を説明するための図である。この図は、印刷装置に印刷を依頼する側のコンピュータのプリンタドライバ又はそれに類する手段で行われる処理を表している。プリンタドライバは、ダウンロードフォント方式を用いる場合、フォントのデータを所定のソース(供給源)から取得する。図示の例では、フォントのソースはオペレーティングシステム(OS)であり、OSから供給されるアウトラインフォントの制御点の座標値は、X,Y座標各々が整数部16ビット、小数部16ビットの固定小数点形式で表現されている。このデータ形式をここではソースフォーマット10と呼ぶ。
【0020】
制御点の座標値は、予め定められたフォントの基準点(文字枠の左下隅など)からみた相対座標である。フォントをページ上にレンダリングする際には、ページ上での基準点の座標に、フォントデータ内の制御点の座標値が加えられ、各制御点のページ上での絶対座標が定まる。このようなフォーマットのフォント制御点座標情報を供給するOSとしては、例えば前述のマイクロソフト社のWINDOWS(商標)がある。
【0021】
このソースフォーマット10に対し、プリンタドライバは、制御点の座標データの転送(ダウンロード)の際のデータ形式として、大サイズ用転送フォーマット12及び小サイズ用転送フォーマット14の2種類のフォーマットを用意している。大サイズ用転送フォーマット12は、X,Y座標各々を32ビットの浮動小数点形式で表現する形式であり、これは従来のプリンタドライバ・印刷装置間の座標データ転送形式として用いられていたものである。なお、このフォーマットで浮動小数点形式を採用するのは、主として従来の印刷装置との互換性のためであり、大サイズ用転送フォーマット12としては、ソースフォーマット10をそのまま用いてももちろん良い。
【0022】
一方、小サイズ用転送フォーマット14は、X,Y座標各々を整数部10ビット、小数部6ビットの固定小数点形式で表現する形式である。この小サイズ用転送フォーマット14は、ソースフォーマット10や大サイズ用転送フォーマット12と比べるとデータ長が半分となっている。したがって、このフォーマットを用いれば、制御点データを従来の約半分に減らすことができる。ただし、このようにデータ長を削減した結果、小サイズ用転送フォーマット14で表現可能なフォントのサイズは制限されることになる。すなわち、このフォーマットでは、基準点から見た制御点の座標が、このフォーマットで表せる最大値以下となる範囲の文字しか表現できない。もっとも、この整数部10ビット、小数部6ビットというフォーマットは、例えばWINDOWSシステムで約40ポイントのサイズの文字まで表すことができ、通常よく用いられる文字サイズの範囲をカバーしている。また、このフォーマットは小数部が6ビットなので、厳密に言えば、16ビットの小数部を有するソースフォーマット10と比べて座標の精度が落ちることになるが、実際のフォントではそれほど精密な座標値が定められていることはほとんどなく、6ビット長の小数部でも実用上精度の問題はほとんど生じない。
【0023】
本実施形態に係るプリンタドライバは、制御点座標をソースフォーマット10で表したフォントデータをOSから取得し、そのフォントの文字サイズが小サイズ用転送フォーマット14に収まるサイズの場合は、各制御点座標を小サイズ用転送フォーマット14に変換し、印刷装置に送信する。この変換は、基本的に、整数部の上位6ビット、小数部の下位10ビットを削除することにより行える。制御点座標が小サイズ用転送フォーマット14に収まらないような大きな文字サイズの場合は、従来の方法で各制御点座標を32ビット浮動小数点形式に変換し、印刷装置に送信する。
【0024】
図2は、本実施形態を適用した印刷システムの一例を示す機能ブロック図である。このシステムは、印刷対象の文書を作成するホストコンピュータ100(以下単にホストと呼ぶ)と、印刷処理を行う印刷装置200がネットワーク300を介して接続された構成を採っている。ホスト100や印刷装置200には様々な構成要素が含まれ、またその中の構成要素、例えばプリンタドライバ、にも様々な構成要素が含まれるが、図2では本発明に概念に関係の少ない構成要素については図示を省略している。
【0025】
ホスト100において、ワードプロセッサやDTPなどのアプリケーション120にて、作成した原稿の印刷がユーザから指示された場合、プリンタドライバ110がその原稿のデータから、印刷装置200で扱える形式の印刷指示データを作成し、ネットワーク300を介して印刷装置200に送信する。印刷指示データは、例えばPostScript(登録商標)などのページ記述言語で記述される。この印刷指示データの作成の際、使用フォントに関する設定として、フォントをダウンロードして用いる旨の設定があった場合、フォントデータを印刷指示データの中に組み込む。この処理を行うのがフォント処理部112である。フォント処理部112では、出力フォント情報生成部114が、アプリケーション120の原稿データ全体又は個々の文字や文字列に対して設定された、書体や文字サイズなどの指定値を読み取り、これに適合するフォントをOS130に要求する。これに応じ、OS130は、保持しているフォント情報132に基づき、要求された条件を満たすフォントデータを作成し、出力フォント情報生成部114に変える。ここまでの処理は、ビットマップフォントを用いる場合もアウトラインフォントを用いる場合も同様である。もっとも、本実施形態の座標データ形式の変換制御は、制御点で形状を規定したアウトラインフォントを対象としたものなので、以下ではダウンロードフォントの形式としてアウトライン形式が選択された場合について、説明する。
【0026】
この場合、OS130から出力フォント情報生成部114に返されてくるアウトラインフォントデータは、制御点の座標が前述のソースフォーマット10で表されている。本実施形態では、この制御点座標のデータ量を削減するために、制御点データ調整部116を設けている。この制御点データ調整部116の処理を図3を参照して説明する。
【0027】
まず、制御点データ調整部116は、転送対象の文字の文字サイズの指定値を原稿データから取得する(S10)。そして、この文字サイズを、所定のしきい値と比較する(S12)。このしきい値は、文字サイズがこのしきい値より小さければ、制御点座標が小サイズ用転送フォーマット14に収まることが確実に保証できるような値として、予め例えば多数のフォントデータの解析などを行って定めている。
【0028】
S12の判定の結果、文字サイズがしきい値より小さい場合は、制御点データ調整部116は、OS130から得たアウトラインフォントの制御点座標を、小サイズ用転送フォーマットの形式に変換し、出力フォント情報生成部114に渡す(S14)。一方、文字サイズがしきい値以上の場合は、OS130から得たフォントの制御点座標を、大サイズ用転送フォーマットに変換し、出力フォント情報生成部114に渡す(S16)。
【0029】
制御点データ調整部116からフォーマット変換されたフォントデータを得た出力フォント情報生成部114は、そのフォントデータの制御点座標が小サイズ用転送フォーマット14又は大サイズ用転送フォーマット12のいずれで表されているかを識別するための識別情報を付加した上で、そのフォントデータを印刷指示データに組み込む。そして、プリンタドライバ110は、このようにしてフォントデータを組み込んだ印刷指示データをネットワーク300を介して印刷装置200に送信する。
【0030】
印刷装置200では、ページ記述言語のインタプリタ210が印刷指示データの記述を解釈し、原稿の各ページの画像を形成する。そして、形成されたページ画像が用紙上に印刷されることになる。ここで、インタプリタ210では、アウトラインフォントのレンダリングの際に、座標形式判定部212にてそのフォントの制御点座標のデータ形式が小サイズ用転送フォーマット14又は大サイズ用転送フォーマット12のいずれであるかを判別し、そのデータ形式に従ってフォントデータの制御点部分のデータを解釈する。データ形式の判別は、前述の識別情報により行う。このような一連の処理により、印刷が完了する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、文字サイズが小さい場合は、フォントの制御点座標を、ソースフォーマット10よりもデータ長の小さい所定のフォーマットに変換するので、フォントデータのサイズが小さくなり、フォントを組み込んだ印刷指示データの転送時間やネットワーク300の負荷を低減することができる。なお、制御点座標のフォーマット変換は、ソフトウエア的に実装することもできるし、ハードウエア的に実装することもできる。
【0032】
制御点座標のフォーマット変換は、文字サイズ属性が設定された文字列ごとに行ってもよいし、もっと大きい単位、例えばページ単位、文書単位で行ってもよい。前者(文字列単位)の場合、印刷装置200で各文字列ごとに制御点座標のフォーマットを識別する必要があるため、印刷装置200の処理負担が大きくなるが、転送するフォントデータのデータ量は大幅に低減できる。これに対し、後者(ページ単位又は文書単位)は、ページ単位の場合は当該ページ、文書単位の場合は文書の中に、1つでもしきい値を超える文字サイズの文字があった場合には、大サイズ用転送フォーマット12を採用するという方式である。この方式では、文字列単位の場合ほどデータ量の削減効果は得られないが、印刷装置200の処理負担は軽減できる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態についてその構成及び効果を説明した。以上では、制御点座標のデータ形式は2種類であったが、データ長が段階的に異なるもっと多くのデータ形式を用意し、文字サイズに応じてデータ形式を選択するようにすれば、転送するフォントのデータ量を更に削減することができる。
【0034】
また、以上では文字のアウトラインフォントを例にとって説明したが、これに限らず、本発明は、制御点の組で図形を規定する描画系のソフトウエアやCADソフトウエアなどにも適用することができる。この場合、図形のサイズに応じてデータ形式を選択することになるが、図形データでは文字のようにサイズが属性として与えられていない場合が多い。そのような場合には、制御点の座標値の最大値からサイズを判別するなどの処理が必要となる。
【0035】
また、以上では、文字や図形のデータをプリンタドライバから印刷装置に転送する場合を例にとって説明したが、本発明は、このような場合に限らず、制御点の組で表された文字や図形のデータに基づきその文字や図形の可視的出力を形成できる画像出力装置に対し、コンピュータからそれら文字や図形のデータを転送する場合一般に適用可能である。
【0036】
以上に説明した制御点座標のデータ形式を文字や図形のサイズに応じて変換する機能を持つプリンタドライバその他の制御ソフトウエアは、例えばフロッピーディスクやCD−ROMなどの記録媒体の形態、あるいは通信回線を介して供給され、これを例えばコンピュータに付属する固定ディスク装置にインストールすることにより、所定の機能を果たすようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の制御点座標フォーマットの変換方式を説明するための図である。
【図2】 実施形態の印刷システムの一例を示す機能ブロック図である。
【図3】 制御点データ調整部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ソースフォーマット、12 大サイズ用転送フォーマット、14 小サイズ用転送フォーマット、100 ホストコンピュータ、110 プリンタドライバ、112 フォント処理部、114 出力フォント情報生成部、116 制御点データ調整部、120 アプリケーション、130 OS(オペレーティングシステム)、132 フォント情報、200 印刷装置、210 インタプリタ、212 座標形式判定部、300 ネットワーク。
Claims (5)
- 所定データ長の座標値の組で表される複数の制御点によって図形を規定した図形データを保持し、ユーザからの指示に応じて、図形出力装置に図形データを転送する装置であって、
図形のサイズに応じて段階的にデータ長の異なる複数の座標データ形式を保持する手段と、
転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段と、
転送対象の図形データの制御点の座標値を、サイズ取得手段で求めたサイズに応じたデータ形式に変換して前記図形出力装置に転送する手段と、
を有する図形データ転送装置。 - 所定データ長の座標値の組で表される複数の制御点によって図形を規定した図形データを保持し、ユーザからの指示に応じて、図形出力装置に図形データを転送する装置であって、
図形データの制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換する変換手段と、
転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段と、
サイズ取得手段で求めたサイズが、制御点の座標値が前記小図形用データ形式に収容しうる範囲のサイズの場合は、転送対象の図形データの制御点の座標値を前記データ形式変換手段にて小図形用データ形式に変換し、小図形用座標データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に前記画像出力装置に転送する転送制御手段と、
を有する図形データ転送装置。 - 前記図形は文字の形状を表すアウトラインフォントであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の図形データ転送装置。
- コンピュータシステムを、
図形データに含まれる図形の制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長の短い小図形用データ形式に変換する変換手段、
転送対象の図形データが表す図形のサイズを求めるサイズ取得手段、
サイズ取得手段で求めたサイズが、制御点の座標値が前記小図形用データ形式に収容しうる範囲のサイズの場合は、転送対象の図形データの制御点の座標値を前記データ形式変換手段にて小図形用データ形式に変換し、小図形用座標データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に前記画像出力装置に転送する転送制御手段、
として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 所定データ長の座標値の組で表される制御点によって図形を表現する図形データを保持する図形データ管理装置と、この装置から転送された図形データから前記図形の画像を形成して出力する画像出力装置とを有するシステムであって、
前記図形データ管理装置は、
前記図形データに表現された図形のサイズを取得する手段と、
取得した図形サイズが所定のしきい値より小さい場合、前記図形データの制御点の座標値を、前記所定データ長よりデータ長が短い所定の小図形用データ形式に変換し、小図形用データ形式のデータである旨を示す識別情報と共に画像出力装置に転送する手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
受け取った図形データが、前記識別情報を伴っているか否かを判別する手段と、
該図形データが前記識別情報を伴っていると判別された場合は、該図形データの制御点の座標値を、前記小図形用データ形式で解釈して描画処理を行う手段と、
を有する図形出力システム。
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