JP3776215B2 - 触媒コンバータおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の排気系に装着される触媒コンバータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の排気系には排気ガス浄化のため触媒コンバータが装着されている。この触媒コンバータは、筒状のケーシング内に触媒担体を収納したものであるが、車両の運行中振動や熱的な負荷を受けるため、これらによって触媒担体が破損等しないように支持する必要がある。
このような触媒担体の収納保持構造をもった触媒コンバータとして、先に本出願人が特開平6−280551号公報に提案したものがある。
【0003】
これは触媒担体の軸方向の寸法の品質上のばらつきがあってもこれを吸収できるようにしたもので、筒状のケーシング内に、触媒担体の周面にシール部材を巻くとともに軸方向両端に緩衝部材を介して環状キャップをセットし、加圧治具で環状キャップを加圧した状態でケーシングと環状キャップの筒部を栓溶接したものである。環状キャップは、触媒担体を軸方向に押さえる内向きフランジ部とケーシングに溶接固定するための筒部からなる基本形状を有している。これにより軸方向に所定の圧縮状態が確保された触媒担体の収納保持状態が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案の触媒コンバータにおいては、ケーシングを上下半割りとし、下側の半割りケースに触媒担体、緩衝部材ならびに環状キャップをセットしたあと上側の半割りケースを最中合わせして側縁を溶接して組み立てる。しかしながら、ここでは環状キャップが用いられているので、完成したケーシングの筒径方向の寸法は実質的に環状キャップの径によって定まり、触媒担体の径方向のばらつきに対して触媒担体の周面のシール部材の圧縮状態を適切な範囲に保持する点においてまだ確実性に乏しかった。
【0005】
とくに、エンジンの排気マニホルド直下に装着されることの多い触媒コンバータは、触媒担体およびケーシングともに高温になり、そのためケーシングの熱変形量も大きい。そして、環状キャップは一般に内向きフランジ部と筒部の厚さが略同一の比較的薄板で形成されているので、ケーシングの軸方向中央部分の大きな熱変形に引張られて、中央部のみならず環状キャップが設けられる端部の変形も有効には抑えることが困難である。
【0006】
このケーシングの熱変形により、触媒担体周面のシール部材が飛散してしまうと、触媒担体をバイパスして未浄化の排気ガスが排出されてしまう可能性があるし、また、触媒担体自体もシール部材による保持がなくなって破損することにもなりかねない。
したがって、本発明は、上記の問題点に鑑み、高温時にもケーシングの変形を有効に防止して触媒担体が確実に保持されるようにした触媒コンバータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明触媒コンバータは、シール部材を挟んで触媒担体を収納する筒状のケーシングを備えた触媒コンバータにおいて、ケーシング内には、触媒担体の端面角部と対向するフランジ部とケーシング壁にそう筒部とからなるL字形断面のキャップが、そのフランジと触媒担体の端面角部の間に緩衝部材を介して設置され、キャップは自由状態においてリングの一部が切断されたC形状をなすとともに、設置状態において筒部とケーシングとの栓溶接を介して上記C形状の端部が互いに結合しているものとした。
【0008】
また、上記キャップのフランジ部の板厚は、筒部の板厚より大きくするのが好ましい。
【0009】
請求項3記載の製造方法は、周囲にシール部材を巻き、両端にはフランジ部と筒部とからなるL字形断面でC形状のキャップを緩衝部材を介して被せた触媒担体を、半割りケースの間にセットする第1の工程と、シール部材が所定の圧縮状態となるよう半割りケースを加圧し、その状態で半割りケースを互いに溶接結合してケーシングを形成する第2の工程と、その後、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程とからなるものとした。
【0010】
上記第3の工程は、栓溶接によりキャップのC形状の端部を互いに結合する工程を含むものとすることができる。
第3の工程はさらに、緩衝部材が所定の圧縮状態となるよう触媒担体の両端に被せたキャップを軸方向に加圧した状態で、上記の栓溶接を行うのが好ましい。
【0011】
【作用】
請求項1の触媒コンバータでは、シール部材を所定の圧縮状態とするためケーシング構成部材を加圧するとき、キャップが切断部を有するC形状のものであるため変形が容易である。そして、キャップの栓溶接と同時に上記C形状の端部が互いに結合されるから、その後はケーシングの高い形状保持性が得られ、触媒コンバータが高温になってもケーシングの熱変形が防止される。
さらに、キャップのフランジ部の板厚を筒部の板厚より大きくすることにより、キャップの径方向の剛性が高くなるので、ケーシングの熱変形が一層効果的に阻止される。
【0012】
請求項3の製造方法では、第2の工程で半割りケースを加圧する際、キャップが切断部を有するC形状のものであるため変形が容易で、シール部材を所定の圧縮状態としたケーシングが簡単に形成される。
また、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程で、同時にキャップのC形状の端部を互いに結合することにより、シール部材を所定の圧縮状態としている上記ケーシングの形状が確実に保持され、ケーシングの熱変形も防止される。
さらに第3の工程での栓溶接を、緩衝部材が所定の圧縮状態となるようキャップを軸方向に加圧した状態で行うことにより、触媒担体の軸方向の保持も安定に確保される。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を、エンジンの排気マニホルドに直結するマニホルド触媒コンバータに適用した実施例により説明する。
図1は実施例のマニホルド触媒コンバータが排気マニホルドに接続した状態を示す外観図、図2は実施例のマニホルド触媒コンバータの構成を横置きにして示す縦断面図、図3は実施例に用いられるキャップの斜視図、そして図4はキャップの断面図である。
図1に示すように、排気マニホルド1は、図示しないシリンダヘッドに取り付けられるマニホルドフランジ2と、マニホルドフランジ2から延びる複数の分岐管3を合流させた集合部4とを備え、マニホルド触媒コンバータ10はこの排気マニホルド1の集合部4に溶接により直結される。
【0014】
マニホルド触媒コンバータ10は、図2において上下半割りとし、下側の半割りケース13と上側の半割りケース12を最中合わせして筒状としたケーシング11を備える。図2に示すように、この筒状のケーシング11内に触媒担体15を収納し、触媒担体15の筒部とケーシングの筒部壁内周面との間には触媒担体15の全周にわたって巻かれたインタラムマット(商品名)などのシール部材20を配置してある。さらに触媒担体15の軸方向両端の角部は、それぞれ、キャップ21により緩衝部材25を介して軸方向の位置を規制されている。
【0015】
キャップ21は、図4に示すように、ケーシング11の筒部壁にそう筒部22とその筒部22から内向きに延びるフランジ部23からなるL字形断面を有し、フランジ部23の板厚は筒部22の2倍の厚さとなっている。
本実施例において、キャップ21は、図3に示すように、リング状の一部が切断されたC形状をなしており、複数個所の栓溶接によりケーシング11に固定されている。そして、そのC形状の切断部の各端部24、24は上記栓溶接の1つによって互いに結合されている。
【0016】
つぎに、このマニホルド触媒コンバータ10の製造方法について説明する。
まず、下側治具31(図5参照)に下側の半割りケース13をセットするとともに、続いて、周囲にシール部材20を巻くとともに両端に緩衝部材25を介してキャップ21を被せた触媒担体15を下側の半割りケース内13にセットする。この上に上側の半割りケース12を乗せて最中合わせとする。
この際、各キャップ21、21はその切断部(端部24、24)が上下の半割りケース12、13の合わせ面から若干オフセットした位置に設けられた溶接孔17に合致するようにセットされる。
【0017】
こうして触媒担体15を収容した上下の半割りケース12、13をつぎに、図5に示すように、下側治具31と上側治具30の間に挟んで、各半割りケース12、13と触媒担体15間の間隙、すなわちシール部材20の設置空間の間隙が所定値となるように加圧する。この加圧状態で上下の半割りケース12、13の合わせ面14を軸方向全長にわたって突き合わせ溶接する。
これにより、半割りケース12、13で形成されたケーシング11と触媒担体15間のシール部材20が適度の所定の圧縮状態とされた中間アセンブリが得られる。この中間アセンブリにおいては、C形状のキャップ21も各半割りケース12、13とともに加圧されて圧縮され、切断部の端部24同志が接近している。
【0018】
上側および下側治具30、31から取り出した中間アセンブリをつぎに、図6に示すように、軸方向加圧治具33、34にセットして、触媒担体15両端のキャップ21を加圧する。そして、触媒担体15両端の緩衝部材25の圧縮状態が所定値となるように加圧した状態で、キャップ21をケーシング11に栓溶接する。
これにより、緩衝部材25を介して軸方向両側から所定の面圧で触媒担体15を押圧した状態で、キャップ21が固定される。また、上記栓溶接によりキャップ21の互いに接近した切断部、すなわちC形状の両端部24、24もケーシング11を介して互いに結合される。
【0019】
このようにしてケーシング11内に触媒担体15が収納保持されたマニホルド触媒コンバータ10が得られる。マニホルド触媒コンバータ10の一端は排気マニホルド1の集合部14に溶接され、他端はマフラにつながる図示しない排気管に溶接接続される。
【0020】
本実施例は以上のように構成され、排気マニホルド1から流入する排気ガスは、マニホルド触媒コンバータ10の触媒担体15を通過する間に反応・燃焼して浄化される。
そして、ケーシング形成時に治具30、31で軸直角方向に加圧した状態で半割りケース12、13を溶接することにより、ケーシング11と触媒担体15間のシール部材20が適度に圧縮されたものとするとともに、軸方向加圧治具33、34で加圧した状態でキャップ21をケーシング11に栓溶接することにより触媒担体15の軸方向に所定の押圧状態を確保するものとしたので、触媒担体15が安定に保持される。
【0021】
また、キャップ21が切断部を有するC形状のものであるため、ケーシング形成の際上記軸直角方向の加圧時のキャップ21の変形を容易にし、シール部材20の適切な圧縮状態が確実に得られる。そして、キャップ21の栓溶接と同時に上記切断部が結合されるから、その後はケーシング11の高い形状保持性が得られる。
さらに、とくにキャップ21のフランジ部23の板厚が厚くて径方向に剛性が高いので、マニホルド触媒コンバータが高温になってもキャップ21によってケーシング11の異常な熱変形が阻止され、シール部材20の飛散が防止されるという効果を有する。
【0022】
また、実施例では上下の半割りケース12、13を溶接してケーシング11を形成した後キャップを軸方向に加圧するものとしたが、これに限らず、半割りケースを加圧してケーシングを形成する際に同時にキャップを軸方向に圧縮しながら行なってもよい。
なお、実施例はマニホルド触媒コンバータに適用した例について説明したが、このほか排気管のさらに下流側に設置される触媒コンバータにも同様に適用できる。その際は、実施例で説明した筒状のケーシングの端部に排気管と接続するための漏斗状に断面が変化するディフューザ部が溶接結合される。
【0023】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の触媒コンバータは、シール部材を挟んで触媒担体を収納する筒状のケーシングを備えた触媒コンバータにおいて、触媒担体の端面角部の間に緩衝部材を介して設置されるキャップをC形状のものとしたので、シール部材を所定の圧縮状態とするためのキャップ21の加圧変形が容易である。そして、キャップの栓溶接とともに上記C形状の端部が互いに結合されたものとしたので、ケーシングの高い形状保持性が得られ、触媒コンバータが高温になってもケーシングの熱変形が防止される。これにより、シール部材の飛散等の発生も防止されるという効果を有する。
【0024】
さらに、キャップのフランジ部の板厚を筒部の板厚より大きくすることにより、キャップの径方向の剛性が高くなるので、ケーシングの熱変形が一層効果的に阻止される。
【0025】
また、本発明の製造方法は、周囲にシール部材を巻き、両端にはフランジ部と筒部とからなるL字形断面でC形状のキャップを緩衝部材を介して被せた触媒担体を、半割りケースの間にセットする第1の工程と、シール部材が所定の圧縮状態となるよう半割りケースを加圧し、その状態で半割りケースを互いに溶接結合してケーシングを形成する第2の工程と、その後、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程とからなるものとしたので、第2の工程で半割りケースを加圧する際、キャップがC形状のため変形が容易で、シール部材を所定の圧縮状態としたケーシングが簡単に形成できるという効果を有する。
【0026】
また、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程で、同時にキャップのC形状の端部を互いに結合することにより、シール部材を所定の圧縮状態としている上記ケーシングの形状が確実に保持され、ケーシングの熱変形も防止される。
さらに第3の工程での栓溶接を、緩衝部材が所定の圧縮状態となるようキャップを軸方向に加圧した状態で行うことにより、触媒担体の軸方向の保持も安定に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】マニホルド触媒コンバータに適用した実施例の外観を示す図である。
【図2】実施例の構成を示す縦断面図である。
【図3】キャップの斜視図である。
【図4】キャップの断面図である。
【図5】ケーシングの形成工程を示す説明図である。
【図6】キャップの固定工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 排気マニホルド
2 マニホルドフランジ
3 分岐管
4 集合部
10 マニホルド触媒コンバータ
11 ケーシング
12、13 半割りケース
14 合わせ面
15 触媒担体
17 溶接孔
20 シール部材
21 キャップ
22 筒部
23 フランジ部
24、 端部
25 緩衝部材
30 上側治具
31 下側治具
33、34 軸方向加圧治具
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の排気系に装着される触媒コンバータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の排気系には排気ガス浄化のため触媒コンバータが装着されている。この触媒コンバータは、筒状のケーシング内に触媒担体を収納したものであるが、車両の運行中振動や熱的な負荷を受けるため、これらによって触媒担体が破損等しないように支持する必要がある。
このような触媒担体の収納保持構造をもった触媒コンバータとして、先に本出願人が特開平6−280551号公報に提案したものがある。
【0003】
これは触媒担体の軸方向の寸法の品質上のばらつきがあってもこれを吸収できるようにしたもので、筒状のケーシング内に、触媒担体の周面にシール部材を巻くとともに軸方向両端に緩衝部材を介して環状キャップをセットし、加圧治具で環状キャップを加圧した状態でケーシングと環状キャップの筒部を栓溶接したものである。環状キャップは、触媒担体を軸方向に押さえる内向きフランジ部とケーシングに溶接固定するための筒部からなる基本形状を有している。これにより軸方向に所定の圧縮状態が確保された触媒担体の収納保持状態が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案の触媒コンバータにおいては、ケーシングを上下半割りとし、下側の半割りケースに触媒担体、緩衝部材ならびに環状キャップをセットしたあと上側の半割りケースを最中合わせして側縁を溶接して組み立てる。しかしながら、ここでは環状キャップが用いられているので、完成したケーシングの筒径方向の寸法は実質的に環状キャップの径によって定まり、触媒担体の径方向のばらつきに対して触媒担体の周面のシール部材の圧縮状態を適切な範囲に保持する点においてまだ確実性に乏しかった。
【0005】
とくに、エンジンの排気マニホルド直下に装着されることの多い触媒コンバータは、触媒担体およびケーシングともに高温になり、そのためケーシングの熱変形量も大きい。そして、環状キャップは一般に内向きフランジ部と筒部の厚さが略同一の比較的薄板で形成されているので、ケーシングの軸方向中央部分の大きな熱変形に引張られて、中央部のみならず環状キャップが設けられる端部の変形も有効には抑えることが困難である。
【0006】
このケーシングの熱変形により、触媒担体周面のシール部材が飛散してしまうと、触媒担体をバイパスして未浄化の排気ガスが排出されてしまう可能性があるし、また、触媒担体自体もシール部材による保持がなくなって破損することにもなりかねない。
したがって、本発明は、上記の問題点に鑑み、高温時にもケーシングの変形を有効に防止して触媒担体が確実に保持されるようにした触媒コンバータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明触媒コンバータは、シール部材を挟んで触媒担体を収納する筒状のケーシングを備えた触媒コンバータにおいて、ケーシング内には、触媒担体の端面角部と対向するフランジ部とケーシング壁にそう筒部とからなるL字形断面のキャップが、そのフランジと触媒担体の端面角部の間に緩衝部材を介して設置され、キャップは自由状態においてリングの一部が切断されたC形状をなすとともに、設置状態において筒部とケーシングとの栓溶接を介して上記C形状の端部が互いに結合しているものとした。
【0008】
また、上記キャップのフランジ部の板厚は、筒部の板厚より大きくするのが好ましい。
【0009】
請求項3記載の製造方法は、周囲にシール部材を巻き、両端にはフランジ部と筒部とからなるL字形断面でC形状のキャップを緩衝部材を介して被せた触媒担体を、半割りケースの間にセットする第1の工程と、シール部材が所定の圧縮状態となるよう半割りケースを加圧し、その状態で半割りケースを互いに溶接結合してケーシングを形成する第2の工程と、その後、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程とからなるものとした。
【0010】
上記第3の工程は、栓溶接によりキャップのC形状の端部を互いに結合する工程を含むものとすることができる。
第3の工程はさらに、緩衝部材が所定の圧縮状態となるよう触媒担体の両端に被せたキャップを軸方向に加圧した状態で、上記の栓溶接を行うのが好ましい。
【0011】
【作用】
請求項1の触媒コンバータでは、シール部材を所定の圧縮状態とするためケーシング構成部材を加圧するとき、キャップが切断部を有するC形状のものであるため変形が容易である。そして、キャップの栓溶接と同時に上記C形状の端部が互いに結合されるから、その後はケーシングの高い形状保持性が得られ、触媒コンバータが高温になってもケーシングの熱変形が防止される。
さらに、キャップのフランジ部の板厚を筒部の板厚より大きくすることにより、キャップの径方向の剛性が高くなるので、ケーシングの熱変形が一層効果的に阻止される。
【0012】
請求項3の製造方法では、第2の工程で半割りケースを加圧する際、キャップが切断部を有するC形状のものであるため変形が容易で、シール部材を所定の圧縮状態としたケーシングが簡単に形成される。
また、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程で、同時にキャップのC形状の端部を互いに結合することにより、シール部材を所定の圧縮状態としている上記ケーシングの形状が確実に保持され、ケーシングの熱変形も防止される。
さらに第3の工程での栓溶接を、緩衝部材が所定の圧縮状態となるようキャップを軸方向に加圧した状態で行うことにより、触媒担体の軸方向の保持も安定に確保される。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を、エンジンの排気マニホルドに直結するマニホルド触媒コンバータに適用した実施例により説明する。
図1は実施例のマニホルド触媒コンバータが排気マニホルドに接続した状態を示す外観図、図2は実施例のマニホルド触媒コンバータの構成を横置きにして示す縦断面図、図3は実施例に用いられるキャップの斜視図、そして図4はキャップの断面図である。
図1に示すように、排気マニホルド1は、図示しないシリンダヘッドに取り付けられるマニホルドフランジ2と、マニホルドフランジ2から延びる複数の分岐管3を合流させた集合部4とを備え、マニホルド触媒コンバータ10はこの排気マニホルド1の集合部4に溶接により直結される。
【0014】
マニホルド触媒コンバータ10は、図2において上下半割りとし、下側の半割りケース13と上側の半割りケース12を最中合わせして筒状としたケーシング11を備える。図2に示すように、この筒状のケーシング11内に触媒担体15を収納し、触媒担体15の筒部とケーシングの筒部壁内周面との間には触媒担体15の全周にわたって巻かれたインタラムマット(商品名)などのシール部材20を配置してある。さらに触媒担体15の軸方向両端の角部は、それぞれ、キャップ21により緩衝部材25を介して軸方向の位置を規制されている。
【0015】
キャップ21は、図4に示すように、ケーシング11の筒部壁にそう筒部22とその筒部22から内向きに延びるフランジ部23からなるL字形断面を有し、フランジ部23の板厚は筒部22の2倍の厚さとなっている。
本実施例において、キャップ21は、図3に示すように、リング状の一部が切断されたC形状をなしており、複数個所の栓溶接によりケーシング11に固定されている。そして、そのC形状の切断部の各端部24、24は上記栓溶接の1つによって互いに結合されている。
【0016】
つぎに、このマニホルド触媒コンバータ10の製造方法について説明する。
まず、下側治具31(図5参照)に下側の半割りケース13をセットするとともに、続いて、周囲にシール部材20を巻くとともに両端に緩衝部材25を介してキャップ21を被せた触媒担体15を下側の半割りケース内13にセットする。この上に上側の半割りケース12を乗せて最中合わせとする。
この際、各キャップ21、21はその切断部(端部24、24)が上下の半割りケース12、13の合わせ面から若干オフセットした位置に設けられた溶接孔17に合致するようにセットされる。
【0017】
こうして触媒担体15を収容した上下の半割りケース12、13をつぎに、図5に示すように、下側治具31と上側治具30の間に挟んで、各半割りケース12、13と触媒担体15間の間隙、すなわちシール部材20の設置空間の間隙が所定値となるように加圧する。この加圧状態で上下の半割りケース12、13の合わせ面14を軸方向全長にわたって突き合わせ溶接する。
これにより、半割りケース12、13で形成されたケーシング11と触媒担体15間のシール部材20が適度の所定の圧縮状態とされた中間アセンブリが得られる。この中間アセンブリにおいては、C形状のキャップ21も各半割りケース12、13とともに加圧されて圧縮され、切断部の端部24同志が接近している。
【0018】
上側および下側治具30、31から取り出した中間アセンブリをつぎに、図6に示すように、軸方向加圧治具33、34にセットして、触媒担体15両端のキャップ21を加圧する。そして、触媒担体15両端の緩衝部材25の圧縮状態が所定値となるように加圧した状態で、キャップ21をケーシング11に栓溶接する。
これにより、緩衝部材25を介して軸方向両側から所定の面圧で触媒担体15を押圧した状態で、キャップ21が固定される。また、上記栓溶接によりキャップ21の互いに接近した切断部、すなわちC形状の両端部24、24もケーシング11を介して互いに結合される。
【0019】
このようにしてケーシング11内に触媒担体15が収納保持されたマニホルド触媒コンバータ10が得られる。マニホルド触媒コンバータ10の一端は排気マニホルド1の集合部14に溶接され、他端はマフラにつながる図示しない排気管に溶接接続される。
【0020】
本実施例は以上のように構成され、排気マニホルド1から流入する排気ガスは、マニホルド触媒コンバータ10の触媒担体15を通過する間に反応・燃焼して浄化される。
そして、ケーシング形成時に治具30、31で軸直角方向に加圧した状態で半割りケース12、13を溶接することにより、ケーシング11と触媒担体15間のシール部材20が適度に圧縮されたものとするとともに、軸方向加圧治具33、34で加圧した状態でキャップ21をケーシング11に栓溶接することにより触媒担体15の軸方向に所定の押圧状態を確保するものとしたので、触媒担体15が安定に保持される。
【0021】
また、キャップ21が切断部を有するC形状のものであるため、ケーシング形成の際上記軸直角方向の加圧時のキャップ21の変形を容易にし、シール部材20の適切な圧縮状態が確実に得られる。そして、キャップ21の栓溶接と同時に上記切断部が結合されるから、その後はケーシング11の高い形状保持性が得られる。
さらに、とくにキャップ21のフランジ部23の板厚が厚くて径方向に剛性が高いので、マニホルド触媒コンバータが高温になってもキャップ21によってケーシング11の異常な熱変形が阻止され、シール部材20の飛散が防止されるという効果を有する。
【0022】
また、実施例では上下の半割りケース12、13を溶接してケーシング11を形成した後キャップを軸方向に加圧するものとしたが、これに限らず、半割りケースを加圧してケーシングを形成する際に同時にキャップを軸方向に圧縮しながら行なってもよい。
なお、実施例はマニホルド触媒コンバータに適用した例について説明したが、このほか排気管のさらに下流側に設置される触媒コンバータにも同様に適用できる。その際は、実施例で説明した筒状のケーシングの端部に排気管と接続するための漏斗状に断面が変化するディフューザ部が溶接結合される。
【0023】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明の触媒コンバータは、シール部材を挟んで触媒担体を収納する筒状のケーシングを備えた触媒コンバータにおいて、触媒担体の端面角部の間に緩衝部材を介して設置されるキャップをC形状のものとしたので、シール部材を所定の圧縮状態とするためのキャップ21の加圧変形が容易である。そして、キャップの栓溶接とともに上記C形状の端部が互いに結合されたものとしたので、ケーシングの高い形状保持性が得られ、触媒コンバータが高温になってもケーシングの熱変形が防止される。これにより、シール部材の飛散等の発生も防止されるという効果を有する。
【0024】
さらに、キャップのフランジ部の板厚を筒部の板厚より大きくすることにより、キャップの径方向の剛性が高くなるので、ケーシングの熱変形が一層効果的に阻止される。
【0025】
また、本発明の製造方法は、周囲にシール部材を巻き、両端にはフランジ部と筒部とからなるL字形断面でC形状のキャップを緩衝部材を介して被せた触媒担体を、半割りケースの間にセットする第1の工程と、シール部材が所定の圧縮状態となるよう半割りケースを加圧し、その状態で半割りケースを互いに溶接結合してケーシングを形成する第2の工程と、その後、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程とからなるものとしたので、第2の工程で半割りケースを加圧する際、キャップがC形状のため変形が容易で、シール部材を所定の圧縮状態としたケーシングが簡単に形成できるという効果を有する。
【0026】
また、キャップをケーシングに栓溶接により固定する第3の工程で、同時にキャップのC形状の端部を互いに結合することにより、シール部材を所定の圧縮状態としている上記ケーシングの形状が確実に保持され、ケーシングの熱変形も防止される。
さらに第3の工程での栓溶接を、緩衝部材が所定の圧縮状態となるようキャップを軸方向に加圧した状態で行うことにより、触媒担体の軸方向の保持も安定に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】マニホルド触媒コンバータに適用した実施例の外観を示す図である。
【図2】実施例の構成を示す縦断面図である。
【図3】キャップの斜視図である。
【図4】キャップの断面図である。
【図5】ケーシングの形成工程を示す説明図である。
【図6】キャップの固定工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 排気マニホルド
2 マニホルドフランジ
3 分岐管
4 集合部
10 マニホルド触媒コンバータ
11 ケーシング
12、13 半割りケース
14 合わせ面
15 触媒担体
17 溶接孔
20 シール部材
21 キャップ
22 筒部
23 フランジ部
24、 端部
25 緩衝部材
30 上側治具
31 下側治具
33、34 軸方向加圧治具
Claims (5)
- シール部材(20)を挟んで触媒担体(15)を収納する筒状のケーシング(11)を備えた触媒コンバータにおいて、
ケーシング(11)内には、触媒担体(15)の端面角部と対向するフランジ部(23)とケーシング壁にそう筒部(22)とからなるL字形断面のキャップ21が、そのフランジ部と触媒担体の端面角部の間に緩衝部材(25)を介して設置され、
前記キャップ(21)は自由状態においてリングの一部が切断されたC形状をなすとともに、設置状態において筒部(22)とケーシング(11)との栓溶接を介して前記C形状の端部(24、24)が互いに結合していることを特徴とする触媒コンバータ。 - 前記キャップ(21)のフランジ部(23)の板厚が筒部(22)の板厚より大きいことを特徴とする請求項1記載の触媒コンバータ。
- 周囲にシール部材(20)を巻き、両端にはフランジ部(23)と筒部(22)とからなるL字形断面でC形状のキャップ(21)を緩衝部材(25)を介して被せた触媒担体(15)を、半割りケース(12、13)の間にセットする第1の工程と、
シール部材(20)が所定の圧縮状態となるよう半割りケース(12、13)を加圧し、その状態で半割りケースを互いに溶接結合してケーシング(11)を形成する第2の工程と、
その後、キャップ(21)をケーシング(11)に栓溶接により固定する第3の工程とからなることを特徴とする触媒コンバータの製造方法 - 前記第3の工程が、前記栓溶接によりキャップ(21)のC形状の端部(24、24)を互いに結合する工程を含むものであることを特徴とする請求項3記載の触媒コンバータの製造方法
- 前記第3の工程が、前記緩衝部材(25)が所定の圧縮状態となるよう触媒担体(15)の両端に被せたキャップ(15)を軸方向に加圧した状態で、前記栓溶接を行うものであることを特徴とする請求項3または4記載の触媒コンバータの製造方法
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