JP2003201835A - 触媒コンバータ - Google Patents

触媒コンバータ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リテーナを有する触媒コンバータにおいてリ
テーナによる触媒担体の損傷を抑制できる触媒コンバー
タを提供すること。 【解決手段】 触媒担体11に中間部材12を巻き付
け、中間部材12の軸方向の少なくとも一端部に、周方
向に1箇所切れ目15を有する環状のリテーナ13を嵌
めたものを、触媒コンバータケース14に入れた触媒コ
ンバータ10において、リテーナ13の断面形状を、リ
テーナ外周部13aで中間部材12の軸方向端部12c
の外周面に接触し、リテーナ内周部13bで触媒担体1
1の軸方向端面11aに面接触し、リテーナ外周部13
aとリテーナ内周部13bとを曲がり部を有するリテー
ナ中間部13cでつないだ形状とした。リテーナ中間部
13cは触媒担体11の軸方向端面11aより軸方向外
側に突出し、該突出の頂部でコーン部14bの内面に接
触し該コーン部14bにて軸方向に押さえられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気管
に配置される触媒コンバータに関し、とくにそのリテー
ナ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】発明協会公開技法2001−1382
は、図6に示すように、内燃機関の排気管に配置される
触媒コンバータにおいて、触媒担体1をマット等からな
る中間部材2で保持して触媒コンバータケースの外筒3
に圧入した触媒コンバータを開示している。その触媒コ
ンバータでは、中間部材の風食防止および組付け性向上
のために、中間部材の軸方向端部でかつ触媒担体と外筒
との間の環状隙間にばね鋼からなる断面がL字形のリテ
ーナ4を配している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の触媒コ
ンバータには、各構成要素の寸法誤差および高温の排気
ガス流による熱膨張差によりリテーナが触媒担体と干渉
して触媒担体を傷つけるおそれがある。また、触媒担体
が傷つくと、損傷部を通して排気ガスが中間部材を流通
し、中間部材構成部材の飛散、中間部材を介しての触媒
担体保持構造の信頼性の低下、それらによる排気ガス浄
化性能の悪化が生じるおそれがある。本発明の目的は、
リテーナを有する触媒コンバータにおいてリテーナによ
る触媒担体の損傷を抑制できる触媒コンバータを提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) 触媒担体に中間部材を巻き付け、該中間部材の
軸方向の少なくとも一端部に、周方向に1箇所切れ目を
有する環状のリテーナを嵌めたものを、触媒コンバータ
ケースに入れて、触媒担体を中間部材を介して触媒コン
バータケースに支持した触媒コンバータにおいて、前記
リテーナの断面形状を、リテーナ外周部で前記中間部材
の軸方向端部の外周面に接触し、リテーナ内周部で前記
触媒担体の軸方向端面に面接触し、前記リテーナ外周部
と前記リテーナ内周部とを曲がり部を有するリテーナ中
間部でつないだ形状としたことを特徴とする触媒コンバ
ータ。 (2) 前記リテーナ中間部は少なくとも一部が前記触
媒担体の軸方向端面より軸方向外側に突出し、該突出の
頂部で前記触媒コンバータケースのコーン部の内面に接
触し該コーン部にて軸方向に押さえられる(1)記載の
触媒コンバータ。
【0005】上記(1)の触媒コンバータでは、リテー
ナの断面形状を、リテーナ外周部で中間部材の軸方向端
部の外周面に接触し、リテーナ内周部で触媒担体の軸方
向端面に面接触し、リテーナ外周部とリテーナ内周部と
を曲り部を有するリテーナ中間部でつないだ形状とした
ので、構成部材各部寸法に製造誤差や熱膨張差によるば
らつきがあっても、触媒担体の軸方向端面の面方向には
リテーナ内周部と触媒担体の軸方向端面との面接触によ
るスライドにより吸収でき、触媒担体の軸方向にはリテ
ーナ中間部の曲がり部の弾性変形により吸収でき、リテ
ーナとの干渉によって触媒担体が損傷することが防止さ
れる。上記(2)の触媒コンバータでは、リテーナ中間
部はその少なくとも一部が触媒担体の軸方向端面より軸
方向外側に突出し、該突出の頂部で触媒コンバータケー
スのコーン部の内面に接触しコーン部にて軸方向に押さ
えられるので、触媒担体が直接コーン部に当たることは
なく、触媒担体とコーン部との間に寸法誤差が生じても
リテーナ中間部の弾性変形により吸収でき、コーン部と
の干渉によって触媒担体が損傷することが防止される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施例の触媒
コンバータを図1〜図5を参照して、説明する。本発明
実施例の触媒コンバータ10は、自動車の内燃機関の排
気管に設けられる触媒コンバータであり、エキゾースト
マニホールド直下型触媒コンバータであってもよいし、
または車両床下配置のものであってもよい。また、触媒
コンバータ10が、ディーゼルパティキュレート浄化装
置などである場合も含む。
【0007】触媒コンバータ10は、内部に通気性を有
する触媒担体11を有している。触媒担体11は、たと
えばハニカム状のモノリスセラミック担体に触媒を担持
したものからなる。ディーゼルパティキュレート浄化装
置の場合はモノリス担体はディーゼルパティキュレート
の捕捉体である。
【0008】触媒担体11にセラミック繊維等からなる
マット状の中間部材12を巻き付け、中間部材12の軸
方向の少なくとも一端部(両端または一端、一端のみの
場合は排気ガス流れ方向上流側の一端であることが望ま
しい)に、周方向(リテーナ周方向)に1箇所切れ目1
5を有する環状のリテーナ13を嵌めたものを、外筒部
14aとコーン部14bとを有する触媒コンバータケー
ス14の外筒部14aに圧入して、触媒担体11を中間
部材12を介して触媒コンバータケース14に支持して
ある。
【0009】外筒部14aとコーン部14bとは、コー
ン部14bの端部で全周にわたって連続溶接されてい
る。中間部材12の巻付けの合わせ部に軸方向に延びる
直線状のガス流路が形成されないように、中間部材12
の巻付けの合わせ部には周方向に凹凸する凹部12aと
凸部12bを形成し凸部12bを凹部12aに突入させ
てある。
【0010】リテーナ13は薄金属板、たとえばばね
鋼、またはステンレス鋼からなる。リテーナ13は、そ
の断面内において、リテーナ外周部13a、リテーナ内
周部13b、リテーナ外周部13aとリテーナ内周部1
3bとをつなぐリテーナ中間部13cを有する。リテー
ナ内周部13bの内径は触媒担体11の外径よりは小で
ある。リテーナ13の断面形状は、リテーナ外周部13
aで中間部材12の軸方向端部12cの外周面に接触
し、リテーナ内周部13bで触媒担体11の軸方向端面
11aにスライド可能に面接触し、リテーナ外周部13
aとリテーナ内周部13bとを曲がり部(湾曲部または
屈曲部)を有するリテーナ中間部13cでつないだ形状
としてある。リテーナ中間部13cは中間部材12の軸
方向端部12cを軸方向外側から覆う。
【0011】リテーナ中間部13cは、リテーナ中間部
13cの少なくとも一部が触媒担体11の軸方向端面1
1aより軸方向外側に突出し、該突出の頂部で触媒コン
バータケース14のコーン部14bの内面に接触し該コ
ーン部14bにて軸方向に押さえられる。図示例では、
リテーナ中間部13cの軸方向外側突出部は湾曲状に突
出してR部を形成している。また、コーン部14bは軸
方向と直交するかまたはほぼ直交する方向に延びる段面
14cを有しており、この段面14cでリテーナ中間部
13cのR部の頂部を押さえている。
【0012】組み付け手順は、まず、触媒担体11に中
間部材12を巻き付け、図4の状態にする。ついで、中
間部材12の軸方向の少なくとも一端部に、リテーナ1
3を嵌め、図3、図5の状態にする。リテーナ13がば
ね鋼からなる場合は、リテーナ13の縮みにより中間部
材12の端部は圧縮されて外径が中間部の外径より小径
になり、外筒部14aに圧入しやすくなる。ついで、触
媒担体11と中間部材12とリテーナ13の組み合わせ
物を、触媒コンバータケース14の外筒部14aに圧入
して、図2の状態にする。圧入時、中間部材12とリテ
ーナ13とはさらに圧縮されて半径方向に縮み、小径に
なる。ついで、コーン部14bを外筒部14aに取付
け、溶接する。
【0013】触媒コンバータ10の作用、効果を説明す
る。第1に、リテーナ13により中間部材12の端部を
覆うことにより、排気ガスの中間部材12配置部吹き抜
けを防止できるとともに、中間部材12の飛散防止が可
能である。
【0014】第2に、リテーナ13がばね鋼からなる場
合は、リテーナ13を中間部材12の端部に嵌着した
時、リテーナ13の縮みにより中間部材12の端部が圧
縮されて外径が中間部材12の中間部の外径より小径に
なり、外筒部14aに圧入しやすくなる。これによっ
て、生産性、コスト上、最中タイプより有利な外筒14
aへの圧入が可能かつ容易になる。
【0015】第3に、各部寸法がばらつきをリテーナ1
3で吸収でき、触媒担体11がリテーナ13や触媒コン
バータケース14と干渉して損傷することを防止でき
る。さらに詳しくは、リテーナ13の断面形状を、リテ
ーナ外周部13aで中間部材12の軸方向端部の外周面
に接触し、リテーナ内周部13bで触媒担体11の軸方
向端面11aに面接触し、リテーナ外周部13aとリテ
ーナ内周部13bとを曲り部を有するリテーナ中間部1
3cでつないだ形状としたので、構成部材各部寸法に製
造誤差や熱膨張差によるばらつきがあっても、触媒担体
11の軸方向端面11aの面方向にはリテーナ内周部1
3bと触媒担体の軸方向端面11aとの面接触によるス
ライドにより吸収できる。
【0016】また、触媒担体11の軸方向にはリテーナ
中間部11cの曲がり部の弾性変形により吸収でき、リ
テーナ13との干渉によって触媒担体11が損傷するこ
とが防止される。リテーナ中間部13cはその少なくと
も一部が触媒担体11の軸方向端面11aより軸方向外
側に突出し、該突出の頂部で触媒コンバータケース14
のコーン部14bの内面に接触しコーン部14bにて軸
方向に押さえられるので、触媒担体11が直接コーン部
14bに当たることはなく、触媒担体11とコーン部1
4bとの間に寸法誤差が生じてもリテーナ中間部13c
の弾性変形により吸収でき、コーン部14bとの干渉に
よって触媒担体11が損傷することが防止される。
【0017】
【発明の効果】請求項1の触媒コンバータによれば、リ
テーナの断面形状を、リテーナ外周部で中間部材の軸方
向端部の外周面に接触し、リテーナ内周部で触媒担体の
軸方向端面に面接触し、リテーナ外周部とリテーナ内周
部とを曲り部を有するリテーナ中間部でつないだ形状と
したので、構成部材各部寸法に製造誤差や熱膨張差によ
るばらつきがあっても、触媒担体の軸方向端面の面方向
にはリテーナ内周部と触媒担体の軸方向端面との面接触
によるスライドにより吸収でき、触媒担体の軸方向には
リテーナ中間部の曲がり部の弾性変形により吸収でき、
リテーナとの干渉によって触媒担体が損傷することを防
止できる。請求項2の触媒コンバータによれば、リテー
ナ中間部はその少なくとも一部が触媒担体の軸方向端面
より軸方向外側に突出し、該突出の頂部で触媒コンバー
タケースのコーン部の内面に接触しコーン部にて軸方向
に押さえられるので、触媒担体が直接コーン部に当たる
ことはなく、触媒担体とコーン部との間に寸法誤差が生
じてもリテーナ中間部の弾性変形により吸収でき、コー
ン部との干渉によって触媒担体が損傷することを防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の触媒コンバータの側面図で
ある。
【図2】図1の触媒コンバータのリテーナ近傍の断面図
である。
【図3】図1の触媒コンバータで触媒担体と中間部材と
リテーナの組み合わせ体を触媒コンバータケースに圧入
する前の断面図である。
【図4】図1の触媒コンバータで触媒担体に中間部材を
巻付けたものにリテーナを嵌める前の斜視図である。
【図5】図4の触媒コンバータで触媒担体に中間部材を
巻付けたものにリテーナを嵌めた後の一部斜視図であ
る。
【図6】従来の触媒コンバータの断面図である。
【符号の説明】
10 触媒コンバータ 11 触媒担体 11a 触媒担体軸方向端面 12 中間部材 12a 凹部 12b 凸部 12c 軸方向端部 13 リテーナ 13a リテーナ外周部 13b リテーナ内周部 13c リテーナ中間部 14 触媒コンバータケース 14a 外筒部 14b コーン部 14c 段面 15 切れ目

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒担体に中間部材を巻き付け、該中間
    部材の軸方向の少なくとも一端部に、周方向に1箇所切
    れ目を有する環状のリテーナを嵌めたものを、触媒コン
    バータケースに入れて、触媒担体を中間部材を介して触
    媒コンバータケースに支持した触媒コンバータにおい
    て、前記リテーナの断面形状を、リテーナ外周部で前記
    中間部材の軸方向端部の外周面に接触し、リテーナ内周
    部で前記触媒担体の軸方向端面に面接触し、前記リテー
    ナ外周部と前記リテーナ内周部とを曲がり部を有するリ
    テーナ中間部でつないだ形状としたことを特徴とする触
    媒コンバータ。
  2. 【請求項2】 前記リテーナ中間部は少なくとも一部が
    前記触媒担体の軸方向端面より軸方向外側に突出し、該
    突出の頂部で前記触媒コンバータケースのコーン部の内
    面に接触し該コーン部にて軸方向に押さえられる請求項
    1記載の触媒コンバータ。
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