JP3776103B2 - 半導体装置及びサステイン回路 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体パワーデバイスに関し、特にワイドバンドギャップ半導体により構成される双方向のスイッチング動作が可能な半導体装置及びそれを用いたサステイン回路に関する。
半導体パワーデバイスは、高電圧が加わるパワーエレクトロニクス用途や大電流が流れる電子機器のパワースイッチなどに用いられている。
ダイオードあるいは縦型MOSFETなど、従来の半導体パワーデバイスは内部にpn接合を有しており、そのpn接合に逆バイアスを印加した場合に発生する空乏層により、電流が流れず高電圧に耐える構造を有している。このため、従来のパワーデバイスをスイッチング素子として動作させるときには、電源から供給される交流電圧を一度直流電圧に変換し、パワーデバイスに印加される電圧の極性を一定とする必要がある。
このようなスイッチング素子の一例として、従来の縦型MOSFETについて説明する。
図6は、スイッチング素子の1つである一般的な縦型MOSFETを示す断面図である。同図に示すように、従来の縦型MOSFETは、n型のSi(シリコン)基板193と、Si基板193の主面上に設けられたn型ドープ層192と、n型ドープ層192に囲まれて設けられたp型ウェル195と、p型ウェル195に囲まれて設けられたn型ソース196と、n型ドープ層192とn型ソース196とに挟まれたp型ウェル195の表面上に設けられたゲート絶縁膜199と、ゲート絶縁膜199の上に設けられたゲート電極200と、n型ソース196の上に設けられたソース電極197と、Si基板193の裏面上に設けられたドレイン電極198とを備えている。Si基板193の厚さは約300μm程度であり、n型ドープ層192、p型ウェル195、及びn型ソース196が形成されているシリコン層の厚みが100μm程度であれば1kVの耐圧を確保できる。
この縦型MOSFETは電子をキャリアとしており、n型ドープ層192とp型ウェル195との間にpn接合が形成されている。この縦型MOSFETを動作させるには、ドレイン電極198に正、ソース電極197をアース電位とする。その状態でゲート電極200に正電圧を印加することによってチャネルを流れる電流を誘起し、n型ソース196からドレイン側に電子が流れ込むことによりオン状態になる。つまり、ゲート電圧を変化させることにより、電流のオン・オフを制御することができる。この縦型MOSFETは電気機器のインバータなどによる精密制御を可能とし、消費電力の低減に貢献する。なお、スイッチング素子としては、縦型MOSFETの他にIGBT(Insulated Gate Bipolar transistor)などもある。
「パワーデバイス、パワーICハンドブック」電気学会編,コロナ社,p.144
上述のように、一般的なスイッチング素子の使用時には、スイッチング素子に所定の極性の電圧のみを印加する必要があるので、交流電源をまず直流に変換しなければならない。この交流−直流変換は、通常ダイオードを用いたブリッジ回路と大容量のコンデンサとを有する交流−直流変換回路により行われる。ところが、交流−直流変換回路を用いた交流−直流変換の際には、ダイオードに電流が流れることで導通損失が生じる。さらに、大容量のコンデンサを設置するためには大きい容積が必要となる。このため、従来のスイッチング素子では、回路の小型化や損失低減による省エネルギー化を図る上で限界があった。
本発明の目的は、電力損失を抑えつつ、小面積化が図られたスイッチング素子を提供することにある。
本発明の半導体装置は、ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第1の基板と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の電極と、上記第1の基板の裏面側に設けられた第2の電極と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の制御電極とを有する第1のトランジスタと、ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第2の基板と、上記第2の基板の主面側に設けられ、上記第1の電極に電気的に接続された第3の電極と、上記第2の基板の裏面側に設けられた第4の電極と、上記第2の基板の主面側に設けられた第2の制御電極とを有し、上記第1のトランジスタと電気的特性が等しい第2のトランジスタとを備え、上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは、上記第1の基板の主面側と上記第2の基板の主面側とが対向するように重ね合わされている。
この構成により、例えば、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタが、それぞれ縦方向に電流を流すタイプのトランジスタである場合には、第2の電極と第4の電極に印加する電圧の極性が変化してもスイッチング動作が可能となるので、交流で駆動させることができる。また、2つのトランジスタを重ねているので、同一基板上に2つのトランジスタを並べて設ける場合に比べて約1/2の大きさに回路面積を縮小できる。さらに、ワイドバンドギャップ半導体からなる基板を用いているので、従来のSi基板を用いる場合よりも電流密度を高めることができ、装置のサイズを大幅に縮小することができる。
双方向デバイスとして動作可能であり、上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極は、上記第2の電極から上記第4の電極に流れる電流または上記第4の電極から上記第2の電極に流れる電流を制御するための電極であることにより、第2の電極と第4の電極に印加する電圧の極性が変化してもスイッチング動作が可能となるので、交流で駆動させることができる。そのため、本発明の半導体装置を用いれば、直流−交流変換を行う必要がなくなるので、高電圧下でのスイッチング動作をより小さい面積で行なうことができる。従って、本発明の半導体装置は、プラズマディスプレイのサステイン回路等に好ましく用いられる。
上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは共に縦型MISFETであって、上記第1の電極及び上記第3の電極はソース電極であり、上記第2の電極及び上記第4の電極はドレイン電極であり、上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極はゲート電極であることにより、導通損失の少ない双方向デバイスを実現できる。
上記第1の基板及び上記第2の基板は、共に炭化珪素からなっていることにより、炭化珪素は放熱性に優れているので、シリコン基板を用いる場合に比べ、装置の温度上昇をより効果的に抑えることができる。また、炭化珪素の電流密度はシリコンよりも約10倍大きいので、同じ電流値を扱う場合、本発明の半導体装置の平面上のサイズは、従来のトランジスタを2つ重ねた半導体装置の1/10程度に縮小できる。従って、2つの従来のトランジスタを横に並べて構成した半導体装置に比べると、本発明の半導体装置のサイズは、1/20程度にできることになる。また、他のワイドバンドギャップ半導体を用いる場合に比べて比較的微細な装置を容易に製造することができる。
上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとの間に一部を突出させて挟まれ、上記第1の電極及び上記第3の電極に接続された第1の導電板と、上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとの間に一部を突出させて挟まれ、上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極に接続され、且つ上記第1の導電板とは電気的に分離された第2の導電板とをさらに備えていることにより、第1及び第2の導電板の突出部を、第1及び第2の制御電極と第1及び第3の電極との間に制御電圧を印加するためのリード端子とすることができる。
上記第1の基板の裏面上に接着された第1の金属板と、上記第2の基板の裏面上に接着された第2の金属板とをさらに備えていることにより、回路基板への実装が容易になるうえ、放熱性を向上させることができる。
本発明のサステイン回路は、プラズマディスプレイパネルに接続可能で、上記プラズマディスプレイパネルを駆動するパルス電圧を出力するための出力部と、上記出力部に接続された双方向デバイスとを備えているサステイン回路であって、上記双方向デバイスは、ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第1の基板と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の電極と、上記第1の基板の裏面側に設けられた第2の電極と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の制御電極とを有する第1のトランジスタと、ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第2の基板と、上記第2の基板の主面側に設けられ、上記第1の電極に電気的に接続された第3の電極と、上記第2の基板の裏面側に設けられた第4の電極と、上記第2の基板の主面側に設けられた第2の制御電極とを有し、上記第1のトランジスタと電気的特性が等しく、且つ上記第1の基板の主面側と上記第2の基板の主面側とが対向するように上記第1のトランジスタと重ね合わされている、第2のトランジスタとを有している。
この構成により、Siで構成される従来のトランジスタを多数個並べる場合に比べてサステイン回路の面積を縮小且つ簡略にすることができる。また、ワイドバンドギャップ半導体は低損失で高い耐熱性を有しているので、ドライバ回路の冷却設備を省略できる。本発明のサステイン回路を用いる結果として、PDPのドライバ回路の構成を簡略化することができる。
一端が接地され、他端が上記双方向デバイスに接続されたキャパシタと、上記双方向デバイスと上記出力部との間に介設されたインダクタンスと、第1の電源と上記出力部との間に介設された第1のスイッチと、上記第1の電源よりも低い電圧を供給するための第2の電源と上記出力部との間に介設された第2のスイッチとをさらに備えていることにより、出力部の電圧がキャパシタの電圧より高い場合と低い場合の両方でそれぞれ逆方向の電流を双方向デバイスに流すことができる。
上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは共に縦型MISFETであって、上記第1の電極及び上記第3の電極はソース電極であり、上記第2の電極及び上記第4の電極はドレイン電極であり、上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極はゲート電極であることが好ましい。
本発明の双方向デバイスは、低損失且つ高耐圧である上、2つの電気的特性が等しいトランジスタを重ね合わせているので、2つのトランジスタを平面的に並べて設ける場合に比べて約1/2の大きさに回路面積を縮小できる。さらに、ワイドバンドギャップ半導体からなる基板を用いているので、従来のSi基板を用いる場合よりも電流密度を高めることができ、装置のサイズを大幅に縮小することができる。これにより、デバイスの温度上昇が抑えられた双方向デバイスが実現され、交流直流変換を必要とせず、低損失、省スペース化を実現できる。そのため、低損失で面積の小さい、インバータなどのパワーエレクトロニクス回路や、簡略な構成のPDPのサステイン回路等を実現できる。
−素子構造の検討−
従来のスイッチング素子で回路面積が大きくなったのは、上述のように、交流−直流変換回路の面積が大きいためであった。そこで、本願発明者らは、スイッチング素子を交流で駆動可能な構成にすることを考えた。
スイッチング素子を交流で駆動させるためには、互いに同一な構成の2つのスイッチング素子を同一平面上に並べて互いに接続し、双方向デバイスとする方法が考えられる。
図7は、2つの従来の縦型MOSFETを横方向に並べて構成する双方向デバイスを示す斜視図である。同図では、図6に示す縦型MOSFETとそれぞれ同じ構造を有する第1のMOSFET300と第2のMOSFET400とを同一平面上に互いに隣接して配置する例を示している。この双方向デバイスにおいては、第1のMOSFET300のソース電極197aと第2のMOSFET400のソース電極197bとがワイヤーで互いに接続されるとともに、第1のMOSFET300のゲート電極200aと第2のMOSFET400のゲート電極200bとがワイヤーで互いに接続される。また、第1のMOSFET300の下には、第1のMOSFET300のドレイン電極に接続された第1の導電板202aが設けられ、第2のMOSFET400の下には、第2のMOSFET400のドレイン電極に接続された第2の導電板202bが設けられている。この構成により、ソース電極197a,197bとそれぞれのドレイン電極とに印加される電圧の極性が入れ替わっても正常に動作させることができ、交流で駆動させることが可能となる。
しかしながら、このような双方向デバイスでは交流−直流変換回路は不要になるものの、スイッチング素子自体の面積が大きくなってしまう。特に、大電流を扱うパワー素子の場合には面積の増加は著しい。そこで、本願発明者らはさらに研究を重ね、同一構成の2つのスイッチング素子を、互いの主面を対向させて積層することに想到した。2つのスイッチング素子を積層して双方向デバイスを構成することで、パッケージした状態での双方向デバイスのサイズは、図7に示す双方向デバイスに比べて約1/2にすることができる。
ただし、Siを構成材料とする従来のスイッチング素子では動作時の発熱が問題となるため、適する材料についての検討を併せて行った。その結果、耐圧性が高いワイドバンドギャップ半導体を用いると素子の厚みを薄くできるので好ましいことが分かった。ここで、ワイドバンドギャップ半導体とは、Siよりもバンドギャップが大きい半導体のことを意味するものとし、シリコンカーバイド(SiC)やダイアモンド、ガリウムナイトライド(GaN)、酸化亜鉛(ZnO)などを含むものとする。また、これらワイドバンドギャップ半導体の中でも、熱伝導性が高いSiCやダイアモンドを材料とすることで、さらに温度上昇が抑えられた双方向デバイスを実現できることが分かった。そのうち、SiCを材料として用いることが実用的で最も好ましいと考えられた。
また、SiCはSiに比べて電流密度を約10倍まで高くすることができるので、同じ電流値を扱う場合、SiCを用いることで、半導体装置の平面サイズを従来の1/10程度に低減することができる。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1(a),(b)は、本発明の第1の実施形態に係る双方向デバイスを示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態の双方向デバイスは、第1のスイッチング素子1と、主面側が第1のスイッチング素子1の主面側と対向するように第1のスイッチング素子1の上に設けられた第2のスイッチング素子2とを備えている。この例では、第1のスイッチング素子1と第2のスイッチング素子2とは互いに電気的特性が等しい縦型MOSFETである。なお、本明細書中で、スイッチング素子の主面側は基板の主面側と一致するものとする。
図1(a),(b)に示すように、第1のスイッチング素子1は、n型SiCからなる基板11と、基板11の主面上にエピタキシャル成長され、窒素を含むSiCからなる厚さ10μmのn型ドープ層12(ドレイン層)と、n型ドープ層12に囲まれて設けられ、Alを含むp型ウェル13と、p型ウェル13に囲まれて設けられ、窒素を含むn型ソース14と、少なくとも2つのp型ウェル13の上に設けられたSiO2 からなるゲート絶縁膜16と、ゲート絶縁膜16の上に設けられたAlからなるゲート電極17と、n型ソース14の上に設けられ、Niからなるソース電極15と、基板11の裏面上に設けられたNiからなるドレイン電極18とを有している。本実施形態において、ドレイン層の厚みは、Siで構成する場合の1/10程度に抑えられる。
また、第2のスイッチング素子2は、n型SiCからなる基板21と、基板21の主面上にエピタキシャル成長され、窒素を含むSiCからなる厚さ10μmのn型ドープ層22(ドレイン層)と、n型ドープ層22に囲まれて設けられ、Alを含むp型ウェル23と、p型ウェル23に囲まれて設けられ、窒素を含むn型ソース24と、2つのp型ウェル23の上に設けられたSiO2 からなるゲート絶縁膜26と、ゲート絶縁膜26の上に設けられたAlからなるゲート電極27と、n型ソース24の上に設けられ、Niからなるソース電極25と、基板21の裏面上に設けられたNiからなるドレイン電極28とを有している。また、図1には隣接する縦型MOSFETも示しているが、1枚のチップ上には、多数の縦型MOSFETが形成されている。
また、n型ドープ層12,22のキャリア濃度は例えば2×1017cm-3、p型ウェル13,23のキャリア濃度は1×1016cm-3、n型ソース14,24のキャリア濃度は1×1018cm-3である。
なお、図1(a),(b)では、第1のスイッチング素子1と第2のスイッチング素子2のゲート電極同士、ソース電極同士が直接接しているように示しているが、実際には第1のスイッチング素子1と第2のスイッチング素子2の間には層間絶縁膜が設けられており、プラグや導電板を介してゲート電極同士、ソース電極同士が電気的に接続されている。
本実施形態の双方向デバイスは、公知の方法を組み合わせることにより作製することができる。
すなわち、基板11を準備し、基板11の主面上に公知の方法でn型ドープ層12をエピタキシャル成長させる。次いで、アルミニウムイオンをn型ドープ層12に注入して活性化アニールを行い、p型ウェル13を形成する。その後、p型ウェル13に窒素イオンを注入して活性化アニールを行い、n型ソース14を形成する。次いで、基板11を熱酸化してゲート絶縁膜16を形成する。次に、n型ソース14の上面及び基板11の裏面にNiを蒸着後、基板11を加熱することで、n型ソース14及びp型ウェル13の上にはオーミック電極であるソース電極15を、基板11の裏面上にはオーミック電極であるドレイン電極18をそれぞれ形成する。続いて、ゲート絶縁膜16上にAlを蒸着して、ゲート電極17の形成を行なう。こうして第1のスイッチング素子1が作製される。
次いで、第1のスイッチング素子1が形成されたウェハをダイシングして、第1のスイッチング素子1が設けられたチップを作製する。また、同様にして、第2のスイッチング素子2が設けられたチップを作製する。
次いで、第2のスイッチング素子2と第1のスイッチング素子1とを、それぞれの主面同士を向かい合わせるようにして張り合わせる。なお、両スイッチング素子を張り合わせる前に、第1のスイッチング素子1上に層間絶縁膜やこれを貫通するプラグ等を必要に応じて形成する。また、外部端子となる電極板を第1のスイッチング1と第2のスイッチング素子2の間に必要に応じて挟み込んでよい。以上のようにして本実施形態の双方向デバイスを作製できる。
本実施形態の双方向デバイスでは、ソース電極とゲート電極間に制御用の電圧を印加することにより、第1のスイッチング素子1のドレイン電極18から第2のスイッチング素子2のドレイン電極28に流れる電流を制御することができる。また、ドレイン電極18とドレイン電極28に印加される電圧の極性が変わる場合には、逆方向の電流が流れる。このような、本発明の双方向デバイスの動作を図1を用いて次に説明する。
まず、図1(a)に示すように、第1のスイッチング素子1のドレイン電極18に正、第2のスイッチング素子2のドレイン電極28に負の電圧を印加した場合は、p型ウェル23とn型ドープ層22との間のpn接合においては、p側に正、n側に負の電圧がかかることとなり、ソース電極25からドレイン電極28に電流2Bが流れることになる。すなわち、pn接合はオンの状態となる。
一方、p型ウェル13とn型ドープ層12との間のpn接合においては、印加される電圧が逆方向となるので、pn接合はオフ状態となり、電流が流れない。このため、ドレイン電極18とドレイン電極28との間に電流は流れず、加えた印加電圧の殆どは第1のスイッチング素子1のpn接合部分の空乏層に印加されることになる。
そして、この状態でソース電極15とゲート電極17の間にゲート電極17が正となるような電界を印加すると、第1のスイッチング素子1においてMOSFETとしての動作がオン状態になり、ドレイン電極18、基板11、n型ドープ層12、p型ウェル13、n型ソース14、ソース電極15をそれぞれ経由して電流1Aが流れる。第2のスイッチング素子2には既に電流2Bが流れる状態にあるので、本実施形態の双方向デバイスにおいては、電流1Aが流れる経路と電流2Bが流れる経路とがつながる。ここで、ソース電極15とゲート電極17の間の電圧を大きくすると、電流1Aが大きくなる。なお、本実施形態の双方向デバイスでは、ゲート電極17とゲート電極27とは互いに電気的に接続されて同電位となっており、ソース電極15とソース電極25とについても互いに電気的に接続されて同電位となっている。そのため、第2のスイッチング素子2は、第1のスイッチング素子と同様にMOSFETとして動作し電流2Cが流れることとなる。すなわち、ソース電極に対してゲート電極に第1及び第2のスイッチング素子のしきい値以上の正電圧を印加することで、ドレイン電極18に正、ドレイン電極28に負の電圧をかけた場合に、ドレイン電極18からドレイン電極28へと電流が流れることになる。この時、電流2Cが流れることにより、電流2Bが流れる際に生じる電圧降下が小さくなり、pn接合にのみ電流が流れる素子に比べて導通損失を小さくすることができる。
逆に、第1のスイッチング素子1のドレイン電極18に負、第2のスイッチング素子2のドレイン電極28に正の電圧を印加した場合、図1(b)に示すように、ゲート電極−ソース電極間に電位差を加えなければ、ドレイン電極間に印加された電圧の殆どは第2のスイッチング素子2のpn接合部分の空乏層に印加されることになる。このとき、p型ウェル13とn型ドープ層12との間のpn接合はオン状態となり、ソース電極15からドレイン電極18に電流1Bのみが流れる。そして、両ドレイン電極に印加する電圧を保持したままゲート電極17,27にしきい値以上の正電圧を印加すると、第2のスイッチング素子2のMOSFETとしての動作がオン状態になり、ドレイン電極28からn型ドープ層22、p型ウェル23、n型ソース24を経由してソース電極25へと電流2Aが流れる。これと同時に、第1のスイッチング素子もオン状態となり、ソース電極15からドレイン電極18へ電流1Cが流れる。
このように、本実施形態の双方向デバイスは、ドレイン電極に印加される電圧の極性が変化しても少ない電圧損失で動作させることができる。また、本実施形態の双方向デバイスでは、第1のスイッチング素子1と第2のスイッチング素子2の電気的特性が等しいので、印加される電圧の極性が変化しても、印加される電圧の絶対値に応じてスイッチング動作が行われることとなる。それ故、本実施形態の双方向デバイスは、交流駆動させることができる。従って、本実施形態の双方向デバイスを用いれば、交流−直流変換回路が不要となるので、回路全体としての面積を縮小することができる。また、2つのスイッチング素子を積層しているので、同一基板上に2つのスイッチング素子を隣接して設ける場合に比べても、パッケージの状態での面積を約1/2に低減することができる。また、例えば20A(アンペア)程度のパルス電流を扱うスイッチング素子をSiで構成する場合には、通常5mm角程度の大きさが必要であったが、スイッチング素子をSiCで構成する場合には、平面での面積を従来の1/10程度に抑えることができる。従って、本実施形態の双方向デバイスは、図7に示す双方向デバイスに比べて面積を1/20程度に抑えることができる。さらに、後述するように、SiCはSiに比べて熱伝導率が高いので、パルス電流を扱う場合に動作に伴う昇温を抑えることができる。そのため、双方向デバイスをより小型化することもできる。従って、本実施形態の双方向デバイスは、プラズマディスプレイパネル(PDP)のサステイン回路等に好ましく用いることができる。
なお、本実施形態の双方向デバイスが2つのスイッチング素子の積層構造をとることができるのは、基板や基板上の堆積層をSiCで構成しているためである。パワーエレクトロニクス用のデバイスとして、数kV以上の高電圧スイッチング素子をSiで構成する場合、耐圧性を持たせるために素子の厚みを数百μm程度にする必要があった。これに対し、SiCはワイドバンドギャップの半導体であるので、SiCを構成材料とする場合、素子の厚みを大幅に減らすことができる。参考までであるが、1kV以上の電圧に耐えるMOSFETに必要なエピタキシャル成長層(ドリフト層)の厚みは、Si層で100μmであるのに対し、SiC層では10μmである。すなわち、本実施形態の双方向デバイスを構成するスイッチング素子は素子の厚みが従来より薄いので、放熱性が向上し、且つ導通損失も低減されている。さらに、SiCはSiに比べて熱伝導率が3倍以上あるので、本実施形態で用いられるスイッチング素子の放熱性はさらに良好になっている。その上、SiCの耐熱性はSiに比べ非常に高くなっている。そのため、高電圧下で大電流が流れる状況下でも、本実施形態の双方向デバイスの温度は動作可能温度内に抑えられる。従って、本実施形態の双方向デバイスはインバータなどのパワーエレクトロニクス回路に使用することが可能となっている。
なお、SiC以外にもダイアモンドやガリウムナイトライド(GaN)などのワイドバンドギャップの半導体であれば素子の厚みを薄くできるので、素子の構成材料として用いることができる。ダイアモンドの熱伝導率はSiに比べて3倍以上高いので、SiCの代替材料としては特に好ましい。ただし、現状の技術ではSiCの方がより微細なデバイスを作製することが可能である。
以上では、スイッチング素子がnチャネル型の縦型MOSFETである場合について説明したが、pチャネル型の縦型MOSFETを用いても双方向デバイスを作製できる。その場合には、2つのスイッチング素子のドレイン間に電圧を加えた時に電流の流れる方向がnチャネル型の場合と逆になる。また、ゲート電極にソース電極に対して負またはしきい値以下の電圧をかけた時に両ドレイン間に電流が流れることになる。
また、本実施形態の双方向デバイスにおいて、縦型MOSFETの単位素子が並列して多数連なっていても動作させることができる。また、隣接する素子間に素子分離用絶縁膜が設けられていてもよい。
なお、本実施形態の双方向デバイスにおいては、スイッチング素子が縦型MOSFETであったが、これに代えてIGBTやバイポーラトランジスタを用いてもよいし、図1(a),(b)に示す構成でゲート絶縁膜を設けないバイポーラトランジスタを用いてもよい。また、GTOサイリスタを重ね合わせても双方向デバイスとして機能させることができる。
−双方向デバイスの端子構造−
図2(a)は、本実施形態の双方向デバイスの電極構造を示す立体概略図であり、(b)は、本実施形態の双方向デバイスの一例を示す平面概略図である。なお、図2(a)では、層間絶縁膜やプラグは図示していない。
同図に示すように、スイッチング素子1とスイッチング素子2の間には、ソース電極15及びソース電極25と電気的に接続された第1の金属板5と、ゲート電極17及びゲート電極27に電気的に接続された第2の金属板7とが挟み込まれている。そして、図2(b)に示すように、厚みが50μm程度の第1の金属板5及び第2の金属板7は、それぞれ平面的に見てスイッチング素子の基板からはみ出している。このはみ出した部分があることにより、第1の金属板5は、ソース電極用のリード端子となり、第2の金属板7は、ゲート電極用のリード端子として機能する。
本発明の双方向デバイスを動作させるためには、ソース電極15-ゲート電極17間及びソース電極25−ゲート電極27間に制御電圧を印加する必要があるので、外部に接続されるリード端子が必要となる。そのため、本実施形態では、第1の金属板5と第2の金属板7をスイッチング素子1とスイッチング素子2の間に挟む構造をとることによって、リード端子を容易に形成することができる。加えて、各スイッチング素子で生じる熱を効率よく逃がすことができるので、双方向デバイスの温度の上昇を抑制することもできる。このような放熱効果は、第1の金属板5及び第2の金属板7の厚みをさらに減らすことで大きくなる。この第1の金属板5と第2の金属板7の材料はNi,Al,Mo,Auなどをはじめ、金属であれば特に限定はない。
なお、本実施形態の双方向デバイスにおいて、制御電圧はドレイン電極18,28に供給される交流電圧に対して絶縁され、「浮いた」電圧である必要がある。また、第1の金属板5と第2の金属板7との間は互いに電気的に導通しないようにする。
なお、図2(a),(b)に示す例では、第1の金属板5のはみ出し部分と第2の金属板のはみ出し部分とは双方向デバイスの両側に分かれているが、上面から見て同じ側に設けられていてもよく、隣接する辺の側に設けられていてもよい。
なお、金属板を用いる以外の方法でリード端子を形成することも可能である。
次に、実装に適したドレイン電極側の構成例について説明する。
図3は、実装に適した本実施形態の双方向デバイスの構成例を示す断面図である。同図に示すように、第1のスイッチング素子1が設けられた第1の半導体チップ30のドレイン電極(裏面)と第2のスイッチング素子2が設けられた第2の半導体チップ32のドレイン電極(裏面)とにそれぞれ金(Au)などの導電体からなる導電板36が接着されていてもよい。この場合、実装が容易になるので好ましい。その上、導電板36を設けることで双方向デバイスの放熱性も向上させることができる。双方向デバイスの放熱性は、導電板36の厚みを大きくして熱容量を増加させることでさらに向上する。
このような導電板36を双方向デバイスに接着させる際には、例えば、図3に示すような固定用具38で固定し、熱を加えればよい。この後、必要に応じて樹脂封止などを行ってもよいし、この導電板36を半田を用いて回路基板に直接固定してもよい。なお、双方向デバイスに固定用具38を付けた状態で樹脂封止することもできる。また、固定用具38で固定しながら熱をかけずに超音波融着などを行うことも可能である。導電板36の材料が金の場合、十分に表面処理を施せば、ドレイン電極に接触させておくだけで接着させることも可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態で説明した双方向デバイスを用いたサステイン回路を説明する。このサステイン回路は、PDPのドライバ回路の一部である。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るサステイン回路を示す回路図であり、図5は、図4に示すサステイン回路の出力電流波形及び出力電圧波形を示す波形図である。
PDPのサステイン回路は、PDPの電極にサステインパルス電圧を供給して表示発光を行わせるためのドライバ回路である。図4に示すように、本実施形態のサステイン回路は、PDPの駆動電圧を出力するための出力部と、共にnチャネル型の縦型MOSFETであって互いのソース同士、ゲート電極同士が互いに接続された第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83と、一端が第2のスイッチング素子83のドレインに接続され、他端が出力部に接続されたインダクタンス84と、第1のスイッチング素子82のドレインに接続されたコンデンサ85と、一端が接地されたnチャネル型MOSFETである、第3のスイッチング素子81と、一端が第3のスイッチング素子81に接続された第4のスイッチング素子80と、第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83の動作を制御する第1のゲート駆動回路89と、第3のスイッチング素子81の動作を制御する第2のゲート駆動回路87と、第4のスイッチング素子80の動作を制御する第3のゲート駆動回路86とを備えている。第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83は、第1の実施形態で説明した双方向デバイスである。また、第3のスイッチング素子81と第4のスイッチング素子80とを接続する配線は、インダクタンス84と出力部とを接続する配線に接続されている。なお、図示しないが、ドライバ回路において、サステイン回路の出力部は、パネル側のキャパシタの一端に接続されている。
次に、本実施形態のサステイン回路の動作について図5を用いて説明する。
まず、t1において、相手側にあるサステイン回路の出力電圧が0(V)よりも少し高い電圧から0(V)に立ち下がると、第3のスイッチング素子81のボディダイオードに出力電流i1aが流れる。ここで、「相手側」とは、パネル側キャパシタの他端側のことを意味するものとする。
そして、t1において、出力電流i1aが流れるのと同時に第1のスイッチング素子82がオンすると、コンデンサ85のVsus/2(V)の電圧が第1のスイッチング素子82、第2のスイッチング素子83を介してA点に供給される。これにより、A点の電圧が引き上げられ、インダクタンス84とスキャン電極の持つコンデンサ成分とが共振を開始する。これに続いて、サステイン回路の出力電圧は、0(V)からVsus(V)よりも少し低い電圧まで立ち上がる。このとき、第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83には出力電流i1bが流れる。そして、出力電流i1a、i1bが流れることで、第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83のオン抵抗による電力損失が発生する。
次に、t2において、第4のスイッチング素子80がオンすると、PDPを表示発光させる放電電流と、サステイン回路の出力電圧をVsus(V)よりも少し低い電圧からVsus(V)に引き上げる電流とを複合した出力電流i2が第4のスイッチング素子80に流れる。そして、サステイン回路の出力電圧はVsus(V)に引き上げられる。このとき、第4のスイッチング素子80にはオン抵抗による電力損失が発生する。
次に、t3において、第4のスイッチング素子80、第1のスイッチング素子82、第2のスイッチング素子83が揃ってオンすると、コンデンサ85のVsus/2(V)の電圧が第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83を介してA点に供給される。これにより、A点の電圧が引き下げられ、インダクタンス84とスキャン電極の持つコンデンサ成分とが共振を開始する。そして、サステイン回路の出力電圧はVsus(V)から0(V)よりも少し高い電圧まで立ち下がる。このとき、第1のスイッチング素子82及び第2のスイッチング素子83には出力電流i3が流れ、第2のスイッチング素子83、第1のスイッチング素子82のそれぞれのオン抵抗による電力損失が発生する。
次に、t4において、第3のスイッチング素子81がオンすると、サステイン回路の出力電圧を0(V)よりも少し高い電圧から0(V)に引き下げる出力電流i4aが第3のスイッチング素子81に流れる。
次に、t5において、第3のスイッチング素子81のオン状態は継続され、PDPを表示発光させる放電電流と、サステイン回路の出力電圧を0(V)よりも少し高い電圧から0(V)に引き下げる電流とを複合した出力電流i5が第3のスイッチング素子81に流れる。
次に、t6において、第3のスイッチング素子81のオン状態は継続され、相手側にあるサステイン回路の出力電圧の立ち下がりによって生じる出力電流i6が第3のスイッチング素子81のボディダイオードに流れる。
このようにサステイン回路が動作することにより、サステイン回路は、PDPを駆動するためのパルス電圧を発生させることができる。
特に、第1のスイッチング素子82と第2のスイッチング素子83とで構成される本発明の双方向デバイスをPDP回路のサステイン回路に用いることにより、パルス状の大電流である出力電流i1b、i3に耐えるように、Siで構成されるスイッチング素子を並列にして3個〜5個用いていた従来のサステイン回路を簡略化することができる。
また、サステイン回路を簡略化できることにより、ドライバ回路も簡略化できる。これは、本発明の双方向デバイスが従来のものよりも低損失であることにより、パルス電流によるデバイスの加熱が抑制されたため、及び元々双方向デバイスが高温になっても動作するワイドバンドギャップ半導体で構成されたため、デバイスの冷却等の設備を必要としないことに対応している。さらに、本発明の双方向デバイスのスイッチング速度はSiで構成される従来の双方向デバイスよりも速く、スイッチング損失がより低減されていることも、ドライバ回路の簡略化に寄与している。
なお、対角線が42インチクラスのPDP装置の場合、上記サステイン回路の出力電圧は、170(Vsus)で、1周期が5μsec程度である。また、上記パルス状の出力電流i1b、i3はそれぞれ50A程度である。
以上説明したように、本発明の半導体装置は、低損失且つ高耐圧で従来よりも小面積化が可能な双方向デバイスであるので、PDPのドライバ回路や発電用の回路等、高い耐圧性が要求される用途に好ましく用いられる。
本発明の第1の実施形態に係る双方向デバイスを概略的に示す断面図である。 (a),(b)は、それぞれ第1の実施形態に係る双方向デバイスの電極構造を示す立体概略図、及び該双方向デバイスの一例を示す平面概略図である。 実装に適した本発明の双方向デバイスの構成例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るサステイン回路を示す回路図である。 図4に示すサステイン回路の出力電流波形及び出力電圧波形を示す波形図である。 一般的な縦型MOSFETを示す断面図である。 2つの従来の縦型MOSFETを横方向に並べて構成する双方向デバイスを示す斜視図である。
符号の説明
1 第1のスイッチング素子
2 第2のスイッチング素子
5 第1の金属板
7 第2の金属板
11,21 基板
12,22 n型ドープ層
13,23 p型ウェル
14,24 n型ソース
15,25 ソース電極
16,26 ゲート絶縁膜
17,27 ゲート電極
18,28 ドレイン電極
80 第4のスイッチング素子
81 第3のスイッチング素子
82 第1のスイッチング素子
83 第2のスイッチング素子
84 インダクタンス
85 コンデンサ
86 第3のゲート駆動回路
87 第2のゲート駆動回路
89 第1のゲート駆動回路
1A,1B,1C,2A,2B,2C 電流
i1a、i1b 出力電流
i1b、i3 パルス電流

Claims (6)

  1. ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第1の基板と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の電極と、上記第1の基板の裏面側に設けられた第2の電極と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の制御電極とを有する第1のトランジスタと、
    ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第2の基板と、上記第2の基板の主面側に設けられ、上記第1の電極に電気的に接続された第3の電極と、上記第2の基板の裏面側に設けられた第4の電極と、上記第2の基板の主面側に設けられた第2の制御電極とを有し、上記第1のトランジスタと電気的特性が等しい第2のトランジスタと
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとの間に一部を突出させて挟まれ、上記第1の電極及び上記第3の電極に接続された第1の導電板と、
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとの間に一部を突出させて挟まれ、上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極に接続され、且つ上記第1の導電板とは電気的に分離された第2の導電板と、
    を備え、
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは、上記第1の基板の主面側と上記第2の基板の主面側とが対向するように重ね合わされており、上記第1の導電板と第2の導電板との間に、上記第2の電極から上記第4の電極に流れる電流または上記第4の電極から上記第2の電極に流れる電流を制御するための電圧を印加することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項に記載の半導体装置において、
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは共に縦型MISFETであって、
    上記第1の電極及び上記第3の電極はソース電極であり、
    上記第2の電極及び上記第4の電極はドレイン電極であり、
    上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極はゲート電極であることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置において、
    上記第1の基板及び上記第2の基板は、共に炭化珪素からなっていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の半導体装置において、
    上記第1の基板の裏面上に接着された第1の金属板と、
    上記第2の基板の裏面上に接着された第2の金属板と
    をさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
  5. プラズマディスプレイパネルに接続可能で、上記パネルを駆動するパルス電圧を出力するための出力部と、上記出力部に接続された双方向デバイスとを備えているサステイン回路であって、
    上記双方向デバイスは、
    ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第1の基板と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の電極と、上記第1の基板の裏面側に設けられた第2の電極と、上記第1の基板の主面側に設けられた第1の制御電極とを有する第1のトランジスタと、
    ワイドバンドギャップ半導体からなり、第1導電型の不純物を含む第2の基板と、上記第2の基板の主面側に設けられ、上記第1の電極に電気的に接続された第3の電極と、上記第2の基板の裏面側に設けられた第4の電極と、上記第2の基板の主面側に設けられた第2の制御電極とを有し、上記第1のトランジスタと電気的特性が等しく、且つ上記第1の基板の主面側と上記第2の基板の主面側とが対向するように上記第1のトランジスタと重ね合わされている、第2のトランジスタと
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとの間に一部を突出させて挟まれ、上記第1の電極及び上記第3の電極に接続された第1の導電板と、
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとの間に一部を突出させて挟まれ、上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極に接続され、且つ上記第1の導電板とは電気的に分離された第2の導電板と、
    一端が接地され、他端が上記双方向デバイスに接続されたキャパシタと、
    上記双方向デバイスと上記出力部との間に介設されたインダクタンスと、
    第1の電源と上記出力部との間に介設された第1のスイッチと、
    上記第1の電源よりも低い電圧を供給するための第2の電源と上記出力部との間に介設された第2のスイッチと、
    を備え
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは、上記第1の基板の主面側と上記第2の基板の主面側とが対向するように重ね合わされており
    上記第1の導電板と第2の導電板との間に、上記第2の電極から上記第4の電極に流れる電流または上記第4の電極から上記第2の電極に流れる電流を制御するための電圧を印加することを特徴とする、サステイン回路。
  6. 請求項5に記載のサステイン回路において、
    上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタとは共に縦型MISFETであって、
    上記第1の電極及び上記第3の電極はソース電極であり、
    上記第2の電極及び上記第4の電極はドレイン電極であり、
    上記第1の制御電極及び上記第2の制御電極はゲート電極である、サステイン回路。
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